JP2793714B2 - ジアリールエテン系化合物及びその製造法 - Google Patents
ジアリールエテン系化合物及びその製造法Info
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- JP2793714B2 JP2793714B2 JP30298090A JP30298090A JP2793714B2 JP 2793714 B2 JP2793714 B2 JP 2793714B2 JP 30298090 A JP30298090 A JP 30298090A JP 30298090 A JP30298090 A JP 30298090A JP 2793714 B2 JP2793714 B2 JP 2793714B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なジアリールエテン系化合物及びその
製造法に係り、更に詳しくは、フォトクロミック性を有
し、光記録材料などに好適なジアリールエテン系化合物
及びその製造法に関する。
製造法に係り、更に詳しくは、フォトクロミック性を有
し、光記録材料などに好適なジアリールエテン系化合物
及びその製造法に関する。
(従来の技術) 近年、記録・記憶材料,複写材料,調光材料,印刷感
光体,レーザ用感光体,マスキング材料,光量計あるい
は表示材料に利用される光照射により可逆的に色相変化
する種々のフォトクロミック性を有する化合物が提案さ
れている。
光体,レーザ用感光体,マスキング材料,光量計あるい
は表示材料に利用される光照射により可逆的に色相変化
する種々のフォトクロミック性を有する化合物が提案さ
れている。
例えば、それらのフォトクロミック化合物としてベン
ゾスピロピラン類,ナフトオキサジン類,フルギド類,
ジアゾ化合物あるいはジアリールエテン類等の化合物が
提案されている。
ゾスピロピラン類,ナフトオキサジン類,フルギド類,
ジアゾ化合物あるいはジアリールエテン類等の化合物が
提案されている。
そして、このようなフォトクロミック化合物を可逆的
な光記録材料に応用するためには特に次のような性能が
要求される。すなわち、(1)記録の安定性、(2)繰
り返し耐久性、(3)高い感度、(4)半導体レーザー
感受性等である。ところが、前記既存のフォトクロミッ
ク化合物は、一般に着色状態又は消色状態のどちらか一
方が熱的に不安定であり、室温に於いても数時間以内に
より安定な状態に戻るため、記録の安定性が確保できな
いという欠点を有している。
な光記録材料に応用するためには特に次のような性能が
要求される。すなわち、(1)記録の安定性、(2)繰
り返し耐久性、(3)高い感度、(4)半導体レーザー
感受性等である。ところが、前記既存のフォトクロミッ
ク化合物は、一般に着色状態又は消色状態のどちらか一
方が熱的に不安定であり、室温に於いても数時間以内に
より安定な状態に戻るため、記録の安定性が確保できな
いという欠点を有している。
又、光照射による二つの状態が熱的には比較的安定な
ものとして、フルギド類やジアリールエテン類が知られ
ているが、記録材料に応用するには水分や酸素に対する
安定性が十分でなかったり、あるいは、着色状態での吸
収が低波長にあるため、光記録材料に簡便に使用できる
半導体レーザーに感受性がないといった問題点が残って
おり、未だ光記録材料として十分満足な性能を有するフ
ォトクロミック化合物がないのが現状である。
ものとして、フルギド類やジアリールエテン類が知られ
ているが、記録材料に応用するには水分や酸素に対する
安定性が十分でなかったり、あるいは、着色状態での吸
収が低波長にあるため、光記録材料に簡便に使用できる
半導体レーザーに感受性がないといった問題点が残って
おり、未だ光記録材料として十分満足な性能を有するフ
ォトクロミック化合物がないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、このような事情に鑑み、なされたものであ
って、その目的とするところは、記録が熱,水分等に対
して安定で、繰り返し耐久性に優れ、かつ半導体レーザ
ーに感受性を有する等フォトクロミック材料として優れ
た特性を有するジアリールエテン系化合物及びその製造
法を提供するにある。
って、その目的とするところは、記録が熱,水分等に対
して安定で、繰り返し耐久性に優れ、かつ半導体レーザ
ーに感受性を有する等フォトクロミック材料として優れ
た特性を有するジアリールエテン系化合物及びその製造
法を提供するにある。
(課題を解決するための手段) 上述の目的は、下記一般式(1)にて示されるジアリ
