JP2918729B2 - 2−シクロヘキセニル酢酸の光学分割方法 - Google Patents

2−シクロヘキセニル酢酸の光学分割方法

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JP2918729B2 JP33482491A JP33482491A JP2918729B2 JP 2918729 B2 JP2918729 B2 JP 2918729B2 JP 33482491 A JP33482491 A JP 33482491A JP 33482491 A JP33482491 A JP 33482491A JP 2918729 B2 JP2918729 B2 JP 2918729B2
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美智夫 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2−シクロヘキセニル酢
酸もしくはその誘導体の光学分割方法に関するものであ
る。光学活性2−シクロヘキセニル酢酸は、医薬品の合
成中間体として重要な化合物である。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、光
学活性2−シクロヘキセニル酢酸およびその誘導体を得
る方法は、光学活性2−シクロヘキセン−1−オールと
オルト酢酸エチルからクライゼン転位により合成する方
法(Tetrahedron Letters, 26, 2031(1985))が知られて
いるが、原料となる光学活性2−シクロヘキセン−1−
オールの入手が困難であり、工程が複雑であったりして
工業的製法とは言い難く、経済的に優れ、かつ、簡便な
手段で光学純度の高い光学活性な2−シクロヘキセニル
酢酸およびその誘導体を得る方法の確立が望まれてい
た。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、2−シクロヘキ
セニル酢酸もしくはその誘導体のエナンチオマー混合物
セルロース誘導体を有効成分とする分離剤によって光
学分割できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、2−シクロヘキセニル酢酸もしく
はそのエステル又はアミドのエナンチオマー混合物を
セルロースの有する水酸基上の水素原子の一部あるいは
全部を式 −COR (Rは−C 6 H 5 , −C 6 H 4 −4−CH 3 , −C 6 H 4
−4−Cl, −C 6 H 3 −3,5−(CH 3 ) 2 又は−C 6 H 3 −3,5−Cl 2
を示す。)で表される原子団で置換したセルロース誘導
を有効成分とする分離剤によって光学分割することを
特徴とする2−シクロヘキセニル酢酸の光学分割方法を
提供するものである。
【0004】本発明において2−シクロヘキセニル酢酸
を光学分割する場合に、しばしばメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノ
ール、i−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、
ベンジルアルコール等のアキラルな原子団とのエステ
ル、また、アミド等に変換することによって分割が可能
となることもある。この様な原子団は大抵求核試薬との
反応、加水分解等により除去できる。
【0005】本発明に用いる分離剤はセルロース誘導体
を有効成分とするものである。ここでいうセルロース誘
導体とは、セルロースの有する水酸基上の水素原子の一
部あるいは全部、好ましくは85%以上を下記原子団で置
換したものである。
【0006】
【化1】
【0007】(R は−C 6 H 5 , −C 6 H 4 −4−CH 3 , −C 6 H 4
4−Cl, −C 6 H 3 −3,5−(CH 3 ) 2 又は−C 6 H 3 −3,5−Cl 2
を示す。)これらの誘導体は公知の各種の化学反応を用
いて容易に得ることができる。これらセルロース誘導体
は原料の入手し易さ、安定性などのゆえに工業的なクロ
マトグラフィー分離には特に適したものである。本発明
の光学分割方法では、これらセルロース誘導体の中から
適当なものを選ぶことにより、2−シクロヘキセニル酢
酸もしくはその誘導体の光学分割を行うことができる。
【0008】本発明で分離剤を製造する方法としては次
のようなものがある。液体クロマト法またはガスクロマ
ト法として使用するには、セルロース誘導体をそのまま
カラムに充填するか担体に保持させて充填するかキャピ
ラリーカラムにコーティングすることによっても使用で
きる。クロマト用分離剤は粒状であることが好ましいこ
とから、セルロース誘導体を2−シクロヘキセニル酢酸
もしくはその誘導体の分離剤として用いるには、セルロ
ース誘導体を破砕するか、ビーズ状にすることが好まし
い。粒子の大きさは使用するカラムやプレートの大きさ
によって異なるが、1μm 〜10mmであり、好ましくは1
μm 〜300 μm で、粒子は多孔質であることが好まし
い。
【0009】さらに分離剤の耐圧能力の向上、溶媒置換
による膨潤、収縮の防止、理論段数の向上のために、
ルロース誘導体は担体に保持させることが好ましい。適
当な担体の大きさは、使用するカラムやプレートの大き
さにより変わるが、一般に1μm 〜10mmであり、好まし
くは1μm 〜300 μm である。担体は多孔質であること
が好ましく、平均孔径は10Å〜100 μm であり、好まし
くは50〜10000 Åである。セルロース誘導体を保持させ
る量は担体に対して1〜100 重量%、好ましくは5〜50
重量%である。
【0010】セルロース誘導体を担体に保持させる方法
は化学的方法でも物理的方法でも良い。たとえば、物理
的方法としては、セルロース誘導体を可溶性の溶剤に溶
解させ、担体と良く混合し、減圧または加温下、気流に
より溶剤を留去させる方法や、セルロース誘導体を可溶
性の溶剤に溶解させ、担体と良く混合した後、該溶剤と
相溶性のない液体中に撹拌、分散せしめ、該溶剤を拡散
させる方法もある。このようにして担体に保持したセル
