JP2763141B2 - 耐熱耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

耐熱耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性あるいは耐食性に優れたフェライト
系ステンレス鋼板の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、耐熱性材料としてはAlまたはSiを含有するフェ
ライト系ステンレス鋼が、また耐食性材料としてMoを含
有するフェライト系ステンレス鋼が注目されている。な
ぜなら、このようなフェライト系ステンレス鋼は、耐熱
性においてオーステナイト系ステンレス鋼よりもはるか
に優れた耐酸化性を有し、また耐食性においてオーステ
ナイト系ステンレス鋼で問題とされる応力腐食割れに対
して強い抵抗性を示すことが明かとなってきたためであ
る。これらは、自動車用排ガス部品、ストーブ製品、加
熱炉々壁等に使用されている。
しかしながら、Al、Si,Moを含有したフェライト系ス
テンレス鋼の圧延鋼帯は靭性が著しく低いので、室温で
同鋼帯のコイルを展開するとき、あるいはさらに冷間圧
延するとき割れや板破断等を生じ、甚だしいときには冷
間圧延ができない場合がある。これを回避するには、鋼
帯を遷移温度以上に予熱して通板すれば良いが、予熱に
よる工程費アップを招くほか、予熱温度が高い場合は作
業性や能率が悪く、安全上の面からも好ましくない。ま
た、熱延鋼帯や冷延鋼帯の製品に曲げ、切断、打ち抜き
等の加工を施す場合も、割れの問題がある。
従って、熱延鋼帯コイルの展開や冷間圧延等の製造工
程や製造加工において割れの発生しない、耐熱耐食性に
優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法が強く要
望されていた。
このようなAl、Si,Mo含有経ライト系ステンレス鋼熱
延鋼帯の脆化現象を防止するための従来技術としては、
例えば特開昭60−22816号公報に開示されているよう
に、C,Nを低減し熱間圧延後に10℃/sec以上の冷却速度
で急冷して450℃以下の低温で巻取る方法がある。しか
しながら、現状の熱間圧延設備では注水により急冷処理
を行うが、450℃以下の低温巻取りを行うと注水量が多
くなり板形状が悪く巻取りが困難となる。従って、巻取
りを容易にするため鋼帯トップ部は無注水にし、冷間圧
延前に該部を切捨てスクラップとしているので、製造歩
留の点で問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、Al,Si,Moを含有する耐熱耐食性に優れたフ
ェライト系ステンレス鋼板の靭性を改善することによっ
て、製造歩留を向上させ、作業性を改善し、さらに製品
の加工性を向上させることを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、この目的のために製造工程およびその条件
を検討した結果、完成したもので、その要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。
(1)重量%にて、C:0.02%以下、N:0.02%以下、ただ
しC(%)+N(%):0.03%以下、Cr:10.0〜40.0%
と、Al,Si,Moから選ばれる元素の1種または2種以上:
合計1.0〜5.0%と、希土類金属元素(REM):合計0.01
〜0.50%とを含有し、熱間圧延温度域でフェライト単相
の組織を有するフェライト系ステンレス鋼のスラブを、
圧下率を80%以上として熱間圧延した後25℃/sec以上の
冷却速度で冷却し、450超〜600℃以下で巻取り、熱延製
品とすることを特徴とする耐熱耐食性に優れたフェライ
ト系ステンレス鋼板の製造方法。
(2)前記(1)に記載したフェライト系ステンレス鋼
の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧延を行っ
て冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に優れた
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(3)前記(1)に記載したフェライト系ステンレス鋼
の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧延と、85
0〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を25℃/sec
以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回または2回以
上行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に
優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(4)前記(1)に記載したフェライト系ステンレス鋼
の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧延と、85
0〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を25℃/sec
以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回または2回以
上行い、ついで圧下率を10%以上とする冷間圧延を行っ
て冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に優れた
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(5)重量%にて、C:0.02%以下、N:0.02%以下、ただ
しC(%)+N(%):0.03%以下、Cr:10.0〜40.0%
と、Al,Si,Moから選ばれる元素の1種または2種以上:
合計1.0〜5.0%と、希土類金属元素(REM):合計0.01
