JPH0786659A - 強誘電体の低電界分極法 - Google Patents

強誘電体の低電界分極法

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JPH0786659A
JPH0786659A JP23025393A JP23025393A JPH0786659A JP H0786659 A JPH0786659 A JP H0786659A JP 23025393 A JP23025393 A JP 23025393A JP 23025393 A JP23025393 A JP 23025393A JP H0786659 A JPH0786659 A JP H0786659A
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polarization
polarized
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ferroelectric
substance
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JP23025393A
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Hideaki Miyagawa
秀明 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電体の分極を大気中で、低電圧印加によ
って行なうことを目的とする。 【構成】 大気中において、対向電極間に強誘電体を配
することにより、該強誘電体の分極したい部分もしくは
パターン領域を、局所的にレーザー光線の照射などの手
段を用いてキュリー温度近傍にまで昇温させ、強誘電体
の抗電界を小さくした状態で電界を印加して分極を行な
う。 【効果】 第一に、従来絶縁油中で分極していたために
必要となっていた、分極用の電極の設置を不要にするこ
ともできるとともに、分極後の絶縁油の洗浄が不要とな
ること、さらに分極時に印加していた電圧値を低減でき
たため、低コスト化が実現できるとともに、電圧印加時
間も短縮できるため、作業工程に要する時間を短縮でき
る。また、第二に従来よりも高い分極率の値を得ること
ができ、厚い強誘電体材の分極も可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モーターなどに使
用する強誘電材の分極方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来強誘電材、あるいはその一種である
圧電材料を分極する場合、強誘電材に蒸着等で電極を形
成後、隣接電極間の放電を防ぐため絶縁油中に強誘電材
を入れ、その対向電極間に高電圧を印加することにより
分極を行っていた。
【0003】上記従来の分極工程を図を用いて説明す
る。例えば強誘電材1を図5のように局所的に分極せし
めたい場合には、強誘電材に図6に示すような電極61
1,612,613,63を蒸着法等で形成した後、図
7に示す浴槽71中に絶縁油72を入れ、ヒーター53
により絶縁油の温度を上げ、所定の温度に達した時点で
上記の電極を付加形成した強誘電材を入れ、外部から電
極611,612,613,63の間に高電圧を印加す
ることによって分極を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような従来例の場合、以下に掲げる問題点が存在してい
た。 (I)分極工程のためだけの目的で電極を形成する必要
があった。 (II)従来の場合は分極工程が電極間の放電を防ぐた
め、外界からの絶縁のために絶縁油中で行なわれてお
り、この絶縁油の酸化による寿命劣化を避けるために、
120℃程度という比較的低温下で行なわなくてはなら
ず、これが原因でより高い電界を印加しなくてはならな
いために高電圧電源が必要である。しかも上記電源電圧
値も無制限に高電圧のものを用いることができるわけで
はなく、値に上限があるため、強誘電体の厚さが厚い場
合には、これに対して有効な分極率値(0.19程度;
別項参照)を実現するために完全に必要な電界を得るこ
とができず、分極できないという問題点が存在してい
た。
【0005】さらに、分極終了後には強誘電材に付着し
た絶縁油を洗浄しなくてはならず、工程をより煩雑なも
のにする原因となっていた。
【0006】ここでキヤノン独自の分極率の測定方法に
ついて説明する。
【0007】当社では独自に、以下に述べるごとき、分
極率の測定方法を採用している。
【0008】測定したい物体に対してC0なる容量を並
列に接続し、これに交流を印加する。この系の等価回路
は図6(a)のようになる。
【0009】この時の系のコンダクタンスY、インピー
ダンスZ、印加する交流の周波数をfとすると、
【0010】
【外1】 で表され、インピーダンスZの値は、周波数fに応じ
て、その共振点付近において図9のような周波数特性を
呈し、f=f0、f2のときに極値を持ち、またf0とf2
のあいだのf1に変曲点を有する。
【0011】この周波数特性曲線の測定から得た値、
【0012】
【外2】 を、分極率の評価を行なうべき物理量として、便宜上分
極率と称して、材料の評価を行なっている。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】前記問題点を鑑
み、本発明の開示する第1の手段としては、(I)大気
中の対向電極間に強誘電材を置き、(II)キュリー温
度以上、もしくは近傍にまで加温した条件下で分極を行
なうことに特徴を有する強誘電体の分極方法であり、第
二の手段としては上記(I)、(II)の特徴に加えて
(III)局所過熱可能のコテや、操作手段を有するレ
ーザービーム等のような手段を用いることにより、強誘
電材の分極したい部分もしくはパターン領域を局所的に
分極せしめることに特徴を有する強誘電体の分極方法で
ある。
【0014】上記手段を用いることによって、 (1)分極のためだけに用いる電極を強誘電体自体に形
成することが不要になる。 (2)大気中で分極を行なうので、低い電圧印加で所定
の分極を達成することができるので大気中で分極でき
る。 (3)強誘電材を抗電界が小さいキュリー温度近傍にま
で昇温して分極を行なうことができる。 (4)絶縁油の洗浄をする必要がなくなる。 というような作用が得られる。
【0015】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0016】(実施例1)図1は本発明の特許請求の範
囲第1項に対応した1実施例である。11は厚さが0.
5mmの強誘電体(東北金属(株)製:NP−61(商
標))、12、13は電極であり、これらに対して電圧
源14によって、誘電体間にDC400V電界を印加す
る。またこの電界方向はスイッチ16により反転が可能
である。この強誘電体のうちの分極したい部分もしくは
パターン領域に対して、電源装置14からコテ部15を
介して熱が加えられる。ここで加熱コテ15の先端部は
強誘電体材料全体のうちの上述した分極したい部分もし
くはパターン領域17に合わせた形状を取ることにより
図2のように17部分のみを局所的に分極せしめること
