JPH0791247B2 - アミン誘導体の光学分割方法 - Google Patents

アミン誘導体の光学分割方法

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JPH0791247B2
JPH0791247B2 JP22508088A JP22508088A JPH0791247B2 JP H0791247 B2 JPH0791247 B2 JP H0791247B2 JP 22508088 A JP22508088 A JP 22508088A JP 22508088 A JP22508088 A JP 22508088A JP H0791247 B2 JPH0791247 B2 JP H0791247B2
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達也 畝本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアミン誘導体の光学分割方法に関する。更に詳
しくは、一般式(I) (式中、X1、X2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、ニトロ基又はアルキル基、CORはアシル基、nは
1〜3の整数を示す。) で表されるアミンのアシル誘導体のエナンチオマー混合
物を光学分割することにより、その各々のエナンチオマ
ーを得る光学分割方法に関するものである。光学分割さ
れたアミンのアシル誘導体の光学活性体は種々の医薬、
農薬の合成中間体として有用である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、光学活性体を得る方法は、不斉合成、ジアステレ
オマーに誘導してからの光学分割、酵素や微生物による
生物化学的手法があった。不斉合成法は目的とする化合
物の光学純度の高い化合物が得られないという問題が有
り、ジアステレオマーに誘導して得る方法では、容易に
ジアステレオマー誘導体化できなかったり、ジアステレ
オマー法では等モルの別種光学活性化合物が必要である
という問題があった。生物化学的手法では、適当な酵素
や微生物が見つけにくいという欠点があった。
本発明が対象とするアミンのアシル誘導体の場合でも事
情は同じであり、優れた光学分割手段が開発できれば非
常に有用である。
一般式(I)で表されるアミンのアシル誘導体の光学活
性体は非常に有用な化合物なので、これをそのまま、あ
るいは、簡単な化学変換の後にクロマトグラフィー法に
より光学分割することができるなら、用いることのでき
るクロマトグラフィー用固定相が充分に安定且つ安価な
ものでさえあれば、工業化が容易であり、その貢献する
ところは極めて大である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた
結果、多糖又はその誘導体を有効成分とする分離剤が一
般式(I)で表されるアミンのアシル誘導体のエナンチ
オマー混合物の光学分割に著しい効力を発揮することを
見出して本発明に至ったのである。
即ち、本発明は、一般式(I) (式中、X1、X2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水
酸基、ニトロ基又はアルキル基、CORはアシル基、nは
1〜3の整数を示す。) で表されるアミンのアシル誘導体のエナンチオマー混合
物を、多糖又はその誘導体を有効成分とする分離剤によ
って光学分割することを特徴とするアミン誘導体の光学
分割方法を提供するものである。
本発明に使用される前記一般式(I)で示されるアミン
のアシル誘導体に於いて、X1、X2で表されるハロゲン原
子の具体例としては、C1,Br,F,I等、アルキル基の具体
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ベンジル基等を、また、CORで表されるアシ
ル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基等を挙げることができる。
また、本発明に於いて使用できる一般式(I)で表され
るアミンのアシル誘導体の具体例としては、N−アセチ
ル−2−アミノ−4−フェニルブタン等を挙げることが
できる。
本発明の方法により光学分割されたアミンのアシル誘導
体の光学活性体については用途によってはそのまま次の
化学変換に供してもよいが、場合によっては酸あるいは
アルカリの存在下、加水分解し光学活性な遊離のアミン
