JPH0625778A - 非酸化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン合金 - Google Patents

非酸化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン合金

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JPH0625778A
JPH0625778A JP18093892A JP18093892A JPH0625778A JP H0625778 A JPH0625778 A JP H0625778A JP 18093892 A JP18093892 A JP 18093892A JP 18093892 A JP18093892 A JP 18093892A JP H0625778 A JPH0625778 A JP H0625778A
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英明 深井
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正和 新倉
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Abstract

(57)【要約】 【構成】白金(Pt)を0.05重量%以上、鉄(F
e)を0.07重量%以下、酸素(O)を0.1重量%
以下、窒素(N)を0.01重量%以下の範囲で含有
し、残部が実質的にチタンからなる非酸化性の酸に対す
る耐食性及び加工性に優れたチタン合金。 【効果】非酸化性の酸に対して優れた耐食性を有し、か
つ優れた加工性を有するチタン合金が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、化学プラントあるい
は電極等に用いられるチタン合金に関し、特に塩酸、硫
酸等の非酸化性の酸の環境においても耐食性に優れ、か
つ加工性に優れたチタン合金に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン材は耐食性に優れているため、現
在、海水淡水化装置を始めとする多くの化学プラント
や、ソーダ電解装置等の電極として用いられている。し
かしながら、チタン材の耐食性はその表面に形成された
酸化被膜によって達成されているものであるために、酸
化性の雰囲気では十分な耐食性を示すのに対し、塩酸や
硫酸のような非酸化性の酸の環境下では十分な程度の耐
食性を示さない。
【0003】このため、化学プラント等では、チタン材
の非酸化性の酸の環境下での使用を極力避け、どうして
も非酸化性の酸の環境下で使用しなければならない場合
には、硝酸等の酸化性の酸をインヒビターとして微量に
添加して用いている。
【0004】しかしながら、場合によっては環境に対し
て不純物となるインヒビターを用いることができない場
合があり、このような場合には、材質としてさらに耐食
性が優れたGrade−12(Ti−Ni−Mo系合
金)、Grade−7(Ti−Pd系合金)、TICO
REX(Ti−Ni−Ru系合金)(特開昭62−20
269)等の合金を用いたり、チタン材に白金メッキを
施して用いたりしている。また、極めて耐食性に優れた
チタン合金として、Ti−15Mo−0.2Pdなどの
β型チタン合金が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐食性
は、温度及び環境の濃度の関数であり、高温又は高濃度
の非酸化性の酸の環境下では、材質として上述のような
合金を用いても耐食性は十分ではない。また、チタン材
に白金メッキを施した場合には、白金が高価である上に
メッキ被膜に存在するピットが原因となって腐食が進行
したり、被膜の剥離が生じたりして、やはり耐食性は十
分とはいえない。また、Ti−15Mo−0.2Pdな
どのβ型合金は耐食性は良いが加工性に劣るという問題
がある。
【0006】この発明はかかる事情に鑑みてなされたも
のであって、非酸化性の酸に対する優れた耐食性及び優
れた加工性を有するチタン合金を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決する手段及び作用】本発明は、白金(P
t)を0.05重量%以上、鉄(Fe)を0.07重量
%以下、酸素(O)を0.1重量%以下、窒素(N)を
0.01重量%以下の範囲で含有し、残部が実質的にチ
タンからなることを特徴とする非酸化性の酸に対する耐
食性及び加工性に優れたチタン合金を提供する。
【0008】本願発明者は、上記課題を解決すべく種々
検討を重ねた結果、チタンに特定量の白金を添加し、か
つその中に含まれる鉄の含有量を一定量に制限すること
により非酸化性の酸に対する耐食性が飛躍的に向上する
ことを見出した。
【0009】すなわち、チタンに添加された白金は、環
境中ではその表面に濃縮し、表面に極めて安定な皮膜が
形成される。また、チタン中の鉄は極微量であっても粒
界に偏析して耐食性を劣化させる。従って、純チタン又
はα型チタン合金に一定量の白金を添加し、さらに鉄を
一定量の制限することにより、高温高濃度の非酸化性の
酸という厳しい環境中でも耐食性の極めて良好なチタン
合金を製造することができる。表面に耐食性の優れた皮
膜を形成する上記方法の場合には、剥離等の問題によっ
て耐久性が低いが、本発明ではこのような問題は生じな
い。
【0010】また、チタンを化学プラントあるいは電極
等に用いる場合には加工性が良好なことが要求される
が、本願発明者らはさらに酸素及び窒素の含有量を一定
量に制限することによりチタンの加工性が著しく向上す
ることを見出した。すなわち、酸素及び窒素は固溶強化
により強度を上昇させる反面延性及び加工性を劣化させ
る。従って、これらを一定量に制限することにより加工
性を極めて良好なものとすることができる。本発明は、
本願発明者らのこのような知見に基づいてなされたもの
である。以下、この発明について詳細に説明する。
【0011】本発明において添加される白金の量は0.
