JPH069608A - 光記録素子および光表示素子 - Google Patents

光記録素子および光表示素子

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Publication number
JPH069608A
JPH069608A JP5059528A JP5952893A JPH069608A JP H069608 A JPH069608 A JP H069608A JP 5059528 A JP5059528 A JP 5059528A JP 5952893 A JP5952893 A JP 5952893A JP H069608 A JPH069608 A JP H069608A
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JP
Japan
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group
compound
photochromic
light
formula
Prior art date
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Application number
JP5059528A
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English (en)
Inventor
Manabu Uchida
内田  学
Masahiro Irie
正浩 入江
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JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Filing date
Publication date
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pyrane Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 無色から黄色に変化するフォトクロミック化
合物とこれを用いた光記録媒体または光表示媒体の提
供。 【構成】 一般式化1で示されるフォトクロミック化合
物、これを用いたフォトクロミック化合物、同媒体及び
同光記録もしくは光表示素子。 【化1】 ただし、X1 〜X6 ,Y(Y1 ,Y2 ,Y3 )は、夫々
所定のアルキル基等又はSO2 等。 【効果】 本発明の化合物は、複写材料、調光材料等と
して有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光記録素子もしくは光
表示素子に関し、詳しくは、フォトクロミック化合物を
用いた光記録素子もしくは光表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】近年、情報産業の急速な進
展にともない情報記録の高密度化が要求されている。こ
れまで用いられてきた磁気メモリーに対して、光メモリ
ーは記録密度の点で大幅に磁気メモリーを超える可能性
があり、多くの研究が行われている。光メモリーには1
度だけ書き込み可能なWrite Once型と消去、書き込み可
能なRewritable型とがあり、Rewritable型材料の候補に
フォトクロミック化合物がある。フォトクロミック化合
物とは、ある特定の波長の光の照射によりその吸収スペ
クトルが変化し、熱または他の波長の光の照射によりも
との吸収スペクトルに戻る化合物のことを言う。この様
なフォトクロミック化合物を光記録素子に応用した例と
しては、友田ら(日本化学会誌、1071, 1992)によるも
のがある。しかしながら、これまでのフォトクロミック
化合物は1光子により異性化する性質を持つため、どん
なに弱い光を用いて読みだしても書き込まれた情報が徐
々に消えてしまうという欠点を持つ。また、フォトクロ
ミック化合物は光照射による構造の変化で色が異なるこ
とが特徴であり、これを表示素子に利用できることが提
案されている。この場合においても同様に通常の日光あ
るいは電灯のもとでは表示が消えてしまうという欠点を
持つ。この様な、読みだしによる記録の破壊を防止する
ために様々な提案がなされている。1つは熱しきい値を
用いる方法で、スピロベンゾピランのJ−会合体を用い
た光記録が低パワーのレーザ光では光反応せず、高パワ
ーの時のみ温度上昇にともない光反応する事を利用し、
1000回以上の読みだしに成功している(第3回次世
代産業基盤技術シンポジウム−光電子材料−予稿集、東
京、1992)。また、ジアリールエテン分子を用いた光記
録では、同様に熱しきい値を利用して、2つのレーザ光
を用いて読みとる事により100万回の読みだしの可能
な事が報告されている(光メモリシンポジウム−92−
