JPH07330762A - キノリル基を有するジアリールエテン系化合物 - Google Patents

キノリル基を有するジアリールエテン系化合物

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JPH07330762A
JPH07330762A JP6151454A JP15145494A JPH07330762A JP H07330762 A JPH07330762 A JP H07330762A JP 6151454 A JP6151454 A JP 6151454A JP 15145494 A JP15145494 A JP 15145494A JP H07330762 A JPH07330762 A JP H07330762A
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ethenyl
dimethyl
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JP6151454A
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English (en)
Inventor
Makoto Kabasawa
誠 椛澤
Atsushi Ishikawa
篤 石川
Yasumitsu Fujino
泰光 藤野
Yukio Horikawa
幸雄 堀川
Masahiro Irie
正浩 入江
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式にて示されるジアリールエテン系化合
物。 (式中、nは2〜5の整数,R1 、R2 、R3 、R4
アルキル基,R5 はメトキシフェニル基、シアノフェニ
ル基、ナフチル基、又はジアルキルアミノフェニル基の
いずれかを表す。) 【効果】上記化合物は熱安定性、耐湿性、感度、溶媒へ
の溶解性に優れ、かつ着消色の繰り返し耐久性が良好な
フォトクロミック性を有し、性能の優れた可逆的光記録
材料などに有効に利用することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なジアリールエテ
ン系化合物に係り、更に詳細にはフォトクロミック性を
有し光記録材料等に好適なジアリールエテン系化合物に
関する。
【0002】
【従来の技術】光照射により可逆的に色相変化する、い
わゆるフォトクロミック化合物は、古くから知られてお
り、これらを利用した記録・記憶材料、複写材料、調光
材料、マスキング用材料、光量計、あるいは表示材料等
が種々提案されている。これらフォトクロミック化合物
としては、例えばベンゾスピロピラン類、ナフトオキサ
ジン類、フルギド類、ジアゾ化合物類、あるいはジアリ
ールエテン類等の化合物が提案されている。
【0003】近年、この様なフォトクロミック化合物を
可逆的な光記録材料として利用すべく、精力的に研究が
なされているが、光記録材料へ応用するためには次の様
な基本性能が要求される。すなわち、記録の安定性、
繰り返し耐久性、半導体レーザー感受性、高い感
度等である。ところが、現在知られているフォトクロミ
ック化合物の多くは、着色状態又は消色状態のどちらか
一方が熱的に不安定であり、室温に於ても、数時間以内
により安定な状態に戻るため、記録の安定性が確保でき
ないという欠点を有している。これらの中で、光照射に
よる二つの状態が熱的に比較的安定である化合物とし
て、フルギド類やジアリールエテン類が知られている
が、記録材料として利用するには、安定性が未だ不十
分である、繰り返し耐久性が劣っている、半導体レ
ーザー感受性に乏しい、感度(分子吸光係数)が小さ
い、等といった欠点のいずれかを有しており、さらに光
ディスクの製造上の問題として、有機溶媒への溶解性が
乏しいため、大量生産に有利であるスピンコート法でフ
ォトクロミック化合物の記録膜を製膜する際、ディスク
基盤に用いるポリマーを侵す溶媒にしか溶けず、基盤上
に保護膜を設ける必要が生じ、製造プロセスが複雑にな
るといった欠点が有り、未だ全ての性能を満足するフォ
トクロミック化合物は得られていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
課題に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、着色状態の熱安定性、繰り返し耐久性、半
導体レーザー感受性、感度(分子吸光係数)各種有
機溶媒への溶解性等、フォトクロミック材料としての優
れた性能を有する、新規ジアリールエテン系化合物を提
供するにある。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上述の目的は、下記一般式
