JP2928704B2 - 黒皮スケールが生成しにくい熱間圧延用ロール材 - Google Patents

黒皮スケールが生成しにくい熱間圧延用ロール材

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JP2928704B2 JP7310893A JP7310893A JP2928704B2 JP 2928704 B2 JP2928704 B2 JP 2928704B2 JP 7310893 A JP7310893 A JP 7310893A JP 7310893 A JP7310893 A JP 7310893A JP 2928704 B2 JP2928704 B2 JP 2928704B2
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省一 荒谷
普康 山本
秀 内田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄板熱間圧延プロセスに
使用される圧延ロールのロール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄板熱間圧延プロセスにおいて、最近の
高速、高負荷および大圧下等の圧延条件の過酷化に対処
するため、一般にワークロールにはCrを15〜20%
程度含有させた高クロム鋳鉄材が使用されている。さら
に近年では、高クロム鋳鉄材より耐摩耗性に優れたハイ
ス材の熱延ロールも使用されてきている。このロール材
は非常に硬度の大きい炭化物が析出していることによっ
て耐摩耗性は優れるものの、黒皮スケールの剥離による
肌荒れが原因となってロール交換を余儀なくされている
という問題を有している。
【0003】従来、薄板熱間圧延に使用されているワー
クロール材には、例えば特開平2−88745号公報に
耐摩耗鋳鉄ロール材が、特開平2−285047号公報
に熱間圧延用ロールが、特開平3−53041号公報に
熱間圧延用鍛造ロールが開示されているが、いずれも耐
摩耗性および耐熱亀裂性の改善の観点から開発されたも
のであり、黒皮の剥離による肌荒れの問題には触れられ
ていない。また、特開昭62−64411号公報では、
圧延ロール表面の硬さを規定し、表面粗度を粗面化する
ことによって、黒皮スケールの密着性を向上させる方法
が述べられている。しかしこの方法では、圧延材のスケ
ールをロール表面に付着させるために、その厚さは20
〜50μmにも達する。そのため、熱疲労により剥離し
やすいという欠点がある。
【0004】従って、圧延ロールの寿命を向上させるた
めには、ロール肌荒れの原因となる黒皮スケールの生成
を抑制させる必要があるが、圧延ロール材の黒皮スケー
ルの生成に及ぼす合金成分の影響に関する文献も見あた
らないため、抜本的な対策がないのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐摩耗性に
優れるとともに黒皮スケール生成を抑制することにより
耐肌荒れ性の向上を実現する熱間圧延ロール材を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、黒皮スケールはロール材中のCr,Mo,
W,Vの一種以上からなる炭化物を除いた基地の部分に
優先的に生成するという効果を利用し、黒皮スケールの
生成を抑制させることを特徴とする。即ち、本発明の要
旨とするところは、重量%で、 C ;1.0〜2.5% Si;0.5〜2.0% Mn;0.5〜2.0% Cr;5.0〜10.0% Mo;1.0〜3.0% W ;1.0〜5.0% V ;5.0〜9.0% P ;0.05%以下 S ;0.05%以下 残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする
黒皮スケールが生成しにくい熱間圧延用ロール材にあ
る。
【0007】
【作用】以下、本発明によるロール材について詳細に説
明する。圧延ロールの黒皮スケールの生成を抑制させる
と、黒皮スケールと圧延ロール材の密着性が高まること
により、黒皮スケールの剥離が原因である肌荒れを抑制
する効果がある。
【0008】CはCr,Mo,V,Wと化合して硬度の
大きいM7 3 ,M6 CおよびMC型の炭化物を形成
し、耐摩耗性を向上させる。炭化物を形成するためには
1.0%以上添加する必要がある。しかし、2.5%超
にすると炭化物量が多くなりすぎ、破壊靭性が悪化する
ため、2.5%以下とする。
【0009】Siは脱酸元素として加える。さらに、伸
びを減ずることなく、引張強さを高めることができる元
素であるため、0.5〜2.0%加える。
【0010】MnはSiと同様に脱酸元素として加える
が、Sと結合させてMnSとして、粒内に均一に析出さ
せ、Sの有害性を除くため、また2.0%を越えて添加
すると靭性の低下をきたすという問題を生じるため、
0.5〜2.0%とする。
【0011】CrはCと結合し、高硬度のM7 3 型炭
化物として析出するため、耐摩耗性が向上する。また、
生地に固溶しているCrは耐酸化性を向上させ、またC
