JPH0790410A - 低酸素希土類金属の製造方法 - Google Patents

低酸素希土類金属の製造方法

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JPH0790410A
JPH0790410A JP25243193A JP25243193A JPH0790410A JP H0790410 A JPH0790410 A JP H0790410A JP 25243193 A JP25243193 A JP 25243193A JP 25243193 A JP25243193 A JP 25243193A JP H0790410 A JPH0790410 A JP H0790410A
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JP
Japan
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rare earth
earth metal
fluoride
producing
oxygen
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JP25243193A
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Eiji Nakamura
英次 中村
Keiichiro Hatsuno
圭一郎 初野
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 希土類金属のフッ化物原料に還元剤を添加し
て高温加熱する熱還元法のより希土類金属を製造する方
法において、希土類金属のフッ化物原料として、希土類
金属のフッ化物、フッ化リチウムからなる混合組成物、
またはこれにフッ化バリウム、フッ化カルシウムの1種
以上を添加してなる混合組成物を使用する。混合組成物
としては、希土類金属と鉄族遷移金属との合金製造用の
溶融塩電解溶媒浴を使用することができる。 【効果】 酸素含有量が1000ppm 以下の純希土類金属が
得られ、副生物は溶融塩電解溶媒浴に再使用することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低酸素希土類金属の製
造方法、詳しくは酸素などの不純物含有量を低減し、光
磁気ディスク媒体用や永久磁石用などに好適に使用され
る希土類金属の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】希土類金属は、高性能の永久磁石用とし
て使用され、最近では光磁気ディスク媒体用としても注
目されているが、これらの用途に用いられる希土類金属
には純度が高いものが要求される。希土類金属の製造方
法には、大別して熱還元法と溶融塩電解法があるが、い
ずれも酸素などの不純物を低減した希土類金属を工業的
に製造するには問題がある。
【0003】熱還元法は、フッ化物原料をカルシウムな
どの還元剤を添加して高温加熱する方法で、Sm、D
y、Tbなどが製造されているが、製造された希土類金
属には酸素やカルシウムなどの不純物の含有量が多く、
還元後に真空加熱による脱カルシウム処理などの精製工
程が必要となる。とくに1000ppm 以下の低酸素が要求さ
れる場合は、還元用原料や還元剤の調整にも留意しなけ
ればならず、原料、還元剤、フラックスを高純度にする
ための精製手段として、例えば、原料のフッ化物を高温
のフッ化水素ガスと接触させたり、高真空雰囲気で脱水
処理する方法も提案されているが、いずれも工業的手段
としては難点がある。
【0004】溶融塩電解法、とくにフッ化物溶媒浴を使
用する電解では、電解生成された希土類金属あるいは合
金の酸素含有量はきわめて少なくなるが、工業炉の電解
温度は1000℃程度が限界であるため、これより融点が高
いTb、Dyなどの希土類金属については、例えば鉄な
どと合金化した形でしか電解することができないという
問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高純度希土
類金属の製造における上記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、その目的は、熱還元法を使用
し、原料フッ化物を特定することにより、酸素含有量が
