JPH0782561A - ベンゼン誘導体及び液晶媒質 - Google Patents

ベンゼン誘導体及び液晶媒質

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JPH0782561A
JPH0782561A JP6202326A JP20232694A JPH0782561A JP H0782561 A JPH0782561 A JP H0782561A JP 6202326 A JP6202326 A JP 6202326A JP 20232694 A JP20232694 A JP 20232694A JP H0782561 A JPH0782561 A JP H0782561A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物
に基づく、なかでもMLC、TN又はSTNディスプレ
ーに用いるための、非常に高い比抵抗値及び低い閾値電
圧を有する液晶媒質を提供する。 【構成】 1つ又はそれ以上の、一般式 【化1】 (但しこの式においてRはアルキル基又はアルケニル
基、A1、A2は互いに独立に、2ケの結合手を有する環
状基、Z1、Z2は互いに独立に、2ケの結合手を有する
鎖状基、XはHまたはF、L1、L2、L3は互いに独立
にHまたはF、mは0又は1である。)の化合物を含
む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベンゼン誘導体及び液晶
媒質、この後者を電気光学的諸用途に用いる方法、及び
この媒質を含んだディスプレーに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶は、このような物質の光学的性質に
印加電圧によって影響を与えることができるので特に種
々のディスプレー装置における誘電体として用いられ
る。液晶に基づく電気光学的装置は当業者によく知られ
ており、そして種々の効果に基づくものであることがで
きる。この型の装置は、例えば動的散乱を有する種々の
セル、DAPセル(配向相変形型セル)、ゲスト/ホス
ト型セル、ねじれネマチック構造を有するTNセル、S
TNセル(スーパーネマティックセル)、SBEセル
(スーパー複屈折効果セル)及びOMIセル(光学モー
ド干渉セル)である。最も一般的なディスプレー装置は
シャート・ヘルフリッヒ効果に基づくもので、ねじれネ
マチック構造を有している。
【0003】それらの液晶物質は良好な化学的及び熱的
安定性と電場及び電磁線照射に対する良好な安定性とを
有していなければならない。さらにこれら液晶物質は低
粘度を有し、短いアドレス時間、低い閾値電圧および高
いコントラストをセルに与えるべきである。
【0004】更にまたそれらは、上述の各セルに好適な
メソ相、例えば通常的な作動温度、すなわち室温以上及
び室温以下の極めて広い範囲の温度においてネマチック
相またはコレステリック相を有していなければならな
い。液晶は一般に複数の成分の混合物として用いられる
ので、各成分が互いに容易に混和できることが重要であ
る。他の、例えば電気伝導度、誘電異方性、および光学
異方性等の性質はそのセルの型や利用領域に依存する種
々の要求条件に合致しなければならない。例えば、ねじ
れネマチック構造を有するセルのための物質は正の誘電
異方性と低い電気伝導度とを有する必要がある。
【0005】例えば、個々の像点をスイッチするための
総合化された非線形素子を含むマトリックス液晶ディス
プレー(MLCディスプレー)は高い正の誘電異方性、
広いネマチック相、比較的低い複屈折性、非常に高い比
抵抗値、紫外線及び温度に対する良好な安定性及び低い
蒸気圧を有するものである。
【0006】この型のマトリックス液晶ディスプレーは
公知である。個々の像点を個別にスイッチするために使
用することのできる非線形素子の例は活性素子(すなわ
ちトランジスタ)である。これは従って「活性マトリッ
クス」と呼ぶが、下記の2つの型に分けることができ
る。 1)基材としての珪素ウエハの上のMOS(金属酸化物
半導体)又はその他のダイオード類 2)基材としてのガラス板の上の薄膜トランジスタ(T
FT) 単結晶の珪素を基材物質として使用することは、種々の
パーツディスプレーのモジュラー構造体さえも各ジョイ
ント部において問題を生ずるので、そのディスプレーの
大きさを制限する。
【0007】より見込みのある、好ましい上記2)の型
の場合はその用いられる電気光学的効果は通常はTN効
果である。2つの技術、すなわち例えばCdSeのよう
な化合物半導体よりなるTFTと、及び多結晶性又は無
定形珪素に基づくTFTとに区別される。この後者の技
術に世界的に強い研究努力がなされつつある。
【0008】TFTマトリックスはそのディスプレーの
一方のガラス板の内側に適用されるが、もう一方のガラ
ス板の内側には透明な対極が設けられている。像点電極
の寸法と比較してこのTFTは非常に小さく、そしてそ
の映像にはほとんどなんらの悪影響も与えない。この技
術はまた、各フィルタ素子がスイッチ可能な映像素子の
反対側に位置するような態様で赤と緑と青の各フィルタ
のモザイクが設けられている、完全にカラーコンパチブ
ルな映像ティスプレーにも拡張することができる。
【0009】これらのTFTディスプレーは通常、交差
ポーラライザを有するTNセルとして透過で作動し、そ
して背後から照明される。
【0010】ここでMLCディスプレーの語は一体化さ
れた非線形素子を含む全てのマトリックスディスプレー
を包含し、すなわち活性マトリックスに加えて、例えば
バリスターやダイオードのような受動素子(MIM=金
属/絶縁体/金属)を含むディスプレーをも包含するも
のである。
【0011】この型のMLCディスプレーは、テレビジ
ョン用(例えばポケット型テレビセット)、又はコンピ
ュータ用(ラップトップ)及び自動車や航空機の構造に
おける高情報ディスプレーとして特に適している。コン
トラストの角度依存性やスイッチング時間についての問
題に加えて、その液晶混合物の不適切な比抵抗の値によ
ってMLCディスプレーに種々の問題が起こる〔Tog
ashi,S.、Sekiguchi,K.、Tana
be,H.、Yamamoto,E.、Sorimac
hi,K.、Tajima,E、Watanabe,
H.及びShimizu,H.:“Proc.Euro
display”84、9月号(1984);A 21
0−288「2段ダイオードリングにより制御されたマ
トリックスLCD」、141頁以下、パリ、Strom
er,M.:“Proc.Eurodisplay”
、9月号(1984)「テレビジョン液晶ディスプレ
ーのマトリックスアドレッシングのための薄膜トランジ
スタの設計」、145頁以下、パリ〕。抵抗値が減少す
るにつれてMLCディスプレーのコントラストは悪くな
り、そして「残像除去」の問題の生ずることがある。液
晶混合物の比抵抗は一般に、そのディスプレーの種々の
内部表面との相互作用のためにMLCディスプレーの全
寿命にわたって低下するので、受容できる実用寿命を得
るためには高い(初期)抵抗値が非常に重要である。特
に低電圧混合物の場合には非常に高い抵抗値に達するこ
とはこれまで不可能であった。更に、その比抵抗値は温
度の上昇につれて、及び加熱の後及び/又は紫外線への
暴露の後でできるだけ僅かしか上昇しないことが重要で
ある。従来技術による種々の混合物の低温特性も特に不
利である。結晶化及び/又はスメクチック相が低温にお
いても生じないこと、及び粘度の温度依存性ができるだ
け低いことが要求される。このように、従来技術による
MLCディスプレーはそれら現在の諸要求を満足しな
い。
【0012】このように比抵抗値が非常に高く、そして
同時に、低温度で低い閾値電圧においても作動温度範囲
が広く、かつスイッチング時間が短い、上述のような欠
点を持たないか、又は僅かな程度でしかそのような欠点
を示さないようなMLCディスプレーに対して大きな必
要性がなお存在している。
【0013】TN(シャート・ヘルフリッヒ効果)セル
には、それらのセルにおいて下記の諸利点を与えるよう
な媒質が望まれる: ○ネマチック相の範囲が拡張(特に低温度領域へ)され
ていること ○極めて低い温度においてスイッチ作動可能であること
(屋外用途、自動車、アビオニクス) ○紫外線照射に対する安定性が高められていること(よ
り長い寿命) 従来技術により入手できる媒質はこれらの諸利点を、同
時に他のパラメータの維持のもとに実現することができ
ない。
【0014】スーパーねじれセル(STNセル)にはよ
り大きなマルチプレックス能力及び/又はより低い閾値
電圧及び/又はより広いネマチック相範囲(なかでも低
温度における)を許容するような媒質が望まれる。この
目的のためにはその利用できるパラメータ範囲を更に拡
張することが極めて望まれる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、なか
でもこの型のMLC、TN又はSTNディスプレーのた
めの、上述した欠点を持たないか、又は僅かな程度でし
か持たず、そして好ましくは同時に非常に高い比抵抗及
び低い閾値電圧を有するような媒質を提供することであ
る。
【0016】本発明者等はこの目的が、本発明に従う媒
