JPH0748366A - 共役二重結合鎖を有するスルホン化ジアリールエテン系化合物 - Google Patents

共役二重結合鎖を有するスルホン化ジアリールエテン系化合物

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JPH0748366A
JPH0748366A JP20892793A JP20892793A JPH0748366A JP H0748366 A JPH0748366 A JP H0748366A JP 20892793 A JP20892793 A JP 20892793A JP 20892793 A JP20892793 A JP 20892793A JP H0748366 A JPH0748366 A JP H0748366A
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JP20892793A
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Makoto Kabasawa
誠 椛澤
Atsushi Ishikawa
篤 石川
Yasumitsu Fujino
泰光 藤野
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
Masahiro Irie
正浩 入江
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)にて示されるジアリールエ
テン系化合物 【化1】 (但し、式中nは2〜5の整数を表す。Aは一般式
(2) 【化2】 を表し、mは1〜2の整数、R1 、R2 はアルキル基、
3 〜R7 は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を
表す。Bは一般式(3) 【化3】 を表し、R8 はアルキル基、R9 〜R10は水素原子、ア
ルキル基又はアルコキシフェニル基を表す。 【効果】 熱安定性、耐湿性、感度に優れ、かつ着消色
の繰り返し耐久性の良好なフォトクロミック性を有す
る、性能の優れた可逆的光記録材料などを得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジアリールエテ
ン系化合物に係り、更に詳細にはフォトクロミック性を
有し光記録材料等に好適なジアリールエテン系化合物に
関する。
【0002】
【従来の技術】光照射により可逆的に色相変化をする、
いわゆるフォトクロミック化合物は古くから知られてお
り、これらを利用した記録・記憶材料、複写材料、調光
材料、マスキング用材料、光量計、あるいは表示材料等
が種々提案されている。これらフォトクロミック化合物
としては、例えばベンゾスピロピラン類、ナフトオキサ
ジン類、フルギド類、ジアゾ化合物類、あるいはジアリ
ールエテン類等の化合物が提案されている。近年、この
様なフォトクロミック化合物を可逆的な光記録材料とし
て利用すべく、精力的に研究がなされているが、光記録
材料へ応用するためには次の様な基本性能が要求され
る。すなわち、記録の安定性、繰り返し耐久性、
半導体レーザー感受性、高い感度等である。ところ
が、現在知られているフォトクロミック化合物の多く
は、着色状態又は消色状態のどちらか一方が熱的に不安
定であり、室温に於ても、数時間以内により安定な状態
に戻るため、記録の安定性が確保できないという欠点を
有している。これらの中で、光照射による二つの状態が
熱的に比較的安定である化合物として、フルギド類やジ
アリールエテン類が知られているが、記録材料として利
用するには、安定性が未だ不十分である、繰り返し
耐久性が劣っている、半導体レーザー感受性に乏し
い、感度(分子吸光係数)が小さい等といった欠点の
いずれかを有しており、未だ全ての性能を満足するフォ
トクロミック化合物が得られていないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、着色状態の熱安定性、繰り返し耐久性、半
導体レーザー感受性、感度(分子吸光係数)等、フォ
トクロミック材料として優れた性能を有する、新規ジア
リールエテン系化合物を提供するにある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】上述の目的は、下記一般式
(1)にて示される共役二重結合鎖を有するスルホン化
ジアリールエテン系化合物により達成される。
【化4】 (但し、式中n、A、Bは前記に同じ。)
【0005】次に本発明を詳しく説明する。本発明のジ
アリールエテン系化合物は前記一般式(1)で示される
ものであり、nは2〜5の整数で、二重結合と共同して
4〜7員環の環状構造を有する。中でもnが3又は4の
5又は6員環構造が特に好ましいフォトクロミック特性
を示す。Aは前記一般式(2)で示されるチエニル基を
表す。R1 、R2 はアルキル基を表すが、メチル、エチ
ル、プロピル基といった低級アルキル基が好ましい。R
3 〜R7 は水素原子、アルキル基又はアルコキシ基を表
すが、化合物の吸収波長を半導体レーザー発振波長域ま
