JP2705411B2 - 高靭性フェライト系ステンレス鋼帯の製造方法 - Google Patents

高靭性フェライト系ステンレス鋼帯の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、比較的多量のAlまた
はSiを含むフェライト系ステンレス鋼の高靱性熱延鋼帯
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Alを含むフェライト系ステンレス鋼(例
えば、18Cr−3Al鋼)、Siを含むフェライト系ステンレ
ス鋼(例えば、18Cr−2.5Si 鋼、16.5Cr−2.0Si 鋼)
は、優れた耐食性、耐熱・耐酸化性の故に、近年、自動
車排ガス処理機器、ストーブ部品、フロッピーディスク
センターコア材等、多方面に用途が拡大している。しか
しながら、通常の熱間圧延条件で製造したこれらの鋼種
の熱延鋼帯(ホットコイル)は、熱延のままでは、極め
て靱性に乏しく、焼鈍後の手入れ(表面の疵取り)ライ
ン等でわずかな曲げ応力がかかっただけで破断するとい
う事故がおこりやすい。
【0003】図1中の▲印は 2.5%のSiと 0.3%のNbを
含有するフェライト系ステンレス鋼(後述の実施例の鋼
種b)を、下記の通常の製造工程でコイルにしたもの、
即ち、熱延のままの試験片の室温(25 ℃) での衝撃値で
あるが、わずか1kgf-m/cm2強に過ぎない。後続工程で
の破断等の事故を避けるためには4kgf-m/cm2 以上の衝
撃値が必要とされるが、上記のように通常の熱延のまま
ではこの基準は到底満足されない。
【0004】スラブ加熱:1180℃×3時間 タンデムミルによる熱間圧延で、200 mm厚から4.0 mm
まで圧延 圧延仕上温度:950 ℃ 巻取温度: 600〜650 ℃(巻取り後は自然放冷) ホットコイルには、通常、結晶組織の均一化および軟質
化のためにベル焼鈍を施す。この焼鈍によって、衝撃値
はいくらか回復する。図1に、焼鈍温度と靱性との関係
を●で示す。焼鈍の均熱時間は12時間でその後は炉冷し
ている。図示のとおり、 700℃でベル焼鈍すれば衝撃値
は4kgf-m/cm2 前後に回復するが、必ずしも目標とする
4kgf-m/cm2 以上になるとは限らない。更に、焼鈍温度
が 770℃、830 ℃と高くなれば、衝撃値は2kgf-m/cm2
以下に低下してしまう。このような低靱性の鋼帯は、そ
れ自体を製品として出荷するにも不適当であり、これを
冷延鋼板の素材として使用する場合にも、先に述べたと
おり、後続の工程で破断等のトラブルを招く。
【0005】本発明者は、上記図1の▲で示すような熱
延のままの鋼帯の靱性が低い原因は、熱間圧延後、巻取
りまでの冷却過程、および巻取り後の冷却過程で結晶粒
界に炭化物や金属間化合物が析出することにあると推測
した。そして、熱間圧延の仕上をできるだけ低温とし、
かつ巻取り温度も低くし、さらに巻取り後にコイルを水
冷することによって高靱性熱延鋼帯を製造できることを
確認した。しかし、このような方法で製造した靱性の高
い鋼帯であっても、後に詳述する図2に示すように、次
のベル焼鈍の条件が不適当であれば、靱性が再び低下し
てしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の製造方法では低靱性の熱延鋼帯しか得られないフェラ
イト系ステンレス鋼を対象として、ベル焼鈍の後の鋼帯
に室温での衝撃値が4kgf/cm2 以上となる高い靱性を持
たせる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は『高Al系
または高Si系のフェライト系ステンレス鋼を仕上温度90
0 ℃以下で熱間圧延し、600 ℃以下で巻取り、巻取り後
直ちに水冷して得た鋼帯をベル焼鈍するに際し、焼鈍温
度を 700〜850 ℃とし、かつ焼鈍後 500℃以上の温度か
ら水冷することを特徴とする高靱性フェライト系ステン
レス鋼帯の製造方法』にある。
【0008】本発明の対象となるフェライト系ステンレ
ス鋼とは、通常の熱間圧延とベル焼鈍では室温での衝撃
値が4kgf-m/cm2 に達しないものである。代表的な鋼種
としては、前述の18Cr−3Al鋼、18Cr−2.5 Si鋼、16.5
Cr−2.0 Si鋼の外、11Cr−2.0 Si鋼等がある。
【0009】
【作用】本発明方法の特徴は、熱間圧延の仕上温度およ
び巻取り温度をともに低くし、巻取り後に直ちに水冷し
たコイルを、低温で焼鈍し、かつ水冷することにある。
【0010】以下、本発明の製造方法の諸条件について
詳論する。
【0011】(1) 熱間圧延:熱間圧延に供するスラブ
は、連続鋳造スラブでも分塊圧延スラブでもよい。スラ
ブ加熱温度も通常の範囲でよい。ただし、熱間圧延の仕
上温度は 900℃以下としなければならない。仕上温度が
900℃よりも高いと後述する低温巻取を行っても靱性は
向上しない。
【0012】仕上温度の下限は、熱間圧延が可能な限界
温度であり、鋼種によって異なるが、およそ 850℃程度
である。圧延終了後は、次の巻取り温度までできるだけ
急速に冷却するのがよい。
【0013】(2) 巻取り:巻取温度は、可能な限り低温
