JPH08311627A - チタンスラブの熱間圧延方法 - Google Patents

チタンスラブの熱間圧延方法

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JPH08311627A
JPH08311627A JP11841195A JP11841195A JPH08311627A JP H08311627 A JPH08311627 A JP H08311627A JP 11841195 A JP11841195 A JP 11841195A JP 11841195 A JP11841195 A JP 11841195A JP H08311627 A JPH08311627 A JP H08311627A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】表面疵のない、表面性状に優れたチタン圧延材
を、生産性よく、簡素な工程で製造することができるチ
タンスラブの熱間圧延方法を提供する。 【構成】下記の工程を含むチタンスラブの熱間圧延方
法。 チタンスラブをβトランザス温度(Tβ)未満の温
度で加熱する第1の加熱工程 第1の加熱工程に続き、チタンスラブを下記式
(1)を充たす温度(T2)に、下記式(2)で規定さ
れる時間(t)加熱する第2の加熱工程、の加熱工程により加熱されたチタンスラブを
圧延する工程 T2 (℃)≧Tβ(℃)+10 式(1) 5≦t(分)≦35−(ΔT/2) 式(2) ここで、 ΔT(℃)=T2 −Tβ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、純チタンまたはチタン
合金等のチタン材料の熱間圧延方法に関し、さらに詳し
くは、表面疵のない、表面性状に優れたチタン圧延材を
得ることが可能なチタンスラブの熱間圧延方法に関す
る。
【0002】本発明の方法で得られるチタン圧延材は、
熱間圧延のまま、またはさらに冷間圧延等の加工を施し
て、板材、棒材、管材などの化学工業用材料、原子力発
電設備の復水器用材などの工業用一般材料および時計の
側板、ゴルフクラブ用部材などの民生用材料等、広い用
途に利用できる。
【0003】
【従来の技術】工業的に使用されているチタンには、工
業用純チタン、α型、α+β型およびβ型のチタン合金
などある(以下、これらの純チタンおよびチタン合金を
総称してチタンと呼ぶことにする)。これらのチタンの
一般的な製造方法は、まず、純チタンの場合はスポンジ
状の金属チタンを固めて消耗式の電極として、また、チ
タン合金の場合は内部に合金材料を包み込んだスポンジ
状の金属チタンを固めて消耗式の電極として、真空下で
アーク溶解し、インゴットを作製する。次に、このイン
ゴットを分塊圧延または鍛造することにより、熱間圧延
用材料(以下、チタンスラブと記す)を製造する。この
チタンスラブの表面を機械加工し、分塊、圧延工程で発
生した表面疵の除去等の表面手入れを施した後、熱間圧
延することによって、板状、棒状等の熱間圧延材を得て
いる。
【0004】チタンスラブの熱間圧延の際には、圧延材
の表面に疵が発生しやすい。この表面疵としては、圧
延前の加熱の際に発生するスケールに起因する疵、変
形能が低いために生じる疵、熱間圧延時に機械的な衝
撃(圧延材同士の接触等)によって生じる疵などがあ
る。これらの疵は圧延材から取り除く必要があるため、
歩留の低下、製造コストアップなどの問題が生じる。そ
のため、圧延時に生じる表面疵は、最少限に抑える対策
が講じられている。
【0005】上記の疵の中では、の圧延前の加熱の際
に発生するスケールに起因する疵の防止が最も難しい問
題であり、いくつかの対策が採られている。例えば、特
公昭54−29458号公報には、圧延前の加熱温度を
所定の範囲とする方法、具体的には、700℃〜950
℃の範囲の温度でチタンスラブを加熱した後、圧延を行
う方法が開示されている。700℃以上とするのは、チ
タンスラブの圧延時の変形能を確保するためであり、9
