JPH0789954A - 共役二重結合鎖を有するジアリールエテン系化合物及びこのジアリールエテン系化合物を用いた光記録媒体の光記録・再生法 - Google Patents

共役二重結合鎖を有するジアリールエテン系化合物及びこのジアリールエテン系化合物を用いた光記録媒体の光記録・再生法

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JPH0789954A
JPH0789954A JP5287570A JP28757093A JPH0789954A JP H0789954 A JPH0789954 A JP H0789954A JP 5287570 A JP5287570 A JP 5287570A JP 28757093 A JP28757093 A JP 28757093A JP H0789954 A JPH0789954 A JP H0789954A
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誠 椛澤
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篤 石川
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立也 小林
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
Masahiro Irie
正浩 入江
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)にて示されるジアリールエ
テン系化合物。 【化1】 (但し、式中nは2〜5の整数を表し、Aは一般式
(2) 【化2】 Bは一般式(3)又は一般式(4) 【化3】 【化4】 を表し、l、m、oは1又は2の整数、R1 、R5 〜R
7 はアルキル基、R2 〜R4 、R8 〜R10は水素原子、
アルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、シア
ノ基又はニトロ基、P、Q、Tは芳香族基又は複素環基
を表す。)並びに、上記一般式(1)にて示されるジア
リールエテン系化合物を記録材料とする光記録媒体を用
いて光記録・再生を行うに際し、記録再生時の光記録媒
体温度を、記録時のそれより40℃以上低く設定するこ
とを特徴とするジアリールエテン系化合物を用いた光記
録媒体の光記録・再生法。 【効果】 熱安定性、耐湿性、感度に優れ、かつ着消色
の繰り返し耐久性の良好なフォトクロミック性を有し、
性能の優れた可逆的光記録材料などに応用できる。ま
た、再生時に記録の破壊を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミック性を
有し光記録材料等に好適なジアリールエテン系化合物及
びこのジアリールエテン系化合物を用いた光記録媒体の
光記録・再生法に関する。
【0002】
【従来の技術】光照射により可逆的に色相変化をする、
いわゆるフォトクロミック化合物は古くから知られてお
り、これらを利用した記録・記憶材料、複写材料、調光
材料、マスキング用材料、光量計、あるいは表示材料等
が種々提案されている。これらフォトクロミック化合物
としては、例えば、ベンゾスピロピラン類、ナフトオキ
サジン類、フルギド類、ジアゾ化合物類、あるいはジア
リールエテン類等の化合物が提案されている。近年、こ
の様なフォトクロミック化合物を可逆的な光記録材料と
して利用すべく、精力的に研究がなされているが、光記
録材料へ応用するためには次の様な基本性能が要求され
る。すなわち、記録の安定性、繰り返し耐久性、
半導体レーザー感受性、高い感度、等である。ところ
が、現在知られているフォトクロミック化合物の多く
は、着色状態又は消色状態のどちらか一方が熱的に不安
定であり、室温に於ても、数時間以内により安定な状態
に戻るため、記録の安定性が確保できないという欠点を
有している。これらの中で、光照射による二つの状態が
熱的に比較的安定である化合物として、フルギド類やジ
アリールエテン類が知られているが、記録材料として利
用するには、安定性が未だ不十分である、繰り返し
耐久性が劣っている、半導体レーザー感受性に乏し
い、感度(分子吸光係数)が小さい等といった欠点の
いずれかを有しており、未だ全ての性能を満足するフォ
トクロミック化合物が得られていないのが実情である。
【0003】また、フォトクロミック化合物の光記録の
原理は光反応による2つの構造の一方を記録状態、他方
を消去状態とし、特定の波長での吸光度の差を読み出す
ものであり、可逆的な記録の書き込み、消去が可能であ
る。フォトクロミック化合物を用いた光記録媒体は作製
が用意で、量産性に優れた特長を有している。しかしな
がら、フォトクロミック化合物は、通常記録の有無を2
つの構造の光吸収率の差で検出するため、再生時にも光
吸収による構造変化が伴い、何回も再生を行うと記録が
消滅してしまう欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、着色状態の熱安定性、繰り返し耐久性、半
導体レーザー感受性、感度(分子吸光係数)等、フォ
トクロミック材料として優れた性能を有する、新規ジア
リールエテン系化合物を提供するにある。また、本発明
の他の目的は、再生時に記録の破壊を防止できるジアリ
ールエテン系化合物を用いた光記録媒体の光記録・再生
法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上述の目的は、下記一般式
(1)にて示される共役二重結合鎖を有するジアリール
エテン系化合物により達成される。
【化9】 (但し、式中n、A、Bは前記に同じ。) また、上述の他の目的は、下記一般式(1)にて示され
るジアリールエテン系化合物を記録材料とする光記録媒
体を用い、紫外光を照射して着色状態に変化させること
により初期化を行った後、可視光を照射して無色状態に
変化させることにより情報の記録を行い、書き込まれた
記録情報を可視光を照射して再生する光記録・再生法に
おいて、再生時の光記録媒体温度を、記録時の光記録媒
体温度より40℃以上低く設定することを特徴とするジ
アリールエテン系化合物を用いた光記録媒体の光記録・
再生法により達成される。
【0006】次に本発明を詳しく説明する。本発明のジ
アリールエテン系化合物は前記一般式(1)で示される
ものであり、nは2〜5の整数で、二重結合と共同して
4〜7員環の環状構造を有する。中でもnが3又は4の
5又は6員環構造が特に好ましいフォトクロミック特性
を示す。Aは前記一般式(2)で示されるベンゾチエニ
ル基を表す。lは1又は2の整数を表し、R1 はアルキ
ル基を表すが、メチル、エチル、プロピル基といった低
級アルキル基が好ましい。R2 〜R4 は水素原子、アル
キル基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基又は
アルコキシ基を表すが、化合物の吸収波長を半導体レー
ザー発振波長域まで長波長化するためには、R3 〜R4
の少なくとも一つがアルコキシ基又はジアルキルアミノ
基であることがより好ましい。
【0007】Bは前記一般式(3)又は一般式(4)で
示されるチエニル基、ベンゾチエニル基を表す。m、o
は1又は2の整数を表し、R5 〜R7 はアルキル基を表
すが、メチル、エチル、プロピル基といった低級アルキ
ル基が好ましい。R8 〜R10は水素原子、アルキル基、
ジアルキルアミノ基、シアノ基、ニトロ基又はアルコキ
シ基を表す。また、一般式(2)〜(4)において、
P、Q、Tは芳香族基又は複素環基を表す。具体的に
は、芳香族基としては、無置換フェニル基を始め、トリ
ル基、メシチル基、アニシル基、ジメチルアニリノ基、
ニトロフェニル基等の1置換あるいは多置換フェニル基
や、ナフチル基、アントラセン基、フェナンスレン基等
の多環状芳香族基が挙げられる。また、複素環基として
は、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピリル基、インド
リル基、フリル基、ベンゾフリル基、イミダゾリル基、
ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、オキサゾリル
基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、トリアゾル基
等が挙げられる。
【0008】本発明のジアリールエテン系化合物は、公
