JPS6213529A - テ−ブルロ−ラの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、圧延材（被圧延材を含む）を搬送するテー
ブルローラ、例えば圧延材を方向転回して搬送し、圧延
機に噛み込ませるための転回テーブルローラを製造する
方法に関し、特に熱間圧延工程で使用される１１１ｇ食
性、耐摩耗性、耐焼付性の優れたテーブルローラを製造
する方法に関するものである。

従来の技術 周知のように、テーブルローラは圧延機前後面に配され
、例えば熱間圧延材、特に熱スラブ状の鋼板を圧延機に
供給・搬送するものであり、そのうち特に転回テーブル
ローラは、圧延材を方向転回させ、圧延機に供給・搬送
するものである。

第７図は熱間圧延工程で使用される厚板転回テーブルロ
ー５１の一例を示すものであり、図面に対して右方部２
を小径、左方部３を大径としてあり、中央部４は左方か
ら右方に連続的に径が減少する形状にされている。具体
的な寸法としては種々のものがあるが、代表的なもので
は、全幅が７５００　ｍｍ、小径部が直径５５０　ｍｌ
、大径部の直径が６００■、大径部の幅が３５００ｍｓ
とされる。

このようなテーブルローラを熱間圧延工程上に配し、熱
間圧延材を搬送するために使用する際には、デスケーリ
ング水の液浴ヤスケールの侵入、さらに高温の圧延材料
との接触・衝撃により腐食および摩耗を激しく受ける。

上述の腐食や摩耗は圧延材表面へのすりきすやドラッグ
スケールの原因となり、さらに圧延材の通根性、テーブ
ルローラの寿命特性に悪影響を与えるため、テーブルロ
ーラの表面は耐腐食性および耐摩耗性が必要とされてい
る。また例えば鋼材からなる圧延材とテーブルローラと
の間で、圧延材の一部がＯ−ラ表面に凝看する焼付現象
が生ずれば、圧延材の表面品質を著しく低下させる原因
となるから、テーブルローラ表面は前述の耐腐食性、耐
摩耗性のみならず、耐焼付性も優れていることが必要で
ある。

このような特性が要求される従来のテーブルローうとし
では、Ｃｒ系ＳＵＳ材Ｆｌ（例えばＪＩＳ：５ＵＳ４１
０）をテーブルローラ基材の表面に溶接肉盛したものや
、特開昭５７−１１５１９号、若しくは特公昭５６−４
３３００号に示される高クロム系合金を表層部に形成し
たものがあり、さらに例えば８４５Ｃのａ鋼量を使用し
たもの、あるいは低合金系材料（例えばＣｒ　−Ｍｏ　
−Ｖ系）をローラ基材表面に肉盛したものが使用されて
いる。

従来技術の問題点 しかしながら、Ｃｒ系ＳＵＳ材料や特開昭５７−１１５
１９号に示される高クロム系合金を表層部に形成したテ
ーブルローラでは耐焼付性が十分でなく、使用により焼
付現象が生じ圧延材の表面品質を損うという問題点が生
ずる。

また５ｕＳ４５Ｃ等のｔａｔＡ品を使用したローラや、
特公昭５６−４３３００号に示される高クロム系合金あ
るいは低合金鋼（Ｃｒ−Ｍｏ−Ｖ系）からなる表ｉｉｉ
をローラ基材表面に形成したものでは、硬度が不十分で
耐摩耗性は十分な特性を得ることができず、前記問題点
が生ずる。さらに耐摩耗性が低い場合はテーブルローラ
の寿命特性の悪化に伴い、ローラ交換をｔｉ　！！に行
う必要が生じ、作業効率をも悪化させるという問題が生
ずる。

