JP3438336B2 - 高速度鋼系圧延用ロール外層材 - Google Patents

高速度鋼系圧延用ロール外層材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性と耐クラック
性を有し、且つ、ロール表面の摩擦係数の小さい良好な
ロール特性を兼備した圧延用ロール外層材に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼板は、連続鋳造或いは分塊により
製造された130 〜300mm 厚程度のスラブを、加熱炉にて
加熱し、或いは熱片のまま受け取り、粗圧延機及び仕上
げ圧延機にて熱間圧延して1.0 〜25mm厚程度のストリッ
プとし、コイラでコイルに巻取り、冷却後、各種精整ラ
インで各種精整処理を行って製造される。仕上げ圧延機
は通常、4重式圧延機5〜7スタンドで構成されている
が、昭和40年代に入ってからは生産能力向上、コイル大
型化に対応して、ほとんどのミルが7スタンドを採用し
ている。従来、仕上げ圧延機のワークロールの外層材
は、前段(5又は6スタンドのときは第3スタンドま
で、7スタンドのときは第4スタンドまで)については
高Cr鋳鉄、又はアダマイトが、後段についてはNiグ
レン鋳鉄が使用されてきた。また、仕上げ圧延後のワー
クロールの内層材は、前段、後段とも、靱性の良いねず
み鋳鉄、又はダクタイル鋳鉄が使用されてきた。そし
て、それらの外層材と内層材を主として遠心力鋳造して
製造した複合ロールが使用されてきた。
【0003】ところが、圧延条件の苛酷化及び圧延にお
ける生産性向上の要求等から、より一層の耐摩耗性を備
えた圧延用ロールの提供が要求された。
【0004】尚、特開昭58-87249号公報、特開平1-9635
5 号公報には、高速度鋼並に高合金化した鋳鋼、鋳鉄を
適用したロール材が提案されている。然しながら、特開
昭58-87249号公報には焼嵌め又は組立ロールを対象とし
たものであり、圧延中に生ずる外層と軸材間の滑りが問
題となる。また、特開平1-96355 号公報は特殊な鋳かけ
肉盛法等、遠心力鋳造法以外の特殊な製造手法しか適用
できず、生産性、経済性の面で問題がある。
【0005】このような状況から、例えば特開昭60-124
407 号、特開昭61-177355 号には、従来の遠心力鋳造ロ
ールの外層材として高V鋳鉄を用いることが提案されて
いる。然しながら、遠心力鋳造ロールの外層材として高
V鋳鉄を用いる圧延用ロールでは、比重の小さいV炭化
物が遠心分離し、ロール外層内の特性が肉厚方向で不均
一になる。この傾向は大型ロールで外層肉厚が大なる程
著しく、実用ロールとしての使用に耐えることができな
いという問題点がある。
【0006】即ち、圧延用ロールの製造に際し、ロール
外層にVを多量に含有させることにより、耐摩耗性を著
しく向上させることは可能であるが、複合ロール製造時
に生産性、経済性が最も優れているとして一般に実施さ
れている遠心力鋳造法を採用した場合には、炭化物の遠
心分離を生じ所定の特性を均一に得られないという問題
点がある。係る課題に対し、例えば特開平4-365836号公
報及び特開平5-339673号公報にはNbを添加し、Nb−
Vの複合折出を図ることで偏析を防止する方法が提案さ
れ、一応の成果を挙げている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、本発明者
の知見によれば、前述したような高V或いは高V−Nb
材からなるロール外層材は耐摩耗性を著しく向上する点
では有利であるが、圧延中に硬質なV炭化物やNb炭化
物(MC炭化物)がロール表面に凸状に浮き出し、その
スパイク作用によって被圧延材とロール表面の摩擦係数
を増大させる。その結果として、このような外層材を備
えたロールでは、(a) 圧延荷重が過大になる、(b) 摩擦
発熱によって被圧延材表面に2次スケールが生成し、被
圧延材の肌荒れを発生させる、(c) 高圧下圧延では摩擦
発熱が過大になってロール表面が損傷し、被圧延材の肌
荒れを発生させるという問題が、特にこのようなロール
を仕上げ前段に用いた場合に顕著に現われるようになっ
た。また、仕上げ前段と後段の被圧延材の温度の違い等
でこのようなロールを仕上げ後段に使用した場合には、
上述の問題が現われない。