知の方法から適宜選択して製造することができるが、例
えば次の様な方法で製造できる。すなわち、下記一般式
(5)
【化10】 (但し、式中nは前記に同じ。)とアリールリチウム誘
導体ALi及びBLi(A、Bは前記に同じ。)とを同
時に反応させ一段階でジアリールエテン系化合物を得る
方法、あるいは下記一般式(6)
【化11】 (但し、式中n、Bは前記に同じ。)で示されるよう
に、BLiをのみ反応させて一つのアリール基を導入し
たモノアリールエテン誘導体とし、次にもう一方のアリ
ールリチウム誘導体ALiと逐次反応させ二段階でジア
リールエテン系化合物を得る方法、あるいはCとして、
下記一般式(7)もしくは一般式(8)
【化12】 (但し、式中pは0又は1の整数、R1 〜R4 は前記に
同じ。)
【化13】 (但し、式中qは0又は1の整数、R5 、R6 は前記に
同じ。)で示される化合物、又は、Dとして前記一般式
(2)、一般式(3)、一般式(7)あるいは一般式
(8)で表されるアリールリチウム誘導体CLi又はD
Liを同時に、あるいは逐次に反応させ、下記一般式
(9)
【化14】 (但し、式中nは前記に同じ。)で示されるジアリール
エテン系化合物を得たのちに、得られたジアリールエテ
ン系化合物のオレフィン末端の水素原子と置換ベンゼン
ハロゲン化物等の芳香族ハロゲン化物又は複素環ハロゲ
ン化物をパラジウム触媒により反応させ、水素原子と置
換フェニル基等の芳香族基又は複素環基とを交換する方
法、あるいは下記一般式(10)
【化15】 (但し、式中Xは臭素原子又はヨウ素原子を表し、R1
〜R4 は前記に同じ。)で示されるリチオ化ベンゾチオ
フェン誘導体を反応させ、下記一般式(11)
【化16】 (但し、式中n、R1 〜R4 、Xは前記に同じ。)で示
されるハロゲン化ジアリールエテン系化合物とし、さら
に、ハロゲンを金属に置換した後、下記一般式(12)
【化17】 (但し、式中n、R1 〜R4 は前記に同じ。)で示され
るホルミル化ジアリールエテン系化合物として、これを
所定のホスホニウム塩とウイッティヒ反応を行う方法な
どが挙げられるが、各段階の収率によって、全収率の良
い様に各々の方法が適宜選ばれる。
【0009】次に、好適な製造方法の例を挙げると次の
通りである。まず、AX,BX,CX,DX及び下記一
般式(13)
【化18】 (但し、式中X、Yは臭素原子又はヨウ素原子を表し、
A,B,C,D及びR1〜R4 は前記に同じ。)で示さ
れるハロゲン化ベンゾチオフェン誘導体、ハロゲン化チ
オフェン誘導体、ジハロゲン化ベンゾチオフェン誘導体
などのハロゲン化アリール誘導体を、反応温度−45〜
−120℃、好ましくは−70〜−110℃で、アルキ
ルリチウム又はリチウムジアルキルアミドと反応させ、
3位のハロゲン原子をリチウムに置換したアリールリチ
ウム誘導体とする。
【0010】溶媒としては、テトラヒドロフランやジエ
チルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる
が、低温での溶媒凝固を防ぐために、n−ヘキサン、n
−ペンタン等の低級アルカン類を混合してもよい。リチ
オ化剤のアルキルリチウム、リチウムジアルキルアミド
としては、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、
メチルリチム、フェニルリチウム、リチウムジイソプロ
ピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド等が挙げ
られるが、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液が好適に
用いられる。リチオ化剤の量は、ハロゲン化アリール誘
導体の総量に対して1.0〜1.2倍モル使用するのが
好ましく、反応時間は通常20分〜3時間で、好ましく
は30分〜2時間である。
【0011】次に、生成したアリールリチウム誘導体
に、前記一般式(6)で示されるパーフルオロシクロア
ルケンを添加するが、使用するパーフルオロシクロアル
ケンの量は、モノアリールエテン誘導体を得る目的のと
きには、ハロゲン化アリール誘導体の1.0〜1.5倍
モルが好ましく、ジアリールエテン系化合物を得る目的
のときには、ハロゲン化アリール誘導体の0.5倍モル
用いるのが好ましく、希釈せずに、あるいは溶媒に希釈
して添加することができる。反応温度は−60〜−11
0℃、反応時間は30分〜2時間が好ましい。モノアリ
ールエテン誘導体をジアリールエテン系化合物とするに
は、AX、BX、CX、DX、前記一般式(13)(但
し、A、B、C、D、X及びR1 〜R4 は前記に同
じ。)の中から選ばれた一種類のハロゲン化アリール誘
導体を前記と同じ方法でアリールリチウム誘導体とし、
モノアリールエテン誘導体のテトラヒドロフラン溶液を
添加するが、使用するモノアリールエテン誘導体の量は
ハロゲン化アリール誘導体の1.0〜1.2倍モルが好
ましい。この時の反応温度は−60〜−110℃、反応
時間は30分〜2時間が好ましい。
【0012】かくして得られたジアリールエテン系化合
物の内、前記一般式(9)は、更にオレフィン末端の水
素原子と置換ベンゼンハロゲン化物等の芳香族ハロゲン
化物又は複素環ハロゲン化物をパラジウム触媒により反
応させ、水素原子と置換フェニル基等の芳香族基又は複
素環基とを交換するが、使用する置換ベンゼンハロゲン
化物等の芳香族ハロゲン化物又は複素環ハロゲン化物の
量は、オレフィン末端の水素原子の総量に対して1.0
〜2.0倍モル用いるのが好ましい。溶媒としては、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホ
スホリックトリアミド、Nメチルピロリドンに塩基とし
て炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなどを加える
か、もしくは、トリエチルアミン、トリ(n−ブチル)
アミン、トリ(イソプロピル)アミン等のアミン類を塩
基と溶媒を兼ねて用いることができ、特に、トリ(n−
ブチル)アミンが好適に用いられる。更に、原料を溶解
するためにテトラヒドロフランを加えてもよい。
【0013】触媒としては、酢酸パラジウム、塩化パラ
ジウム等の、二価のパラジウム化合物に配位子として、
トリフェニルホスフィン、トリ(オルソトリル)ホスフ
ィン、トリ(2−メトキシフェニル)ホスフィン等のホ
スフィン化合物を加えるが、パラジウム化合物の量は、
オレフィン末端の水素原子の量に対して1.0〜5.0
モル%用い、ホスフィン化合物の量はパラジウム化合物
の総量に対して2.0〜8.0倍モル用いる。あるい
は、二価のパラジウムに予め、ホスフィン化合物を配位
させた触媒、例えば、ビス(トリ(オルソトリル)ホス
フィン)パラジウムジクロライドを1.0〜5.0モル
%が用いても良いが、酢酸パラジウムをオレフィン末端
の水素原子の量に対して1.0〜2.0モル%を加え、
トリ(オルソトリル)ホスフィンをパラジウム化合物の
総量に対して3.0〜6.0倍モル加えるのが好まし
い。反応温度は80〜160℃、反応時間は2時間〜2
00時間、好ましくは20時間〜150時間である。
【0014】又、前記一般式(11)で示されるハロゲ
ン化ジアリールエテン系化合物のハロゲン原子は、リチ
オ化剤により、リチウムに交換され、あるいはマグネシ
ウムと反応させて、グリニヤ試薬に変換した後、ジメチ
ルホルムアミド、N−ホルミルピペリジン等のホルミル
化剤と反応し、前記一般式(12)で示されるホルミル
化ジアリールエテン系化合物が得られる。このホルミル
化ジアリールエテン系化合物は、所定のホスホニウム塩
とウイッティヒ反応を一度又は数度行うことにより、下
記一般式(14)もしくは一般式(15)
【化19】 (但し、式中n、R1 〜R4 、Pは前記に同じ。)
【化20】 (但し、式中n、R1 〜R4 は前記に同じ。)で示され
るジアリールエテン系化合物が得られる。一般式(1
5)で示されるジアリールエテン系化合物を更に所定の
ホスホニウム塩とウイッティヒ反応を行うことにより、
下記一般式(16)
【化21】 (但し、式中n、R1 〜R4 、Pは前記に同じ。)で示
されるジアリールエテン系化合物が得られる。以上の方
法で得られた反応物からジアリールエテン系化合物を得
るには、抽出、カラムクロマトグラフ、再結晶等の方法
を用いて分離、精製すればよい。
【0015】本発明のジアリールエテン系化合物は、そ
の一例として、1−(6−(2−(4−メトキフェニ