質を種々のディスプレーにおいて用いた場合に達成でき
ることを見出した。
【0017】
【課題を解決するための手段】従って本発明は、正の誘
電異方性を有する極性化合物の混合物に基づく液晶媒質
に関し、これは、1つ以上の下記一般式I、すなわち
【0018】
【化9】 の化合物を含むことを特徴とするものであり、但しこの
式においてR は水素、又は置換されていない、又は
CN又はCF3 によってモノ置換されているか、或いは
ハロゲンによって少なくともモノ置換されている、1な
いし15個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニ
ル基であって、これらの基の中の1つ以上のCH2 基は
いずれも互いに独立に−O−、−S−、
【0019】
【化10】 又は−CO−、−CO−O−、−O−CO−、或いは−
O−CO−O−によって、各酸素原子が互いに直接に結
合することがないような態様で置き換えられていること
ができ、A1 及びA2 は互いに独立に、 a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基であって、
このものの非隣接の1つ以上のCH2 基は−O−及び/
又は−S−により置き換えられていてもよく、又は b)1,4−フェニレン基であって、このものの1つ又
は2つのCH基はNにより置き換えられていてもよく、
或いは c)1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ
(2・2・2)オクチレン、ピペリシン−1,4−ジイ
ル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレ
ン−2,6−ジイル及び1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタレン−2,6−ジイルよりなる群からの残基 であり、その際上記のa)及びb)の残基は1個又は2
個の弗素原子によって置換されていることができ、Z1
及びZ2 はそれぞれ互いに独立に−CO−O−、−O−
CO−、−CH2 O−、−OCH2 −、−CH2 CH2
−、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であって、
1 及びZ2 の残基の一方は二者択一的に−(CH24
−又は−CH=CH−CH2 CH2 −であり、X
は水素又は弗素であり、L1 、L2 及びL3 は互いに独
立に水素又は弗素であり、そしてm は0又は1であ
る。
【0020】式Iの各化合物は広い用途範囲を有する。
各置換基の選択に依存してこれらの化合物は、液晶物質
が主としてそれらから構成されるような基礎物質として
用いることができるが、また式Iの化合物は他の化合物
種よりなる液晶基礎物質に添加して、例えばこの型の誘
電体の誘電異方性及び/又は光学異方性を修飾し、及び
/又はその閾値電圧を最適化させ、及び/又はその粘度
を最適化させることもできる。
【0021】純粋な状態においてこの式Iの各化合物は
無色であり、そして電気光学的用途に好都合な温度範囲
において液晶メゾ相を形成する。それらは化学的、熱的
及び対光的に安定である。
【0022】本発明はまた上記式Iの化合物にも関す
る。
【0023】上記式Iの化合物はWO−92−0118
5にあげられている一般式に包含されるものである。本
発明に従う弗素化された各化合物はそれには言及されて
いない。1つ以上の弗素原子を導入することはそれら化
合物の粘度に対して著しい影響を与える。
【0024】式IにおいてL1 及び/又はL2 が弗素で
あるような化合物が特に好ましい。更にまた、それらの
化合物においてL1 、L2 及びL3 が弗素であるような
化合物が好ましい。また、式I及びそれに従属する全て
の従属式においてA1 が、弗素によってモノ置換又はジ
置換されている1,4−フェニレンである化合物も好ま
しい。これらはなかでも2−フルオル−1,4−フェニ
レン、3−フルオル−1,4−フェニレン及び3,5−
ジフルオル−1,4−フェニレンである。mは好ましく
は0である。
【0025】Z1 及びZ2 は好ましくは単結合、及び−
CH2 CH2 −であり、次いで好ましくは−CH2
−、−OCH2 −、−O−CO−及び−CO−O−であ
る。
【0026】もしZ1 及びZ2 の一方の残基が−(CH
24 −又は−CH=CH−CH2CH2 −であるとき
は、もう一方の残基Z1 又はZ2 (もし存在する場合)
は好ましくは単結合である。
【0027】もしRがアルキル基及び/又はアルコキシ
基である場合には、これは直鎖状又は分岐鎖状であるこ
とができる。これは好ましくは直鎖状であって、2、
3、4、5、6又は7個の炭素原子を有し、従って好ま
しくはエチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペン
トキシ、ヘキソキシ又はヘプトキシであり、更にまたメ
チル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキ
シ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、
ドデコキシ、トリデコキシ又はテトラデコキシである。
【0028】オキサアルキルは好ましくは直鎖状の2−
オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−オキサブチ
ル(=エトキシメチル)、3−オキサブチル(=2−メ
トキシエチル)、2−、3−又は4−オキサペンチル、
2−、3−、4−又は5−オキサヘキシル、2−、3
−、4−、5−又は6−オキサヘプチル、2−、3−、
4−、5−、6−又は7−オキサオクチル、2−、3
−、4−、5−、6−、7−又は8−オキサノニル、或
いは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−又は9
−オキサデシルである。
【0029】もしRがアルキル基であってその中の1個
のCH2 基が−CH=CH−によって置き換えられてい
る場合には、これは直鎖状であるか、又は分岐鎖状であ
ることができる。これは好ましくは直鎖状であって2な
いし10個の炭素原子を有する。従ってこれは中でもビ
ニル、プロパ−1−又は同−2−エニル、ブタ−1−、
同−2−又は同−3−エニル、ペンタ−1−、同−2
−、同−3−又は同−4−エニル、ヘキサ−1−、同−
2−、同−3−、同−4−又は同−5−エニル、ヘプタ
−1−、同−2−、同−3−、同−4−、同−5−又は
同−6−エニル、オクタ−1−、同−2−、同−3−、
同−4−、同−5−、同−6−又は同−7−エニル、ノ
ナ−1−、同−2−、同−3−、同−4−、同−5−、
同−6−、同−7−又は同−8−エニル或いはデカ−1
−、同−2−、同−3−、同−4−、同−5−、同−6
−、同−7−、同−8−又は同−9−エニルである。
【0030】もしRがアルキル基であってその中の1個
のCH2 基が−O−によって置き換えられており、そし
て1個が−CO−によって置き換えられている場合に
は、これらは好ましくは隣接しているのがよい。従って
これらはアシロキシ基−CO−O−又はオキシカルボニ
ル基−O−CO−を含む。これらは好ましくは直鎖状で
あって2ないし6個の炭素原子を有する。
【0031】従ってそれらはなかでもアセトキシ、プロ
ピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキ
シ、ヘキサノイルオキシ、アセトキシメチル、プロピオ
ニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイ
ルオキシメチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオ
ニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−ア
セトキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、
4−アセトキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチ
ル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニル
メチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカ
ルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチ
ル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メト
キシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニ
ル)プロピル又は4−(メトキシカルボニル)ブチルで
ある。
【0032】もしRがアルキル基であってその中の1個
のCH2 基が非置換の、又は置換された−CH=CH−
によって置き換えられており、そして一方の隣接のCH
2 基がCO又はCO−O或いはO−COによって置き換