予稿集、横浜、1992)。他の方法としては、フォトクロ
ミック反応を誘起しない波長の光を用いて読み出す方法
があり、複屈折を用いる方法(第1回機能色素国際会議
予稿集、大阪、1989)、液晶の物性変化を用いる方法
(化学と工業、43、 783、 1990 )等が提案されている。
しかしながら、熱しきい値を用いる方法は熱反応に伴う
劣化のおそれがあり、またフォトクロミック反応を誘起
しない波長を用いる方法は光源を3個必要とする問題点
がある。さらに、表示材料においては、色の多重化、フ
ルカラー化が要求されるため黄色に発色するフォトクロ
ミック化合物が要求されている。しかしながら、無色か
ら黄色に変化するフォトクロミック化合物は余り知られ
ておらず、例えば特願平3-133988等が挙げられる。しか
しながら、これらの化合物の着色体は熱的に安定でな
く、室温、暗所下で速やかに退色する。本発明者らは、
上記課題を解決することの可能なフォトクロミック化合
物およびこれを用いた素子を見いだすべく鋭意研究を行
った。その結果、光異性化に2光子を必要とするフォト
クロミック化合物およびこれを用いた光記録媒体あるい
は光表示媒体が、上記問題点を解決し得ることを知って
本発明を完成した。
【0003】
【問題点を解決するための手段】本発明は、下記(1)
から(5)の構成を有する。 (1)一般式
【化2】 (式(1)において、Rは、アルキル基、アルコキシ
基、パーフルオロアルキル基またはシアノ基を示し、X
1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5 およびX6 は、各々独立
に、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アル
カノイルオキシ基またはアルキルオキシカルボニル基を
示すか、あるいは、X1 ,X2 あるいは/およびX3
4 あるいは/およびX5 ,X6 で置換あるいは無置換
のベンゼン環が縮合しており、Yは、Y1 C=CY2
O、S、SO、SO2 またはNY3 (式中、Y1 および
2 は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルカノイルオキシ基またはアルキルオキ
シカルボニル基を示すか、あるいは、Y1 ,Y2 で置換
あるいは無置換のベンゼン環が縮合しており、Y3 は水
素、アルキル基、アルカノイル基、アルキルオキシカル
ボニル基またはアリール基を示す。)を示す。)で表さ
れる事を特徴とするフォトクロミック化合物。 (2)光異性化に2光子を要するフォトクロミック化合
物を含むことを特徴とするフォトクロミック媒体。 (3)前記(2)記載のフォトクロミック化合物が前記
(1)記載の化合物であることを特徴とするフォトクロ
ミック媒体。 (4)光異性化に2光子を要するフォトクロミック化合
物を含むことを特徴とする光記録素子もしくは光表示素
子。 (5)前記(4)記載のフォトクロミック化合物が、一
般式(1)で表されることを特徴とする光記録素子もし
くは光表示素子。
【0004】すなわち、本発明の化合物は、一般式
(1)
【化3】 (式(1)において、Rは、アルキル基、アルコキシ
基、パーフルオロアルキル基またはシアノ基を示し、X
1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5 およびX6 は、各々独立
に、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アル
カノイルオキシ基またはアルキルオキシカルボニル基を
示すか、あるいは、X1 ,X2 あるいは/およびX3
4 あるいは/およびX5 ,X6 で置換あるいは無置換
のベンゼン環が縮合しており、Yは、Y1 C=CY2
O、S、SO、SO2 またはNY3 (式中、Y1 および
2 は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル基、ア
ルコキシ基、アルカノイルオキシ基またはアルキルオキ
シカルボニル基を示すか、あるいは、Y1 ,Y2 で置換
あるいは無置換のベンゼン環が縮合しており、Y3 は水
素、アルキル基、アルカノイル基、アルキルオキシカル
ボニル基またはアリール基を示す。)を示す。)で表さ
れる事を特徴とする。上記一般式(1)中、X1 ,X
2 ,X3 ,X4 ,X5 ,X6 およびY1 ,Y2で縮合し
ているベンゼン環につく置換基としては、ハロゲン、ア
ルキル基、アルコキシ基、アルカノイルオキシ基、アリ
ール基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル
基またはアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
これらの置換基は1個またはそれ以上置換していて良
い。本発明のフォトクロミック化合物の具体例をして