50℃以下とするのは、加熱時にチタン材料が水素を吸
収するのを抑えることに加えて、加熱の際にチタンスラ
ブ表面にスケールが形成されるのを抑制して、圧延時の
スケールによる表面疵の発生を防止するためである。
【0006】この他、加熱の際のスケールの発生の抑制
方法としては、チタンスラブ表面にアルミニウム粉など
からなる酸化防止剤を塗布した後に加熱する方法が知ら
れている(例えば、新日鉄技報,第352号(199
4),P.50)。この方法は、特に、β相領域の高い
温度に加熱して変形抵抗の低い条件で圧延することを目
的とする場合には、有効な手段とされている。
【0007】チタン以外の金属材料の場合には、一般的
には、加熱時の酸化防止策として、非酸化性雰囲気また
は酸素ポテンシャルの低い酸化性雰囲気で加熱する方法
が採用される。しかし、チタンの場合には、非酸化性雰
囲気下で加熱すると、チタンが水素吸収を起こす。水素
の吸収は金属材料にとって致命的な材料欠陥となり、チ
タンも例外ではない。したがって、チタン材料を非酸化
性雰囲気で加熱する方法で、チタンスラブ加熱時の酸化
防止、すなわちスケールの発生を抑制する対策を採用す
ることはできない。
【0008】このために、上述のように、加熱時のチタ
ンスラブの酸化防止策としては、酸化が比較的起こりに
くい温度範囲での加熱あるいは酸化防止剤の塗布といっ
た手段を採らざるを得ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】チタンの結晶相は、室
温付近では稠密六方晶(HCP)構造を持つα相、高温
域では体心立方晶(BCC)構造を持つβ相である。加
熱していく過程で低温相のα相が消失してβ相に変態す
る。この温度をβトランザス(transus 、Tβと記す)
と称している。このβトランザスは、軟質の工業用チタ
ンの場合、900℃付近の温度である。チタンスラブを
βトランザス以上の温度に加熱して圧延する方法は、変
形抵抗が小さいので圧延が容易という利点があるが、チ
タンスラブ表面の酸化が激しいために、圧延後の材料表
面には著しい疵が残る。また、βトランザスより低い温
度、すなわちα相領域で加熱する方法は、チタンスラブ
表面での酸化が比較的に軽微なためスケール層の厚さが
薄い。しかし、スケール層と金属層との密着性が高く、
チタンスラブが加熱炉から取り出されて、圧延に至るま
での過程でスケールを完全に除去することが難しい。そ
のため、このチタンスラブを圧延すると、圧延用ロール
にスケールの焼き付きを生じ、この焼き付きによって圧
延後のチタン材料表面に疵が残るという問題がある。し
たがって、特公昭54−29458号公報の方法では、
チタンスラブの熱間圧延の際の表面疵の発生を十分に防
止することはできない。
【0010】また、加熱前にチタンスラブに酸化防止剤
を塗布する方法は、生産性の低下、ランニングコストの
上昇といった問題の外、圧延中にチタンスラブから酸化
防止剤を完全に剥離させることが難しいため、スラブ表
面に残った酸化防止剤がロールに噛み込み、圧延材の表
面に押し込み疵が生じるという問題がある。
【0011】本発明は上記の課題を解決することを目的
としてなされたものであって、表面疵のない、表面性状
に優れた圧延材を、生産性良く、簡素な工程で製造する
ことができるチタンスラブの熱間圧延方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する方法について研究を続けた過程で、次のよう
な知見を得た。すなわち、 βトランザス以上の温度域で、チタンスラブが均熱
される程度に十分な時間加熱すると、スラブ表面が極め
て速い速度で酸化される。表面全体にスケール層が形成
されると同時に、スケール層とチタン金属層界面のβ結
晶粒の粒界が選択的に激しく酸化される。このため、チ
タン金属層表面に深い凹部が生じ、この凹部に起因する
チタンスラブ表面の凹凸が圧延材の表面疵の原因とな
る。
【0013】 βトランザス以上の温度域での加熱が