ールエテン系化合物。
ールエテン系化合物。
並びに、下記一般式(2) にて示されるインドール誘導体と、下記一般式(3) にて示されるチオフェン誘導体とを、ブチルリチウム又
はリチウムジアルキルアミドのリチオ化剤と反応して得
たアリールリチオ化物と、一般式(4) (ただし式中nは2〜5の整数を表わす。) にて示されるパーフルオロアルケン化合物と反応せしめ
ることを特徴とする上記一般式(1)で示されるジアリ
ールエテン系化合物の製造法により達成される。
はリチウムジアルキルアミドのリチオ化剤と反応して得
たアリールリチオ化物と、一般式(4) (ただし式中nは2〜5の整数を表わす。) にて示されるパーフルオロアルケン化合物と反応せしめ
ることを特徴とする上記一般式(1)で示されるジアリ
ールエテン系化合物の製造法により達成される。
本発明のジアリールエテン系化合物は、前記一般式
(1)で表わされるものであり、nは2〜5の整数で、
二重結合と共同して4〜7員環の環状構造を有する。中
でもnが3又は4の5又は6員環が特に好ましいフォト
クロミック特性を示す。Aは で示されるインドリル基を表わし、Bは で示されるチエニル基を表わす。R1はアルキル基を表わ
すが、メチル,エチル又はプロピル基の低級アルキル基
が好ましい。R2〜R5は水素原子,アルキル基,アルコキ
シ基を表わし、R6はアルキル基又はアルコキシ基を表わ
すが、R2〜R6の少なくとも一つ以上がアルコキシ基であ
ることが吸収波長を半導体レーザーの発振波長域まで長
波長化するのに必要である。電子供与性のメトキシ基と
チオフェン環の2位にある電子吸引性のシアノ基との相
乗効果で吸収波長の長波長化が発現される。
(1)で表わされるものであり、nは2〜5の整数で、
二重結合と共同して4〜7員環の環状構造を有する。中
でもnが3又は4の5又は6員環が特に好ましいフォト
クロミック特性を示す。Aは で示されるインドリル基を表わし、Bは で示されるチエニル基を表わす。R1はアルキル基を表わ
すが、メチル,エチル又はプロピル基の低級アルキル基
が好ましい。R2〜R5は水素原子,アルキル基,アルコキ
シ基を表わし、R6はアルキル基又はアルコキシ基を表わ
すが、R2〜R6の少なくとも一つ以上がアルコキシ基であ
ることが吸収波長を半導体レーザーの発振波長域まで長
波長化するのに必要である。電子供与性のメトキシ基と
チオフェン環の2位にある電子吸引性のシアノ基との相
乗効果で吸収波長の長波長化が発現される。
本発明の一般式(1)にて示されるジアリールエテン
系化合物は種々の方法により製造可能であるが、好適な
製造方法の一例を挙げると次の通りである。
系化合物は種々の方法により製造可能であるが、好適な
製造方法の一例を挙げると次の通りである。
まず前記一般式(2)及び(3)で示されるアリール
ハライド、即ちインドール誘導体及びチオフェン誘導体
をブチルリチウム又はリチウムジアルキルアミドと反応
させ、ハロゲンをリチウムに置換したアリールリチオ化
物とする。溶媒としてはテトラハイドロフランやジエチ
ルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる。
2種類のアリールハライドは通常等モル使用すれば良
い。リチオ化剤のブチルリチウム,リチウムジアルキル
アミドとしては、n−ブチルリチウム,i−ブチルリチウ
ム,t−ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミ
ド,リチウムジシクロヘキシルアミド等が挙げられる
が、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液が好適に用いら
れる。リチオ化剤の量は、アリールハライドの総量に対
して0.9〜1.1倍モル使用するのが好ましい。
ハライド、即ちインドール誘導体及びチオフェン誘導体
をブチルリチウム又はリチウムジアルキルアミドと反応
させ、ハロゲンをリチウムに置換したアリールリチオ化
物とする。溶媒としてはテトラハイドロフランやジエチ
ルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる。
2種類のアリールハライドは通常等モル使用すれば良
い。リチオ化剤のブチルリチウム,リチウムジアルキル
アミドとしては、n−ブチルリチウム,i−ブチルリチウ
ム,t−ブチルリチウム,リチウムジイソプロピルアミ
ド,リチウムジシクロヘキシルアミド等が挙げられる
が、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液が好適に用いら