は、次のような化合物を挙げる事ができる(式中Rおよ
びY3 は前記と同じである。)。
【0005】
【化4】
【化5】
【化6】
【0006】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【0007】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0008】本発明の化合物は、一般の有機溶媒(例え
ば、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、エーテル、ア
セトン、エタノールあるいは酢酸エチル等)に良く溶け
る。また、本発明の化合物は、一般のポリマーとの相溶
性がよい為、ポリマー中で均一に分散させることが可能
である。この様なポリマーとしては、ポリオレフィン、
ポリスチレン、ポリカーボネート、PMMAあるいはP
ET等が挙げられる。このような媒体中で、本発明の化
合物(1)は、図1の様なフォトクロミック反応を示
し、1から3への反応は2光子を必要とし、光強度の低
いときにはほとんど進まない(図2)。本発明の化合物
の1つである1bの吸収スペクトルの変化を図3に示
す。各異性体(1、2および3)とも熱的に安定である
ため、記録材料あるいは表示材料の1成分として適して
いる。さらに、1から3への反応には光強度依存性があ
るため、記録や表示の非破壊読みだしが可能となる。ま
た、本発明の化合物1aおよび1j等は媒体中で黄色で
あり、可視光の照射により無色となる。さらに、無色の
状態に紫外光を照射することにより、再び黄色に着色す
る。そのため、光表示材料としても適しており、特に色
の多重化やフルカラー化には好適な材料である。
【0009】本発明の化合物の無色体は、大きい歪エネ
ルギーを持つ3員環構造を有するため、光エネルギーを
化学エネルギーに変換し、必要に応じて取り出すことの
できる光エネルギー貯蔵材料の1成分としても好適であ
る。また、本発明の化合物は光反応による他の異性体へ
の変換率が高いという特徴を有している。例えば、化合
物1aから3aへの変換率は100%であり、3aから
消色する変換率も99%以上である。このことは、光記
録素子あるいは光表示素子の高感度化あるいは高コント
ラスト化につながる。これらの用途の他にも、光学フィ
ルター、マスキング用材料、光量計、装飾用材料、おも
しろグッズなどにも使用でき幅広い用途を有する。
【0010】次に本発明の化合物の合成法を示す。
【化15】
【0011】(式中、X1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5
6 ,YおよびRは前記と同じであり、ZはLi,Mg
1 (Z1 はCl,BrおよびIを表す。)、ZnZ1
あるいはSnZ1 等を表す。)
【0012】すなわち、通常のハロゲン−メタル交換か
ら合成することができる式(4)で表される有機金属化
合物とサリチルアルデヒド誘導体(5)を反応させるこ
とによってジオール体(6)が得られる。この際、使わ
れる溶媒としては不活性溶媒なら特に制限はないが、好
ましくはエーテルやテトラヒドロフランのようなエーテ
ル系の溶媒が使われる。反応温度にも特に制限がなく、
−100〜250℃の範囲で行える。次に、得られたジ
オール体(6)に脱水触媒(例えば、硫酸マグネシウ
ム、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、シリカゲル
あるいは五酸化リン等)を作用させることによって、本
発明の化合物(1)および(2)が得られる。この際、
p−トルエンスルホン酸等の酸触媒を共存させておくこ
とによって反応はより速く進む。また、加熱することに
よっても反応は促進される。この反応温度に特に制限は
ないが、0〜200℃の範囲が好ましい。
【0013】次に、本発明のフォトクロミック媒体につ
いて説明する。本発明のフォトクロミック化合物は、有
機溶媒に対して溶解性が高いので、媒体と共に有機溶媒
に溶かしたり、媒体に浸透させたり、あるいは真空蒸着
等によってフォトクロミック媒体を作成できる。ここで
用いられる媒体としては、紙、ガラス、石英、プラスチ
ックまたは金属等が挙げられる。この様な媒体は形状に
特に制限はなく、必要であれば、高分子多孔膜あるいは
微粒子等でも良い。作成されたフォトクロミック媒体
を、フォトクロミック反応が起こる波長の光を照射する
ことによって、記録または表示が行える。
【0014】また、本発明の素子は、ガラスあるいはプ
ラスチックのような基板に、フォトクロミック媒体を担
持させることによって得られたものである。この化合物
を担持する基板としては特に制限はなく、従来慣用され
ているもの例えば、紙、ガラス、プラスチック、石英お
よび金属板等が挙げられる。また必要ならば、特に基板
をつけることはない。この化合物を担持させる方法とし
ては、従来慣用されている方法で良く、例えば、真空蒸
