JP3526929B2 - ペルフルオロシクロペンテン誘導体、フォトクロミック材料及び光記録媒体 - Google Patents
ペルフルオロシクロペンテン誘導体、フォトクロミック材料及び光記録媒体Info
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- Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
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Description
クロペンテン誘導体、フォトクロミック材料及びそれを
用いた光記録媒体に関する。
るフォトクロミック材料は、光記録媒体、サングラス等
の光学的フィルター、マスキング用材料、ディスプレイ
用材料等の各種用途に広く使用されている。
種々の有機化合物が知られているが、代表的なものとし
てスピロピラン系化合物が挙げられる(例えば特公昭4
5−28892号公報)。
がフォトクロミック材料として有用であることも知られ
ており、例えば特開平3−261947号公報には、下
記式(3)
様)、の誘導体から成るフォトクロミック材料が記載さ
れている。
フルオロシクロペンテン誘導体のモル吸光係数(ε)は
9100と小さく、このモル吸光係数を増大させるた
め、これにフェニルアゾ基を導入して、下記式(4)
ルオロシクロペンテン誘導体(ε=56000)をフォ
トクロミック材料として用いることが提案されている。
は、光の照射に伴なう分子構造の異性化(閉環、開環)
により、発色乃至消色を生じるものであるが、モル吸光
係数が高いこと、及び発色の場合閉環体への異性化率が
高いこと等が要求される。
ルオロシクロペンテン誘導体では、モル吸光係数(ε)
は向上しているものの、後述する比較例1に示す通り、
異性化分子(閉環分子)への異性化率(転化率、%)が
17%と低く、事実上の感度は式(3)の化合物と変わ
らず、十分な感度が得られないという欠点がある。
クロペンテン誘導体において、そのモル吸光係数(ε)
が高く、しかも閉鎖体への異性化率の高い新規なペルフ
ルオロシクロペンテン誘導体を提供するにある。
及び閉環体への異性化率が高く、像のコントラストに優
れ、感度及び記録の保持性が向上したフォトクロミック
材料及びそれを用いた光記録媒体を提供するにある。
(1)
基であり、R2 は低級アルキル基であり、環A及びBの
各々は未置換でも或いはアルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、シアノ基、水酸基、アミノ基またはハロゲン
原子で置換されていてもよい、で表わされるペルフルオ
ロシクロペンテン誘導体が提供される。
(2)のペルフルオロシクロペンテン誘導体から成るフ
ォトクロミック材料が提供される。
(2)のペルフルオロシクロペンテン誘導体を含有する
層を基体上に設けて成る光記録媒体が提供される。尚、
前記式(1)及び(2)において、低級アルキル基と
は、炭素数が4以下のものを意味する。
ン誘導体のα位及びβ位にチオフェン環を有し且つチオ
フェン環の5−位にフェニルアゾフェニル基を有するこ
とが化学構造上の特徴である。式(1)は開環体であ
り、式(2)は閉環体である。
することで、閉環体への異性化率が、後述する例に示す
とおり、65%と向上し、しかもチオフェン環の5−位
にフェニルアゾフェニル基を導入することで、共役結合
(π結合)が延長され、吸収極大波長が可視域となり、
モル吸光係数(ε)も、後述する例に示すとおり、61
000と向上した。
物は開環体であり、前記一般式(2)の化合物は閉環体
(シクロヘキサジエン)であって、概して開環体は赤色
であるのに対して閉環体は緑色であって色相を異にし、
しかもモル吸光係数(ε)が顕著に向上し、しかも閉環
体への異性化率が顕著に高いレベルに向上したことと相
俟って、高いコントラストが得られる。
体は、閉環体への量子収率が大きく、開環体への量子収
率が小さいことから、カラーフィルター等の一般的なフ
ォトクロミック材料として使用し得ることは勿論である
が、光記録媒体として特に有用である。
図1において、光記録媒体1は、基体(透明基体)2上
に、本発明のペルフルオロシクロペンテン誘導体をポリ
マー中に溶解させたものを記録層3として設けたものか
ら成っている。この記録層3は、書込み前Aでは、開環
体(自抜きで示す)の状態にある。次いで、書込みBに
際して光4を照射する。これにより明部Lではペルフル
オロシクロペンテン誘導体が閉環体(斜線で示す)が生