05重量%以上の範囲に規定される。上述したように白
金にはチタンベース材の表面に濃縮して非酸化性環境下
における耐食性を高めるという効果があるが、その添加
量が0.05重量%よりも少なければその効果が実質的
に得られない。また、このような効果は添加量が0.3
0重量%以上では飽和してしまい、また白金は高価な金
属であるため、その添加量は0.30重量%以下である
ことが好ましい。また、環境の温度及び濃度が上昇する
と腐食速度が大きくなるので、高温・高濃度の環境下で
は、白金が0.10重量%以上添加されることが好まし
い。チタン中に含有される鉄は、その含有量が0.1重
量%を超えると粒界偏析により耐食性が劣化する。この
ため、鉄の含有量を0.1重量%以下に規定する。
【0012】チタン中に含有される酸素及び窒素は上述
したように加工性を低下させる元素であり、酸素の含有
量が0.1重量%を超えた場合、及び窒素の含有量が
0.07重量%を超えた場合には、延性及び加工性の指
標となる伸びの値が著しく低下してしまう。このため酸
素及び窒素の含有量を夫々0.1重量%以下及び0.0
7重量%以下に規定することが望ましい。
【0013】さらに、これらの中でも酸素の延性に及ぼ
す影響が極めて大きく、酸素の含有量を0.05重量%
以下にすることにより、伸びをより一層上昇させること
ができ、加工性が極めて良好となる。一方、加工性は結
晶粒径によっても異なり、平均粒径が25μm以下の場
合に加工性が良好なものとなる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する。 (実施例1)
【0015】まず、表1に示すような化学組成を有し、
40mmt ×20mmw ×130mml の寸法を有するチタン
材をアルゴンアーク溶解炉によって溶製し、950℃に
加熱した分塊鍛造によって厚さ20mmのスラブとし、8
00℃に加熱する仕上熱間圧延で4mmt の熱延板とし、
この熱延板を700℃で1時間保持後空冷した後、酸洗
によってスケールを除去した。表面手入後、この熱延板
に冷間圧延を施して1mmt の冷延板を得た後、700℃
で1時間保持した後炉冷する真空焼鈍を施して供試材と
した。
【0016】
【表1】
【0017】これらの供試材を耐食性試験に供した。耐
食試験は、試験片の寸法を40mm×30mmに調製し、こ
の試験片を温度を変化させた硫酸中に浸漬させることに
よって行い、その際の耐食性を試験前後の重量差から求
めた腐食速度mm/年で評価した。その際の試験環境及
び耐食性の結果を表1に合わせて示す。なお、表1中、
◎は腐食速度が0.01mm/年未満の場合、○は0.0
1mm/年以上、0.1mm/年未満の場合、△は0.1mm
/年以上、1mm/年未満の場合、×は1mm/年以上の場
合を示す。
【0018】この表から明らかなように、白金の添加量
が0.05重量%未満である場合には、腐食速度が1m
m/年以上であり耐食性が良好とは言えないが、白金の
添加量が0.05重量%以上の場合には良好な耐食性が
得られることが確認された。
【0019】また、耐食性は、環境の温度及び濃度の関
数であり、高温ほど及び高濃度ほど腐食速度は大きくな
る。従って、表1に示すように、硫酸が高温・高濃度の
場合には、白金の添加量が0.05重量%以上であって
も0.1重量%未満では腐食速度が0.1mm/年以上と
なった。しかし、白金の添加量が0.10重量%以上の
場合には、硫酸の温度または濃度が高くても腐食速度が
0.1mm/年未満と一層良好な耐食性が得られた。この
ように、環境温度及び濃度が高い場合には、白金の添加
量が0.10重量%以上が好ましいことが確認された。
【0020】さらに、表1から明らかなように、鉄の含
有量が0.07重量%を超えた場合には腐食速度が1m
m/年以上となり耐食性が悪いが、鉄の含有量が0.0
7重量%以下の場合には、腐食速度が1mm/年未満と
良好な耐食性を示した。 (実施例2)
【0021】表2に示すような化学組成を有し、実施例
1と同様40mmt ×20mmw ×130mml の寸法を有す
るチタン材をアルゴンアーク炉によって溶製し、実施例
1と同様の条件で供試材を作成した。
【0022】
【表2】 これらの供試材を引張試験に供した。その結果を合わせ
て表2に示す。また、その結果を図1にも示す。