化8にて示されるジアリールエテン系化合物により達成
される。
【化8】 (但し、式中nは2〜5の整数,Aは下記一般式
【化9】 Bは下記一般式
【化10】 1 ,R2 ,R3 ,R4 はアルキル基,R5 は下記一般
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 で示されるメトキシフェニル基,シアノフェニル基,ナ
フチル基,又は、ジアルキルアミノフェニル基のいずれ
かを表す。)
【0006】次に本発明を詳しく説明する。本発明のジ
アリールエテン系化合物は、前記一般式化8で示される
ものであり、nは2〜5の整数で、二重結合と共同して
4〜7員環の環状構造を有する。中でもnが3又は4で
ある、5又は6員環構造が特に好ましいフォトクロミッ
ク特性を示す。Aは前記一般式化9で示されるチエニル
基を表す。Bは前記一般式化10で示されるチエニル基
を表す。R1 ,R2 ,R3 ,R4 はアルキル基を表す
が、メチル、エチル、プロピル基といった低級アルキル
基が好ましい。R5 は前記一般式化11,化12,化1
3,化14で示されるメトキシフェニル基、シアノフェ
ニル基、ナフチル基、又は、ジアルキルアミノフェニル
基を表す。
【0007】本発明のジアリールエテン系化合物は、公
知の方法から適宜選択して製造することができるが、例
えば次の様な方法で製造できる。すなわち、下記一般式
化15とALi、或いはBLi(A、Bは前記に同
じ。)一分子のみを反応させて一つのアリール基を導入
したモノアリールエテン誘導体とし、次に、もう一方の
アリールリチウム誘導体BLi或いはALi(A、Bは
前記に同じ。)と反応させる方法が挙げられる。
【0008】
【化15】 (但し、式中nは2〜5の整数を表す。)
【0009】次に、好適な製造方法の一例を挙げると次
の通りである。まず、下記一般式化16で示されるハロ
ゲン化チオフェン誘導体を、反応温度−45〜−120
℃、好ましくは−70〜−110℃で、アルキルリチウ
ム又はリチウムジアルキルアミドと反応させ、3位のハ
ロゲン原子をリチウムに置換したリチオ化チオフェン誘
導体とする。
【0010】
【化16】 (但し、式中Xは臭素原子、又はヨウ素原子を表し、R
1 、R2 は前記に同じ。)
【0011】溶媒としては、テトラヒドロフランやジエ
チルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる
が、低温での溶媒凝固を防ぐために、n−ヘキサン、n
−ペンタン等の低級アルカン類を混合してもよい。
【0012】リチオ化剤のアルキルリチウム、リチウム
ジアルキルアミドとしては、n−ブチルリチウム、t−
ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム、
リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキ
シルアミド等が挙げられるが、n−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液が好適に用いられる。リチオ化剤の量は、ベ
ンゾチエニルジハライド誘導体の総量に対して1.0〜
1.2倍モル使用するのが好ましい。
【0013】反応時間は通常20分〜3時間、好ましく
は30分〜2時間である。
【0014】次に、生成したリチオ化チオフェン誘導体
に、前記一般式化15で示されるパーフルオロシクロア
ルケン誘導体を添加するが、使用するパーフルオロシク
ロアルケン誘導体の量は、ハロゲン化チオフェン誘導体
の1.0〜1.5倍モルが好ましく、希釈せずに、ある
いは溶媒に希釈して添加することができる。反応温度は
−60〜−110℃、反応時間は30分〜2時間が好ま
しい。以上の操作の後、下記一般式化17で示されるモ
ノチエニルエテン誘導体が得られる。
【0015】
【化17】 (但し、式中n、R1 、R2 は前記に同じ。)
【0016】更に、もう一度下記一般式化18で示され
るハロゲン化チオフェン誘導体を前記と同じ方法でリチ
オ化チオフェン誘導体とし、これに前述の化17のモノ
チエニルエテン誘導体のテトラヒドロフラン溶液を添加
する。
【0017】
【化18】 (但し、式中Yは臭素原子、又はヨウ素原子を表し、R
3 〜R5 は前記に同じ。)
【0018】使用するモノチエニルエテン誘導体の量は
チエニルハライド誘導体の1.0〜1.2倍モルが好ま
しい。このときの反応温度は−60〜−110℃、反応
時間は30分〜2時間が好ましい。
【0019】かくして、前記一般式化8で示されるジア
リールエテン系化合物が得られる。以上の方法で得られ
た反応物からジアリールエテン系化合物を得るには、抽
出、カラムクロマトグラフ、再結晶等の方法を用いて分
離、精製すればよい。
【0020】本発明のジアリールエテン系化合物は、そ