成し、暗部Dではペルフルオロシクロペンテン誘導体が
開環体のまま残留する。読み取りに際しては、書き込ん
だ記録層3´に光線5を照射すると、前述した暗部Dで
は光線が透過し、明部Lでは光線が遮断されるので、光
線像(ネガ像)に再現することができる。一旦書き込み
を行った記録層3´は、開環量子収率が低いので、これ
を暗所に保存することにより、所定回数の光線像の再現
に用いることができる。使用済みの記録層3´には消去
工程Dで大出力の光源からの光の照射を行うことによ
り、開環体とし、消去を行うことができる。
般式(1)及び(2)のペルフルオロシクロペンテン誘
導体において、チオフェン環の基、R1 は水素原子また
は低級アルキル基であることができ、ここで低級アルキ
ル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等
が挙げられる(以下同様)。メチル基が好ましい。チオ
フェンの基R2 は低級アルキル基であり、立体障害性の
ないメチル基が好ましい。
キル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、水酸
基、アミノ基またはハロゲン原子の一種或いは二種以上
で置換されていてもよい。アルコキシ基としては、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基等の低級アル
コキシ基が挙げられ、アリール基としては、フェニル、
トリル、クミール、ナフチル基等が挙げられる。アミノ
基としては、ジ置換アミノ基、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル基等でジ置換されたアミノ基が挙
げられる。また、ハロゲン原子としては、塩素原子、フ
ッ素原子、臭素原子を挙げることができる。
く、環Aは、合成上アゾカップリング成分であることが
一般に好ましい。かくして、アゾ基に対してp−位にジ
置換アミノ基或いはo−位に水酸基を有するのがよい。
1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−(p−
N,N−ジエチルアミノフェニルアゾ)フェニル)チオ
フェン−3−イル]ペルフルオロシクロペンテン、1,
2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−(o−ヒドロ
キシ−p−N,N−ジエチルアミノフェニルアゾ)フェ
ニル)チオフェン−3−イル]ペルフルオロシクロペン
テン
ンテン誘導体は、下記式(5)
ルフルオロシクロペンテン誘導体と、下記式(6)
段で、アゾカップリングさせることにより合成される。
ルペルフルオロシクロペンテン誘導体は、次のように合
成される。即ち、下記式
フェン類の2位に低級アルキル基を有する誘導体を、式
(8)に示すチエニル塩化亜鉛誘導体とし、これと式
(9)に示すの4−ハロニトロベンゼンとを反応させ
て、式(10)に示す2−低級アルキル−5−p−ニト
ロフェニルチオフェン誘導体とし、これを式(11)に
示す2−低級アルキル−3−ヨード−5−p−ニトロフ
ェニルチオフェン誘導体とし、これをペルフルオロシク
ロペンテンと反応させて、式(12)に示ビスニトロフ
ェニルチエニルペルフルオロシクロペンテン誘導体と
し、このもののニトロ基をアミノ基に還元することによ
り得られる。
テン誘導体は、フォトクロミック材料として有用であ
る。即ち、このペルフルオロシクロペンテン誘導体をポ
リマー中に溶解させて、この組成物を造膜或いは適当な
形状に成形し、フォトクロミック材料として使用する。
マー中に溶解させるには、予め形成されたポリマーの溶
液中にペルフルオロシクロペンテン誘導体の溶液を溶解
させ、この溶液をキャスティング等の手段で造膜乃至成
形する手段を用いることができる。或いは、別法とし
て、重合硬化性のモノマー或いはプレポリマー中にペル
フルオロシクロペンテン誘導体を溶解させ、これをキャ
スティング等の手段で造膜乃至成形した後、重合硬化さ
せる。
脂が使用され、例えばスチレン系重合体やアクリル系重
合体、スチレン−アクリル系共重合体或いはカーボネー
ト系重合体等が使用される。
リル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、マレイン酸モノ又はジ・エチル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、マレイミド、アクロレイン、メタクロレイ
ン、ビニルメチルケトン、ビニルブチルケトン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、γ−ヒドロキシメタ
