JPH0788411B2 - 液状ポリイソプレン水素化物及びその製造方法 - Google Patents

液状ポリイソプレン水素化物及びその製造方法

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JPH0788411B2
JPH0788411B2 JP62169274A JP16927487A JPH0788411B2 JP H0788411 B2 JPH0788411 B2 JP H0788411B2 JP 62169274 A JP62169274 A JP 62169274A JP 16927487 A JP16927487 A JP 16927487A JP H0788411 B2 JPH0788411 B2 JP H0788411B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な液状ポリイソプレン水素化物及びその
製造方法に関し、さらに詳しくは、本発明は、反応性に
富み、そのためそれ単独で、または他の物質と反応させ
ることによって、特に耐久性、低温特性が優れた物質を
製造することができ、エラストマー、接着剤、コーキン
グ材、その他種々の用途に供し得る新規な液状ポリイソ
プレン水素化物及びその製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、イソプレンを過酸化水素の存在下で重合させて得
られる、分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレ
ンは知られている(イギリス特許第1257719号公報)。
この液状ポリイソプレンは、耐水性や低温特性の優れた
エラストマーを製造するための原料として利用すること
ができる。
しかしながら、この液状ポリイソプレンはその反応性が
低いために、これからは極めて限定された性状の物しか
得られず、その用途は狭い範囲に限られていた。さら
に、この液状ポリイソプレンは他の物質との相溶性が劣
るので、これを含有する配合組成物は相分離しやすく、
貯蔵安定性が悪いと言う欠点を有している。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、単独又は種々の他の物質との反応性に
富み、耐水性、低温特性その他の種々の性質を有する物
質を製造し得る液状ポリイソプレンを提供することであ
る。
本発明の第二の目的は、種々の他の物質との相溶性が優
れており、反応させるまでの間長期間配合組成物を安定
に貯蔵することができる液体ポリイソプレンを提供する
ことである。
本発明のさらに他の目的は、このように優れた性質を有
する液状ポリイソプレンを、容易に製造することができ
る方法を提供することである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、イソプレンから誘導される構造単位を主体と
し、分子鎖末端に少なくとも1個の水酸基を有する液状
重合体の水素化物において、該水酸基の実質上すべてが
エポキシ含有基により置換されていることを特徴とする
エポキシ基含有液状ポリイソプレン水素化物を提供する
ものである。
また、本発明は、イソプレンから誘導される構造単位を
主体とし、分子鎖端末に少なくとも1個の水酸基をもつ
液状重合体の水素化物に対し、その水酸基に基づき少な
くとも1当量の、水酸基と反応しうる原子又は官能基を
もつエポキシ化合物(以下、所定エポキシ化合物とい
う)を反応させ、該水酸基の実質上すべてをエポキシ含
有基により置換することを特徴とするエポキシ基含有液
状ポリイソプレン水素化物の製造方法を提供するもので
ある。
本発明の液状ポリイソプレン水素化物の分子主鎖は、イ
ソプレンから誘導される構造単位を主体とする液状重合
体の水素化物である。該構造単位の結合様式には、1,4
付加結合、1,2付加結合、3,4付加結合があるが、本発明
の液状重合体の水素化物においては、上記結合の含有割
合には特に制限はない。好ましい液状重合体は、1,4結
合を50モル%以上、特に60モル%以上含み、残余が1,2
結合及び/又は3,4結合である重合体である。各結合
は、ランダムに存在していてもよく、またブロック状に
存在していてもよい。
該分子主鎖は、イソプレンから誘導される構造単位の水
素化物のみからなるもの以外に、また、イソプレンから
誘導される構造単位の数の50モル%迄の量で、他の構造
単位、例えば、脂肪族又は芳香族の、モノオレフィン、
ジオレフィン、ビニル化合物等、例えば、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、4−メチルペンテン−1、ブタジ
エン、塩化ビニル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸
ビニルなどから誘導される構造単位をランダム状又はブ
ロック状に含んでいるものを使用することができる。
本発明の液状ポリイソプレンの水素化物は、1分子当り
少なくとも1個のエポキシ基を有している。該エポキシ
基は、上記分子主鎖の末端に付いていることが好まし
