JP3959671B2 - 耐酸化性の優れた高強度Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金及びそれを用いてなる合金板 - Google Patents

耐酸化性の優れた高強度Fe−Cr−Ni−Al系フェライト合金及びそれを用いてなる合金板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温酸化雰囲気にさらされて表面に酸化被膜が形成された後に主に常温付近の大気環境で使用されるのに適した優れた耐酸化性と高強度を併せ持つFe-Ni-Cr-Al系フェライト合金及びそれを用いてなる合金板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、常温付近から高温までの大気環境で使用される耐酸化性の優れた合金として、JIS C2520に開示される電熱用鉄クロム合金およびニッケルクロム合金がよく知られている。これらの合金は、耐酸化性に優れ、高温用発熱体に広く使用されている。
また、耐溶融金属溶損性および耐摩耗性に優れた合金として、特開平9-263906号にFe-Ni-Cr-Al系フェライト合金およびその製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、JIS C2520に開示される電熱用鉄クロム合金およびニッケルクロム合金は、その用途から電気抵抗が重要な要求特性であり、常温付近での使用を考えた場合、その強度については特に考慮されていない。したがって、耐酸化性と常温強度が要求される構造部材、構造部品に使用すると、部材、部品が大きくなり、部材、部品の小型化や軽量化が困難であった。また、特開平9-263906号に示されるFe-Ni-Cr-Al系フェライト合金は、800〜1300℃の酸化雰囲気中で加熱することによって表面にアルミニウムの酸化物を主体とする被膜を形成させることで、耐酸化性、耐溶融金属溶損性および耐摩耗性等を高めた合金である。また、その実施例からわかるように、材料内部のビッカース硬さが413HV以上の非常に高い硬度を有している。
【0004】
しかし、この合金は、表面にアルミニウムの酸化物を主体とする被膜を形成させることで、耐酸化性、耐溶融金属溶損性および耐摩耗性等を向上させることを狙った工具用合金であるため、構造部材、構造部品に必要とされる引張試験による0.2%耐力、伸びのような引張特性については、特に考慮されていない。
本発明の目的は、優れた耐酸化性と、特に常温において高い機械的特性を同時に実現することが可能で、しかも構造部材、構造部品に適用可能なFe-Cr-Ni-Al合金と、それを用いてなる合金板を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、Fe-Ni-Cr-Al系のフェライト合金において、良好な耐酸化性を維持しつつ、引張強度を適正なレベルに制御できる成分バランスを得るべく、鋭意検討を行った。その結果、Fe-Ni-Cr-Al系合金において、Ni、Cr、Al量を適正な範囲に調整すると、基地がフェライト単相組織を維持でき、かつ析出強化に大きく寄与するNiAlがフェライト基地中に微細に析出でき、良好な耐酸化性、冷間加工性、および延性を損なわないレベルの高強度が得られることを見出した。
【0006】
また、C及びZrを少量添加することによって、炭化物を形成させてFe-Ni-Cr-Al系のフェライト結晶粒を微細に保ち、0.2%耐力を向上させるだけでなく、延性、靭性をも良好なレベルに維持できることを見出した。更に必要に応じて、Hf、V、Nb、Ta及びY、REMを添加することによって、高温に曝された時に表面に形成されるアルミニウムを主体とする酸化被膜の密着性が向上することを見出した。
また、各成分元素量を個々に調整するだけでなく、本発明者らの実験的な検討の結果得られたF値で表されるCr当量を規定量に調整する必要があること、及び良好な冷間加工性を得るためにはS値で表される固溶元素量を規定量に調整することが必要であることを見出し、本発明に到ったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、質量%にて、C:0.009〜0.08%、Si:0.03〜2.0%、Mn:2.0%以下、Ni:2.57 8.0% Cr:10.0%以上19.0%未満、Al:1.5% 以上 4.0% 未満、Zr:0.05〜1.0%、残部がFe 及び不可避的不純物からなり、かつ(1)式で示されるF値が12%以上、(2)式で示されるS値が25%以下であり、かつ600〜1050℃で焼鈍した後の常温での引張試験による0.2%耐力が550〜1000MPa、ビッカース硬さが 250 401HV であることを特徴とする耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金である。
F=−34.3C+0.48Si−0.012Mn−1.4Ni+Cr+2.48Al…(1)
