JPH0730010B2 - スルホキシドの光学分割方法 - Google Patents

スルホキシドの光学分割方法

Info

Publication number
JPH0730010B2
JPH0730010B2 JP61041109A JP4110986A JPH0730010B2 JP H0730010 B2 JPH0730010 B2 JP H0730010B2 JP 61041109 A JP61041109 A JP 61041109A JP 4110986 A JP4110986 A JP 4110986A JP H0730010 B2 JPH0730010 B2 JP H0730010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfoxide
carrier
optical resolution
separating agent
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61041109A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62198657A (ja
Inventor
徹 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP61041109A priority Critical patent/JPH0730010B2/ja
Publication of JPS62198657A publication Critical patent/JPS62198657A/ja
Publication of JPH0730010B2 publication Critical patent/JPH0730010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は有機合成中間体として有用な なる部分骨格を有するスルホキシド誘導体を光学分割す
る方法に関するものであり、光学活性化合物を合成する
ための方法を提供するものである。
〔従来の技術及び問題点〕
不斉な化合物の光学異性体はその生理作用を異にするこ
とが普通であり、従って医農薬の分野においては、一方
のエナンチオマーのみを用いることが副作用の除去、あ
るいは投与量当たりの薬効の増大につながる場合があ
る。また最近では液晶などの光学材料に不斉な化合物を
用いることも検討されている。こうした事情から、最近
こうした用途を持ち、もしくは持ちうる化合物それ自体
の、あるいは合成的にそれらの原料となり得る化合物の
光学活性体が工業原料として、また研究用の試薬として
大きい需要を持っている。
本発明の光学分割方法が対象とする一群の化合物は、小
倉、土橋らによって開発されたもので、CH2基が二つの
イオウの誘起、共役効果に基づく高い酸性度を有し、容
易にカルバニオンを与えるが、これは求電子試薬と反応
してC−C結合を形成し、しかる後に二つのイオウ置換
基はカルボニル基に変換される(次の式参照)。
(式中、R,R′は芳香族基、脂肪族基の如何を問わず、
炭素数20以下より成る原子団のいかなるものでも良い、
Eは求電子試薬を示す。) 従ってこのような化合物は有機合成において有用な中間
体となる。さて本化合物はスルフィニル基のイオウ原子
上に不斉中心を有しており、この不斉が、原子団E上に
不斉点を導入するような反応においては不斉選択の効果
を及ぼす。従って、本化合物の光学活性体は不斉合成の
ための有用な中間体となることが既に示されている(例
えばK.Ogura他,Tetrahedron Letters,24,503(198
3))。
しかしながら本化合物の光学活性体を得ることは決して
容易ではない。例えば、 (1)RS−CH2−SR′を牛血清に吸着せしめた状態で酸
化する方法、(2)光学活性体を得やすいメントールの
スルフィン酸エステルを経由して不斉合成を行う方法、
(3)シクロデキストリンを含む固定相を用いたカラム
クロマトグフィーによる光学分割方法等により光学活性
体を得る試みが行われているが、(1)の場合は光学収
率が不十分である、(2)は天然のメントールの光学活
性を利用するため、一方の光学異性体しか得られない、
(3)は分離が甚だ不完全であるなど、一長一短であっ
た(例えばK.Ogura他,Tetrahedron Letters,21,2233(1
980)、Chemistry Letters,1697(1982)等)。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは前項で述べたような従来の不斉合成法、光
学分割法の欠点に鑑み、簡便で多目的の応用ができ、し
かも工業化が容易であるといった多くの利点を持った光
学活性体の入手方法を検討した結果、多糖の誘導体を有
効成分とする分離剤による吸着あるいは拡散を利用した
分離方法がこれら化合物の光学分割に効果的に応用でき
ることを見出し、本発明を完成するに到ったものであ
る。
即ち、本発明は、一般式 (式中、R,R′は炭素数20以下の芳香族又は脂肪族基を
示す。) で表されるスルホキシド誘導体のエナンチオマー混合物
を、セルローストリベンゾエートを有効成分とする分離
剤によって光学分割することを特徴とする光学分割方法
に関するものである。
本発明が光学分割の対象とする化合物は上記一般式で表
されるスルホキシド誘導体であるが、その中でも一般的
によく用いられるものとして、 などが例示される。
本発明に用いられる分離剤はセルローストリベンゾエー
トを有効成分とするものである。
上記分離剤を用いて本発明の光学活性体を得るための手
段としてはガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラ
フィー、薄層クロマトグラフィー法などのクロマトグラ
フィー法がある。
本発明に係わる分離剤を液体クロマト法又はガスクロマ
ト法として使用するには、多糖誘導体をそのままカラム
に充填するか担体に保持させて充填するかキャピラリー
カラムにコーティングすることによっても使用できる。
クロマト用分離剤は粒状であることが好ましいことか
ら、多糖誘導体を化合物の分離剤として用いるには、多
糖誘導体を破砕するか、ビーズ状にすることが好まし
い。粒子の大きさは使用するカラムやプレートの大きさ
によって異なるが、1μm〜10mm、好ましくは1μm〜
300μmであり、粒子は多孔質であることが好ましい。
更に分離剤の耐圧能力の向上、溶媒置換による膨潤、収
縮の防止、理論段数の向上のために、多糖誘導体は担体
に保持させることが好ましい。適当な担体の大きさは、
使用するカラムやプレートの大きさにより変わるが、一
般に1μm〜10mmであり、好ましくは1μm〜300μm