着法、スピンコート法や塗布法等が使われる。
【0015】さらに、このフォトクロミック化合物を高
分子化して用いることもできる。以上のようにして作成
された光記録素子または光表示素子を、フォトクロミッ
ク反応が起こる波長の光にさらすことによって、記録ま
たは表示が行える。記録あるいは表示に使用される光源
は、汎用のもので良く、例えば、水銀ランプ、キセノン
ランプやレーザ等が挙げられる。記録や表示に使用され
る光の強度は、材料によって異なるが、書き込み光で
は、好ましくは10-5W/cm2 から1W/cm2 の範囲のものが
良い。また、記録を読みだす光は、強度が弱いものが良
く材料によって異なるが、好ましくは10-4W/cm2 から1
0-8W/cm2の範囲のものが良い。表示においては、特に制
限はなく、通常の電灯のもとあるいは日光のもとで使用
しても光による表示の消去は認められない。
【0016】また、前述のフォトクロミック媒体上に発
光材料を有する層(発光層)を設けることによって光記
録素子あるいは光表示素子とすることもできる。この
際、フォトクロミック化合物の一方の異性体が、前記発
光材料を発光させる波長の光を吸収することが好まし
い。すなわち、フォトクロミック層側から見ると、フォ
トクロミック化合物が発光材料を発光させる波長の光を
吸収する状態にあるとき、光を照射しても、この素子は
発光しないこととなり、フォトクロミック化合物が発光
材料を発光させる波長の光を吸収しない状態にあると
き、この素子は発光する。
【0017】この様な素子は以下のようにして作成でき
る。すなわち、ガラスなどの基板上に真空蒸着法、スピ
ンコート法や塗布法等によりフォトクロミック層を形成
させる。次にこのフォトクロミック層の上に真空蒸着
法、スピンコート法や塗布法等により発光層を構築す
る。必要であれば、この層の上にさらに反射層あるいは
遮光層を設けても良い。また素子の作成の順序を逆にし
て、反射層、発光層、フォトクロミック層の順に構築し
ても良い。また、フォトクロミック層および発光層を別
々に作成し、これらを重ね合わせたり、基板の間に挟ん
だりしても良い。この発光層に用いられる発光材料とし
ては市販のもので良く、例えば、無機系の蛍光材料、有
機系の蛍光材料や燐光材料の中から選ばれる。この様な
蛍光材料としては、蛍光強度の強いものが好ましくレー
ザー色素等が挙げられる。発光材料は、そのまま使用し
ても良いし、何らかの媒体中にドープしても良い。この
反射層あるいは遮光層に用いられる材料としては、アル
ミニウム等の市販のもので良く、特に制限はない。
【0018】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに詳しく
説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるも
のではない。 実施例1 14aH−14a−メチルベンゾ[f]ナフト[3,
2]クロメンの合成
【化16】
【0019】50ml三口フラスコに、1−ブロモ−2
−メチルナフタレン442mgとTHF5mlを入れ0
℃に冷却する。これに1.6mlの1.6Nn−ブチル
リチウムのヘキサン溶液を滴下する。室温で15分攪拌
後、172mgの2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドの5mlTHF溶液を加え5時間攪拌する。20ml
の水と20mlのエ−テルを加え抽出し、20mlの水
で2回洗浄する。有機層を濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−で精製し、ジオ−ル体110mgを得
た。構造はNMRで確認した。得られたジオ−ル体11
0mg、硫酸マグネシウム200mgとベンゼン10m
lを50mlナスフラスコに入れ、加熱還流を5時間行
った。濾過により硫酸マグネシウムを省き、シリカゲル
カラムクロマトグラフィ−で精製して、目的の14aH−
14a−メチルベンゾ[f]ナフト[3,2]クロメン
20mgおよびケト体(2)50mgを得た。構造はN
MRにて確認した。また、元素分析の結果も以下に示す
ように計算値と一致した。同化合物のNMRデータは下
記のとおり。 式1で表される化合物(14aH−14a−メチルベン
ゾ[f]ナフト[3,2]クロメン)1 H NMR(CDCl3 )δ=1.3(s,3H,−
CH3 ),6.2and6.5(d,each 1H,
cis−CH=CH−),7.0−8.0(m,11
H,aromatic) 式2で表される化合物(ケト体)1 H NMR(CDCl3 )δ=2.2(s,3H,−
CH3 ),6.3−7.4(m,13H,aromati
c) 光生成物(図1の3に相当する化合物)1 H NMR(CDCl3 )δ=0.9(s,3H,−
CH3 ),2.2(s,1H,−CH),6.4and
6.5(d,each 1H,cis−CH=CH