えられている場合には、これは直鎖状であるか、又は分
岐鎖状であることができる。このものは好ましくは直鎖
状であって4ないし13個の炭素原子を有する。従って
これは中でもアクリロイルオキシメチル、2−アクリロ
イルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、
4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキ
シペンチル、6−アクリロイルオキシヘキシル、7−ア
クリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオ
クチル、9−アクリロイルオキシノニル、10−アクリ
ロイルオキシデシル、メタクリロイルオキシメチル、2
−メタクリロイルオキシエチル、3−メタクリロイルオ
キシプロピル、4−メタクリロイルオキシブチル、5−
メタクリロイルオキシペンチル、6−メタクリロイルオ
キシヘキシル、7−メタクリロイルオキシヘプチル、8
−メタクリロイルオキシオクチル又は9−メタクリロイ
ルオキシノニルである。
【0033】もしRがアルキル基又はアルケニル基であ
って、CN又はCF3 によってモノ置換されている場合
にはこの基は好ましくは直鎖状である。CH又はCF3
による置換はいかなる所望の位置ででもよい。
【0034】もしRがアルキル基又はアルケニル基であ
って、ハロゲンによって少なくともモノ置換されている
場合にはこの基は好ましくは直鎖状であって、ハロゲン
は好ましくはF又はClである。多重置換の場合にはハ
ロゲンは好ましくはFである。その結果得られる残基も
パーフルオル化された残基を含む。モノ置換の場合には
その弗素又は塩素の置換基はいかなる所望の位置にあっ
てもよいが、好ましくはω位置にあるのがよい。種々の
重合反応にとって好ましいいくつかのウィング基Rを含
んでいる式Iの化合物は液晶性重合物を製造するのに適
している。
【0035】分岐鎖状のウィング基Rを含む式Iの化合
物は通常的な液晶の基礎物質への良好な溶解度のため
に、ときに重要であることがあるが、特にそれらが光学
的に活性であるときは、なかでもキラルドープ剤として
重要である。この型のスメクチック化合物は強誘電体材
料の成分として適している。
【0036】SA 相を有する式Iの化合物は、例えば熱
的にアドレスされるディスプレーに適している。
【0037】この型の分岐した基は一般に1個よりも多
い分岐鎖を含まない。分岐した好ましい基Rはイソプロ
ピル、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、イソブチ
ル(=2−メチルプロピル)、2−メチルブチル、イソ
ペンチル(=3−メチルブチル)、2−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プ
ロピルペンチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキ
シ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、2−メ
チルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘ
キソキシ、1−メチルヘキソキシ及び1−メチルヘプト
キシである。
【0038】もしRがアルキル基であってその中の2個
以上のCH2 基が−O−及び/又は−CO−O−によっ
て置き換えられている場合にはこれは直鎖状であるか、
又は分岐鎖状であることができる。これは好ましくは分
岐鎖状であって3ないし12個の炭素原子を有する。従
ってこれはなかでもビスカルボキシメチル、2,2−ビ
スカルボキシエチル、3,3−ビスカルボキシプロピ
ル、4,4−ビスカルボキシブチル、5,5−ビスカル
ボキシペンチル、6,6−ビスカルボキシヘキシル、
7,7−ビスカルボキシヘプチル、8,8−ビスカルボ
キシオクチル、9,9−ビスカルボキシノニル、10,
10−ビスカルボキシデシル、ビス(メトキシカルボニ
ル)メチル、2,2−ビス(メトキシカルボニル)エチ
ル、3,3−ビス(メトキシカルボニル)プロピル、
4,4−ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5−
ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6−ビス
(メトキシカルボニル)ヘキシル、7,7−ビス(メト
キシカルボニル)ヘプチル、8.8−ビス(メトキシカ
ルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチ
ル、2,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,
3−ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビ
ス(エトキシカルボニル)ブチル又は5,5−ビス(エ
トキシカルボニル)ヘキシルである。
【0039】式Iの化合物の好ましい比較的小さな基は
以下の従属式I1ないしI15のそれら(X=H又は
F)である:
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】 特に、式I2、I3、I4、I8、I9及びI12の化
合物が好ましい。
【0044】その1,4−シクロヘキセニレン基は好ま
しくは下記の構造
【0045】
【化15】 を有する。
【0046】式Iの各化合物は文献〔例えばシュツット
ガルトのGeorg−Thieme−Verlag刊行
の、Houben−Weylの“Methoden d
erOrganischen Chemie”のような
標準的著作〕に記載されているように、公知であって、
そのような反応に適した反応条件のもとで公知の方法に
より作られる。ここで、公知の種々の変法も用いること
ができるが、これについてはここでは詳細には記述しな
い。
【0047】それらの化合物は、例えばWO−92−0
1185に記述されているように作ることができる。
【0048】本発明に従う各化合物は、例えば下記式I
【0049】
【化16】 〔この式においてR、A1 、A2 、Z1 、Z2 、L1
2 、L3 及びmは上に定義した通りである〕の化合物
を以下にあげる各反応式に従って金属化し、次いでその
生成物を適当な親電子試薬と反応させることにより作る
ことができる:反応式1
【0050】
【化17】 式Iの特に好ましい化合物は、例えば次のようにして作
られる:反応式2
【0051】
【化18】 反応式3
【0052】
【化19】 反応式4 (L3 =H又はF)
【0053】
【化20】 反応式5
【0054】
【化21】 本発明はまた、この型の媒質を含む電気光学的な種々の
ディスプレー(中でも面平行な2枚の外側プレートを有
して枠とともにセルを構成するような、それら外側プレ
ートの上の個々の像点をスイッチするための一体化され
た非線形素子及び正の誘電異方性と高い比抵抗とを有す
るネマチック液晶混合物をセルの中に有するSTNデイ
スプレー又はMLCディスプレー)及びこれらの媒質を
電気光学的な諸目的のために使用する方法にも関する。
【0055】本発明に従う液晶混合物は利用できるパラ
メータ範囲を大きく拡げるのを促進する。
【0056】透明点、低温度における粘度、熱及び紫外
線に対する安定性及び誘電異方性の到達可能な種々の組
み合わせは、従来技術によるこれまでの材料よりも極め
て優れている。
【0057】高い透明点、低温度におけるネマチック相
及び高いΔεの値に対する要求は従来は不満足な程度で
しか達成することができなかった。例えばZLI−31
19のような系は匹敵する透明点及び比較的好ましい粘
度を有するけれども、それらは僅かに+0.3のΔε値
しか有しない。
【0058】他の若干の混合物系が匹敵する粘度及びΔ
εの値を有するけれども、それらは僅かに60℃の範囲
の透明点しか持たない。
【0059】本発明に従う液晶混合物は−20℃まで、
そして好ましくは−30℃まで、特に好ましくは−40
℃までの低い温度においてネマチック相を維持しながら
80℃以上、好ましくは90℃以上、特に好ましくは1
00℃以上の透明点に達することを可能とし、同時に誘
電異方性の値Δε≧6、好ましくはΔε≧8及び高い比
抵抗値に達することが可能であり、このことは優れたS
TN及びMLCディスプレーに達し得ることを意味す
る。これらの混合物はなかでも低い作動電圧によって特
徴づけられる。それらTN閾値(VIP)は2.0ボル
ト以下、好ましくは1.5ボルト以下、特に好ましくは
1.3Vよりも低い。
【0060】本発明に従う混合物の各成分を適当に選ぶ
ことによって比較的高い閾値電圧において高い透明点
(例えば110℃以上)に到達することも許容され、或
いは他の有利な諸性質を維持しながら比較的低い閾値電
圧において低い透明点に達することも許容されることは
言うまでもない。粘度が対応的に小さな値だけ上昇した
ときに比較的高いΔεの値、また従って低い閾値電圧の
混合物を得ることが同様に可能である。本発明に従うM
LCディスプレーは好ましくはGooch及びTarr
yの第1透過極小〔C.H. Gooch 及び H.