ロース誘導体を結晶化する場合には熱処理などの処理を
行うことができる。また、少量の溶剤を加えてセルロー
ス誘導体を一旦膨潤あるいは溶解せしめ、再び溶剤を留
去することによりその保持状態、ひいては分離能を変化
せしめることが可能である。
【0011】担体としては、多孔質有機担体または多孔
質無機担体があり、好ましくは多孔質無機担体である。
多孔質有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポ
リアクリルアミド、ポリアクリレート等からなる高分子
物質が挙げられる。多孔質無機担体として適当なもの
は、シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、ガラ
ス、ケイ酸塩、カオリンの如き合成もしくは天然の物質
が挙げられ、セルロース誘導体との親和性を良くするた
めに表面処理を行ってもよい。表面処理の方法として
は、有機シラン化合物を用いたシラン化処理やプラズマ
重合による表面処理法等がある。
【0012】なお光学分割にセルロース誘導体を用いる
場合、化学的に同じ誘導体であってもその分子量、分子
量分布、結晶化度、配向性などの物理的状態により分離
の特性が変化する場合があるので、目的とする用途にふ
さわしい形状を与えた後で、あるいは与える過程におい
て熱処理、エッチングその他の物理的、化学的処理を加
えることができる。また、しばしば原料となるセルロー
を不均一反応によって誘導体とした場合には、原料の
有する高次構造をそのままもしくは一部保存し、均一反
応で合成したものと化学的に同一であっても異なった分
離特性を示す場合がある。
【0013】上記分離剤を用いて本発明の光学活性な2
−シクロヘキセニル酢酸もしくはその誘導体を得るため
の手段としては、ガスクロマトグラフィー、液体クロマ
トグラフィー、薄層クロマトグラフィー法等のクロマト
グラフィー法がある。薄層クロマトグラフィーを行う場
合には 0.1μm 〜0.1mm 程度の粒子から成る本発明の分
離剤と必要であれば少量の結合剤より成る0.1mm 〜100m
m の厚さの層を支持板上に形成すれば良い。液体クロマ
トグラフィーあるいは薄層クロマトグラフィーを行う場
合の展開溶媒としては、該分離剤を溶解またはこれと反
応する液体を除いて特に制約はない。該分離剤を化学的
方法で担体に結合したり、架橋により不溶化した場合に
は反応性液体を除いては制約はない。言うまでもなく、
展開溶媒によって2−シクロヘキセニル酢酸もしくはそ
の誘導体のエナンチオマーの分離特性は変化するので、
各種の展開溶媒を検討することが望ましい。
【0014】
【作用】本発明の多糖系分離剤が2−シクロヘキセニル
酢酸もしくはその誘導体の光学分割に有効である理由は
明らかではない。しかし、他に官能基を有しない単純ア
ルコールあるいはそのエステル誘導体の光学分割が極め
て困難であることから考えて、六員環中の炭素−炭素二
重結合と分離剤の有効成分であるセルロース誘導体との
間にπ−π相互作用などの電子的相互作用が働き、これ
にカルボン酸基の水素結合性相互作用もしくはその誘導
体のエステル部分の相互作用が加わることにより、全体
での相互作用点が複数箇所となり、その結果効果的な不
斉識別が達成されるものと想像される。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明がこれらに限定されるものでないことは
言うまでもない。尚、実施例中で用いられるパラメータ
ーk'及びαは以下のように定義される。
【0016】
【数1】
【0017】分離係数(α)は、分割の良さの指標とな
る。
【0018】実施例1 セルローストリベンゾエートをジフェニルシラン処理し
たシリカゲルに約20重量%になるように担持した分離剤
を充填した長さ25cm、内径0.46cmの液体クロマトグラフ
ィー用カラムを用いて、2−シクロヘキセニル酢酸のラ
セミ体の光学分割を行った。液体クロマトグラフィー条
件は以下の通りである。
【0019】溶離液:ヘキサン:2−プロパノール:ト
リフルオロ酢酸(1000:10:1) 流 速:1.0ml /min カラム温度:40℃ 検 出:紫外検出器 波長220nm その結果、R体とS体の保持時間はそれぞれ11.4分と1
2.7分であり、R体及びS体の容量比(k') と分離係数
(α)は以下の通りであった。 k'R =2.27, k's =2.62, α=1.15
【0020】
【発明の効果】本発明に用いる分離剤はその原料を安価
に多量に入手することができ、また化学的に安定である
など、工業的な利用に適した特質を有している。本発明
によって、ラセミ体2−シクロヘキセニル酢酸もしくは
その誘導体から簡便なクロマトグラフィーの技術によっ
て医薬品、また合成中間体として有用な光学活性な2−
シクロヘキセニル酢酸を得る方法を確立した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 57/26 C07B 57/00 346 C07C 51/47 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−シクロヘキセニル酢酸もしくはその
    エステル又はアミドのエナンチオマー混合物を、セルロ
    ースの有する水酸基上の水素原子の一部あるいは全部を
    式 −COR (Rは−C 6 H 5 , −C 6 H 4 −4−CH 3 , −C 6 H 4 −4−
    Cl, −C 6 H 3 −3,5−(CH 3 ) 2 又は−C 6 H 3 −3,5−Cl 2 を示
    す。)で表される原子団で置換したセルロース誘導体
    有効成分とする分離剤によって光学分割することを特徴
    とする2−シクロヘキセニル酢酸の光学分割方法。
JP33482491A 1991-12-18 1991-12-18 2−シクロヘキセニル酢酸の光学分割方法 Expired - Lifetime JP2918729B2 (ja)

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