JP2001192378A - クロメン化合物 - Google Patents

クロメン化合物

Info

Publication number
JP2001192378A
JP2001192378A JP2000142655A JP2000142655A JP2001192378A JP 2001192378 A JP2001192378 A JP 2001192378A JP 2000142655 A JP2000142655 A JP 2000142655A JP 2000142655 A JP2000142655 A JP 2000142655A JP 2001192378 A JP2001192378 A JP 2001192378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
carbon atoms
ring
substituent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000142655A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3522189B2 (ja
Inventor
Junji Momota
潤二 百田
Yuichiro Kawabata
雄一郎 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2000142655A priority Critical patent/JP3522189B2/ja
Publication of JP2001192378A publication Critical patent/JP2001192378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3522189B2 publication Critical patent/JP3522189B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色感度が高く、退色速度が速く、良好なフ
ォトクロミック性の耐久性を有するフォトクロミック化
合物を提供する。 【解決手段】 基本構造としてフルオレノ基の4位と5
位の炭素原子に特定の2価の基が結合して縮合環を形成
したものがインデン環の1位にスピロ結合し、クロメン
環の5位と6位の炭素原子に特定の2価の基が結合して
縮合環を形成し、且つ該クロメン環の2位の炭素原子に
特定の置換基が結合した、例えば下記式で示されるよう
な新規なクロメン化合物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なクロメン化
合物、および該クロメン化合物を含有するフォトクロミ
ック重合性組成物に関する。本発明はまた、上記クロメ
ン化合物を含有するフォトクロミック材、特に、フォト
クロミック光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミズムとは、ここ数年来注目
されてきた現象であって、ある化合物に太陽光あるいは
水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やか
に色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に
戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物は
フォトクロミック化合物と呼ばれ、従来から色々な化合
物が合成されてきたが、その構造には特別な共通性は認
められない。例えば、国際特許公開WO96/1459
6号には、下記式(A)で示されるクロメン化合物が開
示されている。
【化5】 しかし、このクロメン化合物は、発色感度が低く、退色
速度が遅く、さらに例えばフォトクロミック材として長
期間使用すると光未照射の状態での着色(劣化時の着色
ともいう。)が大きくなったり、光照射時の発色濃度が
低下するという問題があった。また、国際特許公開WO
97/48762号には、下記式(B)で示されるクロ
メン化合物が開示されている。
【化6】 しかし、このクロメン化合物には、退色速度が遅いとい
う問題があった。更に、ドイツ国特許出願公開 DE 1990
2771 A1 の実施例4、7及び5には、下記式(C)、
(D)及び(E)で示されるクロメン化合物が開示され
ている。
【化7】 しかし、これらのクロメン化合物は、発色感度が低く、
退色速度も満足のいくレベルではないという問題があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した化合物に比べフォトクロミック特性をさらに向上さ
せ、発色感度が高く、退色速度が速く、且つ劣化時の着
色の少なく、上記の発色濃度の低下に代表されるような
フォトクロミック性の低下が起こりにくい、すなわちフ
ォトクロミック性の耐久性に優れたクロメン化合物を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために提案されたもので、本発明者らによって得
られた新規なクロメン化合物は、その発色感度が高く、
退色速度が速く、且つ劣化時の着色が少なく、しかもフ
ォトクロミック性の耐久性が優れているという知見に基
づいて完成されたものである。即ち、本発明は、下記一
般式(1)
【化8】 {式中、Rは、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シア
ノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換のアリール基、ハ
ロゲン原子、トリフルオロメチル基、アラルキル基、炭
素原子でインデン環と結合する1価の複素環基、窒素原
子をヘテロ原子として有し該窒素原子でインデン環と結
合する1価の置換もしくは非置換の複素環基、又は該複
素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合
した1価の縮合複素環基であり、pは0〜3の整数であ
り、下記式(2)
【化9】 で示される2価の基は、芳香族炭化水素基または不飽和
複素環基であり、Rは、アルキル基、ヒドロキシ基、
アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換のアリー
ル基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アラルキ
ル基、炭素原子で前記式(2)で示される基の環と結合
する1価の複素環基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子で前記式(2)で示される基の環と結合する
1価の置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した1
価の縮合複素環基であり、qは0〜3の整数であり、R
およびRは、それぞれ独立に、下記式(3) (式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基、ま
たは置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R
は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子であ
り、nは1〜3の整数である。)で示される基、下記式
(4)
【化10】 (式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基、ま
たは置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、m
は1〜3の整数である。)で示される基、置換もしくは
非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換のヘテロ
アリール基であるか、又はRとRとが一緒になっ
て、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成
する基であり、Xは、下記式 (式中Zは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、
炭素数1〜6のアルキレン基であり、a、b、cおよび
dは、いずれも独立に1〜4の整数である。)で示され
るいずれかの基である。}で示されるクロメン化合物で
ある。
【0005】本発明のクロメン化合物は、前記一般式
(1)で示されるように、基本構造として、 フルオレン環の4位と5位の炭素原子に特定の2価の
基−X−が結合して縮合環を形成したものがインデン環
の1位にスピロ結合し、 クロメン環の5位と6位の炭素原子に前記一般式
(2)で示される2価の基が結合して縮合環を形成し、
且つ 該クロメン環の2位の炭素原子に特定の置換基が結合
した構造を有している。そして、後述する実施例及び比
較例の対比から明らかなように、上記3つの特徴を併せ
持つことにより前記のような優れた効果が得られるもの
である。
【0006】本発明のクロメン化合物としては、下記一
般式(6)
【化11】 {式中、R15およびR16は、それぞれ独立に、炭素
数1〜4のアルキル基;炭素数1〜5のアルコキシ基;
炭素数6〜10のアラルコキシ基;置換基として炭素数
1〜4のアルキル基もしくは炭素数6〜10のアリール
基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換アミノ基;シ
アノ基;炭素数6〜10のアリール基;置換基として炭
素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜5のアルコ
キシ基が置換した炭素数6〜10(但し置換基の炭素数
は含まない。)の置換アリール基;ハロゲン原子;又は
モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラ
ジノ基、N−メチルピペラジノ基、或いはインドリニル
基から選ばれる窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素
原子でインデン環或いはナフタレン環と結合する置換も
しくは非置換の複素環基;又は該複素環基に芳香族炭化
水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基で
あり、R13およびR14の少なくとも何れか一方は、
置換基として炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数
6〜10のアリール基を有するモノ置換もしくはジ置換
の置換アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モルホ
リノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ
基、N−メチルピペラジノ基、若しくはインドリニル基
から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する炭素数6
〜10(但し置換基の炭素数は含まない。)の置換アリ
ール基又は炭素数4〜12(但し置換基の炭素数は含ま
ない。)のヘテロアリール基であり、Xは、−CH=C
H−で示される2価の基である。}で示されるクロメン
化合物が好ましい。また、上記一般式(6)のクロメン
化合物の内でも、R15およびR16が、それぞれ独立
に、炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜5のアルコ
キシ基;ハロゲン原子;又はモルホリノ基であり、最も
好適には、メチル基又はメトキシ基であり、R13およ
びR14の少なくともいずれか一方が、置換基として炭
素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数6〜10のアリ
ール基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換アミノ
基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モルホリノ基、ピペ
リジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチル
ピペラジノ基、若しくはインドリニル基から選ばれる少
なくとも1つの置換基を有する炭素数6〜10(但し置
