JPH05222036A - スルフォン化ジアリールエテン誘導体 - Google Patents

スルフォン化ジアリールエテン誘導体

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JPH05222036A
JPH05222036A JP5739292A JP5739292A JPH05222036A JP H05222036 A JPH05222036 A JP H05222036A JP 5739292 A JP5739292 A JP 5739292A JP 5739292 A JP5739292 A JP 5739292A JP H05222036 A JPH05222036 A JP H05222036A
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JP
Japan
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formula
derivative
compound
reaction
benzothienyl
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Application number
JP5739292A
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English (en)
Inventor
Makoto Kabasawa
誠 椛澤
Atsushi Ishikawa
篤 石川
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
Masahiro Irie
正浩 入江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 次式(1)の化合物。 (式中、Aは2−メチル−1,1ジオキソ−3−ベンゾ
チエニルー又は を、Bは を、nは2〜4の整数を、Rはアルキル基又はシアノ
基を;Rはアルキル基を;R〜RはH,アルキル
基,アルコシキル基,又はジアルキルアミノ基を表わ
す。) 【効果】上記のジアリールエテン化合物は、熱安定性、
耐湿性,感度に優れ,かつ着消色の繰り返し耐久性の良
好なフォトクロミック性を有し,これを用いれば性能の
優れた可逆的光記録材料などを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジアリールエテ
ン系化合物に係り、更に詳細には、フォトクロミック性
を有し、光記録材料等に好適なジアリールエテン系化合
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、記録,記憶材料,複写材料,調光
材料,印刷感光体,レーザー用感光体,マスキング材
料,光量計あるいは表示材料に利用される光照射により
可逆的に色相変化する種々のフォトクロミック性を有す
る化合物が提案されている。例えば、それらのフォトク
ロミック化合物としてベンゾスピロピラン類,ナフトオ
キサジン類,フルギド類,ジアゾ化合物あるいはジアリ
ールエテン類等の化合物が提案されている。
【0003】そして、このようなフォトクロミック化合
物を可逆的な光記録材料に応用するためには特に次のよ
うな性能が要求される。すなわち、(1)記録の安定
性,(2)繰り返し耐久性,(3)高い感度,(4)半
導体レーザー感受性等である。ところが、前記既存のフ
ォトクロミック化合物は、一般に着色状態又は消色状態
のどちらか一方が熱的に不安定であり、室温においても
数時間以内により安定な状態に戻るため、記録の安定性
が確保できないという欠点を有している。又、光照射に
よる二つの状態が熱的には比較的安定なものとして、フ
ルギド類やジアリールエテン類が知られているが、記録
材料に応用するには水分や酸素に対する安定性が十分で
なかったり、あるいは、モル吸光係数が小さく感度が不
足しているといった欠点があり、未だ光記録材料として
十分満足な性能を有するフォトクロミック化合物がない
のが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑み、なされたものであって、その目的とすると
ころは、記録が熱,酸素,水分等に対して安定で、繰り