短時間であれば、チタンスラブ表面に薄いスケール層が
形成されるものの、β結晶粒の粒界の選択的な酸化は起
こらない。
【0014】 βトランザス以上の温度域での加熱に
よって形成されるチタンスラブのスケール層は、剥離し
やすい性質がある。すなわち、加熱炉から取り出されて
圧延に至るまでの脱スケール工程で容易にスケールを除
去することができる。
【0015】 チタンスラブは、βトランザス未満の
温度域での加熱・均熱で十分圧延可能である。ただし、
この温度域でチタンスラブ表面に生成するスケール層
は、剥離性が悪い。その反面、スケール層の下の金属層
は、表面が平滑で性状が良い。
【0016】本発明者らは、上記知見を基にして、下記
の解決策が有効と推定されることを認識した。
【0017】「チタンスラブをβトランザス未満の温度
で加熱・均熱し、その後、βトランザス以上の温度に短
時間加熱して、そのスラブを圧延する。この方法で本発
明の目的である表面疵のない、表面性状の良好なチタン
圧延材を、歩留よく製造できる。」 本発明は、上記基本思想を実現できる条件について研究
を行った結果、完成するに至ったものであり、チタンス
ラブの加熱条件および工程が、下記の〜を含むこと
を要旨としている。
【0018】 チタンスラブをβトランザス温度(T
β)未満の温度で加熱し、熱間圧延可能な状態に均熱す
る第1の加熱工程 第1の加熱工程に続き、チタンスラブを下記式
(1)を充たす温度(T2 )に、下記式(2)で規定さ
れる時間(t)加熱する第2の加熱工程 、の第1および第2の加熱工程により加熱され
たチタンスラブを圧延する工程 T2 (℃)≧Tβ(℃)+10 式(1) 5≦t(分)≦35−(ΔT/2) 式(2) ここで、 ΔT(℃)=T2 −Tβ
【0019】
【作用】本発明の方法では、第1の加熱工程で、チタン
スラブをβトランザス温度(Tβ)未満の温度で十分な
時間加熱、均熱し、チタンスラブに対して圧延に必要な
変形能を与える。Tβは、例えば工業用純チタンの場合
890℃、Ti−6Al−4V合金の場合1000℃で
ある。加熱温度の下限は、熱間圧延可能な温度であれば
良いが、チタンスラブの圧延時の変形抵抗、スラブの疵
発生の観点から、工業用純チタンの場合は800℃、T
i−6Al−4V合金の場合は900℃程度とするのが
望ましい。加熱は、通常、熱源はバーナー燃焼炎、雰囲
気は弱酸化性雰囲気または電気抵抗加熱による大気中雰
囲気の加熱炉で行われる。この加熱では、スラブ表面に
剥離されにくい、厚さの薄いスケール層が形成される。
この段階で形成されるスケール層の厚さは、加熱条件に
よって異なるが、厚くても50μm程度である。また、
チタンスラブの均熱に必要な時間は、スラブのサイズと
形状、加熱方法、チタンの材質等の条件によって変わる
が、1〜5時間程度である。
【0020】第2の加熱工程は、第1の加熱工程に引き
続いて、同じ加熱炉内で炉内の温度を上昇させる方法で
実施するのが実用的である。第2の加熱工程では、第1
の加熱工程で生成したスラブ表面のスケール層を、剥離
性の良いスケール層に変えるための表層部だけの加熱で
よい。そのために、この工程では前述のように、Tβ+
10℃以上の温度(T2 )に、5分〜{35−(ΔT/
2)}分間加熱する。
【0021】加熱温度の下限をTβ+10℃、加熱時間
の下限を5分とするのは、Tβ+10℃未満の温度およ
び5分未満の時間では、第1の加熱工程で生成したスラ
ブ表面のスケール層を剥離性の良いスケール層に変えに
くいためである。また、加熱時間の上限を35−(ΔT
/2)分以下とするのは、これ以上の加熱時間では、チ
タンスラブ表面のβ結晶粒の粒界が選択的に酸化されて
凹部が形成され、圧延材に表面疵が生じやすいからであ
る。なお、ΔT(=T2 −Tβ)が大きいほど加熱時間
の上限を短くするのは、温度が高いほどチタンスラブ表
面の酸化速度が速いために、加熱時間が長いと過剰に酸
化が進むからである。第2の加熱工程の加熱温度の上限
は、式(2)で加熱時間が5分の場合であり、その温度
