JP2844704B2 - 光学記録媒体 - Google Patents

光学記録媒体

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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光学記録媒体に係り、詳しくは1位及び2位
に光照射によって環化し、シクロヘキサジエン環を形成
してその光学的性質を変化せしめるような非対称の複素
環を有するエチレン誘導体を使用した光学記録媒体に関
するものである。
[従来の技術] 近年、フォトクロミック化合物を光学記録材料として
用いようとする研究が盛んに行なわれている。フォトク
ロミック化合物を光学記録材料として用いるには、次の
条件が満足されることが必要とされる。
半導体レーザー感受性を備えること、即ち、発色種
(閉環体)の吸収波長が650nm以上にあること。
非破壊読み出し機能を有すること。
記録が熱的に安定であること。
繰り返し耐久性に優れること。
高い感度を有すること。
先に、本発明者は上記問題点のうち上記の半導体レ
ーザー感受性及びの繰り返し耐久性を改良したフォト
クロミック化合物として、下記ビスインドール系化合物
を提案した。
その他のフォトクロミック化合物として、下記ジベン
ゾチオフェン系化合物も提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 上記フォトクロミック化合物のうち、[A]のビスイ
ンドール系化合物は記録材料で特に重要なの記録の熱
安定性が劣るという問題点があった。
一方、[B]のジベンゾチオフェン系化合物は、の
記録の熱安定性は優れるが、発色種(閉環体)の吸収波
長は短かくの半導体レーザー感受性に問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、光学記録材料に
特に重要な要求特性を満足するフォトクロミック化合物
を用いた高特性光学記録媒体を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段及び作用] 請求項(1)の光学記録媒体は、光照射によりその光
学的性質を変化させて光学的情報を記録する記録層を有
する光学記録媒体において、該記録層が1位及び2位に
光照射によって環化シクロヘキサジエン環を形成してそ
の光学的性質を変化せしめるような非対称の複素環を有
する下記一般式[I] で示されるエチレン誘導体を含有することを特徴とす
る。
請求項(2)の光学記録媒体は、請求項(1)の光学
記録媒体において、エチレン誘導体が下記一般式[II] で示されることを特徴とする。
請求項(3)の光学記録媒体は、請求項(1)の光学
記録媒体において、エチレン誘導体が下記一般式[II
I] で示されることを特徴とする。
請求項(4)光学記録媒体は、請求項(1)の光学記
録媒体において、エチレン誘導体が下記一般式[IV] で示されることを特徴とする。
請求項(5)の光学記録媒体は、請求項(1)の光学
記録媒体において、エチレン誘導体が下記一般式[V] で示されることを特徴とする。
即ち、本発明者は、光学記録媒体に用いるフォトクロ
ミック化合物について種々検討した結果、1位及び2位
に光照射によって環化しシクロヘキサジエン環を形成し
て、その光学的性質を変化せしめるような複素環を有す
るエチレン誘導体の中で、複素環の片方がインドール環
であり、もう一方がベンゾチオフェン環、チオフェン
環、チアゾール環、オキサゾール環である非対称複素環
を有するエチレン誘導体が、繰り返し耐久性、半導体レ
ーザー感受性及び記録の熱安定性等の全てにわたって優
れた特性を有することを見出し、本発明に到達した。
以下に本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の光学記録媒体の記録層に含有されるエ
チレン誘導体について説明する。
本発明に係るエチレン誘導体のうち、例えば、インド
リル−ベンゾチエニルマレイン酸無水物誘導体は、次式
に従い容易に製造することができる。
即ち、上記構成式,で表わされる中間体を合成し
た後、化合物とを縮合をすることにより本発明に係
るジシアノエチレン誘導体[IIIA]を得ることができ
る。更に、このジシアノエチレン誘導体[IIIA]を加水
分解、酸無水物化することにより、本発明の無水マレイ
ン酸誘導体[IIIB]を製造することができる。
化合物ととの縮合反応は、これらシアノメチル誘
導体を水−有機溶媒中、相関移動触媒の存在下、アルカ
リ性中で縮合反応させることにより行なうことができ、
ジシアノエチレン誘導体[IIIA]が製造される。
化合物ととの縮合反応に使用される有機溶媒とし
てはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テト
ラクロロエタン等のようなハロゲン系溶媒が好ましい。
相関移動触媒としてはテトラブチルアンモニウムブロマ
イド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、トリエ
チルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
また、使用されるアルカリ剤としては水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が挙げられる。縮合の反応温度は
室温から100℃までが好ましく、特に40〜50℃が好まし
い。
次いで、上記ジシアノエチレン誘導体[IIIA]を加水
分解、酸無水物化するが、この加水分解、酸無水物化反
応は水又はメタノール、エタノール、エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
モノエチルエーテル、N−メチルピロリドン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等の極性溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ剤の存在下、室温からその溶媒の沸点
までの温度に加熱することにより行なうことができる。
反応後、酸で中和して生成物を固体として取り出し、必
要に応じてカラムクロマトグラフィー、再結晶、溶媒懸
洗等によって精製することにより、無水マレイン酸誘導
体[IIIB]が挙げられる。
本発明に係るエチレン誘導体は、光照射すると下記式
に示すように、複素環Wと複素環W′が環化して、シク
ロヘキサジエン環を形成し、式[IA]から[IA′]に示
すような構造変化を起こして色変化を起こす。また、こ
の着色状態は光反応により可逆的に元に戻すことができ
る。
具体的には、例えば下記式[IIIB]で示されるインド
リルベンゾチエニルマレイン酸無水物誘導体は、例え
ば、488nmのアルゴンイオンレーザー光を照射すると、
下記に示すような構造変化を起こして、式[IIIB′]で
示す構造となり、黄色から紫色に変化する。また、この
紫色の着色状態は吸収波長が半導体レーザー域までのび
ているので、例えば、670nmの半導体レーザー光を照射
することにより下記式のように可逆的に元の状態に戻す
ことができる。
特に、本発明に係るエチレン誘導体は開環状態[IA]
及び着色状態(閉環状態)[IA′]のいずれもが熱的に
安定であり、高温で長時間加熱してもサーモクロミツク
反応(熱着色反応)を示さず、また、着色状態も安定で
あり、退色反応を示さず、両状態は良好に保持される。
さらに、インドール環をエチレン結合の炭素の片方に
持つ場合には上記開環−閉環による発色−消色の繰り返
し耐久性も良好であり、可逆的な光学記録材料として非
常に有用である。
次に、このような本発明に係る新規エチレン誘導体を
含有する記録層を有する本発明の光学記録媒体について
説明する。
本発明の光学記録媒体は、基本的には基板と記録層と
から構成されるものであるが、更に必要に応じて基板上
に下引き層を、あるいは、記録層上に保護層を設けるこ
とができる。
本発明で用いる基板は、使用する光に対して透明又は
不透明のいずれでも良い。基板材料の材質としては、ガ
ラス、プラスチック、紙、板状又は箔状の金属等の、一
般的な記録媒体の支持体が挙げられるが、これらのう
ち、プラスチックが種々の点から好適である。プラスチ
ックとしては、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、酢酸
ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ニトロセルロース、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルホン樹脂等が挙げられ
る。
本発明の光学記録媒体における情報記録層の膜厚は10
0Å〜100μm、好ましくは1000Å〜10μmとするのが好
適である。
成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ド
クターブレード法、キャスト法、スピナー法、浸漬法な
ど一般に行なわれている薄膜形成法を採用することがで
きる。
本発明の光学記録媒体は、例えば、本発明に係るエチ
レン誘導体を、必要に応じてポリエステル樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸ブチル、ポリ酢酸ビニル、酢酸セルロー
