JP2526225B2 - 形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法 - Google Patents
形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法Info
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- JP2526225B2 JP2526225B2 JP425187A JP425187A JP2526225B2 JP 2526225 B2 JP2526225 B2 JP 2526225B2 JP 425187 A JP425187 A JP 425187A JP 425187 A JP425187 A JP 425187A JP 2526225 B2 JP2526225 B2 JP 2526225B2
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- alloy
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱弾性型マルテンサイト変態をする形状記
憶Fe−Pd合金の熱処理方法に関する。
憶Fe−Pd合金の熱処理方法に関する。
(従来技術とその問題点) 従来、形状記憶Fe−Pd合金の加工においては、加工に
よる応力誘起マルテンサイトが多くなると、割れが発生
し、塑性加工が難しくなる為、中間焼鈍(熱処理)を頻
繁に行う必要がある。
よる応力誘起マルテンサイトが多くなると、割れが発生
し、塑性加工が難しくなる為、中間焼鈍(熱処理)を頻
繁に行う必要がある。
この熱処理を大気中で行うと、Feが選択的に酸化し、
Fe−Pd合金の配合組成がずれ形状記憶効果が悪くなると
いう問題があった。また熱処理を真空中で行う方法もあ
るが、この場合大がかりな設備が必要となり、また真空
度を高める為には長時間要して作業性が悪く、さらに熱
処理後急冷できず、材料が十分軟らかくならず、FePdの
規則相が形成され、加工性が悪くなって割れが発生する
などの問題があった。
Fe−Pd合金の配合組成がずれ形状記憶効果が悪くなると
いう問題があった。また熱処理を真空中で行う方法もあ
るが、この場合大がかりな設備が必要となり、また真空
度を高める為には長時間要して作業性が悪く、さらに熱
処理後急冷できず、材料が十分軟らかくならず、FePdの
規則相が形成され、加工性が悪くなって割れが発生する
などの問題があった。
(発明の目的) 本発明は、上記問題点を解決すべくなされたもので、
割れが発生せず、形状記憶効果を損なうことなく、しか
も短時間に効率良く行なえる形状記憶Fe−Pd合金の熱処
理方法を提供することを目的とするものである。
割れが発生せず、形状記憶効果を損なうことなく、しか
も短時間に効率良く行なえる形状記憶Fe−Pd合金の熱処
理方法を提供することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するための本発明の形状記憶Fe−Pd
合金の熱処理方法は、Pd25〜35at%を含むFe−Pd合金
を、温度700℃〜1,000℃、H2を30%以下含み残部N2の還
元性雰囲気中又はN2、Ar、N2+Arのいずれか1種からな
る不活性雰囲気中で熱処理することを特徴とする。
合金の熱処理方法は、Pd25〜35at%を含むFe−Pd合金
を、温度700℃〜1,000℃、H2を30%以下含み残部N2の還
元性雰囲気中又はN2、Ar、N2+Arのいずれか1種からな
る不活性雰囲気中で熱処理することを特徴とする。
本発明の熱処理方法に於いて、熱処理温度を700〜1,0
00℃とする理由は、加工により発生した応力誘起マルテ
ンサイトを解消し、加工性を持たせる為で、700℃未満
では応力誘起マルテンサイトを十分解消できず、また1,
000℃を超えると結晶粒が粗大化し、脆化により加工性
か悪化するものである。また還元雰囲気中又は不活性雰
囲気中で熱処理する理由は、Fe−Pd合金中のFeの酸化を
防ぐ為で、N2+H2の還元性雰囲気の場合H230%未満とす
る理由は、H230%を超えると、Fe−Pd合金中のPdのH2吸
蔵により形状記憶効果が低下するせのである。
00℃とする理由は、加工により発生した応力誘起マルテ
ンサイトを解消し、加工性を持たせる為で、700℃未満
では応力誘起マルテンサイトを十分解消できず、また1,
000℃を超えると結晶粒が粗大化し、脆化により加工性
か悪化するものである。また還元雰囲気中又は不活性雰
囲気中で熱処理する理由は、Fe−Pd合金中のFeの酸化を
防ぐ為で、N2+H2の還元性雰囲気の場合H230%未満とす
る理由は、H230%を超えると、Fe−Pd合金中のPdのH2吸
蔵により形状記憶効果が低下するせのである。
(作用) 本発明の形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法によれば、
加工により発生した応力誘起マルテンサイトが解消さ
れ、またFeの酸化が防止されて、形状記憶効果が損なわ
れずに加工性が向上する。
加工により発生した応力誘起マルテンサイトが解消さ
れ、またFeの酸化が防止されて、形状記憶効果が損なわ
れずに加工性が向上する。
(実施例) 本発明による形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法の一実
施例を従来例と共に説明すると、Fe−30at%Pd合金の厚
さ20mm、幅50mm、長さ100mmのチップを厚さ15mm、幅50m
m、長さ133mmに圧延加工後、800℃、30分の熱処理を大
