JP4162055B2 - 液晶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基材とする液晶媒体、その電気光学目的における使用、およびこの媒体を含有するディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
WO91/13850は、全部で式:
【化5】
式中、
X=F、Cl、CF3、CHF2、OCHF2またはOCF3、
r=0または1、Z=HまたはF、そして環A=1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレン、
で表わされる化合物を開示している。
【0003】
液晶は、特に表示素子の誘電体として使用される。この理由は、このような物質の光学的物性を印加電圧により変更することができるからである。液晶に基づく電気光学デバイスは、当業者に充分に周知であり、各種効果に基づくことができる。このようなデバイスの例には、動的散乱を有するセル、DAP(整列相の変形)セル、ゲスト/ホストセル、TN(ねじれネマティック)セル、STN(スーパーツィストネマティック)セル、SBE(超複屈折効果)セルおよびOMI(光学モード干渉)セルがある。大部分の慣用の表示デバイスは、シャット−ヘルフリッヒ効果に基づいており、ねじれネマティック構造を有する。
【0004】
液晶材料は、良好な化学的安定性および熱に対する安定性を有し、かつまた良好な電場に対する安定性および電磁波照射線に対する安定性を有していなければならない。さらにまた、液晶材料は、比較的小さい粘度を有するべきであり、かつまたセルにおいて、短いアドレス時間、低いしきい電圧および大きいコントラストを付与すべきである。
さらにまた、液晶材料は、慣用の動作温度で、すなわち室温以上ないし室温以下のできるだけ広い範囲で、適当な中間相、例えば前記セル用のネマティックまたはコレステリック中間相を有していなければならない。液晶は一般に、複数の成分の混合物の形態で使用されることから、これらの成分は相互に容易に混和できるものであることが重要である。さらに別の性質、例えば導電性、誘電異方性および光学異方性はセルのタイプおよび用途分野に応じて相違する要件を満たすものでなければならない。例えば、ねじれネマティック構造を有するセル用の材料は、正の誘電異方性および小さい導電性を有していなければならない。
【0005】
一例として、大きい正の誘電異方性、広いネマティック相、比較的小さい複屈折、非常に大きい抵抗、良好なUVおよび温度安定性ならびに低い蒸気圧を有する媒体が、各画素の切り換え用の集積非線型素子を備えたマトリックス液晶ディスプレイ(MLCディスプレイ)に望まれる。
このタイプのマトリックス液晶ディスプレイは公知である。各画素それぞれの切り換えに使用することができる非線型素子の例には、能動的素子(すなわち、トランジスター)がある。この素子は、「能動的マトリックス」(activematrix)と称され、2つのタイプに分類することができる:
1.基板としてのシリコンウエファー上のMOS(金属酸化物半導体)または他のダイオード。
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスター(TFTs)。
【0006】
単結晶シリコンの基板材料としての使用は、ディスプレイの大きさを制限する。これは、種々の部分表示をモジュラー集合させてさえも、接合部分に問題が生じるからである。
好適であって、さらに有望なタイプ2の場合に、使用される電気光学効果は通常、TN効果である。この効果は2種のテクノロジイ間で相違点を有する:すなわち化合物半導体、例えばCdSeからなるTFT、または多結晶形または無定形シリコンを基材とするTFTである。後者の技術に関しては、格別の研究努力が世界中でなされている。
【0007】
TFTマトリックスは、当該ディスプレイの1枚のガラス板の内側に施され、もう1枚のガラス板の内側は透明な対向電極を担持している。画素電極の大きさと比較すると、TFTは非常に小さく、かつまた目で見て、像に対する有害な効果は有していない。この技術はまた、各フィルター素子が切り換え可能の画素に対して向い側に位置するように、モザイク状の赤色、緑色および青色フィルターを配列した全色コンパティブル画像ディスプレイにまで発展させることができる。
TFTディスプレイは通常、透過光内に交差偏光子を備えたTNセルとして動作し、裏側から照射される。
本明細書において、MLCディスプレイの用語には、集積非線型素子を備えたマトリックスディスプレイのいずれもが包含される。すなわち能動的マトリックスに加えて、またバリスターまたはダイオード(MIM=金属−絶縁体−金属)などの受動的素子を備えたディスプレイが包含される。
【0008】
このタイプのMLCディスプレイは、TV用途に(例えば、ポケット型テレビ受像機)またはコンピューター用途(ラップトップ型)および自動車または航空機構造用の高度情報ディスプレイ用に特に適している。コントラストの角度依存性および応答時間に関連する問題に加えて、MLCディスプレイでは、液晶混合物の不適当な抵抗値による問題が生じる[TOGASHI,S.,SEKIGUCHI,K.,TANABE,H.,YAMAMOTO,E.,SORIMACHI,K.,TAJIMA,E.,WATANABE,H.,SHIMIZU,H.によるProc.Eurodisplay 84,1984年9月:A 210〜288 Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings,141頁以降、Paris; STROMER,M.によるProc.Eurodisplay 84,1984年9月:Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays,145頁以降、Paris]。