ス、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のバインダーと共
に、四塩化炭素、ベンゼン、シクロヘキサン、メチルエ
チルケトン、テトラクロロエタン等の溶媒に分散又は溶
解させて、適当な基板上に塗布して記録層を形成するこ
とによって、或いは、本発明の化合物を公知の蒸着法又
は他の化合物との共蒸着法によって適当な基板上に蒸着
して記録層を形成することによって、或いは、本発明の
化合物を上述の様な溶媒に溶解し、ガラスセル等に封入
すること等によって、容易に得ることができる。
なお、スピナー法による成膜の場合、回転数は500〜5
000rpmが好ましく、スピンコートの後、場合によって
は、加熱あるいは溶媒蒸気にあてる等の処理を行なって
もよい。
ドクターブレード法は、キャスト法、スピナー法、浸
漬法、特にスピナー法等の塗布方法により記録層を形成
する場合の塗布溶媒としては、ブロモホルム、ジブロモ
エタン、エチルセロソルブ、キシレン、クロロベンゼ
ン、シクロヘキサノン等の沸点120〜160℃のものが好適
に使用される。
また、記録層の安定性や耐光性向上のために、一重項
酸素クエンチャーとして遷移金属キレート化合物(例え
ば、アセチルアセトナートキレート、ビスフェニルジチ
オール、サリチルアルデヒドオキシム、ビスジチオ−α
−ジケトン等)又は3級アミン化合物を含有していても
よい。
本発明の光学記録媒体の記録層は基板の両面に設けて
もよいし、片面だけに設けてもよい。
上記の様にして得られた光学記録媒体への記録は、基
板の両面又は片面に設けた記録層に1〜10μm程度に集
束した光、好ましくは、レーザー光をあてることにより
行なう。レーザー光等が照射された部分は、光量子効果
により色変化が起こる。記録された情報の再生は、色変
化が起きている部分と起きていない部分の反射率或いは
吸光度の差を読み取ることにより行なうことができる。
本発明の光学記録媒体について使用される光源として
は水銀ランプ、キセノンランプの他、レーザー光(N2
He−Cd、アルゴンイオン、He−Ne、ルビー、半導体、色
素レーザー)等が挙げられる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。
実施例1 (1)合成 以下の反応式に従って合成を行なった。
20mlのDMSO(ジメチルスルホキサイド)を氷冷し、60
重量%NaH1.6gをこの氷冷したDMSO中に入れ30℃まで加
熱し、水素の発泡がなくなるまで1晩攪拌した。次に、
2−メチルインドール2.62g(0.02モル)を氷冷したこ
の混合液中に加え、30℃まで加熱し、2−メチルインド
ールを完全に溶かした。その後、氷浴で冷やしながらヨ
ウ化メチル11.6gをゆっくり滴下し、約1時間攪拌を続
けた。このものを160mlの水に注ぎ、良く攪拌したとこ
ろ、淡黄色固体が生成した。これをベンゼンで抽出し、
乾燥して淡黄色固体の化合物2を得た。(収率:90%、b.
p.:76〜79℃/2mmHg) 36mlの25重量%ジメチルアミン水溶液と40mlの氷酢酸
との混合液を氷浴で5℃まで冷やした。これに15mlの46
重量%ホルムアルデヒド水溶液を加え、同様に5℃まで
冷やした。冷却後、化合物2を26.2g滴下した。滴下ごと
に白色固体が生成した。混合液は均一になるまでゆっく
りと攪拌した。室温にて一晩放置した。その後、40g水
酸化ナトリウム/400mlの水の中に注ぎ、エーテルで抽出
後、水洗して乾燥した。溶液を留去してから蒸留を行な
い、化合物3を得た。(b.p.:105℃/2mmHg) 9.1gの化合物3を40mlの無水エタノールに溶解した。
この混合物を冷やしながら7.8gのヨウ化メチルを滴下し
た。室温で1時間放置し、結晶を生成させた。その後、
0℃で1晩放置することにより、反応は完結した。生成
した固体を集め、無水エタノールで2回洗い、その後無
水エーテルで3回洗い、白色固体の化合物4を得た。
(収率:90%) 10gNaCN/100ml水の中に17.2gの化合物4を加え、2時
間加熱還流すると油層が分離した。この混合物を冷却
し、エーテルで抽出、水で洗浄、乾燥、溶媒留去した。
生成物をカラム処理した後、得られた固体をエーテル−
n−ヘキサン混合液(エーテル:n−ヘキサン=1:1)で
再結晶し、化合物を得た。(収率:40〜70%) ベンゾチオフェン33g(0.25モル)を乾燥テトラヒド
ロフラン(THF)150mlに溶かした。これを−30℃に冷却
した後、n−ブチルリチウム(ヘキサン溶液)0.37mlを
滴下し、1時間攪拌した。室温に約1時間放置した後、
−10〜0℃に再び冷却し、乾燥THF100mlにヨウ化メチル