ル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−2−(5−(4−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチル−3
−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオ
ロシクロペンテンの例について説明すると、有機溶媒や
適当な樹脂バインダー等の適当な媒体中に於いて、下記
(17)式の様に、
【化22】 開環体に紫外光を照射すると閉環体に変化して着色し、
この閉環体に可視光を照射すると、元の開環体に戻り、
消色する。
【0016】本発明のジアリールエテン系化合物を含有
する光記録媒体は公知の方法で容易に得ることが出来
る。例えば、本発明のジアリールエテン系化合物を公知
の蒸着法により、適当な基板上に蒸着する方法や、本発
明のジアリールエテン系化合物を、ポリエステル樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタク
リル酸樹脂、ポリt−ブチルメタクリル酸樹脂、ポリシ
クロヘキシルメタクリル酸樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂の樹脂バインダーと
共に、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シク
ロヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノー
ル、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、四
塩化炭素、クロロホルム、セロソルブ、ジグライム等の
溶媒に分散又は溶解させて、適当な基板上に塗布する方
法等によって光記録媒体を得ることが出来る。
【0017】この様な光記録媒体において、本発明のジ
アリールエテン系化合物は、着色状態、消色状態共に熱
安定性が高く、水分、酸素に対しても安定で長期間構造
が変化せずに保持され、着消色の繰り返し耐久性にも優
れている。又、着色状態の吸収極大波長は570nmを
越え、吸収端も800nm以上であることから、670
nmや780nmの発振波長を有する半導体レーザーに
対する感受性を有しており、更に、その波長領域での感
度が高い(大きな分子吸光係数を有する)等といった優
れたフォトクロミック特性を有する為、可逆的な光情報
記録媒体等に有効に使用することが出来る。
【0018】また、本発明のジアリールエテン系化合物
を記録材料とする光記録媒体を用い、紫外光を照射して
着色状態に変化させることにより初期化を行った後、可
視光を照射して無色状態に変化させることにより情報の
記録を行い、書き込まれた記録情報を可視光を照射して
再生する光記録・再生において、再生時の光記録媒体温
度を記録時のそれより40℃以上、好ましくは50℃以
上低くすると、再生時の劣化を防止することができ好適
である。本発明のジアリールエテン系化合物の可視光に
よる消色は、著しく温度の影響を受け、例えば、40℃
での消色反応は120℃でのそれに比較して1000倍
以上遅い。すなわち、120℃で消色する光強度のパル
スを40℃では1000回以上繰り返し照射しなければ
消色しない。従って、光記録媒体を前述の温度に制御す
ることで1000回以上の再生が可能となる。具体的な
光記録媒体の温度は、記録時は100〜200℃、再生
時は20〜70℃が好ましい。
【0019】上記光記録媒体の温度を制御する方法とし
ては、別途ヒーター、赤外線、高周波等の加熱源を用い
てもよいが、記録、再生に用いる光の吸収に伴う温度上
昇を利用するのが装置の簡略化の上で好ましい。より具
体的に説明すると、着色状態を未記録部、消色状態を記
録部とし、未記録部に例えば780nmや680nmの
半導体レーザー光で記録する場合には、4〜15mWの
強度のスポットを照射すると光記録媒体の温度が上昇
し、容易に消色して記録できる。この記録部を0.1〜
1mWの弱いレーザー光で再生すると光記録媒体の温度
上昇は小さく、消色反応が著しく抑えられ、記録破壊が
防止できる。従って、光記録媒体によって記録及び再生
のレーザー強度を適宜選ぶことにより記録感度や再生可
能回数を最適化できる。
【0020】
【発明の効果】以上の様に、本発明のジアリールエテン
系化合物は、熱安定性、着消色の繰り返し耐久性、半導
体レーザー感受性、感度等に優れたフォトクロミック特
性を有しており、可逆的光記録材料等、各種の用途に用
いることができる。また、本発明の光記録・再生法によ
れば、ジアリールエテン系化合物の消色反応の大きな温
度依存性を利用することにより記録の再生破壊を防止す
ることができる。従って、本発明のジアリールエテン系
化合物は、着色状態、消色状態共に熱安定性が高く、水
分、酸素等に対しても安定で長期間構造が変化せずに保
持され、着消色の繰り返し耐久性にも優れているため、
可逆的に記録消去のできる安価な光情報記録媒体を提供
することができる。次に、本発明を実施例により具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0021】(実施例1) 1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテ
ニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5
−(4−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブ
タジエニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造
【0022】a)3−ブロモ−6−ヨード−2−メチル
ベンゾチオフェンの製造 容量400mlの2つ口フラスコにヨウ素23.6g
(93mmol)ヨウ素酸9.48g(53.8mmo
l)、硫酸1.56ml、酢酸92.4ml、水34.
8ml、四塩化炭素45.6mlと3−ブロモ−2−メ
チルベンゾチオフェン16.7g(146.8mmo
l)を入れ、70〜80℃に加熱し、48時間かく拌し
た。反応後、反応液をチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液2
00mlに開け、酢酸エチル400mlで3回抽出し、
洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化23)の化合物37.5g(収率7
3.0%)を得た。
【化23】
【0023】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.50(s 1H) 7.15〜8.
21(m 1H) 2)MS m/e 353(M+
【0024】b)3−ブロモ−6−ホルミル−2−メチ
ルベンゾチオフェンの製造 容量1000mlの2つ口フラスコに、実施例1−a)
で製造された3−ブロモ−6−ヨード−2−メチルベン
ゾチオフェン21.2g(60.0mmol)とジエチ
ルエーテル600mlを入れ、窒素気流下で−78℃に
冷却後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液37.6m
l(60.1mmol)を滴下し1時間かく拌した。次
に、ジメチルホルムアミド5.3g(72.5mmo
l)のジエチルエーテル溶液60mlを滴下し、1時間
反応させた。反応終了後、メタノール20mlを加え反
応を停止し、更に水300mlを加えた後、酢酸エチル
500mlで3回抽出した。この有機層を集め、洗浄、
乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下
記構造式(化24)の化合物14.4g(収率94.1
%)を得た。
【化24】
【0025】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.61(s 3H) 7.88(s
2H) 8.26(s 1H) 10.09(s 1H) 2)MS m/e 255(M+ ) 3)IR (KBr) ν (cm-1) 1691(CHO)
【0026】c)3−ブロモ−6−(2−(4−メトキ
シフェニル)−1−エテニル)−2−メチルベンゾチオ
フェンの製造 容量50mlの2つ口フラスコに、4−メトキシベンジ
ルトリフェニルホスホニウムクロリド23.6g(5
6.3mmol)、実施例1−b)で製造された3−ブ
ロモ−6−ホルミル−2−メチルベンゾチオフェン7.