はΔTが60℃、すなわちT2 がTβ+60℃である。
この温度以上では、スラブ表面の酸化が過剰となるので
好ましくない。
【0022】上記の第2の加熱工程、すなわちチタンの
β相領域の温度で加熱され形成されたスラブ表面のスケ
ールは、小さな機械的・熱的衝撃で容易に剥離し、スラ
ブ表面から脱落しやすい性質がある。したがって、スラ
ブを加熱炉から取り出して圧延工程に移す過程で、搬送
中の振動、スラブ表面の冷却などによって、自然に剥が
れ落ちることが多い。さらに、脱スケールを徹底する場
合には、高圧水の噴射などの処置を施すと良い。
【0023】第1、第2の加熱工程で加熱されたチタン
スラブについては、引き続いて圧延を行い、チタン圧延
材を得る。圧延法は、チタンの場合には、平型または孔
型ロールを用いたロール圧延法が多用される。また、圧
延の際のスラブの温度は、圧延スタート時は第1、第2
の工程で加熱された温度にほぼ近いが、圧延の進行とと
もに次第に低下する。温度の低下とともにチタンスラブ
の変形抵抗が大きくなるので、圧延終了時の温度は、例
えば、工業用純Tiの場合は550℃、Ti−6Al−
4Vの場合は700℃程度とするのが望ましい。
【0024】
【実施例1】本実施例で対象としたチタン材料は、工業
用純チタンであり、その化学組成とTβを表1に供試材
1として示した。スラブは、スポンジチタンを消耗式電
極として真空アーク溶解して、直径1000mmのイン
ゴットを作製し、β相およびα相の温度域で厚さ150
mmまで鍛造圧延することによって調製した。本実施例
においては、このスラブから、幅60mm、長さ150
mm、厚さ25mmの圧延素材を機械加工によって調製
した。
【0025】
【表1】
【0026】この圧延素材については、表2に示す条件
で、第1と第2の2段階の加熱を行った。ヒートパター
ンは、図1の通りである。加熱方法は、加熱炉は電気
炉、加熱雰囲気は大気中である。加熱時間は、第1の加
熱を150分とし、第2の加熱は表2に示す時間とし
た。加熱完了後、圧延素材に軽く打撃を加えて、表面に
生成したスケールを除去した。
【0027】
【表2】
【0028】圧延方法は、平型ロールによる圧延法であ
り、5mm/パスの条件で4パスさせ、厚さ25mmの
圧延素材を5mmまで圧延した。なお、この4パスの圧
延は上記の加熱1回で行った。圧延開始時の圧延素材の
温度は、内部は第1の加熱温度よりやや低い程度、表層
部はそれより低く第1の加熱温度より約50℃低い温度
であった。圧延終了時の温度は、約600℃とした。
【0029】得られた圧延材について、表面疵を評価し
た。まず、圧延材にショットブラストを当てた後、硝弗
酸で酸洗して、圧延中に生成したスケール層を取り除
き、表面を清浄にした。次に、浸透探傷法(ダイチェッ
ク)により、疵を観察しやすくして、圧延材の表面と裏
面について表面疵の有無を肉眼で調査した。表2には、
疵が検出されなかった場合は○、疵が検出された場合は
×で調査結果を表示した。
【0030】表2から明かなように、本発明の条件で加
熱・圧延された圧延材(本発明例:処理No.1〜9)
については、表面疵が検出されなかったのに対し、本発
明の条件を外れている圧延材(比較例:処理No.10
〜17)については、いずれも表面疵が発生していた。
第2の加熱を行わなかったNo.10および17、加熱
時間が式(2)で定義される本発明の条件より短いN
o.11、13および15は、圧延材に第1の加熱の際
に発生したスケールの噛み込みと判断される表面疵が観
察された。その原因は、第2の加熱が本発明の条件を充
たしていないために、第2の加熱の際に第1の加熱で生
じたスケールが剥離しやすいスケールに変わらなかった
ためと推定される。また、加熱時間が式(2)から求め
られる本発明の条件より長いNo.12、14および1
6については、微少な表面疵が圧延材一面に発生してい
るのが観察された。表面疵の形態から判断すると、第2
の加熱の際にβ相の結晶粒界が選択的に酸化されて凹部
