JPH0787255A - 記録カセットおよびその記録カセットを用いる記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体の記録性能の低下を防ぎ、しかも記
録媒体の使用性をよくする。 【構成】 カセット外装体３に、サーマルクロミックフ
ィルム(ＴＣフィルム)６をエンドレスベルト状にして内
蔵し、さらにＴＣフィルム６を支持，駆動する一対のゴ
ムローラ４，５と、ＴＣフィルム６に情報を記録するた
めのサーマルヘッド13と、記録されている情報を消去す
る板状ヒータ12とを内蔵し、しかもカセット外装体３に
透明部材10を設けて外部から情報内容を読み取れるよう
にして、塵埃の侵入やＴＣフィルム６への不用意な接触
を防ぎ、ＴＣフィルム６の表面品質の維持を図る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、サーマルクロミックフ
ィルム(以下、ＴＣフィルムという）等の熱エネルギに
より情報の書込み／消去が可能な記録媒体を用いた記録
カセット、およびファクシミリ，デジタル複写機，プリ
ンタ等の記録部分に適用され、情報の記録／消去のため
に前記記録カセットを用いる記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来よりファクシミリ，プリンタ等にお
ける記録手段として種々のものが知られているが、最も
使用されている方式の一つに感熱記録方式がある。また
近年、メモリの低価格化に伴って記録情報を記録するメ
モリを装備した装置も増加している。ファクシミリで受
信した情報は伝達の役割を終えた後は廃棄される場合が
多い。

【０００３】以上の状況において、受信情報の可視化手
段としてＬＣＤディスプレイによる表示も提案されてい
る。いわゆるソフトコピーであるが、実際上は各種制約
のため定形文書がフル表示できないとか、スクロールに
時間がかかるとか、ユーザの多数が使用しようとしても
可搬性がないなどの問題がある。

【０００４】一方、新しい記録媒体としてＴＣフィルム
が提案されている。ＴＣフィルムは、基材の上に光反射
層，記録層，トップコート層を形成することにより構成
されており、特定の熱エネルギを加えることにより、記
録層を白濁化することにより情報を記録することができ
る。また前記とはレベルの異なった特定熱エネルギを加
えることで白濁層を透明化できるという熱可逆性質を具
備している。しかも前記反応を繰り返すことができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記ＴＣフィルムが記
録媒体として記録と消去とを繰り返して行えることによ
り、ファクシミリ等の記録手段として使用することがで
きる。ファクシミリに使用する一般的方法として、例え
ば、Ａ４サイズの定形シート状のＴＣフィルムを用いて
装置内のサーマルヘッドにて画情報記録を行い、消去は
板状あるいはロール状等のヒータで行う等の方法があ
る。

【０００６】しかし、実使用面上では、繰り返し使用す
ることによってＴＣフィルムの摩耗，摩損，汚れの発生
にて記録性能を低下させ、結果として多数回使用できな
くなる。

【０００７】本発明の目的は、ＴＣフィルム等の記録媒
体の記録性能の低下を防ぎ、しかも記録媒体の使用性を
よくした記録カセットおよびその記録カセットを用いる
記録装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の記録カセットは、熱エネルギにより情報の
書込み、および書込まれた情報の消去が可能なエンドレ
スベルト状の記録媒体と、この記録媒体に情報の書込み
をする手段と、記録媒体に書込まれた情報を消去する手
段と、記録媒体を移動させる搬送手段と、内部に収納さ
れた記録媒体に書込まれている情報を外部から目視可能
にする透明部分を有するカセット外装体とを備えたこと
を特徴とする。

【０００９】また本発明の記録カセットを用いる記録装
置は、前記記録カセットへ記録情報を出力可能にし、か
つ記録カセットが着脱可能であるようにしたことを特徴
とする。

【００１０】さらに記録カセットに対して行われる記録
動作，消去動作，書込まれた情報を消去しながら記録す
る動作，記録媒体を適宜搬送する動作のうちの少なくと
も１動作の設定モードを備えたことを特徴とする。

【００１１】さらに記録カセットを回動可能に支持した
ことを特徴とする。

【００１２】

【作用】前記構成の記録カセットでは、カセット外装体
の内部に、エンドレスベルト状の記録媒体と、書込み手
段と、消去手段と、搬送手段とが備えられて、記録媒体
に対する情報の書込みおよび消去がなされ、記録媒体に
書込まれている情報内容はカセット外装体の透明部分を
通して外部から見ることができ、記録媒体に不用意に接
触することがなく、しかも外部からの塵埃の付着もなく
なって、記録媒体の表面品質が長期にわたって維持され
る。

【００１３】また前記構成の記録カセットを用いる記録
装置では、記録カセットを記録装置から取り外して持ち
運び、情報内容の判読が可能となり、記録カセットの使
用性がよい。

