JP3026540B2 - ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼板の製造方法

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JP3026540B2
JP3026540B2 JP25459294A JP25459294A JP3026540B2 JP 3026540 B2 JP3026540 B2 JP 3026540B2 JP 25459294 A JP25459294 A JP 25459294A JP 25459294 A JP25459294 A JP 25459294A JP 3026540 B2 JP3026540 B2 JP 3026540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高い表面硬さと優れ
たプレス加工性,耐食性を備えていて、例えば磁気記録
媒体であるフロッピ−ディスクのセンタ−コア用等とし
て好適な強磁性ステンレス鋼板の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来技術とその課題】近年、磁気記録媒体として用い
られるフロッピ−ディスクにはセンタ−コアを備えた形
態のものが急増しているが、このフロッピ−ディスクセ
ンタ−コア用の材料には次のような特性が必要とされて
いる。 (A) 耐食性に優れる,(B) 強磁性を有する,(C) 表面硬
度が高い(Hv 230以上),(D) プレス加工性に優れ
る, a) 伸び値が高い, b) 張り出し性が良い(エリクセン値が高い), c) 深絞り性が良い(LDR,r値が高い), d) ストレッチャ−ストレインが生じない(降伏伸びが
無い), e) 塑性異方性が小さい(Δrが小さい)。
【0003】そこで、一般には、この用途に対してはフ
ェライト系ステンレス鋼(例えばSUS430ステンレ
ス鋼等)の焼鈍板(再結晶焼鈍板)が使用されてきた。
なぜなら、フェライト系ステンレス鋼の焼鈍板は強磁性
材料であると共に高いr値を有していて深絞り性に優れ
ており、また伸び,n値(加工硬化係数),エリクセン
値等も、オ−ステナイト系ステンレス鋼には劣るものの
フロッピ−ディスクセンタ−コアへのプレス加工を行う
のに十分な値を示したからである。
【0004】ただ、このフェライト系ステンレス鋼冷延
板をフロッピ−ディスクセンタ−コア材として用いる場
合には次のような問題が指摘された。即ち、フェライト
系ステンレス鋼冷延板は、焼鈍材のままプレス加工に供
するとストレッチャ−ストレインを生じるものの、加工
度1%程度の軽い調質圧延を施した後に加工すればスト
レッチャ−ストレインを生じることはなく、その際に伸
び,n値,エリクセン値もプレス加工を損なうほど著し
く劣化することはないが、その状態での表面硬さはHv
150程度と不満足なものである。従って、フロッピ−
ディスクセンタ−コア材として要求されるHv 230を
実現するためには、最終焼鈍後の調質圧延で加工度を少
なくとも15%以上に高める必要があった。ところが、
調質圧延の加工度を上記範囲にまで高めると伸び,n
値,エリクセン値が著しく劣化し、プレス加工性が悪く
なるのを如何ともし難かった。
【0005】このため、“表面硬さを犠牲にして伸びを
高くした材料”をフロッピ−ディスクのセンタ−コアに
加工し、その後でクロムめっきを施して高い表面硬さを
得る方法も考えられるが、この方法では製造コストが高
