JPH06184637A - 自動車排気系用鋼管の製造方法 - Google Patents

自動車排気系用鋼管の製造方法

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JPH06184637A
JPH06184637A JP34207992A JP34207992A JPH06184637A JP H06184637 A JPH06184637 A JP H06184637A JP 34207992 A JP34207992 A JP 34207992A JP 34207992 A JP34207992 A JP 34207992A JP H06184637 A JPH06184637 A JP H06184637A
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Akihiro Miyasaka
明博 宮坂
Nobuyuki Fujita
展之 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動車排気系用鋼管、特に自動車エギゾース
トマニホールド用として耐熱性や加工性に優れた鋼管を
提供することを目的とする。 【構成】 Crを重量%で13〜16%とSi,Mn,
Mo,Nbを含有し、C,N等を低減した鋼を所定の条
件で熱延、冷延、熱処理し、電気抵抗溶接によって造管
して自動車排気系用鋼管を製造する。あるいはさらに、
造管までの総歪量を限定するか、熱延後に再結晶熱処理
するか、造管後に熱処理するか、付加成分としてTi,
V,Zr,W、希土類元素、Caを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車排気系用鋼管の製
造方法に係り、さらに詳しくは、例えば自動車エギゾー
ストマニホールドやエギゾーストパイプとして、耐熱性
や耐酸化性等に優れる鋼管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車のエギゾーストマニホール
ド(以下エキマニと称する)には、従来の鋳物製エキマ
ニに代えて、ステンレス鋼製のエキマニが使用される例
が増加している。これはステンレス鋼は鋳物に比べて耐
熱性と高温強度が優れるので、ステンレス鋼製エキマニ
の方が肉厚を薄くすることが可能であり、自動車の軽量
化に大きく役立つためである。ステンレス鋼を使用して
エキマニを製造する方法としては、ステンレス鋼板をプ
レス成形し溶接して製造する方法や、ステンレス鋼板を
造管したステンレス鋼管を二次加工してエキマニを製造
する方法などが提案されている。この中で後者の適用が
増加しつつあり、耐熱性や加工性に優れたステンレス鋼
管への要求が高まっている。
【0003】こうした用途に対する鋼管として、従来か
ら種々の検討がなされており、JIS(日本工業規格)
規格G4305に定めるSUS410LやSUS430
LXを鋼管として造管したものが、既に実用されてい
る。しかし、SUS410Lは耐熱性(高温強度、耐酸
化性等)が充分ではないために、エキマニの使用温度が
900℃といった高温の場合には使用できない。一方、
SUS430LXはNbを添加しているものの、使用中
にNbが炭窒化物として析出するために高温強度が低下
するという難点があった。また、比較的多量のCrとN
bを含有するために、常温での加工性に劣るという問題
もある。
【0004】一方、例えば特開平2−175843号公
報、特開昭64−8254号公報、特開平3−2742
45号公報にあるように、各種の耐熱フェライト系ステ
ンレス鋼が提案されている。しかし、これらのステンレ
ス鋼においても、CrおよびNbを多量に含有するため
に、鋼管として製造した後の加工性が悪く、エキマニの
ような複雑な形状を有する製品を製造するためには、例
えば中間で焼鈍して加工性を確保するなどの工程が必要
な場合があり、加工コストが高いという難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした現状
に鑑みて、高温における強度や耐酸化性といった耐熱性
が優れ、かつ加工性にも優れる自動車排気系用鋼管の製
造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく、鋼材の成分組成、圧延条件、造管方法、
熱処理などについて種々検討した結果、Crを13.0
〜16.0%と低くして加工性を確保した上で、Nb,
Moを適量・複合添加することが、エキマニとして必要
な種々の特性を満足する上で極めて効果的であること、
さらにかかる鋼にTi、希土類元素等を付加元素として
添加すれば、一段と優れた耐熱性あるいは加工性が得ら
れることを見出した。さらに本発明者らはかかる鋼を電
縫鋼管とするための製造方法について検討を続けた結
果、高Cr鋼を鋼片から帯鋼とし最終的に再結晶焼鈍す
るに際して、プロセス条件を精密に選択すればかかる目
的に適した帯鋼が得られること、さらに帯鋼を電縫鋼管
として造管するに際しては、鋼に付与される歪を帯鋼の
板厚と鋼管の最終外径との間に所定の関係を満足させる
と、鋼管として加工性の良いものが得られることを見出
した。
【0007】ここに本発明の第1発明の要旨とするとこ
ろは、重量%で、Cr:13.0〜16.0%、 S
i:0.01〜2.0%、Mn:0.1〜2.0%、
Mo:0.1〜3.0%、Nb:0.1〜0.5
%、 Al:0.01〜0.5%、を含有し、
C:0.02%以下、 N:0.02%以下、C+
N:0.03%以下、 P:0.04%以下、S:0.
