JP2677124B2 - 熱間圧延用ロール - Google Patents

熱間圧延用ロール

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JP2677124B2 JP4233581A JP23358192A JP2677124B2 JP 2677124 B2 JP2677124 B2 JP 2677124B2 JP 4233581 A JP4233581 A JP 4233581A JP 23358192 A JP23358192 A JP 23358192A JP 2677124 B2 JP2677124 B2 JP 2677124B2
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邦夫 後藤
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材の熱間圧延用ロー
ル、詳しくは耐摩耗性および表面の黒皮(酸化皮膜)の
安定性(耐肌荒れ性)に優れた熱間圧延用ロールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、鋼材の熱間圧延に使用される圧延
用ロールの少なくとも外殻層には、耐摩耗性に優れた高
クロム鋳鉄や高合金グレン鋳鉄などが使用されている。
【0003】最近、更に耐摩耗性の向上を実現するため
に、特開平2 −240634号公報、特開平2 −25205 号公
報、特開平2 −88745 号公報、特開平3 −126838号公報
および特開平3 −219047号公報等に開示されているよう
な高速度鋼系の成分を有する鋼を高炭素にした材料(以
下、高炭素系の高速度鋼という。)が用いられるように
なってきた。このようなロール材は、組織中に高硬度炭
化物と高温軟化抵抗の高い基地とを有するため優れた熱
間耐摩耗性を発揮する。
【0004】しかし、これらの高炭素系高速度鋼ロール
を用いる熱間圧延の際には、ロール表面に黒皮と呼ばれ
る酸化皮膜が形成され易く、しかもその黒皮は剥離し易
いという問題があった。黒皮が剥離するとバンディング
と呼ばれるロール表面の肌荒れを生じ、それに伴って圧
延製品性状の劣化、さらには剥離した黒皮が次のスタン
ドの圧延で鋼板表面に押し込まれ、噛み込みスケール疵
が生じるため大きな問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高炭
素系高速度鋼ロールに発生する上記問題点を解決し、熱
間圧延における高生産性、高品質化を実現する耐摩耗
性、黒皮安定性に優れた熱間圧延用ロールを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の熱間
圧延用ロールにある。
【0007】少なくとも外殻層の化学組成が、重量%
で、C:1.0〜3.0 %、Si:2.0〜8.0 %、Mn:0.3〜1.5
%、Cr:4.0〜12.0%、Mo:0.5〜8.0 %、V:1.0〜8.0
%、W:1.0〜8.0 %およびCo:0.2〜2.0 %を含有し、残
部はFeと不可避的不純物からなることを特徴とする熱間
圧延用ロール。
【0008】本発明者は、高炭素系高速度鋼ロールの耐
摩耗性を損なうことなく、その表面の黒皮安定性を改善
する方法について検討した結果、次の知見を得た。
【0009】熱間圧延中の高炭素系高速度鋼ロールの表
面での黒皮の発生は、鋼材表面にスケール発生が多い薄
物などの高温仕上を要する鋼材を圧延する場合では、ロ
ールの全表面を覆うほど著しく、しかもその成分は Fe3
O4が主体である。よって、この黒皮は、ロール表面の自
己酸化皮膜によるものとするよりも、主として鋼材表面
の一次、二次酸化スケール(FeO)が付着し、FeO から共
析分解によって上記Fe3O4 に変態したものが多いと考え
られ、さらに、この自己酸化皮膜と酸化スケールとから
なる黒皮が、ある程度の厚みに成長すると一部ロールの
基地をはぎ取って剥離(バンディング)を起こす。
【0010】高炭素系高速度鋼ロールの耐摩耗性を維持
したまま黒皮安定性を改善するためには、少なくともロ
ール外殻層の化学組成を高Si、高Cr化することが有効で
ある。すなわち、このような成分系とすることで、ロー
ル表面に酸化スケールが付着しがたく、またロール表面