で長波長化するためには、R3 〜R7 の少なくとも一つ
がアルコキシ基であることがより好ましい。Bは前記一
般式(3)で示される1,1−ジオキソベンゾチエニル
基を表す。R8 はアルキル基を表し、R9 〜R12は水素
原子、アルキル基、又はメトキシフェニル基を表す。
【0006】本発明のジアリールエテン系化合物は公知
の方法から適宜選択して製造することができるが、例え
ば次の様な方法で製造できる。すなわち、下記一般式
(4)
【化5】 (但し、式中nは2〜5の整数を表す。)とアリールリ
チウム誘導体ALi及びBLi(A、Bは前記に同
じ。)とを同時に反応させる方法、あるいはCとして下
記一般式(5)
【化6】 (但し、式中R8 〜R12は前記に同じ。)で示されるC
Liのみを反応させて一つのアリール基を導入したモノ
ベンゾチエニルエテン誘導体とし、次にベンゾチオフェ
ン環の硫黄原子に、過酸化物を反応させることによって
得られたスルホン化モノアリールエテン誘導体と、もう
一つのアリールリチウム誘導体ALiと反応させスルホ
ン化ジアリールエテン系化合物とするか、前記一般式
(1)で示されるジアリールエテン系化合物をスルホン
化し、スルホン化ジアリールエテン系化合物とする。
【0007】次に好適な製造方法の一例を挙げると次の
通りである。まず、下記一般式(6)
【化7】 (但し、式中Xは臭素原子又はヨウ素原子を表し、R8
〜R12は前記に同じ。)で示されるベンゾチエニルジハ
ライド誘導体を、反応温度−45〜−120℃、好まし
くは−70〜−110℃で、アルキルリチウム又はリチ
ウムジアルキルアミドと反応させ、3位のハロゲン原子
をリチウムに置換したリチオ化ベンゾチオフェン誘導体
とする。
【0008】溶媒としては、テトラヒドロフランやジエ
チルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる
が、低温での溶媒凝固を防ぐために、n−ヘキサン、n
−ペンタン等の低級アルカン類を混合してもよい。リチ
オ化剤のアルキルリチウム、リチウムジアルキルアミド
としては、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、
メチルリチウム、フェニルリチウム、リチウムジイソプ
ロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド等が挙
げられるが、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液が好適
に用いられる。リチオ化剤の量は、ハロゲン化ベンゾチ
オフェン誘導体の総量に対して1.0〜1.2倍モル使
用するのが好ましい。反応時間は通常20分〜3時間
で、好ましくは30分〜2時間である。
【0009】次に、生成したリチオ化ベンゾチオフェン
化誘導体に前記一般式(4)で示されるパーフルオロシ
クロアルケン誘導体を添加するが、使用するパーフルオ
ロシクロアルケン誘導体の量はハロゲン化ベンゾチオフ
ェン誘導体の1.0〜1.5倍モルが好ましく、希釈せ
ずに、あるいは溶媒に希釈して添加することができる。
反応温度は−60〜−110℃、反応時間は30分〜2
時間が好ましい。以上の操作の後、下記一般式(7)
【化8】 (但し、式中n、R8 〜R12は前記に同じ。)で示され
るモノベンゾチエニルエテン誘導体が得られる。
【0010】次に、前記一般式(7)で示されるモノア
リールエテン誘導体を過酸化水素、過酢酸、トリフルオ
ロ過酢酸、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸、t−ブ
チルヒドロペルオキシド、ジメチルジオキシラン、Ox
one(Du.Pont社)あるいは過マンガン酸カリ
ウム等の酸化剤と反応させ、硫黄原子をスルホン化する
方法などが挙げられるが、好ましくはメタクロロ過安息
香酸、ジメチルジオキシランが好適に用いられる。過酸
化物の量は、硫黄原子の総量に対して2.0〜5.0倍
モル用いるのが好ましい。溶媒としては、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒が好ましく
用いられる。反応温度は−70〜50℃、好ましくは−
20〜30℃で行う。反応時間は1〜72時間、好まし
くは4〜24時間である。得られたスルホン化モノアリ
ールエテン誘導体は、下記一般式(8)
【化9】 (但し、式中Yは臭素原子又はヨウ素原子を表し、m、
1 〜R7 は前記に同じ。)で示されるハロゲン化チエ
ニル誘導体を前記と同じ方法でリチオ化チオフェン誘導
体とし、これに前述のモノベンゾチエニルエテン誘導体
のテラヒドロフラン溶液を添加するが、使用するモノベ
ンゾチエニルエテン誘導体の量はハロゲン化インドール
誘導体の1.0〜1.2倍モル用が好ましい。この時の
反応温度は−60〜−110℃、反応時間は30分〜2
時間が好ましい。前記一般式(7)、一般式(8)を前
記の方法で同時に、或いは逐次に反応させて得られたジ
アリールエテン誘導体は同様にしてスルホン化ジアリー
ルエテン誘導体とされるが、各段階の収率によって、全
