JP4259406B2 - 熱間圧延用ロール - Google Patents

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本発明は、熱間圧延用ロールに関し、例えば、耐久性に優れることから、鉄鋼材の熱間圧延機、特に大きな摩擦と面圧とがともに作用して過大な熱負荷を受ける熱間圧延機に好適に使用することができる熱間圧延用鋳造ロールに関する。
近年の鋼材の圧延では、圧延製品の品質向上及び経済性の改善がともに強く要請されている。特にホットストリップの圧延では、圧延時の負荷がますます増大してきていること、及び圧延スケジュール(単位ロール当たりの圧延量)を拡大することによる製造コストの大幅な低減を目指していることから、耐久性がいっそう優れた圧延用ロールが求められている。
例えば、ホットストリップの仕上圧延に関して、このような要請に応える圧延用ロールとして、特許文献1には、C:1.5〜2.5%(以下、本明細書においては特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味するものとする。)及びV:4.5〜8.0%を含有する高C高V系耐摩耗材からなる熱間圧延用ロールが開示されている。この高C高V系耐摩耗材からなる熱間圧延用ロールにより、ホットストリップの仕上圧延の圧延スケジュールが現に大幅に拡大されている。
一方、ホットストリップの粗圧延に関しても、主に省エネルギの観点から、圧延機の基数の低減、高圧下率の圧延及び低速かつ高温度の圧延等が指向されつつある。このような高熱負荷圧延に耐えることができるとともに、圧延スケジュールを大幅に拡大することができる熱間圧延用のワークロールの出現が切望されている。
例えば特許文献2には、ホットストリップの粗圧延機のワークロールとして、球状黒鉛鋳鉄からなる芯材と、C:0.9〜1.2%、Cr:6〜15%を含有する高Cr鋳鋼からなる外層とを有し、遠心鋳造により製造される高Cr鋳鋼ロールが開示されており、これまでにも使用されてきた。
さらに近年に至り、高C高V系耐摩耗材からなる外層を有する遠心鋳造による高C高V系ロールも適用されるようになってきた。
本出願人も、先に特許文献3により、ロール表面における炭化物の面積をScとしたときの相当粒径√Scが10μm以上である炭化物の粒間間隔が平均値で50μm以下であるとともに、相当粒径の最大値が100μmである炭化物分散特性を有する鉄基合金により構成される冷間圧延用ロールを提案した。この提案では、炭化物により、被圧延材からの遊離硬質粒子がロール表面の基地組織にくい込むことにより生じる線状キズに対する抵抗性を高めることができ、冷間圧延用ロールの耐久性を向上できる。
特開平3−219047号公報 特公平1−1542号公報 特願2000−91760 号公報
しかしながら、これらの公知のワークロールをホットストリップの粗圧延機や仕上げ圧延機に組み込んで高熱負荷圧延、あるいは圧延スケジュールの大幅な拡大を行おうとすると、 以下に説明する内容の課題があることがわかった。
まず、高Cr鋳鋼ロールは、現在のホットストリップの粗圧延機における使用条件では耐摩耗性及び耐肌荒れ性がいずれも限界に達している。このため、高Cr鋳鋼ロールを用いて圧延条件を緩和することなく圧延スケジュールの拡大を図ることは事実上不可能であるとともに、 高熱負荷圧延にも対応することは難しい。
また、高C高V系ロールによれば通常の熱負荷圧延では圧延スケジュールを高Cr鋳鋼ロールよりも2〜3倍程度と大幅に拡大することが確かに可能である。しかしながら、高C高V系ロールによっても、これまで以上に圧延スケジュールをさらに拡大しようとすると、耐摩耗性及び耐肌荒れ性が不足することが判明した。特に大きな摩擦と面圧とが作用する高熱負荷圧延では基地組織の摩耗が加速的に増大し、耐摩耗性が不十分となったり、あるいは被圧延材のロール表面への焼付きが発生して圧延製品の品質不良を生じ易くなることがわかった。