く、特に、該分子主鎖の両末端に付いていることが好ま
しい。エポキシ基は分子主鎖の両末端の外に、さらに分
子主鎖の内部に付いていてもよく、分子主鎖の内部にエ
ポキシ基を有する場合その数は、本発明の液状ポリイソ
プレンのエポキシ当量が100以上になるような数である
ことが好ましい。
該エポキシ基は、該分子主顔に直接結合していてもよ
く、また、該エポキシ基と該分子主鎖との間に置換また
は非置換のアルキシル基またはフェニレン基、さらにエ
ーテル基、エステル基、アミド基、ウレタン基等が介在
したものを使用することができる。
本発明の液状ポリイソプレンの水素化物は、400〜26,00
0、特に、500〜10,000の数平均分子量を有することが好
ましい。
また、本発明の液状ポリイソプレン水素化物は、30℃で
0.1〜100,000ポイズの粘度を有するものが好ましい。
さらに、本発明の液状ポリイソプレン水素化物は、100
〜13,000、特に、250〜5,000のエポキシ当量を有するこ
とが好ましい。
本発明の液状ポリイソプレン水素化物は、イソプレンか
ら誘導される構造単位を主体とし、分子鎖末端に少なく
とも1個の水酸基をもつ液状重合体の水素化物に対し、
その水酸基に基づき少なくとも1当量の、所定エポキシ
化合物を反応させ、該水酸基の実質上すべてをエポキシ
含有基により置換することによって、製造できる。
上記製造方法において、分子鎖末端に水酸基を有する液
状イソプレン重合体は公知であり、例えば、英国特許第
1257719号公報に記載の方法に従って製造することがで
きる。その製造方法を具体的に例示すると、イソプレン
とイソプレン100重量部に対し0.5〜200重量部、好まし
くは、1〜50重量部の過酸化水素との混合物を、溶媒
(例えば、脂肪族、脂環式、または芳香族炭化水素類、
アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類等)
を使用するかまたは使用することなく(この場合はイソ
プレン自身が溶媒となる)、20〜300℃、好ましくは30
〜200℃の温度で、常圧〜200kg/cm2G、好ましくは常圧
〜50kg/cm2Gの圧力下に、0.1〜10時間反応させることに
よって、ポリイソプレンからなる分子鎖の末端に水酸基
を有する液状重合体を得ることができる。
この液状重合体を水添することにより本発明方法の原料
に用いられる水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素
化物を得ることができる。
この液状重合体の水添は、該液状重合体を溶剤に溶解
し、ニッケル、パラジウム、ルテニウム、白金等の公知
の水添触媒の存在下で、温度20〜300℃、好ましくは、3
0〜200℃において、水素圧力0〜200kg/cm2G、好ましく
は、0〜100kg/cm2で0.1〜10時間反応させて、実施する
ことができる。
反応終了後に、触媒をろ別して、溶液を2mmHgの減圧蒸
留を2時間以上実施すれば溶剤が除去され、本発明原料
の水酸基を有する液状ポリイソプレンの水素化物を得る
ことができる。
本発明原料の水酸基を有する液状ポリイソプレン水素化
物は、数平均分子量は300〜25,000、好ましくは、500〜
10,000であり、又、水酸基含有量は0.1〜10ミリ当量、
好ましくは、0.3〜7ミリ当量であるものが望ましい。
このような液状重合体の水素化物の所望の性状を得るた
めに、反応条件を適宜選択することができる。
また、必要に応じて、前記のようなイソプレンと共重合
し得る他のモノマー成分を併用して、液状重合体を製造
することができる。
次いで、上記のようにして得られた分子鎖末端に水酸基
を有する液状重合体の水素化物と所定エポキシ化合物と
を反応させて、該水酸基の実質上すべてがエポキシ含有
基により置換されたエポキシ基含有液状重合体を製造す
ることができる。
所定エポキシ化合物としては、該液状重合体の水酸基と
反応して該液状重合体にエポキシ基を付けることができ
る物質であれば、どのようなものであってもよい。
所定エポキシ化合物として、エピクロルヒドリンのよう
なエピハロヒドリンのように、水酸基とエポキシ基とを
反応させ、エーテル結合を介して結合させ、それと同時
にまたはその後で、脱ハロゲン化水素して新しくエポキ
シ基を形成させることができる化合物を挙げることがで
きる。本発明の反応における溶媒、触媒、中和剤、温
度、圧力その他の反応条件については、例えば、エポキ
シ樹脂の製造におけるビスフェノールAとエピクロルビ
ドリンとの反応のときと同様の公知の条件を使用するこ
とができる。
また、所定エポキシ化合物の他の例として、分子内に、
水酸基と反応し得る官能基、例えば、イソシアネート
基、カルボキシル基等とエポキシ基とを有する化合物を
使用することができる。その具体例としては、グリシド
ールとトリレンジイソシアネートとを反応させて得られ
る一般式 で示されるグリシジルイソシアネート化合物を、好適に
挙げることができる。この反応における反応条件、方法
についてもそれ自体公知であり(例えば、ポリウレタン
の製造におけるジオール化合物とジイソシアネート化合