の自己酸化による黒皮の生成、成長も抑制されるため、
黒皮は薄い状態が維持され、かつ剥離しがたくなる。
【0011】
【作用】本発明の熱間圧延用ロールの少なくとも外殻層
の化学組成を前述のように限定した理由を述べる。
【0012】C:1.0〜3.0 % Cは、Cr、Mo、W、Vと結合して高硬度の複炭化物(最
も高硬度のMC型を主体に、やや硬度の低いM7C3、M4C3
M2C 、M6C 等) を生成しロールの耐摩耗性を高める。そ
の含有量が 1.0%未満では、炭化物の生成量が不足して
熱間での耐摩耗性が低下する。一方、 3.0%を超えると
炭化物生成量が増大しすぎ、靱性、耐熱亀裂性が低下す
る。したがって、C含有量は 1.0〜3.0 %とした。
【0013】Si:2.0〜8.0 % Siは、本発明を特徴づける重要な元素であり、ロールの
自己酸化による黒皮の生成と成長を抑制するほか、Siの
存在そのものがロールの表面エネルギーを非常に低下さ
せる効果を有しているため、鋼材からの酸化スケールの
付着を防止する作用を有する。その含有量が 2.0%未満
では、鋼材酸化スケールのロールへの付着を充分に抑制
できず、黒皮が成長剥離してロールの肌荒れを発生す
る。一方、Si含有量が 8.0%を超えるとロール自身の耐
摩耗性、耐熱亀裂性、靱性を著しく低下させる。したが
って、Si含有量は 2.0〜8.0 %とした。また、Siには溶
湯の脱酸と湯流れをよくする効果もあり、この範囲であ
ればこれらの効果も充分もたらされる。ロール耐久性
(高寿命化)などの機械的性質をも向上させる観点か
ら、最も望ましいのは 3.0〜6.0 %の範囲である。
【0014】Mn:0.3〜1.5 % Mnは、脱酸のために添加されるが、その含有量が 0.3%
未満では充分な脱酸効果が得られず、一方、1.5 %を超
えると靱性が低下する。したがって、Mn含有量は 0.3〜
1.5 %とした。
【0015】Cr:4.0〜12.0% Crは、基地中に固溶して基地を強化するほか、Cと結合
して微細な高硬度炭化物を析出し耐摩耗性と靱性を高め
る作用がある。また、Crには強い耐酸化性があるためロ
ールの自己酸化による黒皮の生成と成長を抑制する作用
がある。しかし、Cr含有量が 4.0%未満ではこれらの効
果が少ない。一方、12.0%を超えるとMC型炭化物より低
硬度のM7C3型炭化物が過剰となり耐摩耗性が不十分とな
るほか、靱性も低下する。したがって、Cr含有量は 4.0
〜12.0%とした。
【0016】Mo:0.5〜8.0 % Moは、基地に固溶して高温軟化抵抗を改善するほか、C
と結合してM6C 、M2C等の微細な高硬度の複炭化物を形
成して熱間の耐摩耗性を向上させる作用がある。しか
し、 0.5%未満ではこれらの効果が少なく、一方、8.0
%を超えると靱性の低下を招く。したがって、Mo含有量
は 0.5〜8.0 %とした。
【0017】V:1.0〜8.0 % Vは、Cと結合してMC型、M4C3型の高硬度複炭化物を形
成して耐摩耗性を高めるとともに、結晶粒を微細化して
靱性を向上させる。しかし、 1.0%未満ではこれらの効
果が少ない。一方、 8.0%を超えると炭化物が粗大化し
て靱性を低下させるほか、偏析が生じ易くなる。したが
って、V含有量は 1.0〜8.0 %とした。
【0018】W:1.0〜8.0 % Wは、Cと結合してM6C、M2C型の微細な高硬度複炭化
物を形成して耐摩耗性を高め、また基地に固溶して焼戻
し軟化抵抗や耐熱性を高める。しかし、 1.0%未満では
これらの効果が少なく、一方、8.0 %を超えると粗大炭
化物が増加し靱性を低下させるほか、偏析が生じ易くな
る。したがって、W含有量は 1.0〜8.0%とした。
【0019】Co:0.2〜2.0 % Coは、その大部分が基地に固溶して基地の硬度を高める
ほか、高温軟化抵抗を高め、耐摩耗性を改善する作用を
有する。しかし、その含有量が 0.2%未満ではこれらの
効果が期待できない。一方、 2.0%を超えると炭化物の
偏析を助長して靱性を低下させる。したがって、Co含有
量は 0.2〜2.0 %とした。
【0020】PおよびSは、不可避的に含有される不純
物元素であるが、機械的性質の劣化を招くのでこれらの
含有量は少ない方がよい。しかし、いずれも0.08%以下