【0008】特開平4-365836号、特開平5-1350号、特開
平5-339673号で開示されている圧延ロール用外層材は耐
摩耗性だけでなく、耐クラック性をも考慮したものであ
る。一方、圧延荷重の過大、被圧延材表面への2次スケ
ールの生成が問題になっている仕上げ前段用ロールで絞
り事故の発生のありうる仕上げ後段用ロールに比べ耐ク
ラック性への要求は低い。
【0009】然るに、本発明は、摩擦係数が小さくしか
も耐摩耗性に優れた圧延用ロール外層材を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、重量比で、C:1.50〜3.50%、Si:1.50%以下、
Mn:1.20%以下、Cr:5.50〜12.00 %、Mo:2.00
〜8.00%、V:3.00〜10.00 %、Nb:0.60〜7.00%、
B:0.01超〜0.200 %以下、N:0.08超〜0.300 %以下
を含有し、且つ下記(1) 式と(2) 式を満足し、 V+1.8 Nb≦7.5 C−6.0 …(1) 0.20≦Nb/V≦0.80 …(2) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる摩擦係数の小さい
高速度鋼系圧延用ロール外層材である。
【0011】請求項2に記載の本発明は、重量比で、
C:1.50〜3.50%、Si:1.50%以下、Mn:1.20%以
下、Cr:5.50〜12.00 %、Mo:2.00〜8.00%、V:
3.00〜10.00 %、Nb:0.60〜7.00%、B:0.01超〜0.
200 %以下、N:0.08超〜0.300 %以下を含有し、更に
Ni:5.5 %以下とW:20.0%以下の1種又は2種を含
有し、且つ下記(1) 式と(2) 式を満足し、 V+1.8 Nb≦7.5 C−6.0 …(1) 0.20≦Nb/V≦0.80 …(2) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる摩擦係数の小さい
高速度鋼系圧延用ロール外層材である。
【0012】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の高速度鋼系圧延用ロール外層材において、熱
間圧延仕上げ前段に用いられるものである。
【0013】
【作用】
(A) 本発明の基本的な技術的思想を説明する。
【0014】高V或いは高V−Nbロール外層材の場
合、組織は大きく、粒状炭化物(主にV、Nb炭化
物)、共晶炭化物(主にCr、Mo、Fe炭化物)、基
地に分けられる。圧延中は硬度の低い基地が選択的に摩
耗し、硬度の高い粒状炭化物、共晶炭化物が凸部になっ
ている。摩擦係数が増大するのは粒状炭化物がその形状
から突起としての役割をすることと、組織中のかなりの
多くの面積を占める基地とに大きな段差が生じるためで
ある。そこで、熱間圧延用ロール、特に熱間仕上げ前段
用ロールで、圧延荷重の過大化や被圧延材表面への2次
スケールの生成を防止して被圧延材の肌荒れ発生を防止
するため、外層材の摩擦係数を低下させるためには粒状
炭化物の形状を変えるか、粒状炭化物とそれ以外の部分
との段差を少なくすることを考えれば良い。
【0015】ロール外層材の組織中にはやはり硬度の高
い共晶炭化物が存在する。そのため、ロール外層材の組
織中に共晶炭化物を増加させることで粒状炭化物とそれ
以外の部分との段差を少なくし、ロール外層材の摩擦係
数を低下させることが可能である。
【0016】尚、本発明において、熱間仕上げ前段と
は、ミルの全スタンドがnスタンドのとき、第1スタン
ドから第n/2スタンド(nが奇数の場合は第[n/2
+0.5]スタンド)までで、一般的にはスタンド出側で
の板の温度が850 〜900 ℃、板上げスタンドに入る前の
板厚を基準にしたトータルの圧下率で85〜90%までの圧
延を行なうロール群をさす。
【0017】(B) 本発明における各合金元素の含有量の
限定理由及びV、Nb、C量の限定式について説明す
る。
【0018】C:1.5 〜3.5 % Cはロール外層材の耐摩耗性を向上する硬い炭化物を形
成するための必須元素で1.5 %以上必要であるが、3.5
%を越えると耐クラック性が著しく低下するため上限を
3.5 %とする。
【0019】Si:1.5 %以下 Siは脱酸剤及び鋳造性の確保のために添加するが、1.
