JP3526930B2 - ペルフルオロシクロペンテン誘導体、フォトクロミック材料、光記録材料及び光記録方法 - Google Patents
ペルフルオロシクロペンテン誘導体、フォトクロミック材料、光記録材料及び光記録方法Info
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Description
クロペンテン誘導体、フォトクロミック材料及びそれを
用いた光記録媒体に関するもので、より詳細には、記録
の再生回数の顕著に向上した光記録媒体として有用なペ
ルフルオロシクロペンテン誘導体及びフォトクロミック
材料に関する。
るフォトクロミック材料は、光記録媒体、サングラス等
の光学的フィルター、マスキング用材料、ディスプレイ
用材料等の各種用途に広く使用されている。
種々の有機化合物が知られているが、代表的なものとし
てスピロピラン系化合物が挙げられる(例えば特公昭4
5−28892号公報)。
がフォトクロミック材料として有用であることも知られ
ており、例えば特開平3−261947号公報には、下
記式(4)
ら成るフォトクロミック材料が記載されている。
フルオロシクロペンテン誘導体を、ポリマー中にドープ
させ、或いはポリマーの主鎖に導入後、フィルムにキャ
ストし、或いは基板上に積層し、記録媒体を作成する。
視光を用いて記録の読み出しを行う。
は、光の照射に伴なう分子構造の異性化(閉環、開環)
により、発色乃至消色を生じるものであるが、これを記
録材料として使用する場合、異性化率が高くしかも記録
の再生回数を向上させることが最大の課題である。
れるような公知のフォトクロミック材料の殆どのもの
は、光化学反応に閾い値を持たないという傾向がある。
を形成させても、この像を光学的に読み取る際、開環体
に異性化する傾向があり、多数回読み取りを行うと像が
消失するという欠点が認められる。
ン誘導体をフォトクロミックメモリ媒体として用いる
際、その異性化率が高く、かつ記録の読み出し時のレー
ザー光に対して異性化分子の光安定性が高い、すなわち
しきい値を持つジアリールエテン誘導体を提供し、光記
録媒体としての実用性を高めることにある。
(1)
2 は低級アルキル基であり、環A及びBの各々は未置換
でも或いは置換されていてもよい、で表わされるペルフ
ルオロシクロペンテン誘導体が提供される。
式(2)で表されるペルフルオロシクロペンテン誘導体
から成ることを特徴とするフォトクロミック材料が提供
される。尚、前記式(1)及び(2)において、低級ア
ルキル基とは、炭素原子数が4以下のアルキル基を意味
する。
前記式(2)で表わされるペルフルオロシクロペンテン
誘導体を含有する層を基体上に設けて成ることを特徴と
する光記録媒体が提供される。
されるペルフルオロシクロペンテン誘導体(開環体)を
含有する層を活性光線で照射して前記式(2)で表され
る異性化分子(閉環体)から成る像を形成させ、次いで
この像を還元することにより前記式(3)
分子を読み出し用光線に対して安定化させることを特徴
とする光記録方法が提供される。
(3)の化合物を酸化して、式(2)の化合物(閉環
体)とし、次いで可視光線を照射することにより像の消
去を行うことができる。
ン誘導体のα位(1位)及びβ位(2位)にチオフェン
環を有し且つチオフェン環の5位にフェニルイミノメチ
リデンフェニル基を有することが化学構造上の特徴であ
る。式(1)は開環体であり、式(2)は閉環体、式
(3)は閉環体の還元体である。
におけるベンゾチオフェン環をチオフェン環に変更する
ことで、閉環体への異性化率が向上するばかりでなく、
チオフェン環の5位にフェニルイミノメチリデンフェニ
ル基を導入することにより、式(2)の閉環体を還元す
ると、フェニルイミノメチリデンフェニル基が、フェニ
ルアミノキノメタン構造に転移した式(3)の還元体が
容易に生成する。
の閉環体は、フォトクロミック性を全く有しなく、記録
の光学的読み取りに際しても他構造に変化しないので、
記録保持上極めて好都合である。また、式(3)のフェ
ニルアミノキノメタン構造は、酸化により式(2)のフ
ェニルイミノメチリデンフェニル構造に転化し、式
(2)の閉環体はフォトクロミック性を有するので、光
線照射により消去を行うことができる。
体は概して黄色のような明るい色であり、前記一般式
(2)の閉環体(シクロヘキサジエン)は緑色であり、
また式(3)の還元体は青色であって、互いに色相を異
にし、しかも式(3)の還元体がフォトクロミック性を
有していないため、高いコントラストと記録の高度の保
持性とが得られる。
体は、閉環体への量子収率が大きいため、カラーフィル
ター、サングラス等の一般的なフォトクロミック材料と
して使用し得ることは勿論であるが、光記録媒体として
特に有用である。
図1において、光記録媒体1は、基体(透明基体)2上
に、本発明のペルフルオロシクロペンテン誘導体をポリ