【００１４】さらに記録媒体に対して記録，消去等に係
る種々の動作を行うことの選択が可能となる。

【００１５】さらに情報内容の判読が記録カセットの回
動範囲内の最も見やすい位置で行える。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１７】図１は本発明に係る記録カセットと記録装
置との一実施例の要部を示す構成図であり、１は記録カ
セット、２はファクシミリ等の記録装置の本体であっ
て、本体２ではファクシミリを構成する他の要素、例え
ば、スキャナ，伝送部等については発明の構成要素とは
直接関係ないため図示を省略した。

【００１８】記録カセット１の箱状のカセット外装体３
内には、両端部分にそれぞれ回転可能なゴムローラ４，
５が設けられ、これらのゴムローラ４，５間にエンドレ
スベルト状の記録媒体であるＴＣフィルム６が張設され
ている。上側のＴＣフィルム６の下部には仕切板７が延
在し、この仕切板７の左端の垂下部８とゴムローラ４の
軸支部分との間にはスプリング９が設けられ、このスプ
リング９によってＴＣフィルム６に張力を与えている。
仕切板７の上面は黒の濃色になっており、ＴＣフィルム
６の記録画像の視認性を高めている。

【００１９】カセット外装体３は、図３に示した外観斜
視図のように、上部がガラス，透明プラスチックス等の
透明部材10によって形成され、ＴＣフィルム６表面の記
録内容を外部から目視，視認可能にしており、さらに一
側部を開放，閉鎖するためのＬ字状の蓋11が回動可能に
設けられている(図１は蓋11の開放状態である)。

【００２０】一方、記録装置の本体２内には、前記ＴＣ
フィルム６と接触するように消去用の板状ヒータ12と記
録用のサーマルヘッド13とが設けられ、さらに記録カセ
ット１の一方のゴムローラ５の支軸に固定された従動ギ
ヤ14に噛合する中間ギヤ15と、この中間ギヤ15と噛合す
る駆動ギヤ16とが設けられている。

【００２１】図２は記録カセットのサーマルヘッド付近
の詳細を示す構成図であり、本体２の一部２aと共に回
動支点20に支承された駆動片21は略Ｔ字状をなし、かつ
支点22を中心に回動可能なリンク23と当接可能であっ
て、このリンク23の一部が回動支軸24を中心として回動
可能なブラケット25と当接可能である。このブラケット
25は、サーマルヘッド13が固定され、スプリング26から
反時計方向への回転力が付勢されており、さらに左上側
には切欠部27が形成されている。本体２内のフレーム28
の延出端28aは、カセット外装体３の突起３aと係合す
る。

【００２２】次に、記録カセット１のセット方法を説明
する。

【００２３】本体２の一部２aを、回動支点20を中心に
時計方向に回動させると、駆動片21がリンク23を支点22
を中心として反時計方向に回動させ、リンク23がブラケ
ット25を回動支軸24を中心として時計方向に回動させる
ことになる。この状態でブラケット25の切欠部27が上方
を向く。

【００２４】記録カセット１の蓋11を開放した状態で、
その開放端部を記録装置の本体２内に位置するブラケッ
ト25の切欠部27に挿入すると、この切欠部27に一方のゴ
ムローラ５の支軸に設けられた軸受30が係合する。この
係合によってブラケット25に固定されているサーマルヘ
ッド13とゴムローラ５の記録位置関係が確保される。サ
ーマルヘッド13はスプリング26によってＴＣフィルム６
を介してゴムローラ５に押圧される。またフレーム28の
延出端28aとカセット外装体３の突起３aとが係合し、サ
ーマルヘッド13の押圧を支える。この状態で板状ヒータ
12はＴＣフィルム６と接触する。

【００２５】さらに記録カセット１の前記本体２への挿
入状態において、記録カセット１の従動ギヤ14と本体２
側の中間ギヤ14が噛合し、駆動ギヤ16を回転させること
でゴムローラ５の回転駆動がなされて、一対のゴムロー
ラ４，５によるＴＣフィルム６の移動が可能となる。

【００２６】次に記録，消去動作等について図４のフロ
ーチャートを参照して説明する。

【００２７】記録装置側の制御部ではデフォルトが既に
書込まれた情報を消去しながら記録するように設定され
ている。したがって、記録カセット(図４の説明ではＴ
Ｃとした)のセットを確認後(Ｓ1)、ＴＣがなければ(Ｓ1
の無)、ＴＣ無の表示を適宜の表示手段に行わせ(Ｓ2)、
モードセレクトがなければ(Ｓ3の無)、データが受信さ
れている場合(Ｓ4の有)、消去・記録モードであること
の表示をし(Ｓ5)、板状ヒータ12で旧画像を消去し(Ｓ
6)、サーマルヘッド13で新画像を書込む(Ｓ7)。書込み
後、ＴＣフィルム６はゴムローラ４，５にて移動される
(Ｓ8)。ＴＣフィルム６にはページを示すマークが印刷
されており、本体２側に設けられたセンサ(図示せず)に
てページの位置を認識できるようになっている。