この発明は以上の諸問題を解決することを基本的な目的
とし、耐腐１Ｂ牲、耐摩耗性、耐焼付性に優れたテーブ
ルローラを得ることができる方法を提供するものである
。

問題点を解決するための手段 すなわちこの発明は、重１％で、Ｇ　Ｏ，３〜０．５％
、Ｃ「１２〜１４％、Ｖ　Ｏ０３〜０．６％、Ｍｏ０．
３〜０．６％を含み、残部がＦｅおよび不可避的不純物
よりなる溶接材料をテーブルローラ基材の表面に肉ｔｉ
１２８接してＯ−ラ表面層を形成し、次いで６００〜７
００℃のｔ！囲内の温度に保持した後徐冷し、前記表面
層組織中にＶ、Ｃｒ　、Ｍｏの炭化物を析出させてテー
ブルローラを製造することを特徴とする。

作　　　用 この発明によれば、前記組成からなる溶接材料をテーブ
ルローラ基材の表面に肉盛溶接し、次いで６００〜７０
０℃で灼熱保持し、その後徐冷することによって、表面
ＩＩ繊織中Ｖ、　Ｃｒ　、Ｍｏの炭化物を均一に析出さ
せ、テーブルローラの耐腐食性、耐摩耗性および耐焼付
性を向上させることができる。

なお、均熱保持時間はテーブルローラ全体を均一温度に
加熱してＶ、Ｃｒ　、Ｍｏの炭化物を充分に析出させる
ための所要時間であり、テーブルローラの形状、質量に
依存するが、第７図の様な一般的な形状を有するテーブ
ルローラであってその肉盛溶接層の厚みが有効肉厚にお
いて１０〜２５市−のものでは５〜１０時間とするのが
好ましい。

５時間未満では充分に炭化物が析出されないおそれがあ
り、一方１０ｒＩ！ｆＷＩを越える艮時門加熱しても炭
化物の析出は飽和し、エネルギーコス１−の増大を１Ｂ
りだけである。また保持温度は６００℃より低温側では
Ｖ、Ｃｒ　、Ｍｏの炭化物が一部しか析出せず、均一な
析出を得られないため、６００℃以上であることが必要
である。一方７００℃より高温側では硬度が不十分とな
り、耐摩耗性において満足する結果が得られないため、
７００℃以下とすることが必要である。したがって均熱
温度は６００℃〜７００℃とした。なお均熱保持後の徐
冷は、具体的には１℃／−程度以下とすることが望まし
く、実際の操業では大気中放冷で充分である。

さらにこの発明で溶接材料の組成を限定したのは以下の
理由による。

Ｃ：０．３〜０．５ｗｔ％ ｌｉ！度、強度、つまり耐摩耗性を向上させるためには
Ｃ１が多い方がよいが、溶接性が悪化する。

一方溶接性を確保するためにはＣ量が少ない方がよいが
、！ａ！度１強度は不十分となる。したがって適正なＣ
１ｌは重量％において０．３〜０．５％の範囲内である
。

Ｃｒ　：　１２〜１４ｗｔ％ 耐腐食性、耐摩耗性を向上させるためには１２ｗｔ％以
上必要であり、一方１４ｗｔ％以上とすれば耐摩耗性は
向上するが耐腐食性はほとんど飽和して効果はなくなる
。またこれ以上含有すれば焼付が生じやすくなる。した
がってＣ「は１２〜１４％とした。

Ｖ：０．３〜０．６ｖｔ％、Ｍｏ：　　０．３〜Ｇ、６
ｗｔ％テーブルローラは例えば熱間圧延材を搬送、転回
して圧延機へ供給するので特に５００〜７００℃の高温
での高温強度を必要とする。したがって焼もどし軟化抵
抗を付与するためにＶ、Ｍｏの添加量を上記とした。

なお、この発明で表面層形成の対象とされるテーブルロ
ーラ基材の材質は待に限定されないが、使用条件等によ
り８４５Ｃ等のＷｉ鋼鋼量中合金鋳鋼等が使用可能であ
る。

実施例 この発明の実施例を、内諾溶接材料組成自体はこの発明
の範囲内であるが保持温度をこの発明の範囲外とした比
較例および従来のローラ材からなる従来例と比較して説
明する。