−),7.2−7.9(m,10H,aromati
c)
【0020】実施例2 14aH−14a−メチルベンゾ[f]ナフト[2,
3]クロメンの合成
【化17】 実施例1で用いた1−ブロモ−2−メチルナフタレンを
2−ブロモ−1−メチルナフタレンに代えて、実施例1
に準ずる方法で合成する。
【0021】実施例3 16aH−16a−メチルベンゾ[f]フェナンスロ
[2,3−1]クロメンの合成
【化18】 実施例1で用いた1−ブロモ−2−メチルナフタレンを
9−ブロモ−10−メチルフェナンスレンに代えて、実
施例1に準ずる方法で合成する。
【0022】実施例4 14aH−14a−メチルベンゾ[h]ナフト[3,
2]クロメンの合成
【化19】 実施例1で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドに代えて、
実施例1に準ずる方法で合成する。
【0023】実施例5 14aH−14a−メチルベンゾ[h]ナフト[2,
3]クロメンの合成
【化20】 実施例2で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドに代えて、
実施例1に準ずる方法で合成する。
【0024】実施例6 16aH−16a−メチルベンゾ[h]フェナンスロ
[2,3−1]クロメンの合成
【化21】 実施例3で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒドに代えて、
実施例1に準ずる方法で合成する。
【0025】実施例7 14aH−14a−メチルジベンゾ[f,h]ナフト
[3,2]クロメンの合成
【化22】 実施例1で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを9−ヒドロキシ−10−フェナンスロアルデヒドに
代えて、実施例1に準ずる方法で合成する。
【0026】実施例8 14aH−14a−メチルジベンゾ[f,h]ナフト
[2,3]クロメンの合成
【化23】 実施例2で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを9−ヒドロキシ−10−フェナンスロアルデヒドに
代えて、実施例1に準ずる方法で合成する。
【0027】実施例9 16aH−16a−メチルジベンゾ[f,h]フェナン
スロ[2,3−1]クロメンの合成
【化24】 実施例3で用いた2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒ
ドを9−ヒドロキシ−10−フェナンスロアルデヒドに
代えて、実施例1に準ずる方法で合成する。
【0028】実施例10 13aH−13a−メチルベンゾ[f](ベンゾ[b]
チエノ)[3,2]クロメンの合成 実施例1で用いた1−ブロモ−2−メチルナフタレンを
3−ヨード−2−メチルベンゾ[b]チオフェンに代え
て、実施例1に準ずる方法で合成した。同化合物のNM
Rデータは下記のとおり。1 H NMR(CDCl3 )δ=1.7(s,3H,−
CH3 ),7.0−8.2(m,11H,aromati
c)
【0029】実施例11 13aH−12,13a−ジメチルベンゾ[f]インド
リノ[3,2]クロメンの合成 1,2−ジメチルインドール581mgのDMF溶液2
0ml中に、沃素2.03gと水酸化カリウム842m
gを加え5分間攪拌した。エーテル50mlと1N塩酸
50mlを加え有機層に抽出した。50mlの水で三回
洗浄後、硫酸マグネシウム上で乾燥し濃縮した。カラム
クロマトグラフィーで精製し、1,2−ジメチル−3−
ヨードインドールを1.02gを得た。構造はNMRで
確認した。実施例1で用いた1−ブロモ−2−メチルナ
フタレンを、1,2−ジメチル−3−ヨードインドール
に代えて、実施例1に準ずる方法で合成した。
【0030】実施例12 13aH−13a−メトキシベンゾ[f](ベンゾ
[b]チエノ)[3,2]クロメンの合成 乾燥したメタノール50ml中に金属ナトリウム920
mgを注意深く加え、ナトリウムメトキシドを合成し
た。これに2−ヨードベンゾチオフェン5.2gのピリ
ジン30ml溶液とよう化銅1.5gを加え、20時間
還流した。エーテルで抽出洗浄後、硫酸マグネシウム上
で乾燥し濃縮した。ヘキサンにて再結晶を行い、1.2
gの2−メトキシベンゾチオフェンを得た。構造はNM
Rで確認した。実施例1で用いた1−ブロモ−2−メチ
ルナフタレンを、2−メトキシベンゾチオフェンに代え
て、実施例1に準ずる方法で合成した。
【0031】実施例13 フォトクロミック媒体 1.5mgの14aH−14a−メチルベンゾ[f]ナ
フト[3,2]クロメン(実施例1で合成された化合
物)と300mgのZEONEX280(日本ゼオン社
製)の5mlトルエン溶液を作成し、内径50mm×2
0mmのテフロン製容器にたらしキャストした。得られ