【0009】
この抵抗値が減少するほど、MLCディスプレイのコントラストは低下し、残像消去の問題が生じることがある。液晶混合物の抵抗値は一般に、MLCディスプレイの内部表面との相互作用によって、MLCディスプレイの寿命全般を通じて一般に減少することから、許容される動作寿命を得るためには、大きい(初期)抵抗値は非常に重要である。特に、低電圧混合物の場合に、非常に大きい抵抗値を得ることは従来、不可能であった。温度上昇をできるだけ小さくして、かつまた加熱および(または)UV照射線に露光した後に、この抵抗値を増加させることがまた重要である。また、従来技術からの混合物の低温物性は特に悪い。低温でさえも、結晶化および(または)スメクティック相が生成せず、かつまた粘度に対する温度依存性ができるだけ小さいことが要求される。しかるに、従来技術のMLCディスプレイは、現在の要件を満たすものではない。
【0010】
従って、これらの欠点を有していないか、または有していても小さい程度であり、広い動作温度範囲、低温においても短い応答時間、およびまた小さいしきい電圧と同時に、非常に大きい抵抗値を有するMLCディスプレイに対する多大の要求が継続している。
TN(シャット−ヘルフリッヒ)セルの場合に、このセルには下記の利点を有する媒体が望まれる:
−拡大したネマティック相範囲(特に、低温に降下した場合でも)、
−超低温における作動能力(野外使用、自動車、航空電子工業)、
−UV照射線露光に対する増大した安定性(より長い寿命)。
【0011】
従来利用できた媒体は、これらの利点を達成することができると同時には、他のパラメーターを保有するものではない。
スーパーツイストセル(STN)の場合に、より大きいマルチプレキシビリティおよび(または)より低いしきい電圧および(または)より広いネマティック相範囲(特に、低温における)が可能な媒体が望まれる。この目的のために利用できるパラメーター(透明点、スメクティツク−ネマティック転移または融点、粘度、誘電率、弾性率)の幅のさらなる拡大が希求されている。
【0012】
【発明が解消しようとする課題】
本発明の課題は、新規液晶媒体、特にMLC、TNまたはSTNディスプレイ用の液晶媒体を見出すことにある。
本発明のさらにもう一つの課題は、前記欠点を有していないか、または有していても小さい程度であり、かつまた非常に大きい抵抗値および低いしきい電圧を同時に有する、特にMLC、TNまたはSTNディスプレイ用の液晶媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によって、下記式Iで表わされる化合物を含有する新規液晶媒体により上記課題が解消されることが見出された。
従って、本発明は、正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基材とする液晶媒体であって、下記一般式Iで表わされる化合物の1種または2種以上を含有する液晶媒体に関する:
【0014】
【化6】
式中、Rは、Hであるか、または炭素原子1〜15個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、あるいは置換基として1個のCNまたはCF3を有するか、あるいは置換基として少なくとも1個のハロゲンを有し、この基中に存在する1個または2個以上のCH2基はそれぞれ独立して、O原子が相互に直接に結合しないものとして、
【化7】
Yは、FまたはClであるか、あるいは炭素原子1〜6個を有するハロゲン化されているアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基またはオキサアルキル基であり、そして
L1は、HまたはFである。
【0015】
式Iで表わされる化合物は広い用途範囲を有する。置換基を選択することによって、これらの化合物は液晶媒体を主として構成する基材として使用することができる;しかしながら、式Iで表わされる化合物はまた、別の種類の化合物からの液晶基材に添加して、例えばこの種の誘電体の誘電異方性および(または)光学異方性を変えることができ、および(または)そのしきい電圧および(または)その粘度を最適にすることができる。
式Iで表わされる化合物は純粋な状態で無色であり、そして電気光学用途に対して好ましく位置する温度範囲で液晶中間相を形成する。これらの化合物は化学物質、熱および光に対して安定である。
【0016】
式Iで表わされる化合物を含有する新規媒体において、Yは好ましくは、F、Cl、OCF3、OCHF2、CF3、CHFCF3、CF2CHF2、C2H4CHF2、CF2CH2CF3、CHF2、OCH2CF3、OCH2CHF2、OCF2CHF2、O(CH2)3CF3、OCH2C2F5、OCH2CF2CHF2、OCH2C3F7、OCHFCF3、OC2F5、OCF2CHFCF3、OCH=CF2、OCF=CF2、OCF=CFCF3、OCF=CF−C2F5、CH=CHF、CH=CF2、CF=CF2、CF2OCF3であり、特にF、OCHFCF3、OCF3、OCHF2、OC2F5、OC3F7、OCH=CF2またはCF2OCF3 である。