〜0.50%と、Ti,Nb,V,Zr,Ta,Hf,Bから選ばれる元素の1
種または2種以上:合計0.005〜0.50%とを含有し、熱
間圧延温度域でフェライト単相の組織を有するフェライ
ト系ステンレス鋼のスラブを、圧下率を80%以上として
熱間圧延した後25℃/sec以上の冷却速度で冷却し、450
超〜600℃以下で巻取り、熱延製品とすることを特徴と
する耐熱耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の
製造方法。
(6)前記(5)に記載したフェライト系ステンレス鋼
の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧延を行っ
て冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に優れた
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(7)前記(5)に記載したフェライト系ステンレス鋼
の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧延と、85
0〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を25℃/sec
以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回または2回以
上行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に
優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(8)前記(5)に記載したフェライト系ステンレス鋼
の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧延と、85
0〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を25℃/sec
以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回または2回以
上行い、ついで圧下率を10%以上とする冷間圧延を行っ
て冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に優れた
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
〔作 用〕
本発明の限定理由を以下に詳細に説明する。尚、本発
明におけるスラブとは、連続鋳造鋳片、これにブレイク
ダウンを行った鋳片、インゴット鋳片とこれに分塊圧延
を行った鋼片である。
請求項(1)〜(4)における成分の限定理由はつぎ
のとおりである。
C,Nは、それぞれが0.02%を超えて存在する場合もし
くはC+Nで0.03%を越える場合、熱延鋼帯の靭性を著
しく低下させる。従って、C,Nの成分範囲は、それぞれ
0.02%以下でかつC+Nの総量が0.03%以下とした。
Crはステンレス鋼の耐酸化性および耐食性を確保する
最も基本的な元素である。本発明においては、10%未満
ではこれらの特性が十分に確保されず、一方40%を超え
て含有すると特に熱延鋼帯の靭性および冷間での加工性
(延性)が著しく低下する。従って、Crの成分範囲は1
0.0〜40.0%とした。
AlおよびSiは、フェライト系ステンレス鋼の耐酸化性
を向上させる元素であり、Moは耐食性を向上させる元素
である。本発明においては、これら3元素のうちから所
望の特性に応じて1種または2種以上を含有させる。合
計で1.0%未満では耐酸化性あるいは耐食性を向上させ
るのに十分でなく、5.0%を超えて含有すると特に熱延
鋼帯の靭性および冷間での加工性を低下する。従って、
Al,Si,Moの成分範囲は合計で1.0〜5.0%とした。
希土類金属元素(REM)は、La,Ce,Pr,Nd等のランタノ
イドのことであり、耐酸化性を顕著に向上させるために
添加し、この効果は0.01%未満では十分でない。しかし
ながら、0.50%を超えて添加すると、REM系酸化物が粗
大化するため、熱間加工性が著しく低下し熱間圧延にて
割れが発生する。従って、REMの成分範囲は合計で0.01
〜0.50%とした。
請求項(5)〜(8)は、上記成分のほか、さらにT
i,Nb,V,Zr,Ta,Hf,Bから選ばれる元素の1種または2種
以上を含有する。これらの元素は、それぞれが窒化物あ
るいは炭化物を形成して固溶C,Nを減少させるとともに
熱間圧延中の大圧下加工により導入される転位上に析出
して組織を微細化させ、熱延鋼帯の靭性を一層向上させ
る。この効果は、1種または2種以上合計で0.005%未
満では十分でなく、0.50%を超えて含有すると冷間での
加工性を著しく劣化させる。従って、Ti,Nb,V,Zr,Ta,H
f,Bの成分範囲は、合計で0.005〜0.50%とした。
本発明におけるフェライト系ステンレス鋼は、熱間圧
延温度域でフェライト単相となるように成分調整する。
熱間圧延温度でオーステナイト相が析出すると、熱間圧
延終了後の急速冷却によりマルテンサイト相に変態しミ
クロラックの発生核となり靭性を劣化させるからであ
る。熱間圧延温度は、1250〜850℃とするのが好まし
い。
請求項(1)および(5)は、上記成分のフェライト
系ステンレス鋼スラブを熱間圧延して熱延製品とする。
本発明者等は、熱延鋼帯の靭性に及ぼすREM量と熱間圧
延条件の影響を検討した結果、REM量を合計で0.01%以
上含有した場合、熱間圧延の圧下率を80%以上の大圧下
とし、かつ熱間圧延終了後25℃/sec以上の冷却速度で60
0℃以下に急冷すると、靭性が顕著に改善されることを
見い出した。この靭性改善の機構は現在まだ詳細には明
らかにされていないが、均一に微細分散したREM系酸化
物の周りに熱間圧延の大圧下により導入された転位が高
密度に集積し、熱間圧延終了時までの転位の再配列によ
り微細なサブグレインが形成されるためと考えられる。