く付くという欠点があるため実用的であるとは言えなか
った。
【0006】そこで、上述のような問題に対処すべく、
特開昭64−19570号公報及び特開平1−2591
44号公報等では、材料の化学組成を“SUS430系
の組成にSi,Niを適量添加したもの”とすることが提唱
されている。これは、Siを添加することにより素材の硬
度を高めると共に、Siの添加によって失われた靱性をNi
の添加によって改善しようとしたものである。しかし、
この方法では、Niの添加によって通常のSUS430系
の素材に比べてコスト高となることが免れ得ないばかり
か、硬度の改善も十分ではなく、必要な硬度を確保する
ためには最終焼鈍の後にやはり加工度15%程度の冷間
圧延を必要とするので、それによりプレス成形性に必要
な延性を失うことにもなった。
【0007】一方、特開昭63−14387号公報並び
に特開昭63−169330号ないし169335号公
報等には、冷間圧延後の最終焼鈍を比較的高温で行うこ
とによってSUS430鋼板材に延性に富んだフェライ
ト相と硬度の高いマルテンサイト相の複合組織を得る方
法が提唱されている。しかし、この方法はその後の冷
圧延(調質圧延)が不必要であるばかりではなく十分な
硬度と延性が得られるものであるが、SUS430系で
はフェライト相とオ−ステナイト相が混在する温度領域
が狭いために焼鈍条件の管理が非常に難しく、そのため
安定した品質が得られにくいという問題があった。もっ
とも、この場合、鋼材成分としてNiを添加するとフェラ
イト相とオ−ステナイト相が混在する温度領域は広くな
るので条件管理は容易となるが、やはりNiを添加した分
だけSUS430系に比べてコスト高となるのを無視で
きなかった。
【0008】逆に、特開平4−371518号公報を見
ると、SUS430系の材料をそのまま利用し冷圧延
後は低温で焼鈍する方法が提唱されている。この方法に
よれば、冷圧延後に再結晶させることがないので硬度
の低下は少なくて済み、延性はプレス成形性に十分なほ
ど回復する。しかしながら、この方法には、低い焼鈍温
度であるが故に材料が鋭敏化してしまい、耐食性が劣化
するという問題を孕んでいた。そこで、十分な耐食性を
得るためには硝酸水溶液中で電解するといった不働態化
処理を必要とし、コスト高となるのを免れ得なかった。
【0009】このようなことから、本発明が目的とした
のは、フロッピ−ディスクセンタ−コア用等として好適
な優れた耐食性と加工性とを示し、かつ高い表面硬さを
も兼備した強磁性ステンレス鋼板を安定かつ安価に提供
できる手段を確立することであった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、「強磁性を有する
フェライト系ステンレス鋼に必然的に含まれがちな特定
の微量元素(不純物元素)の含有量を十分に制御した鋼
を素材とし、 更に薄板材に加工する際の冷間圧延並びに
焼鈍を特定の条件で実施して仕上げた冷延板は、 高い表
面硬度と優れた加工性を併せ持つばかりか、 その後に硝
酸電解等の不働態化処理を施さなくても優れた耐食性を
有するようになり、 フロッピ−ディスクセンタ−コア材
として非常に優れた材料となり得る」との新しい知見を
得ることができた。
【0011】本発明は、上記知見事項を基に完成された
ものであり、 「C:0.01〜0.10%(以降、 重量割合を表す%は重量%とする), N:0.01〜0.10%, Mn:0.1 〜2.0 %, Cr:13.0〜20.0% を含有するか、 あるいは更に V,Ti,Nb,Ta及びREM(希土類元素及びY)の1種以上: 合計量で 0.1%以下 をも含有すると共に、 残部がFe及び不純物より成り、 か