物との反応)、本発明においてもその様な反応条件、方
法を適用することができる。
本発明の反応における一般的反応条件としては、所定エ
ポキシ化合物の使用量は、分子鎖端末に水酸基をもつ液
状重合体に対し、その水酸基に基づき少なくとも1当量
であり、溶媒、例えば、脂肪族、脂環式、または芳香族
炭化水水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類等を使用するかまたは無溶媒で(この場合は
エポキシ基を有する化合物が溶媒となる)、温度は0〜
200℃、好ましくは20〜150℃であり、圧力は常圧〜100k
g/cm2G、好ましくは常圧〜50kg/cm2Gであり、反応時間
は0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間である。
このようにして、数平均分子量400〜26,000、好ましく
は、500〜10,000であり、エポキシ当量100〜13,000、好
ましくは、250〜5,000のものを所望により得ることがで
きる。
これらの反応条件を適宜選択することにより、前記のよ
うな本発明の液状ポリイソプレン水素化物を製造するこ
とができる。
上記のようにして得られたエポキシ基を有する液状ポリ
イソプレン水素化物は、常法により分離してそれぞれの
用途に使用することができ、また、場合によりエポキシ
化反応に使用した溶媒中に溶解または懸濁させたままそ
の用途に供することもできる。
本発明の液状ポリイソプレン水素化物は、単独又は他の
液状重合体又は固体重合体と配合して、必要に応じて安
定剤、充てん剤、顔料、その他の通常使用される種々の
添加剤を配合して、エラストマー、接着剤、塗料、コー
キング材、その他種々の用途に供することができる。上
記他の液状重合体としては、液状ポリオレフィン、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
及びその他の類似物並びにそれらの変性物等を使用する
ことができる。また、固体重合体としては、ポリオレフ
ィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン及びそ
れらの変性物等の熱可塑性樹脂、天然ゴム、ポリイソプ
レン、ポリブタジエン、スチレンブタジエンゴム、及び
その他のゴム状重合体を使用することができる。
本発明の液状ポリイソプレン水素化物を利用するに際し
ては、エポキシ基の硬化反応に使用される添加物、例え
ば、第1、第2及び第3アミン、カセイアルカリ、アミ
ンの錯化合物、有機塩、有機酸無水物、及びその他の類
似物を添加配合することが好ましい。
[実施例] 本発明を実施例よりさらに詳細に説明する。
各実施例において、分子鎖末端に水酸基を有する液状ポ
リイソプレン水素化物の数平均分子量、水酸基含有量及
び粘度、分子鎖末端にエポキシ基を有する液状ポリイソ
プレン水素化物の数平均分子量、エポキシ当量及び粘度
は、それぞれ下記の方法に準拠して測定した。
分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン水素化
物 数平均分子量 ベーパープレッシャー・オスモメーター 水酸基含有量 JIS K 1557 粘度 JIS K 2283 分子鎖末端にエポキシ基を有する液状ポリイソプレン水
素化物 数平均分子量 ベーパープレッシャー・オスモメーター エポキシ当量 ASTM−D 1652 粘度 JIS K 2283 実施例1 i)分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレンの
製造 1容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレン200
g、50重量%の過酸化水素水16g及びn−ブチルアルコー
ル100gを装入し、温度120℃で、2時間撹拌下に重合反
応させた。反応圧力は、最高8kg/cm2Gにまで上昇した。
反応終了後、室温に冷却し反応容器から取り出した反応
生成物を、分液漏斗中の水600gに添加混合し、十分振と
うさせた後3時間室温で静置した。分離した油層を、10
0℃の温度で、2mmHgの真空下に、2時間蒸発させて、揮
発分(溶媒、イソプレン、低沸点成分等)を除去し、残
留物として、分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソ
プレンを68重量%の収率で得た。この液状ポリイソプレ
ンの、数平均分子量は2150であり、水酸基含有量は0.96
meq/gであり、粘度は62poise/30℃であった。
この物質の臭素価は240であった。
ii)分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン水
素化物の製造 i)おいて製造した分子鎖末端に水酸基を有する液状ポ
リイソプレンを100g、シクロヘキサン100g、ニッケル触
媒5重量%濃度のもの10gをオートクレーブに入れ、温
度140℃において、水素圧力50kg/cm2Gをかけて、4.5時
間攪拌した。
反応終了後、オートクレーブから内容物を取り出し、0.