01%以下、に低減し、残部Feおよび不可避不純物か
らなり、金属組織が実質的にフェライトを主体とする鋼
からなる高Cr鋼片を、下記の工程で順次鋼管とするこ
とを特徴とする自動車排気系用鋼管の製造方法にある。
【0008】(1)鋼片を1150〜1300℃の温度
に加熱した後に、圧延完了温度が850℃以上として板
厚3.0〜6.0mmのホットストリップに熱間圧延し、
少なくとも600℃以下に冷却するまでの平均冷却速度
が10deg /秒以上で冷却して、帯鋼として巻き取る工
程、(2)上記の熱延帯鋼に、累積圧下率が40%以上
の冷間圧延を加えて冷延帯鋼とする工程、(3)上記の
冷延帯鋼に、830℃以上の温度に1min 以上保持する
熱処理を施して再結晶させる工程、(4)上記の熱処理
帯鋼を所定の幅に切断した後、ロール成形によって連続
的に円筒状に成形しながら、鋼帯両端を電気抵抗溶接に
よって溶接して電縫鋼管を造管する工程。
【0009】また、本発明の第2発明の要旨とするとこ
ろは、第1発明において、(3)の工程によって冷延鋼
帯を再結晶させた段階から電縫鋼管として造管されるま
でに鋼に付加される全歪量εを、帯鋼の板厚t(mm)、
電縫鋼管の最終外径D(mm)に対して、ε≦t/D+
0.03とする自動車排気系用鋼管の製造方法にあり、
本発明の第3発明の要旨とするところは、第1発明また
は第2発明において、熱延帯鋼を冷間圧延する前に、8
30℃以上の温度に1min 以上保持する熱処理を施して
再結晶させる自動車排気系用鋼管の製造方法にあり、本
発明の第4発明の要旨とするところは、第1発明、第2
発明または第3発明において、電縫鋼管として造管し最
終外径にある鋼管を、830℃以上の温度に2min 以上
保持する熱処理を施して再結晶させる自動車排気系用鋼
管の製造方法にあり、さらに、本発明の第5発明の要旨
とするところは、第1発明、第2発明、第3発明または
第4発明において、高Cr鋼が付加成分としてさらに、
Ti:0.005〜0.5%、V:0.005〜0.5
%、Zr:0.005〜0.5%、W:0.005〜
0.5%、希土類元素:0.001〜0.05%、C
a:0.0005〜0.02%、の1種または2種以上
を含有する自動車排気系用鋼管の製造方法にある。
【0010】
【作用】まず、本発明方法が対象とする鋼において、各
成分の範囲を限定した理由を述べる。 Cr:Crはエキマニとして必要な耐食性、耐酸化性を
確保するために13.0%以上を含有させることが必要
であるが、16.0%を超えて含有させてもいたずらに
コストを増すばかりか、加工性が低下するので上限含有
量は16.0%とする。
【0011】Si:Siは、Crを13.0%以上含有
しNbを0.1%以上含有する鋼に脱酸剤および強化元
素としての添加が有効であるが、含有量が0.01%未
満ではその脱酸効果が充分ではなく、2.0%超を含有
させてもその効果は飽和する上に加工性を低下させるの
で、含有量範囲を0.01%〜2.0%に限定する。 Mn:Mnは鋼の脱酸剤として必要で、0.1%以上を
含有させる必要があるが、2.0%を超えて含有させて
もその効果は飽和するばかりか、フェライト単相組織を
確保することが難しくなるので、上限含有量は2.0%
とする。
【0012】Mo:Moは、Crを13.0%以上含有
しNbを0.1%以上含有する鋼に添加すると、エキマ
ニとして必要な高温強度を一段と高めるのに効果があ