収率が良いように各々の方法が適宜選択される。以上の
方法で得られた反応物からジアリールエテン系化合物を
得るには、抽出、カラムクロマトグラフ、再結晶等の方
法を用いて分離、精製すればよい。
【0011】本発明のジアリールエテン系化合物は、そ
の一例として、1−(1,1−ジオキソ−6−(4−メ
トキシフェニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニル)
−2−(2,4−ジメチル−5−(4−(4−メトキシ
フェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−チエニル)
−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペン
テンの例について説明すると、有機溶媒や適当な樹脂バ
インダー等の適当な媒体中に於いて、下記(9)式の様
に、
【化10】 開環体に紫外光を照射すると閉環体に変化して着色し、
この閉環体に可視光を照射すると、元の開環体に戻り、
消色する。
【0012】本発明のジアリールエテン系化合物を含有
する記録媒体を利用した光記録材料は公知の方法で容易
に得ることが出来る。例えば、本発明のジアリールエテ
ン系化合物を公知の蒸着法により、適当な基板上に蒸着
する方法や、本発明のジアリールエテン系化合物を、ポ
リエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリ酢酸ビニル樹 ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リメチルメタクリル酸樹脂、ポリt−ブチルメタクリル
酸樹脂、ポリシクロヘキシルメタクリル酸樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹
脂バインダーと共に、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、アセ
トン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、四塩化炭素、クロロホルム、セロソルブ、
ジグライム等の溶媒に分散又は溶解させて、適当な基板
上に塗布する方法、あるいは本発明のジアリールエテン
系化合物を前記の様な溶媒に溶解し、適当な基板上に塗
布する方法等によって光記録材料を得ることが出来る。
【0013】この様な光記録材料中に於いて、本発明の
ジアリールエテン系化合物は、着色状態、消色状態共に
熱安定性が高く、水分、酸素等に対しても安定で長期間
構造が変化せずに保持され、着消色の繰り返し耐久性に
も優れている。又、着色状態の吸収極大波長は600n
mを越え、吸収端も800nm以上であることから、6
70nmや780nmの発振波長を有する半導体レーザ
ーに対する感受性を有しており、更に、その波長領域で
の感度が高い(大きな分子吸光係数を有する)等、とい
った優れたフォトクロミック特性を有する為、可逆的な
光情報記録材料等に有効に使用することが出来る。
【0014】
【発明の効果】以上の様に、本発明のジアリールエテン
系化合物は、熱安定性、着消色の繰り返し耐久性、半導
体レーザー感受性、感度等に優れたフォトクロミック特
性を有しており、可逆的光記録材料等、各種の用途に用
いることができる。次に、本発明を実施例により具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0015】(実施例1) 1−(1,1−ジオキソ−2−メチル−6−(4−メト
キシフェニル)−3−ベンゾチエニル)−2−(2,4
−ジメチル−5−(4−(4−メトキシフェニル)−
1,3−ブタジエニル)−3−チエニル)−3,3,
4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造
【0016】a)1−(6−(4−メトキシフェニル)
−2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,
4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの製造 容量1000mlの2つ口フラスコに、3−ブロモ−6
−(4−メトキシフェニル)−2−メチルベンゾチオフ
ェン20.0g(60mmol)とテトラヒドロフラン
600mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却後、n
−ブチルリチウム−ヘキサン溶液45.0ml(72m
mol)を滴下し1時間かく拌した。次に、パーフルオ
ロシクロペンテン18.8g(90mmol)のテトラ
ヒドロフラン溶液90mlを滴下し、1時間反応させ
た。反応終了後、メタノール40mlを加えて反応を停
止し、更に水200mlを加えた後、酢酸エチル400
mlで3回抽出し、この有機層を集め、洗浄、乾燥の
後、溶媒を減圧留去した。得られた反応生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記構造
式(化11)の化合物22.1gを得た。(収率82.