なお、特許文献3に開示された冷間圧延用ロールにおける炭化物の作用を利用することにより、熱間圧延用ロールの線状キズに対する抵抗性を高めることは期待できる。しかしながら、特許文献3により開示された炭化物分散特性を有する熱間圧延用ロールであっても、スケールが破砕された被圧延材の表面がロール表面と金属接触し、高温、高面圧及び高摩擦の過酷な条件下では被圧延材とロール基地が凝着(ミクロ焼付き)してロール表面への被圧延材の焼付きを進行してしまう。このため、特許文献3に基づいても、熱間圧延用ロールの耐久性を高めることはできない。
本発明は、このような従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れるのみならず、鉄鋼材の熱間圧延機、特に大きな摩擦と面圧とがともに作用して過大な熱負荷を受けても被圧延材との間に凝着を生じることがないことから、熱間圧延機に好適に使用できる熱間圧延用ロールを提供することを目的とする。
本発明は、質量%で、C:1.0〜2.6%、Si:1.2%以下、Mn:1.2%以下、Ni:3.0%以下、Cr:1.5〜6.0%、Mo及びWはMo+0.5Wとして1.5〜5.0%、V:6.0〜12.0%、Co:5.0%以下を含有するとともに、Ti:2.0%以下又はNb:2.0%以下のうち少なくとも1種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有するとともに、ロール胴部の圧延使用層の表面における炭化物の面積をScとしたときの相当粒径√Scが1μm以上である炭化物の面積率Sr(%)が10%超20%以下であるMC型炭化物を、その粒間間隔Lc(μm)の平均値が30μm以下となるように、分散させた組織を有するとともに鋳型への鋳込み及び凝固を伴う鋳造によって製造され、この凝固が、この凝固における冷却速度CR(℃/min)と面積率Sr(%)との間にCR≧5.0×10 ×Sr −1.8 により規定される関係を満足するようにして、行われることを特徴とする熱間圧延用ロールである。
本発明によれば、 炭化物の分散特性を制御することによって耐摩耗性、耐肌荒れ性及び耐焼付き性に優れたロール材を開発することができ、鉄鋼材の熱間圧延機、特に大きな摩擦と面圧とがともに作用して過大な熱負荷を受ける熱間圧延機に好適に使用することができるために今後の高熱負荷圧延に対応することができる、熱間圧延用ロールを提供できる。
以下、本発明に係る熱間圧延用ロールの実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施の形態の熱間圧延用ロールに関する基礎的知見事項1〜3について説明する。
(基礎的知見事項1)
上述した過酷な圧延条件での圧延に供されることによって熱間圧延用ロールにおける摩耗、 肌荒れ及び焼付きは、以下に説明する機構によって発生すると考えられる。すなわち、摩耗及び肌荒れは、圧延によって破砕された被圧延材の微小かつ硬質な遊離スケール片等の遊離硬質粒子がロールバイト内においてロール表面における炭化物の周辺の比較的軟質な基地組織に食い込んで線条キズ(ミクロ摩耗)を発生させることにより発生し、その後の繰り返しによって進行する。また、焼付きは、スケールが破砕された被圧延材の表面とロール表面とが金属接触することによって発生する。この金属接触は、被圧延材の化学組成に比較的近いために被圧延材と凝着(ミクロ焼付き)し易い炭化物周辺の基地組織から、開始される。
(基礎的知見事項2)
ロール表面における炭化物の面積をScとしたときの相当粒径√Scが1μm以上である粗大な炭化物を多く有する組織とすることによって、微小遊離スケール片等の遊離硬質粒子の基地組織への食い込みに対するバリアとして機能させることができるとともに、 基地組織から開始した焼付きの成長を停止させるバリアとして機能させることができる。
(基礎的知見事項3)
さらに、この粗大な炭化物の粒間間隔Lc(μm)を、従来のロールに比較して小さくすることによって、耐摩耗性、耐肌荒れ性及び耐焼付き性を向上でき、これにより、圧延用ロールの耐久性を向上できる。
次に、これらの基礎的知見事項1〜3に基づいた、本実施の形態の熱間圧延用ロールについて説明する。