1000ppm 以下の純希土類金属を低コストで製造すること
ができる低酸素希土類金属の製造方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による低酸素希土類金属の製造方法は、希土
類金属のフッ化物原料を還元剤を添加して高温加熱する
熱還元法により希土類金属を製造する方法において、希
土類金属のフッ化物原料として、当該希土類金属のフッ
化物、フッ化リチウムからなる混合組成物、またはこれ
にフッ化バリウムを添加してなる混合組成物を使用する
ことを構成上の基本的特徴とする。
【0007】さらに、混合組成物が、希土類金属のフッ
化物30〜85mass%、フッ化リチウム15〜70mass%からな
るか、希土類金属のフッ化物30〜85mass%、フッ化リチ
ウム10〜65mass%、フッ化バリウム 5〜30mass%からな
ること、および混合組成物が、該混合組成物を電解精錬
して酸素を除去した精製浴組成物、当該希土類金属と鉄
族遷移金属との合金を電解精製採取した後の溶媒浴組成
物であることを第2、第3の特徴とし、上記の組成範囲
において最も効率のよい希土類金属の製造を行うことが
できる。
【0008】希土類金属としてTbの場合を例として説
明すると、一般に、熱還元法においては、Tbの酸化物
を塩酸に溶解し、フッ化水素酸を反応させてフッ化テル
ビウムを製造し、このフッ化テルビウムを原料として、
還元剤としてカルシウムを反応させて金属Tbを得る
が、本発明においては、フッ化テルビウム原料として、
例えば、フッ化テルビウム、フッ化リチウム、フッ化バ
リウムからなるTb−Fe合金製造用の溶融塩電解の溶
媒浴などを使用することを特徴とするものである。
【0009】本発明は、前記溶媒浴を電解使用後に、熱
還元用原料として使用して得られた希土類金属中の酸素
濃度が、通常の希土類金属フッ化物を原料として使用し
て得られた希土類金属の酸素濃度よりも極端に少ないこ
とを見出したことに基づいてなされたものであり、工業
用希土類金属フッ化物を原料とした場合の酸素量が5000
ppm を越えるのに対し、本発明では1000ppm 以下に低減
できる。
【0010】本発明の希土類金属のフッ化物原料として
は、希土類金属と鉄族遷移金属、例えばFe、Niなど
との合金を溶融塩電解するための溶媒浴を合金生成後に
取り出して使用するのが、最も工業的、コスト的に有利
であるが、電解前あるいは電解途中で取り出してもよ
く、溶媒浴の代わりに、所定のフッ化物混合塩を電解精
製して水分や酸素を除去した精製浴組成物を用いてもよ
い。還元剤としては、カルシウムのみでなく、リチウム
の使用も可能であり、市販のカルシウム、リチウムを何
ら精製処理することなく使用することができる。また、
本発明において、希土類金属を生成した後のフラックス
は、希土類金属と鉄族遷移金属との合金の溶融塩電解の
溶媒浴として使用可能である。
【0011】希土類金属と鉄族遷移金属との合金、例え
ばTbーFe、DyーFe、ErーNiなどを溶融塩電
解で製造するラインと、これらの溶媒浴を希土類金属の
フッ化物原料として使用して熱還元しTb、Dy、Er
などを製造する本発明の低酸素希土類金属製造ラインと
を組合わせれば、より効果的に高品質な希土類金属と希
土類金属の合金が得られる。
【0012】
【作用】本発明の構成によれば、希土類金属を熱還元法
により製造する場合、希土類金属のフッ化物原料とし
て、希土類金属のフッ化物、フッ化リチウムからなる混
合組成物、またはこれにフッ化バリウム、フッ化カルシ
ウムの1種以上を含む混合組成物、好ましくは、当該希
土類金属と鉄族遷移金属との合金を溶融塩電解採取した
後の溶媒浴組成物を使用して希土類金属を回収すること
により、生成された希土類金属中の酸素含有量を確実に
1000ppm 以下に減少させることができ、従来の熱還元法
による希土類金属フッ化物を原料とした場合と較べて同
等の回収率を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 Tb−Fe合金製造用の溶融塩電解溶媒浴(52mass%T
bF3 −29mass%LiF−19mass%BaF2 、酸素濃度
100ppm)2880g をTaルツボに取り出し、還元剤として
市販の金属カルシウム小塊を420g混合して、高周波誘導
加熱により昇温し、アルゴンガス雰囲気中で反応させ
た。反応温度を1400℃として10分間保持した後、Mo鋳