S=Ni+Cr+Al…(2)
【0008】
また、好ましくは、上記の耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金にHf、V、Nb、Taの1種または2種以上を0.05〜1.0%、Y、REMの1種または2種を0.05〜1.0%含む耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金である。
また本発明では上述した化学組成に加えて、更にMo 2.0% 以下、含有することができる。
【0009】
に好ましくは、20〜800℃の平均熱膨張係数が11〜14×10-6/℃である耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金である。
また、本発明合金は冷間加工性が良好であり、フェライト合金板に加工することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明における各元素の作用について述べる。
Cは、本発明に含有されるCr或いはZrと炭化物を形成し、これらの添加元素の効果を低下させるため、低い方が望ましい。また、オーステナイト生成元素であるため、多量の添加はフェライトを不安定にする。
一方、少量の添加であれば、フェライト組織を維持しつつ、これらの炭化物がフェライト粒界の成長を抑制して結晶粒を微細に保つことができる。しかし、0.009%より少ないと炭化物による結晶粒微細化の効果が得られず、一方、0.08%を超えて添加すると粗大な炭化物が増加して延性、加工性を低下させることから、Cは0.009〜0.08%とする。望ましくは、0.009〜0.06%である。
【0011】
Siは、脱酸剤として少量添加するだけでなく、耐酸化性を向上させる効果をもつ。しかし、0.03%より少ないと十分な効果が得られず、一方、2.0%より多く添加してもより一層の向上効果が少ないことから、Siは、0.03〜2.0%とする。0.03〜1.0%がさらに望ましい。
Mnは、脱酸および脱硫剤として作用し、合金の清浄度を高めるために添加する。しかし、2.0%を超えて添加すると熱間加工性が低下することから、Mnは2.0%以下とする。望ましくは,1.0%以下がよい。
【0012】
Niは、フェライト基地中に固溶して基地を固溶強化するとともに、一部はAlと共にNiAlの金属間化合物を形成してフェライト基地中に微細に析出分散し、析出強化する効果があり、本合金にとって不可欠の元素である。しかし、2.57% 未満では、強化への効果が十分ではなく、また一方、8.0%を超えて添加すると、強度が高くなりすぎて延性が低下する恐れがあること、および場合によっては高温でオーステナイト相が生成してフェライト相が不安定になることから、Niは、2.57 8.0% する。望ましくは2.57% 以上5.0%未満がよい。
【0013】
Crは、フェライト生成元素であり、Fe-Ni-Cr-Al系合金の基地組織をフェライト組織にするために必要な元素である。また、高温において、表面に基地との密着力が強く、かつ均一緻密なアルミニウムの酸化物を主体とする酸化被膜を形成して良好な耐酸化性を得るための重要な元素である。Crは10.0%より少ないと十分な効果が得られず、一方、19.0%以上添加すると、熱間および冷間での加工性が劣化することから、Crは、10.0%以上19.0%未満とする。望ましくは、10.0%〜17.0%がよく、更に望ましくは13.0〜17.0%がよい。
【0014】
Alは、Niと共にNiAlの金属間化合物をフェライト基地中に微細に析出させ、フェライト基地を析出強化させると共に、高温において、表面に基地との密着力が強く、かつ均一緻密なアルミニウムの酸化物を主体とする酸化被膜を形成して良好な耐酸化性を得るために不可欠な重要元素である。Alが1.5%より少ないと十分な効果が得られず、一方、4.0%以上添加すると熱間および冷間での加工性が劣化するだけでなく、強度が高くなりすぎて延性が低下する恐れがあることから、Alは、1.5% 以上 4.0% 未満とする
【0015】
Zrは、高温において表面に形成されるアルミニウムの酸化物を主体とする被膜直下のフェライト相内部に酸化物粒子を形成し、アルミニウムの酸化物を主体とする被膜の密着性を著しく向上させる効果が大きく、また、さらに炭化物を形成してフェライト結晶粒を微細化して引張特性を改善する効果があるため、必須添加する。しかし、0.05%より少ないと効果が十分でなく、一方、1.0%より多く添加すると酸化物粒子が粗大化し、逆に被膜の密着性を低下させること、および一部はCと結びついて粗大な炭化物を形成して冷間加工性や延性を低下させることから、Zrは0.05〜1.0%とする。望ましくは、0.05〜0.8%がよい。
【0016】