である。担体は多孔質であることが好ましく、平均孔径
は10A〜100μmであり、好ましくは50A〜10000Aであ
る。多糖誘導体を保持させる量は担体に対して1〜100
重量%、好ましくは5〜50重量%である。
多糖誘導体を担体に保持させる方法は化学的方法でも物
理的方法でも良い。物理的方法としては、多糖誘導体を
可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良く混合し、減圧又は
加温下、気流により溶剤を留去させる方法や、多糖誘導
体を可溶性の溶剤に溶解させ、担体と良く混合した後、
該溶剤と相溶性のない液体中に撹拌、分散せしめ、該溶
剤を拡散させる方法もある。このようにして担体に保持
した多糖誘導体を結晶化する場合には熱処理などの処理
を行うことができる。又、少量の溶剤を加えて多糖誘導
体を一旦膨潤あるいは溶解せしめ、再び溶剤を留去する
ことによりその保持状態、ひいては分離能を変化せしめ
ることが可能である。
担体としては、多孔質有機担体又は多孔質無機担体があ
り、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質有機担体
として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルアミ
ド、ポリアクリレート等からなる高分子物質である。ま
た多孔質無機担体として適当なものは、シリカ、アルミ
ナ、マグネシア、酸化チタン、ガラス、ケイ酸塩、カオ
リンの如き合成もしくは天然の物質であり、多糖誘導体
との親和性を良くするために表面処理を行っても良い。
表面処理の方法としては、有機シラン化合物を用いたシ
ラン化処理やプラズマ重合による表面処理法等がある。
なお光学分割に多糖誘導体を用いる場合、化学的に同じ
誘導体であってもその分子量、分子量分布、結晶化度、
配向性などの物理的状態により分離の特性が変化する場
合があるので、目的とする用途にふさわしい形状を与え
た後で、あるいは与える過程において熱処理、エッチン
グその他の物理的、化学的処理を加えることができる。
又、しばしば原料となる多糖を不均一反応によって誘導
体とした場合には、原料の有する高次構造をそのままも
しくは一部保存し、均一反応で合成したものと化学的に
同一であっても異なった分離特性を有する場合がある。
液体クロマトグラフィーあるいは薄層クロマトグラフィ
ーを行う場合の展開溶媒としては、該分離剤を溶解又は
これと反応する液体を除いて特に制約はない。該分離剤
を化学的方法で担体に結合したり、架橋により不溶化し
た場合には反応性液体を除いては制約はない。いうまで
もなく、展開溶媒によって化合物又は光学異性体の分離
特性は変化するので、各種の展開溶媒を検討することが
望ましい。
また薄層クロマトグラフィーを行う場合には0.1μm〜
0.1mm程度の粒子から成る本発明の分離剤と必要であれ
ば少量の結合剤より成る0.1mm〜100mmの厚さの層を支持
板上に形成すれば良い。
〔作用〕
本発明の多糖系分離剤が前記のスルホキシド類の光学分
割に有効である理由は明らかではない。一般にスルホキ
シド類は強い極性を有しており、これが多糖誘導体中の
極性基、例えばエステル誘導体ならそのカルボニル基と
強い極性相互作用を示すことが期待されるが、不斉が識
別される実際のメカニズムについては今のところ、殆ど
わかっていない。
〔発明の効果〕
本発明の方法に用いる分離剤はその原料を安価に多量に
入手することができ、また化学的に安定であるなど、工
業的な利用に適した特質を有している。従って本発明の
方法を用いることにより なる部分骨格を有する化合物の光学活性体の入手は極め
て容易となり、しいては数多くの有用な光学活性化合物
を合成するための方法を提供することが可能となった。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明がこれらの実施例に限定されるものでないことは言
うまでもない。
実施例1 のエナンチオマー混合物を、セルローストリベンゾエー
トを担持したシリカゲルより成る充填剤を用いた液体ク
ロマトグラフィーにより光学分割した。
尚、液体クロマトグラフィー用カラムとしては、セルロ
ーストリベンゾエートをジフェニルシラン処理したシリ
カゲル上に約22%重量担持した充填剤を長さ25cm、内径
0.46cmのステンレスカラムに充填したものを用いた。
液体クロマトグラフィー条件は、溶離液としてヘキサン
−2−プロパノール(9:1)を毎分0.5ml送液し、カラム
温度は20℃±2℃に保った。検出には紫外検出器(島津
製作所SPD−IIあるいは日立635M)及び/あるいは示差
屈折計(エルマ光学ERC7510)を用いた。
この時のクロマトグラムを第1図に示す。又、分割係数
(α)は1.58を示し、極めて良好な分離を示した。
尚、分割係数(α)は次の式 で定義され、分割の良さの指標となるものである。
実施例2 のエナンチオマー混合物を、実施例1と同じカラムを用
いて光学分割した。この時のクロマトグラムを第2図に
示す。又、α値は1.78であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたクロマトグラム、第2図は
実施例2で得られたクロマトグラムである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R,R′は炭素数20以下の芳香族又は脂肪族基を
    示す。) で表されるスルホキシド誘導体のエナンチオマー混合物
    を、セルローストリベンゾエートを有効成分とする分離
    剤によって光学分割することを特徴とするスルホキシド
    の光学分割方法。
JP61041109A 1986-02-26 1986-02-26 スルホキシドの光学分割方法 Expired - Lifetime JPH0730010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61041109A JPH0730010B2 (ja) 1986-02-26 1986-02-26 スルホキシドの光学分割方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61041109A JPH0730010B2 (ja) 1986-02-26 1986-02-26 スルホキシドの光学分割方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62198657A JPS62198657A (ja) 1987-09-02
JPH0730010B2 true JPH0730010B2 (ja) 1995-04-05