れる。リチオ化剤の量は、アリールハライドの総量に対
して0.9〜1.1倍モル使用するのが好ましい。
反応温度は、−45〜−120℃で、好ましくは−70〜−1
10℃の低温で行なう。反応時間は通常20分〜3時間で、
好ましくは30分〜2時間である。
10℃の低温で行なう。反応時間は通常20分〜3時間で、
好ましくは30分〜2時間である。
次に、生成したアリールリチオ化物に前記一般式
(4)で示されるパーフルオロシクロアルケン化合物を
添加するが、使用するパーフルオロシクロアルケン化合
物の量はアリールハライドの総量に対して0.4〜0.6倍モ
ル用いるのが好ましく、希釈せずにあるいは溶媒に希釈
して添加することができる。通常反応温度は−60〜−11
0℃で、反応時間は30分〜5時間である。反応終了後、
すぐに水を加えて反応を完了させても、又室温まで反応
液温を戻してから反応を完結させても良い。
(4)で示されるパーフルオロシクロアルケン化合物を
添加するが、使用するパーフルオロシクロアルケン化合
物の量はアリールハライドの総量に対して0.4〜0.6倍モ
ル用いるのが好ましく、希釈せずにあるいは溶媒に希釈
して添加することができる。通常反応温度は−60〜−11
0℃で、反応時間は30分〜5時間である。反応終了後、
すぐに水を加えて反応を完了させても、又室温まで反応
液温を戻してから反応を完結させても良い。
製造方法として上記のように一般式(2)及び(3)
で示されるインドール誘導体及びチオフェン誘導体の2
種類のアリールハライドを同時に反応させる方法とは別
に、1種類づつ順次反応させる方法も採用できる。すな
わち、まず一方のアリールハライドをリチオ化し、パー
フルオロシクロアルケン化合物を添加して、一つアリー
ル基が導入された一般式(5)又は(6)で示されるモ
ノアリールエテン誘導体とする。
で示されるインドール誘導体及びチオフェン誘導体の2
種類のアリールハライドを同時に反応させる方法とは別
に、1種類づつ順次反応させる方法も採用できる。すな
わち、まず一方のアリールハライドをリチオ化し、パー
フルオロシクロアルケン化合物を添加して、一つアリー
ル基が導入された一般式(5)又は(6)で示されるモ
ノアリールエテン誘導体とする。
〔ただし、式中、n,A,Bは前記に同じ。〕 次に、もう一方のアリールハライドをリチオ化剤でア
リールリチオ化合物とし、前述のモノアリールエテン誘
導体と反応させる方法である。モノアリールエテン誘導
体は反応液そのまま、又は単離して用いることができ
る。
リールリチオ化合物とし、前述のモノアリールエテン誘
導体と反応させる方法である。モノアリールエテン誘導
体は反応液そのまま、又は単離して用いることができ
る。
後者の逐次反応では、2種類のアリール基の導入され
た目的とするジアリールエテン系化合物を選択的に得る
利点を有する。
た目的とするジアリールエテン系化合物を選択的に得る
利点を有する。
前述の方法で得られた反応物からジアリールエテン系
化合物を得るには、抽出,カラムクロマトグラフィー,
再結晶等の方法を用いて分離,精製すれば良い。
化合物を得るには、抽出,カラムクロマトグラフィー,
再結晶等の方法を用いて分離,精製すれば良い。
本発明のジアリールエテン化合物は、その一例とし
て、1−(1,2−ジメチル−5−メトキシ−3−インド
リル)−2−(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−チエ
ニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン
の例について説明すると、下記(7)式のように紫外光
により閉環体に変化して緑色になる。
て、1−(1,2−ジメチル−5−メトキシ−3−インド
リル)−2−(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−チエ
ニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン
の例について説明すると、下記(7)式のように紫外光
により閉環体に変化して緑色になる。
また、この閉環体に可視光を照射すると、元の開環体
に戻り、消色する。
に戻り、消色する。
本発明のジアリールエテン誘導体は、着色状態も消色
状態も熱安定性が高く、又水分に対しても安定で、長期
間変化せず、良好に保持される。
状態も熱安定性が高く、又水分に対しても安定で、長期
間変化せず、良好に保持される。
又、着消色の繰り返し耐久性にも優れ、可逆的な光情