45μmのメンブランフィルターにより触媒をろ過して、
溶液を2mmHgの減圧で110℃で溶剤を留去して目的の水素
化物を得た。
この水素化物の臭素価は1以下であり、数平均分子量は
2210であり、水酸基含有量は0.94meq/gであった。
この液状ポリイソプレン水素化物の赤外吸収スペクトル
図を第1図に示す。この液状ポリイソプレン水素化物中
の水酸基が分子鎖末端についていることは、過酸化水素
の開裂によって生成する水酸基ラジカルを末端として重
合が開始されること及びその結果として平均官能基数
(1分子当たりの水酸基の数の平均値)が2.06であるこ
とから明らかである。
数平均分子量及び水酸基の含量がi)で得たものとほぼ
同一であることから、このものの構造はi)の化合物中
の二重結合が水添された構造であると推定できる。
iii) 分子鎖末端にエポキシ基を有する液状ポリイソ
プレン水素化物の製造 上記で得られた分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイ
ソプレン水素化物50g、エピクロルヒドリン50g、トリエ
ン50g及び触媒としてのテトラエチルアンモニウムクロ
ライド1gを500mlのセパラブルフラスコに入れ、80℃で
1時間常圧化に反応させた。その後反応物を40℃まで冷
却し、これに3Nカセイソーダ水溶液100mlを20分間で滴
加した。その後、60℃で2時間反応させた。反応生成物
の有機相を分液漏斗に入れ、純水で3回洗浄した。有機
相を分取し、110℃、1mmHg abs.真空下に2時間蒸発さ
せて、トルエン及び残存エピクロルヒドリンを除去し、
残渣として分子鎖末端にエポキシ基を有する液状ポリイ
ソプレン水素化物52.2gを得た。本発明の液状ポリイソ
プレン水素化物の数平均分子量は2330、エポキシ当量は
1160、粘度は630poise/30℃であった。
このエポキシ基含有液状ポリイソプレン水素化物の赤外
吸収スペクトル図を第2図に示す。
第1図と第2図とを比較すると明らかなように、第2図
においては、第1図であらわれている水酸基に基づく33
40cm-1付近の吸収が消失し、エポキシ基に基づく1250cm
-1及び860cm-1付近の吸収が出現している。
実施例2 エポキシ化合物の合成 500mlセパラブルフラスコに、グリシドール74.0g、トル
エン100ml及びジブチルスズジラウレート0.01gを入れ、
常圧で25℃に維持しながら撹拌下にトリレンジイソシア
ネート174.0gを2時間かけて滴加した。次いでさらに60
℃で2時間反応させた。反応生成物を、100℃、2mmHgで
1時間蒸発させて溶媒を除去し、前記一般式で示される
エポキシ化合物を得た。
i)分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレンの
製造 1容のステンレス製耐圧反応容器に、イソプレン200
g、50重量%の過酸化水素50g及び第二ブチルアルコール
300gを装入し、温度115℃で、2.5時間撹拌下に重合反応
させた。
反応圧力は、最高7kg/cm2Gにまで上昇した。反応終了
後、実施例1におけると同様に処理して、分子鎖末端に
水酸基を有する液状ポリイソプレンを74重量%の収率で
得た。この液状ポリイソプレンの、数平均分子量は1380
であり、水酸基含有量は1.45meq/gであり、粘度は24poi
se/30℃であった。
この物質の臭素価は229であった。
ii)分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイソプレン水
素化物の製造 i)おいて製造した分子鎖末端に水酸基を有する液状ポ
リイソプレンを100g、シクロヘキサン100g、ルテニウム
触媒5重量%濃度のもの10gをオートクレーブに入れ、
温度140℃において、水素圧力50kg/cm2Gをかけて5時間
攪拌した。
反応終了後、オートクレーブから内容物を取り出し、0.