換基の炭素数は含まない。)の置換アリール基であり、
13およびR14のいずれか一方が当該基でない場合
における当該基以外の基が、炭素数6〜10のアリール
基;又は炭素数4〜12のヘテロアリール基であり、最
も好適には、R およびR14の一方が、ピペリジノ
基、モルホリノ基又はメトキシ基を置換基として有する
フェニル基であり、他の一方がフェニル基又はメトキシ
フェニル基であるクロメン化合物が好ましい。
【0007】また、他の発明は、上記一般式(1)で示
されるクロメン化合物を含有してなるフォトクロミック
材、および該クロメン化合物を含んでなるフォトクロミ
ック光学材料である。更に、本発明によれば、上記クロ
メン化合物、重合性単量体(特に、(メタ)アクリル酸
エステル化合物)、及び必要に応じて重合開始剤を含有
して成るフォトクロミック重合性組成物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】[クロメン化合物]前記一般式
(1)において、Rは、アルキル基;ヒドロキシ基;
アルコキシ基;アラルコキシ基;アミノ基;置換アミノ
基;シアノ基;ニトロ基;置換もしくは非置換のアリー
ル基;ハロゲン原子;トリフルオロメチル基;アラルキ
ル基;炭素原子でインデン環と結合する1価の複素環
基;窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子でイン
デン環と結合する1価の置換もしくは非置換の複素環
基;又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族
複素環が縮合した1価の縮合複素環基である。以下、R
について、その構造が明らかなヒドロキシ基、アミノ
基、シアノ基、ニトロ基、及びトリフルオロメチル基を
除く各置換基について説明する。 (a) アルキル基としては、特に制限はされないが、
一般的には炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。好適
なアルキル基を例示すると、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。 (b) アルコキシ基は特に制限されないが、一般的に
は炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。好適なアル
コキシ基を具体的に例示すると、メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基、 sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げ
ることができる。 (c) アラルコキシ基としては、特に限定されない
が、炭素数6〜10のアラルコキシ基が好ましい。好適
なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェノキシ
基、ナフトキシ基等を挙げることができる。 (d) 置換アミノ基としては、特に限定されないが、
アルキル基またはアリール基が置換したアルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基またはジア
リールアミノ基が好ましい。好適な置換アミノ基を具体
的に例示すると、メチルアミノ基、エチルアミノ基、フ
ェニルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジフェニルアミノ基等を挙げることができる。 (e) 置換もしくは非置換のアリール基に関し、非置
換のアリール基としては、特に制限されないが、炭素数
6〜10の非置換のアリル基が好ましい。好適な非置換
のアリール基を例示すると、フェニル基、ナフチル基等
を挙げることができる。また、置換アリール基として
は、上記非置換アリール基の1若しくは2以上の水素原
子が置換基で置換されたものが挙げられ、該置換基とし
ては、アルキル基;アルコキシ基;置換アミノ基;アリ
ール基;窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子で
アリール基と結合する置換もしくは非置換の複素環基;
及び該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素
環が縮合した縮合複素環基を挙げることができる。ここ
で、アルキル基、アルコキシ基、及び置換アミノ基とし
ては、上記Rにおけるものと同じものが例示される。
また、上記置換もしくは非置換の複素環基及び縮合複素
環基は、前記窒素原子で結合する環がインデン環からア
リール基の芳香族環に変わる他は、Rとしての“窒素
原子をヘテロ原子として有し該窒素原子でインデン環と
結合する置換もしくは非置換の複素環基;及び該複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基”と同じであり、その詳細については後述
する。 (f) ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、
臭素原子又はヨウ素原子を挙げることができる。 (g) アラルキル基は特に制限されないが、炭素数7
〜11のアラルキル基が好ましい。好適なアラルキル基
を例示すると、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニ
ルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げることができ
る。 (h) 炭素原子でインデン環と結合する1価の複素環
基は特に限定されないが、チエニル基、フリル基、また
はピロリル基が好適である。 (i) 窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子で
インデン環と結合する置換もしくは非置換の複素環基、
又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素
環が縮合した縮合複素環基としては、特に制限されない
が、該複素環基を構成する炭素原子の数が2〜10、特
に2〜6であるものが好ましい。該複素環内にはインデ
ン環に結合する窒素原子の他に更にヘテロ原子が存在し
ていてもよい。該ヘテロ原子は特に限定されないが、酸
素原子、硫黄原子、窒素原子等が好適である。また、こ
れら基の置換基としては、前記(e)における置換アリ
ール基における置換基と同じ基が挙げられる。
【0009】窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とインデン環とが結合する置換もくは非置換の複素環
基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複
素環が縮合した縮合複素環基として好適なものを具体的
に例示すると、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジ
ニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、イン
ドリニル基等を挙げることができる。Rの置換数を示
すpは0〜3の整数である。Rが結合する位置は特に
制限されず、その総数も特に限定されないが、2以下で
あるのが好適である。なお、pが2又は3であるとき、
各Rは互いに異なっていてもよい。
【0010】また、前記一般式(1)において、下記式
(2)
【化12】 で示される2価の基は、芳香族炭化水素基または不飽和
複素環基を示す。上記の芳香族炭化水素基としては、特
に制限されないが、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基
が好ましい。好適な芳香族炭化水素基を例示すると、フ
ェニレン基、ナフチレン基、フェナンスリレン基、トリ
レン基、キシリレン基等のベンゼン環1個、またはそれ
ら2〜4個の縮環よりなる非置換の芳香族炭化水素基等
が挙げられる。また、上記の不飽和複素環基としては、
特に制限されないが、酸素、硫黄、窒素原子を含む5員
環、6員環、またはこれらにベンゼン環が縮環した複素
環基が好ましい。好適な非置換の不飽和複素環基を例示
すると、ピリジレン基、キノリレン基、ピロリレン基、
インドリレン基等の含窒素複素環基、フリレン基、ベン
ゾフリレン基等の含酸素複素環基、チエニレン基、ベン
ゾチエニレン基等の含硫黄複素環基などを挙げることが
できる。
【0011】上記芳香族炭化水素基または不飽和複素環
基は、置換基Rを有していてもよい。ここで、R
は、前記Rと同じ、アルキル基、ヒドロキシ基、ア
ルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ
基、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換のアリー
ル基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アラルキ
ル基、炭素原子で前記式(2)で示される基の環と結合
する1価の複素環基、窒素原子をヘテロ原子として有し
該窒素原子で前記式(2)で示される基の環と結合する
1価の置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基
に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した1
価の縮合複素環基である。なお、上記の“炭素原子で前
記式(2)で示される基の環と結合する1価の複素環
基”、及び“窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子で前記式(2)で示される基の環と結合する置換もし
くは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水
素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基”
は、それぞれ窒素原子および炭素原子が結合する環が変
わるだけで、基そのものは、それぞれR における“炭
素原子でインデン環と結合する1価の複素環基”、及び
“窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子でインデ
ン環と結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該
複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮
合した縮合複素環基”と同じである。Rの置換数を示
すqは0〜3の整数である。Rが結合する位置は特に
制限されず、その総数も特に限定されないが、2以下で
あるのが好適である。なお、qが2又は3であるとき、
各Rは互いに異なっていてもよい。
【0012】前記一般式(1)中のRおよびRは、
それぞれ独立に、下記式(3) (式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基、ま
たは置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R
は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子であ
り、nは1〜3の整数である。)で示される基;下記式
(4)
【化13】 (式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基、ま
たは置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、m
は1〜3の整数である。)で示される基;置換もしくは
非置換のアリール基;又は置換もしくは非置換のヘテロ
アリール基である。また、R及びRは、これら基に
限らず、RとRが一緒になって、脂肪族炭化水素環
または芳香族炭化水素環を構成する基であってもよい。
【0013】上記式(3)中のRは、置換もしくは非
置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロ
アリール基である。置換もしくは非置換のアリール基と
しては、前記したR、Rにおける置換もしくは非置
換のアリール基と同じ基が適用される。なお、置換アリ
ール基に於いて、置換基が結合する位置は特に限定され
ず、その総数も特に限定されないが、アリール基がフェ