53g(0.37モル)を溶かしたものを滴下した。−10〜0
℃で約1時間攪拌後、室温で一晩放置した。その後、水
を加えた後、生成物をエーテル抽出し、乾燥後エタノー
ル−水で再結晶し、化合物6(2−メチルベンゾチオフ
ェン)を得た。(収率:80%) 2gの2−メチルベンゾフェン6を260mlの1,2−ジクロ
ロエタン中に溶かし、これにクロロメチルエーテル33g
を加え、触媒として、塩化亜鉛50mgを添加した。30分〜
2時間反応させた後、水−クロロホルムで抽出操作を行
ない、有機層を留去し2.4gの化合物7を得た。(収率:90
%) クロロメチル体71.42gの10mlのベンゼンに溶かし、こ
れに30mgのテトラ−n−ブチルアンモニウムプロミドと
2.5gのシアン化ナトリウムを溶かした10mlの水溶液を加
え、2〜3時間、60℃に加熱しながら激しく攪拌した。
反応終了後、ベンゼンで抽出し、有機層を乾燥後、シ
リカゲルクロマトグラフィーで精製し、1.07gのシアノ
メチル体を得た。(収率:74%) 化合物1.012g(0.0055モル)と化合物1.028g(0.
0055モル)を四塩化炭素1.58mlとベンゼン1.58mlに溶か
してこれに、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.14
gを加え、40℃に熱した。更に、NaOH水溶液(50重量
%)2.18mlを30分で滴下した。生成物を水に注ぎ、クロ
ロホルムで抽出、乾燥、溶媒留去した後、ベンゼンカラ
ムクロマト処理後、液体クロマトグラフィーにて分取し
て下記(2)の物性の[IIIA]の化合物を得た(収率:1
0%) (2)物性値 マススペクトル:367(M+) 開環体のλmax:420nm 閉環体のλmax:554nm (3)光学記録 上記(1)で合成した化合物[IIIA]をベンゼンに10
-4モル/lになるように溶解して得た黄色溶液を1cm×1cm
×4cmのガラスセルに封入し、これに435nmの単色光を5
分間照射したところ、第1図に示すように554nmに極大
吸収を有する着色種(閉環体)[IIIA′]に変化した。
この着色状態は熱的に非常に安定であり、80℃で12時
間以上加熱しても第2図に示すように、全く着色状態の
吸収の減少は認められなかった。
次に、着色状態の前記ガラスセル水銀ランプとフィル
ターを組合せ578nmの単色光を5分間照射したところ、
ただちに消色し、元の黄色の状態に変化した。この変化
は100回以上繰り返し行なうことができた。
実施例2 (1)合成 実施例1における下記構造式 で表わされる化合物2.0gの代りに、下記構造式 で表わされる化合物1.8gを用い、他は実施例1と同様に
して、下記(2)の物性の化合物[IIA]を得た。
(2)物性値 マススペクトル:345(M+) 開環体のλmax:412nm 閉環体のλmax:549nm (3)光学記録 実施例1と同様にして上記(1)で合成した化合物
[IIA]のベンゼン溶液を封入したガラスセルに435nmの
単色光を5分間光照射したところ、第3図に示すように
549nmに極大吸収を有する着色体(閉環体)へ変化し
た。この着色状態は熱的に非常に安定であり、80℃で12
時間以上放置しても全く着色状態の変化は認められなか
った。
次に、水銀ランプとフィルターを組み合せ578.0nmの
単色光を5分間照射したところ、ただちに消色し、元の
状態に変化した。この変化は100回以上繰り返し行なう
ことができた。
実施例3 (1)合成 水5ml及び水酸化カリウム2.4g(0.04モル)で攪拌
し、水酸化カリウムを溶解した。次いで、エチレングリ
コールモノエチルエーテル5ml及び下記構造式[IIA] で表わされるジシアノエチレン系化合物2g(0.006モ
ル)を加え、攪拌、還流下30時間反応させた。反応終了
後、室温まで冷却し、59mlの水の中へ注いだ。固形物を
濾過し、濾液を希塩酸で中性から弱酸性にした。析出し
た黄色固体をエーテル100mlで3回抽出し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。エーテルを留去し、得られたオイ
ル状生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ベ
ンゼン:ヘキサン=1:1)で精製し、エーテル−石油エ
ーテルで結晶化した。
その結果、下記(2)の物性の化合物[IIB]の黄色
粉末を得た。(収率:20%) (2)物性値 マススペクトル:365(M+) 開環体のλmax:452nm 閉環体のλmax:595nm,412nm (3)光学記録 実施例1と同様に上記(1)で合成した化合物[II
B]のベンゼン溶液を封入したガラスセルに、アルゴン