5 %を越えると耐クラック性を低下するため上限を1.5
%をする。
【0020】Mn:1.2 %以下 Mnも上記Siと同様の目的で添加するが、1.2 %を越
えると耐クラック性が低下するため好ましくなく上限を
1.2 %とする。
【0021】Cr:5.5 〜12.0% Crは炭化物を形成し、耐摩耗性を向上するために必要
な元素で5.5 %以上添加するが、12.0%を越えると本発
明が対象とするV、Nbを添加した場合には耐摩耗性が
劣化するため上限を12.0%とする。
【0022】Mo:2.0 〜8.0 % MoはCrと同様に炭化物を形成して耐摩耗性の向上に
有効であると共に、基地の焼入性、焼き戻し軟化抵抗を
向上し、基地組織の強化に有効であるため2.0%以上必
要であるが、8.0 %を越えると耐クラック性が低下する
ため、上限を8.0 %とする。
【0023】V: 3.0〜10.0%、Nb:0.6 〜7.0 % V、Nbは本発明における最も重要な必須元素であり、
これらの複合添加と含有量制限条件が本発明の最大の特
徴である。
【0024】Vは耐摩耗性の向上に最も有効な硬いMC
又はM43 型炭化物を形成するための必須元素で、そ
の効果を発揮するためには3.0 %以上必要であるが、1
0.0%を越えると耐クラック性の低下、製造上の問題を
生じるため上限を10.0%とする。
【0025】NbもV同様、耐摩耗性に有効な硬いMC
型炭化物を形成するが単独添加では粗大な塊状炭化物と
なりその効果が得られないだけでなく耐クラック性が問
題となる。
【0026】そこでVとNbを複合添加した場合の母材
硬さに及ぼすC量との関係、及び遠心力鋳造したリング
材の炭化物分布に起因する外層、内層間の熱間摩耗比、
熱衝撃試験におけるクラックの最大深さとNb、Vの含
有量比Nb/Vとの関係を調べた結果をそれぞれ図1及
び図2に示す。
【0027】図1から耐摩耗熱間圧延用ロールとして必
要な硬さHs75以上を得るためには V+1.8 Nb≦7.5 C−6.0 (%) を満足する必要があることが明らかとなった。
【0028】尚、図1の実験は、Si:0.5 %、Mn:
0.5 %、Cr:6.8 %、Mo:3.2%を含有し、C、N
b、Vを変化した溶湯を鋳造した25mmYブロックについ
て、1000℃焼きならし処理、550 ℃焼き戻し処理を施し
た試料を用いた。
【0029】また、図2から遠心力鋳造法で製造した場
合にも均一な外層材を得ることができ、且つ耐クラック
性も損なわないためには 0.2 ≦Nb/V≦0.8 を満足する必要があることが明らかとなった。
【0030】尚、図2において、「摩耗比(内層/外
層)」は、リング材の内層側から採取した試験片の摩耗
量(Iw)と外層側から採取した試験片の摩耗量(O
w)との比(Iw/Ow)であり、「熱衝撃クラック最
大深さ」は、熱衝撃試験で発生したクラックの最大深さ
である。
【0031】また、図2の実験は、C:2.5 %、Si:
0.5 %、Mn:0.5 %、Cr:6.5%、Mo:3.5 %、