クリル酸プロピル、 β−ヒドロキシアクリル酸エチ
ル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ア
リルエチルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルビニルエーテル、スチ
レン等の他に、多感能性の単量体、例えばポリアルキレ
ンポリオール(メタ)アクリル酸エステル、ビスジエチ
レングリコールカーボネート、ジビニルベンゼン等が、
ラジカル開始剤との組み合わせで使用される。
ペンテン誘導体とポリマーとの間にグラフト等の反応が
生じても何等差し支えがない。
体は、単独でフォトクロミック材料として使用すること
ができる他に、他のフォトクロミック材料と組み合わせ
でもフォトクロミック材料として使用でき、この後者の
場合には、発色時の色調を所望の色調に調節し得るとい
う利点がある。
フルオロシクロペンテン誘導体溶解ポリマーの単独を使
用することもできるが、一般には、二軸延伸PETのよ
うなプラスチックフィルムの表面にペルフルオロシクロ
ペンテン誘導体溶解ポリマー組成物を記録層としてコー
トしたものを用いるのがよい。光線透過性が要求されな
い用途には、基体として、紙或いは金属箔等を用いるこ
ともできる。
体を発色させる紫外線としては、253.7nm或いは
184.9nm等の紫外線が有利であり、一方、書き込
みに際しての熱源としてのレーザー光としては、HeN
e、CO2 ,Arイオン、エキシマ等のガスレーザー、
アレキサンドライト、YAG、ルビー、ガラス等の固体
レーザー等が使用される。
ジエチルアミノフェニルアゾフェニル)チオフェン−3
−イル)ペルフルオロシクロペンテンの合成
フェン25.0(0.26mol)、乾燥ジエチルエー
テル100ml、テトラメチルエチレンジアミン(TM
EDA)46.8ml(0.31mol)を入れ、氷浴
上で0℃にした。そこに、滴下ロートから、n−ブチル
リチウム/ヘキサン溶液(1.6N)を195ml
(0.31mol)滴下した。滴下終了後、1時間0℃
で撹拌し、さらに2時間室温で撹拌した。再び氷浴上で
0℃に冷却後、ヨウ化メチル19.5ml(0.31m
ol)を滴下し、0℃で2時間撹拌し、室温で終夜撹拌
した。反応溶液に水を加え、有機層を分離し、水層をジ
エチルエーテルで3回抽出し、有機層を合わせて希塩
酸、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒留去後、減圧蒸留し、下記式(13)
mmHg) 60MHz 1H NMR(CDCl3 ) δ=2.18(s,3H,Ar−CH3 ) 2.38(s,3H,Ar−CH3 ) 6.48(s,1H,Ar−H) 6.50(s,3H,Ar−H)
ニル)チオフェンの合成 50ml4つ口フラスコに、窒素雰囲気下で2,4−ジ
メチルチオフェン0.7g(6.3mmol)、乾燥ジ
エチルエーテル10ml、TMEDA1.1ml(7.
5mmol)を入れ、室温で撹拌した。そこにn−ブチ
ルリチウム/ヘキサン溶液(1.6N)4.7ml
(7.5mmol)を室温で滴下した。室温で2時間撹
拌後、無水THFを少量加え、塩化亜鉛/エーテル溶液
7.5ml(7.5mmol)を滴下後、室温で4時間
撹拌し、下記式(14)
トロベンゼン1.9g(9.5mol)、無水THF1
0ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(O)0.1g(1mol%)を入れ撹拌した。こ
こに、先に調製したチエニル塩化亜鉛を室温で滴下し、
50℃で5時間撹拌後、室温で終夜撹拌した。反応終了
後、水、ジエチルエーテルを加え有機層を分離し、水層
はエーテルで3回抽出した。有機層を合わせて希塩酸、
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去した。カラムクロマトグラフィーにより精製し、下記
式(15)
ェニル)チオフェンを得た。 収量 0.85g(57.6%) 60MHz 1H NMR(CDCl3 ) δ=2.21(s,3H,Ar−CH3 ) 2.44(s,3H,Ar−CH3 ) 6.50(s,1H,Ar−H) 7.03−7.85(m,4H,Ar−H)
−ニトロフェニル)チオフェンの合成 50mlの3つ口フラスコに酢酸5mlと四塩化炭素5
ml、3,5−ジメチル−2−(4−ニトロフェニル)
チオフェンを0.82g(3.5mmol)を入れ撹拌
した。そこに、水0.5mlに溶解させたヨウ素酸0.