返し耐久性に優れ、かつモル吸光係数が大きい等フォト
クロミック材料として優れた特性を有するジアリールエ
テン系化合物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、下記一般
式(1)にて示されるジアリールエテン化合物によって
達成される。
【化5】 …(1) (ただし式中nは2〜4の整数を表わす。Aは
【化6】 又は
【化7】 Bは
【化8】 1 はアルキル基又はシアノ基を表わし、R2 はアルキ
ル基を表わす。R3 〜R6 は水素原子,アルキル基,ア
ルコキシ基,又はジアルキルアミノ基を表わす。)
【0006】次に本発明を詳しく説明する。本発明のジ
アリールエテン系化合物は、前記一般式(1)で表わさ
れるものであり、nは2〜5の整数で、二重結合と共同
して、4〜7員環の環状構造を有する。中でもnが3又
は4の5又は6員環が特に好ましいフォトクロミック特
性を示す。Aは
【化9】 又は
【化10】 で示される、1,1−ジオキソベンゾチエニル基又は
1,1−ジオキソチエニル基を表わし、Bは
【化11】 で示されるインドリル基を表わす。R1 はアルキル基又
はシアノ基を表わし、R2 はアルキル基を表わすが、メ
チル,エチル,又はプロピル基の低級アルキル基が好ま
しい。R3 〜R6 は水素原子,アルキル基,アルコキシ
基又はジアルキルアミノ基を表わす。電子供与性のイン
ドリル基と電子吸引性の1,1−ジオキソベンゾチエニ
ル基又は1,1−ジオキソチエニル基との相乗効果で吸
収波長の長波長化と高いモル吸光係数が達成される。
【0007】本発明のジアリールエテン誘導体は種々の
方法により製造可能であるが、例えば次のような方法で
製造される。即ち下記一般式(2)
【化12】 …(2) で示されるシクロパーフルオロアルケン誘導体(nは2
〜5の整数)とスルフォン化アリールリチウム誘導体A
Li及びアリールリチウム誘導体BLi(A,Bは前記
に同じ)を同時に反応させる方法、ALiをのみを反応
させて一つのスルフォン化アリール基が導入された一般
式(3)
【化13】 …(3) (ただし式中n,Aは前記に同じ)で示されるモノスル
フォン化アリールエテン誘導体とし、次にもう一方のア
リールリチウム誘導体BLi(Bは前記に同じ)を前述
のモノスルフォン化アリールエテン誘導体と反応させる
方法、スルフォン化していないベンゾチエニル基又はチ
エニル基を有するジアリールエテン誘導体を酸化剤によ
りベンゾチエニル基又はチエニル基の硫黄原子をスルフ
ォン化する方法、あるいは同様にスルフォン化していな
いベンゾチエニル基又はチエニル基を有するモノアリー
ルエテン誘導体を酸化剤によりスルフォン化した後、前
述のアリールリチウム誘導体BLi(Bは前記に同じ)
と反応させる方法などが挙げられるが、反応操作の簡便
性と収率の上から後2者のモノアリールエテン誘導体又
はジアリールエテン誘導体をスルフォン化する方法が好
ましい。
【0008】好適な製造方法の一例を挙げると次の通り
である。まず下記一般式(4)または(5)
【化14】 …(4)
【化15】 …(5) (ただし、X,Yは臭素原子またはヨウ素原子を表す。
1 は前記に同じ。)で示されるチエニルハライド誘導
体あるいはベンゾチエニルハライド誘導体をアルキルリ
チウムまたはリチウムジアルキルアミドと反応させ、ハ
ロゲンをリチウムに置換したチエニルリチオ誘導体ある
いはベンゾチエニルリチオ誘導体とする。溶媒としては
テトラヒドロフランやジエチルエーテル等のエーテル系
溶媒が好ましく用いられ、更に低温での溶媒凝固を防ぐ
ためにn−ヘキサン,n−ペンタン等の低級アルカンを
混ぜてもよい。リチオ化剤のアルキルリチウム,リチウ
ムジアルキルアミドとしてはn−ブチルリチウム,t−
ブチルリチウム,メチルリチウム,フェニルリチウム,
リチウムジイソプロピルアミド,リチウムジシクロヘキ
シルアミド等が挙げられるが、n−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液が好適に用いられる。リチオ化剤の量は、チ
エニルハライド誘導体あるいはベンゾチエニルハライド
誘導体の総量にたいして1.0〜1.2倍モル使用する
のが好ましい。反応温度は、−45〜−120℃で、好
ましくは−70〜−110℃の低温で行う。反応時間は
通常20分〜3時間で、好ましくは30分〜2時間であ