８４５Ｃ相当のｗ！鋼鋼量らなるＯ−ラ基材表面に、１
ｌｌ１％ｒＧ　Ｏ，３〜０．５％、Ｃｒ１２〜１４％、
■０．３〜０．６％、Ｍｏ０．３〜０．６％を含み、残
部がＦｅおよび不可避的不純物よりなる溶接材料を肉盛
溶接し、５００℃、６００℃、７００℃、８００℃の各
温度において１０時間保持し、その侵空冷により徐冷し
た。各温度で保持された各テーブルローラ表面の硬度を
測定し、その結果を第１図に示す。なおここで、保持温
度が６００℃、７００℃のちはこの発明の実施例、５０
０℃、８００℃のものは比較例、である。

第１図から明らかなようにＯ−ラ表面の硬度は保持温度
の増加に従い減少しており、８００℃の保持温度では硬
度はビッカース硬さにおいて２００に低下した。

第２図には１ｉ！度と回転摩耗試験における摩耗量との
相関関係を示す。ここで、回転摩耗試験における相手材
は（ｕ転試片）としてはソルバイト組織からなる０、５
７％Ｃ炭素鋼を用いた。摩耗条件として、荷１１５ｋｌ
）／ｃＩＩｒ、回Ｉ　速ａ　ヲ２．８５１／　Ｎ、！を
１００００ＩＩとし、潤渭油、！：Ｌ、Ｔ２０’Ｃ（７
）パラフィン系６０スピンドル油を用いた。その結果は
グラフで明らかなように、摩耗ｍと硬度とは相関関係を
有しており、硬度の増加に従い摩耗量は減少、つまり耐
摩耗性が向上する。第２図に示す結果、ならびにテーブ
ルローラ表面に一般に要求される耐摩耗性能から、Ｏ−
ラ表面の硬度はビッカース硬さで２５０以上が必要さと
れる。したがって第１図より明らかなように保持温度は
７００℃以下であることが必要であり、７００℃以下に
おいてローラ表面は所望の硬度、つまりｉｔ摩耗性を有
する。

前記の保持温度を変更した実施例および比較例の金属組
織の１１寮および焼付テストを行なった。

第３図は５００℃で１０Ｆｆｔ間保持して徐冷したロー
ラ表面層の金属組織図（倍率１０００倍）であり、第４
図は６００℃で１０時間保持したローラ表面層の金属組
織図（倍率１０００倍）である。

５００℃で保持したローラ表面層の組織は第３凶に示す
ように残留オーステナイトが存在し、一部にのみ炭化物
が析出しており、また焼付テストにおいては焼付現象が
発生した。６００℃で保持したローラ表面層の組織では
第４図に示すように完全にマルテンサイト組織となり、
組織中にＶ。

Ｏｒ　、Ｍｏの炭化物が均一に析出、分布し焼付テスト
において焼付現象は発生しなかった。７００℃、８００
℃で保持したものについても第４図と同様の組織構造が
得られた。一方、焼付性に関しては、５００℃で保持し
たものでは焼付現象が生じ、６００℃以上で保持したも
のでは焼付現象が生じなかった。これは、組織中に均一
に分散した炭化物が、金属、つまり圧延材が接触したと
きに生ずる原子拡散状態を阻止する効果を発揮し、焼付
現象を防止するためと考えられる。したがって５００℃
で保持したもので焼付現象が生じたのは、炭化物が一部
にしか析出せず、原子拡散を十分に防止し得なかったた
めと考えられる。