2g(28.2mmol)、炭酸ナトリウム23.4
g、ホルムアミド5.1g、1,4−ジオキサン220
mlを入れ、95℃で24時間還流し反応させた。反応
後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減圧留去した後、残
査にジエチルエーテルを加え、不溶物をろ別した。ろ液
の溶媒を減圧留去し、得られた反応生成物物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式
(化25)の化合物8.4g(収率83.4%)を得
た。
【化25】
【0027】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.51(s 1H) 3.80(s
1H) 6.70〜7.91(m 3H) 2)MS m/e 359(M+
【0028】d)1−(6−(2−(4−メトキシフェ
ニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ
シクロペンテンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、3−ブロモ−6−
((4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メ
チルベンゾチオフェン4.2g(11.7mmol)と
テトラヒドロフラン150mlを入れ、窒素気流下で−
95℃に冷却後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液
8.8ml(14.0mmol)を滴下し1時間かく拌
した。次に、パーフルオロシクロペンテン5.0g(2
3.4mmol)のテトラヒドロフラン溶液25mlを
滴下し、1時間反応させた。反応終了後、メタノール2
0mlを加え反応を停止し、更に水50mlを加えた
後、酢酸エチル200mlで3回抽出した。この有機層
を集め、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られ
た反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製し、下記構造式(化26)の化合物5.0g
(収率90.0%)を得た。
【化26】
【0029】分析値: 1)MS m/e 472(M+
【0030】e)3−ヨード−5−(1,3−ブタジエ
ニル)−2,4−ジメチルチオフェンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、2−プロペニルホ
スホニウムブロミド7.2g(18.9mmol)とジ
エチルエーテル75mlを入れ、窒素気流下で氷冷し、
n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液13.0ml(2
0.8mmol)を滴下し、2時間かく拌した。次に、
3−ヨード−5−ホルミル−2,4−ジメチルチオフェ
ン5.0g(18.9mmol)のテトラヒドロフラン
溶液50mlを滴下し、3時間反応させた。反応終了
後、1規定塩酸10mlを加え反応を停止し、更に水5
0mlを加えた後、酢酸エチル200mlで3回抽出し
た。この有機層を集め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
で中和し、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得ら
れた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、下記構造式(化27)の化合物3.6g
(収率66.0%)を得た。
【化27】
【0031】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.19(s 3H) 2.37(s
3H) 5.00〜6.55(m 2H) 5.65〜7.00(m 3H) 2)MS m/e 290(M+
【0032】f)1−(6−(2−(4−メトキシフェ
ニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−(5−(1,3−ブタジエニル)−2,4
−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5
−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、実施例1−e)で
製造された3−ヨード−5−(1,3−ブタジエニル)
−2,4−ジメチルチオフェン2.6g(8.9mmo
l)とテトラヒドロフラン100mlを入れ、窒素気流
下で−95℃に冷却後、n−ブチルリチウム−ヘキサン
溶液6.7ml(10.7mmol)を滴下し1時間か
く拌した。次に、実施例1−d)で製造された1−(6
−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−
2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,
4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン4.3g
(8.9mmol)のテトラヒドロフラン溶液10ml
を滴下し、1時間反応させた。反応終了後、メタノール
10mlを加え反応を停止し、更に水100mlを加え
た後、酢酸エチル200mlで3回抽出した。この有機
層を集め、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得ら
れた反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、下記構造式(化28)の化合物5.0g
(収率91.7%)を得た。
【化28】
【0033】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.91 2.05 2.17(s 6
H,立体異性体) 2.48(s 3H)3.76(s 3H) 4.90〜8.05(m 14H) 2)MS m/e 616(M+
【0034】g)1−(6−(2−(4−メトキシフェ
ニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−(5−(4−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチル−3
−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオ
ロシクロペンテンの製造 容量100mlの2つ口フラスコに、4−ブロモジメチ
ルアニリン3.2g(16.2mmol)、実施例1−
f)で製造された1−(6−(2−(4−メトキシフェ
ニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−(5−(1,3−ブタジエニル)−2,4
−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5
−ヘキサフルオロシクロペンテン5.0g(8.1mm
ol)、酢酸パラジウム35mg(0.16mmo
l)、トリ(オルソトリル)ホスフィン0.2g(0.
64mmol)、トリ(n−ブチル)アミン26ml、
テトラヒドロフラン5mlを入れ、100℃で120時
間還流し反応させた。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の
溶媒を減圧留去した後、残査にジエチルエーテルを加
え、不溶物をろ別した。ろ液の溶媒を減圧留去し、得ら
れた反応生成物物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーにより精製し、下記構造式(化29)の化合物2.8
g(収率46.5%)を得た。
【化29】
【0035】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.86 2.11 2.15(s 6
H,立体異性体) 2.37(s 3H) 2.95(s 6H) 3.83(s 3H) 6.40〜7.77(m 17H) 2)MS m/e 735(M+
【0036】(実施例2) 1−(6−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−
ブタジエニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−
2−(5−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−
ブタジエニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造
【0037】a)3−ブロモ−6−(2−ホルミル−1
−エテニル)−2−メチルベンゾチオフェンの製造 容量100mlの2つ口フラスコに、実施例1−a)で
製造された3−ブロモ−6−ホルミル−2−メチルベン
ゾチオフェン6.4g(25.0mmol)ホルミルメ
チレントリフェニルホスホラン7.6g(25.0mm
ol)、トルエン70mlを入れ、120時間還流し反
応させた。反応後、溶媒を減圧留去した後、残査にジエ
チルエーテルを加え、不溶物をろ別した。ろ液の溶媒を
減圧留去し、得られた反応生成物物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーにより精製し、下記構造式(化3
0)の化合物5.7g(収率80.9%)を得た。
【化30】
【0038】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.50(s 3H)5.80〜8.8
2(m 5H) 9.58,9.79(w 1H) 2)MS m/e 281(M+
【0039】b)3−ブロモ−(4−(4−メトキシフ
ェニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチルベンゾ
チオフェンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、4−メトキシベン
ジルトリフェニルホスホニウムクロリド14.8g(3
5.3mmol)、実施例2−a)で製造された、3−
ブロモ−6−(2−ホルミル−1−エテニル)−2−メ
チルベンゾチオフェン5.0g(17.7mmol)、
炭酸ナトリウム15.1g、ホルムアミド3.3g、
1,4−ジオキサン120mlを入れ、24時間還流し
反応させた。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減
圧留去した後、残査にジエチルエーテルを加え、不溶物
をろ別した。ろ液の溶媒を減圧留去し、得られた反応生
成物物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し、下記構造式(化31)の化合物5.3g(収率7
8.5%)を得た。
【化31】
【0040】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.54(s 3H) 2.77(s
3H) 6.05〜7.90(m 11H) 2)MS m/e 627(M+
【0041】c)1−(6−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベ
ンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタ
フルオロシクロペンテンの製造 容量500mlの2つ口フラスコに、実施例2−b)で
製造された、3−ブロモ−(4−(4−メトキシフェニ
ル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチルベンゾチオ
フェン4.0g(10.0mmol)とテトラヒドロフ
ラン100mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却
後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液7.5ml(1
2.0mmol)を滴下し1時間かく拌した。次に、パ
ーフルオロシクロペンテン2.1g(10.0mmo
l)のテトラヒドロフラン溶液10mlを滴下し、1時
間反応させた。反応終了後、メタノール10mlを加え
反応を停止し、更に水50mlを加えた後、酢酸エチル
200mlで3回抽出した。この有機層を集め、洗浄、
乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下
記構造式(化32)の化合物4.4g(収率87.5
%)を得た。
【化32】
【0042】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.51(s 3H) 3.86(s
3H) 6.10〜7.94(m 11H) 2)MS m/e 498(M+
【0043】d)3−ヨード−5−(2−ホルミル−1
−エテニル)−2,4−ジメチルチオフェンの製造 実施例2のa)項に於て、3−ブロモ−6−ホルミル−
2−メチルベンゾチオフェンを用いる代わりに、3−ヨ
ード−5−ホルミル−2,4−ジメチルチオフェンを用
い、同様の方法で下記構造式(化29)の3−ヨード−
5−(2−ホルミル−1−エテニル)−2,4−ジメチ
ルチオフェンを得た。収量 5.6g(収率 77.0
%)。
【化29】
【0044】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.35(s 3H) 2.41(s
3H) 6.84〜7.84(m 2H) 9.55 9.69(w 1H) 2)MS m/e 292(M+
【0045】e)3−ヨード−(4−(4−メトキシフ
ェニル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチル
チオフェンの製造 実施例1のc)項に於て、3−ブロモ−6−ホルミル−
2−メチル−3−ベンゾチオフェンを用いる代わりに、
3−ヨード−5−(2−ホルミル−1−エテニル)−
2,4−ジメチルチオフェンを用い、同様の方法で下記
構造式(化34)の3−ヨード−(4−(4−メトキシ
フェニル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチ
ルチオフェンを得た。収量 5.0g(収率 97.0
%)。
【化34】
【0046】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.20(s 3H) 2.37(s
3H) 3.77(s 3H) 6.15〜7.60(m 8H) 2)MS m/e 396(M+
【0047】f)1−(6−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベ
ンゾチエニル)−2−(5−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチル−
3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフル
オロシクロペンテンの製造 容量200mlの2つ口フラスコに、実施例2−e)で
製造された3−ヨード−(4−(4−メトキシフェニ
ル)−1,3−ブタジエニル)−2,4−ジメチルチオ
フェン2.0g(5.0mmol)とテトラヒドロフラ
ン50mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却後、n
−ブチルリチウム−ヘキサン溶液3.8ml(6.0m
mol)を滴下し1時間かく拌した。次に、実施例2−
c)で製造された1−(6−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベ
ンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタ
フルオロシクロペンテン2.5g(5.0mmol)の
テトラヒドロフラン溶液5mlを滴下し、1時間反応さ
せた。反応終了後、メタノール5mlを加え反応を停止
し、更に水50mlを加えた後、酢酸エチル100ml
で3回抽出した。この有機層を集め、洗浄、乾燥の後、
溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式
(化35)の化合物3.7g(収率97.7%)を得
た。
【化35】
【0048】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.86 2.03 2.11(s 6
H,立体異性体) 2.36(s 3H) 3.60(s 3H) 3.62(s 3H) 6.10〜7.99(m 19H) 2)MS m/e 748(M+
【0049】(実施例3) 1,2−ビス(6−(4−(4−メトキシフェニル)−
1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシク
ロペンテンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、実施例2−b)で
製造された3−ブロモ−(4−(4−メトキシフェニ
ル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチルベンゾチオ
フェン3.9g(10.0mmol)とテトラヒドロフ
ラン100mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却
後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液7.6ml(1
2.1mmol)を滴下し1時間かく拌した。次に、実
施例2−c)で製造された1−(6−(4−(4−メト
キシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル
−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5
−ヘプタフルオロシクロペンテン5.0g(10.0m
mol)のテトラヒドロフラン溶液10mlを滴下し、
1時間反応させた。反応終了後、メタノール10mlを
加え反応を停止し、更に水100mlを加えた後、酢酸
エチル200mlで3回抽出した。この有機層を集め、
洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化36)の化合物7.5g(収率9
5.2%)を得た。
【化36】
【0050】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.25 2.45(s 3H,立体異
性体) 3.75(s 3H) 6.05〜8.32(m 11H) 2)MS m/e 784(M+
【0051】(実施例4) 1,2−ビス(6−(2−(4−メトキシフェニル)−
1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造 a)1,2−ビス(6−ヨード−2−メチル−3−ベン
ゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオ
ロシクロペンテンの製造 容量500mlの2つ口フラスコに、実施例1−a)で
製造された3−ブロモ−6−ヨード−2−メチルベンゾ
チオフェン7.0g(20.0mmol)とテトラヒド
ロフラン200mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷
却後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液15.0ml
(24.0mmol)を滴下し1時間かく拌した。 次
に、パーフルオロシクロペンテン2.1g(10.0m
mol)のテトラヒドロフラン溶液10mlを滴下し、
1時間反応させた。反応終了後、メタノール10mlを
加え反応を停止し、更に水100mlを加えた後、酢酸
エチル 200mlで3回抽出した。この有機層を集
め、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反
応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、下記構造式(化37)の化合物10.9g(収
率76.0%)を得た。
【化37】
【0052】分析値: 1)MS m/e 720(M+
【0053】b)1,2−ビス(6−ホルミル−2−メ
チル−3−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5
−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、実施例4−a)で
製造された1,2−ビス(6−ヨード−2−メチル−3
−ベンゾチエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサ
フルオロシクロペンテン7.2g(10.0mmol)
とジエチルエーテル100mlを入れ、窒素気流下で−
78℃に冷却後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液1
5.0ml(24.0mmol)を滴下し1時間かく拌
した。次に、ジメチルホルムアミド1.8g(24.0
mmol)のジエチルエーテル溶液10mlを滴下し、
1時間反応させた。反応終了後、メタノール5mlを加
え反応を停止し、更に水50mlを加えた後、酢酸エチ
ル300mlで3回抽出した。この有機層を集め、洗
浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化38)の化合物4.2g(収率8
4.1%)を得た。
【化38】
【0054】分析値: 1)MS m/e 524(M+
【0055】c)1,2−ビス(2−(4−メトキシフ
ェニル)−1−エテニル)−2−メチルベンゾチオフェ
ン)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロ
ペンテンの製造 容量50mlの2つ口フラスコに、4−メトキシベンジ
ルトリフェニルホスホニウムクロリド13.3g(3
2.0mmol)、実施例4−b)で製造された1,2
−ビス(6−ホルミル−2−メチル−3−ベンゾチオフ
ェン)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシク
ロペンテン2.6g(5.3mmol)、炭酸ナトリウ
ム6.7g、ホルムアミド1.7g、1,4−ジオキサ
ン140mlを入れ、95℃で24時間還流し反応させ
た。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減圧留去し
た後、残査にジエチルエーテルを加え、不溶物をろ別し
た。ろ液の溶媒を減圧留去し、得られた反応生成物物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下
記構造式(化39)の化合物3.5g(収率89.4
%)を得た。
【化39】
【0056】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.21 2.46(s 1H,立体異
性体) 3.76(s 1H) 6.40〜7.95(m 3H) 2)MS m/e 732(M+
【0057】〈吸収スペクトルの測定〉実施例1、2、
3及び4で得られた化合物をベンゼンにそれぞれ2.1
×10-5mol/l、1.5×10-5mol/l、3.