る。
【0009】次に、生成したチエニルリチウム誘導体あ
るいはベンゾチエニルリチウム誘導体に下記一般式
(2)
【化16】 …(2) (但しnは2〜5の整数を表す。)で示されるペルフル
オロシクロアルケン化合物を添加するが、使用するペル
フルオロシクロアルケン化合物の量はチエニルハライド
誘導体あるいはベンゾチエニルハライド誘導体の1.0
〜1.5倍モル用いるのが好ましく、希釈せずに、ある
いは溶媒に希釈して添加することができる。通常この反
応温度は−60〜−110℃で、反応時間は30分〜5
時間である。反応終了後、すぐに水またはアルコール等
を加えて反応を完了させても、また室温まで液温をもど
してから反応を完了させてもよいが低温のうちに反応を
完了させた方が収率がよい。かくして一般式(6)で示
されるモノチエニルエテン誘導体あるいは一般式(7)
で示されるモノベンゾチエニルエテン誘導体が得られ
る。
【化17】 …(6)
【化18】 …(7) (但しn,R1 は前記に同じ。)
【0010】次に、ジアリールエテン誘導体を得るため
には一般式(8)
【化19】 …(8) (但し、Zは臭素原子またはヨウ素原子を表しR2 〜R
6 は前記に同じ。)で示されるインドリルハライド誘導
体を前記と同じ方法でインドリルリチウム誘導体とし、
これに前述のモノチエニルエテン誘導体あるいはモノベ
ンゾチエニルエテン誘導体のテトラヒドロフラン溶液を
添加するが、使用するモノチエニルエテン誘導体あるい
はモノベンゾチエニルエテン誘導体の量はジアルキルア
ミノインドリルハライド誘導体の1.0〜1.2倍モル
用いるのが好ましい。通常この反応温度は−60〜−1
10℃で、反応時間は30分〜5時間である。反応終了
後、すぐに水またはアルコール等を加えて反応を完了さ
せても、また室温まで液温をもどしてから反応を完了さ
せてもよいが低温のうちに反応を完結させた方が収率が
よい。
【0011】製造方法としては上記のように一般式
(6)あるいは(7)で示されるモノアリールエテン誘
導体と一般式(8)で示されるインドリル誘導体を反応
させる方法とは逆に、まず上記一般式(8)で示される
インドリル誘導体から下記一般式(9)
【化20】 …(9) (但しn,R2 〜R6 は前記に同じ。)で示されるモノ
インドリルエテン誘導体を合成した後に、前記一般式
(4)あるいは(5)で示されるチエニルハライド誘導
体あるいはベンゾチエニルハライド誘導体と反応させて
もよい。リチオ化反応,モノアリールエテン合成,ジア
リールエテン合成ともに前述の製造方法と同様な条件下
で行うことができる。
【0012】また、他の製造方法として前記一般式
(8)で示されるインドリル誘導体と、前記一般式
(4)で示されるチエニル誘導体あるいは前記一般式
(5)で示されるベンゾチエニル誘導体とを同時に反応
させることも可能である。すなわち、前記一般式(4)
で示されるチエニル誘導体と前記一般式(8)で示され
るインドリル誘導体の等モル量混合物を、リチオ化剤の
量をチエニル誘導体とインドリル誘導体の総量の1.0
〜1.2倍モル使用すること以外は前述の製造方法と同
様な条件下でリチオ化反応を行う。続いて、やはり前述
の製造方法と同様な条件下で前記一般式(6)で示され
るペルフルオロシクロアルケン化合物を添加することに
よって得ることができる。前2者の逐次反応では、2種
類のアリール基が導入されたジアリールエテン化合物を
選択的に得る利点を有し、一方最後の同時反応では1ポ
ット2段階反応の簡便さが特長である。かくして一般式
(10)或いは(11)で示されるジアリールエテン誘
導体が得られる。
【化21】 …(10)
【化22】 …(11) (但し、n,R1 〜R6 は前記に同じ)
【0013】得られた一般式(6)又は(7)で示され
るモノアリールエテン誘導体あるいは一般式(10)、
又は(11)で示されるジアリールエテン誘導体をスル
フォン化する方法としては、過酸化水素,過酢酸,トリ
フルオロ過酢酸,過安息香酸,m−クロロ過安息香酸,
ジメチルジオキシラン,t−ブチルヒドロペルオキシド
オキソン(Oxone Du.pont社製),過マン
ガン酸カリウム等の酸化剤と反応させ、硫黄原子をスル
フォン化する方法などが挙げられるが、好ましくはm−
クロロ過安息香酸,ジメチルジオキシランが好適に用い
られる。過酸化物の量は、硫黄原子の総量に対して2.