の一例として、1−(2,4−ジメチル−5−((2−
キノリル)−1−エテニル)−3−チエニル)−2−
(2,4−ジメチル−5−((4−メトキシフェニル)
−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,
5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの例について説
明すると、有機溶媒や適当な樹脂バインダー等の適当な
媒体中に於いて、下記化19の様に、
【化19】 開環体に紫外光を照射すると、閉環体に変化して着色
し、この閉環体に可視光を照射すると、元の開環体に戻
り、消色する。
【0021】本発明のジアリールエテン系化合物を含有
する記録媒体を利用した光記録材料は公知の方法で容易
に得ることが出来る。例えば、本発明のジアリールエテ
ン系化合物を、化合物単体或いは、ポリエステル樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタク
リル酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂等の樹脂バインダーと共に、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチル
エチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、四塩化炭素、クロロホ
ルム、セロソルブ、ジグライム等の溶媒に分散又は溶解
させて、適当な基板上にスピンコート法によって塗布
し、光記録材料を得ることが出来る。
【0022】この様な光記録材料中に於いて、本発明の
ジアリールエテン系化合物は、着色状態、消色状態共に
熱安定性が高く、水分、酸素に対しても安定で長期間構
造が変化せずに保持され、着消色の繰り返し耐久性にも
優れている。又、着色状態の吸収極大波長は672nm
を超え、吸収端も800nm以上であることから、68
0nmや780nmの発振波長を有する半導体レーザー
に対する感受性を有しており、更に、その波長領域での
感度が高い(大きな分子吸光係数を有する)等といった
優れたフォトクロミック特性を有し、また各種の溶媒に
可溶である為、可逆的な光情報記録材料等に有効に使用
することが出来る。
【0023】
【発明の効果】以上の様に、本発明のジアリールエテン
系化合物は、着・消色状態の熱安定性、水分・酸素に対
する安定性、着消色の繰り返し耐久性、半導体レーザー
感受性、感度等に優れたフォトクロミック特性を有して
おり、更に、各種溶媒への溶解性を有し、書換え可能型
光ディスクの様な光情報記録材料等、各種の用途に用い
ることができる。次に、本発明を実施例により具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0024】(実施例1) 1−(2,4−ジメチル−5−((2−キノリル)−1
−エテニル)−3−チエニル)−2−(2,4−ジメチ
ル−5−((4−メトキシフェニル)−1−エテニル)
−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフ
ルオロシクロペンテンの製造
【0025】a) 2,4−ジメチル−3−ヨード−5
−((2−キノリル)−1−エテニル)−チオフェンの
製造 容量1000mlの2つ口フラスコに、2−キノリルト
リフェニルホスホニウムクロリド62.4g(160m
mol)、2,4−ジメチル−5−ホルミル−3−ヨー
ドチオフェン21.2g(80mmol)、炭酸カリウ
ム66g、ホルムアミド14.4g、1,4−ジオキサ
ン300mlを入れ、95℃で24時間還流し反応させ
た。反応後、不溶物を濾別し、濾液の溶媒を減圧留去し
た後、残査にジエチルエーテルを加え、不溶物を濾別し
た。濾液の溶媒を減圧留去し、得られた反応生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、下記
構造式化20の化合物24.6g(収率78.5%)を
得た。
【0026】
【化20】
【0027】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.26(s 3H) 2.34(s
3H) 6.80〜8.20(m 10H) 2)MS m/e 391(M+
【0028】b)1−(2,4−ジメチル−5−((2
−キノリル)−1−エテニル)−3−チエニル)−2,
3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテ
ンの製造 容量1000mlの2つ口フラスコに、実施例1−a)
で製造された2,4−ジメチル−3−ヨード−5−
((2−キノリル)−1−エテニル)チオフェン11.