であることが望ましい。600 ℃を超える温度では、たと
え水冷しても巻き取った後のコイルの冷却速度が小さく
なり粒界析出物が増加して靱性を損なう。
【0014】巻取り後は、コイルを水冷する。冷却速度
としては20℃/秒以上が望ましい。
【0015】これによってコイルの冷却過程での炭化物
や金属間化合物の析出が防止されて、靱性の高い鋼帯が
得られる。
【0016】(3) ベル焼鈍:ベル焼鈍は、700 〜850 ℃
の温度で行い、しかも焼鈍後は 500℃以上の温度から水
冷する。図2に示すのは、図1の試験で用いたと同じ
2.5%Si− 0.3%Nbフェライト系ステンレス鋼を仕上温
度 850℃で熱間圧延し、550 〜600 ℃で巻取り、その後
直ちに水冷して得た鋼帯を、横軸に示す各温度で 12 時
間ベル焼鈍し、焼鈍後炉冷(実線)した場合、および 5
50℃から水冷した場合(破線)の各鋼帯の室温での衝撃
値である。熱間圧延仕上温度およびを巻取温度を低く
し、かつ巻取り後は水冷したので、熱延のまま(As-Ho
t) の鋼帯は、8kgf-m/cm2 という高い衝撃値を示して
いる。しかし、これをベル焼鈍すると、焼鈍温度が高い
ほど衝撃値は低下する傾向を示す。特に、焼鈍後にその
まま炉中で徐冷した場合 (実線) には、その低下傾向が
著しく、焼鈍温度が 700℃を超えると4kgf-m/cm2 を割
ってしまう。しかし、焼鈍後に水冷するならば、焼鈍温
度が 850℃程度であっても、目標を上回る靱性を保持し
ている。この図から、靱性向上のためには焼鈍温度は低
い方が良いといえるが、ベル焼鈍の目的上、700 ℃以上
の温度は必要である。これより低温では結晶組織の整粒
化および炭化物の拡散が不十分となる。
【0017】焼鈍温度を上記のように低くしても、焼鈍
後に従来のように炉冷すると、靱性は落ちてしまう。従
って、焼鈍後は、速やかに炉から取り出して、コイルを
水冷して急速冷却しなければならない。水冷開始温度
(炉からの取り出し温度) は、500 ℃以上とする必要が
ある。これより低温では水冷の効果が乏しい。
【0018】図3は、図2の試験材の10000 倍の電子顕
微鏡像のスケッチである。(a)は750 ℃焼鈍した炉冷
材(図2の記号a)、(b)は 750℃で焼鈍した水冷材
(図2の記号b)である。(a)の炉冷材では、結晶粒
界にCr−Si−Nb−Fe等の金属間化合物が多量に析出して
おり、これが靱性低下の原因になっていると思われる。
これに対して、(b)の水冷材(本発明方法で製造した
もの)では、上記の金属間化合物の粒界析出が殆どな
い。
【0019】
【実施例】表1に示す化学組成の鋼をVOD炉で溶製
し、連続鋳造して得たスラブを表2に示す条件で熱間圧
延し、ベル焼鈍(すべて 12 時間均熱)を施した。な
お、熱間圧延では、連続鋳造スラブを冷却せずに加熱炉
に装入する、いわゆるホットチャージを行った。
【0020】表1の鋼種aは18Cr−3Al系、鋼種bは18
Cr−2.5Si 系、鋼種cは16.5Cr−2.0Si 系、鋼種dは11
Cr−2.0Si 系のステンレス鋼である。これらを本発明で
定める条件で熱間圧延し、巻取り後は水冷した。その
後、表2に示すような種々の条件でベル焼鈍を行い、得
られた鋼帯から試験片(JIS 4 号衝撃試験片のサブサイ
ズ)を採取して25℃で衝撃試験を行った。その結果を表
2に併記する。
【0021】表2から明らかなように、本発明で定めた
条件を全て満足する場合(実施例と表示したもの)は、
いずれも4kgf-m/cm2 以上の衝撃値を有する。なお、表
示していないが、これらの実施例で得られた鋼帯の引張
強さは 650 N/mm2以上で、伸びは 1.0%以上であった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、通常の製造
方法では極めて靱性の乏しい鋼帯しか得られない鋼種で
あっても、十分に靱性の高い鋼帯とすることが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】2.5%Si− 0.3%Nbフェライト系ステンレス鋼
の従来法で製造した熱延鋼帯のベル焼鈍温度と室温衝撃
値との関係を示す図である。
【図2】2.5%Si− 0.3%Nbフェライト系ステンレス鋼
の熱延のままで高靱性の鋼帯をベル焼鈍した場合の焼鈍
条件と室温衝撃値との関係を示す図である。
【図3】2.5%Si− 0.3%Nbフェライト系ステンレス鋼
のベル焼鈍後の電子顕微鏡像(10000 倍) のスケッチ
で、(a)は従来法で製造したもの、(b)は本発明法
で製造したものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高Al系または高Si系のフェライト系ステン
    レス鋼を仕上温度 900℃以下で熱間圧延し、600 ℃以下
    で巻取り、巻取り後直ちに水冷して得た鋼帯をベル焼鈍
    するに際し、焼鈍温度を 700〜850 ℃とし、かつ焼鈍後
    500℃以上の温度から水冷することを特徴とする高靱性
    フェライト系ステンレス鋼帯の製造方法。
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