つ不純物であるP,S,Si,Al及びNiの含有量がそれぞ
れ P:0.03%以下, S:0.01%以下, Si:0.40%以下, Al:0.01%以下, Ni:0.2 %以下 に規制された化学組成のフェライト系ステンレス鋼を素
材とし、 これを冷間圧延して冷延鋼板を製造する(通常
は焼鈍と圧延を交互に繰り返す)に当って、 好ましくは
最終冷圧延の前の焼鈍を再結晶焼鈍として結晶粒度を
50μm以下に調整した上で、 最終の冷間圧延はダルロ
−ル(表面を粗面化仕上げしたロ−ル)を用い加工度:
10〜90%で実施して圧延材の表面粗さをRaで 0.1
μm以上に調整した後 仕上げの最終焼鈍として 加熱温度:750〜900℃, 加熱保持時間:10〜60秒, 加熱保持後400℃に至るまでの冷却速度:100〜1
000℃/secなる条件の調質焼鈍を回復領域で行うこと
により、 また更に好適にはこれらの焼鈍を露点が−30
℃以上に制御された還元性雰囲気で実施することによっ
て、 プレス加工性に優れた表面硬さの高いフェライト系
ステンレス鋼板を安定かつ安価に製造できるようにした
点」に大きな特徴を有している。
【0012】なお、本発明で言う「調質焼鈍」とは、雰
囲気,加熱時間,保持時間,冷却速度を調整することに
よって軟化や鋭敏化を避けて靱性の回復を図り、これに
よりその後の冷間圧延(調質圧延)や硝酸水溶液中電解
等の不働態化処理を施さなくても十分な強度及び耐食性
を実現するための熱処理を意味している。
【0013】
【作用】次に、本発明において素材鋼の化学組成や鋼板
の製造条件を前記の如くに限定した理由をより詳細に説
明する。 A) 素材鋼の化学組成 〔C〕Cは、鋼板中に存在する転位の固着を図って鋼板
の強度,表面硬度を確保するのに必要な成分であるが、
その含有量が0.01%未満では転位を固着し切れないため
に十分な強度が得られず、加工硬化能も低下する。一
方、 0.1%を超えてCを含有させるとCrの炭化物が析出
して鋼板が脆化し、かつその析出物の周りでCrの欠乏領
域が生じるために耐食性も劣化する。従って、C含有量
は0.01〜0.10%と定めた。
【0014】〔N〕Nも鋼板に存在する転位の固着を図
って鋼板の強度,表面硬度を確保するのに必要な成分で
あるが、その含有量が0.01%未満では転位を固着し切れ
ないために十分な強度が得られず、加工硬化能も低下す
る。一方、 0.1%を超えてNを含有させるとCrの窒化物
が析出して鋼板が脆化し、かつその析出物の周りでやは
りCrの欠乏領域が生じるために耐食性も劣化する。従っ
て、N含有量は0.01〜0.10%と定めた。
【0015】〔Mn〕MnにはCやNが転位を固着する効果
を高める働きがあり、最大限の効果を得るための望まし
い含有量はCやNの含有量によって決まってくる。そし
て、実験の結果、Mn含有量が 0.1%未満であるとCやN
が転位を固着する効果を十分に高めることができず、逆
に 2.0%を超えて含有させても前記効果は飽和してしま
って意味がないことが判明した。従って、Mn含有量は0.
1 〜2.0 %と定めた。
【0016】〔Cr〕Crは、鋼板に所望の耐食性を確保す
るために必要な成分であると共に、代表的なフェライト
形成元素でもある。そして、フロッピ−ディスクセンタ
−コア材等に要求される耐食性を達成するには12%以上
のCr含有量を確保すれば十分であるが、安定したフェラ
イト組織を得るためにはCr含有量を13.0%以上に調整す