Hf、V、Nb、Taは、炭化物を形成することによってフェライト結晶粒を微細化し、引張特性を改善すると共に、Alを主体とする酸化膜の密着性を改善する効果を有するため、必要に応じて添加する。しかし、0.05%より少ないと効果が十分でなく、一方、1.0%より多く添加すると炭化物が粗大化し、延性を低下させることから、Hf,V,Nb,Taは、1種または2種で0.05〜1.0%とする。
Y、REMは、高温において表面に形成されるアルミニウムの酸化物を主体とする被膜直下のフェライト相内部に酸化物粒子を形成し、アルミニウムの酸化物を主体とする被膜の密着性を著しく向上させる効果を有するため、必要に応じて1種または2種添加する。しかし、0.05%より少ないと効果が十分でなく、一方、1.0%より多く添加すると酸化物粒子が粗大化し、逆に被膜の密着性を低下させることから、Y、REMは、1種または2種で0.05〜1.0%とする。
【0017】
本発明合金の基地組織をフェライト単相とするためには、上記の各成分を個々に規定の範囲に調整するだけではなく、そのバランスを適正化する必要がある。ここで、(1)式に示すF値は、本発明合金のフェライト相の安定性を示すCr当量である。(1)式に示すCr当量は、フェライト生成元素であるCr、Si、Alの各質量%に各元素のフェライト相の生成しやすさを示す係数をかけたものを足し、オーステナイト生成元素であるNi、C、Mnの各質量%に各元素のオーステナイト相の生成しやすさを示す係数をかけたものを引いたものである。(1)式に示すF値が12%より小さいと基地組織がフェライト単相とならず、マルテンサイト相やオーステナイト相が共存し、安定した特性が得られなくなるため、F値は、12%以上とした。
【0018】
また、(2)式に示すS値は、本発明合金の主要な合金元素であるNi、Cr、Alの総量を質量%で示すものであり、熱間および冷間での加工を容易にするため、および良好な引張延性を確保するためには、添加する合金量を、特性を犠牲にしない範囲で低めに抑える必要がある。S値は25%より大きいと熱間または冷間での加工において割れが発生しやすくなり、材料加工時の歩留まりが低下することから、S値は25%以下とした。望ましくは23%以下がよい。
【0019】
また、本発明合金においては、上述の元素の他、残部 Fe 及び不可避的に含有される不純物とする。但し、本発明では高温で耐酸化性だけでなく高温強度が必要とされる場合にはMo、W、Coの1種または2種以上を合計で2.0%以下の範囲で、添加してもかまわない。
また熱間加工性を改善する目的で、粒界を強化したり、硫化物の形成してSを固定するために、B、Mg、Caの1種または2種以上を合計で0.05%以下の範囲で添加してもよい。
なお、不純物元素であるP、S、N、Oは、できるだけ低い方が好ましいが、極度に低減するには厳選した高価な原料を使用したり、溶解精錬に多くの費用がかかるため、特性上、製造上特に大きな問題はない以下に示す範囲であれば含有してもかまわない。
P≦0.04%、S≦0.01%、N≦0.04%、O≦0.01%
【0020】
本発明合金は、熱間加工または冷間加工で塑性加工した後、塑性加工時の不均一な歪を除去して延性を高めたり、結晶粒を均一微細にするために、600〜1050℃の範囲の適当な温度で焼鈍するとよい。焼鈍温度が600℃より低いと歪除去に長時間を要し、一方、1050℃より高いと、歪除去が短時間でできるものの結晶粒が粗大化し靭性が低下することから、焼鈍温度は600〜1050℃とする。なお、焼鈍時間は低温では長めに、高温では短めに適宜調整する方がよい。
例えば、700℃で焼鈍する場合は、4h程度の保持が好ましく、950℃で焼鈍する場合は、3分程度の保持でも十分である。適正な焼鈍を行うことによって本発明合金の0.2%耐力を構造部材、構造部品に用いるのに必要とされる範囲に調整できる。0.2%耐力は550MPaより小さいと、高強度が要求される構造部材、構造部品に使用するには強度が不十分であり、一方、1000MPaより大きいと延性、靭性が低下することから、0.2%耐力は550〜1000MPaとする。
【0021】
硬さも0.2%耐力と同様、構造部材、構造部品に使用するのに必要な特性である。硬さが250HVより低いと高強度を要求される構造部材、構造部品に使用するには硬さが不十分であり、一方、401HVより高いと冷間加工、機械加工の工数が多くかかること、および延性、靭性の低下が心配されることから、硬さは250〜401HVとする。
【0022】
熱膨張係数は、構造部材、構造部品に使用される場合は、組み合わせて使用される炭素鋼や合金鋼、その他種々の異種材料と近いことが望ましいが、これは本発明合金においては基地組織をフェライト単相とすることで達成することができる。熱膨張係数は通常、室温からの各温度までの平均値で表すことが多く、ここでは20〜800℃の平均熱膨張係数で表すこととし、本発明合金の基地組織をフェライト単相とすることによって11〜14×10-6/℃となる。
また、本発明合金は、熱間加工および冷間加工によって比較的容易に板形状に塑性加工することができる。
【0023】
【実施例】