ニル基である場合は3位または4位、ナフチル基であれ
ば、4位または6位が好ましい。上述の非置換のヘテロ
アリール基としては特に限定されないが、炭素数4〜1
2のヘテロアリール基が好ましい。具体的に例示する
と、チエニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジル
基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピロ
リニル基等を挙げることができる。また、置換ヘテロア
リール基としては、上記非置換ヘテロアリール基の1又
は2以上の水素原子が、前記したR、Rにおける置
換アリール基の置換基と同じ基が置換したものが挙げら
れる。これら置換基が結合する位置は特に限定されず、
その総数も特に限定されない。前記式(3)中のR
水素原子、アルキル基またはハロゲン原子である。好適
なアルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エチル
基、プロピル基等が挙げられる。また上記のハロゲン原
子を具体的に例示すると、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子を挙げることができる。上記式
(3)中のnは1〜3の整数である。原料入手の観点か
ら、nが1であることが好ましい。上記式(3)で示さ
れる基の中で好適な基を具体的に例示すると、フェニル
エテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニ
ル)−エテニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)
フェニル)−エテニル基、(4−モルホリノフェニル)
−エテニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エテニル
基、(4−ユーロリジノフェニル)−エテニル基、(4
−メトキシフェニル)−エテニル基、(4−メチルフェ
ニル)−エテニル基、(2−(N,N−ジメチルアミ
ノ)フェニル)−エテニル基、(2−メトキシフェニ
ル)−エテニル基、フェニル−1−メチルエテニル基、
(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−メ
チルエテニル基、(4−メトキシフェニル)−1−メチ
ルエテニル基、フェニル−1−フルオロエテニル基、
(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−フ
ルオロエテニル基、2−チエニル−エテニル基、2−フ
リル−エテニル基、2−(N−メチル)ピロリニル−エ
テニル基、2−ベンゾチエニル−エテニル基、2−ベン
ゾフラニル−エテニル基、2−(N−メチル)インドリ
ル−エテニル基等を挙げることができる。
【0014】また、前記式(4)中のRは、置換もし
くは非置換のアリール基または置換もしくは非置換のヘ
テロアリール基である。これら基は、前述のRとして
説明した基と同義である。上記式(4)中のmは1〜3
の整数であれば特に限定されないが、原料入手の容易さ
の観点からmは1であるのが好適である。上記式(4)
で示される基の中で好適な基を具体的に例示すると、フ
ェニルエチニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)
フェニル)−エチニル基、(4−(N,N−ジエチルア
ミノ)フェニル)−エチニル基、(4−モルホリノフェ
ニル)−エチニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エ
チニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エチニル
基、(4−メトキシフェニル)−エチニル基、(4−メ
チルフェニル)−エチニル基、(2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)フェニル)−エチニル基、(2−メトキシフ
ェニル)−エチニル基、2−チエニル−エチニル基、2
−フリル−エチニル基、2−(N−メチル)ピロリニル
−エチニル基、2−ベンゾチエニル−エチニル基、2−
ベンゾフラニル−エチニル基、2−(N−メチル)イン
ドリル−エチニル基等を挙げることができる。
【0015】また、R、Rとしての、置換もしくは
非置換のアリール基または置換もしくは非置換のヘテロ
アリール基は、前述のRとして説明した基と同義であ
る。また、RとRとが一緒になって脂肪族炭化水素
環を形成する場合に於ける、脂肪族炭化水素環として
は、特に制限はされないが、好適な環を具体的に例示す
ると、アダマンチリデン環、ビシクロノニリデン環、ノ
ルボルニリデン環等を挙げることができる。また、R
とRとが一緒になって芳香族炭化水素環を形成する場
合に於ける、芳香族炭化水素環としては、特に制限はさ
れないが、好適な環としては、フルオレン環等を挙げる
ことができる。なお、R、Rの少なくとも1つは、
置換もしくは非置換のアリール基又は置換もしくは非置
換のヘテロアリール基、またはこれら基を有する基であ
ることが好ましい。
【0016】さらに、RおよびRの少なくとも1つ
は、炭素数1〜5のアルコキシ基を置換基として有する
アリール基の他、下記(i)〜(ix)に示される何れかの基
であることが特に好ましい。 (i) 置換アミノ基を置換基として有する置換アリール
基又は置換ヘテロアリール基; (ii) 窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とア
リール基またはヘテロアリール基とが結合する置換もし
くは非置換の複素環基を置換基として有する置換アリー
ル基又は置換ヘテロアリール基; (iii) 前記(ii)における置換もしくは非置換の複素環
基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した
縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は
置換ヘテロアリール基; (iv) Rが置換アミノ基を置換基として有する置換ア
リール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示
される基; (v) Rが窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原
子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置
換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換
アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で
示される基; (vi) Rが前記(v)における置換もしくは非置換の複
素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合
した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基
又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示される
基; (vii) Rが置換アミノ基を置換基として有する置換
アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(4)で
示される基; (viii) Rが窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素
原子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する
置換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置
換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(4)
で示される基;又は (ix) Rが前記(viii)における置換もしくは非置換の
複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮
合した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール
基又は置換ヘテロアリール基である式(4)で示される
基。
【0017】なお、上記(i)〜(iii)における置換アリー
ル基においては、置換基の置換する位置は特に限定され
ず、その総数も特に限定されないが、置換位置はアリー
ル基がフェニル基であるときは3位または4位に置換さ
れることが好ましく、その数は1であることが好まし
い。当該置換アリール基としての、好適なものを具体的
に例示すると、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニ
ル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4
−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モル
ホリノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、3−
(N,Nジメチルアミノ)フェニル基等を挙げることが
できる。また、前記(i)〜(iii)における置換ヘテロアリ
ール基において、置換基が置換する位置は特に限定され
ず、その総数も特に限定されないが、その数は1である
ことが好ましい。当該置換ヘテロアリール基として好適
なものを具体的に例示すると、4−(N,N−ジメチル
アミノ)チエニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)
フリル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)チエニル
基、4−モルホリノピロリニル基、6−ピペリジノベン
ゾチエニル基、6−(N,Nジメチルアミノ)ベンゾフ
ラニル基等をあげることができる。また、前記(iv)〜(v
i)の式(3)で示される基において、式(3)中のR
は、前記(i)〜(iii)の置換アリール基又は置換ヘテロア
リール基と同義である。当該式(3)で示される基とし
て好適な基を例示すると、(4−(N,N−ジメチルア
ミノ)フェニル)−エテニル基、(4−(N,N−ジエ
チルアミノ)フェニル)−エテニル基、(4−モルホリ
ノフェニル)−エテニル基、(4−ピペリジノフェニ
ル)−エテニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エ
テニル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニ
ル)−エテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)
フェニル)−1−メチルエテニル基、(4−(N,N−
ジメチルアミノ)フェニル)−1−フルオロエテニル基
等を挙げることができる。また、前記(vii)〜(ix)の式
(4)で示される基において、式(4)中のRは前記
(i)〜(iii)の置換アリール基又は置換ヘテロアリール基
と同義である。当該式(4)で示される基として好適な
基を例示すると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フ
ェニル)−エチニル基、(4−(N,N−ジエチルアミ
ノ)フェニル)−エチニル基、(4−モルホリノフェニ
ル)−エチニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エチ
ニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エチニル基、
(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニ
ル基、2−(N−メチル)インドリル−エチニル基、
(4−(N−メチルピペラジノ)フェニル)−エチニル
等を挙げることができる。
【0018】前記一般式(1)中において、Xは、 で示されるいずれかの基である。式中、Zは酸素原子ま
たは硫黄原子である。また式中Rはアルキレン基であ
る。該アルキレン基としては、特に制限されないが、炭
素数1〜6のアルキレン基が好ましい。好適なアルキレ