この組織は、その後の急冷により凍結され、常温まで維
持されるため、組織微細化により靭性が著しく改善され
るものと推測される。従って、熱間圧延の圧下率は、80
%以下とした。さらに靭性を向上させるためには、90%
以上とするのが好ましい。また、熱間圧延終了後の冷却
速度は、25℃/sec以上とし、巻取り温度まで急冷する。
冷却温度が25℃/sec未満だとσ相や金属間化合物等の脆
化相が析出し易いため、熱延材の靭性を劣化させるとと
もに、熱間圧延終了時の微細なサブグレイン組織を凍結
することができないからである。
巻取り温度は、450超〜600℃以下とする。600℃より
高いと、熱延終了後の冷却速度が25℃/sec以上であった
としても、巻取り後の徐冷中の熱サイクルによりσ相や
金属間化合物等の脆化相が析出し易いため、熱延材の靭
性を劣化させる。また、前述したように、450℃以上で
は注水量が多くなり板形状が悪く巻取りが困難となる。
請求項(1)および(5)における熱延製品は、熱延
までも良いが、特に強加工を行う用途には必要に応じて
焼鈍しても良い。好ましい焼鈍条件としては、靭性確保
の点から焼鈍温度が850〜1100℃で冷却速度が800〜600
℃の間で25℃/sec以上である。
請求項(2)および(6)は、請求項(1)および
(5)で得られた熱延製品に冷間圧延を行って冷延製品
とする。尚、用いる熱延製品は、熱延ままでも良く、冷
間圧延の圧下率が大きい場合には必要に応じて冷延前に
焼鈍しても良い。この場合の好ましい焼鈍条件として
は、後述するように靭性確保の点から温度が850〜110℃
で冷却速度が800〜600℃の間で25℃/secである。
冷間圧延の圧下率は、10%より小さいと、転位が粒界
や析出物等へ不均一に導入されるため、これらの場所に
おける応力集中が助長されミクロクラックが容易に発生
・伝播し、靭性が劣化する。しかしながら、10%以上の
冷間圧延を行うと転位がマトリックスにほぼ均一にかつ
高密度に導入され、このような転位領域は逆にミクロク
ラックの伝播抵抗となるため、延性脆性遷移温度が下が
り靭性が向上する。従って、冷間圧延の範囲を10%以上
とした。さらに靭性を向上させるためには、30%以上と
するのが好ましい。
請求項(3)および(7)は、請求項(1)および
(5)で得られた熱延製品に冷間圧延と熱処理を行って
冷延製品とする。冷延圧延と熱処理は、製品の板厚に応
じて2回以上行ってもよい。冷間圧延の圧下率は上記理
由により10%以上とした。
熱処理における焼鈍温度は、850℃より低いと再結晶
が十分でなく、一方、1100℃を超えると結晶粒が粗大化
し靭性が著しく劣化する。従って、焼鈍温度の範囲を85
〜1100℃とした。
焼鈍後の冷却速度は、800〜600℃の間で25℃/sec未満
とするとσ相や金属間化合物等の脆化相がこの温度範囲
で析出し易いため、冷延材の靭性を劣化させる。従っ
て、焼鈍後の冷却速度は、800〜600℃の間で25℃/sec以
上とした。
請求項(4)および(8)は、請求項(1)および
(5)で得られた熱延製品に冷間圧延と熱処理を1回ま
たは2回以上行い、さらに冷間圧延を行って冷延製品と
する。冷間圧延の圧下率は上記理由により10%以上と
し、熱処理の温度および冷却速度も上記理由により850
〜1100℃の温度域で焼鈍したのち800〜600℃の間を25℃
/sec以上の冷却速度で冷却することとした。
請求項(2),(4),(6)および(8)における
冷延製品は、高強度が要求される場合、または極薄板あ
るいは箔として使われる場合に使用され、請求項(3)
および(7)における冷延製品は、加工性が要求される
場合に使用される。
〔実施例〕
(1)転炉−VOD法あるいは真空溶解法により第1表に
示すフェライト系ステンレス鋼を溶製した。REMは、鋳
造直前にミッシュメタルワイヤーにて添加した。これら
の鋼を第2表に示される条件に従って製造し板厚:3.5〜
6.0mmの熱延鋼帯とした。靭性評価は、JIS規定に準拠し
たサブサイズ(厚み:3.3mm)のvノッチシャルピー試験
片を圧延方向と平行に採取し衝撃試験を行い、衝撃値が
2Kgm/cm2になる温度(vT2:℃)で評価した。vT2が20℃
以下である場合、予熱せずに熱延鋼帯の冷間圧延が可能
である。20℃を超えた場合には、予熱せずに冷間圧延を
行うと、衝撃等による板破断の危険性が極めて高くな
る。
本発明法により製造した熱延鋼帯は、靭性が大いに改
善されており、冷間圧延時に板破断等のトラブルが発生
しないことがわかる。
(2)転炉−VOD法あるいは真空溶解法により溶製し熱
延鋼帯とした。第1表に示される本発明対象材を第3表
に示される条件に従って熱処理あるいは冷間圧延した。
靭性評価は、板厚が3.3mmを超えるものについてJIS規格
に準拠したサブサイズ(厚み:3.3mm)のVノッチシャル
ピー試験片を圧延方向と平行に採取し、板厚が3.3mm以
下1.5mm以上について板厚のままのVノッチシャルピー
試験片を圧延方向と平行に採取し衝撃試験を行い、vT2
で評価した。板厚が1.5mm未満のものは、2t(t:板厚)
密着曲げ試験により割れが発生する温度で評価した。
本発明法により製造した冷延鋼帯は、靭性が大いに改
善されており、冷間圧延時に板破断等のトラブルが発生
せず、極薄板、箔まで製造することができることがわか
る。
〔発明の効果〕
以上のことから明らかな如く、本発明法に従いAl,Si,
Moを含有する耐熱耐食性に優れたフェライト系ステンレ
ス鋼板を製造すれば、熱延鋼帯や冷延鋼帯の冷間圧延時
に割れや板破断を防止し、これら鋼帯を製品として使用
するに際して、曲げ、切断、打ち抜き等を施す場合、割
れ発生を解消し、製造歩留および作業性が大幅に改善さ
れる。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 聡 福岡県北九州市八幡東区枝光1―1―1 新日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (56)参考文献 特開 昭64−56822(JP,A) 特開 平3−53025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/46 C21D 8/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて、C:0.02%以下、N:0.02%以
