JP2602991B2 - ダイヤモンド表面改質法 - Google Patents

ダイヤモンド表面改質法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主に人工的に作成されたダイヤモンド膜の
表面を改質する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイ
クロトロン共鳴)プラズマCVD法あるいはプラズマCVD
法、熱フィラメントCVD法等を利用して、ダイヤモンド
薄膜を形成する方法が提供されている(特開平2−9787
号公報参照)。
このようなCVD法を用いてダイヤモンド膜を形成する
際、そのダイヤモンドの膜質は生成するときの成膜条件
で決定される。一般に、前記のようなCVD法を用いてダ
イヤモンド膜を形成する場合、成膜条件として不安定な
状態で膜形成が行われることが多く、ダイヤモンド以外
の成分であるアモルファスカーボン層が含まれてしま
う。このようなアモルファスカーボン層が含まれると、
天然II a型や高圧合成法で作成されたダイヤモンドに比
較して、熱伝導性等の物性が劣っている。
そこで、CVD法等で人工的に生成されたダイヤモンド
膜の膜質を改良することが行われている。この種の従来
法としては、生成されたダイヤモンド膜を水素プラズマ
中にさらしたり、あるいは表面を機械的に研磨する方法
がとられている。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記従来のダイヤモンド膜の改質法において、プラズ
マで処理する方法では、プラズマ自体が幅広いエネルギ
ーを持つために、条件を厳密に設定しないとアモルファ
スカーボン層だけでなく、ダイヤモンド自体も削り取ら
れてしまう場合がある。特に、結晶中に欠陥がある場合
には、その部分からエッチングが進みやすい。また、プ
ラズマを発生させるための真空装置が必要になる。一
方、ダイヤモンド表面を機械的に研磨する従来方法で
は、対象が平面状のものに限られてしまい、複雑な形状
のものについては改質処理ができないという問題があ
る。
本発明の目的は、ダイヤモンド自体に悪影響を与える
ことなく、真空装置が不要であり、さらに任意の形状の
ダイヤモンドについて改質を行うことができるダイヤモ
ンド表面改質法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るダイヤモンド表面改質法は、基板上にダ
イヤモンド膜を形成する成膜行程と、前記成膜行程終了
後に、前記基板上に形成されたダイヤモンド膜の表面に
レーザ光を照射して前記ダイヤモンド膜のアモルファス
成分を低下させるレーザ光照射行程とを含んでいる。
〔作用〕
本発明においては、まず、基板上に、ECRプラズマCVD
法等によってダイヤモンド膜を成膜する。次に、成膜行
程の終了後に、基板上に形成されたダイヤモンドに対し
てレーザ光を照射することにより、その波長とパワーに
よって決定されるエネルギー以下の物質、すなわちアモ
ルファスカーボン層を取り除いて、膜質を改善すること
ができる。このとき、レーザ光のエネルギーを制御する
ことは、従来のプラズマエネルギーを調整する場合に比
較して非常に容易であり、ダイヤモンド自体に悪影響を
及ぼさずアモルファスカーボン層のみを除去することが
できる。特に、ダイヤモンドの場合には物質中で最も結
合が強く、熱伝導性が良好なために、レーザ光によるダ
イヤモンド自体へのダメージを非常に少なくすることが
できる。
また、レーザ光はダイヤモンドに対して大気中で照射
できるので、プラズマ処理を行う場合のような真空装置
が不要となる。さらに任意の形状のダイヤモンドに対し
て改質処理を行うことができる。
〔実施例〕
第5図はダイヤモンドを成膜するためのECRプラズマC
VD装置を示している。
第5図において、プラズマ室1は内部でプラズマを発
生させるためのものである。この実施例では、内径が15
0mm、長さが200mmとなっている。また、プラズマにさら