た薄膜は黄色であった。この薄膜に、強度の強い405
nm光を照射すると色が消えるが、光強度が弱い場合に
は、数時間照射後にも色の変化は全くなかった。また、
消色した状態に紫外光を照射すると再び黄色に着色し
た。
【0032】実施例14 2mgの3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチ
ルアミノクマリン(コダック社製)と200mgのポリ
カーボネイトの5mlトルエン溶液を作成し、キャスト
法にて発光性薄膜を作成した。この薄膜を実施例13で
作成したフォトクロミック媒体と石英基板で挟み、新た
に発光性素子を作成した。得られた素子の構成を図4に
示す。この素子のフォトクロミック層を着色させたあ
と、405nmの波長の単色光(強度が充分に弱い)を
フォトクロミック層側から照射させた時には、長時間照
射しても全く発光は認められなかった。次に、405n
mの波長の単色光(強度が充分に強い)をフォトクロミ
ック層側から照射させてフォトクロミック層の色を消色
させると緑色の発光が認められた。その際、光強度を弱
くさせても発光は認められた。
【0033】
【発明の効果】本発明の化合物は新規なフォトクロミッ
ク化合物であり、全ての光異性体が熱的に安定であり、
可視光を照射することにより黄色から無色に変化し、こ
の時、光の強度を変えることで消色を制御できるため、
非破壊読みだし可能な書換型の光記録素子または光表示
素子として有効である。さらに、本発明の化合物の光異
性体の1つが、歪の大きい三員環構造であるため光エネ
ルギー貯蔵材料としても適している。この他にも、複写
材料、調光材料、感光材料、マスキング用材料、光学フ
ィルターあるいは玩具としても有用である。本発明の素
子は、照射光の強度を変えることで着色または消色を制
御できるため、書換型の光記録素子または光表示素子と
して有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォトクロミック反応の反応式
【図2】異性体1から異性体3への光反応における光強
度依存性
【図3】実施例1で合成した14aH−14a−メチル
ベンゾ[f]ナフト[3,2]クロメンの吸収スペクト
【符号の説明】
1 式1で表される化合物(UV光照射後) 2 式2で表される化合物 3 可視光照射後
【図4】実施例14で得られた素子の構成

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式(1)において、Rは、アルキル基、アルコキシ
    基、パーフルオロアルキル基またはシアノ基を示し、X
    1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5 およびX6 は、各々独立
    に、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、アル
    カノイルオキシ基またはアルキルオキシカルボニル基を
    示すか、あるいは、X1 ,X2 あるいは/およびX3
    4 あるいは/およびX5 ,X6 で置換あるいは無置換
    のベンゼン環が縮合しており、Yは、Y1 C=CY2
    O、S、SO、SO2 またはNY3 (式中、Y1 および
    2 は、各々独立に、水素、ハロゲン、アルキル基、ア
    ルコキシ基、アルカノイルオキシ基またはアルキルオキ
    シカルボニル基を示すか、あるいは、Y1 ,Y2 で置換
    あるいは無置換のベンゼン環が縮合しており、Y3 は水
    素、アルキル基、アルカノイル基、アルキルオキシカル
    ボニル基またはアリール基を示す。)を示す。)で表さ
    れる事を特徴とするフォトクロミック化合物。
  2. 【請求項2】 光異性化に2光子を要するフォトクロミ
    ック化合物を含むことを特徴とするフォトクロミック媒
    体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のフォトクロミック化合物
    が請求項1記載の化合物である事を特徴とするフォトク
    ロミック媒体。
  4. 【請求項4】 光異性化に2光子を要するフォトクロミ
    ック化合物を含むことを特徴とする光記録素子もしくは
    光表示素子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフォトクロミック化合物
    が、一般式(1)で表されることを特徴とする光記録素
    子もしくは光表示素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6203451B1 (ja) * 2016-03-03 2017-09-27 オリンパス株式会社 超音波内視鏡

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