JP2886368B2 - 熱間圧延用耐摩耗・耐熱亀裂ロール材 - Google Patents

熱間圧延用耐摩耗・耐熱亀裂ロール材

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JP2886368B2
JP2886368B2 JP19152891A JP19152891A JP2886368B2 JP 2886368 B2 JP2886368 B2 JP 2886368B2 JP 19152891 A JP19152891 A JP 19152891A JP 19152891 A JP19152891 A JP 19152891A JP 2886368 B2 JP2886368 B2 JP 2886368B2
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秀 内田
普康 山本
剛 井上
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、耐熱亀裂性
に優れた熱間圧延用ロール材に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の高負荷、高熱負荷操業に従い、熱
間圧延用ロールとしては、高温度における耐摩耗性、耐
熱亀裂性が強く要求される。これまで熱延ロールとして
は、主にアダマイト材やグレン材が使用されてきたが、
最近では、Crを15〜20%程度含有した高Cr鋳鉄
材が開発され、その良好な耐摩耗性により急速に適用が
拡大されている。さらに、高Cr鋳鉄よりも耐摩耗性に
すぐれるハイス材のロールも出現しつつある。しかし、
これらのロール材は非常に硬い炭化物を晶出、析出させ
ており、耐摩耗性は優れるものの耐熱亀裂性が劣る問題
を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、耐摩耗性を改
善するには、組織中に硬い炭化物を沢山晶析出させるこ
とが望ましい。しかし、遠心鋳造法等をはじめとする溶
湯から直接製造する場合は凝固速度が遅いこともあり、
炭化物の粗大化や偏析を伴い易い。これら、高硬度炭化
物及びその粗大化により、耐熱亀裂性が阻害される。本
発明は、耐摩耗性に優れるとともに耐熱亀裂性を改善し
たロール材を提供するためになされた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、C:1.0〜
2.5%,Si:0.3〜2.0%,Mn:0.1〜
2.0%,Cr:6.0〜15.0%,Mo<6.0
%,W<6.0%,V:4.0〜8.0%,残部Feお
よび不可避不純物よりなる成分に、Ti:0.01〜
0.1%添加することを特徴とする耐摩耗・耐熱亀裂ロ
ール材である。
【0005】
【作用】以下に本発明によるロール材について詳細に説
明する。上記のような成分系に限定した理由をまず説明
する。 Cの含有量を1.0から2.5%としたのは、CはC
r,V,Mo,Wと化合し、硬度の高いMC型、M3
型、M7 3 型の炭化物を晶析出させ耐摩耗性を向上さ
せる。下限の1.0%は、これ未満の添加では炭化物量
が少なく充分な耐摩耗性が得られない。上限の2.5%
は、これを越えた添加では炭化物は多すぎて靭性が低下
するため望ましくない。
【0006】Siの含有量を0.3〜2.0%としたの
は、良好な鋳造性を得るためであり、通常0.3〜2.
0%添加する。Mnの含有量を0.1〜2.0%とした
のは、溶湯の脱酸、脱硫のためであり、通常0.1〜
2.0%添加する。
【0007】Crの含有量を6.0〜15.0%とした
のは、CrはCと炭化物を生成しやすく耐摩耗性を向上
すること一部マトリックス中に固溶して焼入れ性を向上
することから耐摩耗性を改善する。Cr量の下限はVC
をはじめとする他の炭化物とのバランス上6.0%とし
た。また、15.0%超になると炭化物が粗大化しやす
く耐熱亀裂特性が悪くなることから、上限を15.0%
とした。
【0008】Mo、Wの含有量を6.0%未満としたの
は、両者ともにCと化合してM2 C、M6 C型炭化物を
生成するとともに、マトリックス中に固溶して基地を強
化し、耐摩耗性や高温硬度を向上する。しかし、Mo、
Wが多くなるとネット状の複炭化物が増加し、靭性及び
耐熱亀裂特性が低下する。また、Cr,V等とのC含有
量のバランス上、上限を各々6.0%とした。
【0009】Vの含有は、CとMC型の非常に高硬度の
炭化物を生成し、初晶として生成するため耐摩耗性への
影響が大きい元素である。Vの含有量4.0%未満では
耐摩耗性が充分でない。上限を8.0%としたのは、他
の炭化物とのバランス上、均一分布が可能な範囲とし
た。
【0010】さらに、発明者らは検討を重ねた結果、微
量のTiを添加するとTi酸化物の周辺に炭化物が微細
に晶析出すること,および亀裂伝播のもととなるネット
状炭化物の析出を抑制することをみいだした。その結
果、靭性及び熱亀裂特性が改善できる。この場合、Ti