る。添加量が0.1%未満ではその効果が充分発揮され
ず、また3.0%超添加させてもその効果は飽和するば
かりかコストを増加させるだけであるから、含有量は
0.1%〜3.0%とする。
【0013】Nb:Nbは、Crを13.0%以上含有
する鋼に添加してエキマニとして必要な高温強度を確保
するために、0.1%以上を含有させなければならない
が、0.5%を超えて添加してもその効果は飽和する上
にコストを増加させ、加工性を低下させるので、上限含
有量は0.5%とする。 Al:Alは鋼の脱酸剤として必要であり、0.01%
以上を添加することが必要であるが、0.5%を超えて
添加してもその効果は飽和するばかりか、加工性を低下
させるので、含有量は0.01〜0.5%に限定する。
【0014】C,N:CおよびNは鋼板の加工性を低下
させる上に、Crと化合物を生成して耐熱性や耐高温塩
害性を低下せるので、上限含有量はC,Nとも0.02
%とし、いずれも少ないほど好ましい。さらに、同じ理
由からCとNの合計量をも規制する必要があり、加工性
を確保するためには、C+Nの量を0.03%以下とす
る必要がある。
【0015】P:Pは多量に存在すると靭性を低下させ
るので、少ない方が望ましく、上限含有量は0.04%
とする。 S:Sも多量に存在すると熱間加工性および延性を低下
させるので、少ない方が望ましく、上限含有量は0.0
1%とする。 以上が本発明方法が対象とする鋼管の基本的成分である
が、エキマニとしての安定した使用のためには、金属組
織は実質的にフェライトとする必要がある。これはマル
テンサイトを含有していると、高温に加熱された際にマ
ルテンサイトがオーステナイトに変態するために、熱疲
労特性を著しく劣化させるからである。
【0016】本発明においては、必要に応じてさらに以
下の元素を添加して、特性を一段と向上させた鋼も対象
としている。 Ti,V,Zr:Ti,V,Zrも、Crを13.0%
以上含有しNbを0.1%以上含有する鋼に添加する
と、エキマニとして必要な高温強度を一段と高めるのに
効果がある。いずれの元素においても添加量が0.00
5%未満ではその効果が充分発揮されないので、これら
の元素の添加効果を充分に発揮させるためには0.00
5%以上添加する必要があるが、0.5%を超えて添加
してもその効果は飽和するばかりかコストを増加させる
だけであるから、含有量はいずれも0.005〜0.5
%の範囲とする。
【0017】W:Wは、Crを13.0%以上、Moを
0.1%以上、Nbを0.1%以上含有する鋼に付加成
分として添加すると、エキマニとして必要な高温強度を
一段と高めるのに効果がある。添加量が0.005%未
満ではその効果が充分発揮されず、0.5%超を添加し
てもその効果は飽和するばかりかコストを増加させるだ
けであるから、含有量は0.005〜0.5%とする。
【0018】希土類元素(REM)、Ca:希土類元素
およびCaは熱間加工性の向上に効果があり、希土類元
素はまた高温での耐酸化性の改善に効果があるが、添加
量が希土類元素では0.001%未満、Caでは0.0
005%未満ではその効果が充分ではなく、希土類元素
では0.05%を超えて、Caでは0.02%を超えて
添加すると、それぞれ粗大な非金属介在物を生成して、
逆に熱間加工性や耐酸化性を劣化させるので、含有量は
希土類元素では0.001〜0.05%、Caては0.