5%)
【化11】
【0017】分析値: 1)MS m/e 446(M+
【0018】b)1−(1,1−ジオキソ−6−(4−
メトキシフェニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシ
クロペンテンの製造 容量200mlの2つ口フラスコに実施例1−a)で製
造された、1−(6−(4−メトキシフェニル)−2−
メチル−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,
5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン6.7g(15
mmol)をジクロロメタン75mlに溶かし、氷冷下
で70%メタクロロ過安息香酸1.1g(45mmo
l)のジクロロメタン150mlを滴下した後、室温ま
で戻し12時間かく拌した。反応後、溶液を亜硫酸水素
ナトリウム飽和水溶液、炭酸水素ナトリウム飽和水溶
液、1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後有機層
を集め、乾燥後、溶媒を留去した。得られた反応生成物
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、下記構造式(化12)の化合物6.2gを得た。
(収率86.4%)
【化12】
【0019】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.22(s 3H) 3.81(s
3H) 6.79〜8.11(m 7H) 2)MS m/e 478(M+
【0020】(c)2,4−ジメチル−5−(2−ホル
ミル−1−エテニル)−3−ヨードチオフェンの製造 容量100mlの2つ口フラスコに、2,4−ジメチル
−5−ホルミル−3−ヨードチオフェン3.3g(1
2.5mmol)、ホルミルメチレントリフェニルホス
ホラン4.6g(15.0mmol)、トルエン40m
lを入れ、120時間還流し反応させた。反応後、溶媒
を減圧留去した後、残査にジエチルエーテルを加え、不
溶物をろ別した。ろ液の溶媒を減圧留去し、得られた反
応生成物物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、下記構造式(化13)の化合物3.0gを得
た。(収率82.2%)
【化13】
【0021】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.50(s 3H)5.80〜8.2
2(m 5H) 9.58,9.79(d 1H) 2)MS m/e 292(M+
【0022】d)2,4−ジメチル−5−(4−(4−
メトキシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−ヨ
ードチオフェンの製造 容量100mlの2つ口フラスコに、4−メトキシベン
ジルトリフェニルホスホニウムクロリド8.4g(2
0.0mmol)、実施例1−c)で製造された、2,
4−ジメチル−5−(2−ホルミル−1−エテニル)−
3−ヨードチオフェン2.9g(10.0mmol)、
炭酸ナトリウム8.8g、ホルムアミド1.9g、1,
4−ジオキサン50mlを入れ、24時間還流し反応さ
せた。反応後、不溶物をろ別し、ろ液の溶媒を減圧留去
した後、残査にジエチルエーテルを加え、不溶物をろ別
した。ろ液の溶媒を減圧留去し、得られた反応生成物物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、
下記構造式(化14)の化合物3.5gを得た。(収率
88.3%)
【化14】
【0023】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.26(s 3H) 2.40(s
3H) 3.70(s 3H) 6.20〜7.61(m 8
H) 2)MS m/e 396(M+
【0024】e)1−(1,1−ジオキソ−6−(4−
メトキシフェニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−2−(2,4−ジメチル−5−(4−(4−メト
キシフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−チエニ
ル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロ
ペンテンの製造 容量200mlの2つ口フラスコに、実施例1−d)で
製造された2,4−ジメチル−5−(4−(4−メトキ
シフェニル)−1,3−ブタジエニル)−3−ヨードチ
オフェン3.2g(8.0mmol)とテトラヒドロフ
ラン80mlを入れ、窒素気流下で−95℃に冷却後、
n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液6.0ml(9.6
mmol)を滴下し1時間かく拌した。次に、実施例1
−b)で製造された1−(1,1−ジオキソ−6−(4
−メトキシフェニル)−2−メチル−3−ベンゾチエニ
ル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシ
クロペンテン3.8g(8.0mmol)のテトラヒド
ロフラン溶液8mlを滴下し、1時間反応させた。反応
終了後、メタノール5mlを加え反応を停止し、更に水
20mlを加えた後、酢酸エチル100mlで3回抽出
した。この有機層を集め、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧
留去した。得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、下記構造式(化15)の
ジアリールエテン系化合物2.4gを得た。(収率4
1.2%)
【化15】
【0025】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.56 2.03 2.12 2.1
7 2.25 2.35(s 3H 異性体) 3.61(s 1H) 3.65(s 1H) 6.52〜7.91(m 5H) 2)MS m/e 728(M+ ) 3)IR (KBr) ν (cm-1) 1127,1310(SO2
【0026】(実施例2) 1−(1,1−ジオキソ−2−メチル−3−ベンゾチエ
ニル)−2−(2,4−ジメチル−5−(2−(4−メ
トキシフェニル)−1−エテニル)−3−チエニル)−
3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテ
ンの製造 a)1−(2−メチル−3−ベンゾチエニル)−2,
3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテ
ンの製造 実施例1のa)項に於て、3−ブロモ−6−(4−メト
キシフェニル)−2−メチルベンゾチオフェンを用いる
代わりに、3−ブロモ−2−メチルベンゾチオフェンを
用い、同様の方法で下記構造式(化16)のモノアリー
ルエテン系化合物14.5gを得た。(収率84.9
%)。
【化16】
【0027】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.51(s 3H) 7.20〜8.00(m 4H) 2)MS m/e 340(M+
【0028】b)1−(1,1−ジオキソ−2−メチル
−3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5
−ヘプタフルオロシクロペンテンの製造 実施例1のb)項に於て、1−(6−(4−メトキシフ
ェニル)−2−メチルベンゾチエニル)−2,3,3,
4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテンの代わ
りに、実施例2のa)で製造した1−(2−メチル−3
−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘ
プタフルオロシクロペンテンを用い、同様の方法で下記
構造式(化17)のモノアリールエテン系化合物14.
