JP3512865B2 - 熱間圧延用ロール - Google Patents

熱間圧延用ロール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に鉄鋼製造におい
て、熱間圧延、特に連続熱延プロセス及び粗圧延等で使
用されるロール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製造においては生産性の向上、製造
コストの低減等を目的に連続鋳造機から熱間圧延工程ま
でを一貫して行う連続熱延プロセスが実用化されつつあ
る。また、板圧延や条鋼等の圧延では、鋳片は粗圧延を
経て仕上圧延が施される。
【0003】この様な連続熱延プロセスにおいて用いら
れる連続鋳造インライン圧延機のロールや板、条鋼等の
粗圧延機で使用されるロールは、高温の鋳片を圧延する
ため、ロール表面は1100℃以上に達し、かつロール
バイトを離れると冷却されるため激しい熱衝撃を繰り返
し受ける。ロール表面に熱亀裂が発生すると、使用して
いくに従いこれを起点として亀裂が進展し、亀裂同士が
つながり表層の欠け落ち等の肌荒れを発生し、圧延材の
表面品質を著しく損なうことになる。また、ロールの補
修或いは交換が必要になり、生産性の低下、ロール原単
位の悪化を引き起こすことになる。また、高温下で長期
に使用するためには高温での耐摩耗性も必要であり、耐
熱衝撃性・耐摩耗性に優れたロール材質が要求される。
一般に、耐熱衝撃性を改善するために靭性を向上すると
耐摩耗性が低下するため、両者を同時に満足することは
相当困難である。
【0004】従来、この様な耐熱亀裂性を満足する熱間
圧延ロール材としては、特開昭54−69522号公報
に示される、質量%でC;0.01〜0.25%、S
i;0.15〜2.0%、Mn;0.2〜2.0%、N
i;3〜6%、Cr;12〜20%、Cu;2〜5%、
Mo;0.1〜0.15%からなる材質が使用されてき
たが、該材質は耐摩耗性は問題ないが靭性がやや劣り熱
亀裂の発生と伝播を十分に抑制するまでに至っていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な高温下で繰り返し熱衝撃を受けながら使用されるロー
ル材に発生する熱亀裂を、耐摩耗性を損なうことなく効
果的に抑制することにより、低コスト、高品質の鉄鋼製
品の製造を可能とする熱間圧延用ロール材を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、セラミックスの1種であるスケールの高い
断熱特性を利用して、熱処理によりロール表面にスケー
ルを生成することを特徴とする。即ち、本発明の要旨と
するところは、化学組成として、Cが0.05〜0.5
質量%、Crが0.3〜4質量%、Niが0.5〜4
%、残部Feおよび不可避的元素よりなる低合金鋼の
表層に160〜500μm以下のスケールを有すること
を特徴とする熱間圧延用ロールにある。
【0007】
【作用】以下に、本発明を詳細に説明する。熱間圧延ロ
ールの耐熱衝撃性を改善する方法としては、材質的に耐
熱衝撃性に優れた組成とすることや、ロール母材の温度
上昇を抑え、母材温度と冷却後の温度差を極力抑制する
方法等が考えられる。このうち、組成についてはC量を
低減し、靭性を向上させたり、熱亀裂発生の起点となり
易い炭化物の晶出を抑制する等が考えられるが、いずれ
も熱間での耐摩耗性を大きく損なうことになる。このた
め熱衝撃性と耐摩耗性をある程度犠牲にした組成となら
ざるをえず両特性を十分に満足させることはできない。
【0008】そこで、発明者らは、ロール母材の温度上
昇を極力抑制するとともに熱間での耐摩耗性を確保でき
る方法として、断熱性に優れるセラミックスの1種であ
るスケールに注目し、耐熱母材にスケールを施すことを
検討した。発明者らは種々の成分系について熱処理によ
り表層スケール処理を施し、その耐熱亀裂性及び耐摩耗
性を詳細に検討した結果、熱処理によるスケールが存在
すれば耐熱亀裂性が大幅に改善されること、さらにこの
スケールの存在により耐摩耗性の確保も可能なことを見
いだした。スケールの耐摩耗効果は、スケール自身が硬
いこと、また高温下の最表層では溶融し1種の潤滑作用
を示すためと考えられる。なお、熱亀裂性の評価は、
「塑性と加工」Vol.28,No.314,P264〜271 に文献が示さ
れている熱間摩耗試験機により行った。
【0009】次に、本発明での低合金鋼組成の限定理由
について説明する。Cは、あまり多くなるとCrと結合
し余分な炭化物を形成し、かえって材質を脆化させるた
め上限を0.5%とした。また、Cは低いほど靭性は改
善されるが、熱処理により材質の機械的強度を向上させ
るため必要であり下限は0.05%とした。特に、耐熱
衝撃性を重視する場合は0.05〜0.2%未満の範囲
が好ましい。
【0010】Crは、基地マトリックス中に固溶し、耐
酸化性を改善するとともにCと結合し、クロム炭化物を
形成して高温での機械強度を改善する。しかし、Cr量
が高すぎるとスケール生成が減少し、本発明の目的を達