5×10-5mol/l、2.2×10-5mol/lにな
るように溶解して得た溶液を1cm×1cm×4cmの
石英ガラスセルに入れた。これに干渉フィルターを装着
した100W超高圧水銀灯を用いてかく拌しながら36
5nmの光を照射し、溶液を着色させた後、この光定常
状態に於ける溶液の吸収スペクトルを測定した。実施例
1の化合物については、図1に、実施例2の化合物につ
いては、図2に、実施例3の化合物については、図3
に、実施例4の化合物については、図4に着色体及び消
色体の吸収スペクトルを示す。次に、着色体の吸収極大
波長(λmax )と、この極大波長に於ける化合物の分子
吸光係数(ε・λmax )を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】この様に、チオフェン環及びベンゾチオフ
ェン環へのメトキシ基あるいはジメチルアミノ基の導
入、共役二重結合鎖の導入により、着色体の吸収極大波
長は長波長化し、発振波長670nm、あるいは780
nmの半導体レーザー感受性が付与された。更に、この
ベンゾチオフェン環への共役二重結合鎖の導入により、
化合物の分子吸光係数を増大させることができた。
【0060】(実施例5) 1−(6−(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−1
−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2
−(5−(2−(4−シアノフェニル)−1−エテニ
ル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,
4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造
【0061】a)3−ブロモ−6−ヨード−2−メチル
ベンゾチオフェンの製造 容量400mlの2つ口フラスコにヨウ素16.1g
(63.4mmol)ヨウ素酸6.5g(36.6mm
ol)、硫酸1.06ml、酢酸62.9ml、水2
3.7ml、四塩化炭素31.1mlと3−ブロモ−2
−メチルベンゾチオフェン11.4g(100mmo
l)を入れ、70〜80℃に加熱し、48時間かく拌し
た。反応後、反応液をチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液2
00mlに開け、酢酸エチル400mlで3回抽出し、
洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化40)の化合物26.2g(収率7
4.2%)を得た。
【化40】
【0062】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.50(s 1H) 7.15〜8.
21(m 1H) 2)MS m/e 353(M+
【0063】b)3−ブロモ−6−ホルミル−2−メチ
ルベンゾチオフェンの製造 容量1000mlの2つ口フラスコに、実施例5−a)
で製造された3−ブロモ−6−ヨード−2−メチルベン
ゾチオフェン21.2g(60.0mmol)とジエチ
ルエーテル600mlを入れ、窒素気流下で−78℃に
冷却後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液37.6m
l(60.0mmol)を滴下し1時間かく拌した。次
に、ジメチルホルムアミド5.3g(72.5mmo
l)のジエチルエーテル溶液60mlを滴下し、1時間
反応させた。反応終了後、メタノール20mlを加え反
応を停止し、更に水300mlを加えた後、酢酸エチル
500mlで3回抽出した。この有機層を集め、洗浄、
乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下
記構造式(化41)の化合物13.7g(収率89.5
%)を得た。
【化41】
【0064】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.61(s 3H) 7.88(s
2H) 8.26(s 1H) 10.09(s 1H) 2)MS m/e 255(M+ ) 3)IR (KBr) ν (cm-1) 1691(CHO)
【0065】c)3−ブロモ−6−エテニル−2−メチ
ルベンゾチオフェンの製造 容量500mlの2つ口フラスコに、2−プロペニルホ
スホニウムブロミド5.4g(15.0mmol)とジ
エチルエーテル150mlを入れ、窒素気流下で氷冷
し、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液11.3ml
(18.1mmol)を滴下し、2時間かく拌した。次
に、実施例5−b)で製造された3−ブロモ−6−ホル
ミル−2−メチルベンゾチオフェン2.7g(10.6
mmol)のテトラヒドロフラン溶液50mlを滴下
し、3時間反応させた。反応終了後、1規定塩酸10m
lを加え反応を停止し、更に水50mlを加えた後、酢
酸エチル200mlで3回抽出した。この有機層を集
め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、洗浄、乾
燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記
構造式(化42)の化合物2.1g(収率78.3%)
を得た。
【化42】
【0066】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.56(s 3H) 5.21 5.40 5.68 5.96 6.61 6.80 6.92 7.10(3H) 7.15〜7.92(m 3H) 2)MS m/e 253(M+
【0067】d)1−(6−エテニル−2−メチル−3
−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘ
プタフルオロシクロペンテンの製造 容量200mlの2つ口フラスコに、実施例5−c)で
製造された3−ブロモ−6−エテニル−2−メチルベン
ゾチオフェン2.1g(8.3mmol)とテトラヒド
ロフラン80mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却
後、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液6.2ml(1
0.0mmol)を滴下し1時間かく拌した。次に、パ
ーフルオロシクロペンテン3.5g(16.6mmo
l)のテトラヒドロフラン溶液15mlを滴下し、1時
間反応させた。反応終了後、メタノール10mlを加え
反応を停止し、更に水50mlを加えた後、酢酸エチル
200mlで3回抽出した。この有機層を集め、洗浄、
乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下
記構造式(化43)の化合物2.7g(収率88.8
%)を得た。
【化43】
【0068】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.51(s 3H) 5.21 5.40 5.68 5.96 6.61 6.80 6.92 7.10(3H) 7.30〜7.90(m 3H) 2)MS m/e 366(M+
【0069】e)(5−(2−(4−シアノフェニル)
−1−エテニル))−2,4−ジメチル−3−ヨードチ
オフェンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、4−シアノフェニ
ルホスホニウムブロミド27.6g(60.0mmo
l)、2,4−ジメチル−5−ホルミル−3−ヨードチ
オフェン8.0g(30.0mmol)、炭酸カリウム
24.8g(180.0mmol)、ホルムアミド5.
4g(120.0mmol)、1,4−ジオキサン24
0mlを入れ、95°℃で24時間かく拌還流し反応さ
せた。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減圧留去
した後、さらに残査にジエチルエーテルを加え、不溶物
をろ別し、ろ液の溶媒を減圧留去した。得られた反応生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化44)の化合物10.6g(収率9
6.7%)を得た。
【化44】
【0070】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.31(s 3H) 2.42(s
3H) 6.50〜8.01(m 3H) 2)MS m/e 365(M+
【0071】f)1−(6−エテニル−2−メチル−3
−ベンゾチエニル)−2−((5−(2−(4−シアノ
フェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−
チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ
シクロペンテンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、実施例5−e)で
製造された3−ヨード−5−(2−(4−シアノフェニ
ル)−1−エテニル)−2,4−ジメチルチオフェン
2.7g(7.4mmol)とテトラヒドロフラン10
0mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却後、n−ブ
チルリチウム−ヘキサン溶液5.6ml(8.9mmo
l)を滴下し1時間かく拌した。次に、実施例1−d)
で製造された1−(6−エテニル−2−メチル−3−ベ
ンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタ
フルオロシクロペンテン2.7g(7.4mmol)の
テトラヒドロフラン溶液10mlを滴下し、1時間反応
させた。反応終了後、メタノール10mlを加え反応を
停止し、更に水100mlを加えた後、酢酸エチル20
0mlで3回抽出した。この有機層を集め、洗浄、乾燥
の後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記構
造式(化45)の化合物3.2g(収率74.3%)を
得た。
【化45】
【0072】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.70 1.93 2.16 2.3
5 2.45(s 3H,異性体) 5.27〜7.76(m 4H) 2)MS m/e 585(M+
【0073】g)1−(6−(2−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベン
ゾチエニル)−2−((5−(2−(4−シアノフェニ
ル)−1−エテニル))−2,4−ジメチル−3−チエ
ニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシク
ロペンテンの製造 容量100mlの2つ口フラスコに、4−ブロモジメチ
ルアニリン1.4g(7.2mmol)、実施例5−
f)で製造された1−(6−エテニル−2−メチル−3
−ベンゾチエニル)−2−(5−(2−(4−シアノフ
ェニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チ
エニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシ
クロペンテン2.1g(3.6mmol)、酢酸パラジ
ウム16mg(0.07mmol)、トリ(2−メトキ
シフェニル)ホスフィン0.12g(0.46mmo
l)、トリ(n−ブチル)アミン20ml、テトラヒド
ロフラン10mlを入れ、100℃で120時間還流し