0005〜0.02%とする。なお、本発明において希
土類元素とは原子番号が57〜71番および89〜10
3番の元素およびYを指す。
【0019】本発明方法が対象とする鋼においては、上
記の成分の他にスクラップ等からの混入不純物として、
あるいは靭性や加工性などを調整する目的で、Ni,T
a,Cu,Bなどを含有することができ、いずれも本発
明の対象とするところであって、目的に応じて添加する
ことができる。次に、本発明の工程とその限定理由を説
明する。
【0020】鋼片加熱温度:鋼片をその中心部まで均一
に加熱して、熱間圧延における熱間加工性を確保する必
要がある。しかし、1300℃を超えて加熱すると、ス
ラブの溶け落ちが発生したり、酸化スケール生成による
材料損失が著しくなって、歩留が低下するため好ましく
ない。一方、加熱温度が1150℃未満では、熱間圧延
における変形抵抗が大きくなりすぎるのに加えて、Nb
を固溶させることが不充分なので、鋼板での高温強度が
低下する。従って、鋼片加熱温度は1150〜1300
℃とする。
【0021】熱間圧延:熱間圧延は通常の板圧延プロセ
スを用いることができる。後続の冷間圧延での生産性を
確保しつつ板としての特性を満足させるためには、熱間
圧延後の板厚は3.0〜6.0mmとすることが必要であ
る。また、後続の冷間圧延および電縫溶接における生産
性の観点から、板の形状はホットコイルとする。
【0022】圧延完了温度:熱延後の延性を確保する目
的とNbの析出を低減する目的から、熱間圧延の終了温
度は850℃以上とする必要がある。
【0023】熱間圧延後の冷却速度:熱間圧延後の冷却
速度が小さいと冷却途中でNbが析出して高温強度が低
下するので、この析出を抑制するためには、少なくとも
600℃以下までは、平均冷却速度が10deg /秒以上
で冷却しなければならない。なお、鋼板の温度が600
℃以下になった後は、一層小さい冷却速度で冷却しても
支障はない。
【0024】冷間圧延:最終製品段階における鋼管とし
て、良好な加工性を確保するためには、冷間圧延におい
ては累積圧下率を40%以上とする必要がある。この累
積圧下率を満足すれば、冷間圧延としては通常の圧延プ
ロセスを適用することができ、最終製品の板厚に応じた
冷間圧延前板厚を選定することが可能である。
【0025】熱処理:最終製品段階における鋼管とし
て、良好な耐熱性および加工性を確保するためには、冷
間圧延後の鋼板を熱処理するに際して、830℃以上の
温度に1min 以上保持する必要があるが、これは保持温
度が830℃未満では、再結晶させるために非常な長時
間を要することから工業的には適用し難いためであり、
保持時間が1min 未満では必要な加熱温度が高くなりす
ぎて、鋼板の酸化や表面性状の低下を生ずるためであ
る。上記の条件が満足されていれば、熱処理としては鋼
板の連続熱処理設備、バッチ(ボックス)熱処理設備の
いずれを使用しても良い。
【0026】成形および電縫溶接:成形および電縫溶接
には通常の電縫鋼管製造プロセスが適用でき、自動車排
気系用鋼管として必要な外径に応じて所定の幅に鋼帯を
切断してから、ロール成形および電縫溶接して鋼管とし
て造管することができる。 本発明においては必要に応じて上記の工程に加えて、さ
らに工程を付加あるいは限定するが、その理由は以下の
通りである。
【0027】全歪量:自動車排気系用として特に高い加
工性が要求される場合には、冷間圧延後の熱処理の工程
において冷延帯鋼を再結晶させた段階から、電縫鋼管と
して造管されるまでに鋼に付加される全歪量εを極力低
減することが有効である。本発明方法が対象とするCr
を低減したステンレス鋼の板厚t(mm)、電縫鋼管の最
終外径D(mm)に対して、εがt/D+0.03以下と
なるように製造すれば、加工性が特に優れた鋼管が得ら
れる。
【0028】冷延前熱処理:本発明者らの検討によれ
ば、自動車排気系用として特に高い加工性が要求される
場合には、熱延帯鋼を冷間圧延する前に再結晶させてお
くことがさらに有効である。この目的のためには、保持
温度は830℃以上とする必要があり、保持時間は1mi
n 以上とする必要があるが、かかる熱処理を冷延前に施
しておくことによって、最終製品である鋼管の段階でも
特に優れた加工性が得られるのである。上記の条件が満
足されていれば、熱処理としては鋼板の連続熱処理設
備、バッチ(ボックス)熱処理設備のいずれを使用して
も良い。
【0029】造管後熱処理:電縫鋼管としての加工性を
非常に厳しく要求される場合には、電縫鋼管として造管
し最終外径にある鋼管を焼鈍して、最終外径としての鋼
管までに導入された歪を除去することが有効であり、か
かる目的のためには保持温度は830℃以上が必要であ
り、保持時間は2min 以上が必要である。
【0030】なお、本発明方法によって製造される鋼管
に製造過程において、冷延板の表面性状や鋼管としての
所定の特性を得る目的で、鋼板あるいは鋼管の脱スケー
ル処理や酸洗処理を施すことは、本発明方法の本質から
何ら逸脱するものではなく、いずれも本発明が対象とす
る範囲に包含されるものであって、必要に応じて、通常
の脱スケール工程や酸洗工程を付加することができる。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。表
1に成分を示す鋼を溶製し、熱間圧延によって厚さ4.