マー中に溶解させたものを記録層3として設けたものか
ら成っている。この記録層3は、書込み前では、フォト
クロミック分子は開環体A(前記式1)の状態にある。
書込みに際して光λ1 を照射する。これにより明部では
フォトクロミック分子が閉環体B(前記式2)となり、
暗部ではフォトクロミック分子が開環体Aのまま残留す
る。書き込みした記録層を電気的還元操作等により還元
する。これにより、閉環体Bは還元体C(前記式3)に
転化され、開環体Aはそのまま残留する。読み取りに際
しては、記録層に光線λ2 を照射すると、前述したフォ
トクロミック分子Aの部分では光線が透過し、フォトク
ロミック分子Cの部分では光線が遮断されるので、光線
像(ネガ像)に再現することができる。一旦書き込みを
行った記録層は、光線に対する感度がないので、これ
を、多数回数の光線像の再現に用いることができる。使
用済みの記録層には消去工程で記録層の酸化を行って、
分子Cを閉環体Bに酸化し、次いで光線λ2 を照射し
て、開環体Aとし、消去を行うことができる。
般式(1)及び(2)のペルフルオロシクロペンテン誘
導体において、チオフェン環の基、R1 は水素原子また
は低級アルキル基であることができ、ここで低級アルキ
ル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル基等
が挙げられる(以下同様)。メチル基が好ましい。チオ
フェン環の基R2 は低級アルキル基であり、立体障害性
のないメチル基が好ましい。
キル基、アルコキシ基、アリール基、シアノ基、水酸
基、アミノ基またはハロゲン原子の一種或いは二種以上
で置換されていてもよい。アルコキシ基としては、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ基等の低級アル
コキシ基が挙げられ、アリール基としては、フェニル、
トリル、クミール、ナフチル基等が挙げられる。アミノ
基としては、ジ置換アミノ基、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル基等でジ置換されたアミノ基が挙
げられる。また、ハロゲン原子としては、塩素原子、フ
ッ素原子、臭素原子を挙げることができる。
く、環Aは、未置換でも、或いはp位にアルコキシ基、
シアノ基、ジ置換アミノ器等を有していてもよい。
1,2−ビス〔2,4−ジメチル−5−(4´−(4´
´−N,N−ジエチルアミノフェニルイミノメチリデ
ン)フェニル)チオフェン−3−イル〕ペルフルオロシ
クロペンテン。
ンテン誘導体は、下記式(6)
シクロペンテン誘導体と、下記式(7)
縮合させることにより合成される。
ニルペルフルオロシクロペンテン誘導体は、次のように
合成される。即ち、下記式(8)
を、式(9)に示すチエニル塩化亜鉛誘導体とし、これ
と式(10)に示す4−ハロベンゼンとを反応させて、
式(11)に示す2−低級アルキル−5−フェニルチオ
フェン誘導体とし、これを式(12)に示す2−低級ア
ルキル−3−ハロ−5−フェニルチオフェン誘導体と
し、ペルフルオロシクロペンテンと反応させて、式(1
3)のビスフェニルチエニルペルフルオロシクロペンテ
ン誘導体とする。これを式(14)
テン誘導体とし、最後にホルミル基を導入することによ
り得られる。
テン誘導体は、フォトクロミック材料、特に光記録用媒
体として有用である。即ち、このペルフルオロシクロペ
ンテン誘導体をポリマー中に溶解させて、この組成物を
造膜或いは適当な形状に成形し、フォトクロミック材料
として使用する。
マー中に溶解させるには、予め形成されたポリマーの溶
液中にペルフルオロシクロペンテン誘導体の溶液を溶解
させ、この溶液をキャスティング等の手段で造膜乃至成
形する手段を用いることができる。或いは、別法とし
て、重合硬化性のモノマー或いはプレポリマー中にペル
フルオロシクロペンテン誘導体を溶解させ、これをキャ
スティング等の手段で造膜乃至成形した後、重合硬化さ
せる。
脂が使用され、例えばスチレン系重合体やアクリル系重
合体、スチレン−アクリル系共重合体或いはカーボネー
ト系重合体等が使用される。
リル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、マレイン酸モノ又はジ・エチル、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、マレイミド、アクロレイン、メタクロレイ
ン、ビニルメチルケトン、ビニルブチルケトン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、γ−ヒドロキシメタ
クリル酸プロピル、 β−ヒドロキシアクリル酸エチ
ル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ア
リルエチルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、グリシジルビニルエーテル、スチ
レン等の他に、多感能性の単量体、例えばポリアルキレ
ンポリオール(メタ)アクリル酸エステル、ビスジエチ
レングリコールカーボネート、ジビニルベンゼン等が、
ラジカル開始剤との組み合わせで使用される。
ペンテン誘導体とポリマーとの間にグラフト等の反応が
生じても何等差し支えがない。
体は、単独でフォトクロミック材料として使用すること
ができる他に、他のフォトクロミック材料と組み合わせ
でもフォトクロミック材料として使用でき、この後者の
場合には、発色時の色調を所望の色調に調節し得るとい
う利点がある。
フルオロシクロペンテン誘導体溶解ポリマーの単独を使
用することもできるが、一般には、二軸延伸PETのよ
うなプラスチックフィルムの表面にペルフルオロシクロ
ペンテン誘導体溶解ポリマー組成物を記録層としてコー
トしたものを用いるのがよい。光線透過性が要求されな
い用途には、基体として、紙或いは金属箔等を用いるこ
ともできる。
体を発色させる紫外線としては、253.7nm或いは
184.9nm等の紫外線が有利であり、一方、書き込
みに際しての熱源としてのレーザー光としては、HeN
e、CO2 ,Arイオン、エキシマ等のガスレーザー、
アレキサンドライト、YAG、ルビー、ガラス等の固体
レーザー等が使用される。
l)の3−メチルチオフェン1と乾燥エーテル50ml
を入れ、18.1ml(0.12mol)のテトラメチ
ルエチレンジアミンを加えた。つぎに75.0ml
(0.12mol)のn−BuLi/ヘキサン溶液を氷
冷下、滴下ロートを用いてゆっくり滴下した。氷冷下1
時間撹拌し、さらに1時間、室温撹拌した。再び氷冷
し、滴下ロートより7.5ml(0.12mol)のヨ
ウ化メチル/乾燥エーテル20mlをゆっくり滴下し
た。終夜撹拌後氷水100mlに注ぎ有機層を分離し、
エーテルにて抽出した。有機層を合わせて希塩酸により
洗浄し、次いで水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥、溶
媒を留去した。得られた液体を減圧蒸留し、無色液体の
式(15)
ンの合成 2,4−ジメチルチオフェン 3.36g(0.03m
ol)/乾燥ジエチルエーテル30mlに4.84ml
(0.033mol)のテトラメチルエチレンジアミン
を加え、22.5ml(0.036mol)のn−Bu
Li/ヘキサン溶液を滴下ロートを用いて室温で滴下し
た。滴下後2時間撹拌し、沈澱を少量のTHFで溶解さ
せた。これに36.0ml(0.036mol)のZn
Cl2 /ジエチルエーテル(1.0M)を室温で滴下
し、3時間、室温で乾燥した。この溶液を別の容器に調
製した0.33g(3×10-4mol)のPd(PPh
3 ) 4 、ヨードベンゼン4.4g(0.028mo
l)、乾燥THF20mlに室温にて滴下した。滴下後
50℃で3時間撹拌後、終夜撹拌した。水を加え有機層
をジエチルエーテルにて抽出し、希塩酸水にて洗浄後、
乾燥し、溶媒を留去後、カラムクロマトグラフィーによ
り精製し、式(16)
ニルチオフェンの合成 2,4−ジメチル−3−フェニルチオフェン 3.76
g(0.02mol)、四塩化炭素35ml、酢酸35
mlに室温にて0.81gのヨウ素酸を水10mlに溶
解させたものを加え60〜65℃に加熱した。これにI
2 2.54g(0.01mol)を加え4時間環流し
た。水を加えクロロホルム抽出後、水洗および炭酸水素
ナトリウムにて洗浄し、乾燥後、溶媒を留去した。カラ
ムクロマトグラフィーにて精製し、式(17)
ェンを得た。 収量 5.08g 収率80.9%
ェニルチオフェン−3−イル)ペルフルオロシクロペン
テンの合成 3−ヨード−2,4−ジメチル−5−フェニルチオフェ
ン 1.83g(5.83mmol)、THF20ml
を−78℃に冷却し、これに5.3ml(8.75mm
ol)のn−BuLi/ヘキサン溶液を滴下ロートを用
いて滴下し、1時間撹拌した。0.37ml(2.92
mmol)のペルフルオロシクロペンテンを3回にわけ
て加え、終夜撹拌した。水を加えジエチルエーテルで抽
出後塩酸および水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥、溶媒を留去後カラムクロマトグラフィーにて精製
し、式(18)
フェン−3−イル)ペルフルオロシクロペンテンを得
た。 収量 0.792g 収率51%
(4−ブロモフェニル)チオフェン−3−イル)ペルフ
ルオロシクロペンテンの合成 1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−フェニルチオフ
ェン−3−イル)ペルフルオロシクロペンテン 0.7
6g(1.38mmol)および鉄粉7.7mg(1.