特に好適な化合物として、式Iにおいて、Y=L1=Fである化合物が挙げられる。
【0017】
Rがアルキル基および(または)アルコキシ基である場合に、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、炭素原子2個、3個、4個、5個、6個または7個を有し、従って好ましくは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシであり、さらにまたメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシであることができる。
オキサアルキルは好ましくは、直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2- メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニルあるいは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
【0018】
Rがアルキル基であって、この基中に存在する1個のCH2が−CH=CH−により置き換えられている場合に、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、炭素原子2〜10個を有する。従って、この基は特に、ビニル、プロプ−1−または−2−エニル、ブト−1−、−2−または−3−エニル、ペント−1−、−2−、−3−または−4−エニル、ヘキシ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−エニル、ヘプト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−エニル、オクト−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−または−7−エニル、ノン−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−エニル、あるいはデク−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−、−8−または−9−エニルである。
【0019】
Rがアルキル基であって、この基中に存在する1個のCH2基が−O−により置き換えられている場合、およびまた1個のCH2基が−CO−により置き換えられている場合に、これらの基は好ましくは、隣接している。従って、これらの基は1個のアシルオキシ基−CO−O−または1個のオキシカルボニル基−O−CO−を含有する。これらの基は好ましくは、直鎖状であって、炭素原子2〜6個を有する。
従って、これらの基は特に、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセトキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセトキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピルまたは4−(メトキシカルボニル)ブチルである。
【0020】
Rがアルキル基であって、この基中に存在する1個のCH2基が未置換のまたは置換基を有する−CH=CH−により置き換えられている場合、およびまた隣接するCH2基が−CO−または−CO−O−または−O−CO−により置き換えられている場合に、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であつて、炭素原子4〜13個を有する。従って、この基は特に、アクリロイルオキシメチル、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル、6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル、9−アクリロイルオキシノニル、10−アクリロイルオキシデシル、メタアクリロイルオキシメチル、2−メタアクリロイルオキシエチル、3−メタアクリロイルオキシプロピル、4−メタアクリロイルオキシブチル、5−メタアクリロイルオキシペンチル、6−メタアクリロイルオキシヘキシル、7−メタアクリロイルオキシヘプチル、8−メタアクリロイルオキシオクチルおよび9−メタアクリロイルオキシノニルである。
【0021】
Rがアルキル基またはアルケニル基であって、1個のCNまたはCF3により置換されている場合に、この基は好ましくは、直鎖状である。CNまたはCF3 による置換は、いずれか所望の位置であることができる。
Rがアルキル基またはアルケニル基であって、少なくとも1個のハロゲンにより置換されている場合に、この基は好ましくは、直鎖状であり、そしてハロゲンは好ましくは、FまたはClである。多置換されている場合には、ハロゲンは好ましくは、Fである。生成する基にはまた、過フッ素化されている基が包含される。1個の置換基を有する場合に、このフッ素または塩素置換基はいずれか所望の位置に存在することができるが、好ましくはω−位置に存在する。
式Iにおいて、重付加反応に適する側鎖基Rを有する化合物は、液晶重付加生成物の製造に適している。
【0022】
分枝鎖状側鎖基Rを有する式Iで表わされる化合物は、これらが慣用の液晶基材中で良好な溶解性を有することから、場合により重要であるが、特にこれらが光学活性である場合に、カイラルドーピング剤として重要である。この種のスメクティック化合物は、強誘電性材料用の成分として適している。