以上の点から保持濃度を６００℃以上とした場合に十分
な耐焼付性が得られることが判る。したがって、前記優
れた耐摩耗性と耐焼付性とを同時に得るためには、保持
温度を６００〜７００℃の範囲内とする必要がある。さ
らに８４５ＣのＪｌｌｌ鋼品、鋼量Ｓ４２０Ｊ２用材料
を肉盛溶接したもの、この発明の成分組成からなる溶接
材料を肉ｉｌｌ溶接した各々のテーブルローラを、種々
の温度（５００℃、６００℃、７００℃）で８〜１０時
圀保持して徐冷した後の表面層の摩耗量の測定および焼
付テストを行った。摩耗ｌ測定は試験片を８００℃とし
、荷１５０ｗ（Ｐａ　＃３０１ｍ／ｊ）　、水壷１０（
ｊＣ／ｓｉｎ、回転数２６５０’ｒｏｍ　　（７，６ｍ
／ｓｅｃ　）、時間６０分、すべり率５．６％で行った
。その結果、第５図に示すように、８４５Ｇの鍛鋼品も
しくは５ｔＪＳ４２０Ｊ２用材料を肉盛溶接したものに
比べ、この発明の成分組成からなる溶接材料を肉盛溶接
したものは摩耗量が僅かであり、つまり耐摩耗性が優れ
ている。第６図は各試験片を５００℃に加熱後、６０　
ｋｇ／−の負荷テスト２０分試験した後の摩耗断面の金
属組織図（倍率２０００倍）である。８４５Ｇの鍛鋼品
では焼付現象は生じていないが、５ｕＳ４２０Ｊ２用材
料を肉盛溶接したものでは焼付現象が生じており、この
発明の成分組成からなる溶接材料を肉ａ溶接したもので
は５００℃で保持したものに一部焼付現象が生じており
、他の保持温度によるものでは焼付現象が全く生じては
いない。したがってこの発明によるテーブルローラは耐
焼付性においても優れていることが明らかとなった。な
お、耐焼付性において良好な結果を得た８４５Ｇ鍛鋼品
は前述のように耐摩耗性が不十分であり、摩耗量はこの
発明の実施例によるテーブルローラに比し約２倍である
。したがって８４５ＣＩＩＩ１．ＩＩ品は耐腐食性、耐
摩耗性、耐焼付性のいずれの点においても優れた特性を
得るというこの発明の目的には沿わないものである。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、この発明のテーブルロ
ーラの製造方法によれば、表面＠織は完全にマルテンサ
イ組織となり、しかも組織中にＶ。

Ｃｒ　、Ｍｏ炭化物が均一に析出するので、耐腐食性、
耐摩耗性、耐焼付性のいずれの点においても優れたテー
ブルローラを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は保持温度と表面層硬度との関係を示すグラフ、
第２図は硬度と摩耗量との関係を示すグラフ、第３図は
この発明の成分組成からなる溶接材料を肉盛溶接し５０
０℃の温度に保持して製造したテーブルローラの表面層
の金ＩＩ組ｆａ図、第４図はこの発明の実施例により製
造されたテーブルローラの表面層の金属組織図、第５図
は従来のテーブルローラと従来材料もしはくこの発明の
成分組成からなる溶接材料を肉＠溶接したテーブルロー
ラにおいて、保持温度と摩耗量との関係を示すグラフ、
第６図は第５［２１で用いたテーブルローラにおいて、
各保持温度で徐冷した表面層の摩耗断面の金１１＠ＭＡ
図、第７図は転回用テーブルローラの一例の正面図であ
る。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）重量％でＣ０．３〜０．５％、Ｃｒ１２〜１４％
   、Ｖ０．３〜０．６％、Ｍｏ０．３〜０．６％を含み、
   残部がＦｅおよび不可避的不純物よりなる溶接材料を、
   テーブルローラ基材の表面に肉盛溶接してローラ表面層
   を形成し、次いで６００〜７００℃の範囲内の温度に保
   持した後徐冷し、前記表面層組織中にＶ、Ｃｒ、Ｍｏの
   炭化物を析出させることを特徴とする耐焼付性、耐腐食
   性および耐摩耗性を有するテーブルローラの製造方法。
2. （２）前記保持の時間を５〜１０時間としたことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載のテーブルローラの製
   造方法。