とし各種合成中間体として用いることもできる。
また、本発明において用いられる多糖又はその誘導体を
有効成分とする分離剤は、原料も豊富に存在し、その原
料から比較的簡単に調製される。またその化学的安定性
にも優れ、工業的なクロマトグラフィー分離に適した特
性を持つものである。
本発明でいう多糖とは合成多糖、天然多糖、天然物変成
多糖の何れかを問わず、光学活性であればいかなるもの
でもよいが、好ましく用いられるものは規則性の高いホ
モグリカンであり、しかも結合様式も一定であるもので
ある。更に好ましく用いられるものは高純度の多糖を容
易に得ることのできるセルロース、アミロース、β−1,
4−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、β−1,4−
キシラン、イヌリン、α−1,3−グルカン、β−1,3−グ
ルカン等である。
本発明において多等の誘導体とは、上記多糖の有する水
酸基上の水素原子の一部あるいは全部、好ましくは85%
以上を他の原子団で置換したものである。ここでいう原
子団としては、式 (式中、R′は炭素数1乃至3より成る脂肪族基、3乃
至8より成る環式脂肪族基、炭素数4乃至20より成る芳
香族基もしくはヘテロ芳香族基であり、いずれも置換基
を有してもよい。) で示されるものが挙げられる。これらの誘導体は公知の
各種の化学反応を用いて容易に得ることができる。これ
ら多糖及びその誘導体は原料の入手し易さ、安定性など
のゆえに工業的なクロマトグラフィー分離には特に適し
たものである。
本発明の光学分割方法では、これら多糖又はその誘導体
の中から適当なものを選んで分離剤とすることにより、
目的とするアミンのアシル誘導体のエナンチオマー混合
物の光学分割を行うことができる。
本発明において、上記の多糖又はその誘導体を有効成分
とする分離剤を用いてアミンのアシル誘導体のエナンチ
オマー混合物を光学分割するための手段としては、ガス
クロマトグラフィー法、液体クロマトグラフィー法、薄
層クロマトグラフィー法などのクロマトグラフィー法が
挙げられる。
本発明に係わる分離剤を液体クロマトグラフィー法又は
ガスクロマトグラフィー法として使用するには、多糖又
はその誘導体をそのままカラムに充填するか、担体に保
持させて充填するか、あるいはキャピラリーカラムにコ
ーティングすればよい。
クロマトグラフィー用分離剤は粒状であることが好まし
い事から、多糖又はその誘導体を分離剤として用いるに
は、多糖又はその誘導体を破砕するか、ビーズ状にする
ことが好ましい。粒子の大きさは使用するカラムやプレ
ートの大きさによって異なるが、1μm〜10mmが好まし
く、更に好ましくは1〜300μmで、粒子は多孔質であ
ることが好ましい。
更に分離剤の耐圧能力の向上、溶媒置換による膨潤、収
縮の防止、理論段数の向上のために、多糖又はその誘導
体は担体に保持させることが好ましい。適当な担体の大
きさは、使用するカラムやプレートの大きさにより変わ
るが、一般に1μm〜10mmであり、好ましくは1〜300
μmである。担体は多孔質であることが好ましく、平均
孔径は10Å〜100μmが好ましく、更に好ましくは50〜1
0000Åである。多糖又はその誘導体を保持させる量は担
体に対して1〜100重量%、好ましくは5〜50重量%で
ある。
多糖又はその誘導体を担体に保持させる方法は化学的方
法でも物理的方法でも良い。物理的方法としては、多糖
又はその誘導体を可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良く
混合し、減圧又は加温下、気流により溶剤を留去させる
方法や、多糖又はその誘導体を可溶性の溶剤に溶解さ
せ、担体と良く混合した後、該溶剤と相溶性のない液体
中に攪拌、分散せしめ、該溶剤を拡散させる方法もあ
る。このようにして担体に保持させた多糖又はその誘導
体を結晶化する場合には熱処理などの処理を行うことが
できる。また少量の溶剤を加えて多糖又はその誘導体を
一旦膨潤あるいは溶解せしめ、再び溶剤を留去すること
によりその保持状態、ひいては分離能を変化せしめるこ
とができる。
本発明に用いられる担体としては、多孔質有機担体又は
多孔質無機担体があり、好ましくは多孔質無機担体であ
る。多孔質有機担体として適当なものは、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート等からなる
高分子物質が挙げられる。多孔質無機担体として適当な
ものはシリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、ガ