A. Tarry:“Eelectron. Let
t.”10,2−4(1974)、C.H.Gooch
及び H.A. Tarry:“Appl. Phy
s.”第8巻、1575−1584(1975)〕にお
いて作動するが、この場合に、類似のディスプレーにお
けると同じ閾値電圧において、例えば特性曲線の勾配の
高いことやコントラストの角度依存性の低いことのよう
な特に好ましい電気光学的諸性質(ドイツ特許3022
818)に加えて、その第2極小における低い誘電異方
性が充分である。これは本発明に従う混合物を用いた場
合に、その第1極小においてシアノ化合物を含む混合物
よりも著しく高い比抵抗値に達することを許容する。当
業者は個々の成分及びそれらの重量割合を適当に選ぶこ
とによって、MLCデイスプレーの或る予め特定された
層厚さについて必要な複屈折性を作り出すために簡単な
通常的方法を用いることができる。
【0061】20℃における粘度は好ましくは60mP
a・sよりも低く、なかでも好ましくは50mPa・s
よりも低い。そのネマチック層の範囲は好ましくは少な
くとも90℃、特に少なくとも100℃である。この範
囲は少なくとも−20℃から+80℃までに及ぶ。
【0062】「容量保持率」〔Capacity ho
lding ratio〕(HR)の測定〔S. Ma
tsumoto等:“Liquid Crystal
s”,1320(1989)、K. Niwa等:1
984年6月のサンフランシスコにおける“Proc.
SID Conference”、304頁(198
4)、G, Weber等:“Liquid Crys
tals”、1381(1989)〕は本発明に従う
式Iの化合物を含む混合物が式Iの化合物を下記式
【0063】
【化22】 のシアノフェニルシクロヘキサン、又は下記式
【0064】
【化23】 のエステルで置き換えた類似の混合物よりも温度上昇と
ともに著しく低いHRの低下が示されたことを示した。
【0065】本発明に従う混合物の紫外線安定性も著し
く良好であり、すなわちそれらは紫外線にさらしたとき
にHRの著しく僅かな上昇しか示さない。
【0066】本発明に従う媒質は、好ましくは複数種、
好ましくは2種以上の式Iの化合物に基づき、すなわち
これら化合物の割合は5−95%、好ましくは10−6
0%、そして特に好ましくは20−50%の範囲であ
る。
【0067】本発明に従う媒質において用いることので
きる式IないしXI、及びそれらの各従属式の個々の化
合物は公知であるか、又は公知の化合物と同様にして作
ることができる。
【0068】好ましい具体例のいくつかを以下にあげ
る: ○追加的に、下記一般式IIないしV、すなわち
【0069】
【化24】 〔但しこれらの式においてR0 は、それぞれ9個まで
の炭素原子を有するn−アルキル、オキサアルキル、フ
ルオルアルキル又はアルケニルを表わし、X0 はF、
Cl、CF3 、OCF3 、OCHF2 、OCH=CF
2 、OCF=CF2 、OCFH=CF2 H、OCF2
CF2 H又はOCH2 CF3 を表わし、Y1 及びY2
互いに独立にH又はFを表わし、そしてr は0又は
1である〕よりなる群から選ばれる1つ以上の化合物を
含む媒質。ここで、式IVの化合物は好ましくは
【0070】
【化25】 である。 ○追加的に、下記一般式VIないしXI、すなわち
【0071】
【化26】 〔但しこれらの式においてR0 、Y1 及びY2 は、それ
ぞれ互いに独立に、上記一般式IIないしVに定義した
通りであり、そしてX0 はF、Cl、CF3 、OCF
3 、OCHF2 、それぞれ7個までの炭素原子を有する
アルキル、オキサアルキル、フルオルアルキル又はアル
ケニルを表わす〕よりなる群から選ばれる1つ以上の化
合物を含む媒質。 ○式IないしVの化合物の割合は、合計して全混合物の
重量の少なくとも50%である。 ○全混合物の中の式Iの各化合物の割合は10ないし5
0重量%である。 ○全混合物の中の式IIないしVの各化合物の割合は3
0ないし70重量%である。 ○下記の式、すなわち
【0072】
【化27】 は好ましくは
【0073】
【化28】 である。 ○その媒質は式II、III、IV又はVの化合物を含
む。 ○R0 は2ないし7個の炭素原子を有する直鎖状のアル
キル基又はアルケニル基である。 ○その媒質は本質的に、式IないしVの化合物を含む。 ○その媒質は更に、好ましくは下記一般式XIIないし
XVI、すなわち
【0074】
【化29】 〔但しこれらの式においてR0 及びX0 は上に定義した
通りであり、そしてそれらの1,4−フェニレン環はC
N、塩素又は弗素によって置換されていることができ、
そしてそれらの1,4フェニレン環は好ましくは弗素原
子によりモノ置換又はポリ置換されている〕よりなる群
から選ばれた種々の化合物を含む。 ○化合物(I)/化合物(II+III+IV+V)の
重量比は好ましくは1/10ないし10/1である。 ○その媒質は本質的に一般式IないしXIよりなる群か
ら選ばれる種々の化合物を含む。
【0075】本発明者等は、通常の種々の液晶物質と混
合され、但し特別には上記式II、III、IV及び/
又はVの1つ又はそれ以上の化合物と混合された式Iの
化合物の比較的小さな割合でさえもその閾値電圧の顕著
な低下、及び複屈折の低い値をもたらすこと、及び同時
に低いスメクチック/ネマチック転位温度を有する広い
ネマチック相が観測されること、そしてその結果として
貯蔵寿命が改善されることを見出した。式IないしVの
化合物は無色であり、安定であって、相互に、及び他の
液晶物質と容易に混和する。
【0076】ここで「アルキル」の語は、1ないし7個
の炭素原子を有する直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基、
なかでもメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル及びヘプチルの直鎖状基を包含する。一般
に2ないし5個炭素原子を有する基が好ましい。
【0077】「アルケニル」の語は、2ないし7個の炭
素原子を有する直鎖状及び分岐鎖状のアルキル基、なか
でも直鎖状の基を包含する。好ましいアルケニル基はC
2 −C7 の1E−アルケニル、C4 −C7 の3E−アル
ケニル、C5 −C7 の4−アルケニル、C6 −C7 の5
−アルケニル及びC7 の6−アルケニルであり、中でも
2 −C7 の1E−アルケニル、C4 −C7 の3E−ア
ルケニル及びC5 −C 7 の4−アルケニルである。好ま
しいアルケニル基の例は、ビニル、1E−プロペニル、
1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニ
ル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニ
ル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテ
ニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘ
プテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル等である。
一般に5個までの炭素原子を有する基が好ましい。
【0078】「フルオルアルキル」の語は好ましくは末
端弗素原子を有する直鎖状基、すなわちフルオルメチ
ル、2−フルオルエチル、3−フルオルプロピル、4−
フルオルブチル、5−フルオルペンチル、6−フルオル
ヘキシル及び7−フルオルヘプチルを包含する。しかし
ながら他の位置の弗素も除外されない。
【0079】「オキサアルキル」の語は好ましくは、式
n2n+1−O−(CH2m においてn及びmがそれ
ぞれ互いに独立に1ないし6であるような直鎖状基を包
含する。nは好ましくは1であり、そしてmは好ましく
は1ないし6である。
【0080】R0 及びX0 を適当に選ぶことによって、