ン基を具体的に例示すると、メチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン
基等を挙げることができる。また式中のa、b、cおよ
びdは、各々の繰り返し数を示すものであるが、これら
はいずれも1〜4の整数であり、中でも製造上の容易の
点から、いずれも1又は2であることが好ましい。
【0019】本発明において、退色速度の速さの点から
好適なクロメン化合物としては、下記式(5)
【化14】 {式中、RおよびR10は、それぞれ独立に、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換
アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール
基、ハロゲン原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原
子として有し該窒素原子でインデン環(Rの場合)又
はナフタレン環(R10の場合)と結合する置換もしく
は非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素
環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であ
り、R11およびR12は、それぞれ独立に、置換もし
くは非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換のヘ
テロアリール基であり、Xは、下記式 (式中、Zは、酸素原子または硫黄原子であり、R
は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、a、b、c
およびdは、1〜4の整数である。)で示されるいずれ
かの基である。}で示されるクロメン化合物が挙げられ
る。
【0020】さらに、退色速度および発色感度の点か
ら、上記一般式(5)においてRおよびR10が共に
水素原子ではない特定の置換基であり、その置換位置も
特定され、且つR11、R12、及びXについても更に
特定された、下記一般式(6)
【化15】 {式中、R15およびR16は、それぞれ独立に、炭素
数1〜4のアルキル基;炭素数1〜5のアルコキシ基;
炭素数6〜10のアラルコキシ基;置換基として炭素数
1〜4のアルキル基もしくは炭素数6〜10のアリール
基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換アミノ基;シ
アノ基;炭素数6〜10のアリール基;置換基として炭
素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜5のアルコ
キシ基が置換した炭素数6〜10(但し置換基の炭素数
は含まない。)の置換アリール基;ハロゲン原子;又は
モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラ
ジノ基、N−メチルピペラジノ基、或いはインドリニル
基から選ばれる窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素
原子でインデン環或いはナフタレン環と結合する置換も
しくは非置換の複素環基;又は該複素環基に芳香族炭化
水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基で
あり、R13およびR14の少なくとも何れか一方は、
置換基として炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数
6〜10のアリール基を有するモノ置換もしくはジ置換
の置換アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モルホ
リノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ
基、N−メチルピペラジノ基、若しくはインドリニル基
から選ばれる少なくとも1つの置換基を有する炭素数6
〜10(但し置換基の炭素数は含まない。)の置換アリ
ール基又は炭素数4〜12(但し置換基の炭素数は含ま
ない。)のヘテロアリール基であり、R13およびR
14のいずれか一方が当該基でない場合における当該基
以外の基は、炭素数6〜10のアリール基;又は炭素数
4〜12のヘテロアリール基であり、Xは、−CH=C
H−で示される2価の基である。}で示されるクロメン
化合物が特に好適である。
【0021】また、上記一般式(6)で示されるクロメ
ン化合物の中でも、R15およびR 16が、それぞれ独
立に、炭素数1〜4のアルキル基;炭素数1〜5のアル
コキシ基;ハロゲン原子;又はモルホリノ基であり、R
13およびR14の少なくとも何れか一方が、置換基と
して炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数6〜10
のアリール基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換ア
ミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モルホリノ基、
ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メ
チルピペラジノ基、若しくはインドリニル基から選ばれ
る少なくとも1つの置換基を有する炭素数6〜10(但
し置換基の炭素数は含まない。)の置換アリール基であ
り、R13およびR14の何れか一方が当該基でない場
合における当該基以外の基が、炭素数6〜10のアリー
ル基であるものが効果の点で最も好ましい。上記最も好
ましいクロメン化合物は、後述する実施例に示されるよ
うに、初期着色が少なく、発色濃度が高く、フォトクロ
ミック性の耐久性が高いばかりでなく、光照射を開始し
てから発色が完了するのに要する時間も極めて短く(具
体的には、実施例でいう発色感度が45秒以下)、光の
照射を止めてから退色するのに要する時間も短い(具体
的には、実施例における退色速度が2分以下)という特
に優れたフォトクロミック特性を有する。
【0022】該最も好ましいクロメン化合物を具体的に
例示すれば、次のような化合物を挙げることができる。
【化16】
【化17】
【0023】本発明の前記一般式(1)で示されるクロ
メン化合物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色
の固体または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜
(ハ)のような手段で確認できる。 (イ) プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NM
R)を測定することにより、δ5.0〜9.0ppm付
近にアロマティックなプロトン及びアルケンのプロトン
に基づくピーク、δ1.0〜4.0ppm付近にアルキ
ル基及びアルキレン基のプロトンに基づくピークが現れ
る。また、それぞれのスペクトル強度を相対的に比較す
ることにより、それぞれの結合基に存在するプロトンの
個数を知ることができる。 (ロ) 元素分析によって相当する生成物の組成を決定
することができる。 (ハ) 13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NM
R)を測定することにより、δ110〜160ppm付
近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、δ80〜
140ppm付近にアルケン及びアルキンの炭素に基づ
くピーク、δ20〜80ppm付近にアルキル基及びア
ルキレン基の炭素に基づくピークが現われる。
【0024】[クロメン化合物の製造方法]本発明の一
般式(1)で示されるクロメン化合物の製造方法は、特
に限定されず如何なる合成法によって得ても良い。一般
に好適に採用される代表的な方法であるプロセスA及び
プロセスBについて以下に説明する。
【0025】プロセスA:該方法は、下記の一般式
(7)
【化18】 {式中のR、R、X、p、q、および下記式
【化19】 で表される2価の基は、前記一般式(1)における定義
と同義である。}で示されるヒドロキシ−フルオレン誘
導体と一般式(8)
【化20】 {式中のR、Rは一般式(1)における定義と同義
である。}で示されるプロパギルアルコール誘導体を酸
触媒存在下で反応させる方法である。前記一般式(7)
で示されるヒドロキシ−フルオレン誘導体および一般式
(8)で示されるプロパギルアルコール誘導体の合成法
は特に限定されない。前記一般式(7)で示されるヒド
ロキシ−フルオレン誘導体は、例えば、ヒドロキシ−フ
ルオレノン誘導体をグリニアール試薬と−10〜70℃
で10分〜4時間反応させ、ヒドロキシ−フルオレノー
ル誘導体を得その後、酸性条件下で、10〜120℃で
10分〜2時間反応させ、フルオレノールをスピロ化す
ることにより合成できる。この時、ヒドロキシ−フルオ
レノン誘導体のY環に置換基を有するヒドロキシ−フル
オレノン誘導体を使用した場合にはそれぞれのY環に置
換基を有するクロメン化合物が合成可能である。また前
記一般式(8)で示されるプロパギルアルコール誘導体
は、例えば、前記一般式(8)に対応するケトン誘導体
とリチウムアセチリド等の金属アセチレン化合物と反応
させることにより合成できる。前記一般式(7)で示さ
れる化合物と一般式(8)で示される化合物との酸触媒
存在下での反応は、たとえば、次のようにして行なわれ
る。すなわち、これら2種の化合物の反応比率は、広い
範囲から採用されるが、一般には前者と後者が1:10
〜10:1(モル比)の範囲から選択される。また、酸
触媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸、酸性アルミナ等が用いられ、前記一般式
(7)で示される化合物と(8)で示される化合物(反
応基質)の100重量部に対して0.1〜10重量部の
範囲で用いられる。反応温度は、通常0〜200℃が好
ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例え
ば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テ
トラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用され
る。
【0026】プロセスB:該方法は、下記の一般式
(9)
【化21】 {式中のR、R、p、q、および下記式
【化22】 で表される2価の基は、前記一般式(1)における定義
と同義である。}で示されるヒドロキシ−フルオレノン
誘導体と下記一般式(8)
【化23】 (式中のRおよびRは、前記一般式(1)における
定義と同義である。)で示されるプロパギルアルコール
誘導体を酸触媒存在下で反応させ、一旦下記一般式(1
0)
【化24】 {式中のR、R、R、R、p、q、及び下記式
【化25】 で表される2価の基は、前記一般式(1)における定義
と同義である。}で示されるクロメン化合物(以下、前
駆体クロメン化合物1と略す。)を得、その後、前記一
般式(7)の化合物の合成法と同様にして、前駆体クロ
メン化合物1をグリニアール試薬と−10〜70℃で1
0分〜4時間反応させ、フルオレノール−クロメン誘導
体(以下、前駆体クロメン化合物2と略す。)を得、そ
の後、酸性条件下で、10〜120℃で10分〜2時間
反応させ、前駆体クロメン化合物2のフルオレノール部
位をスピロ化することにより、前記一般式(1)のクロ
メン化合物を得る方法である。この時、ヒドロキシ−フ
ルオレノン誘導体のY環に置換基を有するヒドロキシ−
フルオレノン誘導体を使用した場合にはそれぞれのY環
に置換基を有するクロメン化合物が合成可能である。
【0027】前記一般式(9)で示される化合物と一般
式(8)で示される化合物との酸触媒存在下での反応
は、例えば次のようにして行なわれる。すなわち、これ
ら2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用される
が、一般には前者と後者が1:10〜10:1(モル
比)の範囲から選択される。また、酸触媒としては硫
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸
性アルミナ等が用いられ、上記一般式(9)と(8)で
表される各反応基質の総和の100重量部に対して0.