0〜5.0倍当量用いるのが好ましい。溶媒としては、
ジクロロメタン,1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶
媒が好ましく用いられる。反応温度は−70℃〜50℃
で、好ましくは−20℃〜30℃で行う。反応時間は、
1時間〜72時間、好ましくは4時間〜24時間であ
る。以上の方法で得られた反応物からジアリールエテン
化合物を得るには、抽出,カラムクロマトグラフ,再結
晶法等の方法を用いて分離,精製すればよい。本発明の
ジアリールエテン化合物は、その一例として1−(2−
メチル−1,1−ジオキソ−3−ベンゾチエニル)−2
−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3,3,
4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの例に
ついて説明すると、下記(4)式のように紫外光により
閉環体に変化して青紫色になる。
【化23】
【化24】
【0014】また、この閉環体に可視光を照射すると、
元の開環体に戻り、消色する。本発明のジアリールエテ
ン化合物は、着色状態も消色状態も熱安定性が高く、又
水分に対しても安定で、長期間変化せず、良好に保持さ
れる。また、着消色の繰り返し耐久性にも優れ、可逆的
な光情報記録材料に有利に使用することができる。着色
状態の吸収が700nm以上となるので670nm或い
は、780nmの発振波長を有する半導体レーザーを使
用することができ、又記録の感度に影響する閉環体のモ
ル吸光係数も大きくなるので、光記録材料に好適に用い
ることができる。本発明の新規ジアリールエテン化合物
を含有する記録層を利用した光記録材料は、公知の方法
で容易に得ることができる。例えば、本発明のジアリー
ルエテン化合物を、公知の蒸着法により適当な基板上に
蒸着する方法、本発明のジアリールエテン化合物を、ポ
リエステル樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹
脂,ポリ酢酸ビニル樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,
ポリメチルメタクリル酸樹脂,ポリカーボネイト樹脂,
フェノール樹脂,エポキシ樹脂等の樹脂バインダーと共
に、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,シクロヘキサン,
メチルエチルケトン,アセトン,メタノール,エタノー
ル,テトラハイドロフラン,ジオキサン,四塩化炭素,
クロロホルム等の溶媒に分散又は溶解させて、適当な基
板上に塗布する方法、本発明のジアリールエテン化合物
を前記のような溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入する
方法、等により、記録層を形成し、光記録材料とするこ
とができる。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明のジアリールエテ
ン化合物は、熱安定性,耐湿性,感度に優れ、かつ着消
色の繰り返し耐久性の良好なフォトクロミック性を有
し、これを用いれば性能の優れた可逆的光記録材料など
を得ることができる。以下に、実施例を挙げて本発明を
具体的に説明する。
【0016】(実施例1) (1)1−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2,
3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテ
ンの製造 500mlの3つ口フラスコ中で3−ブロモ−2−メチル
ベンゾチオフェン11.4g(50mmol)をジエチルエ
ーテル250mlに溶かし、窒素気流下、−60℃で、
1.6規定のn−ブチルリチウムヘキサン溶液50mmol
を30分間かけて滴下し、1時間攪拌した。次にパーフ
ルオロシクロペンテン10.6g(50mmol)のジエチ
ルエーテル溶液50 molを30分間かけて滴下した。3
時間反応させ、メタノールを滴下して反応を終結させ、
水洗しジエチルエーテルで3回抽出した。有機層を集
め、乾燥後ジエチルエーテルを留去した。反応生成物を
シリカゲルのカラムクロマトグラフを用い分離,精製し
た結果下記構造の1−(2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシ
クロペンテンを14.5g(収率85%)白色結晶とし
て得た。
【化25】 分析値: (I) 1H−NMR(CDCl3 ) δ(ppm) 2.51(s,3H) 7.20〜8.