量が0.01%以下ではその効果は充分でなく、0.1
%以下でその効果は充分発揮される。最終的には、炭化
物の量により、添加量は調節すればよい。なお、Tiの
添加法としては、脱酸剤として添加すると合理的であ
る。また、確実にTi酸化物を生成するため同時にFe
3 4 やFeO等のスケールを添加するとより効果的で
ある。
【0011】上記記載組成以外に、より一層の焼入れ性
の向上をはかるためNiを、圧延使用中の焼戻し抵抗を
向上する意味でCoを通常添加される範囲内で添加して
もよい。なお、ロールの製造にあたっては、熱処理等に
より硬度としてはHs80〜90に調節して耐摩耗性の
維持をはかるためその強度上、内部に高靭性材を有する
複合ロールとなる。外層の製造法としては、CPC法
(連続溶湯鋳掛け法)等を利用すればよい。
【0012】
【実施例】本発明の実施例として表1に示す成分のグレ
ンロール材、一般的なハイス材、本発明によるロール材
について熱間摩耗試験および熱亀裂試験を行なった。熱
間摩耗試験は、図1に示すようなディスク対ディスクタ
イプの転動摩耗試験により行い、圧延材に相当する加熱
片の温度は、850℃で、またディスク間の接触応力は
約30 kgf/mm2 で、ディスク間のすべりは11%にて
行なった。一方、熱亀裂試験は、500℃にて15分加
熱後、どぶ漬水冷の繰り返しを行いクラック発生迄の回
数で比較した。
【0013】尚、各種試験に先立ち、Ti添加量と炭化
物サイズを検討したが、その結果を図2に示す。図よ
り、Ti添加による炭化物の微細化効果がわかる。表2
より、発明材は現状材より耐摩耗性、耐熱亀裂性に優
れ、特に耐熱亀裂特性の改善が大きいことがわかる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【発明の効果】上記発明組成よりなるロールを使用する
ことにより、高硬度による耐摩耗性と炭化物の微細分布
化による熱亀裂特性の向上が可能となり、高ロール寿命
が得られ、ロール交換の減少による作業率の向上やロー
ル原単位の低減等、その効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種ロール材の熱間における摩耗量を評価する
試験機の構成を示す図である。
【図2】本発明におけるTi添加量と各種晶析出炭化物
のサイズを示す図である。
【符号の説明】
1 加熱コイル 2 加熱片(圧延材相当) 3 試験片(ロール材相当)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 光生 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 機械・プラント事 業部内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 27/00 C22C 37/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:1.0〜2.5%,Si:0.3〜
    2.0%,Mn:0.1〜2.0%,Cr:6.0〜1
    5.0%,Mo<6.0%,W<6.0%,V:4.0
    〜8.0%,残部Feおよび不可避不純物よりなる成分
    に、Ti:0.01〜0.1%を添加することを特徴と
    する耐摩耗・耐熱亀裂ロール材。
JP19152891A 1991-07-31 1991-07-31 熱間圧延用耐摩耗・耐熱亀裂ロール材 Expired - Lifetime JP2886368B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008264828A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Fujikoo:Kk 熱間圧延用複合ロール、熱間圧延用複合ロールの製造方法及び熱間圧延方法
CN102296240A (zh) * 2011-08-12 2011-12-28 山东省四方技术开发有限公司 一种钢管及冷弯型钢高铬轧辊及其制备方法

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JP2008264828A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Fujikoo:Kk 熱間圧延用複合ロール、熱間圧延用複合ロールの製造方法及び熱間圧延方法
CN102296240A (zh) * 2011-08-12 2011-12-28 山东省四方技术开发有限公司 一种钢管及冷弯型钢高铬轧辊及其制备方法
CN102296240B (zh) * 2011-08-12 2013-02-20 山东省四方技术开发有限公司 一种钢管及冷弯型钢高铬轧辊的制备方法

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