7g(30mmol)とテトラヒドロフラン300ml
を入れ、窒素気流下で−95℃に冷却後、n−ブチルリ
チウム−ヘキサン溶液22.5ml(36mmol)を
滴下し1時間攪拌した。次に、パーフルオロシクロペン
テン15.3g(72mmol)のテトラヒドロフラン
溶液120mlを滴下し、1時間反応させた。反応終了
後、メタノール50mlを加えて反応を停止し、更に水
300mlを加えた後、酢酸エチル400mlで3回抽
出し、この有機層を集め、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧
留去した。得られた反応生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、下記構造式化21の化合
物6.7g(収率49.0%)を得た。
【0029】
【化21】
【0030】分析値: 1)MS m/e 457(M+
【0031】c) 2,4−ジメチル−3−ヨード−5
−((4−メトキシフェニル)−1−エテニル)チオフ
ェンの製造 実施例1のa)項に於て、2−キノリルホスホニウムク
ロリドを用いる代わりに、4−メトキシフェニルトリフ
ェニルホスホニウムクロリドを用い、同様の方法で下記
構造式化22の化合物を得た。収量25.1g(収率
92.0%)。
【0032】
【化22】
【0033】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.27(s 1H) 2.41(s
1H) 3.80(s 1H) 6.40〜7.59(m 2
H) 2)MS m/e 370(M+ ) d) 1−(2,4−ジメチル−5−((2−キノリ
ル)−1−エテニル)−3−チエニル)−2−(2,4
−ジメチル−5−((4−メトキシフェニル)−1−エ
テニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−
ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 容量300mlの2つ口フラスコに、実施例1−c)で
製造された2,4−ジメチル−3−ヨード−5−((4
−メトキシフェニル)−1−エテニル)チオフェン3.
7g(10mmol)とテトラヒドロフラン100ml
を入れ、窒素気流下で−95℃に冷却後、n−ブチルリ
チウム−ヘキサン溶液6.3ml(12mmol)を滴
下し1時間攪拌した。次に、実施例1−b)で製造され
た1−(2,4−ジメチル−5−((2−キノリル)−
1−エテニル)−3−チエニル)−2,3,3,4,
4,5,5−ヘプタフルオロシクロペンテン5.9g
(13mmol)のテトラヒドロフラン溶液15mlを
滴下し、1時間反応させた。反応終了後、メタノール5
0mlを加え反応を停止し、更に水300mlを加えた
後、酢酸エチル400mlで3回抽出した。この有機層
を集め、洗浄、乾燥の後、溶媒を減圧留去した。得られ
た反応生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
より精製し、下記構造式化23の化合物4.0g(収率
58.3%)を得た。
【0034】
【化23】
【0035】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.05 2.17 2.29(s 1
2H 異性体) 3.23(s 3H) 6.60〜8.25(m 14H) 2)MS m/e 681(M+
【0036】(実施例2) 1−(2,4−ジメチル−5−((2−キノリル)−1
−エテニル)−3−チエニル)−2−(2,4−ジメチ
ル−5−((4−シアノフェニル)−1−エテニル)−
3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフル
オロシクロペンテンの製造
【0037】a) 2,4−ジメチル−3−ヨード−5
−((4−シアノフェニル)−1−エテニル)チオフェ
ンの製造 実施例1のa)項に於て、2−キノリルトリフェニルホ
スホニウムクロリドを用いる代わりに、4−シアノフェ
ニルトリフェニルホスホニウムブロミドを用い、同様の
方法で下記構造式化24の化合物を得た。収量10.6
g(収率 96.0%)。
【0038】
【化24】
【0039】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.31(s 1H) 2.42(s
1H) 6.50〜8.01(m 2H) 2)MS m/e 365(M+
【0040】b) 1−(2,4−ジメチル−5−
((2−キノリル)−1−エテニル)−3−チエニル)
−2−(2,4−ジメチル−5−((4−シアノフェニ
ル)−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,4,
4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 実施例1のd)項に於て、2,4−ジメチル−3−ヨー
ド−5−((4−メトキシフェニル)−1−エテニル)