報記録材料に有利に使用することができる。
報記録材料に有利に使用することができる。
着色状態の吸収極大波長が600nmを超え、吸収端も800
nm以上となるので、670nm又は780nmの発振波長を有する
半導体レーザーを使用することができ、光記録材料に好
適に用いることができる。
nm以上となるので、670nm又は780nmの発振波長を有する
半導体レーザーを使用することができ、光記録材料に好
適に用いることができる。
本発明の新規ジアリールエテン系フォトクロミック化
合物を含有する記録層を利用した本発明の光記録材料
は、公知の方法で容易に得ることができる。
合物を含有する記録層を利用した本発明の光記録材料
は、公知の方法で容易に得ることができる。
例えば、本発明のジアリールエテン系化合物を、公知
の蒸着法により、適当な基板上に蒸着する方法、本発明
のジアリールエテン系化合物を、ポリエステル樹脂,ポ
リスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ酢酸ビニル
樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,ポリメチルメタクリ
ル酸樹脂,ポリカーボネイト樹脂,フェノール樹脂,エ
ポキシ樹脂等の樹脂バインダーと共に、ベンゼン,トル
エン,ヘキサン,シクロヘキサン,メチルエチルケト
ン,アセトン,メタノール,エタノール,テトラヒドロ
フラン,ジオキサン,四塩化炭素,クロロホルム等の溶
媒に分散又は溶解させて、適当な基板上に塗布する方
法、本発明のジアリールエテン系化合物を前記のような
溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入する方法、等によ
り、記録層を形成することによって、光記録材料とする
ことができる。
の蒸着法により、適当な基板上に蒸着する方法、本発明
のジアリールエテン系化合物を、ポリエステル樹脂,ポ
リスチレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂,ポリ酢酸ビニル
樹脂,ポリビニルブチラール樹脂,ポリメチルメタクリ
ル酸樹脂,ポリカーボネイト樹脂,フェノール樹脂,エ
ポキシ樹脂等の樹脂バインダーと共に、ベンゼン,トル
エン,ヘキサン,シクロヘキサン,メチルエチルケト
ン,アセトン,メタノール,エタノール,テトラヒドロ
フラン,ジオキサン,四塩化炭素,クロロホルム等の溶
媒に分散又は溶解させて、適当な基板上に塗布する方
法、本発明のジアリールエテン系化合物を前記のような
溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入する方法、等によ
り、記録層を形成することによって、光記録材料とする
ことができる。
(発明の効果) 以上のように、本発明のジアリールエテン系化合物
は、熱安定性,耐湿性に優れ、かつ発消色の繰り返し耐
久性の良好なフォトクロミック性を有するとともに半導
体レーザーによる記録あるいは消去が可能なので、これ
を用いれば性能の優れた可逆的光記録材料などを得るこ
とができる。
は、熱安定性,耐湿性に優れ、かつ発消色の繰り返し耐
久性の良好なフォトクロミック性を有するとともに半導
体レーザーによる記録あるいは消去が可能なので、これ
を用いれば性能の優れた可逆的光記録材料などを得るこ
とができる。
又、本発明方法によれば、容易にかつ安価にジアリー
ルエテン系化合物を製造できる。
ルエテン系化合物を製造できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
実施例1 (1) 1−(1,2−ジメチル−3−インドリル)−2
−(2−シアノ−3−メトキシ−5−メチルチエニル)
−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの合成 100mlの3つ口フラスコに1,2−ジメチル−3−ブロモ
インドール2.24g(10mmol)と4−ヨウ化−2−シアノ
−3−メトキシ−5−メチルチオフェン2.79g(10mmo
l)とテトラハイドロフラン40mlを入れ、窒素気流下で
−100℃に冷却後、n−ブチルリチウムヘキサン溶液10m
molを滴下し、30分間撹拌した。
−(2−シアノ−3−メトキシ−5−メチルチエニル)
−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの合成 100mlの3つ口フラスコに1,2−ジメチル−3−ブロモ
インドール2.24g(10mmol)と4−ヨウ化−2−シアノ