14g(0.79mmol)を加え、60−65℃まで
加熱した。反応溶液にヨウ素0.36g(1.4mmo
l)を加え、加熱還流を3時間行った。放冷後、水およ
びチオ硫酸ナトリウム水溶液を加えてクロロホルムによ
り抽出を行い、有機層を炭酸ナトリウム水および水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒留去後、
カラムクロマトグラフィーにより精製し、下記式(1
6)
(4−ニトロフェニル)チオフェンを得た。 収量 0.95g(75.6%) 60MHz 1H NMR(CDCl3 ) δ=2.20(s,3H,Ar−CH3 ) 2.41(s,3H,Ar−CH3 ) 7.10−7.85(m,4H,Ar−H)
(4−(p−ニトロフェニル)アゾフェニル)チオフェ
ン−3−イル]ペルフルオロシクロペンテンの合成 50mlの3つ口フラスコに窒素雰囲気下で、3−ヨー
ド−2,4−ジメチル−5−(4−ニトロフェニル)チ
オフェンを0.95g(2.65mmol)、乾燥TH
F60mlを入れ、−100℃まで冷却した。そこにn
−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(1.6N)2.43
ml(4.0mmol)を滴下ロートにより滴下し、−
100℃で1時間撹拌した。この反応溶液にペルフルオ
ロシクロペンテン0.18ml(1.33mmol)を
2回にわけて加えた。−100℃で3時間撹拌後、−1
00℃でメタノールおよび水を加えて、クロロホルムに
より抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、
下記式(17)
(4−アミノフェニル)チオフェン−3−イル]ペルフ
ルオロシクロペンテンの合成 水素化ホウ素ナトリウム60mg(1.58mmol)
と硫黄粉末151.2mg(4.73mmol)を氷冷
し、これにTHF5mlを加え15min撹拌した。こ
れに1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−(p
−ニトロフェニル)アゾフェニル)チオフェン−3−イ
ル]ペルフルオロシクロペンテン 0.66g(1.0
5mmol)/THF10mlを滴下し、24hr還流
した。放冷後水を加えジエチルエーテルより抽出後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、カラム
クロマトグラフィーにより精製を行い、下記式(18)
roton)
(4−(p−N,N−ジエチルアミノフェニル)アゾフ
ェニル)チオフェン−3−イル]ペルフルオロシクロペ
ンテンの合成 1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−アミノフ
ェニル)チオフェン−3−イル]ペルフルオロシクロペ
ンテン0.50g(0.87mmol)、ジクロロメタ
ン40mlを氷冷し、これに0.5mol/l H2 S
O4 16.0ml、亜硝酸ナトリウム132mg
(1.91mmol)、TFPB5.0mgを加え15
min氷冷撹拌した。これにジエチルアニリン393m
g(1.91mmol)を加え終夜撹拌した。水を加え
クロロホルム抽出、水洗、乾燥後、カラムクロマトグラ
フィーにより精製し、下記式(19)
N:9.41 fon.C:65.90 H:5.42 N:9.39 m.p.95.2℃
(4−(o−ヒドロキシ−p−N,N−ジエチルアミノ
フェニルアゾ)フェニル)チオフェン−3−イル]ペル
フルオロシクロペンテンの合成 1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−(4−アミノフ
ェニルチオフェン−3−イル]ペルフルオロシクロペン
テン0.50g(0.87mmol)、ジクロロメタン
40mlを氷冷し、これに0.5mol/l H2 SO
4 16.0ml、亜硝酸ナトリウム132mg(1.