45μmのメンブランフィルターにより触媒をろ過して、
溶液を2mmHgの減圧で110℃で溶剤を留去して目的の水素
化物を得た。
この水素化物の数平均分子量は1450であり、水酸基含有
量は1.39meq/gであった。
臭素価は1以下であった。
この液状ポリイソプレン水素化物の赤外吸収スペクトル
図を第3図に示す。この液状ポリイソプレン水素化物中
の水酸基が分子鎖端末についていることは、過酸化水素
の開裂によって生成する水酸基ラジカルを末端として重
合が開始されること及びその結果として平均官能基数
(1分子当たりの水酸基の数の平均値)が2.00であるこ
とから明らかである。
数平均分子量及び水酸基の含量がi)で得たものとほぼ
同一であること並びに臭素価からみて、このものの構造
はi)の化合物中の二重結合が水添された構造であると
推定できる。
iii)分子鎖末端にエポキシ基を有する液状ポリイソプ
レン水素化物の製造 上記で得られた分子鎖末端に水酸基を有する液状ポリイ
ソプレン水素化物50g及びトルエン100mlを500mlのセパ
ラブルフラスコに入れ、本実施例において合成した前記
エポキシ化合物17.0gを、25℃で20分の条件で滴加し
た。常圧下で、25℃で1時間、次いで80℃で2時間反応
させた。反応生成物の有機相を分液漏斗に入れ、純水で
3回洗浄した。有機相を、100℃、2mmHgの真空下に2時
間蒸発させて、トルエンを除去し、残渣として分子鎖末
端にエポキシ基を有する液状ポリイソプレン水素化物6
6.8gを得た。この本発明の液状ポリイソプレン水素化物
の、数平均分子量は1880であり、エポキシ当量は945で
あり、粘度は845poise/30℃であった。
このエポキシ基含有液状ポリイソプレン水素化物の赤外
吸収スペクトル図を第4図に示す。
第3図と第4図とを比較すると明らかなように、第4図
においては、第3図であらわれている水酸基に基づく33
50cm-1付近の吸収が消失し、エポキシ基に基づく1250cm
-1及び860cm-1付近の吸収、及び2340cm-1付近のウレタ
ン結合による吸収が出現している。
[発明の効果] 本発明の液状ポリイソプレン水素化物は、分子鎖がイソ
プレンから誘導される構造単位の水素化物を主体とする
液状重合体であり、分子鎖末端にエポキシ基を有してい
るので、それ自体同士、または、種々の他の物質との反
応性に富み、所望に応じて耐水性、低温特性その他の種
々の優れた性質を有する物質を製造し得るという顕著に
優れた効果を奏するものである。
本発明の液状ポリイソプレン水素化物は、エラストマ
ー、接着剤、コーキング材、その他種々の用途の製品の
原料として有用である。
さらに、本発明の液状ポリイソプレン水素化物の製造方
法は、このように優れた性質を有する液状ポリイソプレ
ン水素化物を、容易に製造することができるという優れ
た効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1で得られた分子鎖末端に水酸基を有
する液状ポリイソプレンの水素化物の赤外吸収スペクト
ル図、第2図は、実施例1で得られた分子鎖末端にエポ
キシ基を有する液状ポリイソプレン水素化物の赤外吸収
スペクトル図、第3図は、実施例2で得られた分子鎖末
端に水酸基を有する液状ポリイソプレン水素化物の赤外
吸収スペクトル図、第4図は、実施例2で得られた分子
鎖末端にエポキシ基を有する液状ポリイソプレンの水素
化物の赤外吸収スペクトル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲つる▼下 謙治 山口県徳山市宮前町1番1号 出光石油化 学株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−126292(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソプレンから誘導される構造単位を主体
    とし、分子鎖末端に少なくとも1個の水酸基を有する液
    状重合体の水素化物において、該水酸基の実質上すべて
    がエポキシ含有基により置換されていることを特徴とす
    るエポキシ基含有液状ポリイソプレン水素化物。
  2. 【請求項2】液状重合体の水素化物が両末端に水酸基を
    有する実質上線状の重合体である特許請求の範囲第1項
    記載のエポキシ基含有液状ポリイソプレン水素化物。
  3. 【請求項3】イソプレンから誘導される構造単位を主体
    とし、分子鎖末端に少なくとも1個の水酸基をもつ液状
    重合体の水素化物に対し、その水酸基に基づき少なくと
    も1当量の、水酸基と反応しうる原子又は官能基をもつ
    エポキシ化合物を反応させ、該水酸基の実質上すべてを
    エポキシ含有基により置換することを特徴とするエポキ
    シ基含有液状ポリイソプレン水素化物の製造方法。
  4. 【請求項4】水酸基を有する液状重合体が両末端に水酸
    基を有する実質上線状の重合体である特許請求の範囲第
    3項記載のエポキシ基含有液状ポリイソプレン水素化物
    の製造方法。
JP62169274A 1987-07-07 1987-07-07 液状ポリイソプレン水素化物及びその製造方法 Expired - Fee Related JPH0788411B2 (ja)

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