される表面積は、マイクロ波導入窓を除いて約1000cm2
であり、共振器構造となっておらず、開放状態となって
いる。プラズマ室1には、導波管2を介してマイクロ波
源としてのマグネトロン3(周波数2.45GHz)が接続さ
れている。プラズマ室1の周囲には、磁気回路としての
電磁コイル4a,4bが配置されている。
プラズマ室1の側方(第5図の左方)には、反応室5
が配置されている。反応室5は、プラズマ室1に隣接
し、かつ連通して設けられている。反応室5内には、基
板7を保持するための基板ホルダ6が配置されている。
基板ホルダ6は、直径160mm、長さ80mmとなっており、
プラズマの照射される表面積は、約600cm2となってい
る。また、基板ホルダ6には、加熱ヒータ8が取り付け
られている。ヒータ8は、装置外部の図示しないヒータ
電源に接続されており、基板温度をコントロールできる
ようになっている。さらに基板ホルダ6の周囲には、保
温のためのカバー(図示せず)が設けられている。ま
た、反応室5には、図示しない排気系に接続される排気
口5aが形成されている。
前記電磁コイル4a,4bは、第6図で示すように、最大
磁場3.5kGを発生し得るものであり、最大磁場がマイク
ロ波の導入口に位置するように配置されている。このよ
うな磁場強度及び配置により、電子サイクロトロン共鳴
条件がプラズマ室1の外側の反応室5内で成立するよう
になっている。なお、周波数2.45GHzのマイクロ波に対
して電子サイクロトロン共鳴を起こす磁束密度は875Gで
ある。第6図において、縦軸は磁場を示し、横軸は第5
図の左右方向の位置に対応している。
次に、第1図及び第2図にレーザ光照射のための概略
構成を示す。これらの図において、レーザ光を発生する
レーザ装置10は、基板7を保持する基板ホルダ6と対向
して配置される。そして、第1図に示す装置では、レー
ザ装置10と基板ホルダ6との間には凸レンズ11が配置さ
れている。また第2図に示す装置では、凹レンズ12が配
置されている。凸レンズ11を配置することにより、レー
ザ光Rを基板7上の狭い領域に集光させることができ、
小さいエネルギーでも膜質を改善させ得る。また、凹レ
ンズ12を配置した場合には、レーザ光Rはこの凹レンズ
12によって発散し、基板7全面に照射され得る。
次に、ダイヤモンド膜の製造方法及びその改質方法に
ついて説明する。
まず、図示しない排気系によりプラズマ室1及び反応
室5を真空状態にする。次に、プラズマ室1内にメタン
ガス、CO2ガス、水素ガス等を導入して、圧力を一定の
値(1〜10-3Torr)に調圧する。次にマグネトロン3か
ら周波数2.45GHzで、パワーが2kW以上のマイクロ波を発
生させ、これを導波管2を介してプラズマ室1内に導入
する。また、これと同時に電磁コイル4a,4bに通電し
て、プラズマ室1及び反応室5内に磁場を形成する。こ
のとき、反応室5内の基板7の位置の磁束密度が875Gと
なるようにする。このような条件により、875Gの磁場に
より回転する電子の周波数とマイクロ波の周波数2.45GH
zとが一致し、電子サイクロトロン共鳴を起こす。これ
により、電子はマイクロ波から効率良くエネルギーを吸
収し、低ガス圧で高密度のプラズマが発生する。
ここで、マイクロ波パワーが2kW未満であれば、発生
するプラズマ密度が低くなり、電子、イオンの影響が大
きくなって基板に0または正のバイアスを印加しなけれ
ば良好なダイヤモンド薄膜を生成できない。しかし、こ
の例では、電子サイクロトロン共鳴条件が反応室5内で
成立するので、この反応室5内に大面積の基板ホルダ6
及び基板7を配置することができる。このため、基板7
周囲のプラズマ電位が基板7に影響され、基板7とプラ
ズマポテンシャルとの電位差が小さくなる。したがっ
て、特に基板7に0または正のバイアス電圧を印加する
ことなく、良好なダイヤモンドの薄膜が形成される。
このようにして形成されたダイヤモンド薄膜に対し
て、レーザ装置10から凸レンズ11または凹レンズ12を通
してレーザ光Rを照射する。なお、レンズ11及び12を設