る必要がある。即ち、Cr含有量が13.0%未満であるとオ
−ステナイト相が出現する温度領域が非常に広く、その
ため場合によっては最終焼鈍終了後の冷却過程で鋼板が
マルテンサイト組織となり伸びが著しく低下する。一
方、20.0%を超えてCrを含有させても原料代が高価とな
るだけで実際上の便益につながらない。従って、Cr含有
量は13.0〜20.0%と定めた。
【0017】〔P〕Pは、熱間加工性を害するばかりで
なく、耐食性も劣化させる。また、Pは自らも偏析し易
いだけではなく他の元素の偏析をも助長する。更に、炭
化物の析出を助長して強度を向上させるが、靱性は劣化
させる。つまり、Pの含有量が0.03%を超えるとこのよ
うな障害が顕著化するので、Pの含有量の上限を0.03%
と定めた。
【0018】〔S〕Sは、粒界に低融点の共晶膜を形成
して熱間加工性を害する元素であり、また硫化系介在物
を形成し易いので、切削性は向上させるが耐食性は著し
く劣化させる。そして、Sの含有量が0.01%を超えると
上記不都合が顕著化するため、S含有量の上限を0.01%
以下と定めた。
【0019】〔Si〕Siは有効な脱酸剤であると共に、引
張強さ及び耐力を向上させる作用をも有しており、また
1%以上含有させた場合には耐食性は向上するが靱性が
損なわれて良好な成形性が得られなくなる。勿論、1%
を下回る含有量であっても脱酸には有効で相応の強度向
上効果を確保することはできるが、「0.40%<Si< 1.0
%」の範囲では耐食性が著しく劣化し、特に本発明のよ
うに冷間加工後に歪の回復領域で焼鈍を施す場合には如
何なる条件で焼鈍を行っても鋭敏化が避けられなくな
る。従って、Si含有量の上限を 0.4%と定めた。
【0020】〔Al〕Alは、通常、脱酸剤及び結晶粒微細
化元素として添加され、酸化系介在物の低減及び熱間加
工性の向上に効果があるが、その一方で窒化物を析出し
易く、そのため靱性が損なわれるという弊害ももたら
す。そして、Al含有量が0.01%を超えると靱性劣化が顕
著化してプレス成形性を損ねることとなるので、Al含有
量の上限を0.01%と定めた。
【0021】〔Ni〕Niは補助原料のスクラップ等を介し
て鋼中へ侵入しやすい元素であり、靱性を高める働きを
する一方で、Cの活量係数を上げるのでCrの欠乏を助長
するようにも作用する。そして、Niの含有量が0.2 %を
超えるとその作用が著しくなり、後述するように最終焼
鈍を歪の回復領域で行うと必要な耐食性が得られなくな
るので、Ni含有量の上限を0.2 %と定めた。
【0022】〔V,Ti,Nb,Ta,REM(希土類元素及
びY)〕V,Ti,NbあるいはTaは、CrよりCに対する親
和力が強いため、Cr炭化物の析出を抑制する効果があ
り、それによって後述する最終焼鈍の際の鋭敏化が妨げ
られ、耐食性が向上する。また、これらの元素は粒界に
微細かつ安定な炭化物を析出させ、結晶粒を微細化する
効果があるため、後述する最終の冷間圧延の前の焼鈍に
おいて結晶粒を微細化する際に有効に作用する。一方、
REM(希土類元素及びY)は鋼の清浄度及び熱間加工
性を改善すると共に、安定な炭化物の析出によって耐食
性を向上させる。従って、上記効果を得るためにこれら
の1種又は2種以上が必要に応じて含有せしめられる
が、それらの合計含有量が0.1 %を超えると固溶成分が
表面に不均一に濃化してロ−ル転写性が悪化し、良好な
表面粗さを有する素材が得られなくなる。このため、
V,Ti,Nb,TaあるいはREMの合計含有量の上限を0.