本発明合金および比較合金を真空誘導溶解炉で溶解し、10kgのインゴットを作製し、熱間鍛造した。ここで熱間鍛造時にはいずれの合金も割れの発生はなく、熱間加工性は良好であった。さらに熱間圧延により約2mmの合金板に仕上げた後、680℃で焼鈍を行ない、表面の酸化スケールを除去した後、約50%の冷間圧延によって約1mm厚さの合金板を作製した。その後、850℃〜950℃の適当な温度で3分保持する焼鈍を行ない、急冷した。
【0024】
表1に本発明合金No.1〜12、比較合金No.21〜27の化学組成を示す。
また、表2に各合金を冷間圧延したときの冷間加工性、焼鈍後の基地組織、0.2%耐力、ビッカース硬さ、20〜800℃の平均熱膨張係数、900℃に10分加熱保持したときの耐酸化性を示す。ここで、冷間加工性の良否は、冷間加工時の割れの発生の程度で判断し、◎は割れなく容易に加工できるもの、○は割れ発生はないが、変形抵抗がやや大きいもの、△は端に割れが発生するものを示している。また、耐酸化性は加熱保持後に空冷した後の酸化スケールの密着性で判断し、酸化スケールの密着性の良いものを○、酸化スケールが剥離するものを△で示した。
【0025】
【表1】
Figure 0003959671
【0026】
【表2】
Figure 0003959671
【0027】
表2より、本発明合金No.1〜12はいずれも冷間加工性が良好であり、焼鈍後の基地組織はフェライト(α)単相である。また、本発明合金No.1〜12は0.2%耐力が550〜1000MPaの範囲にあり、ビッカース硬さが250〜401HVの範囲にある。さらに本発明合金No.1〜12の熱膨張係数は11〜14×10-6/℃の範囲に入っており、耐酸化性も良好である。
【0028】
一方、S値が25より大きい比較合金No.21〜24は冷間加工性がやや悪い。また、F値が12より小さい比較合金のうち、No.22、24には、フェライト(α)相以外にオーステナイト(γ)相が共存し、No.25、No.26には、フェライト(α)相以外にマルテンサイト(α’)相が共存しており、フェライト単相組織が得られていない。また、Ni量が多く、フェライト単相組織を有する比較合金No.21は、0.2%耐力、硬さが高すぎ、Ni量が多く、オーステナイト相を含む比較合金No.22、24は熱膨張係数が大きい。また、析出強化に効果の大きいNi、Alのいずれかが低い比較合金No.25、26、27は、0.2%耐力、硬さが低い。また、Al量の低い比較合金No.25、26は耐酸化性がやや悪い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のFe-Ni-Cr-Al系フェライト合金は、熱間および冷間での加工が容易であり、高強度と良好な耐酸化性を兼ね備えていることから、常温付近から高温までの大気環境で使用される構造部材、構造部品に使用されると、部品の小型化、軽量化に寄与し、また良好な耐久性を有する等、工業上顕著な効果をもつことが期待される。

Claims (6)

  1. 質量%にて、C:0.009〜0.08%、Si:0.03〜2.0%、Mn:2.0%以下、Ni:2.57〜8.0%、Cr:10.0%以上19.0%未満、Al:1.5%以上4.0%未満、Zr:0.05〜1.0%、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ(1)式で示されるF値が12%以上、(2)式で示されるS値が25%以下であり、かつ600〜1050℃で焼鈍した後の常温での引張試験による0.2%耐力が550〜1000MPa、ビッカース硬さが250〜401HVであることを特徴とする耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金。
    F=−34.3C+0.48Si−0.012Mn−1.4Ni+Cr+2.48Al…(1)
    S=Ni+Cr+Al…(2)
  2. 質量%にて、Hf、V、Nb、Taの1種または2種以上を0.05〜1.0%含むことを特徴とする請求項1に記載の耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金。
  3. 質量%にて、Y、REMの1種または2種を0.05〜1.0%含むことを特徴とする請求項1乃至2の何れかに記載の耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金。
  4. 質量%にて、Mo 2.0% 以下、含有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金。
  5. 20〜800℃の平均熱膨張係数が11〜14×10-6/℃であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の耐酸化性の優れた高強度Fe-Cr-Ni-Al系フェライト合金を用いた合金板。
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