38×10-4mol)、二硫化炭素15mlに0℃にて
Br2 0.17ml(3.3mmol)をゆっくりと加
えた。室温にて撹拌後、チオ硫酸ナトリウム水溶液、ク
ロロホルムを加え、クロロホルムに抽出した。水洗後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、カラム
クロマトグラフィーにて精製し、式(19)
フェニル)チオフェン−3−イル)ペルフルオロシクロ
ペンテン。 収量 0.83g 収率85.3%
(4−ホルミルフェニル)チオフェン−3−イル)ペル
フルオロシクロペンテンの合成 1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−(4−ブロモフ
ェニル)チオフェン−3−イル)ペルフルオロシクロペ
ンテン 0.2g(2.8×10-4mol)、乾燥ジエ
チルエーテル15mlを0℃に冷却し、これに0.36
ml(5.7×10-4mol)のn−BuLi/ヘキサ
ン溶液を滴下し、0℃1時間撹拌した。さらに0℃下で
0.4mlのDMFを滴下し、0℃下3時間撹拌した。
水を加えエーテル抽出後、希塩酸および水洗し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。カラムクロ
マトグラフィーにより精製し、式(20)
ルフェニル)チオフェン−3−イル)ペルフルオロシク
ロペンテンを得た。 収量 35mg 収率21%
(4´−(4´´−N,N−ジエチルアミノイミノメチ
リデン)フェニル)チオフェン−3−イル)ペルフルオ
ロシクロペンテンの合成 1,2−ビス(2,4−ジメチル−5−(4−ホルミル
フェニル)チオフェン−3−イル)ペルフルオロシクロ
ペンテン 35mg(5.6×10-5mol)、ベンゼ
ン3mlに4−アミノジエチルアニリン0.05g
(4.6×10-4mol)/ベンゼン5mlを室温にて
滴下後、室温で1時間撹拌した。さらに4時間環流後、
水を加えクロロホルム抽出後、水洗し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラ
>フィーにより精製し、式(21)
´´−N,N−ジエチルアミノイミノメチリデン)フェ
ニル)チオフェン−3−イル)ペルフルオロシクロペン
テンを得た。 収量 27mg 収率54.1% 元素分析 cal.C:68.72 H:5.62
N:6.29 fon.C:68.74 H:5.63 N:6.28 m.p.91.3℃
た溶液(1×10-4mol/l)に励起波長(313n
m)を照射し、十分に閉環させる。これを液体クロマロ
トグラフィーにより閉環体と開環体に分取する。
溶解させ、閉環体のみの吸収スペクトルを測定した。こ
の閉環体溶液に520nm以上の光をカットフィルター
により取り出し照射し、開環体とした後、この開環体の
みの吸収スペクトルを測定した。
nm)を照射し、光定常状態とし、吸収スペクトルを測
定した。各々の溶液の吸収スペクトルの測定は分光光度
計日立UV−3400Aを用いて行った。
各々の状態の吸収スペクトルを測定した。
ン中での異性化率は以下の通りであった。 転化率 λmax 化合物1 17% 600nm 化合物2 73% 630nm
構造は、式(22)
共鳴より確認された。
フルオロ酢酸を使用し、以下の条件で還元させた。
(23)
共鳴より確認された。
トンスポンジを使用し、以下の条件で酸化させた。酸化
により式(22)の閉環体が生成した。
ル中の濃度がポリメタクリル酸メチル単位当たり0.2
mol%になる様に溶解させ、スライドガラスに乾燥後
の膜厚が100μmとなるように塗布し乾燥し記録膜を
得た。
した。この記録部は緑色であり、未記録部の黄色に対し
てコントラストの強い記録膜であった。
色に変色した。この記録部を、可視光(レーザ光)によ
る読み取り操作を50回にわたって反復して行ったが、
像コントラストの低下は一切なかった。
記録部は緑色に変色した。この記録部を、可視光(レー
ザ光)による消去操作を50回行ったが、元の開環体
(黄色)に復元した。
ンテン誘導体のα位(1位)及びβ位(2位)にチオフ