    下、ただしC(%)+N(%):0.03%以下、Cr:10.0〜
    40.0%と、Al,Si,Moから選ばれる元素の1種または2種
    以上:合計1.0〜5.0%と、希土類金属元素(REM):合
    計0.01〜0.50%とを含有し、熱間圧延温度域でフェライ
    ト単相の組織を有するフェライト系ステンレス鋼のスラ
    ブを、圧下率を80%以上として熱間圧延した後25℃/sec
    以上の冷却速度で冷却し、450超〜600℃以下で巻取り、
    熱延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性に優れたフ
    ェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載したフェライト系ステ
    ンレス鋼の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧
    延を行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性
    に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項(1)に記載したフェライト系ステ
    ンレス鋼の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧
    延と、850〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を2
    5℃/sec以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回また
    は2回以上行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱
    耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項(1)に記載したフェライト系ステ
    ンレス鋼の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧
    延と、850〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を2
    5℃/sec以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回また
    は2回以上行い、ついで圧下率を10%以上とする冷間圧
    延を行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性
    に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】重量%にて、C:0.02%以下、N:0.02%以
    下、ただしC(%)+N(%):0.03%以下、Cr:10.0〜
    40.0%と、Al,Si,Moから選ばれる元素の1種または2種
    以上:合計1.0〜5.0%と、希土類金属元素(REM):合
    計0.01〜0.50%と、Ti,Nb,V,Zr,Ta,Hf,Bから選ばれる元
    素の1種または2種以上:合計0.005〜0.50%とを含有
    し、熱間圧延温度域でフェライト単相の組織を有するフ
    ェライト系ステンレス鋼のスラブを、圧下率を80%以上
    として熱間圧延した後25℃/sec以上の冷却速度で冷却
    し、450超〜600℃以下で巻取り、熱延製品とすることを
    特徴とする耐熱耐食性に優れたフェライト系ステンレス
    鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項(5)に記載したフェライト系ステ
    ンレス鋼の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧
    延を行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性
    に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項(5)に記載したフェライト系ステ
    ンレス鋼の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧
    延と、850〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を2
    5℃/sec以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回また
    は2回以上行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱
    耐食性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方
    法。
  8. 【請求項8】請求項(5)に記載したフェライト系ステ
    ンレス鋼の熱延製品に、圧下率を10%以上とする冷間圧
    延と、850〜1100℃の温度域で焼鈍し800〜600℃の間を2
    5℃/sec以上の冷却速度で冷却する熱処理とを1回また
    は2回以上行い、ついで圧下率は10%以上とする冷間圧
    延を行って冷延製品とすることを特徴とする耐熱耐食性
    に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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