ラス、ケイ酸塩、カオリンの如き合成もしくは天然の物
質が挙げられ、多糖又はその誘導体との親和性を良くす
るために表面処理を行っても良い。表面処理の方法とし
ては、有機シラン化合物を用いたシラン化処理やプラズ
マ重合による表面処理法等がある。
尚、光学分割に多糖又はその誘導体を用いる場合、化学
的に同じ誘導体であってもその分子量、結晶化度、配向
性などの物理的状態により分離の特性が変化する場合が
あるので、目的とする用途にふさわしい形状を与えた後
で、あるいは与える過程において熱処理、エッチングそ
の他の物理的、化学的処理を加えることができる。又、
しばしば不均一反応で合成した多糖誘導体は、原料多糖
の高次構造を保持し、均一反応で合成したものと化学的
に同一であっても異なった高次構造を持ち、このことが
異なった分離特性をもたらす場合がある。
本発明において、液体クロマトグラフィーあるいは薄層
クロマトグラフィーを行う場合の展開溶媒としては、多
糖又はその誘導体を溶解又はこれと反応する液体を除い
て特に制限はない。多糖又はその誘導体を化学的方法で
担体に結合したり、架橋により不溶化した場合には反応
性液体を除いては制約はない。言うまでもなく、展開溶
媒によってのアミンのアシル誘導体の分離特性は変化す
るので、各種の展開溶媒を検討することが望ましい。
また、薄層クロマトグラフィーを行う場合には0.1μm
〜0.1mm程度の粒子から成る本発明の分離剤と必要であ
れば少量の結合剤より成る0.1mm〜100mmの厚さの層を支
持板上に形成すれば良い。
〔作 用〕
本発明の方法によりアミンのアシル誘導体のエナンチオ
マー混合物の光学分割が効果的に達成される理由は明ら
かではないが、芳香環若しくはアシル基が、或いはその
両方が多糖又はその誘導体と効果的に相互作用し、多糖
又はその誘導体の有するキラリティーを反映して良好な
光学分割をもたらすものと考えられる。
〔発明の効果〕
本発明は以上の如くであって、簡便なクロマトグラフィ
ーの技術によって合成中間体として有用なアミンのアシ
ル誘導体の光学活性体を得る方法を確立した。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明がこれらに限定されるものではないことは言うまで
もない。
尚、実施例中で用いられるパラメーターk-及びαは以下
のように定義される。
実施例1 N−アセチル−2−アミノ−4−フェニルブタンのラセ
ミ体を、セルローストリベンゾエートをジフェニルシラ
ン処理したシリカゲル(Merck社製Lichrospher Si 100
0)に約22重量%になるように担持した分離剤を充填し
た内径4.6mmφ、長さ25cmのステンレスカラムを液体ク
ロマトグラフィー用カラムとして用いて、溶離液:n−ヘ
キサン/イソプロピルアルコール=95:5、流量:1ml/mi
n、温度50℃の条件で光学分離した。この時のクロマト
グラムを第1図に示す。
溶離した光学異性体の検出は紫外検知器(島津SPD−I
I)で、波長210nmの紫外吸収を用いて行った。(R)体
及び(S)体の決定は分取して通常の方法で精製し、施
光度を測定することから行った。
(R)体及び(S)体の容量比(K1 -,K2 -)及び分離係
数(α)は以下の通りであった。
K1 -=4.86 K2 -=5.50 α=1.13
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られた分割クロマトグラムを示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 57/00 370 7419−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、X1、X2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、水
    酸基、ニトロ基又はアルキル基、CORはアシル基、nは
    1〜3の整数を示す。) で表されるアミンのアシル誘導体のエナンチオマー混合
    物を、多糖又はその誘導体を有効成分とする分離剤によ
    って光学分割することを特徴とするアミン誘導体の光学
    分割方法。
  2. 【請求項2】アミンのアシル誘導体がN−アセチル−2
    −アミノ−4−フェニルブタンである請求項1記載の光
    学分割方法。
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