が可能である。
【0017】また図2のように強誘電体材料の上面およ
び下面の双方から加熱を行なうようにすれば、肉厚の厚
い強誘電体材料に対しても十分な加熱を行なうことがで
きるので、抗電界の小さい状態における比較的低電界の
もとで十分な分極を達成することができる。
【0018】(実施例2)図3は本発明の特許請求の範
囲第2項に対応した1つの実施例である。強誘電体3
1、電極32、33、電源34の配置は実施例1と同じ
ものである。これに加えて本実施例においては、複雑か
つ微細なパターン領域に対して分極を行なうための加熱
手段としてレーザー光線を用い、かつ基板面内でレーザ
ー照射手段を自由に走査することのできる手段37を具
備している。具体的には図4に記載のように強誘電体材
料の表面37全体にわたってレーザービーム照射手段4
2を移動することができ、かつビームスポット43が微
細であるから複雑かつ微細なパターン領域の分極も容易
に可能となっている。
【0019】続いて動作を説明する。まず、強誘電体材
に向けてファイバー35によりレーザー光線を前記領域
に導き、照射することによって、強誘電体の温度をいっ
たん瞬間的に350℃まで引き上げる。その後照射を終
了後、温度がキュリー温度(320℃)近傍にまで昇温
されているため、抗電界の小さい状態となっているので
速やかな分極が得られるのである。
【0020】その後照射を終了後、温度がキュリー温度
のほぼ2分の1にあたる100℃まで降下するまでの間
約1〜2分間電圧印加を継続した後、2〜3日間の時間
の経過後、最終的に0.19という分極率の値を得るこ
とができた。
【0021】(比較例1)分極を行なう強誘電体材料は
実施例1で用いたものと同一、同じ厚さを有するものを
用いる。この強誘電体材料の表面上にあらかじめ図4の
611,612,613,63に記載のごとき電極を設
けた後、図5のように絶縁油52の入った浴槽71内に
これを沈め該絶縁油を外部からのヒーター73により1
20℃まで加熱したうえで該電極間に1500Vの直流
電圧を1時間にわたって印加した。この後絶縁油分を洗
浄した段階で該強誘電体の分極率を測定したところ、
0.17であった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の強誘電体
の分極方法により、従来の方法と比べて、 (1)分極に実際に有する時間を短縮すること、および
絶縁油の洗浄工程を省くことができるなどの作用から、
より製造工程の効率をアップすることができる。 (2)従来と比べて電界印加に用いる電源の電圧値を低
くすることができると共に電界の印加時間も大幅に短縮
することができるので、コストを低減することができ
る。 (3)従来よりも高い分極率を実現することができる。 などの効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例における強誘電体材料の
別の加熱手段を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例における局所的な加熱手
段を示す図である。
【図5】部分的に分極せしめた強誘電体材料を示す。
【図6】図5に示したごとき局所的な分極を行ないたい
場合に、従来必要であった分極用の電極を設置した段階
を示す図である。
【図7】従来の強誘電体材料の分極に用いられていた装
置の構成を示す図である。
【図8】分極率の測定の際の系の等価回路を示す図であ
る。
【図9】分極率測定の際に観測される周波数特性を示す
図である。
【符号の説明】
10、30、70 電界印加用電源 11、21、31、41、62 強誘電体 12、13、32、33 電極 14 加熱用電源装置 15 コテ部 16、36 切り替えスイッチ 17 分極すべきパターン領域 34 レーザー発生手段 35 レーザービームを導くべき光ファイバー 37 レーザー照射手段を走査する手段 42 レーザービーム照射手段 43 ビームスポット 611、612、613、63 強誘電体材料表面上に
設けた電極 71 浴槽 72 絶縁油 73 ヒーター 81 分極率を測定すべき物体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体の分極方法であって、 強誘電体を大気中においてキュリー温度以上、もしくは
    近傍にまで加温して電界を印加することにより、前記強
    誘電体の分極せしめるべき部分、もしくはパターン領域
    を分極せしめることを特徴とする強誘電材料の分極方
    法。
  2. 【請求項2】 強誘電体の分極方法であって、 強誘電体の分極せしめるべき部分、もしくはパターン領
    域を大気中において局所的にキュリー温度以上、あるい
    は近傍にまで加温し、電界を印加することによって前記
    分極したい部分、もしくはパターン領域を分極せしめる
    ことを特徴とする強誘電体の分極方法。
  3. 【請求項3】 前記強誘電材料の分極したい部分もしく
    はパターン領域を局所的に加温する手段として走査手段
    を有するレーザー光線を用いることを特徴とする請求項
    2に記載の強誘電体の分極方法。
  4. 【請求項4】 前記強誘電体の分極方法において、加温
    手段によって該強誘電体の分極せしめるべき部分、もし
    くはパターン領域を瞬間的にキュリー温度以上、あるい
    は近傍にまで昇温した後、該強誘電体の温度がキュリー
    温度の略2分の1に降下するまでの間電界を印加し続け
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の強誘
    電体の分極方法。
JP23025393A 1993-09-16 1993-09-16 強誘電体の低電界分極法 Withdrawn JPH0786659A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001319565A (ja) * 2000-05-11 2001-11-16 Hamamatsu Photonics Kk 光電陰極
JP2008254206A (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Fujifilm Corp 圧電素子製造方法及び液体吐出ヘッド製造方法
JP2014175551A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Ricoh Co Ltd 電気−機械変換素子の製造装置、電気−機械変換素子の製造方法、電気−機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置

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JP2014175551A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Ricoh Co Ltd 電気−機械変換素子の製造装置、電気−機械変換素子の製造方法、電気−機械変換素子、液滴吐出ヘッド、液滴吐出装置

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