型中に注入して凝固させ、純Tb金属1053g を得た。こ
のTb金属の酸素含有量を分析したところ910ppmであっ
た。副生物としてLiF−BaF2−CaF2 のフラッ
クスが得られた。
【0014】実施例2 実施例1と同様、Tb−Fe合金の溶融塩電解用溶媒浴
(52mass%TbF3 −29mass%LiF−19mass%BaF
2 、酸素濃度100ppm)2880g をTaルツボに取り出し、
還元剤として市販の金属リチウム小塊を145g混合して、
高周波誘導加熱により昇温し、アルゴンガス雰囲気中で
反応させた。反応温度を1400℃として10分間保持した
後、Mo鋳型に注入して凝固させ、純Tb金属1020g を
得た。このTb金属の酸素含有量を分析したところ750p
pmであった。再現性をみるために、上記と全く同一の条
件で還元試験を行ったところ、回収Tb金属は1035g 、
酸素含有量は980ppmであった。副生物としてLiF−B
aF2 のフラックスが得られた。
【0015】実施例3 Er−Ni合金製造用の溶融塩電解溶媒浴(60mass%E
rF3 −40mass%LiF、酸素濃度90ppm)375gをTaル
ツボに取り出し、還元剤として市販の金属リチウム小塊
を22g 混合して、高周波加熱により昇温し、アルゴンガ
ス雰囲気中で反応させた。反応温度を1450℃として6 分
間保持した後、Mo鋳型に注入して凝固させ、純Er金
属153gを得た。このEr金属中の酸素含有量を分析した
ところ870ppmであった。
【0016】比較例1 市販のTb4 7 を塩酸に溶解し、フッ化水素酸を加え
て反応させた後、洗浄、乾燥、脱水しTbF3 を得た。
このTbF3 1500g を原料とし、還元剤として金属カル
シウム420gを使用して、実施例1と同様の条件で還元試
験を2回行い、それぞれ純Tb金属を1061g および1049
g 回収した。それぞれのTb金属について酸素濃度を測
定したところ、5600ppm 、7300ppm ときわめて高い値を
示した。
【0017】比較例2 比較例1と同様にして製造したTbF3 1500g を原料と
して、還元剤として金属リチウム145gを使用して還元
し、純Tb金属1012g を得た。このTb金属中の酸素含
有量を測定したところ6800ppm であった。
【0018】実施例および比較例の結果をまとめると、
表1のとおりであり、従来の熱還元法により得られた希
土類金属はいずれも高い酸素含有量を示したのに対し、
本発明に従って得られた希土類金属の酸素含有量はいず
れも1000ppm 以下であった。また本発明による希土類金
属の回収率は、従来と同等であった。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、低酸素
の純希土類金属を工業規模で安価に製造することができ
る。従来の熱還元法において使用される塩化物系のフラ
ックスを使用しないので、水洗などの後工程が不要で、
得られた希土類金属の品質は良好である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類金属のフッ化物原料に還元剤を添
    加して高温加熱する熱還元法により希土類金属を製造す
    る方法において、希土類金属のフッ化物原料として、該
    希土類金属のフッ化物とフッ化リチウムからなる混合組
    成物、またはこれにフッ化バリウム、フッ化カルシウム
    の1種以上を添加した混合組成物を使用することを特徴
    とする低酸素希土類金属の製造方法。
  2. 【請求項2】 混合組成物が、希土類金属のフッ化物30
    〜85mass%、フッ化リチウム15〜70mass%からなるか、
    または希土類金属のフッ化物30〜85mass%、フッ化リチ
    ウム10〜65mass%、フッ化バリウム 5〜30mass%からな
    ることを特徴とする低酸素希土類金属の製造方法。
  3. 【請求項3】 混合組成物が、該混合組成物を電解精製
    して酸素を除去した精製浴組成物、当該希土類金属と鉄
    族遷移金属との合金を、または該合金を溶融塩電解採取
    した後の溶媒浴組成物であることを特徴とする請求項1
    または2記載の低酸素希土類金属の製造方法。
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