イオンレーザーからの488nmの光を2分間照射したとこ
ろ、第4図に示すように595nmに吸収極大を有する着色
体(閉環体)に変化した。この着色状態は熱的に非常に
安定であり、80℃において12時間以上放置しても全く着
色状態に変化は認められなかった。
次に、He−Neレーザー光(633nm)を2分間照射した
ところ、直ちに消色し、元の状態に変化した。この変化
は100回以上繰り返し行なうことができた。なお、この
吸収スペクトル変化は670nmの半導体レーザーを用いて
も同様におこさせることができた。
実施例4 上記実施例3の(1)で合成した化合物200mgとポリ
スチレン(分子量16万)20gとをトルエン400mlに溶解
し、その溶液をガラス基板上に塗布後、乾燥して記録層
を作製した。
この記録層へ488nmのアルゴンイオンレーザー光を2
分間照射し、全面を着色状態にした。この着色状態は熱
的に非常に安定であり、80℃において12時間以上放置し
ても退色は認められなかった。
次にHe−Neレーザー(10mW;633nm)により書き込みを
試みたところ、30秒間の照射で着色は直ちに退色した。
この着色、退色のサイクルは100回以上繰り返して行な
うことが可能であった。
実施例5 実施例1に準じた方法により、下記第1表に示される
化合物を合成した。各々の化合物をベンゼン溶液中で紫
外線照射したところ、各々第1表に示す色調に発色し
た。
実施例6 実施例3に準じた方法により、下記第2表に示される
化合物を合成した。各々の化合物をベンゼン溶液中で紫
外線照射したところ、各々第1表に示す色調に変色し
た。
なお、実施例5,6のいずれのものについても、着色状
態は熱的に非常に安定であり、着色−消色の変化は100
回以上繰り返し行なうことができた。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の光学記録媒体は熱的に安
定であり、サーモクロミズムを示さず、光照射により色
変化がおき、この状態は熱的に極めて安定である。そし
て、別の波長の光を照射すると元の状態にもどり、この
変化は繰り返し行なうことができる。
従って、本発明の光学記録媒体によれば、フォトンモ
ードで記録可能な高特性可逆的記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で作成した光学記録材料における化
合物[IIIA]の吸収スペクトルの光変化を示す図であ
る。第2図は、実施例1の(3)で作成した光学記録材
料における本発明化合物の435nm光照射後の着色状態の8
0℃における熱安定性を示す図である。第3図は実施例
2の(3)で作成した光学記録材料における本発明化合
物[IIA]の吸収スペクトルの光変化を示す図である。
第4図は実施例3の(3)で作成した光学記録材料にお
ける本発明化合物[IIB]の吸収スペクトルの光変化を
示す図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光照射によりその光学的性質を変化させて
    光学的情報を記録する記録層を有する光学記録媒体にお
    いて、該記録層が1位及び2位に光照射によって環化し
    シクロヘキサジエン環を形成してその光学的性質を変化
    せしめるような非対称の複素環を有する下記一般式
    [I] で示されるエチレン誘導体を含有することを特徴とする
    光学記録媒体。
  2. 【請求項2】エチレン誘導体が下記一般式[II] で示されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】エチレン誘導体が下記一般式[III] で示されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】エチレン誘導体が下記一般式[IV] で示されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】エチレン誘導体が下記一般式[V] で示されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記
    載の光学記録媒体。
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有機合成化学第49巻第5号(1991)p.375〜382

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JPH0375635A (ja) 1991-03-29

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