であればそれほどの悪影響を及ぼさないので、それ以下
にするのが好ましい。
【0021】本発明の熱間圧延用ロールの少なくとも最
外殻層、すなわち、被圧延鋼材と接触し圧延に供される
層は、上記成分の他は実質的にFeからなるものである。
本発明のロールは、ロール全体が上記の化学組成を有す
る一体型のものであってもよく、あるいは外殻層だけが
それの複合型のものであってもよい。後者の場合には、
内層材としてダクタイル鋳鉄、普通鋳鉄、黒鉛鋳鉄、球
状黒鉛鋳鉄、鍛鋼等の強靱材が使用される。なお、外殻
層の厚さは、どのような厚さのものでも鋳型の選定によ
り製造可能であり、また外殻層のみの熱処理も可能であ
るから、特に限定されない。
【0022】本発明の熱間圧延用ロールは、遠心力鋳造
法、鋳掛け法、溶接肉盛法などの複合ロール製造法や静
置鋳造法、鍛造法などの一体ロール製造法等によって製
造するとができる。こうして製造されたロールには、熱
処理として焼入れ焼戻し処理や残留応力除去と組織の安
定化のための焼鈍処理が施される。
【0023】本発明の熱間圧延ロールは、熱間仕上圧延
機のワークロールのほかに、ホットスキンパスミル用ロ
ール、条鋼圧延用ロール、各種製管用ロールなど、熱間
で使用されるあらゆるロールに適用することができる。
【0024】
【実施例】エレクトロスラグ再溶解法により溶製された
表1に示す化学組成のロール素材から、鍛造により一体
型ロール( 胴部直径750mm 、胴径1800mm、全長3800mm)
として成形し製造した。No.1〜10は本発明例、 No.11〜
12は比較例である。各ロールに、残留応力除去と組織調
整、硬度調整のための熱処理 (1000〜1100℃からの焼入
れと 500〜550 ℃での焼戻し) を施して、圧延使用層と
しての外殻層の厚さがおよそ 100mmとなるようにした。
このようにして得られたロールの表面硬度(ショア硬度
HS)を測定した。これらの結果を表1に併せて示す。本
発明例のロール外殻層では、いずれもHS85または86を示
し、高い硬度を有していることがわかる。
【0025】これらのロールを熱間圧延の仕上圧延機に
組み込み、炭素鋼板の熱間圧延( 圧下率30〜35%、鋼板
温度 900〜1000℃、圧延量3000トン) に供し、ロールの
最大摩耗深さによる耐摩耗性、およびロール肌荒れと熱
延鋼板製品表面の疵発生有無によるロール表面の黒皮の
安定性を調査した。その結果を表2に示す。
【0026】本発明例では、黒皮剥離(バンディング)
に伴うロール肌荒れが全く発生しなかった。熱延鋼板の
酸洗後の検査からも製品疵は観察されなかった。使用後
のロールプロフィールから測定した最大摩耗深さによる
耐摩耗性比較からも、本発明例ロールの耐摩耗性は比較
例に勝るとも劣らないレベルにあることがわかる。特
に、No.4〜6、No.8〜10に示すSiを 3.0〜5.5 %の範囲
で含有するものが、一段と優れた耐摩耗性と黒皮の安定
性を示すことが明らかである。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の熱間圧延用ロールは、優れた耐
摩耗性と黒皮安定性を有しているから、圧延製品の品質
向上や圧延作業の高生産性を実現することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも外殻層の化学組成が、重量%
    で、C:1.0〜3.0 %、Si:2.0〜8.0 %、Mn:0.3〜1.5
    %、Cr:4.0〜12.0%、Mo:0.5〜8.0 %、V:1.0〜8.0
    %、W:1.0〜8.0 %およびCo:0.2〜2.0 %を含有し、残
    部はFeと不可避的不純物からなることを特徴とする熱間
    圧延用ロール。
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JPH0667546B2 (ja) * 1988-03-22 1994-08-31 株式会社日立製作所 圧延用ワークロールの製造方法
JP2687732B2 (ja) * 1990-02-08 1997-12-08 株式会社日立製作所 金属圧延用複合ロール及びその製造法と圧延機

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