【００２８】本実施例では、記録カセットの有効定形記
録をＡ４サイズに設定してあるので、本モードではＡ４
サイズ１枚分相当の記録が行われた後にマークがセンサ
で検知され(Ｓ9)、装置が停止する。

【００２９】モードセレクトされて(Ｓ3の有)、記録モ
ード(Ｓ10)，消去モード(Ｓ20)，搬送モード(Ｓ30)が設
定されると、各モードに係る表示がなされ(Ｓ12)，(Ｓ2
1)，(Ｓ31)、記録モード(Ｓ10)ではデータの受信状態で
(Ｓ11)、ヒータ12がオフ(Ｓ13)、サーマルヘッド13がオ
ン(Ｓ14)となって新画像が書込まれる。

【００３０】また消去モード(Ｓ20)ではヒータ12がオン
(Ｓ22)、サーマルヘッド13がオフ(Ｓ23)となって旧画像
の一部または全部の消去がなされる。

【００３１】また搬送モード(Ｓ30)ではヒータ12とサー
マルヘッド13がオフ(Ｓ32)，(Ｓ33)で、ＴＣフィルム６
の搬送のみがなされ(Ｓ8)、ページを変えて画情報を視
認することができる。

【００３２】本実施例では、ページ間にまたがる画情報
も連続して記録を行え、ＴＣフィルム６をランダム搬送
して読むことが可能である。ＴＣフィルム６の搬送順
序，搬送量については、検知マークの数，位置とソフト
ウェアによるモータ制御によって容易に行える。

【００３３】図２において一点鎖線で囲んだユニット体
40は、中間ギヤ15の中心軸35を中心として時計方向に回
動可能であって、図１に一点鎖線で示したようにユニッ
ト体40を、ＴＣフィルム６に記録されている画情報がユ
ーザの見やすい位置に回動できる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録カセ
ットは、請求項１記載の構成によれば、カセット外装体
の内部に、熱エネルギにより情報の書込みおよびその消
去が可能なエンドレスベルト状の記録媒体を内臓した状
態で記録，消去が可能であり、しかも内蔵した状態で情
報内容を透明部分を通して見ることができるので、記録
媒体に不用意に接触することや、塵埃の内部侵入を防ぐ
ことができるため、記録媒体の表面品質を長期にわたっ
て維持でき、安定した記録，消去が行え、耐久性，信頼
性に優れる。

【００３５】本発明の記録カセットを用いる記録装置
は、請求項２記載の構成によれば、記録カセットを取り
外して持ち運び、情報内容の判読ができるので、記録カ
セットの使用性がよくなる。

【００３６】請求項３の構成によれば、記録媒体に対し
て、記録，消去等に係る種々の動作を行うことのモード
設定ができ、ユーザの記録カセットの利用範囲を広げら
れる。

【００３７】請求項４記載の構成によれば、情報内容の
見やすい位置まで記録カセットを回動することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の記録カセットと記録装置との一実施例
の要部を示す構成図である。

【図２】記録カセットのサーマルヘッド付近の詳細を示
す構成図である。

【図３】記録カセットの外観斜視図である。

【図４】ＴＣフィルムに対する記録，消去等に係るフロ
ーチャートである。

【符号の説明】

１…記録カセット、 ２…記録装置の本体、 ３…カセ
ット外装体、 ４，５…ゴムローラ、 ６…ＴＣフィル
ム(記録媒体)、 10…透明部材、 12…板状ヒータ、
13…サーマルヘッド、 25…ブラケット。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱エネルギにより情報の書込み、および
   書込まれた情報の消去が可能なエンドレスベルト状の記
   録媒体と、この記録媒体に情報の書込みをする手段と、
   記録媒体に書込まれた情報を消去する手段と、記録媒体
   を移動させる搬送手段と、内部に収納された記録媒体に
   書込まれている情報を外部から目視可能にする透明部分
   を有するカセット外装体とを備えたことを特徴とする記
   録カセット。
2. 【請求項２】 請求項１記載の記録カセットへ記録情報
   を出力可能にし、かつ記録カセットが着脱可能であるよ
   うにしたことを特徴とする記録カセットを用いる記録装
   置。
3. 【請求項３】 記録カセットに対して行われる記録動
   作，消去動作，書込まれた情報を消去しながら記録する
   動作，記録媒体を適宜搬送する動作のうちの少なくとも
   １動作の設定モードを備えたことを特徴とする請求項２
   記載の記録カセットを用いる記録装置。
4. 【請求項４】 記録カセットを回動可能に支持したこと
   を特徴とする請求項２または３記載の記録カセットを用
   いる記録装置。