JPH0788211B2 - シラン類の製造法 - Google Patents

シラン類の製造法

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JPH0788211B2
JPH0788211B2 JP24423386A JP24423386A JPH0788211B2 JP H0788211 B2 JPH0788211 B2 JP H0788211B2 JP 24423386 A JP24423386 A JP 24423386A JP 24423386 A JP24423386 A JP 24423386A JP H0788211 B2 JPH0788211 B2 JP H0788211B2
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淳彦 日合
忠晴 羽勢
将夫 田中
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ケイ素を含む合金と酸とを反応させることに
より、一般式SinH2n+2(nは1以上の正の整数)で表さ
れる水素化ケイ素を製造する方法に関する。
背景技術 近年エレクトロニクス工業の発展に伴い、多結晶シリコ
ンあるいはアモルファスシリコン等の半導体用シリコン
の需要が急激に増大している。水素化ケイ素SinH2n+2
かかる半導体用シリコンの製造用原料として最近その重
要性を増しており、特にシラン(SiH4)、ジシラン(Si
2H6)は太陽電池用半導体の原料として、今後大幅な需
要増加が期待されている。
従来、珪素とマグネシウムとから成る合金と酸とを溶媒
中で作用せしめてシランを製造方法としては、以下に例
示するような方法が知られている。
Mg2Si+4HClaq→2MgCl2+1/n SinH2n+2 +(1−1/n)H2 (例えばジャーナル オブ ザ ケミカルソサイアティ
(Jounal of the Chemical Society,1131(1946)) しかしながら、ここで使用される珪素とマグネシウムと
から成る合金の製造にかかわる改良条件について、未だ
提案された例を聞かない。
発明が解決しようとする問題点 珪素とマグネシウムとから成る合金と酸とを溶媒中で作
用せしめて、シラン類を製造する方法は簡単で比較的高
純度のシラン類が得られる優れた方法であるが、シラン
類の収率が比較的低いという問題点があった。本発明者
らは、特に珪素とマグネシウムとから成る合金を製造す
る工程とシラン類の収率の相関について鋭意検討し、特
定の粒径の珪素から得た合金を用いることで収率が向上
することを見出し本発明を完成した。
問題点を解決するための手段 本発明の方法は、珪素とマグネシウムとから成る合金と
酸とを溶媒中で作用せしめて、シラン類を製造する方法
において該合金として200ミクロン以下の粒子径の珪素
を使用して得た合金を用いることを特徴とするシラン類
の製造法である。
本発明らおける珪素合金と酸との反応は、水あるいはア
ンモニア、ヒドラジン、エチルアミン、ヘキシルアミ
ン、エチレンジアミン、ピペリジン、アニリン、ピリジ
ン等の含チッソ有機化合物;あるいはジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル化合物
などの溶媒中もしくはその混合溶媒中にて行い得るが、
これらの中では水、アンモニア、ヒドラジンが特に好ま
しい。
酸としては、上述の溶媒中にて酸として、珪素合金と作
用するものであればいかなるものでも良く、種々の無機
酸あるい有機酸を用い得る。例えば、水を溶媒とする場
合には、塩化水素酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫
酸、リン酸、酢酸、ギ酸、蓚酸などを、またアンモニア
を溶媒とする場合には、塩化アンモニウム、臭化アンモ
ニウム、ロダン酸アンモニウムなどの化合物を、ヒドラ
ジンを溶媒とする場合には、塩化ヒドラジルなどの化合
物が酸として用いられる。
本発明における珪素とマグネシウムとから成る合金と
は、Mg2Siに近い化学組成のものであり、通常、所定量
の珪素とマグネシウムを水素あるいはアルゴン、ヘリウ
ムなどの不活性ガス雰囲気中、450℃以上にて焼成する
ことにより得られる。ここで使用されるマグネシウム
は、粒子径0.1〜5ミリメートルのものが使用される。
マグネシウムは昇華し、珪素粒子に入り込むのでマグネ
シウム粒子径は限定される必要はない。ここで重要なの
は珪素の粒径を200ミクロン以下とすることであり。200
ミクロンを越えるものでは得られた珪素マグネシウムを
用いて、シラン類を製造する際にシラン類の収率が低く
なる。好ましい粒径としては200ミクロン以下、特に200
ミクロン〜10ミクロンの粒径のものが使用されるが。な
おこの範囲であれば特に収率の大幅な変化は見られな
い。
珪素合金と酸との反応様式は、特に制限はなく通常行わ
れている種々の方法を採用できる。例えば、酸性水溶液
に珪素合金を装入する、塩化アンモニウムを溶解させた
アンモニア溶液に珪素合金を装入するなどの方法があげ
られる。珪素合金と酸たの使用割合は、反応モル当量で
行うことが経済上望ましいが、実際には酸の使用量が過
剰であることがシラン類の収率上好ましい。例えば
((H+/Mg2Si)モル比=4.0)以上、好ましくは((H+/
Mg2Si)モル比=4.4以上)である。
なお、反応温度、反応時間、使用溶媒などの細かい反応
条件はすでに我々が前記出願に開示した方法、もしくは
それ自体公知の条件に従ってそのまま実施することがで
きる。
珪素とマグネシウムとから成る合金と酸との反応によ
り、シラン類を製造する方法に関する本発明は、マグネ
シウムと合金と酸との反応により製造することのできる
他の金属水素化物、具体的にはゲルマニウムの水素化
