JP2559463B2 - 不斉中心に2個の芳香族基を有する化合物の光学分割方法 - Google Patents

不斉中心に2個の芳香族基を有する化合物の光学分割方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は不斉中心に2個の芳香族基を有する化合物、
特に医薬品として使用される化合物の光学分割方法に関
する。
〔従来の技術及び問題点〕
不斉中心に互いに異なる2個の芳香族基を有する化合
物としては抗ヒスタミン剤及び鎮咳剤等の医薬品として
使用される化合物を初めとして多くのものが知られてい
る。これらの化合物では不斉炭素に由来する鏡像異性体
が存在し、その薬理作用が異性体間において、大きく異
なる可能性が考えられる。今までに、このような化合物
を合成しても、それらの純度を知る方法としては、光学
活性シフト試薬を用いた1H−NMR法、施光度法、蛋白質
を固定化したカラムによる液体クロマトグラフィー法が
主に知られているのみであった。しかし、前二者に於い
ては精度の点、更に蛋白質を固定化したカラムでは、カ
ラムの耐久性、操作性の点に問題があり、これらの問題
点の解決が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、鋭意検討した結果、多糖誘導体を光学
活性な固定相とする液体クロマトグラフィー法等の光学
分割法により、光学純度の分析を簡便且つ性格に行い得
ることを見い出し、本発明に到ったのである。
即ち、本発明は下記の一般式(1)又は(2) (式中Ar,Ar′は炭素数5〜14の無置換又は置換芳香族
基を示し互いに異なる。R1は水素原子又は水酸基のいず
れかを示し、R2,R3は炭素数1〜5の鎖状あるいは側鎖
を持つアルキル基を表し、R2,R3は同一又は異なってい
てもかまわない。Xは酸素原子又は硫黄原子のいずれか
であり、mはメチレン鎖の数を示し、1〜5である。R4
は炭素数1〜10の鎖状アルキル基を示し、構造中にエー
テル結合又は一級水酸基を含んでいてもかまわない。n,
pは夫々メチレン鎖の数を表し、1〜5である。n,pの数
値は互いに同一又は異なっていてもかまわない。*は不
斉炭素原子を示す。) で示され、不斉中心に2個の芳香族基を有する化合物の
鏡像異性体混合物を、多糖誘導体を有効成分とする分離
剤によって光学分割することを特徴とする不斉中心に2
個の芳香族基を有する化合物の光学分割方法に係わるも
のである。
上記一般式(1)又は(2)において、Ar及びAr′で
示される芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基、及
びアンスリル基などが例示される。更に、ピリジル基な
どのヘテロ芳香族基も含まれる。また、置換基として
は、Cl,Br,I等のハロゲン、更には−CN,NO2,−OH,アル
コキシカルボニル基等が挙げられる。また、R2,R3で示
されるアルキル基としては、−CH3,−C2H5,−CH(CH3
などが挙げられるが、好ましくは−CH3である。一
方、R4としては、−CH3,−C2H5,−CH(CH3などの構
造中に官能基を持たないアルキル基及び一級水酸基を持
つ−CH2CH2−OCH2CH2−OH, などが例示される。一方、メチレン鎖の数を示すm,n,p
としては、好ましくは2あるいは3である。
一般式(1)又は(2)で示される化合物は、市販の
医薬品として入手し得るこれらの化合物をメタノール抽
出後、炭酸ナトリウムで中和することにより、容易に得
られる。
本発明に用いられる分離剤は多糖又はその誘導体を有
効成分とするものである。多糖又はその誘導体を具体的
に示すと、ここでいう多糖とは合成多糖、天然多糖、天
然物変性多糖のいずれかを問わず、光学活性であればい
かなるものでも良いが、好ましくは規則性の高いホモグ
リカンであり、しかも結合様式も一定であるものであ
る。更に好ましくは高純度の多糖を容易に得ることので
きるセルロース、アミロース、β−1,4−キトサン、キ
チン、β−1,4−マンナン、β−1,4−キシラン、イヌリ
ン、α−1,3−グルカン、β−1,3−グルカン等である。
多糖の誘導体とは、上記多糖の有する水酸基又はアミノ
基の水素原子の一部或いは全部、即ち、30%以上、好ま
しくは50%以上、更に好ましくは85%以上の他の原子団
で置換したものである。ここでいう原子団は、 であり、R″は炭素数1〜3よりなる脂肪族基、3〜8
よりなる環式脂肪族基、炭素数6〜20よりなる芳香族基
もしくは炭素数4〜20よりなるヘテロ芳香族基であり、
原子団としてはこれらの1種を用いても良いが、2種以
上を用いてもかまわない。これは分離性能の面から選択
することが好ましい。
また、いずれも置換基を有しても良い。ここでいう置
換基としては、メチル基やt−ブチル基などのC1〜C5
枝分かれを有してもよいアルキル基、塩素などのハロゲ
ンなどが例示されるが、それ以外でも分離の性能を向上
させる範囲で種々の置換基を用いることができる。ま
た、置換基の数も分離の性能を向上させる範囲で1又は
それ以上が選択できる。また置換基の位置も例えば、フ
ェニル基などの芳香族基を用いた時は、置換基が1個の
場合、オルト、メタ、パラ位など分離の性能を向上させ
る範囲で選択できる。更に置換基が2個の場合、3,4位
や3,5位など同様に種々の配置が選択できる。
これらの誘導体は公知の各種の科学反応を用いて容易
に得ることができる。例えば芳香族基を含むセルロース
誘導体を合成の一例として示せば、セルロースの有する
水酸基の水素の一部或いは全部を、芳香族基によって置
換したものである。この置換における結合の様式として
は、例えばエステル結合、エーテル結合、ウレタン結合
等がある。
上記の如き多糖又はその誘導体を例示するならば、多
糖としては、微結晶セルロースなどがあり、多糖誘導体
としては、セルローストリアセテート、セルローストリ
ベンゾエート、セルローストリス(p−メチルベンゾエ
ート)、セルローストリスフェニルカルバメート、セル