V:5.4 %、Nb:0 〜8.0 %を含有する溶湯を遠心力
鋳造(140 G)して得た肉厚100mm のリングサンプルに
ついて、1000℃焼きならし処理、550 ℃焼き戻し処理を
施した試料を用いた。
【0032】そして、摩耗試験は、φ190 ×15の相手材
とφ50×10の試験材の2円盤のすべり摩耗方式で相手材
を800 ℃に加熱し、荷重100kgfで圧接した状態で試験材
を800rpmで回転させ、すべり率3.9 %として120 分後の
摩耗減量を測定して行なった。
【0033】また、熱衝撃試験は、1200rpm で回転して
いるローラに55×40×15の板状試験片を圧接する方式
で、荷重150kgf、接触時間15sの条件で行ない、試験片
に発生したクラック長さを測定した。
【0034】BとNは本発明での重要な構成因子であ
り、摩擦係数の低下に寄与する。一般にBは焼入性向上
効果を持ち、低合金鋼製造時に多用されるが、ロール外
層材製造においては、その組成が十分に高く、また、製
品の質量が大きくて冷却速度が小さくなるためBの焼入
性向上効果を期待して添加することはない。
【0035】また、Hexagonal-BNは、層間へき開破壊
しやすく潤滑作用のあることが知られ、h−BN粉末を
利用した潤滑剤や快削鋼も検討されている。しかし、ロ
ール外層材においては、潤滑は主にロール表面に形成す
る酸化皮膜或いは多量の黒鉛含有でなされ、BNに着目
した研究や技術はない。本発明者らは、ロール材でのB
及びBNの有効利用を図るべく種々検討した結果、前述
の高速度鋼系組成で多量のBとNを添加する場合にのみ
ロール接触面での摩擦係数が低下するという新規な知見
を得て本発明に至った。即ち、微量Bによる焼入性向上
効果を利用しなければならない低合金綱に比べ成分が十
分高く、C含有量が多く、且つ、多量の各種炭化物を利
用するロール外層材ではBによる焼入性向上効果は少な
く、且つ、不必要であり、また、B析出物はM23(C、
B)6 型となって各種炭化物と複合析出するのみでB添
加の効果はないというこれまでの考え、常識とは全く異
なり、本発明組成範囲鋼においては、ロール特性が改善
されることを確認し、本発明に至った。冶金的詳細は不
明であるが、ロールの耐摩耗性を向上するMC型析出物
及びM43 型析出物と複合析出し、前述のスパイク作
用を軽減すること、或いは基地中にBNが析出し潤滑効
果が発現すること、更には基地中に硬質のFeBが析出
し、ロール表面の平滑化が進みスパイク作用が軽減する
ことや各種炭化物が炭窒化物となり特性が変化すること
及びこれら各影響の複合等が考えられる。
【0036】B量とN量による摩擦係数の低下を図3に
示すが、図からB量の下限は0.01%、N量の下限は0.08
0 %であることが分かる。また、Bを0.200 %を越えて
添加すると材質が脆くなり、Nを0.300 %を越えて添加
するとガス性欠陥が著しくなるため、Bは0.01〜0.200
%の範囲、Nは0.080 〜0.300 %の範囲とする。
【0037】尚、図3の実験は、C:2.5 %、Si:0.