物、リンの水素化物、アンチモンの水素化物、鉛の水素
化物などの製造にも容易に適用できる。
発明の作用 本発明の方法で使用される珪素は、200ミクロン以下の
粒子径のものである。200ミクロンを越える珪素を使用
すると、珪化マグネシウムを製造する際に、充分にマグ
ネシウムが珪素内に拡散出来ず珪化マグネシウムの生成
が不充分なためこれを使用してシラン類を製造する場
合、シラン類の収率が低くなると推定される。
発明の効果 本発明の方法を実施することによって、収率良くシラン
類を製造することができるものであり、工業的な利用可
能性が極めて高いものである。
実施例1 珪素粉末(三津和化学社製、純度98.5%以上、粒度200
ミクロン以下)4.21g、マグネシウム末(和光純薬社
製、純度99.9%以上)7.29gから成る混合物を磁製のル
ツボに入れ、アルゴン−水素の混合ガス中(水素含有3V
OL.%)550℃にて4時間焼成した(焼成後、該合金を乳
鉢にて粉砕し、80メッシュ以下とした)。
容量300mlの筒形セパラブルフラスコに、濃度20wt%の
塩酸水溶液200mlを装入した。水素ガス雰囲気中、この
塩酸水溶液に上記のケイ素6.32g(Siとして78.2mmolを
攪拌しながら40分間、約0.16g/minの一定速度で加え続
けた。反応中の温度は0℃とし、該珪素合金の投入終了
後は反応液を室温にまで上昇させ、水素気流中にて60分
間そのままの状態で保持し、反応器中のSiH4、Si2H6
完全に追出した。生成ガスは、液体チッ素温度で冷却し
たトラップ中に捕集し、実験終了後捕集ガス中のSiH4
Si2H5の量をガスクロマトグラフによ分析・定量した。
SiH4、Si2H6の量はそれぞれ23.0mmol、4.6mmolであっ
た。これらSiH4とSi2H6の量は、反応に供した珪化マグ
ネシウム中の珪素の41.2%に相当した。
比較例1 珪素の粒子径を200ミクロンから300ミクロンに変更した
以外全て実施例1と同様に実験を実施したところ、SiH4
とSi2H2の量はそれぞれ18.5mmol、4.7mmolであった。こ
れらSiH4とSi2H6の量は、反応に供した珪化マグネシウ
ム中の珪素の35.7%に相当した。
実施例2 容量300mlの筒形セパラブルフラスコに、濃度20wt%の
塩酸水溶液200mlおよびジエチルエーテル40mlを装入し
た。水素ガス雰囲気中、この混合液に実施例1に用いた
と同じ珪素合金をそれぞれ同じ量(Siとして78.2mmol)
40分間かけて一定速度で加え続けた。反応をジエチルエ
ーテルの還流した(35℃)にて行った以外は実施例1と
同様に実験を行ったところ、SiH4とSi2H6の量はそれぞ
れ29.3mmol、6.9mmolであった。これらSiH4とSi2H6の量
は反応に供した合金中の珪素の55.1%に相当した。
比較例2 珪素の粒子径を200ミクロンから500ミクロンに変更した
以外全て実施例1と同様の実験を実施したところ、SiH4
とSi2H6の量はそれぞれ24.8mmol、7.3mmolであった。こ
れらSiH4とSi2H6の量は反応に供した合金中の珪素の50.
4%に相当した。
実施例3 容量300mlの筒形セパラブルフラスコに、塩化アンモニ
ウム粉末9.7gと実施例1で用いたと同じ珪素合金をそれ
ぞれ所定量(Siとして37.0mmol)良く攪拌、混合させた
ものを仕込んだ。反応器にはドライアイス温度で冷却し
た還流器を取付け、水素雰囲気中にてアンモニアを一定
速度1.0g/minで30分間供給し、アンモニアを還流させな
がら反応を行った。アンモニアの供給終了後、更に30分
間そのままの状態を保持した。生成したシランガスは、
塩酸水洗浄により同伴のアンモニアと分離した後、液体
チッ素温度で冷却したトラップ中に捕集した。実験終了
後、捕集ガス中のSiH4とSi2H2の量をガスクロマトグラ
フにより分析、定量した。
SiH4とSi2H6の量はそれぞれ28.2mmol、0.5mmolであっ
た。これらSiH4とSi2H6の量は反応に供した合金中の珪
素の78.9%に相当した。
比較例3 比較例1に用いた合金を使用し、実施例3の条件で実験
を実施したところ、SiH4とSi2H6の量はそれぞれ26.7mmo
l、0.4mmolであった。これらSiH4とSi2H6の量は反応に
供した合金中の珪素の74.3%に相当した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪素とマグネシウムとからなる合金と酸と
    を溶媒中で作用せしめて、シラン類を製造する方法にお
    いて、該合金として200ミクロン以下の粒子径の珪素を
    使用して得た合金を用いることを特徴とするシラン類の
    製造法。
  2. 【請求項2】合金と酸とを水溶媒中にて作用させる特許
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】合金と酸とを有機溶媒と水との混合溶媒中
    にて作用させる特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】合金と酸とをアンモニア、あるいはヒドラ
    ジンからなる溶媒中にて作用させる特許請求の範囲第1
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】酸がハロゲン化水素酸である特許請求の範
    囲第1項乃至第4項の何れかに記載の方法。
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Kim et al. Kim et al.(45) Date of Patent: Mar. 8, 2016

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