が生じて凹凸の表面となり、この凹凸が圧延されて疵に
なったものと考えられた。
【0031】
【実施例2】本実施例で対象としたチタン材料は、Ti
−4V−6Al合金であり、その化学組成とTβを表1
に供試材2として示した。
【0032】加熱条件は、表3に示した通りである。そ
の他の条件は実施例1の場合と同様とした。なお、圧延
開始時の圧延素材の温度については、内部は第1の加熱
温度よりやや低い程度、表層部はそれより低く第1の加
熱温度より約50℃低い温度であった。圧延終了時の温
度は、約750℃とした。圧延材の表面疵の調査結果に
ついては、表3に示した。
【0033】
【表3】
【0034】表3から明かなように、実施例1の場合と
同様に、本発明の条件で加熱・圧延された圧延材(本発
明例:処理No.1〜9)については、表面疵が検出さ
れなかったのに対し、本発明の条件を外れている圧延材
(比較例:処理No.10〜17)については、いずれ
も表面疵が発生していた。第2の加熱を行わなかったN
o.10および17、加熱時間が式(2)の本発明の条
件より短いNo.11、13および15は、圧延材に第
1の加熱の際に発生したスケールの噛み込みと判断され
る表面疵が観察された。また、加熱時間が式(2)から
求められる本発明の条件より長いNo.12、14およ
び16については、微少な表面疵が圧延材一面に発生し
ているのが観察された。これらの表面疵の発生原因は、
実施例1で記したことと同じと考えられる。
【0035】このように、実施例1および実施例2の結
果から、本発明の条件に従ったチタンスラブの熱間圧延
方法によれば、圧延材の表面に疵のない、表面性状に優
れたチタン圧延材が得られることが分かった。また、本
発明の方法は、従来の加熱、圧延設備をそのまま活用す
ることが可能で、チタンスラブ加熱時のヒートパターン
を変更するだけでよいので、新たな工程が加わることも
なく簡素である。さらに、加熱前にスケール発生防止剤
を塗布する手間等の必要もないので、生産性にも優れて
いる。本発明の方法は、このほか、β相温度域での加熱
時間が短いため、スケールの発生量が少く、圧延歩留が
高いといった優れた特徴を有している。
【0036】
【発明の効果】本発明のチタンスラブの熱間圧延方法に
よれば、チタンスラブの加熱の際に、剥離性のよいスケ
ールを形成できるので、圧延材にスケールの噛み込みに
よる表面疵の発生がない。また、チタンのβ相温度域で
の加熱を制限しているので、β結晶粒粒界の選択的酸化
によって生じるチタンスラブ表面の凹凸に起因した表面
疵の発生もない。また、加熱設備としては従来の設備を
利用可能で、工程としては従来法に対して、加熱の際に
ヒートパターンを変更する程度で簡素なため、経済性、
生産性に優れている。このほか、スケールの発生量が少
ないので圧延歩留が高い。
【0037】このように、本発明のチタンスラブの熱間
圧延方法は、表面性状のよいチタン圧延材を、経済的
に、生産性よく製造できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の加熱工程、第2の加熱工程を含むチタン
スラブ加熱時のヒートパターンを示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンスラブをβトランザス温度(Tβ)
    未満の温度で加熱し、熱間圧延可能な状態に均熱する第
    1の加熱工程、第1の加熱工程に続き下記式(1)を充
    たす温度(T2 )に、下記式(2)で規定される時間
    (t)加熱する第2の加熱工程、および前記第1ならび
    に第2の加熱工程により加熱された前記チタンスラブを
    圧延する工程を含むことを特徴とするチタンスラブの熱
    間圧延方法。 T2 (℃)≧Tβ(℃)+10 式(1) 5≦t(分)≦35−(ΔT/2) 式(2) ここで、 ΔT(℃)=T2 −Tβ
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