まず、本実施の形態の熱間圧延用ロールは、後述する新規な炭化物分散特性を有する鉄基合金からなる圧延使用層を備える。
本実施の形態では実用上の好適な組成として、以下に示す鉄基合金組成を有する。なお、以下に示す組成は、本実施の形態の熱間圧延用ロールの組成を実用上の観点から例示するものであって、本発明に係る熱間圧延用ロールはこの組成に限定されるものではない。本発明の熱間圧延用ロールの作用効果を奏する主体は、組成ではなく、基礎的知見事項2にも記載したように、組織におけるMC型炭化物の分散状態である。
C:1.0%以上2.6%以下
Cは、MC型炭化物の形成及び基地硬さの確保のいずれについても有効な元素であり、1.0%以上含有させる。一方、C含有量が2.6%を越えると粗大な共晶炭化物が増加して機械的性質の劣化を招き、製造を困難にさせ、かつ、耐熱性及び耐クラック性を著しく劣化させる。そこで、本実施の形態では、C含有量は1.0 %以上2.6 %以下と限定する。同様の観点から、C含有量は好ましくは1.4%以上2.6%以下であり、さらに好ましくは1.8 %以上2.6 %以下である。
Si:1.2%以下
Siは、脱酸の調整、流動性の改善及び焼入性の改善を目的として、通常の鋼材と同様に、1.2 %まで含有させることができる。同様の観点から、Si含有量は0.5 %以下であることが望ましい。
Mn:1.2%以下
Mnは、Siと同様に、脱酸の調整、流動性の改善及び焼入性の改善を目的として、通常の鋼材と同様に、1.2 %まで含有させる。同様の観点から、Mn含有量は0.5 %以下であることが望ましい。
Ni:3.0%以下
Niは、基地に固溶して焼入性及び耐熱性の増大に効果があるので、3.0%以下含有させる。同様の観点からNi含有量は0.5%以下であることが望ましく、0.2 %以下であることがさらに望ましい。
Cr:1.5%以上6.0%以下
Crは、焼入性及び高温焼戻し硬さを高めるために添加する。 Cr含有量が1.5%未満であるとかかる効果が認められず、一方、Crが6.0%を超えると、M7C3型及びM6C型の粗大共晶炭化物の晶出量が増加し、耐熱性及び耐クラック性を劣化させる。そこで、本実施の形態では、Cr含有量は1.5%以上6.0%以下と限定する。同様の観点から、Crは5.2%以下であることが望ましい。
Mo+0.5W:1.5%以上5.0%以下
Mo及びW は、Crと同様に、焼入性及び高温焼戻し硬さを高めるために添加する。 (Mo+O.5W) 値が1.5 %未満であるとかかる効果が認められず、 一方、 (Mo+O.5W) 値が5.0 %を越えると、MC型及びMC 型の粗大共晶炭化物の晶出量が増加し、 耐熱性及び耐クラック性を劣化させる。そこで、本実施の形態では、(Mo+O.5W) 量は1.5 %以上5.0 %以下と限定する。同様の観点から、 (Mo+O.5W)量は3.5 %以下であることが望ましい。
V:6.0%以上12.0%以下
VはMC型炭化物の形成元素として6.0%以上を含有させる。一方、V含有量が12.0%を越えると鋼塊の製造においてVの偏析が生じ易くなり、均質な鋼塊を得ることが困難になる。そこで、本実施の形態では、V含有量は6.0%以上12.0%以下と限定する。同様の観点から8.0%以上12.0%以下であることが好ましい。
Co:5.0%以下
Coは、基地に固溶して焼入性及び耐熱性の増大に効果があるので5.0%以下含有させる。同様の観点から、Co含有量は3.2%以下であることが望ましい。
Ti:2.0%以下又はNb:2.0%以下のうち少なくとも1種
Ti又はNbとC又はNとの親和力は非常に強く、粒状の炭化物、窒化物或いは炭窒化物の形態で晶出する。晶出物の多くは共晶炭化物の凝固時における核となり、炭化物の過度の粗大化を抑制する作用がある。そこで、本実施形態ではTi又はNbのうちの1種以上を添加する。しかし、Ti又はNbを2.0%を越えて添加すると、これらの化合物は偏析し機械的性質の劣化を招くので好ましくない。
上記以外はFe及び不可避的不純物である。
このような組成を有する本実施形態の熱間圧延用ロールは、上述した基礎的知見事項1〜3に基づき、以下に説明する新規な炭化物分散特性を有する。