けることなく直接にレーザ光Rを照射して改質すること
も可能である。
ここで、ダイヤモンド膜の膜質は、一般にラマン分光
の結果により評価される。一般にダイヤモンドを示すラ
マンスペクトルは1333cm-1に表れ、アモルファスカーボ
ン層は1500cm-1付近のブロードなピークとなる。膜質
は、このアモルファス成分がいかに少ないかによって評
価される。
前記ECRプラズマCVD法により作成されたダイヤモンド
膜にレーザ照射を行ってラマンスペクトルを調べた結果
を第3図及び第4図に示す。第3図は、第1図に示す装
置で、凸レンズ11の倍率を100倍、レーザ装置としてAr
レーザ装置(波長514.5nm)を用い、400mWで2時間照射
した結果のラマンスペクトルである。ラマンスペクトル
P1がレーザ光の照射を行う前のスペクトルであり、P2が
レーザ照射後のスペクトルである。この第3図から明ら
かなように、1500cm-1付近のアモルファス成分は明らか
に減少しており、膜質が向上していることがわかる。
また第4図には、レンズを使用せずに、エキシマレー
ザXeCl(308nm)をレーザ出力50mJ(ミリジュール)で3
0nsec、10パルスの条件で照射した結果を示す。P3がレ
ーザ照射前のラマンスペクトルであり、P4がレーザ照射
後のラマンスペクトルである。この図でも、明らかにア
モルファスカーボン層の減少が見られる。
〔他の実施例〕
(a) 前記実施例では、レーザ光Rを固定して照射し
たが、照射位置をスキャンすることにより、所望の領域
におけるダイヤモンド膜の膜質を改善するようにしても
よい。
(b) また、ダイヤモンド膜を生成するECRプラズマC
VD装置に外部からレーザ光を照射できるように構成し、
ダイヤモンド生成中に間欠的に照射して膜質を改善して
もよい。この場合は一定量の膜厚のダイヤモンド成膜を
行った後、成膜装置内のガスを排気して装置内を大気に
成膜表面にレーザ光を照射する。その後再び成膜装置内
を真空にしてガスを供給後ダイヤモンド成膜を行い再び
上記と同様の操作で成膜表面にレーザ光を照射する形と
なる。この間欠的生成によれば、特に膜厚の厚いダイヤ
モンド膜の膜質改善に有効となる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明では、ダイヤモンドの成膜を終了
した後にダイヤモンド表面にレーザ光を照射し、アモル
ファス成分を低下させている。このため、ダイヤモンド
膜自体を傷つけることなく膜質の良好なダイヤモンド膜
を得ることができる。
また、レーザを照射する領域を指定して、ダイヤモン
ド膜において膜質の良好な部分(抵抗率が高い部分)
と、アモルファスカーボン層が多く抵抗率が比較的小さ
い部分とを作り分けることができる。これにより、たと
えば電子デバイスを作成する場合に、ダイヤモンドの特
性が要求される能動部分(レーザを照射する)と、抵抗
率の低い電極部分(レーザを照射しない)とを容易に作
り分けることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を実施するための装置の概略
構成図、第2図の他のレーザ装置を示す概略構成図、第
3図及び第4図はそれぞれ本発明の効果を説明するため
のラマンスペクトル図、第5図はダイヤモンド膜を形成
するためのECRプラズマCVD装置の概略断面構成図、第6
図は前記装置において形成される磁場特性を示す図であ
る。 7……基板、10……レーザ装置、11,12……レンズ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にダイヤモンド膜を形成する成膜行
    程と、 前記成膜行程終了後に、前記基板上に形成されたダイヤ
    モンド膜の表面にレーザ光を照射して前記ダイヤモンド
    膜のアモルファス成分を低下されるレーザ光照射行程
    と、 を備えたダイヤモンド表面改質法。
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