1〜10重量部の範囲で用いられる。反応温度は、通常
0〜200℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性
有機溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン
等が使用される。
【0028】また、前駆体クロメン化合物1から前記一
般式(1)で示される化合物への反応は、次のようにし
て行われる。まず、前駆体クロメン化合物1とグリニア
ール試薬を反応させ、前駆体クロメン化合物2を得る。
これら2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用さ
れるが、一般には前者と後者が1:10〜10:1(モ
ル比)の範囲から選択される。反応温度は、通常−10
〜70℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機
溶媒、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ベンゼン、トルエン等が使用される。その後、得ら
れた前駆体クロメン化合物2である(7H)ベンゾ
(c)フルオレン−7−オール−クロメン誘導体の7位
を酸性条件下でスピロ化する。この時の酸触媒として酢
酸、塩酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸、酸性アルミナ等を前駆体クロメン化合物2の
100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用い
るのが好適である。反応温度は、通常0〜120℃が好
ましく、溶媒としては、例えば、酢酸、テトラヒドロフ
ラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。
【0029】生成物の精製方法としては特に限定されな
い。例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結
晶により、生成物の精製を行うことができる。
【0030】[フォトクロミック材]本発明の前記一般
式(1)で示されるクロメン化合物は、トルエン、クロ
ロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒によ
く溶ける。このような溶媒に一般式(1)で示されるク
ロメン化合物を溶かしたとき、一般に溶液はほぼ無色透
明であり、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やかに
発色し、光を遮断すると可逆的に速やかに元の無色にも
どる良好なフォトクロミック作用を呈する。
【0031】このような一般式(1)の化合物における
フォトクロミック作用は、高分子固体マトリックス中で
も同様な特性を示す。かかる対象となる高分子固体マト
リックスとしては、本発明の一般式(1)で示されるク
ロメン化合物が均一に分散するものであればよく、光学
的に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリア
クリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2
−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシ
ロキサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げる
ことができる。さらに、エチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジ
メタクリレート、テトラデカエチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタク
リレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2
−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4ーメタ
クリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリ
トールトリメタクリレート等の(メタ)アクリロイルオ
キシ基を2以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合
物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジ
アリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシこは
く酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド酸ジア
リル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボネー
ト、ジアリルジグリコールカーボネート、トリメチロー
ルプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化合
物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビス
(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−ビ
ス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チオ
アクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合物;
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノール
A−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グ
リシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル−2
−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオ
キシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−グ
リシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリ
コールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタ
クリレート、ポリテトラメチレングリコールメタクリレ
ート等の(メタ)アクリロイルオキシ基以外の官能基を
1以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物;ジビ
ニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合し
てなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、これ
らの各単量体とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイ
ン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フ
ェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアク
リル酸及びメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエ
チル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合
物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリレー
ト、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及
びチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、クロロ
スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−メ
チルスチレンダイマー、ブロモスチレン等のビニル化合
物等のラジカル重合性単官能単量体との共重合体が挙げ
られる。
【0032】本発明の一般式(1)で示されるクロメン
化合物を上記高分子固体マトリックス中へ分散させる方
法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いること
ができる。例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物
を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、また
は上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、
重合触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散さ
せる方法、あるいは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂
の表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に
分散させる方法等を挙げることができる。本発明のクロ
メン化合物はフォトクロミック材として広範囲に利用で
き、例えば、銀塩感光材に代る各種の記憶材料、複写材
料、印刷用感光体、陰極線管用記憶材料、レーザー用感
光材料、ホログラフィー用感光材料などの種々の記憶材
料として利用できる。その他、本発明のクロメン化合物
を用いたフォトクロミック材は、フォトクロミックレン
ズ材料、光学フィルター材料、ディスプレイ材料、光量
計、装飾などの光学材料としても利用できる。例えば、
フォトクロミックレンズに使用する場合には、均一な調
光性能が得られる方法であれば特に制限がなく、具体的
に例示するならば、本発明のフォトクロミック材を均一
に分散してなるポリマーフィルムをレンズ中にサンドウ
イッチする方法、あるいは、本発明のクロメン化合物を
前記の重合性単量体中に分散させ、所定の手法により重
合する方法、あるいは、この化合物を例えばシリコーン
オイル中に溶解して150〜200℃で10〜60分か
けてレンズ表面に含浸させ、さらにその表面を硬化性物
質で被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などが
ある。さらに、上記ポリマーフィルムをレンズ表面に塗
布し、その表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミッ
クレンズにする方法などもある。
【0033】[フォトクロミック重合性組成物]上述し