1 %と定めた。
【0023】B) 最終冷間圧延の前に実施する焼鈍の条
件 本発明法では、冷延鋼板の製造工程における最終焼鈍は
再結晶焼鈍ではなくて“回復領域での焼鈍”であるの
で、製品鋼板(フロッピ−ディスクセンタ−コア材等)
の表面硬さは最終冷間圧延の前の焼鈍で得られる材料の
結晶粒径にも影響される。従って、製品鋼板の表面硬さ
を高くするためには、最終冷間圧延の前の焼鈍の段階か
ら結晶粒径ができるだけ小さくなるように制御しておく
ことが必要となる。また、この時の結晶粒径が大きいと
プレス加工を行った際に肌荒れを生じ、製品の外観を損
ねることになる。しかし、最終冷間圧延の前に実施する
焼鈍(一般には歪取り焼鈍が行われる)時に材料の結晶
粒径が50μm以下に調整されれば、製品鋼板に十分な
表面硬さが確保され、かつプレス加工時に肌荒れを生じ
るおそれもなくなって一層良好なプレス成形性が得られ
る。従って、最終冷間圧延の前の焼鈍は、材料の結晶粒
径が50μm以下となる条件の再結晶焼鈍とするのが望
ましい。なお、結晶粒径の調整は焼鈍温度や焼鈍条件等
を調節することによって行われることは言うまでもな
い。
【0024】C) 最終冷間圧延の加工度 本発明では、最終冷間圧延は加工度10〜90%で実施
する必要がある。ここで、最終冷間圧延の加工度の下限
値を10%としたのは材料中の転位密度を適度に調整す
るためである。即ち、化学組成が規制された本発明に係
る素材ステンレス鋼は非常に安定なフェライト相(bc
c構造)であるため、侵入型固溶元素であるCやNは転
位を固着する働きをする。そして、次工程である回復領
域での焼鈍で“より高い強度”を得るには“より多くの
転位”がそれらの元素によって固着されるべきであり、
次工程に進む前に適度に材料中の転位を増やしておく必
要がある。この効果を十分に得るには、最終の冷間圧延
を10%以上の加工度で実施しなければならない。
【0025】また、焼鈍前の冷間加工は、鋭敏化温度を
低温側にシフトさせるという効果をも併せ持つ。即ち、
十分な冷間加工を加えて加工歪を増せば通常の鋭敏化温
度領域の高温側で鋭敏化が起こらなくなり、耐食性の劣
化を免れることができる。そして、この観点からすれ
ば、最終冷間圧延の加工度は40%以上にする必要があ
る。しかし、ダルロ−ルを用いて圧延を行うと、ロ−ル
と材料間の摩擦が大きくなって低加工度であっても材料
表面に強い加工が加わることになるので、40%よりも
小さい加工度でも前記効果を十分に確保できるようにな
る。そして、ダルロ−ルの表面粗度を高くするほど材料
表面に加わる加工歪は大きくなり、この効果はより顕著
となる。本発明者等の試験結果より、圧延によって得ら
れる鋼板の表面粗さがRa 0.1μm以上になると加工度
が10%であったとしても前記効果が現れ出し、表面粗
さがRa 0.3μm以上になると十分な効果を確保できる
ことが確認された。
【0026】一方、最終冷間圧延の加工度が高すぎる
と、圧延集合組織が強くなり塑性異方性が大きくなって
しまうのでプレス成形性が悪化する。この兆候は前記加
工度が70%を超えると現れるようになり、特に該加工
度が90%を超えると問題が顕著化して、例えばフロッ
ピ−ディスクセンタ−コア等のプレス成形に当って不具
合を生じさせるようになる。従って、最終の冷間圧延で
は、得られる圧延材の表面粗さがRa 0.1μm以上(好
ましくはRa 0.3μm以上)となるダルロ−ルを使用す
ることとし、また加工度:10〜90%(好ましくは4
0〜70%)で圧延することと定めた。
【0027】D) 最終焼鈍の条件 最終冷間圧延後に実施する最終焼鈍を“再結晶焼鈍”で
はなく“回復領域(歪の回復領域)での焼鈍”としたの
は、特に a) 必要な強度,表面硬さを得る, b) ストレッチャ−ストレインを生じさせない, c) 塑性異方性(Δr)を小さくする という3つの効果を製品鋼板に確保するためである。即
ち、再結晶させてしまうと製品鋼板の強度,表面硬さが
低下するばかりでなく、材質がフェライト系ステンレス