−3−メトキシ−5−メチルチオフェン2.79g(10mmo
l)とテトラハイドロフラン40mlを入れ、窒素気流下で
−100℃に冷却後、n−ブチルリチウムヘキサン溶液10m
molを滴下し、30分間撹拌した。
次に、パーフルオロシクロペンテン2.12g(10mmol)
のテトラハイドロフラン溶液10mlを15分間で滴下した。
1時間反応させた後、2時間かけて徐々に室温まで戻し
た。
のテトラハイドロフラン溶液10mlを15分間で滴下した。
1時間反応させた後、2時間かけて徐々に室温まで戻し
た。
反応終了後、50mlの水を滴下し、ジエチルエーテルで
3回抽出した。エーテル層を集め、乾燥後、エーテルを
留去した。
3回抽出した。エーテル層を集め、乾燥後、エーテルを
留去した。
反応生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー
を用いて分離,精製した結果、下記構造の1−(1,2−
ジメチル−3−インドリル)−2−(2−シアノ−3−
メトキシ−5−メチル−4−チエニル)−3,3,4,4,5,5
−ヘキサフルオロシクロペンテン1.74g(収率37%)を
淡黄色結晶として得た。
を用いて分離,精製した結果、下記構造の1−(1,2−
ジメチル−3−インドリル)−2−(2−シアノ−3−
メトキシ−5−メチル−4−チエニル)−3,3,4,4,5,5
−ヘキサフルオロシクロペンテン1.74g(収率37%)を
淡黄色結晶として得た。
分析値: (1)1H−NMR δ(ppm) 2.07(s,3H) 2.13(s,3H) 3.65(s,3H) 4.10(s,3H) 7.1〜7.6(m,4H) (II)MS(m/e) 470(M+) (III)IR(cm-1) 2210(νC≡N) (2) フォトクロミック性 上記で合成した化合物をベンゼンに10-4モル/にな
るように溶解して得た溶液を1×1×4cmの石英ガラス
セルに入れ、これにガラスフィルター(U−330,HOYA社
製)を装着した100W水銀灯(オスラム社製)により紫外
光を30秒間照射したところ緑色に着色した。吸収スペク
トルは第1図に実線で示すものから635nmに極大吸収を
持ち、吸収端が850nmを超える点線で示すものに変化し
た。
るように溶解して得た溶液を1×1×4cmの石英ガラス
セルに入れ、これにガラスフィルター(U−330,HOYA社
製)を装着した100W水銀灯(オスラム社製)により紫外
光を30秒間照射したところ緑色に着色した。吸収スペク
トルは第1図に実線で示すものから635nmに極大吸収を
持ち、吸収端が850nmを超える点線で示すものに変化し
た。
次に、緑色に着色した溶液にカットフィルター(日本
真空光学社製)を装着した100Wの水銀灯により500nm以
上の可視光を30秒間照射したところ、ただちに消色し、
元の無色の状態に変化した。この変化は可逆的に繰り返
すことができた。
真空光学社製)を装着した100Wの水銀灯により500nm以
上の可視光を30秒間照射したところ、ただちに消色し、
元の無色の状態に変化した。この変化は可逆的に繰り返
すことができた。
繰り返し耐久性(可逆的着色消色サイクル耐性) 上記で合成した化合物の10mgをポリメチルメタクリレ
ート100mgとともにトルエン1mlに溶解し、これを1×3c
m角の石英ガラス板上にスピンコーティング法により塗
布,乾燥して記録層を作製した。この記録層の吸収スペ
クトルの635nmにおける吸光度は0.038であった。
ート100mgとともにトルエン1mlに溶解し、これを1×3c
m角の石英ガラス板上にスピンコーティング法により塗
布,乾燥して記録層を作製した。この記録層の吸収スペ
クトルの635nmにおける吸光度は0.038であった。
この記録層に360nmの干渉フィルター(日本真空光学
社製)を装着した500Wのキセノンランプ(浜松ホトニク
ス社製)により紫外光を60秒間照射し、全面着色状態に
した。得られた着色状態の吸収スペクトルの635nmにお
ける吸光度は0.392であった。次にこの着色状態の記録
層に670nmの干渉フィルター(日本真空光学社製)を装
着した500Wのキセノンランプにより赤色光を60秒間照射
したところ消色し、この記録層の吸収スペクトルの吸光
度は0.038に戻った。この紫外光,可視光の交互照射に
より着色消色を1サイクルとして、繰り返し耐久性試験
を行った。この結果を第2図に示した。第2図に示すよ
うに300回繰り返した時点での635nmの吸光度は消色状態
で0.042、着色状態で0.369と優れた繰り返し耐久性を有
していた。