ェン環を有し且つチオフェン環の5位にフェニルイミノ
メチリデンフェニル基を有するという化学構造上の特徴
を有する。
におけるベンゾチオフェン環をチオフェン環に変更する
ことで、式(2)の閉環体への異性化率が向上するばか
りでなく、チオフェン環の5位にフェニルイミノメチリ
デンフェニル基を導入することにより、式(2)の閉環
体を還元すると、フェニルイミノメチリデンフェニル基
が、フェニルアミノキノメタン構造に転移した式(3)
の還元体が容易に生成する。
の閉環体は、フォトクロミック性を全く有しなく、記録
の光学的読み取りに際しても他構造に変化しないので、
記録保持上極めて好都合である。また、式(3)のフェ
ニルアミノキノメタン構造は、酸化により式(2)のフ
ェニルイミノメチリデンフェニル構造に転化し、式
(2)の閉環体はフォトクロミック性を有するので、光
線照射により消去を行うことができる。
な明るい色であり、前記一般式(2)の閉環体(シクロ
ヘキサジエン)は緑色であり、また式(3)の還元体は
青色であって、互いに色相を異にし、しかも式(3)の
還元体がフォトクロミック性を有していないため、高い
コントラストと記録体の安定した記録保持性とが得られ
る。
図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 または下記式(2) 【化2】 式中、R1は水素原子または炭素原子数が4以下の低級
アルキル基であり、 R2は炭素原子数が4以下の低級アルキル基であり、環
A及び環Bの各々は未置換でも或いは置換されていても
よい、で表わされるペルフルオロシクロペンテン誘導
体。 - 【請求項2】 R1及びR2がメチル基である請求項1
記載のペルフルオロシクロペンテン誘導体。 - 【請求項3】 1,2−ビス[2,4−ジメチル−5−
(4’−(4”−N,N−ジエチルアミノフェニルイミ
ノメチリデン)フェニル−1’)チオフェン−3−イ
ル]ペルフルオロシクロペンテンである請求項1記載の
ペルフルオロシクロペンテン誘導体。 - 【請求項4】 下記式(1) 【化3】 または下記式(2) 【化4】 式中、R1は水素原子または炭素原子数が4以下の低級
アルキル基であり、 R2は炭素原子数が4以下の低級アルキル基であり、環
A及び環Bの各々は未置換でも或いは置換されていても
よい、で表わされるペルフルオロシクロペンテン誘導体
から成ることを特徴とするフォトクロミック材料。 - 【請求項5】 下記式(1) 【化5】 または下記式(2) 【化6】 式中、R1は水素原子または炭素原子数が4以下の低級
アルキル基であり、 R2は炭素原子数が4以下の低級アルキル基であり、環
A及び環Bの各々は未置換でも或いは置換されていても
よい、で表わされるペルフルオロシクロペンテン誘導体
を含有する層を基体上に設けて成ることを特徴とする光
記録媒体。 - 【請求項6】 下記式(1) 【化7】 式中、R1は水素原子または炭素原子数が4以下の低級
アルキル基であり、 R2は炭素原子数が4以下の低級アルキル基であり、環
A及び環Bの各々は未置換でも或いは置換されていても
よい、で表わされるペルフルオロシクロペンテン誘導体
を含有する層を活性光線で称して式(2) 【化8】 で表わされる異性化分子からなる像を形成させ、次いで
この像を還元することにより式(3) 【化9】 で表わされる化合物からなる記録像を形成させ、これに
より異性化分子を読み出し用光線に対して安定化させる
ことを特徴とする光記録方法。 - 【請求項7】 安定化された式(3) 【化10】 の化合物を酸化して、式(1) 【化11】 の化合物とし、次いで可視光線を照射することにより像
の消去を行うことを特徴とする請求項6記載の光記録方
法。
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1994
- 1994-11-15 JP JP28083294A patent/JP3526930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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