rの炭化物の析出により黒皮スケールの生成を抑制す
る。これらの効果は約5.0%以上から現れるが、1
0.0%超添加すると炭化物の生成が過剰になり、靭性
の低下を招くため、その添加量を5.0〜10.0%と
する。
【0012】MoはCと化合して、M6 C型の炭化物を
形成し、耐摩耗性を向上させる。またその一部は基地に
固溶することによって、高温強度を高める。さらに、
1.0%以上の添加によって、析出するMoの炭化物に
より黒皮スケールの生成を抑制することができる。一
方、3.0%超添加するとMo炭化物の析出が過剰にな
り、靭性の低下をきたすという問題が生じる。
【0013】WはCrおよびMoと同様に、高温強度を
高めると同時にM6 C型の炭化物を形成し、耐摩耗性を
向上させる効果のある元素として知られている。さら
に、Wの炭化物の析出により黒皮スケールの生成を抑制
させる効果もあるため、1.0%以上添加する。一方、
5.0%超の添加では炭化物の析出が過剰になり、靭性
が低下するために5.0%以下とする。
【0014】VはCと結合してVC炭化物を形成する。
この炭化物は非常に硬度が大きく、耐摩耗性を向上させ
るために必要不可欠な元素である。また、Cr,Mo,
Wと同様に、Vの炭化物の析出により黒皮スケールの生
成を抑制する効果がある。その効果は5.0%以上から
顕著になるが、9.0%超では炭化物の析出が過剰にな
り、靭性の低下を招くと同時に、ロール在中に均一に分
散しないため、5.0〜9.0%の添加とする。P,S
は鋼にとって有害な元素であるので0.05%以下に抑
える。
【0015】上記記載組成以外に、より一層黒皮スケー
ルを抑制するためにCoを0.1〜7.0%添加しても
よい。また、より一層の焼き入れ性の向上を図るために
Niを通常使用される範囲内で添加してもよい。
【0016】
【実施例】本発明の実施例として、表1に示す成分の一
般的なハイス材および本発明によるロール材について熱
間摩耗試験を行い、摩耗量を測定するとともに黒皮スケ
ールの厚さを測定した。
【0017】
【表1】
【0018】熱間摩耗試験は図1に示すようなディスク
対ディスクタイプの熱間転動試験機により行った。その
時の試験条件は、ディスク間の最大接触応力は約24kg
f/mm2 で、ディスク間のすべり率((加熱片周速度−ロ
ール試験片周速度)/加熱片周速度×100(%))は
4.4%で行った。また、圧延材に相当する加熱片の温
度は850℃とし、ロール材試験片の温度は650℃と
して、5000回転動させ、ロール試験片の摩耗量と黒
皮スケールの厚さで比較した。
【0019】
【表2】
【0020】表2から、本発明材は比較材より摩耗量が
少なく、耐摩耗性に優れていることがわかる。また、黒
皮スケールの厚さも比較材より厚く、その生成が抑制さ
れていることがわかる。
【0021】
【発明の効果】上記発明組成よりなるロールを使用する
ことにより、黒皮スケールの生成を抑制することが可能
となり、高ロール寿命が得られる。これによって、作業
率および生産性の向上、ロール原単位の向上等、その効
果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延ロール材の熱間における耐摩耗性を評価す
る試験機の構成を示す図。
【符号の説明】
1 加熱コイル 2 加熱片(圧延材相当) 3 試験片(ロール材相当) 4 放射温度計測温位置(入側) 4′ 放射温度計測温位置(出側) 5 冷却ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿高 松男 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平4−214837(JP,A) 特開 平4−214838(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 302 B21B 27/00 C22C 38/60

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C ;1.0〜2.5% Si;0.5〜2.0% Mn;0.5〜2.0% Cr;5.0〜10.0% Mo;1.0〜3.0% W ;0.5〜5.0% V ;5.0〜9.0% P ;0.05%以下 S ;0.05%以下 残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴とする
    黒皮スケールが生成しにくい熱間圧延用ロール材。
JP7310893A 1993-03-31 1993-03-31 黒皮スケールが生成しにくい熱間圧延用ロール材 Expired - Lifetime JP2928704B2 (ja)

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JPH06287713A JPH06287713A (ja) 1994-10-11
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