社製)を装着した500Wのキセノンランプ(浜松ホトニク
ス社製)により紫外光を60秒間照射し、全面着色状態に
した。得られた着色状態の吸収スペクトルの635nmにお
ける吸光度は0.392であった。次にこの着色状態の記録
層に670nmの干渉フィルター(日本真空光学社製)を装
着した500Wのキセノンランプにより赤色光を60秒間照射
したところ消色し、この記録層の吸収スペクトルの吸光
度は0.038に戻った。この紫外光,可視光の交互照射に
より着色消色を1サイクルとして、繰り返し耐久性試験
を行った。この結果を第2図に示した。第2図に示すよ
うに300回繰り返した時点での635nmの吸光度は消色状態
で0.042、着色状態で0.369と優れた繰り返し耐久性を有
していた。
保存安定性 繰り返し耐久性で使用したものと同様にして作製した
記録層の2枚のうち一方の紫外光により着色し、他方を
未着色のまま、アルミホイルで遮光し、温度80℃,湿度
65%RHの恒温恒湿槽に入れ、吸光度の変化を観察した。
その結果を第3図に示してあるが、30日間経過しても吸
光度の変化はほとんどなく、記録を安定に保存すること
ができた。
記録層の2枚のうち一方の紫外光により着色し、他方を
未着色のまま、アルミホイルで遮光し、温度80℃,湿度
65%RHの恒温恒湿槽に入れ、吸光度の変化を観察した。
その結果を第3図に示してあるが、30日間経過しても吸
光度の変化はほとんどなく、記録を安定に保存すること
ができた。
実施例2 (1) 1−(1,2−ジメチル−5−メトキシ−3−イ
ンドリル)−2−(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−
チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペン
テンの合成 実施例1と同様にして、3−ブロモ−1,2−ジメチル
−5−メトキシインドール2.54g(10mmol)と4−ヨウ
化−2−シアノ−3,5−ジメチルチオフェン2.63g(10mm
ol)を用いて、下記構造の1−(1,2−ジメチル−5−
メトキシ−3−インドリル)−2−(2−シアノ−3,5
−ジメチル−4−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフ
ルオロシクロペンテン1.21g(収率25%)を得た。
ンドリル)−2−(2−シアノ−3,5−ジメチル−4−
チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペン
テンの合成 実施例1と同様にして、3−ブロモ−1,2−ジメチル
−5−メトキシインドール2.54g(10mmol)と4−ヨウ
化−2−シアノ−3,5−ジメチルチオフェン2.63g(10mm
ol)を用いて、下記構造の1−(1,2−ジメチル−5−
メトキシ−3−インドリル)−2−(2−シアノ−3,5
−ジメチル−4−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフ
ルオロシクロペンテン1.21g(収率25%)を得た。
分析値: (1)1H−NMR δ(ppm) 1.99(s,3H) 2.10(s,3H) 2.31(s,3H) 3.56(s,3H) 3.80(s,3H) 6.7〜7.2(m,3H) (II)MS(m/e) 484(M+) (III)IR(cm-1) 2215(νC≡N) (2) フォトクロミック性 実施例1と同様にして、紫外光を照射したところ、67
6nmに吸収極大を持ち、吸収端が900nm近く迄延びた緑色
の吸収スペクトルに変化した。この着色体は、可視光の
照射により元の無色の状態に戻り、可逆的変化が認めら
れた。
6nmに吸収極大を持ち、吸収端が900nm近く迄延びた緑色
の吸収スペクトルに変化した。この着色体は、可視光の
照射により元の無色の状態に戻り、可逆的変化が認めら
れた。
可視光としては、半導体レーザーの発振波長である67
0,780nmの光を消色に使用することができた。
0,780nmの光を消色に使用することができた。
実施例1と同様にして作製した記録膜の繰り返し耐久
性と保存安定性を測定した。
性と保存安定性を測定した。
300回の着色,消色の繰り返しを行なっても、着色,
消色の吸光度差が初期の90%を保持しており、良好な耐
久性があった。又、80℃,65%RHの雰囲気下において30
日間経過しても着色及び消色状態の吸光度にほとんど変
化がなく、優れた耐熱性,耐湿性を有していた。
消色の吸光度差が初期の90%を保持しており、良好な耐
久性があった。又、80℃,65%RHの雰囲気下において30