00(m,4H) (II)MS(m/e) 340(M+
【0017】(2)1−(2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造 500mlの3つ口フラスコ中で3−ブロモ−1,2−ジ
メチルインドール5.4g(24mmol)をテトラハイド
ロフラン150mlに溶かし、窒素気流下−60℃で、
1.6規定のn−ブチルリチウムヘキサン24mmolを3
0分間かけて滴下し、1時間攪拌した。次に実施例1−
(1)で合成した1−(2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシ
クロペンテン8.2g(24mmol)のテトラハイドロフ
ラン溶液20mlを30分間かけて滴下した。3時間反応
させ、メタノールを滴下して反応を終結させ、水洗し、
ジエチルエーテルで3回抽出した。ジエチルエーテル層
を集め乾燥後、ジエチルエーテルを留去した。反応生成
物をシリカゲルのカラムクロマトグラフを用い分離精製
した結果下記構造の1−(2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンを7.8g(収率70%)白色結晶として得た。
【化26】 分析値: (I) 1H−NMR(CDCl3 ) δ(ppm) 1.91(s,3H) 2.23(s,
3H) 3.41(s,3H) 7.07〜7.66
(m,8H) (II)MS(m/e) 465(M+
【0018】(3)1−(2−メチル−1,1−ジオキ
ソ−3−ベンゾチエニル)−2−(1,2−ジメチル−
3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフ
ルオロシクロペンテンの製造 500mlの2つ口フラスコ中で実施例1−(2)で合成
した1−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2−
(1,2−ジメチル−3−インドリル)−3,3,4,
4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン4.7g
(10mmol)をジクロロメタン100mlに溶かし氷冷下
で70%メタクロロ過安息香酸4.9g(20mmol)の
ジクロロメタン溶液100mlを滴下し、室温まで戻し1
2時間攪拌した。反応後、析出した沈澱を濾別し、濾液
を亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液炭酸水素ナトリウム
飽和水溶液で洗浄した後有機層を集め乾燥後ジクロロメ
タンを留去した。反応生成物をヘキサンにより再結晶し
た結果、下記構造の1−(2−メチル−1,1−ジオキ
ソ−3−ベンゾチエニル)−2−(1,2−ジメチル−
3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−ペンタフ
ルオロシクロペンテン4.9g(収率99%)を得た。
【化27】 分析値: (I) 1H−NMR(CDCl3 ) 2.10(s,3H) 2.11(s,3H) 3.5
7(s,3H) 7.11〜7.70(m,8H) (II)MS(m/e) 497(M+ ) (III)IR(cm-1) 1173 1309(Vso2)
【0019】(4)フォトクロミック性 上記で合成した化合物をベンゼンに10-4モル/lにな
るように溶解して得た溶液を1×1×4cmの石英ガラ
スセルに入れ、これに401nmの干渉フィルター(日
本真空光学社製)を装着した100W超高圧水銀灯(オ
スラム社製)により401nmの光を30秒間照射した
ところ青紫色に着色した。吸収スペクトルは図1に実線
で示すものから583nmに極大吸収を持つ、点線で示
すものに変化した。次に、青紫色に着色した溶液にカッ
トフィルター(日本真空光学社製)を装着した100W
の超高圧水銀灯により500nm以上の可視光を30秒
間照射したところ、ただちに消色し、元の黄色の状態に
変化した。この変化は可逆的に繰り返すことができた。
着色体の583nmにおけるモル吸光係数は、ベンゼン
中で12500と高いものであった。
【0020】繰り返し耐久性(可逆的着色消色サイクル
耐性) 上記で合成した化合物の10mgをポリメチルメタクリ
レート100mgとともにトルエン1mlに溶解し、これ
を1×3cm角の石英ガラス板上にスピンコーティング
法により塗布,乾燥して記録層を作製した。この記録層
の吸収スペクトルの583nmにおける吸光度は0.0
39であった。この記録層に401nmの干渉フィルタ
ー(日本真空光学社製)を装着した100Wの超高圧水
銀灯(オスラム社製)により401nmの光を120秒
間照射し、全面着色状態にした。得られた着色状態の吸
収スペクトルの583nmにおける吸光度は0.430
であった。次にこの着色状態の記録層にカットフィルタ
ー(日本真空光学社製)を装着した100Wの超高圧水
銀灯により500nm以上の黄色光を60秒間照射した
ところ消色し、この記録層の吸収スペクトルの吸光度は
0.039に戻った。この2種類の光の交互照射により
着色消色を1サイクルとして、繰り返し耐久性試験を行
った。この結果を図2に示した。図2に示すように30
0回繰り返した時点での583nmの吸光度は消色状態
で0.040、着色状態で0.428と優れた繰り返し
耐久性を有していた。
【0021】保存安定性 繰り返し耐久性で使用したものと同様にして作製した記
録層の2枚のうち一方を紫外光により着色し、他方を未
着色のまま、アルミホイルで遮光し、温度80℃,湿度
65%RHの恒温恒湿槽に入れ、吸光度の変化を観察し
た。その結果を図3に示してあるが、30日間経過して
も吸光度の変化はほとんどなく、記録を安定に保存する
ことができた。
【0022】(実施例2) (1)1−(2−メチル−1,1−ジオキソ−3−ベン
ゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフ
ルオロシクロペンテンの製造 300mlの2つ口フラスコ中で実施例1−(1)で合成
した1−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2,
3,3,4,4,5,5−ペンタフルオロシクロペンテ
ン5.10g(15mmol)をジクロロメタン50mlに溶
かし、氷冷下で70%メタ−クロロ−過安息香酸7.4
g(30mmol)のジクロロメタン溶液70mlを滴下し、
室温まで戻し12時間攪拌した。反応後、析出した沈澱
を濾別し、濾液を、亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液,
炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した後有機層を集
め、乾燥後ジクロロメタンを留去した。反応生成物をヘ
キサンにより再結晶した結果下記構造の1−(2−メチ
ル−1,1−ジオキソ−3−ベンゾチエニル)−2,
3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテ
ン5.4g(収率97%)を得た。
【化28】 分析値 (I) 1H−NMR(CDCl3 ) δ(ppm) 2.24(s,3H) 7.10〜8.