気中、真空中(10-4Torr)不活性雰囲気中(N2+H220
%)の各条件で行った。その後圧延加工を行った処、大
気中で熱処理を行ったもの(従来例1)は、表面酸化が
激しく、その後の加工ができなかった。また真空中で熱
処理を行ったもの(従来例2)は、60秒で急冷できた
が、Fe−Pdの規則相の形成により、圧延加工中に割れて
加工ができなくなった。一方、不活性雰囲気中(N2+H2
20%)で熱処理を行ったもの(実施例)は、厚さ10mm、
幅50mm、長さ200mmまで圧延加工され、その後も圧延加
工、熱処理の繰り返しにより、最終的には厚さ0.2mm、
幅50mm、長さ10mmのテープ材が得られた。これは実施例
の形状記憶Fe−Pd合金の熱処理に於いて、Feが酸化する
ことなく、Fe−Pdの規則相も形成されることがなかった
からに他ならない。
施例を従来例と共に説明すると、Fe−30at%Pd合金の厚
さ20mm、幅50mm、長さ100mmのチップを厚さ15mm、幅50m
m、長さ133mmに圧延加工後、800℃、30分の熱処理を大
気中、真空中(10-4Torr)不活性雰囲気中(N2+H220
%)の各条件で行った。その後圧延加工を行った処、大
気中で熱処理を行ったもの(従来例1)は、表面酸化が
激しく、その後の加工ができなかった。また真空中で熱
処理を行ったもの(従来例2)は、60秒で急冷できた
が、Fe−Pdの規則相の形成により、圧延加工中に割れて
加工ができなくなった。一方、不活性雰囲気中(N2+H2
20%)で熱処理を行ったもの(実施例)は、厚さ10mm、
幅50mm、長さ200mmまで圧延加工され、その後も圧延加
工、熱処理の繰り返しにより、最終的には厚さ0.2mm、
幅50mm、長さ10mmのテープ材が得られた。これは実施例
の形状記憶Fe−Pd合金の熱処理に於いて、Feが酸化する
ことなく、Fe−Pdの規則相も形成されることがなかった
からに他ならない。
(発明の効果) 以上の説明で判るように本発明による形状記憶Fe−Pd
合金の熱処理方法によれば、形状記憶Fe−Pd合金中のFe
が酸化することがなく、またFe−Pd規則相が形成される
ことがないので、その後の加工において割れが発生せ
ず、容易に加工できるようになって、著しく加工性が向
上した。また従来の真空中で熱処理する場合のように予
め真空度を高める為に長時間要するというようなことが
なく、短時間に効率良く熱処理できて、作業性が向上し
た。さらに本発明の熱処理方法によれば、Fe−Pd合金中
のFeが選択的に酸化されることがないので、Fe−Pd合金
の配合組成かずれることがないので、形状記憶効果が損
なわれることがないものである。
合金の熱処理方法によれば、形状記憶Fe−Pd合金中のFe
が酸化することがなく、またFe−Pd規則相が形成される
ことがないので、その後の加工において割れが発生せ
ず、容易に加工できるようになって、著しく加工性が向
上した。また従来の真空中で熱処理する場合のように予
め真空度を高める為に長時間要するというようなことが
なく、短時間に効率良く熱処理できて、作業性が向上し
た。さらに本発明の熱処理方法によれば、Fe−Pd合金中
のFeが選択的に酸化されることがないので、Fe−Pd合金
の配合組成かずれることがないので、形状記憶効果が損
なわれることがないものである。
Claims (1)
- 【請求項1】Pd25〜35at%を含むFe−Pd合金を温度700
℃〜1,000℃、H2を30%以下含み残部N2の還元性雰囲気
中又はN2、Ar、N2+Arのいずれか1種からなる不活性雰
囲気中で熱処理することを特徴とする形状記憶Fe−Pd合
金の熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP425187A JP2526225B2 (ja) | 1987-01-12 | 1987-01-12 | 形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP425187A JP2526225B2 (ja) | 1987-01-12 | 1987-01-12 | 形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63171824A JPS63171824A (ja) | 1988-07-15 |
JP2526225B2 true JP2526225B2 (ja) | 1996-08-21 |
Family
ID=11579316
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP425187A Expired - Lifetime JP2526225B2 (ja) | 1987-01-12 | 1987-01-12 | 形状記憶Fe−Pd合金の熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2526225B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4055872B2 (ja) * | 1998-03-25 | 2008-03-05 | 泰文 古屋 | 鉄基磁性形状記憶合金およびその製造方法 |
-
1987
- 1987-01-12 JP JP425187A patent/JP2526225B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63171824A (ja) | 1988-07-15 |
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