たフォトクロミック材の内でも、特に高分子マトリック
スから成るフォトクロミック材を製造する際には、本発
明のクロメン化合物を重合性単量体中に分散させてなる
フォトクロミック重合性組成物が使用される。例えば、
上記フォトクロミック重合性組成物を所望の型内に注入
し、重合触媒等により重合することにより、製品を得る
ことができる。フォトクロミック重合性組成物は、本発
明のクロメン化合物、重合性単量体、及び必要に応じて
重合開始剤を含有して成る。
【0034】<重合性単量体>重合性単量体としては、
前述した高分子マトリックスを形成し得るものが挙げら
れる。中でも、(メタ)アクリル酸エステル化合物は、
得られる重合体の透明性、寸法安定性、加工性等の点で
最も好適である。
【0035】<重合開始剤>重合開始剤としては、通
常、ラジカル重合開始剤が使用される。代表的なものを
例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベ
ンゾイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド等
のジアリルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサネート、t−ブチルパーオキシネオデカ
ネート、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチル
パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサネート等のパーオキシエステ
ル;ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ−se
c−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネ
ート;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等を
挙げることができ、光重合触媒としては1−フェニル−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;1,
2−ジフェニルエタンジオン、メチルフェニルグリオキ
シレート等のα−カルボニル系化合物;2,6−ジメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2,
4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィノ
キシド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルフォス
フィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェ
ニルフォスフィンオキシド等のアシルフォスフィンオキ
シド系化合物等を挙げることができる。これら重合開始
剤は単独で用いてもよく、使用するモノマーに応じて2
種以上を任意の割合で用いてもよい。また、熱重合触媒
と光重合触媒とを併用してもよく、光重合触媒を用いる
場合には3級アミン等の公知の重合促進剤を併用するこ
ともできる。重合開始剤の使用量は、重合条件や、開始
剤の種類、前記の重合性単量体の組成によって異なり、
一概に限定できないが、一般的には、全重合性単量体1
00重量部に対して0.001〜10重量部、好ましく
は0.01〜5重量部の範囲が好適である。
【0036】<その他の成分>また本発明のフォトクロ
ミック重合性組成物には、該重合性組成物を重合硬化し
て得られるフォトクロミック材の用途に応じて、その性
能を高めるために各種添加剤を本発明の硬化を損なわな
い範囲で配合することができる。例えば、本発明で使用
するクロメン化合物は、その発色色調は黄色〜紫色であ
るが、他の公知のフォトクロミック化合物と組み合わせ
て、一般的なフォトクロミックレンズとして好まれるグ
レー、アンバー、ブラウン等の中間色に発色するフォト
クロミック組成物とすることができる。組み合わせる他
のフォトクロミック化合物としては特に制限はなく、公
知のフォトクロミック化合物を使用することができ、例
えばオキサジン化合物、フルギミド化合物、又は/及
び、本発明で用いるクロメン化合物以外の公知のクロメ
ン化合物(以下、「他の公知のクロメン化合物」ともい
う)を併用できる。本発明においてこれらオキサジン化
合物、フルギミド化合物、及び他の公知のクロメン化合
物等の混合比は特に限定されず、各フォトクロミック化
合物の特性を考慮して適宜決定すればよい。本発明のフ
ォトクロミック重合性組成物にオキサジン化合物、フル
ギミド化合物、又は/及び他の公知のクロメン化合物を
添加する場合の添加量は、全モノマー100重量部に対
して通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01
〜1重量部の範囲である。また、本発明のフォトクロミ
ック重合性組成物には紫外線安定剤を添加しても良い。
紫外線安定剤を添加した場合、フォトクロミック耐久性
がさらに改善できる。特にフルギミド化合物を併用した
場合に耐久性向上の効果がみられる。このために前記し
たようなオキサジン化合物、フルギミド化合物を併用し
て中間色を発色させるようにして使用する場合には、発
色時にの中間色の経時的な色調変化を防止できる。この
時使用できる紫外線安定剤としては公知のものが制限無
く使用できるが、ヒンダードアミン光安定剤、ヒンダー
ドフェノール光安定剤、硫黄系酸化防止剤、亜リン酸エ
ステル系光安定剤を好適に使用することができる。上記
の紫外線安定剤の使用量は特に制限はうけないが、通常
は全モノマー100重量部に対して通常0.01〜5重
量部、好ましくは0.02〜1重量部の範囲である。更
に、必要に応じてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤ま
たはベンゾフェノン系紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色
防止剤、帯電防止剤、蛍光染料、顔料、香料等の各種添
加剤を添加することができる。
【0037】<重合性組成物の重合、硬化>次いで、本
発明のフォトクロミック重合性組成物を重合、硬化させ
て、本発明のフォトクロミック材を得る方法について説
明する。本発明のフォトクロミック重合性組成物から重
合体を得る重合方法については特に限定的ではなく、公
知の重合方法を採用できる。重合手段は、種々の過酸化
物やアゾ化合物などの重合開始剤の使用、又は、紫外
線、α線、β線、γ線等の照射あるいは両者との併用に
よって行うことができる。代表的な重合方法を例示する
と、エラストマーガスケットまたはスペーサーで保持さ
れているモールド間に、予めラジカル重合開始剤を含有
させた本発明のフォトクロミック重合性組成物を注入
し、加熱炉、紫外線もしくは可視光照射により重合させ
た後、取り外す注型重合を採用することができる。重合
条件のなかで、重合温度は使用する重合性単量体や重合
開始剤の種類によりそれぞれ異なるため一概に限定され
ないが、一般的には比較的低温で重合を開始し、ゆっく
りと温度を上げていき、重合終了時に高温下で硬化させ
るいわゆるテーパ型の2段重合が行われる。重合時間も
温度と同様に各種要因により異なるため、予めこれら条
件に応じた最適時間を決定するのが好適であるが、一般
的に2〜40時間で重合が完結するのが好適である。
【0038】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0039】[実施例1]下記の5−ヒドロキシ−(7
H)ベンゾ(c)フルオレン誘導体
【化26】 1.0g(0.0028mol)と、下記のプロパギル
アルコール誘導体
【化27】 0.91g(0.0031mol)とをトルエン50m
lに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸を0.05
g加えて室温で1時間攪拌した。反応後、溶媒を除去
し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製す
ることにより、淡黄色粉末状の生成物0.4gを得た。
収率は21%であった。この生成物の元素分析値は、C
88.10%、H5.16%、N2.04%、O4.6
8%であって、C5025NOの計算値であるC8
8.08%、H5.17%、N2.06%、O4.69
%に極めてよく一致した。また、プロトン核磁気共鳴ス
ペクトルを測定したところ、図1に示すように、δ3.
0〜4.0ppm付近にモルホリノ基のメチレンプロト
ンに基づく8Hのピーク、δ5.6〜9.0ppm付近
にアロマティックなプロトン及びアルケンのプロトンに
基づく27Hのピークを示した。さらに13C−核磁気
共鳴スペクトルを測定したところ、δ110〜160p
pm付近に芳香環の炭素に基づくピーク、δ80〜14
0ppm付近にアルケンの炭素に基づくピーク、δ20
〜60ppmにアルキルの炭素に基づくピークを示し
た。上記の結果から単離生成物は、下記構造式で示され
る化合物であることを確認した。
【化28】
【0040】[実施例2〜9]実施例1と同様にして表
1及び表2に示したクロメン化合物を合成した。得られ
た生成物について、実施例1と同様な構造確認の手段を
用いて構造解析した結果、表1、2に示す構造式で示さ
れる化合物であることを確認した。また、表3にこれら
の化合物の元素分析値、各化合物の構造式から求めた計
算値及びH−NMRスペクトルの特徴的なスペクトル
を示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】[実施例10]下記のグリニアール試薬
【化29】 0.63g(0.0023mol)をテトラヒドロフラ
ン20mlで希釈した中に、テトラヒドロフラン30m
lに溶解させた、下記の前駆体クロメン化合物1
【化30】 1.0g(0.0018mol)を25℃で加え、1時
間反応させた。反応後、反応液を水中にあけ、10%塩
酸水溶液で溶液を中和した後に有機層を分離し、得られ
た有機層を水洗、及び飽和食塩水で洗浄した後に溶媒を
除去して釜残を得た。次いで、釜残中に酢酸30ml、
濃塩酸2mlを加えて70℃で30分加熱し、反応液を
水中にあけ、水酸化ナトリウム水溶液で中和後、テトラ
ヒドロフランで抽出、水洗、飽和食塩水洗浄を行い、溶
媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーによ
り精製することにより、淡黄色粉末状の生成物0.2g
を得た。収率は13.3%であった。この生成物の元素
分析値は、C90.20%、H5.24%、N2.13
%、O2.43%であって、C4934NOの計算値
であるC90.15%、H5.25%、N2.15%、
O2.45%に極めてよく一致した。また、プロトン核
磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ1.5〜2.