アドレス時間、閾値電圧、透過特性曲線の勾配等を所望
のように修飾することができる。例えば1E−アルケニ
ル基、3E−アルケニル基、2E−アルケニルオキシ基
等は一般に、アルキル基やアルコキシ基に比して短いア
ドレス時間、改善されたネマチック傾向及び弾性定数k
33(曲げ)とk11(スプレイ)との比較的高い比率を与
える。4−アルケニル基、3−アルケニル基等は一般
に、アルキル基やアルコキシ基と比較して低い閾値電圧
及び低いk33/k11の値を与える。
【0081】Z2 の中の−CH2 CH2 −の基は一般
に、単純な共有結合に比して高いk33/k11の値をもた
らす。k33/k11の比較的高い値は、例えば90o ツイ
ストを有するTNセル(灰色色調を与えるための)にお
いて、より平坦な透過特性曲線を、そしてSTN、SB
E及びOMIセルにおいて、より急勾配の透過特性曲線
(より大きなマルチプレックス能)を与え、またその逆
もまた同じとなる。
【0082】式Iの化合物と式II+III+IV+V
の各化合物との最適の混合比は実質的に所望の諸性質、
それら式I値II、III、IV及び/又はVの化合物
の選択及び他の存在し得る諸成分の選択に依存する。上
述の範囲内での好適な混合比はそのときどきに容易に求
めることができる。
【0083】本発明に従う混合物の中の式IないしXI
の化合物の合計量は決定的ではない。従って各混合物は
種々の性質を最適化するために1つ又はそれ以上の他の
成分を含むことができる。しかしながらアドレス時間及
び閾値電圧について観測された効果は一般に、式Iない
しXIの化合物の合計濃度が高ければ高い程大きい。
【0084】特に好ましい具体例の1つでは、本発明に
従う媒質は式IIないしV(好ましくはII及び/又は
III)においてX0 がOCF3 、OCHF2 、F、O
CH=CF2 、OCF=CF2 又はOCF2 −CF2
であるような化合物を含む。式Iの化合物との好ましい
相乗効果が特に有利な種々の性質をもたらす。
【0085】STNへの用途には、その媒質は好ましく
は、式IIないしVにおいてX0 が好ましくはOCHF
2 又はCNである化合物よりなる群から選ばれる化合物
を含む。
【0086】本発明に従う媒質は更に、誘電異方性の値
が−1.5から+1.5までである下記一般式I’
【0087】
【化30】 (但しこの式においてR1 及びR2 はそれぞれ互いに独
立に、9個までの炭素原子を有するn−アルキル、n−
アルコキシ、ω−フルオルアルキル又はn−アルケニル
であり、
【0088】
【化31】 はそれぞれ互いに独立に、1,4−フェニレン、2−又
は3−フルオル−1,4−フェニレン、trans−
1,4−シクロヘキシレン又は1,4−シクロヘキセニ
レンを表わし、Z1'及びZ2'はそれぞれ互いに独立に、
−CH2 CH2 −、−C≡C−、−CO−O−、−O−
CO−又は単結合を表わし、そしてnは0、1又は2を
表わす)の1つ又はそれ以上の化合物を含む成分Aを含
有することができる。
【0089】成分Aは好ましくは下記式II1ないしI
I7
【0090】
【化32】 (これらの式においてR1 及びR2 は式I’について定
義したと同じである)よりなる群から選ばれた1つ又は
それ以上の化合物を含む。
【0091】成分Aは好ましくは追加的に、下記式II
8ないしII20
【0092】
【化33】
【0093】
【化34】 (これらの式においてR1 及びR2 は式I’について定
義したと同じであり、そして式II8ないし式II17
において各1,4−フェニレン基は互いに独立に弗素に
よりモノ置換又はポリ置換されていてもよい)よりなる
群から選ばれた1つ又はそれ以上の化合物を含む。
【0094】更にまた、成分Aは追加的に、下記式II
21ないしII25
【0095】
【化35】 (これらの式においてR1 及びR2 は式I’について定
義したと同じであり、そしてそれら式II21ないしI
I25の中の各1,4−フェニレン基はそれぞれ互いに
独立に弗素によってモノ置換又はポリ置換されていても
よい)よりなる群から選ばれる1つ又はそれ以上の化合
物を含む。
【0096】正の誘電異方性値を有する各極性化合物の
型及びその量はそれ自身決定的ではない。当業者は、公
知であって多くの場合には市販で入手できる各成分及び
基礎混合物の広い範囲の中から適当な物質を選ぶのに簡
単な日常的実験を用いることができる。本発明に従う各
媒質は好ましくは下記式I”
【0097】
【化36】 〔この式においてZ1'、Z2'及びnは式I’について定
義したと同じであり、
【0098】
【化37】 はそれぞれ互いに独立に1,4−フェニレン、tran
s−1,4−シクロヘキシレン又は3−フルオル−1,
4−フェニレンであり、そして
【0099】
【化38】 は択一的にtrans−1,3−ジオキサン−2,5−
ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,
5−ジイル又は1,4−シクロヘキセニレンであり、R
0 は、いずれも9個までの炭素原子を有する、n−アル
キル、n−アルケニル、n−アルコキシ又はn−オキサ
アルキルであり、Y1 又はY2 はH又はFを表わし、そ
してX’はCN、ハロゲン、CF3 、OCF3 又はOC
HF2 を表わす〕の1つ又はそれ以上の化合物を含む。
【0100】好ましい具体例の1つにおいてSTN又は
TNに用いるための本発明に従う各媒質は式I”におい
てX’がCNである化合物に基づく。より少ない、又は
より大きい割合の式I”の他の化合物(X’≠CN)も
可能であることは言うまでもない。MLCに用いるため
の本発明に従う各媒質は好ましくは、僅かに約10%ま
での式I”のニトリル化合物(但し好ましくは、式I”
のニトリル化合物ではなくてその代わりに式I’におい
てX’がハロゲン、CF3 、OCF3 又はOCHF2
ある化合物)を含む。これらの媒質は好ましくは式II
ないしXIの各化合物に基づく。
【0101】本発明に従う各媒質は、スイッチングに際
してピクセルの容量の変化が僅かであることが望まれる
ような用途(例えばMIMディスプレーやTFTディス
プレー等)のためには好ましくは −6 ≦Δε≦ −1.5 の範囲の誘電異方性値を有する1つ以上の下記式I'”
【0102】
【化39】 〔この式においてR1 、A1 、Z1'、A2 、Z2'、n及
びR2 は式I’について説明した通りである〕の化合物
を含む。
【0103】下記式I1'”ないしI3'”
【0104】
【化40】 の化合物が好ましい。
【0105】本発明に従うSTNディスプレー及びML
Cディスプレーの、ポーラライザ、電極基板及び表面処
理した種々の電極からなる構造はこの型の各種ディスプ
レーについて慣用的である構造に相当する。ここで「慣
用的構造」の語は広い意味で用いられ、そしてMLCデ
ィスプレーの全ての誘導型装置及び修飾型装置をも包含
し、特にポリ−SiTFT又はMIMに基づくマトリッ
クスディスプレー要素をも包含する。
【0106】しかしながら本発明に従う各種ディスプレ
ーとねじれネマチックセルに基づく従来の慣用的なそれ
らとの間の本質的差異の1つはその液晶層内の各種液晶
パラメータの選択である。
【0107】本発明に従い使用することのできる液晶混
合物は従来の慣用的な態様で作られる。一般に、比較的
少ない量で用いられる各成分の所望量を主要な構成成分
をなすいくつかの成分の中に、好都合には高められた温
度において溶解させる。各種成分の、例えばアセトン、
クロロホルム、又はメタノールのような有機溶剤の中の
溶液を混合し、そして充分に混合した後で再びその溶剤
を、例えば蒸留によって除去することも可能である。
【0108】それら誘電体はまた、当業者に知られてい
て文献に記述されている他の種々の添加剤をも含むこと
ができる。例えば、0ないし15%の、多色性染料又は
キラルドープ剤を添加することができる。
【0109】以下にあげる表においてCは結晶相を、S