成できなくなるため、その上限を4%、下限を0.3%
とした。
【0011】Niは熱処理により生成したスケール基地
に喰い込ませ、保持する機能を有するため0.5%以上
の添加が必要であり、あまり大きくなるとCr同様にス
ケール生成が困難になるため、上限を4.0%とした。
【0012】本発明の材料を熱処理しスケール付けした
ロールは、圧延使用にともない表層スケールが消耗され
るが、熱間圧延においては圧延後にロール冷却が行われ
る環境であることから、ロールは水蒸気雰囲気中にさら
され、スケールが生成するためスケールがある程度補充
される。
【0013】熱処理によるスケールは母材側の合金酸化
層を含む直接酸化層とFeO、Fe3 4 主体のFe拡
散酸化層よりなる。FeOは冷却中に変態し、使用前の
状態はFe3 4 となる。スケールの厚みとしてはスケ
ール厚みが厚いほどその効果を発揮するが、ロールの温
度上昇を防止する上で30μm以上必要である。上限と
して500μmとしたのは、これを超えるスケール生成
は困難であり、生成したとしても剥離し易くなり、厚み
相当の寿命向上が期待できないためである。
【0014】スケールを生成する方法としては、水蒸気
雰囲気の下、温度900〜950℃で処理するのがスケ
ールの厚みも厚く、密着性も良く最も良いが、大気中処
理でも十分である。上述したように生成したスケールは
母材側のFeと合金が富化したスケール層とその外側の
Fe3 4 となるが、Fe3 4 は熱膨張係数が約16
×10-6/℃と母材の約12×10-6/℃との差が大き
く剥離しやすいため、冷却はFe3 4 変態域(約57
0℃〜400℃)を過ぎるまで徐冷することが望まし
い。
【0015】なお、該材料を熱処理によりスケール処理
したものを、使用に先立ち予め面圧98N/mm 2 以下で押
圧を加えて緻密化してやると、より一層の高寿命化をは
かることができる。また、合金成分としてCr、Ni以
外に3%以下のMo、W、Coを含有させると熱間強度
が向上し、より一層の耐摩耗性を向上させることができ
る。
【0016】
【実施例】本発明の実施例として、ディスク対ディスク
型の熱間転動摩耗試験機にて評価した結果を以下に説明
する。試験は次の試験条件にて行った。 (1)加熱片材質(被加工材に相当)及びサイズ:普通
鋼、外径160mm×厚み10mm (2)試験片材質(ロール材に相当)及びサイズ:材質
は表1に示す。外径80mm×厚み10mm (3)試験片速度:回転数8rpm (4)ディスク間のすべり率:4.4%((加熱片周速
度−試験片周速度)/加熱片周速度×100(%)) (5)接触応力:150MPa (6)加熱片温度:850℃ (7)試験片温度:700℃→冷却後450℃ (8)転動数:800回 熱亀裂性は800回転動後の試験片に発生した亀裂の最
大深さ及び発生個数で比較評価した。同時に質量を測定
し摩耗量を比較した。
【0017】表2に本発明による成分系、及びスケール
処理材の1000回転動後の結果を示す。本発明のロー
ル材は、耐摩耗性を損なうことなく、耐熱亀裂性を大幅
に改善できることがわかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上述べてきたように粗圧延
機や連続熱延プロセスにおいて用いられる連続鋳造イン
ライン圧延機のロール材として、耐熱亀裂性を改善する
とともに耐摩耗性を確保でき、製品品質の向上、圧延作
業率の向上やロール原単位の向上が可能となる等その産
業上の効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 普康 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭53−138915(JP,A) 特開 昭57−13147(JP,A) 特開 昭64−40105(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 301 B21B 27/00 B21B 27/02 C22C 38/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成として、Cが0.05〜0.5
    質量%、Crが0.3〜4質量%、Niが0.5〜4
    %、残部Feおよび不可避的元素よりなる低合金鋼の
    表層に、熱処理による厚さ160〜500μmのスケー
    ルを有することを特徴とする熱間圧延用ロール。
  2. 【請求項2】 前記スケールが、使用に先立つ面圧98
    N/mm 2 以下の予め押圧を受け緻密化したスケールである
    ことを特徴とする請求項1記載の熱間圧延用ロール。
  3. 【請求項3】 前記低合金鋼のCrが0.3〜1.8質
    量%であることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の熱間圧延用ロール。
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