ローストリス(p−メチルフェニルカルバメート)、セ
ルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバメー
ト)、セルローストリス(p−クロロフェニルカルバメ
ート)、セルローストリス(p−t−ブチルフェニルカ
ルバメート)、セルローストリシンナメートなどがあ
る。
また、アミロース、キトサン、キシラン、キチン、デ
キストランなどのセルロース以外の多糖の上記のような
誘導体を用いることもできる。
これら多糖又はその誘導体は分離剤の耐圧能力の向
上、溶媒置換による膨潤、収縮の防止、理論段階の向上
のために、担体に保持させることが好ましい。適当な担
体の大きさは、使用するカラムやプレートの大きさによ
り変わるが、一般に1μm〜10mmであり、好ましくは1
μm〜300μmである。担体は多孔質であることが好ま
しく、平均孔径は10Å〜100μmであり、好ましくは50
Å〜10000Åである。多糖又はその誘導体を保持させる
量は担体に対して1〜100重量%、好ましくは5〜50重
量%である。
多糖又はその誘導対を担体に保持させる方法は化学的
方法でも物理的方法でも良い。物理的方法としては、多
糖又はその誘導体を可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良
く混合し、減圧又は加温下、気流により溶剤を留去させ
る方法や、多糖又はその誘導体を可溶性の溶剤に溶解さ
せ、担体と良く混合した後、該溶剤と相溶性のない液体
中に撹拌、分散せしめ、該溶剤を拡散させる方法もあ
る。このようにして担体に保持した多糖又はその誘導体
を結晶化する場合には熱処理などの処理を行うことがで
きる。又、少量の溶剤を加えて多糖又はその誘導体を一
旦膨潤あるいは溶解せしめ、再び溶剤を留去することに
よりその保持状態、ひいては分離能を変化せしめること
が可能である。
担体としては、多孔質有機担体又は多孔質無機担体が
あり、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質有機担
体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリレート等から成る高分子物質が挙げら
れる。多孔質無機担体として適当なものはシリカ、アル
ミナ、マグネシア、酸化チタン、ガラス、ケイ酸塩、カ
オリの如き合成若しくは天然の物質が挙げられ、多糖又
はその誘導体との親和性を良くするために表面処理を行
ってもよい。表面処理の方法としては、有機シラン化合
物を用いたシラン化処理やプラズマ重合による表面処理
法等がある。
上記分離剤を用いて、不斉中心に2個の芳香族基を有
する化合物を光学分割するための手段としては、ガスク
ロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロ
マトグラフィー法などのクロマトグラフィー法がある。
液体クロマトグラフィーあるいは薄層クロマトグラフ
ィーを行う場合の展開溶媒としては、該分離剤を溶解又
はこれと反応する液体を除いて特に制約はない。該分離
剤を化学的方法で担体に結合したり、架橋により不溶化
した場合には反応性液体を除いては制約はない。いうま
でもなく、展開溶媒によって化合物又は光学異性体の分
離特性は変化するので、各種の展開溶媒を検討すること
が望ましい。
〔実施例〕
以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1〜2 カルビノキサミン及びヒドロキシジンの鏡像異性体混
合物を液体クロマトグラフィーにより分離し、分離係数
を求めた。結果を表1〜2に示す。
尚、液体クロマトグラフィー用カラムとしては、セル
ローストリス(フェニルカルバメート)、セルロースト
リス(3,5−ジメチルフェニルカルバメート)、又はセ
ルローストリス(4−メチルベンゾエート)を、シラン
処理したシリカゲルに各々約22%重量担持し、長さ25c
m、内径0.46cmのステンレスカラムに充填したものを用
いた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 319/28 C07C 319/28 323/25 323/25 C07D 213/30 C07D 213/30 295/00 295/00 A 295/08 295/08 A // G01N 30/88 G01N 30/88 W C07M 7:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(1)又は(2) (式中Ar,Ar′は炭素数5〜14の無置換又は置換芳香族
    基を示し互いに異なる。R1は水素原子又は水酸基のいず
    れかを示し、R2,R3は炭素数1〜5の鎖状あるいは側鎖
    を持つアルキル基を表し、R2,R3は同一又は異なってい
    てもかまわない。Xは酸素原子又は硫黄原子のいずれか
    であり、mはメチレン鎖の数を示し、1〜5である。R4
    は炭素数1〜10の鎖状アルキル基を示し、構造中にエー
    テル結合又は一級水酸基を含んでいてもかまわない。n,
    pは夫々メチレン鎖の数を表し、1〜5である。n,pの数
    値は互いに同一又は異なっていてもかまわない。*は不
    斉炭素原子を示す。) で示され、不斉中心に2個の芳香族基を有する化合物の
    鏡像異性体混合物を、多糖誘導体を有効成分とする分離
    剤によって光学分割することを特徴とする不斉中心に2
    個の芳香族基を有する化合物の光学分割方法。
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JPS60161928A (ja) * 1984-01-31 1985-08-23 Daicel Chem Ind Ltd セルロースの硝酸エステルを含有する分離剤

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