はネマチック相を、SC はスメクチックC相を、Nはネ
マチック相を、Iは等方性相を表わす。
【0110】V10は10%透過(プレート表面に対して
垂直な視角)に対する電圧をあらわす。tonは、V10
値の2.5倍に相当する作動電圧におけるスイッチオン
時間を、そしてtoff はスイッチオフ時間を表わす。Δ
nは光学異方性の値を、そしてn0 は屈折率を表わす。
Δεは誘電異方性(Δε=ε‖−ε⊥、但しε‖は分子
の長手軸に平行方向の誘電率で、ε⊥はこれと垂直方向
の誘電率である)を表わす。電気光学的諸データは特に
別に言及しない限り、20℃における第1極小において
(すなわちd・Δn値が0.5において)TNセルの中
で測定した。光学的諸データは特に別に言及しない限り
20℃において測定した。
【0111】この応用例及び以下にあげる諸例において
各液晶化合物の構造は略記号で示してあるが、その化学
式への変換は以下の表2ないし表7に従う。Cn2n+1
及びCm2m+1の基は全てn又はm個の炭素原子を含む
直鎖状アルキル基である。表4ないし7にあげた記号法
は自明である。表2ないし3においては基礎構造につい
ての略記号だけをあげてある。個々の場合においてその
基礎構造についての略記号に、ハイフンで隔てて各置換
基R1 、R2 、L1 及びL2 についての記号が後続して
いる。
【0112】
【表1】
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
【表7】
【0119】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明するが、
これらは本発明になんら制限を与えることを意図するも
のではない。以上及び以下において%の値は重量基準で
ある。温度は全て摂氏温度であり、m.p.は融点を、
そしてc.p.は透明点を表わす。またCは結晶状態
を、Nはネマチック相を、Sはスメクチック相を、そし
てIは等方性相を表わす。これらの記号の間に挿入され
ている数字は転位温度を表わす。Δnは光学異方性(5
89nm、20℃)を、そして粘度(mm2 /sec)
は20℃において測定した値である。
【0120】「通常的に後処理する」は、もし必要の場
合、水を加え、その混合物をジクロルメタン、ジエチル
エーテル、メチル−tert−ブチルエーテル又はトル
エンで抽出し、その有機相を分離し、乾燥して蒸発さ
せ、そしてその生成物を減圧のもとで蒸留するか、又は
結晶化及び/又はクロマトグラフィーによって精製する
ことを意味する。下記の省略記号を用いる: DMEU 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン POT カリウムtert−ブトキシド THF テトラヒドロフラン pTSOH p−トルエンスルホン酸例1
【0121】
【化41】 段階1.1
【0122】
【化42】 300mlのDMEUの中に溶解させた0.4モルの4
−ブロム−2,6−ジフルオルフェノール及び0.04
モルのナトリウム4−ブロム−2,6−ジフルオルフェ
ノキシドをオートクレーブに入れ、テトラフルオルエチ
レン(0.385モル)を飽和させ、そして3日間にわ
たり120℃において攪拌する。この混合物を水の中に
流し込んでメチル−tert−ブチルエーテルで抽出す
る。有機相を分離し、水で洗浄し、そして硫酸ナトリウ
ムの上で乾燥させる。溶媒を回転蒸発機の上で除去し、
そして残渣をシリカゲル/フリットの上に移す(石油エ
ーテル50−70o )。この生成物を最終的に真空フラ
クション蒸留によって精製する。沸点=70℃/5ミリ
バール段階1.2
【0123】
【化43】 200mlのTHFの中に0.055モルの1−(1,
1,2,2−テトラフルオルエトキシ)−4−ブロム−
2,6−ジフルオルベンゼンを溶解し、そして0.05
モルの燐酸2水素カリウム、0.10モルの燐酸水素ナ
トリウム及び100mlの水よりなる緩衝液を加え、次
いで0.05モルの4−trans−(4−ペンチルシ
クロヘキシル)−2,6−ジフルオルフェニル硼酸を加
える。この混合物を60℃において2分間加熱する。
【0124】0.8ミリモルのテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)を加え、そしてこの混
合物を24時間還流させる。この混合物を室温まで冷却
し、そして有機相を分離して水性相をメチルtertブ
チルエーテルで抽出する。得られた有機抽出物を水で洗
浄し、そして硫酸ナトリウムの上で乾燥させる。溶媒を
除去し、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィーに
よって精製する。最後に、その生成物をn−ヘキサンか
ら再結晶させる。C75N88I段階1.3
【0125】
【化44】 前記段階1.2からの生成物0.026モルを120m
lのTHFの中に溶解し、そしてN2 ガスのもとで−7
0℃においてリチウムジイソプロピルアミド溶液(50
mlのTHFの中で0.055モルのn−BuLi及び
0.056mlのジイソプロピルアミンから調製した)
を加える。この混合物を−70℃において0.5時間攪
拌し、次いで室温まで温度上昇させる。飽和塩化アンモ
ニウム溶液を加え、そしてその有機相を分離し、次いで
その水性相をメチルtertブチルエーテルで抽出す
る。合一した有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗
浄し、そして硫酸ナトリウムの上で乾燥させる。溶媒を
回転蒸発器の上で除去し、そして残渣をシリカゲル圧力
カラム(n−ヘキサン)によって精製する。最後に、そ
の生成物をn−ヘキサンから再結晶する。C63I;Δ
n=+0.111、Δε=14.75 下記式
【0126】
【化45】 の下記の各化合物を同様にして調製する:
【0127】
【表8】 例2
【0128】
【化46】 段階2.1
【0129】
【化47】 0.11モルの1−(1,1,2,2−テトラフルオル
メトキシ)−4−ブロム−2,6−ジフルオルベンゼン
を上記段階1.2と同様に、0.1モルの4−tran
s−(4−プロピルシクロヘキシル)−2−フルオルフ
ェニル硼酸と、テトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)の存在のもとに反応させる。段階2.2
【0130】
【化48】 LDAを用いてHFの除去を前記段階1.3と同様に実
施する。下記式
【0131】
【化49】 の下記の各化合物を同様にして調製する:
【0132】
【表9】 例3
【0133】
【化50】 段階3.1
【0134】
【化51】 窒素ガスのもとで0.63モルのナトリウム4−ブロム
−2,6−ジフルオルフェノキシドを500mlのDM
EUの中に溶解し、そしてこの溶液を140℃に加熱す
る。0.5時間の間に0.63モルの2,2,2−トリ
フルオルエチルメシレートを滴加し、そしてその混合物
を1夜140℃において攪拌する。この反応混合物を室
温まで冷却し、そして2リットルの水の中へ流し込む。
エーテルで抽出した後、エーテル相をまず最初5%濃度
の水酸化ナトリウム溶液で、次に水で洗浄し、そして硫
酸ナトリウムの上で乾燥させる。この溶液を蒸発させ、
そして残渣を蒸留する。段階3.2
【0135】
【化52】 100mlのTHFの中の0.05モルのp−tran
s−(4−プロピルシクロヘキシル)−2,6−ジフル
オルフェニル硼酸と0.055モルの1−(2,2,2
−トリフルオルエトキシ)−4−ブロム−2,6−ジフ
ルオルベンゼンとを攪拌しながら40℃に加温する。こ
の溶液に13.5mlの緩衝溶液(pH=8)を加え、
0,33gのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)を加え、そしてこの混合物を1.5時間
還流させる。4硼酸2ナトリウム10水和物の溶液(4
%)150mlを加え、そしてそのpHを6.5と7.