反応させた。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減
圧留去した後、残査にジエチルエーテルを加え、不溶物
をろ別した。ろ液の溶媒を減圧留去し、得られた反応生
成物物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し、下記構造式(化46)の化合物1.3g(収率5
0.0%)を得た。
【化46】
【0074】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.67 2.07 2.18 2.4
1(s 2H,異性体) 3.01(s 2H) 6.40〜8.00(m 5H) 2)MS m/e 704(M+
【0075】3)IR(KBr) ν(cm-1) 2225(CN) (実施例6) 1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテ
ニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5
−(2−(4−シアノフェニル)−1−エテニル)−
2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,
5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造
【0076】a)3−ブロモ−6−(2−(4−メトキ
シフェニル)−1−エテニル)−2−メチルベンゾチオ
フェンの製造 実施例5のe)項に於て、3−ヨード−5−ホルミル−
2,4−ジメチルチオフェンを用いる代わりに、3−ブ
ロモ−6−ホルミル−2−メチルベンゾチオフェンを用
い、4−シアノフェニルホスホニウムブロミドを用いる
代わりに、4−メトキシフェニルホスホニウムクロリド
を用い、同様の方法で下記構造式(化47)の化合物
2.9gを得た。(収率 82.0%)。
【化47】
【0077】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.51(s 1H) 3.80(s
1H) 6.70〜7.91(m 2H) 2)MS m/e 359(M+
【0078】b)1−((6−(2−(4−メトキシフ
ェニル)−1−エテニル))−2−メチル−3−ベンゾ
チエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフル
オロシクロペンテンの製造 実施例5のd)項に於て、3−ブロモ−6−エテニル−
2−メチル−3−ベンゾチオフェンを用いる代わりに、
3−ブロモ−6−(2−(4−メトキシフェニル)−1
−エテニル)−2−メチルベンゾチオフェンを用い、同
様の方法で下記構造式(化48)の化合物3.0gを得
た。(収率 90.5%)。
【化48】
【0079】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.55(s 1H) 2.44(s
1H) 6.74〜7.85(m 3H) 2)MS m/e 472(M+ ) 3)IR(KBr) ν(cm-1) 2226(CN)
【0080】c) 1−(6−(2−(4−メトキシフ
ェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチ
エニル)−2−(5−(2−(4−シアノフェニル)−
1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造 実施例5のf)項に於て、1−(6−エテニル−2−メ
チル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,
5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを用いる代わり
に、実施例6のb)項で製造された1−(6−(2−
(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチ
ル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,
5−ヘプタフルオロシクロペンテンを用い、同様の方法
で下記構造式(化49)の化合物1.6gを得た。(収
率 68.8%)。
【化49】
【0081】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.71 1.95 2.23 2.4
1(s 1H) 3.64(s 3H) 6.46〜7.64(m 5H) 2)MS m/e 691(M+
【0082】(実施例7) 1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテ
ニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−(5
−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−
2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,4,4,
5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造
【0083】a)2,4−ジメチル−5−(2−(4−
メトキシフェニル)−1−エテニル)−3−ヨ−ドチオ
フェンの製造 実施例5のe)項に於て、4−シアノフェニルホスホニ
ウムブロミドを用いる代わりに、4−メトキシフェニル
ホスホニウムクロリドを用い、同様の方法で下記構造式
(化50)の化合物8.1gを得た。(収率89.0
%)。
【化50】
【0084】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.27(s 1H) 2.41(s
1H) 3.80(s 1H) 6.40〜7.59(m 2H) 2)MS m/e 370(M+
【0085】b) 1−(6−(2−(4−メトキシフ
ェニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチ
エニル)−2−(5−(2−(4−メトキシフェニル)
−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)
−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペン
テンの製造 実施例5のf)項に於て、5−(2−(4−シアノフェ
ニル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−ヨ−
ドチオフェンを用いる代わりに、実施例7のa)項で製
造された2,4−ジメチル−5−(2−(4−メトキシ
フェニル)−1−エテニル)−3−ヨ−ドチオフェンを
用い、1−(6−エテニル−2−メチル−3−ベンゾチ
エニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオ
ロシクロペンテンを用いる代わりに、実施例6のb)項
で製造された1−(6−(2−(4−メトキシフェニ
ル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシク
ロペンテンを用い、同様の方法で下記構造式(化51)
の化合物1.4gを得た。(収率67.8%)。
【化51】
【0086】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.76 1.98 2.10 2.3
8(s 3H,異性体) 3.62(s 2H) 6.23〜7.76(m 4H) 2)MS m/e 696(M+
【0087】(実施例8) 1−(6−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−
ブタジエニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−
2−(5−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテ
ニル)−2,4−ジメチル−3−チエニル)−3,3,
4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 a)3−ブロモ−6−(2−ホルミル−1−エテニル)
−2−メチルベンゾチオフェンの製造 容量100mlの2つ口フラスコに、実施例5−a)で
製造された3−ブロモ−6−ホルミル−2−メチルベン
ゾチオフェン3.8g(15.0mmol)、ホルミル
メチレントリフェニルホスホラン4.5g(15.0m
mol)、トルエン45mlを入れ、120時間還流し
反応させた。反応後、溶媒を減圧留去した後、残査にジ
エチルエーテルを加え、不溶物をろ別した。ろ液の溶媒
を減圧留去し、得られた反応生成物物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式(化5
2)の化合物3.3g(収率78.3%)を得た。
【化52】
【0088】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.50(s 3H)5.80〜8.8
2(m 5H) 9.58,9.79(w 1H) 2)MS m/e 281(M+
【0089】b)3−ブロモ−(6−(4−(4−メト
キシフェニル)−1,3−ブタジエニル))−2−メチ
ルベンゾチオフェンの製造 容量200mlの2つ口フラスコに、4−メトキシベン
ジルトリフェニルホスホニウムクロリド8.6g(2
0.0mmol)、実施例8−a)で製造された、3−
ブロモ−6−(2−ホルミル−1−エテニル)−2−メ
チルベンゾチオフェン2.9g(10.0mmol)、
炭酸ナトリウム15.1g、ホルムアミド3.3g、
1,4−ジオキサン70mlを入れ、24時間還流し反
応させた。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減圧
留去した後、残査にジエチルエーテルを加え、不溶物を
ろ別した。ろ液の溶媒を減圧留去し、得られた反応生成
物物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化53)の化合物2.6g(収率6
7.5%)を得た。
【化53】
【0090】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.50(s 3H) 3.30(s
3H) 6.02〜7.90(m 11H) 2)MS m/e 385(M+
【0091】c)1−(6−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチル−3−ベ
ンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタ
フルオロシクロペンテンの製造 実施例6のb)項に於て、3−ブロモ−(6−(2−
(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチ
ルベンゾチオフェンを用いる代わりに、実施例4のb)
項で製造された3−ブロモ−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル)−2−メチルベンゾチ
オフェンを用い、同様の方法で下記構造式(化54)の
化合物2.9gを得た。(収率86.8%)。
【化54】
【0092】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.51(s 3H) 3.86(s
3H) 6.10〜7.94(m 11H) 2)MS m/e 498(M+
【0093】d)1−(6−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル−2−メチル−3−ベン