チオフェンを用いる代わりに、実施例2のa)項に於て
製造された2,4−ジメチル−3−ヨード−5−((4
−シアノフェニル)−1−エテニル)チオフェンを用
い、同様の方法で下記構造式化25の化合物を得た。収
量3.9g(収率 45.0%)。
【0041】
【化25】
【0042】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 1.80〜2.65(m 12H 異性
体) 6.35〜8.35(m 14H) 2)MS m/e 676(M+
【0043】(実施例3) 1−(2,4−ジメチル−5−((2−キノリル)−1
−エテニル)−3−チエニル)−2−(2,4−ジメチ
ル−5−((1−ナフチル)−1−エテニル)−3−チ
エニル)−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシ
クロペンテンの製造
【0044】a) 2,4−ジメチル−3−ヨード−5
−((1−ナフチル)−1−エテニル)チオフェンの製
造 実施例1のa)項に於て、2−キノリルトリフェニルホ
スホニウムクロリドを用いる代わりに、1−ナフチルト
リフェニルホスホニウムクロリドを用い、同様の方法で
下記構造式化26の化合物を得た。収量31.1g(収
率 94.0%)。
【0045】
【化26】
【0046】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.30(s 1H) 2.42(s
1H) 6.85〜8.50(m 3H) 2)MS m/e 389(M+
【0047】b)1−(2,4−ジメチル−5−((2
−キノリル)−1−エテニル)−3−チエニル)−2−
(2,4−ジメチル−5−((1−ナフチル)−1−エ
テニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−
ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 実施例1のd)項に於て、2,4−ジメチル−3−ヨー
ド−5−((4−キノリル)−1−エテニル)−チオフ
ェンを用いる代わりに、実施例3のa)項に於て製造さ
れた2,4−ジメチル−3−ヨード−5−((1−ナフ
チル)−1−エテニル)チオフェンを用い、同様の方法
で下記構造式化27の化合物を得た。収量11.1g
(収率 94.0%)。
【0048】
【化27】
【0049】1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.16 2.21 2.37(s 1
2H 異性体) 6.60〜8.45(m 17H) 2)MS m/e 702(M+
【0050】(実施例4) 1−(2,4−ジメチル−5−((2−キノリル)−1
−エテニル)−3−チエニル)−2−(2,4−ジメチ
ル−5−((4−ジメチルアミノフェニル)−1−エテ
ニル)−3−チエニル)−3,3,4,4,5,5−ヘ
キサフルオロシクロペンテンの製造
【0051】a) 2,4−ジメチル−3−ヨード−5
−((4−ジメチルアミノフェニル)−1−エテニル)
チオフェンの製造 実施例1のa)項に於て、2−キノリルトリフェニルホ
スホニウムクロリドを用いる代わりに、4−ジメチルア
ミノフェニルトリフェニルホスホニウムヨーダイドを用
い、同様の方法で下記構造式化28の化合物を得た。収
量33.0g(収率 63.6%)。
【0052】
【化28】
【0053】分析値: 1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.25(s 1H) 2.41(s
1H) 2.95(s 2H) 6.50〜7.55(m 2H) 2)MS m/e 383(M+
【0054】b)1−(2,4−ジメチル−5−((2
−キノリル)−1−エテニル)−3−チエニル)−2−
(2,4−ジメチル−5−((4−ジメチルアミノフェ
ニル)−1−エテニル)−3−チエニル)−3,3,
4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテンの製造 実施例1のd)項に於て、2,4−ジメチル−3−ヨー
ド−5−((4−キノリル)−1−エテニル)−チオフ
ェンを用いる代わりに、実施例4のa)項に於て製造さ
れた2,4−ジメチル−3−ヨード−5−((4−ジメ
チルアミノフェニル)−1−エテニル)チオフェンを用
い、同様の方法で下記構造式化29の化合物を得た。収
量12.4g(収率 74.0%)。
【0055】
【化29】
【0056】1)1 H−NMR(CDCl3 中) δ(ppm) 2.07 2.17 2.37 2.3
7(s 12H 異性体) 3.45(s 6H) 6.40〜8.20(m 14H) 2)MS m/e 694(M+
【0057】試験例1 吸収スペクトルの測定 実施例1で得られた化合物をベンゼンに1.6×10-5
mol/lになるように溶解して得た溶液を1cm×1
cm×4cmの石英ガラスセルに入れた。これにガラス