5との間に保つ。この混合物を室温まで冷却させ、そし
て水及びtertブチルメチルエーテルを加える。その
有機相を分離し、そしてその水性相をtert−ブチル
メチルエーテルで抽出する。合一した有機エーテル抽出
物を通常的に後処理する。段階3.3
【0136】
【化53】 前記段階3.2からのトリフルオルエトキシベンゼン誘
導体の0.02モルを窒素雰囲気のもとに75mlのT
HFの中に溶解し、そしてこの溶液を−70℃に冷却
し、この反応溶液に0.045mlのリチウムジイソプ
ロピルアミド溶液(2モル/リットルの溶液)を0.5
時間にわたって滴加する。この混合物を更にもう1時間
−70℃において攪拌する。この溶液を次に−30℃ま
で温め、そして10%濃度の炭酸水素ナトリウム溶液3
0mlを滴加する。水及びメチルtertブチルエーテ
ルを加え、ついで合一した有機相を分離し、そしてその
水性相をtertブチルメチルエーテルで何回も抽出す
る。合一した有機相を水で抽出し、そして通常的に後処
理する。この生成物をフラッシュクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)により精製する。
最後にこの生成物をn−ヘキサンから再結晶する。C8
7N91.5I;Δn=+0.126、Δε=17.7
5 下記式
【0137】
【化54】 の下記の各化合物を同様にして調製する:
【0138】
【表10】
【0139】
【表11】 例4
【0140】
【化55】 段階4.1
【0141】
【化56】 1.1リットルのTHFの中に2.2モルの1−ブロム
−3−フルオルベンゼンを含む溶液に窒素雰囲気のもと
で室温において2.2モルのマグネシウム切削片及び少
量のヨードを加える。この混合物を次に1時間にわたり
還流する。2モルの4−n−プロピルシクロヘキサノン
を滴加し、そしてこの混合物を更にもう1時間還流す
る。この反応混合物を30℃まで冷却させ、そしてこれ
を345gの塩化マグネシウム、5リットルの水、3リ
ットルのトルエン及び1kgの氷よりなる混合物の中へ
流し込む。次にこの混合物をHClで酸性にし、そして
その有機相を分離して通常的に後処理する。
【0142】この生成物2モルを2リットルのトルエン
に溶解し、12gのp−トルエンスルホン酸を加え、そ
してこの混合物を水分離器の上で1.5時間にわたり沸
騰させる。この混合物を室温まで冷却し、水を加え、そ
してその有機相を分離して通常的に後処理する。段階4.2
【0143】
【化57】 上記段階4.1からのシクロヘキセン誘導体1.71モ
ルを5リットルのエタノールの中に溶解し、50gのP
d/C(5%)を加え、そしてこの混合物を水素化す
る。触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発乾固させる。
残渣を0.5リットルのn−ヘプタンの中に溶解し、そ
してシリカゲルを含むガラスフリットを通して吸引濾過
する。その濾液を回転蒸発器の上で蒸発乾固させる。段階4.3
【0144】
【化58】 1.5リツトルの1−メチル−2−ピロリジンに100
gのカリウムtertブトキシドを室温において攪拌し
ながら加える。
【0145】1.5モルのtrans−4−プロピルシ
クロヘキシル−3−フルオルベンゼンを加え、そしてそ
の反応混合物に更に500mlのNMPを加える。この
混合物を次に60℃において3時間攪拌する。この反応
混合物を氷1.5kg及び115mlのHClの上に流
し込む。800mlのn−ヘキサンを加え、その有機相
を分離し、そしてその水性相をn−ヘキサンで何回も洗
浄する。合一した有機抽出物を通常的に後処理する。段階4.4
【0146】
【化59】 0.125モルのtrans−4−プロピルシクロヘキ
シルフルオルベンゼンと、250mlのTHFと、及び
0.137モルのカリウムtertブトキシドとよりな
る混合物を−100℃に冷却する。次いで0.14モル
のn−BuLi(n−ヘキサン中15%濃度)を−90
℃から−100℃までにおいて40分間にわたり滴加す
る。この混合物を次に−100℃において0.5時間攪
拌し、そして−35℃まで温め、次いでこの混合物に1
8%濃度の塩酸100mlを滴加する。更に18%濃度
塩酸200mlを加え、そしてその有機相を分離する。
その水性相をトルエンで何回も抽出する。その合一した
有機相を通常的に後処理する。段階4.5
【0147】
【化60】 50mlのエタノールの中の0.062モルのtran
s−4−n−プロピルシクロヘキシルベンゼン硼酸に
0.062モルの2,6−ジフルオル−4−(2’,
2’,2’−トリフルオルエトキシ)ブロムベンゼン、
110mlのトルエン、0.62モルのテトラキス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(0)及び炭酸ナト
リウム水溶液(50mlのH2 Oの中の12.9gのN
2 CO3 )を順に加え、そしてこの混合物を還流のも
とに4時間攪拌する。この混合物を氷冷しながら37%
濃度の塩酸27mlと水37mlとよりなる水溶液によ
って酸性化する。その有機相を分離し、そしてその水性
相をトルエンとともに何回も震とうすることによって抽
出する。合一した有機抽出物を次に通常的に後処理す
る。最後にその粗生成物をフラッシユクロマトグラフィ
ー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)によって精製す
る。段階4.6
【0148】
【化61】 上記段階4.5からの生成物(0.02モル)を75m
lのTHFの中に溶解し、そして攪拌しながら−70℃
に冷却する。0.045mlのリチウムジイソプロピル
アミドの溶液(2モル/リットル)を−70℃から−6
5℃までにおいて20分間にわたり滴加する。この混合
物を更に−65℃において1時間攪拌し、そして−30
℃まで加温する。10%濃度の炭酸水素ナトリウム溶液
30mlを滴加する。この混合物を水で稀釈してter
tブチルメチルエーテルで抽出する。合一した有機抽出
物を水とともに震盪することによって洗浄し、そして硫
酸ナトリウムの上で乾燥させる。その溶媒を回転蒸発器
の上で除去し、そしてその残渣をフラッシュクロマトグ
ラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)によって
精製する。C36N79.9I;Δn=+0.146、
Δε=13.8 下記式
【0149】
【化62】 の下記の各化合物を同様にして調製する:
【0150】
【表12】
【0151】
【表13】
【0152】
【表14】 例5
【0153】
【化63】 段階5.1
【0154】
【化64】 0.22モルの4−n−ペンチルフェニル硼酸を150
mlのエタノールの中に溶解し、そしてこれに0.2モ
ルの1−ブロム−3,5−ジフルオルベンゼン、400
mlのトルエン、1.65gのテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(0)及び水150mlと5
1,6gの炭酸ナトリウムとからなる溶液を順に加え
る。この混合物を次に65時間にわたり還流し、そして
900mlの水の中に流し込み、170mlのHClを
氷を加えながら注意深く添加し、そしてその有機相を分
離する。その水性相をトルエンで抽出し、そして合一し
た有機相を水で抽出し、次いで通常的に後処理する。段階5.2
【0155】
【化65】 125mlのTHFの中の0.09モルの4−n−ペン
チル−3’,5’−ジフルオルビフェニルを窒素雰囲気
のもとで攪拌しながら−70℃に冷却する。n−ブチル
リチウム(n−ヘキサン中15%濃度)の0.1モルを
1時間にわたり滴加し、そしてこの混合物を次に更に1
時間攪拌する。35mlのTHFの中の0.1モルのヨ
ードを加え、そしてこの混合物を−70℃において更に
0.5時間攪拌する。この混合物を−5℃まで温め、そ
してまず最初50mlの水を、次いで37%濃度の重亜
硫酸ナトリウム溶液5.4mlをその反応混合物に滴加
する。この反応混合物を攪拌しながら450mlの水と
200mlのトルエンとの中に流し込む。その有機相を
分離し、そして通常的に後処理する。段階5.3
【0156】
【化66】 160mlのTHFの中の0.36モルの1−(2,
2,2−トリフルオルエトキシ)−4−ブロム−2,6
−ジフルオルベンゼンを攪拌しながらゆっくりと0.3
6モルのマグネシウム切削片及び少量のヨードに窒素雰
囲気のもとで滴加する。この混合物を次に1時間にわた
り還流し、次いでこれを室温まで冷却させて0.4モル
の硼酸トリメチル及び60mlのTHFを加え、そして
この混合物を15−20℃において0.5時間攪拌す
る。250mlのtertブチルメチルエーテルを加
え、そしてこの混合物をHClで酸性化する。その有機