Family

ID=12599307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61041109A Expired - Lifetime JPH0730010B2 (ja) 1986-02-26 1986-02-26 スルホキシドの光学分割方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0730010B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060086667A1 (en) * 2004-09-13 2006-04-27 Cephalon, Inc., U.S. Corporation Methods for the separation of enantiomeric sulfinylacetamides

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62198657A (ja) 1987-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4322310A (en) Chiral supports for resolution of racemates
Katz et al. Investigations into the mechanisms of molecular recognition with imprinted polymers
Nakamura et al. Preparation and chromatographic characteristics of a chiral-recognizing perphenylated cyclodextrin column
Ng et al. Facile preparative HPLC enantioseparation of racemic drugs using chiral stationary phases based on mono-6A-azido-6A-deoxy-perphenylcarbamoylated β-cyclodextrin immobilized on silica gel
JPH066548B2 (ja) 4―ヒドロキシシクロペンテノンの光学分割方法
JPH0730010B2 (ja) スルホキシドの光学分割方法
JP3051782B2 (ja) セルロースのアルコキシ置換芳香族カルバメート誘導体より成る分離剤
JPH07113026B2 (ja) オフロキサシンのエステル類の光学分割方法
Jack et al. Enantiospecific gas chromatographic—mass spectrometric procedure for the determination of ketoprofen and ibuprofen in synovial fluid and plasma: application to protein binding studies
JP2506633B2 (ja) 環状カルボニル化合物の光学分割方法
JP2559463B2 (ja) 不斉中心に2個の芳香族基を有する化合物の光学分割方法
JPH0753678B2 (ja) アセトイン誘導体の直接光学分割方法
JP2517639B2 (ja) α−ヒドロキシ酸誘導体の光学分割方法
JPS61225138A (ja) 多重結合を含む原子団を持つアルコ−ルの光学分割方法
JPH0680018B2 (ja) 分離剤
JP2918729B2 (ja) 2−シクロヘキセニル酢酸の光学分割方法
JPS61176538A (ja) アラルキルアルコ−ル類の光学分割方法
JPH0745412B2 (ja) 分離方法
JPS61212539A (ja) α−クロロプロピオン酸類の光学分割方法
JPS61122283A (ja) グリセリン誘導体の光学分割方法
JP3086114B2 (ja) クロマトグラフィ用の分離剤
JP2771863B2 (ja) β―ヒドロキシカルボン酸誘導体の直接分割方法
JP2664973B2 (ja) 光学分割方法
JPS61191631A (ja) 二価アルコ−ルの光学分割方法
JPH04208243A (ja) ムスコンの光学分割法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term