0ppm付近にピロリジノ基のメチレンプロトンに基づ
く4Hのピーク、δ3.0〜4.0ppm付近にピロリ
ジノ基のメチレンプロトンに基づく4Hのピーク、δ
5.6〜9.0ppm付近にアロマティックなプロトン
及びアルケンのプロトンに基づく26Hのピークを示し
た。さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定したと
ころ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭素に基
づくピーク、δ80〜140ppm付近にアルケンの炭
素に基づくピーク、δ20〜60ppmにアルキルの炭
素に基づくピークを示した。上記の結果から単離生成物
は、下記構造式で示される化合物であることを確認し
た。
【化31】
【0045】[実施例11〜18]実施例10と同様に
して表4及び表5に示したクロメン化合物を合成した。
得られた生成物について、実施例1と同様な構造確認の
手段を用いて構造解析した結果、表4、5に示す構造式
で示される化合物であることを確認した。また、表3に
これらの化合物の元素分析値、各化合物の構造式から求
めた計算値及びH−NMRスペクトルの特徴的なスペ
クトルを示した。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】[実施例19〜36]実施例1で得られた
クロメン化合物0.05部(ここで、部は重量部を意味
する)をノナエチレングリコールジメタクリレート70
部、トリエチレングリコールジメタクリレート15部、
グリシジルメタクリレート10部、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート5部及びパーブチルND((株)日本
油脂(NOF)社製)1.5部に添加し十分に混合し
た。この混合液をガラス板とエチレン−酢酸ビニル共重
合体からなるガスケットで構成された鋳型の中に注入
し、注型重合を行った。重合は空気炉を用い、30℃〜
90℃まで18時間かけ徐々に温度を上げていき、90
℃で2時間保持した。重合終了後、重合体を鋳型のガラ
ス型から取り外した。得られた重合体(厚み2mm)を
試料とし、これに、浜松ホトニクス製のキセノンランプ
L−2480(300W)SHL−100をエアロマス
フィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、
重合体表面でのビーム強度2.4mW/cm(波長3
65nm),24μW/cm(波長245nm)で1
20秒間照射して発色させ、前記試料のフォトクロミッ
ク特性を測定した。
【0049】フォトクロミック特性は次のようなもので
評価した。 最大吸収波長(λmax): (株)大塚電子工業
製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテク
ターMCPD1000)により求めた発色後の最大吸収
波長である。該最大吸収波長は、発色時の色調に関係す
る。 初期着色{ε(0)}: 前記最大吸収波長におけ
る光未照射状態の吸光度。例えばメガネレンズのような
光学材料においては、この値が低いほどフォトクロミッ
ク性が優れているといえる。 発色濃度{ε(120)−ε(0)}: 前記最大
吸収波長における、120秒間光照射した後の吸光度
{ε(120)}と上記ε(0)との差。この値が高い
ほどフォトクロミック性が優れているといえる。 発色感度(sec.):光照射により、試料の前記
最大波長における吸光度が飽和に達するまでの時間。こ
の時間が短いほど、発色感度に優れているといえる。 退色速度〔t1/2(min.)〕: 120秒間光照射
後、光の照射を止めたときに、試料の前記最大波長にお
ける吸光度が{ε(120)−ε(0)}の1/2まで
低下するのに要する時間。この時間が短いほどフォトク
ロミック性が優れているといえる。 残存率(%)={(A200/A)×100}:
光照射による発色の耐久性を評価するために次の劣化
促進試験を行った。すなわち、得られた重合体(試料)
をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25
により200時間促進劣化させた。その後、前記発色濃
度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度
(A)および試験後の発色濃度(A200)を測定
し、{(A200/A)×100}の値を残存率
(%)とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高い
ほど発色の耐久性が高い。 着色変化度(△YI)=YI(200)−YI
(0): 光未照射時の色調の耐久性を評価するため
に、上記劣化促進試験前後の試料について、スガ試験機
(株)製の色差計(SM−4)を用いて色差を測定し
た。劣化に伴う着色変化度を試験後(200時間後)の
着色度の値{YI(200)}から試験前の着色度の値
{YI(0)}を引いた差{△YI}を求め、耐久性を
評価した。△YIが小さいほど光未照射時の色調の耐久
性が高い。
【0050】また、クロメン化合物として実施例2ない
し18で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様に
してフォトクロミック重合体を得、その特性を評価し
た。その結果をまとめて表6に示す。
【表6】
【0051】[実施例37〜40]表7に示したクロメ
ン化合物0.05部をノナエチレングリコールジメタク
リレート80部、テトラエチレングリコールジメタクリ
レート10部、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト3部、グリシジルメタクリレート5部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート2部及びパーブチルND1部に
添加し十分に混合した。その後、実施例19と同じ重合
条件で、この混合液からフォトクロミック重合体を得、
これら重合体の特性を上記と同様に評価した。その結果
を表7に示す。
【表7】
【0052】[比較例1〜7]下記式(A)〜(G)で
示される化合物を用い実施例19と同様にしてフォトク
ロミック重合体を得、その特性を評価した。その結果を
表8に示す。なお、式(A)の化合物は、国際特許公開
WO96/14596号に開示されたクロメン化合物で
あり、式(B)の化合物は、国際特許公開WO97/4
8762号に開示されたクロメン化合物であり、式
(C)〜(E)の化合物は、ドイツ国特許出願公開 DE
19902771 A1 の実施例4、7及び5に開示されたクロメ
ン化合物である。また、式(F)及び(G)の化合物
は、本発明者等による検討過程で得られた化合物であ
る。
【化32】
【化33】
【化34】
【0053】
【表8】
【0054】本発明のクロメン化合物を用いた実施例1
9〜36では、フォトクロミック重合体は、比較例1〜
7に比べて発色感度の高さ、退色速度の速さ、劣化時の
着色の少なさ、および耐久性の何れの点においても優れ
ている。本発明のクロメン化合物と類似の構造を有する
クロメン化合物でも、上記比較例に示されるように、前
記一般式(1)においてインデン環にスピロ結合する基
が、本発明で規定する−X−で示される基を有さない場
合(比較例3〜5)には、退色速度および発色感度が本
発明のクロメン化合物に比べて劣っている。また、イン
デン環にスピロ結合する基が−X−で示される基を有し
ていてもクロメン環の5位と6位の炭素原子に2価の基
が結合して環を形成していない場合(比較例6)は、退
色速度は速いものの、発色濃度および耐久性(残存率)
が著しく低くなっている。また、発色感度についても本
発明のクロメン化合物に比べて劣っている。さらに、ク
ロメン環の2位の炭素原子に前記一般式(1)における
及びR 以外の置換基が結合した場合(比較例7)
は、退色速度、発色感度、及び発色濃度が本発明のクロ
メン化合物より劣っているばかりでなく、耐久性(残存
率)が極めて低い値となっている。
【0055】
【発明の効果】以上の詳細な説明からわかるように、本
発明のクロメン化合物は、初期着色が小さく、発色濃度
が高く、しかも優れた耐久性を有するばかりでなく、発
色感度が高く、溶液中または高分子固体マトリックス中
に分散させても速い退色速度を示すという優れたフォト
クロミック性を示を示す。したがって、例えば、本発明
のクロメン化合物を用いてフォトクロミックレンズを作
成した場合には、屋外へ出た時にすばやく、濃く発色し
て、屋外から室内に戻った時にすばやく退色して元の色
調に戻り、さらに長時間使用可能な耐久性の高いフォト
クロミックレンズを得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の化合物のプロトン核磁気共鳴スペ
クトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/1545 C08K 5/1545 C08L 33/06 C08L 33/06 C09K 9/02 C09K 9/02 B Fターム(参考) 4C062 CC21 KK01 4C063 AA01 BB01 CC92 DD06 DD79 EE10 4C071 AA04 AA08 BB01 CC12 CC13 EE04 FF17 FF20 GG01 GG02 GG05 HH05 JJ01 JJ08 KK11 LL05 4J002 BC031 BE021 BF041 BF051 BF061 BG041 BG051 BG061 BG071 BG101 BG131 BQ001 CD191 CG001 CP031 EL096 GP03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 {式中、Rは、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキ
    シ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シア
    ノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換のアリール基、ハ
    ロゲン原子、トリフルオロメチル基、アラルキル基、炭
    素原子でインデン環と結合する1価の複素環基、窒素原
    子をヘテロ原子として有し該窒素原子でインデン環と結
    合する1価の置換もしくは非置換の複素環基、又は該複
    素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合
    した1価の縮合複素環基であり、pは0〜3の整数であ
    り; 下記式(2) 【化2】 で示される2価の基は、芳香族炭化水素基または不飽和
    複素環基であり;Rは、アルキル基、ヒドロキシ基、
    アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ
    基、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは非置換のアリー
    ル基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、アラルキ
    ル基、炭素原子で前記式(2)で示される基の環と結合
    する1価の複素環基、窒素原子をヘテロ原子として有し
    該窒素原子で前記式(2)で示される基の環と結合する
    1価の置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基
    に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した1
    価の縮合複素環基であり、qは0〜3の整数であり;R
    およびRは、それぞれ独立に、下記式(3) (式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基、ま
    たは置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R
    は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子であ
    り、nは1〜3の整数である。)で示される基、下記式
    (4) 【化3】 (式中、Rは、置換もしくは非置換のアリール基、ま
    たは置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、m
    は1〜3の整数である。)で示される基、置換もしくは
    非置換のアリール基、又は置換もしくは非置換のヘテロ
    アリール基であるか、又はRとRとが一緒になっ
    て、脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成
    する基であり;Xは、下記式 (式中Zは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、
    炭素数1〜6のアルキレン基であり、a、b、cおよび
    dは、いずれも独立して1〜4の整数である。)で示さ
    れるいずれかの基である。}で示されるクロメン化合
    物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(6) 【化4】 {式中、R15およびR16は、それぞれ独立に、炭素
    数1〜4のアルキル基;炭素数1〜5のアルコキシ基;