ゾチエニル)−2−(5−(2−(4−メトキシフェニ
ル)−1−エテニル)−2,4−ジメチル−3−チエニ
ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロ
ペンテンの製造 実施例5のf)項に於て、1−(6−エテニル−2−メ
チル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,
5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを用いる代わり
に、実施例4のc)項で製造された1−(6−(4−
(4−メトキシフェニル)−1,3−ブタジエニル−2
−メチル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,
4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを用い、同
様の方法で下記構造式(化55)の化合物2.6gを得
た。(収率71.0%)。
【化55】
【0094】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.75 1.96 2.07 2.3
3(s 9H,異性体) 3.61(s 6H) 6.24〜7.71(m 17H) 2)MS m/e 722(M+
【0095】(実施例9) 1−(6−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテ
ニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−
(2,4−ジメチル−(5−(4−(4−メトキシフェ
ニル)−1,3−ブタジエニル))−3−チエニル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造 a)2,4−ジメチル−(5−(2−ホルミル−1−エ
テニル))−3−ヨードチオフェンの製造 実施例8のa)項に於て、3−ブロモ−6−ホルミル−
2−メチルベンゾチオフェンを用いる代わりに、2,4
−ジメチル−5−ホルミル−3−ヨードチオフェンを用
い、同様の方法で下記構造式(化56)の化合物8.5
gを得た。(収率82.0%)。
【化56】
【0096】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.35(s 3H) 2.41(s
3H) 6.84〜7.84(m 2H) 9.55 9.69(d 1H) 2)MS m/e 292(M+
【0097】b)2,4−ジメチル−(4−(4−メト
キシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−ヨード
チオフェンの製造 実施例8のb)項に於て、3−ブロモ−6−2−ホルミ
ル−1−エテニル−2−メチルベンゾチオフェンを用い
る代わりに、2,4−ジメチル−5−(2−ホルミル−
1−エテニル)−3−ヨードチオフェンを用い、同様の
方法で下記構造式(化57)の化合物10.4gを得
た。(収率97.0%)。
【化57】
【0098】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.20(s 3H) 2.37(s
3H) 3.77(s 3H) 6.15〜7.60(m 8H) 2)MS m/e 396(M+
【0099】c)1−(6−(2−(4−メトキシフェ
ニル)−1−エテニル)−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−((5−(4−(4−メトキシフェニル)
−1,3−ブタジエニル))−2,4−ジメチル−3−
チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ
シクロペンテンの製造 実施例5のf)項に於て、1−(6−エテニル−2−メ
チル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,
5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンを用いる代わり
に、実施例2のb)項で製造された1−(6−(2−
(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−2−メチ
ル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,
5−ヘプタフルオロシクロペンテンを用い、同様の方法
で下記構造式(化58)の化合物1.6gを得た。(収
率76.1%)。
【化58】
【0100】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.87 2.07 2.19 2.3
7(9H,異性体) 3.63(s 6H) 6.46〜7.78(m 17H) 2)MS m/e 722(M+
【0101】〈吸収スペクトルの測定〉実施例5、6、
7、8及び9で得られた化合物をベンゼンにそれぞれ
2.1×10-5mol/l、1.5×10-5mol/
l、1.7×10-5mol/l、1.2×10-5mol
/l及び2.2×10-5mol/lになるように溶解し
て得た溶液を1cm×1cm×4cmの石英ガラスセル
に入れた。これに干渉フィルターを装着した100W超
高圧水銀灯を用いてかく拌しながら365nmの光を照
射し、溶液を着色させた後、この光定常状態に於ける溶
液の吸収スペクトルを測定した。実施例5の化合物につ
いては、図5に、実施例6の化合物については、図6
に、実施例7の化合物については、図7に、実施例8の
化合物については、図8に、実施例9の化合物について
は、図9に、それぞれ着色体及び消色体の吸収スペクト
ルを示す。次に、365nmの光による飽和生成した着
色体の吸収極大波長(λmax )と、この極大波長に於け
る化合物の分子吸光係数(ε・λmax )とを表2に示
す。
【0102】
【表2】
【0103】この様に、チオフェン環及びベンゾチオフ
ェン環へのメトキシ基、シアノ基あるいはジメチルアミ
ノ基の導入、共役二重結合鎖の導入により、化合物の着
色体の吸収極大波長は長波長化し、発振波長670n
m、あるいは780nmの半導体レーザー感受性が付与
され、分子吸光係数は増大した。
【0104】(実施例10)ジアリールエテン系化合物
として、実施例1、2、9にて製造した化合物を用い、
光記録媒体を作製した。光記録媒体の製造は、プリグル
ーブを有する3.5インチのポリカーボネート製ディス
ク基板にスピンコート法によりフォトクロミック化合物
とポリスチレンを1対1に混合した記録膜(膜厚約0.
5μm)を形成した。次いで、その上にスパッタ法によ
りアルミニウムの反射膜を形成した。得られたディスク
盤を365nmの紫外光を主体とする100Wブラック
ライトを20分間照射し、フォトクロミック化合物を全
面着色させた。着色させた記録面に約1μmのスポット
径に絞った680nmの半導体レーザー光を照射し、記
録再生試験を実施した。ディスク回転数1200回/分
(線速度4.3m/秒)、レーザー強度7mW、記録周
波数1MHz(デューティ比50%)で記録し、次いで
同一回転数、レーザー強度0.2mWで再生を行った結
果を表3に示す。なお、記録時の光記録媒体の温度は1
20℃以上、再生時は40℃以下となった。
【0105】
【表3】
【0106】表3の結果より、例えば、試験例1では、
記録直後のCN比は51デシベル(dB)であったが、
同一トラックを10分間再生(再生回数12000回に
相当)したところ、CN比は47デシベル(dB)と記
録直後と大差なく、再生破壊が非常に小さかった。同様
に、試験例2〜3のディスク盤のいずれも10分間の再
生による記録破壊は非常に小さいものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図2】実施例2で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図3】実施例3で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図4】実施例4で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図5】実施例5で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図6】実施例6で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図7】実施例7で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図8】実施例8で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図9】実施例9で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【化33】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/24 516 7215−5D // C07D 333/62 (72)発明者 入江 正浩 福岡県春日市春日公園1丁目29番地

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)にて示される共役二重
    結合鎖を有するジアリールエテン系化合物。 【化1】 (但し、式中nは2〜5の整数を表す。Aは一般式
    (2) 【化2】 を表し、lは1又は2の整数、R1 はアルキル基、R2
    〜R4 は水素原子、アルキル基、ジアルキルアミノ基、
    シアノ基、ニトロ基又はアルコキシ基、Pは芳香族基又
    は複素環基を表す。Bは一般式(3) 【化3】 を表し、mは1又は2の整数、R5 ,R6 はアルキル
    基、Qは芳香族基又は複素環基を表す。又は一般式
    (4) 【化4】 を表し、oは1又は2の整数、R7 はアルキル基、R8
    〜R10は水素原子、アルキル基、ジアルキルアミノ基、
    シアノ基、ニトロ基又はアルコキシ基、Tは芳香族基又
    は複素環基を表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)にて示されるジアリー
    ルエテン系化合物を記録材料とする光記録媒体を用い、
    紫外光を照射して着色状態に変化させることにより初期
    化を行った後、可視光を照射して無色状態に変化させる
    ことにより情報の記録を行い、書き込まれた記録情報を
    可視光を照射して再生する光記録・再生法において、再
    生時の光記録媒体温度を、記録時の光記録媒体温度より
    40℃以上低く設定することを特徴とするジアリールエ
    テン系化合物を用いた光記録媒体の光記録・再生法。 【化5】 (但し、式中nは2〜5の整数を表す。Aは一般式
    (2) 【化6】 を表し、lは1又は2の整数、R1 はアルキル基、R2
    〜R4 は水素原子、アルキル基、ジアルキルアミノ基、
    シアノ基、ニトロ基又はアルコキシ基、Pは芳香族基又
    は複素環基を表す。Bは一般式(3) 【化7】 を表し、mは1又は2の整数、R5 ,R6 はアルキル
    基、Qは芳香族基又は複素環基を表す。又は一般式
    (4) 【化8】 を表し、oは1又は2の整数、R7 はアルキル基、R8
    〜R10は水素原子、アルキル基、ジアルキルアミノ基、
    シアノ基、ニトロ基又はアルコキシ基、Tは芳香族基又
    は複素環基を表す。)
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