前述したように、ホットストリップの粗圧延機及び仕上げ圧延機での高熱負荷圧延のような過酷な圧延条件での圧延では、被圧延材の表面から破砕及び分離した微小遊離スケール片等の遊離硬質粒子がロールバイト内においてロール表面の炭化物の周辺の比較的軟質な基地組織に食い込むことによって線条キズ(ミクロ摩耗)を発生させ、その後の繰り返しによって熱間圧延用ロールの摩耗や肌荒れを進行させる。また、スケールが破砕された被圧延材の表面は、ロール表面と金属接触し、高温、高面圧及び高摩擦の過酷な条件下では被圧延材とロール基地とが凝着(ミクロ焼付き)してロール表面への被圧延材の焼付きに進行する。
ここで、圧延用ロールの表面における炭化物の面積をScとしたときの相当粒径√Scが1μm 以上である粗大な炭化物は、これら摩耗、肌荒れ及び焼付きのいずれの進行に対しても、 その進行を阻害するバリアとなる。
さらに、相当粒径√Scが1μm以上であるMC型炭化物の粒間間隔Lc(μm)を平均値で、従来のロールの30μm超から、30μm以下に小さくすることによって摩耗量及び焼付きの頻度を顕著に低減することができる。ここで、MC型炭化物とした理由は、ビッカース硬さが2100以上で耐摩耗性及び耐肌荒れ性に優れるからである。
本実施の形態の熱間圧延用ロールは、一般的には、鋳造により、その製造条件を以下に示すように制御することにより製造される。
鋳造により製造される場合、本実施の形態の熱間圧延用ロールは、鋳型への鋳込み及び凝固を経て製造される。この際、MC型炭化物の粒間間隔を所定値に制御するためのロール製造条件は、炭化物間の平均間隔Lc(μm)が凝固中の冷却速度CR(℃/mm)と炭化物の面積率Sr(%)とによって(1)式のように規定される。
Lc = 1.6×103・CR-0.47・Sr-0.83 ・・・・・・・(1)
(1) 式により平均間隔Lc(μm)が規定される理由は、冷却速度が大きいほどデンドライト組織(凝固組織)は微細になり、デンドライト樹間は小さくなる。炭化物はデンドライト樹間に晶出するため晶出量(炭化物量)によって炭化物粒間間隔が決定されるためであると考えられる。
このため、MC型炭化物の粒間間隔Lcを30μm以下に制御するための製造条件は、(1) 式においてLc≦30とすることにより、完成時のロール胴部の圧延使用層に相当する部分において、 凝固過程の冷却速度CR(℃/mm)と相当粒径が1μm以上である炭化物の面積率Sr(%)とが、CR≧5.0×103・Sr-1.8を満足するように鋳造すればよい。
ここで、本実施の形態の成分系では、MC型炭化物の量は、V、Ti及びNbの含有量により、Sr=1.4×(V+1.06×Ti+0.55×Nb)+2.4として求められる。本実施の形態では、面積率Srは、熱間圧延用ロールとして要求される格段の耐摩耗性を確保するために、10%超と限定する。ただし、面積率を高め過ぎると、熱間圧延用ロールとして不可欠な耐面圧性や耐熱的損傷性を低下させる。そこで、面積率Srは20%以下と限定する。
ここで、本実施の形態の成分系では、MC型炭化物の量は、V、Ti及びNbの含有量により、Sr=1.4×(V+1.06×Ti+0.55×Nb)+2.4として求められる。本実施の形態では、面積率Srは、熱間圧延用ロールとして要求される格段の耐摩耗性を確保するために、10%超と限定する。ただし、面積率を高め過ぎると、熱間圧延用ロールとして不可欠な耐面圧性や耐熱的損傷性を低下させる。そこで、面積率Srは20%以下と限定する。
この本実施の形態の熱間圧延用ロールにより、圧延条件を緩和することなく圧延スケジュールを、例えば高C高V系ロールよりも大幅に拡大すること、具体的には、最大では高C高V系ロールの2倍程度に高めることが可能になる。また、過酷な熱負荷圧延においても優れた耐摩耗性、耐肌荒れ性及び耐焼付き性を発揮することができる。このため、本実施の形態により、ホットストリップの粗圧延機又は仕上げ圧延機のワークロールとして用いるのに好適な熱間圧延用ロールを提供することができる。