フィルターを装着した100W超高圧水銀灯を用いて攪
拌しながら365nmの光を30分間照射し、溶液を着
色させた後、この光定常状態に於ける溶液の吸収スペク
トルを測定した。実施例1の化合物について、ベンゼン
中の着色体及び消色体の吸収スペクトルを図1に示す。
【0058】試験例2 実施例1で得られた化合物をメタノールに6.5×10
-5mol/lになるように溶解して得た溶液を用いる以
外は、試験例1と同様にして本溶液の吸収スペクトルを
測定した。実施例1の化合物について、ベンゼン中の着
色体及び消色体の吸収スペクトルを図2に示す。着色状
態の吸収スペクトルの吸収極大波長は672nmであ
り、吸収端は800nmに達し、吸収極大位置での化合
物の分子吸光係数は、ε=20,400という高い値を
示した。又、この着消色反応は可逆的に行う事ができ
た。
【0059】試験例3〜8 次に、実施例2、3、4の化合物についても試験例1,
2と同様な測定を行った。但し、実施例4の化合物に関
しては、メタノールの代わりに、メチルセロソルブを用
いた。その結果を図3〜8に示す。
【0060】また、着色体の吸収極大波長(λmax )
と、この極大波長に於ける化合物の分子吸光係数(ε・
λmax )とを表1にあわせて示す。
【0061】
【表1】
【0062】この様に、チエニル環へのアリール−1−
エテニル基の導入により、着色体の吸収極大波長は長波
長化し、発振波長670nm、あるいは780nmの半
導体レーザー感受性が付与され、化合物の分子吸光係数
を増大させることができた。また、チエニル環へのキノ
リル−1−エテニル基の導入により、各種溶媒への溶解
性を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図2】実施例1で得られた化合物の、メタノール溶液
中での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図3】実施例2で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図4】実施例2で得られた化合物の、メタノール溶液
中での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図5】実施例3で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図6】実施例3で得られた化合物の、メタノール溶液
中での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図7】実施例4で得られた化合物の、ベンゼン溶液中
での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示す図。
【図8】実施例4で得られた化合物の、メチルセロソル
ブ溶液中での光照射に基づく吸収スペクトルの変化を示
す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1にて示されるジアリール
    エテン系化合物。 【化1】 (但し、式中nは2〜5の整数,Aは下記一般式 【化2】 Bは下記一般式 【化3】 1 ,R2 ,R3 ,R4 はアルキル基,R5 は下記一般
    式 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 で示されるメトキシフェニル基,シアノフェニル基,ナ
    フチル基,又は、ジアルキルアミノフェニル基のいずれ
    かを表す。)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082340A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Masahiro Irie フォトクロミック材料およびその製造方法並びに記録表示媒体
US7759502B2 (en) * 2001-08-27 2010-07-20 The Trustees Of The University Of Pennsylvania Stilbene derivatives and their use for binding and imaging amyloid plaques
US7880037B2 (en) * 2004-04-09 2011-02-01 Valorisation-Recherche, Limited Partnership Phosphonium salts derivatives

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US8067440B2 (en) 2004-04-09 2011-11-29 Valorisation-Recherche, Limited Partnership Phosphonium salts derivatives and uses thereof

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