【0023】表2及び図1から明らかなように、酸素の
含有量が0.1重量%を超える場合、及び窒素の含有量
が0.07重量%を超える場合には、伸びが30%未満
と加工性が良好ではないが、これらが夫々0.1重量%
以下及び0.07重量%以下の場合には伸びが30%以
上と良好な加工性が得られることが確認された。また、
酸素の含有量は加工性に大きな影響を有しており、酸素
の含有量が0.05重量%以下の場合には伸びが40%
以上と加工性が一層良好となった。この結果から酸素の
含有量は0.05重量%以下が好ましいことが確認され
た。 (実施例3)表1の番号4の組成の合金について、冷間
圧延後の焼鈍温度を変化させることにより、結晶粒径を
変化させた。その際の平均粒径を表3に示す。
【0024】
【表3】 このようにして結晶粒径を変化させた試料について引張
試験を行った。その結果を表3に併記する。表3から明
らかなように、平均粒径が25μm未満の場合には伸び
が50%を超え、加工性が著しく改善されることが確認
された。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、非酸化性の酸に対して
優れた耐食性を有し、さらに加工性にも優れたチタン合
金が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸素及び窒素の含有量と伸びとの関係を示す
図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金(Pt)を0.05重量%以上、鉄
    (Fe)を0.07重量%以下、酸素(O)を0.1重
    量%以下、窒素(N)を0.01重量%以下の範囲で含
    有し、残部が実質的にチタンからなることを特徴とする
    非酸化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン
    合金。
  2. 【請求項2】 白金(Pt)が0.05〜0.30重量
    %の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の非酸
    化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン合
    金。
  3. 【請求項3】 白金(Pt)が0.10〜0.30重量
    %の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の非酸
    化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン合
    金。
  4. 【請求項4】 酸素(O)が0.05重量%以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載
    の記載の非酸化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れ
    たチタン合金。
  5. 【請求項5】 平均結晶粒径が25μm以下であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非
    酸化性の酸に対する耐食性及び加工性に優れたチタン合
    金。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6334913B1 (en) 1998-12-28 2002-01-01 Kobe Steel, Ltd. Corrosion-resistant titanium alloy
EP1622216A1 (en) * 2004-06-30 2006-02-01 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Titanium material and method for manufacturing the same
JP2009293769A (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 Nsk Ltd プーリ軸受及びその製造方法

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