91mmol)、TFPB5.0mgを加え15min
氷冷撹拌した。これにヒドロキシジエチルアニリン42
5mg(1.8mmol)を加え終夜撹拌した。水を加
えクロロホルム抽出、水洗、乾燥後、カラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、下記式(20)
9.09 fon.C:63.2 H:51.8 N:9.07
ンを溶媒とした溶液(1×10-4mol/l)に励起波
長(313nm)を照射し、十分に閉環させる。これを
液体クロマロトグラフィーにより閉環体と開環体に分取
する。
溶解させ、閉環体のみの吸収スペクトルを測定した。こ
の閉環体溶液に520nm以上の光をカットフィルター
により取り出し照射し、開環体とした後、この開環体の
みの吸収スペクトルを測定した。
nm)を照射し、光定常状態とし、吸収スペクトルを測
定した。各々の溶液の吸収スペクトルの測定は分光光度
計日立UV−3400Aを用いて行った。下記式(1
9)
と同様にして各々の状態の吸収スペクトルを測定した。
ン中での異性化率は以下の通りであった。またεの測定
結果も示す。 転化率 λmax 化合物1 17% ε=56000 600nm 化合物2 65% ε=61000 653nm
ル中の濃度がポリメタクリル酸メチル単位当たり0.2
mol%になる様に溶解させ、スライドガラスに乾燥後
の膜厚が100μmとなるように塗布し乾燥し記録膜を
得た。
した。この記録部は緑色であり、未記録部の赤色に対し
てコントラストの強い記録膜であった。
ンテン誘導体のα位及びβ位にチオフェン環を有し且つ
チオフェン環の5−位にフェニルアゾフェニル基を有す
る誘導体が得られた。
フェン環に変更することで、閉環体への異性化率が、後
述する例に示すとおり、65%と向上し、しかもチオフ
ェン環の5−位にフェニルアゾフェニル基を導入するこ
とで、共役結合(π結合)が延長され、吸収極大波長が
可視域となり、モル吸光係数(ε)も、61000と向
上した。
物は開環体であり、前記一般式(2)の化合物は閉環体
(シクロヘキサジエン)であって、概して開環体は赤色
であるのに対して閉環体は緑色であって色相を異にし、
しかもモル吸光係数(ε)が顕著に向上し、しかも閉環
体への異性化率が顕著に高いレベルに向上したことと相
俟って、高いコントラストが得られる。
きく、モル吸光係数(ε)も大きいことから、カラーフ
ィルター等の一般的なフォトクロミック材料として使用
し得ることは勿論であるが、光記録媒体として特に有用
である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 または下記式(2) 【化2】 式中、R1は水素原子または炭素数4以下の低級アルキ
ル基であり、R2は炭素数4以下の低級アルキル基であ
り、環A及びBの各々は未置換でも或いはアルキル基、
アルコキシ基、アリール基、シアノ基、水酸基、アミノ
基またはハロゲン原子で置換されていてもよい、 で表されるペルフルオロシクロペンテン誘導体。 - 【請求項2】 R1及びR2がメチル基である請求項1
記載のペルフルオロシクロペンテン誘導体。 - 【請求項3】 環Aがアゾ基に対するパラ位にジアルキ
ルアミノ基を有する請求項1記載のペルフルオロシクロ
ペンテン誘導体。 - 【請求項4】 下記式(1) 【化3】 または下記式(2) 【化4】 式中、R1は水素原子または炭素数4以下の低級アルキ
ル基であり、R2は炭素数4以下の低級アルキル基であ
り、環A及びBの各々は未置換でも或いはアルキル基、
アルコキシ基、アリール基、シアノ基、水酸基、アミノ
基またはハロゲン原子で置換されていてもよい、 で表されるペルフルオロシクロペンテン誘導体からなる
ことを特徴とするフォトクロミック材料。 - 【請求項5】 下記式(1) 【化5】 または下記式(2) 【化6】 式中、R1は水素原子または炭素数4以下の低級アルキ
ル基であり、R2は炭素数4以下の低級アルキル基であ
り、環A及びBの各々は未置換でも或いはアルキル基、
アルコキシ基、アリール基、シアノ基、水酸基、アミノ
基またはハロゲン原子で置換されていてもよい、 で表されるペルフルオロシクロペンテン誘導体を含有す
る層を基体上に設けて成ることを特徴とする光記録媒
体。
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