10(m,4H) (II)MS(m/e) 372(M+ ) (III)IR(cm-1) 1160,1315(Vso2)
【0023】(2)1−(2−メチル−1,1−ジオキ
ソ−3−ベンゾチエニル)−2−(1,2−ジメチル−
5−ジメチルアミノ−3−インドリル)−3,3,4,
4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 100mlの2つ口フラスコに3−ブロモ−1,2−ジメ
チル−5−ジメチルアミノインドール0.92g(3.
4mmol)をテトラハイドロフラン30mlとn−ヘキサン
3mlに溶かし、窒素雰囲気下、−100℃で、1.6規
定のn−ブチルリチウムヘキサン溶液3.4mmolを滴下
し、30分攪拌した。次に、実施例1−(2)で合成し
た1−(2−メチル−1,1−ジオキソ−3−ベンゾチ
エニル)−2,3,3,4,4,5,5−ペンタフルオ
ロシクロペンテン1.28g(3.4mmol)のテトラハ
イドロフラン溶液5mlを20分間で滴下した。1時間反
応させた後、1時間かけて徐々に−60℃まで昇温し、
メタノールを滴下して反応を終結させた。反応終了後、
水洗し、ジエチルエーテルで3回抽出し、ジエチルエー
テル層を集め乾燥後、ジエチルエーテルを留去した。反
応生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフを用いて
分離、メタノール,水により再結晶した結果、下記構造
の1−(2−メチル−1,1−ジオキソ−3−ベンゾチ
エニル)−2−(1,2−ジメチル−5−ジメチルアミ
ノ−3−インドリル)−3,3,4,4,5,5−ヘキ
サフルオロシクロペンテン0.82g(収率45%)を
淡黄色結晶として得た。
【化29】 分析値 (I) 1H−NMR(CDCl3 ) δ(ppm) 2.05(s,3H) 2.07(s,
3H) 2.93(s,6H) 3.52(s,3H)
6.63〜7.69(m,7H) (II)MS(m/e) 540(M+ ) (III)IR(cm-1) 1170,1306(Vso2)
【0024】(4)フォトクロミック性 実施例1と同様にして、ヘキサン中で401nmの光を
照射したところ、670nmに吸収極大を持つ、緑色の
吸収スペクトルに変化した。この着色体は、500nm
以上の光の照射により元の無色の状態に戻り、可逆的変
化が認められた。着色体の670nmにおけるモル吸光
係数は、ベンゼン中で12000と高いものであった。
【0025】
【図面の簡単な説明】
図1は実施例1−(3)で合成した化合物のベンゼン溶
液中の吸収スペクトルの光変化を示す線図である。図2
は実施例1で作製した光記録層の紫外光および可視光の
交互照射にともなう583nmにおける吸光度の変化を
示した線図である。又、図3は実施例1で作製した光記
録層の着色及び消色状態の80℃における経日変化を示
した図である。図4は実施例2−(2)で合成した化合
物のヘキサン溶液での吸収スペクトルの光変化を示す図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)にて示されるジアリー
    ルエテン系化合物。 【化1】 …(1) (ただし式中nは2〜4の整数を表わす。Aは 【化2】 又は 【化3】 Bは 【化4】 1 はアルキル基又はシアノ基を表わし、R2 はアルキ
    ル基を表わす。R3 〜R 6 は水素原子,アルキル基,ア
    ルコキシ基,又はジアルキルアミノ基を表わす。)
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