鋼があるがためにストレッチャ−ストレインを生じやす
くなってしまう。また、再結晶集合組織は圧延集合組織
より塑性異方性が大きいという欠点もある。しかし、適
当な条件の調質焼鈍を行った場合には「最終冷間圧延に
よって得られた可動転位を侵入型固溶元素であるCやN
が固着することによる強化」が期待できるはかりか、塑
性異方性も極力小さく、かつストレッチャ−ストレイン
を生じさせることもなくなる。
【0028】但し、前述したように、焼鈍前に十分な冷
間加工を行うと高温側で鋭敏化は起こりにくくなるもの
の、低温側では逆に鋭敏化が起こりやすくなる。更に、
低温で長時間の焼鈍では脆化する危険性がある上、高温
短時間の焼鈍に比べて生産性も落ちるので、効率良く所
期の効果を確保するためには 加熱温度:750〜900℃(好ましくは800〜85
0℃), 加熱保持時間:10〜60秒(好ましくは15〜20
秒), 加熱保持後400℃に至るまでの冷却速度:100〜1
000℃/secなる条件の高温短時間の調質焼鈍を行うの
良い
【0029】ここで、加熱温度が900℃を超えると再
結晶しやすくて安定した品質の確保が難しくなり、一
方、750℃より低い温度であると既知の如く耐食性が
劣化する。そして、上記温度域の加熱にて焼鈍を行うに
は60秒間均熱帯に保持すれば十分であり、それ以上に
長い時間保持すると再結晶してしまう危険性が出る上
に、Crの炭化物や窒化物の析出量が多くなって脆化する
おそれもある。一方、加熱保持時間が10秒未満である
と十分な延性の回復が行われなかったり、耐食性の劣化
を招く危険性がある。これは、上記温度域の加熱ではCr
の炭化物や窒化物が析出しやすく、析出した直後にはそ
の析出物の周囲に一時的にCrの欠乏領域が生じて耐食性
が著しく損なわれるという、所謂“鋭敏化現象”が起き
がちだからである。勿論、Crの拡散速度に見合った十分
な時間が経過すれば、Crの欠乏領域に対して周囲からの
Crの供給が行われ耐食性の劣化は免れるが、上記温度域
では10秒未満の時間内に周囲からのCrの供給を期待す
ることは難しい。
【0030】また、加熱保持後の冷却速度が遅い場合に
は、冷却の途中においてCrの炭化物もしくは窒化物が析
出するおそれがある。特に、800℃以上から冷却した
時にはCrの炭化物の析出は極めて鋭敏化されやすい。も
っとも、Crの欠乏領域に対して周囲からのCrの供給が十
分に行われるほどゆっくりした速度で冷却すれば耐食性
の劣化は免れるが、それを狙った場合の冷却速度は 0.1
℃/sec以下に制御しなければならず、生産性が著しく落
ちることとなるので、この方法は実操業上望ましくな
い。なお、Crの炭化物や窒化物が析出しやすいのは40
0℃までで、これより低い温度領域では徐冷しても差し
支えはない。このように、750〜900℃の温度域に
加熱保持した後、400℃に至るまでの冷却速度が10
0℃/secよりも遅い場合には鋭敏化現象が生じてしまう
危険性が高まる。しかし、1000℃/secを超える冷却
速度を実現することは実操業上不可能であり、これらの
点からすれば600℃/sec前後の冷却速度で冷却するの
が実際的であると言える。
【0031】なお、上述した焼鈍処理は“露点が−30
℃以上に制御された還元性の雰囲気(例えばAXガス雰
囲気)”中で行うのが好ましく、これにより材料表面に
安定な酸化膜が形成されて耐食性が更に向上する。
【0032】上述のように、本発明法に従って製造され
たステンレス鋼板は、フェライト相のみの組織であるた
め強磁性を有し、その成分として13.0〜20.0%のCrを含
有するため優れた耐食性を発揮する。更に、表面硬さが
高いにもかかわらず伸び,n値,r値,エリクセン値が
高く、しかもストレッチャ−ストレインが生じないので
優れたプレス加工性を示す。従って、このステンレス鋼
板はフロッピ−ディスクセンタ−コア用材料に要求され
る諸特性等を十分に満足しており、フロッピ−ディスク
センタ−コア用として使用した場合にはその更なる性能
向上を達成することができる。