日間経過しても着色及び消色状態の吸光度にほとんど変
化がなく、優れた耐熱性,耐湿性を有していた。
第1図は実施例1で合成した化合物のベンゼン溶液中の
吸収スペクトルの光変化を示す線図である。第2図は実
施例1で作製した光記録層の紫外光および可視光の交互
照射にともなう640nmにおける吸光度の変化を示した線
図である。又、第3図は実施例1で作製した光記録層の
着色及び消色状態の80℃における経日変化を示した図で
ある。 第4図は実施例2で合成した化合物のベンゼン溶液での
吸収スペクトルの光変化を示す図である。
吸収スペクトルの光変化を示す線図である。第2図は実
施例1で作製した光記録層の紫外光および可視光の交互
照射にともなう640nmにおける吸光度の変化を示した線
図である。又、第3図は実施例1で作製した光記録層の
着色及び消色状態の80℃における経日変化を示した図で
ある。 第4図は実施例2で合成した化合物のベンゼン溶液での
吸収スペクトルの光変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 409/00 - 409/14 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(1)にて示されるジアリール
エテン系化合物。 - 【請求項2】下記一般式(2) にて示されるインドール誘導体と、下記一般式(3) にて示されるチオフェン誘導体とを、ブチルリチウム又
はリチウムジアルキルアミドのリチオ化剤と反応して得
たアリールリチオ化物と、一般式(4) (ただし式中nは2〜5の整数を表わす。) にて示されるパーフルオロアルケン化合物と反応せしめ
ることを特徴とする請求項1に記載の一般式(1)で示
されるジアリールエテン系化合物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30298090A JP2793714B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | ジアリールエテン系化合物及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30298090A JP2793714B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | ジアリールエテン系化合物及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04178383A JPH04178383A (ja) | 1992-06-25 |
JP2793714B2 true JP2793714B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=17915485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30298090A Expired - Lifetime JP2793714B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | ジアリールエテン系化合物及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2793714B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6479604B1 (en) | 1998-08-17 | 2002-11-12 | Korea Research Institute Of Chemical Technology | Diarylethene compound, photochromic diarylethene type copolymer and method for the production of the same |
KR100424862B1 (ko) | 2001-03-06 | 2004-03-31 | 한국화학연구원 | 이속사졸기로 치환된 신규한 광변색성 디아릴에텐계 화합물 |
-
1990
- 1990-11-07 JP JP30298090A patent/JP2793714B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04178383A (ja) | 1992-06-25 |
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