    炭素数6〜10のアラルコキシ基;置換基として炭素数
    1〜4のアルキル基もしくは炭素数6〜10のアリール
    基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換アミノ基;シ
    アノ基;炭素数6〜10のアリール基;置換基として炭
    素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜5のアルコ
    キシ基が置換した炭素数6〜10(但し置換基の炭素数
    は含まない。)の置換アリール基;ハロゲン原子;又は
    モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラ
    ジノ基、N−メチルピペラジノ基、或いはインドリニル
    基から選ばれる窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素
    原子でインデン環或いはナフタレン環と結合する置換も
    しくは非置換の複素環基、或いは、該複素環基に芳香族
    炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環
    基であり、 R13およびR14の少なくとも何れか一方は、置換基
    として炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数6〜1
    0のアリール基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換
    アミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モルホリノ
    基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N
    −メチルピペラジノ基、若しくはインドリニル基から選
    ばれる少なくとも1つの置換基を有する炭素数6〜10
    (但し置換基の炭素数は含まない。)の置換アリール基
    又は炭素数4〜12(但し置換基の炭素数は含まな
    い。)のヘテロアリール基であり、 Xは、−CH=CH−で示される2価の基である。}で
    示されるクロメン化合物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のクロメン化合物であっ
    て、 R15およびR16が、それぞれ独立に、炭素数1〜4
    のアルキル基;炭素数1〜5のアルコキシ基;ハロゲン
    原子;又はモルホリノ基であり、 R13およびR14のいずれか一方が、置換基として炭
    素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数6〜10のアリ
    ール基を有するモノ置換もしくはジ置換の置換アミノ
    基、炭素数1〜5のアルコキシ基、モルホリノ基、ピペ
    リジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチル
    ピペラジノ基、若しくはインドリニル基から選ばれる少
    なくとも1つの置換基を有する炭素数6〜10(但し置
    換基の炭素数は含まない。)の置換アリール基であり、
    13およびR14のいずれか一方が当該基でない場合
    における当該基以外の基が、炭素数6〜10のアリール
    基;又は炭素数4〜12のヘテロアリール基であるクロ
    メン化合物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のクロメン化合物であっ
    て、 R15およびR16が、メチル基又はメトキシ基であ
    り;R13およびR14の一方が、ピペリジノ基、モル
    ホリノ基又はメトキシ基を置換基として有するフェニル
    基であり、他の一方がフェニル基又はメトキシフェニル
    基であるクロメン化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載のクロメン化合物
    を含有してなるフォトクロミック材。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載のクロメン化合物
    を含有してなるフォトクロミック光学材料。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2に記載のクロメン化合
    物、及び重合性単量体を含有して成るフォトクロミック
    重合性組成物。
  8. 【請求項8】 更に、重合開始剤を含有する請求項7に
    記載のフォトクロミック重合性組成物。
  9. 【請求項9】 重合性単量体が、(メタ)アクリル酸エ
    ステル化合物である請求項7又は8に記載のフォトクロ
    ミック重合性組成物。
JP2000142655A 1999-05-20 2000-05-16 クロメン化合物 Expired - Lifetime JP3522189B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000142655A JP3522189B2 (ja) 1999-05-20 2000-05-16 クロメン化合物

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14083699 1999-05-20
JP30396799 1999-10-26
JP11-140836 1999-10-26
JP11-303967 1999-10-26
JP2000142655A JP3522189B2 (ja) 1999-05-20 2000-05-16 クロメン化合物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001192378A true JP2001192378A (ja) 2001-07-17
JP3522189B2 JP3522189B2 (ja) 2004-04-26

Family

ID=27318137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000142655A Expired - Lifetime JP3522189B2 (ja) 1999-05-20 2000-05-16 クロメン化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3522189B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7087798B2 (en) 2002-08-29 2006-08-08 Tokuyama Corporation Process for preparation of spirofluorenols
JP2009067754A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Tokuyama Corp クロメン化合物
JP2017014259A (ja) * 2003-07-01 2017-01-19 トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド フォトクロミック化合物
US10000472B2 (en) 2003-07-01 2018-06-19 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103080269B (zh) 2010-08-06 2015-12-16 德山株式会社 光致变色组合物
US9377664B2 (en) 2011-04-13 2016-06-28 Tokuyama Corporation Photocromic composition
MX352393B (es) 2011-04-18 2017-11-23 Tokuyama Corp Composicion fotocromica y articulo optico que utiliza la composicion fotocromica.
CA2851998A1 (en) 2011-10-17 2013-04-25 Tokuyama Corporation (meth)acrylate compound and photochromic curable composition containing the (meth)acrylate compound
AU2012359356B2 (en) 2011-12-26 2016-07-14 Tokuyama Corporation Photochromic composition
US20150030866A1 (en) 2012-04-27 2015-01-29 Tokuyama Corporation Photochromic curable composition
MX2015011166A (es) 2013-03-04 2015-11-09 Tokuyama Corp Composicion curable fotocromica.
ES2728334T3 (es) 2013-03-04 2019-10-23 Tokuyama Corp Composición fotocromática curable, producto curado de la misma, y laminado que incluye el producto curado

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7087798B2 (en) 2002-08-29 2006-08-08 Tokuyama Corporation Process for preparation of spirofluorenols
JP2017014259A (ja) * 2003-07-01 2017-01-19 トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド フォトクロミック化合物
US10000472B2 (en) 2003-07-01 2018-06-19 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds
US10005763B2 (en) 2003-07-01 2018-06-26 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds
US10501446B2 (en) 2003-07-01 2019-12-10 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds
US10532998B2 (en) 2003-07-01 2020-01-14 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds
US10532997B2 (en) 2003-07-01 2020-01-14 Transitions Optical, Inc. Photochromic compounds
JP2009067754A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Tokuyama Corp クロメン化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3522189B2 (ja) 2004-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4157245B2 (ja) クロメン化合物
JP4157227B2 (ja) クロメン化合物
JP4256985B2 (ja) クロメン化合物
JP4157239B2 (ja) クロメン化合物
JP3801386B2 (ja) クロメン化合物
JP4118458B2 (ja) クロメン化合物
JP4301621B2 (ja) クロメン化合物
KR101826641B1 (ko) 크로멘 화합물
EP1054010B1 (en) Chromene compound
JP4157225B2 (ja) クロメン化合物
JP2000344761A (ja) クロメン化合物
KR101864188B1 (ko) 크로멘 화합물 및 경화성 조성물
JPWO2005028465A1 (ja) クロメン化合物
JP2001011067A (ja) クロメン化合物
JP2000229974A (ja) クロメン化合物
JP2000219686A (ja) クロメン化合物
JP2000256347A (ja) クロメン化合物
WO2012121414A1 (ja) クロメン化合物
JPH09124645A (ja) クロメン化合物
JP2000229973A (ja) クロメン化合物
JPWO2007086532A1 (ja) クロメン化合物
EP1116723A1 (en) Chromene compounds
JPWO2002090342A1 (ja) クロメン化合物
JP2000229976A (ja) クロメン化合物
JP2009067680A (ja) クロメン化合物

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3522189

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150220

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term