0mmの帯鋼とした後、表2に示す条件でそれぞれ冷間圧
延、熱処理を施してから、成形および電縫溶接によって
表2に示す寸法の鋼管を造管した。なお、熱間圧延に際
して、鋼片加熱温度は1250℃とした。実施例の比較
例のうち、 No.16および No.17は、それぞれ従来鋼
であるSUS410LおよびSUS430LXを適用し
た場合である。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】続いて、これら鋼管から試験片を採取し
て、常温引張試験、高温引張試験、耐酸化性試験を実施
した。常温引張試験はJIS Z2201に定める12
A号引張試験片を使用して、JIS Z2241に準拠
して行ない、加工性の指標として延性、即ち破断伸びを
調べた。高温引張試験は、板状試験片を用いてJISG
0567に準拠して実施し、900℃における引張強さ
を調べた。また、耐酸化性試験は矩形試験片を用いて、
900℃×500時間の連続酸化試験を行ない、異常酸
化の有無を判定した。
【0035】試験結果を表3に示す。表3から明らかな
ように、本発明方法に基づいて成分を選択し製造条件を
選定した鋼管例である No.1〜12は常温での延性に優
れ、高温強度が高く、かつ耐酸化性が優れていた。これ
に対して、比較例である No.12〜17では、常温での
破断伸びが小さく加工性が悪いか、高温強度が不充分で
あるか、あるいは耐酸化性が劣り、いずれも自動車排気
系用鋼管としての必要特性を満足していなかった。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は耐熱性や加
工性に優れた自動車排気系用鋼管を提供するものであ
り、産業の発展に貢献するところ極めて大である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 Cr:13.0〜16.0%、 Si:0.01〜2.0%、 Mn:0.1〜2.0%、 Mo:0.1〜3.0%、 Nb:0.1〜0.5%、 Al:0.01〜0.5%、 を含有し、 C:0.02%以下、 N:0.02%以下、 C+N:0.03%以下、 P:0.04%以下、 S:0.01%以下、 に低減し、残部Feおよび不可避不純物からなり、金属
    組織が実質的にフェライトを主体とする鋼からなる高C
    r鋼片を、下記の工程で順次鋼管とすることを特徴とす
    る自動車排気系用鋼管の製造方法。 (1)鋼片を1150〜1300℃の温度に加熱し、次
    いで該鋼片に、圧延完了温度が850℃以上の熱間圧延
    を施して板厚3.0〜6.0mmの熱延帯鋼とし、引続き
    該熱延帯鋼が600℃以下になるまで10deg /秒以上
    の平均冷却速度で冷却し、しかる後該熱延帯鋼を巻き取
    る工程、 (2)上記の熱延帯鋼に累積圧下率が40%以上の冷間
    圧延を加えて冷延帯鋼とする工程、 (3)上記の冷延帯鋼に830℃以上の温度に1min 以
    上保持する熱処理を施して再結晶させる工程、 (4)上記の熱処理帯鋼を所定の幅に切断した後、ロー
    ル成形によって連続的に円筒状に成形しながら、鋼帯両
    端を電気抵抗溶接によって溶接して電縫鋼管を造管する
    工程。
  2. 【請求項2】 前記(3)の工程によって帯鋼を再結晶
    させた段階から電縫鋼管として造管されるまでに鋼に付
    加される全歪量εを、帯鋼の板厚t(mm)、電縫鋼管の
    最終外径D(mm)に対して、ε≦t/D+0.03とす
    る、請求項1に記載の自動車排気系用鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱延帯鋼を冷間圧延する前に、該熱延帯
    鋼に830℃以上の温度に1min 以上保持する熱処理を
    施して再結晶させる、請求項1または2に記載の自動車
    排気系用鋼管の製造方法。
  4. 【請求項4】 最終外径を有する前記電縫鋼管に、83
    0℃以上の温度に2min 以上保持する熱処理を施して再
    結晶させる、請求項1,2または3に記載の自動車排気
    系用鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 高Cr鋼が付加成分としてさらに、 Ti:0.005〜0.5%、 V :0.005〜0.5%、 Zr:0.005〜0.5%、 W :0.005〜0.5%、 希土類元素:0.001〜0.05%、 Ca:0.0005〜0.02%、 の1種または2種以上を含有する、請求項1,2,3ま
    たは4に記載の自動車排気系用鋼管の製造方法。
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