5 %、Mn:0.5 %、Cr:6.5 %、Mo:3.5 %、
V:5.4 %、Nb:1.4 %の溶湯を図1の実験の要領で
試料準備し前述の摩耗試験を行ない、トルク(T)、荷
重(P)及び試験片直径(D)から次式で摩擦係数
(μ)を求めたものである。μ=2T/DP
【0038】また、必要に応じてNi或いはWの1種又
は2種を添加できる。Niは基地の焼入性を向上させ、
硬度上昇をもたらすが、過度の添加は本鋼種での焼入性
を不安定にするため、5.5 %以下の添加にする。Wは基
地の焼き戻し硬化及び高温硬さの確保、更には炭化物と
して析出し耐摩耗性を向上させるが過度に添加すると軟
質な共晶炭化物を増加させ、強度低下をもたらすため、
上限を20%とする。
【0039】
【実施例】表1に示す化学組成の溶湯を鋳造した25mmY
型ブロックについて、1000℃焼きならし処理、550 ℃焼
き戻し処理を施した試料を用い、摩耗量、ショア硬さ及
び摩擦係数の測定を行なった。摩耗量と摩擦係数の測定
は前述の通りである。得られた測定結果を表2に示す。
本発明材はロール外層材として十分な硬さと耐摩耗性を
有し、従来のNiグレンロール(鋼V)と同程度にまで
摩擦係数が低下していることがわかる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】比較鋼A、BとEは、C量やNb量が本発
明範囲を外れるため、硬さと耐摩耗性が損なわれ、鋼
C、F〜Kは、B量とN量が本発明範囲を外れるため、
摩擦係数は従来の高速度鋼系ロールと同じく高い。鋼S
は、V添加量が不足しているため耐摩耗性が低下し、鋼
Uは硬さ、耐摩耗性及び摩擦係数は使用可能なレベルに
あるが、C量が過剰で耐クラック性が低下している。鋼
Vは、Niグレンロール組成であるが、耐摩耗性に劣っ
ていることが分かる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、生産性と
経済性に優れた遠心鋳造法を適用しても、偏析等が生じ
にくく、且つ、従来の高速度鋼系圧延ロールの弱点であ
った摩擦係数の上昇を抑制し、優れた耐摩耗性と耐クラ
ック性を有した圧延用ロール外層材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はVとNbの複合添加量とC量とが母材硬
さに及ぼす影響を示す線図である。
【図2】図2は遠心鋳造したリング材の外層と内層間の
熱間摩擦比と、熱衝撃試験におけるクラック最大深さに
及ぼすNbとVの含有量比の関係を示す線図である。
【図3】図3は摩擦係数に及ぼすB量とN量の影響を示
す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 38/32 C22C 38/32 (56)参考文献 特開 平4−182013(JP,A) 特開 昭58−58254(JP,A) 特開 平6−145901(JP,A) 特開 平5−305312(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 37/00 B21B 27/00 C22C 37/06 C22C 38/00 302 C22C 38/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、C:1.50〜3.50%、Si:1.
    50%以下、Mn:1.20%以下、Cr:5.50〜12.00 %、
    Mo:2.00〜8.00%、V:3.00〜10.00 %、Nb:0.60
    〜7.00%、B:0.01超〜0.200 %以下、N:0.08超〜0.
    300 %以下を含有し、且つ下記(1) 式と(2) 式を満足
    し、 V+1.8 Nb≦7.5 C−6.0 …(1) 0.20≦Nb/V≦0.80 …(2) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる摩擦係数の小さい
    高速度鋼系圧延用ロール外層材。
  2. 【請求項2】 重量比で、C:1.50〜3.50%、Si:1.
    50%以下、Mn:1.20%以下、Cr:5.50〜12.00 %、
    Mo:2.00〜8.00%、V:3.00〜10.00 %、Nb:0.60
    〜7.00%、B:0.01超〜0.200 %以下、N:0.08超〜0.
    300 %以下を含有し、更にNi:5.5 %以下とW:20.0
    %以下の1種又は2種を含有し、且つ下記(1) 式と(2)
    式を満足し、 V+1.8 Nb≦7.5 C−6.0 …(1) 0.20≦Nb/V≦0.80 …(2) 残部Fe及び不可避的不純物よりなる摩擦係数の小さい
    高速度鋼系圧延用ロール外層材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高速度鋼系圧延
    用ロール外層材において、熱間圧延仕上げ前段に用いら
    れる高速度鋼系圧延用ロール外層材。
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