【0033】次いで、実施例によって本発明の効果をよ
り具体的に説明する。
【実施例】まず、転炉で溶湯の成分調整を行った後、真
空脱ガス,連続鋳造を経て表1及び表2に示される化学
成分組成の各Fe−Cr系合金(フェライト系ステンレス
鋼)鋳片を得た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】次に、これら鋳片を熱間圧延した後、酸洗
等の表面手入れを行ってから冷間圧延と焼鈍を繰り返し
て板厚:0.3mm の冷延板とし、最終冷間圧延後に更に還
元性雰囲気中で最終焼鈍を施した。ここで、最終冷延圧
延ではワ−クロ−ルとして表面をダル加工したダルロ−
ルを使用した。なお、この際における“最終冷間圧延前
の焼鈍時における結晶粒径", "最終冷間圧延の加工度",
"表面粗さRa”及び“最終焼鈍の条件”は表3及び表
4に示す通りであった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】ここで、表3及び表4に示した表面粗さR
aは中心線平均粗さと呼ばれ、JIS等に定められた定
義及び測定法に従うものである。即ち、粗さ曲線からそ
の中心線の方向に測定長さL の部分を抜き取り、この抜
き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、
粗さ曲線をy=f(x) で表したとき、次の (1)式によっ
て表される値をマイクロメ−トル(μm)で表したもの
である。
【0040】
【数1】
【0041】そして、上述のようにして得られた各ステ
ンレス鋼冷延鋼板につき、その 「表面硬さ」, 「プレス加
工性」 並びに 「耐食性」 を調査し、その結果を前記表3
及び表4に併せて示した。ここで、「表面硬さ」につい
ては荷重が1kgのビッカ−ス硬さで評価した。また、
「プレス加工性」に関しては、伸びと張り出し性を評価
するためのエリクセン値と、塑性異方性を評価するため
の“Δr”と“カップ耳高さ”を測定することによって
調査した。なお、r値については、伸びが5%の時の値
を求め、カップ耳高さはポンチ径:33mm,ブランク
径:63mmの深絞り試験を行って求めた。更に、プレス
加工した際にストレッチャ−ストレインが発生したかど
うかについても調査したが、これは引張試験を行った時
に降伏現象が現れるかどうかで判断できるので、ストレ
ッチャ−ストレインに関しては“降伏点現象の有無”で
評価した。一方、「耐食性」に関しては、5%塩化ナト
リウム水溶液で塩水噴霧試験を行って評価し、表3及び
表4にはその評価結果を ◎…極めて良好, ○…良好, ×…不良 の3段階で表示した。
【0042】表3及び表4に示される結果からは、次の
事項が明らかである。即ち、本発明例1〜13に係わる製
品鋼板は、表面硬さが何れも“Hv 230以上”を満足
している上、プレス成形性に優れ、耐食性も良好であ
る。特に、本発明例6〜13に係わる鋼板は、V等の微量
元素を適量含有していて最終圧延前の焼鈍で調整すべき
結晶粒度も好ましい大きさに制御され、最終焼鈍での露
点も好ましい温度に制御されているので、一段と好まし
い結果が得られている。また、上記本発明例に係わる鋼
板の組織はフェライトのみであるので強磁性を有してい
る。このように、本発明例に係わる鋼板は何れも先に述
べたフロッピ−ディスクセンタ−コア用材料として要求
される全ての特性を満足するものあったのに対し、比較
例に係わる鋼板には次のような不都合が指摘された。
【0043】比較例18に係わる鋼板は、Cの含有量が
0.1%を超えているためにCrの炭化物が多量に析出して
脆化し、耐食性も劣化している。比較例19に係わる鋼板
は、NとMnの含有量が本発明の規定値より少ないために
十分な表面硬さが得られていない。比較例20に係わる鋼
板は、Crの含有量が13%より少ないために耐食性に劣っ
ている。比較例21に係わる鋼板は、Pの含有量が0.02%
を超えているために十分な延性が得られず、耐食性も劣
化している。比較例22に係わる鋼板は、Sの含有量が0.