9gを得た。(収率93.8%)。
【化17】
【0029】分析値: 1)MS m/e 372(M+ ) 2)IR (KBr) ν (cm-1)1307(SO2
【0030】c)2,4−ジメチル−5−(2−(4−
メトキシフェニル)−1−エテニル)−3−ヨードチオ
フェンの製造 実施例1のd)項に於て、2,4−ジメチル−5−(2
−ホルミル−1−エテニル)−3−ヨードチオフェンの
代わりに、2,4−ジメチル−5−ホルミル−3−ヨー
ドチオフェンを用い、同様の方法で下記構造式(化1
8)の化合物8.1gを得た。(収率89.0%)。
【化18】
【0031】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.26(s 1H) 2.40(s
1H) 3.79(s1H) 6.42〜7.50(m 2H) 2)MS m/e 370(M+
【0032】d)1−(1,1−ジオキソ−2−メチル
−3−ベンゾチエニル)−2−(2,4−ジメチル−5
−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)−
3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフル
オロシクロペンテンの製造 実施例1のe)項に於て、1−(1,1−ジオキソ−6
−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−3−ベンゾ
チエニル)−2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフル
オロシクロペンテンを用いる代わりに、実施例2のb)
項で製造された1−(1,1−ジオキソ−2−メチル−
3−ベンゾチエニル)−2,3,3,4,4,5,5−
ヘプタフルオロシクロペンテンを用い、2,4−ジメチ
ル−5−(4−(4−メトキシフェニル)−1,3−ブ
タジエニル)−3−ヨードチオフェンを用いる代わり
に、実施例2のc)項で製造された2,4−ジメチル−
5−(2−(4−メトキシフェニル)−1−エテニル)
−3−ヨードチオフェンを用い、同様の方法で下記構造
式(化19)のジアリールエテン系化合物2.8gを得
た。(収率47.0%)。
【化19】
【0033】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.62 1.97 2.04 2.3
5 2.45 (s 9H 異性体) 3.61(s 3H) 6.23〜8.07(m 10H) 2)MS m/e 596(M+
【0034】3)IR (KBr) ν (cm-1)1302(SO2
【0035】(実施例4) 吸収スペクトルの測定 実施例1、2で得られた化合物をベンゼンにそれぞれ、
1.2×10-5mol/l、1.3×10-5mol/l
になるように溶解して得た溶液を1cm×1cm×4c
mの石英ガラスセルに入れた。これにガラスフィルター
を装着した100W超高圧水銀灯を用いてかく拌しなが
ら365nmの光を飽和着色するまで照射し、溶液を着
色させた後、この光定常状態に於ける溶液の吸収スペク
トルを測定した。実施例1、2で得られた化合物につい
て、365nmの光で、飽和生成した着色体及び消色体
の吸収スペクトルをそれぞれ、図1、2に示す。実施例
1で得られた化合物の365nmの光で飽和着色状態の
吸収スペクトルの吸収極大は600nmであり、吸収端
は850nmに達し、吸収極大位置での化合物の分子吸
光係数は、ε=33300という高い値を示した。又、
この着消色反応は可逆的に行う事ができた。次に、実施
例1、2の化合物について、365nmの光による飽和
生成した着色体の吸収極大波長(λmax )と、この極大
波長に於ける化合物の分子吸光係数(ε・λmax )を表
1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】この様に、チオフェン環への共役二重結合
鎖の導入及び、ベンゾチオフェン環へのスルホン構造の
導入により、着色体の吸収極大波長は長波長化し、発振
波長670nm、あるいは780nmの半導体レーザー
感受性が付与された。更に、このチオフェン環への共役
二重結合鎖の導入により、化合物の分子吸光係数を増大
させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図2】実施例2で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)にて示される共役二重
    結合鎖を有するスルホン化ジアリールエテン系化合物。 【化1】 (但し、式中nは2〜5の整数を表す。Aは一般式
    (2) 【化2】 を表し、mは1〜2の整数を表し、R1 、R2 はアルキ
    ル基、R3 〜R7 は水素原子、アルキル基又はアルコキ
    シ基を表す。Bは一般式(3) 【化3】 を表し、R8 はアルキル基、R9 〜R12は水素原子、ア
    ルキル基又はアルコキシフェニル基を表す。)
JP20892793A 1993-07-30 1993-07-30 共役二重結合鎖を有するスルホン化ジアリールエテン系化合物 Pending JPH0748366A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004277416A (ja) * 2003-02-27 2004-10-07 Masahiro Irie ジアリールエテン系化合物、フォトクロミック材料および光機能素子
JP2009062344A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Kyushu Univ 熱不可逆性逆フォトクロミック分子材料
US7759502B2 (en) * 2001-08-27 2010-07-20 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Stilbene derivatives and their use for binding and imaging amyloid plaques

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