さらに、本発明を実施例を参照しながら詳細に説明する。
表1に示す10種類の化学組成の試料(直径15mm、長さ65mmの形状)を所定の温度勾配を有する加熱炉の中央部で溶融した後、 所定の速度で移動させて一端から凝固させた。
実験条件として、試料は1550℃で溶融した後、1450℃に15分間保持した。試料No.1〜8および試料No.10の移動速度(凝固速度に相当)は実機のロール製造条件としては最大値に近い値である20mm/minとしたが、試料No.1と同じ組成である試料No.9の移動速度は5mm/minとした。また、試料No.1〜9のSr(%)は20%以下であるが、試料No.10のSr(%)は20%を超えている。
図1に各試料の冷却速度とSr(%)との関係をグラフで示す。ここで、冷却速度(℃・min-1 ) は炉内温度の測定結果より求めた温度勾配と凝固速度との積として算出した。
試験の終了後、試料は凝固方向に垂直な断面を測定面として、研磨及び腐食して炭化物を識別できるように試料調整した後、炭化物の面積率及び粒間平均間隔を画像処理により測定した。以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0004259406
本発明例の試料No.1〜7およびNo.10は炭化物間の平均間隔Lcが30μm 以下を満足する冷却速度、 炭化物量であることがわかる。
次に、本発明例の試料と、比較例の試料の耐久性を評価した結果を述べる。
表1に示した材質のうち、本発明例の4種類(No.1 、2 、3 、6)と比較例(No.8)と本発明の範囲外の試料(No.9 、10) とについて直径90mmの円筒形供試材を作製し、同形の相手材 (バックアップロール材)とヘルツ接触圧力250kgf/mm2で転動接触させ、供試材表面が剥離するまでの回転数を疲労寿命として、評価した。結果を表2にまとめて示す。
Figure 0004259406
表2に示すように、本発明例の4種類は、従来例である試料No.8と同等レベル以上の耐久性を示したのに対し、試料No.9、10のうち特にSrが上限を超える試料No.10 は、寿命低下が著しかった。
また、供試材の炭化物間隔が表1と同等になるように実施例1と同じ冷却速度が得られるように金型鋳造した直径110mm のインゴットから、焼入・焼戻し処理にてショアー硬さで80に調整した直径90mmの円筒形供試材を作製し、耐摩耗性評価試験を行った。試験条件としては、相手材(直径240mm)を高周波誘導加熱にて800 ℃に加熱し、水潤滑で荷重450kgf、接触幅15mm、すべり率6%で10000 回接触転動させた後の摩耗質量を測定した。結果を図2にグラフで示す。
図2にグラフで示すように、炭化物間隔を30μm以下とした本発明例の4種類は比較例に比べて大幅に摩耗が軽減されており、優れた耐摩耗性を示すことがわかる。
実施例1における冷却速度の結果を示すグラフである。 実施例1の試験結果を示すグラフである

Claims (1)

  1. 質量%で、C:1.0〜2.6%、Si:1.2%以下、Mn:1.2%以下、Ni:3.0%以下、Cr:1.5〜6.0%、Mo及びWはMo+0.5Wとして1.5〜5.0%、V:6.0〜12.0%、Co:5.0%以下を含有するとともに、Ti:2.0%以下又はNb:2.0%以下のうち少なくとも1種を含有し、残部Fe及び不可避的不純物からなる組成を有するとともに、ロール胴部の圧延使用層の表面における炭化物の面積をScとしたときの相当粒径√Scが1μm以上である炭化物の面積率Sr(%)が10%超20%以下であるMC型炭化物を、その粒間間隔Lc(μm)の平均値が30μm以下となるように、分散させた組織を有するとともに鋳型への鋳込み及び凝固を伴う鋳造によって製造され、前記凝固が、該凝固における冷却速度CR(℃/min)と前記面積率Sr(%)との間に、CR≧5.0×10 ×Sr −1.8 により規定される関係を満足するようにして、行われることを特徴とする熱間圧延用ロール。
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