01%を超えているために耐食性が劣化している。比較例
23に係わる鋼板は、Siの含有量が 0.4%を超えているた
めに延性が低下し、耐食性も劣化している。比較例24に
係わる鋼板は、Alの含有量が 0.1%を超えているために
延性が低下している。比較例25に係わる鋼板は、Niの含
有量が 0.2%を超えているために耐食性が劣化してい
る。
【0044】一方、比較例14に係わる鋼板は、最終圧延
の加工度が10%を下回っているために十分な表面硬さ
が得られておらず、更に表面粗さRaも 0.1μmを下回
っているので鋭敏化が起こり耐食性も劣化している。逆
に、比較例16に係わる鋼板は、最終圧延の加工度が90
%を超えているため表面硬さは満足な値が得られている
ものの、塑性異方性が大きくなっている。この鋼板を高
い成形制度が要求されるフロッピ−ディスクセンタ−コ
アにプレス加工すると、成形不良が生じる。
【0045】比較例17に係わる鋼板は、最終焼鈍の温度
を900℃以上に設定したため、再結晶してしまって必
要な硬さが得られず、降伏点現象も生じている。また、
再結晶集合組織であるために塑性異方性が大きく、比較
例16と同様の障害が起きる。比較例15に係わる鋼板は、
最終焼鈍において加熱時間が10秒を下回っているため
に鋭敏化が起こっている。
【0046】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、強磁性を有し、硬質クロムめっき等を施さなくても
高い表面硬さを示すと共にプレス加工性及び耐食性にも
優れるフロッピ−ディスクセンタ−コア材を安定かつ安
価に提供することが可能となるなど、産業上極めて有用
な効果がもたらされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−14387(JP,A) 特開 平7−150244(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/46 - 9/48 C22C 38/00 - 38/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量割合にて C:0.01〜0.10%, N:0.01〜0.10%, Mn:0.1 〜2.0 %, Cr:13.0〜20.0% を含有すると共に残部がFe及び不純物より成り、かつ不
    純物であるP,S,Si,Al及びNiの含有量がそれぞれ P:0.03%以下, S:0.01%以下, Si:0.40%以下, Al:0.01%以下, Ni:0.2 %以下 に規制された化学組成のフェライト系ステンレス鋼を素
    材とし、これを冷間圧延して冷延鋼板を製造するに当っ
    て、最終の冷間圧延はダルロ−ルを用い加工度:10〜
    90%で実施して圧延材の表面粗さをRaで 0.1μm以
    上に調整した後、仕上げの最終焼鈍として 加熱温度:750〜900℃, 加熱保持時間:10〜60秒, 加熱保持後400℃に至るまでの冷却速度:100〜1
    000℃/secなる条件の調質焼鈍を回復領域で行うこと
    を特徴とする、プレス加工性に優れた表面硬さの高い
    ェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェライト系ステンレス鋼素材として、
    更にV,Ti,Nb,Ta及びREMのうちの1種又は2種以
    上を合計量が 0.1%を超えない範囲で含有するものを使
    用する、請求項1に記載のプレス加工性に優れた表面硬
    さの高いフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 最終冷間圧延の前の焼鈍を再結晶焼鈍と
    し、これによって結晶粒度を50μm以下に調整してか
    ら最終の冷間圧延を実施することを特徴とする、請求項
    又は2に記載のプレス加工性に優れた表面硬さの高い
    フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 仕上げの最終焼鈍を、露点が−30℃以
    上に制御された還元性の雰囲気で行うことを特徴とす
    る、請求項1乃至の何れかに記載のプレス加工性に優
    れた表面硬さの高いフェライト系ステンレス鋼板の製造
    方法。
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