相を分離し、そして通常的に後処理する。段階5.4
【0157】
【化67】 36mlのエタノールの中の0.05モルの1−(2,
2,2−トリフルオルエトキシ)−2,5−ジフルオル
フェニル−4−硼酸に、0.045モルの4−n−ペン
チル−3’,5’−ジフルオル−4’−ヨードビフェニ
ル、85mlのトルエン、36mlの水の中に11.6
gの炭酸ナトリウムを含む溶液、及び最後に0.5gの
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)を順に加える。この混合物を44時間還流し、1
50mlの水及び20mlの塩酸を加え、そしてその有
機相を分離する。その水性相をトルエンとともに震盪す
ることにより抽出し、そしてその合一した有機相を次に
通常的に後処理する。この生成物をn−ヘキサンから再
結晶する。段階5.5
【0158】
【化68】 上記段階5.4からの2,2,2−トリフルオルエトキ
シターフェニルの23ミリモルを窒素雰囲気のもとに1
20mlのTHFの中に溶解し、そして−70℃に冷却
する。これにまず最初リチウムドイソプロピルアミド溶
液(2モル/リットル)の27mlを攪拌しながら滴加
する。この混合物を−60℃から−70℃までにおいて
1時間にわたり攪拌し、そして−30℃まで温める。飽
和重炭酸ナトリウム溶液によって加水分解した後、その
混合物をtertブチルメチルエーテルで抽出する。そ
の有機相を分離し、水で洗浄し、そして通常的に後処理
する。この生成物をn−ペンタンから再結晶する。C8
2I;Δn=+0.204、Δε=23.43 下記式
【0159】
【化69】 の下記の各化合物を同様にして調製する:
【0160】
【表15】
【0161】
【表16】 混合物例 例A
【0162】
【表17】 例B
【0163】
【表18】 例C
【0164】
【表19】 例D
【0165】
【表20】 例E
【0166】
【表21】 例F
【0167】
【表22】 例G
【0168】
【表23】 例H
【0169】
【表24】 例I
【0170】
【表25】 例J
【0171】
【表26】 例K
【0172】
【表27】 例L
【0173】
【表28】 例M
【0174】
【表29】 例N
【0175】
【表30】 例O
【0176】
【表31】 例P
【0177】
【表32】 例Q
【0178】
【表33】 例R
【0179】
【表34】 例S
【0180】
【表35】 例T
【0181】
【表36】 例U
【0182】
【表37】 例V
【0183】
【表38】 例W
【0184】
【表39】 例X
【0185】
【表40】 例Y
【0186】
【表41】 例Z
【0187】
【表42】 例α
【0188】
【表43】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/54 Z 9279−4H G02F 1/13 500 (72)発明者 ヘルベルト プラハ ドイツ連邦共和国 64287 ダルムシュタ ット ウィンゲルツベルクシュトラーセ 5 (72)発明者 エケハルト バルトマン ドイツ連邦共和国 64390 エルツハウゼ ン ディーブルガー ヴェーク 12アー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正の誘電異方性を有する極性化合物の混
    合物に基づく液晶媒質において、これが、1つ以上の下
    記一般式I、すなわち 【化1】 の化合物含み、但しこの式においてR は水素、又は
    置換されていない、又はCN又はCF3 によってモノ置
    換されているか、或いはハロゲンによって少なくともモ
    ノ置換されている、1ないし15個の炭素原子を有する
    アルキル基又はアルケニル基であって、これらの基の中
    の1つ以上のCH2 基はいずれも互いに独立に−O−、
    −S−、 【化2】 −CO−、−CO−O−、−O−CO−、又は−O−C
    O−O−によって、各酸素原子が互いに直接に結合する
    ことがないような態様で置き換えられていることがで
    き、A1 及びA2 は互いに独立に、 a)トランス−1,4−シクロヘキシレン基であって、
    このものの非隣接の1つ以上のCH2 基は−O−及び/
    又は−S−により置き換えられていてもよく、 b)1,4−フェニレン基であって、このものの1つ又
    は2つのCH基はNにより置き換えられていてもよく、
    又は c)1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ
    (2・2・2)オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイ
    ル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレ
    ン−2,6−ジイル及び1,2,3,4−テトラヒドロ
    ナフタレン−2,6−ジイルよりなる群からの残基であ
    り、その際上記のa)及びb)の残基は1個又は2個の
    弗素原子によって置換されていることができ、Z1 及び
    2 はそれぞれ互いに独立に−CO−O−、−O−C
    O−、−CH2O−、−OCH2 −、−CH2 CH2
    −、−CH=CH−、−C≡C−又は単結合であって、
    1 及びZ2 の残基の一方は二者択一的に−(CH24
    −又は−CH=CH−CH2 CH2 −であり、X
    は水素又は弗素であり、L1 、L2 及びL3 は互いに独
    立に水素又は弗素であり、そしてm は0又は1であ
    ることを特徴とする液晶媒質。
  2. 【請求項2】 追加的に、下記の各一般式II、II
    I、IV及びV、すなわち 【化3】 よりなる群から選ばれる1つ以上の化合物を含み、その
    際これらの式においてR0 は、それぞれ7個までの炭
    素原子を有するn−アルキル、オキサアルキル、フルオ
    ルアルキル又はアルケニルを表わし、X0 はF、C
    l、CF3 、OCF3 、OCHF2 、OCH=CF2
    OCF=CF2 、OCFH=CF2 H、OCF2 −CF
    2 H又はOCH2 CF3 を表わし、Y1 及びY2 は互い
    に独立にH又はFを表わし、そしてr は0又は1で
    ある請求項1の媒質。
  3. 【請求項3】 追加的に、下記の各一般式VIないしX
    I、すなわち 【化4】 よりなる群から選ばれる1つ以上の化合物を含み、その
    際これらの式においてR 0 、Y1 及びY2 は、それぞれ
    互いに独立に、請求項2において定義した通りであり、
    そしてX0 はF、Cl、CF3 、OCF3 、OCHF
    2 、それぞれ7個までの炭素原子を有するアルキル、オ
    キサアルキル、フルオルアルキル又はアルケニルを表わ
    す、請求項1又は2の媒質。
  4. 【請求項4】 式IないしVの化合物の合計割合が全混
    合物の重量の少なくとも50%である、請求項2の媒
    質。
  5. 【請求項5】 式Iの化合物の割合が全混合物の重量の
    3ないし80%である、請求項2の媒質。
  6. 【請求項6】 式IIないしVの化合物の割合が全混合
    物の重量の20ないし80%である、請求項2ないし4
    のいずれかの媒質。
  7. 【請求項7】 本質的に、一般式IないしXIの群から
    選ばれた化合物を含む、請求項1ないし3のいずれかの
    媒質。
  8. 【請求項8】 下記式I3、すなわち 【化5】 の化合物を含み、その際この式においてR及びXは請求
    項1に定義した通りであり、そしてLは水素又は弗素で
    ある、請求項1又は2の媒質。
  9. 【請求項9】 下記式I6、すなわち 【化6】 の化合物を含み、その際この式においてR及びXは請求
    項1に定義した通りであり、そしてLは水素又は弗素で
    ある、請求項1又は2の媒質。
  10. 【請求項10】 請求項1の液晶媒質を電気光学的用途
    に使用する方法。
  11. 【請求項11】 請求項1の液晶媒質を含む電気光学的
    液晶ディスプレー。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の一般式Iの化合物。
  13. 【請求項13】 下記式 【化7】 においてR及びXが請求項1において定義した通りであ
    り、そしてLがH又はFである化合物。
  14. 【請求項14】 下記式I6 【化8】 においてR及びXが請求項1に定義した通りである化合
    物。
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