SA相を有する式Iで表わされる化合物は、例えば熱によりアドレスされるディスプレイに適している。
【0023】
この種の分枝鎖状基は一般に、1個よりも多くない鎖分枝を有する。好適な分枝鎖状基Rは、イソプロピル、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、イソブチル(=2−メチルプロピル)、2−メチルブチル、イソペンチル(=3−メチルブチル)、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシおよび1−メチルヘプトキシである。
【0024】
Rがアルキル基であって、この基中に存在する2個または3個以上のCH2基が−O−および(または)−CO−O−により置き換えられている場合に、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、分枝鎖状であつて、炭素原子3〜12個を有する。従って、この基は特に、ビスカルボキシメチル、2,2−ビスカルボキシエチル、3,3−ビスカルボキシプロピル、4,4−ビスカルボキシブチル、5,5−ビスカルボキシペンチル、6,6−ビスカルボキシヘキシル、7,7−ビスカルボキシヘプチル、8,8−ビスカルボキシオクチル、9,9−ビスカルボキシノニル、10,10−ビスカルボキシデシル、ビス(メトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(メトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(メトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5−ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6−ビス(メトキシカルボニル)ヘキシル、7,7−ビス(メトキシカルボニル)ヘプチル、8,8−ビス(メトキシカルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(エトキシカルボニル)ブチルおよび5,5−ビス(エトキシカルボニル)ヘキシルである。
【0025】
式Iで表わされる化合物は、刊行物(例えばHouben- WeylによるMethoden der Organischen Chemie,Georg- Thieme出版社、Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているようなそれ自体公知の方法により、正確には当該反応に適する、公知の反応条件の下に、製造することができる。それ自体は公知であるが、本明細書には詳細に記載されていない変法を使用することもできる。
本発明による新規化合物は、例えば下記の方法により製造することができる:
【0026】
【化8】
反応経路 1
【0027】
【化9】
反応経路 2
【0028】
【化10】
反応経路 3
【0029】
【化11】
反応経路 4
【0030】
【化12】
反応経路 5
【0031】
【化13】
反応経路 6
【0032】
【化14】
反応経路 7
【0033】
【化15】
反応経路 8
【0034】
【化16】
反応経路 9
【0035】
本発明はまた、この種の媒体を含有する電気光学ディスプレイ(特に、フレームとともにセルを形成している2枚の面平行外側板、この外側板上の各画素を切り換えるための集積非線型素子およびこのセル内に位置している正の誘電異方性および大きい抵抗値を有するネマティック液晶混合物を備えたSTNまたはMLCディスプレイ)に関し、およびまたこれらの媒体の電気光学目的における使用に関する。
本発明による液晶混合物は、利用できるパラメーター幅の重要な拡大を促進する。
透明点、低温における粘度、熱およびUV安定性および誘電異方性の達成可能な組合わせは、従来の材料に比較してはるかに優れている。
【0036】
高い透明点、低温におけるネマティック相および大きい△εにかかわる要件は、従来では不充分な程度にまでのみ達成可能であった。例えばZLI−3119のような混合物系は匹敵できる透明点および比較的好ましい粘度を有するが、これらの△εは+3にすぎない。
別の混合物系は匹敵できる粘度および△ε値を有するが、60℃の領域の透明点を有するのみである。
【0037】
本発明による液晶混合物は、80゜以上、好ましくは90゜以上、特に好ましくは100℃以上の透明点を有すると同時に、△ε≧6、好ましくは≧8の誘電異方性および大きい抵抗値を有し、かつまた−20℃まで低下しても、好ましくは−30℃まで低下しても、特に好ましくは−40℃まで低下しても、ネマティック相を保有する。この物性は、優れたSTNおよびMLCディスプレイの達成を可能にする。特に、これらの混合物は低い動作電圧を有するという特徴を有する。そのTNしきい値は、2.0V以下、好ましくは1.5V以下、特に好ましくは<1.3Vである。
【0038】
本発明による混合物の成分を適当に選択することによって、他の有利な性質を保有しながら、より大きいしきい電圧でより高い透明点(例えば、110゜以上)を得ることができ、あるいはより小さいしきい電圧でより低い透明点を得ることができることは言うまでもない。同様に、その粘度が対応して少さい数値で増加しても、比較的大きい△ε値を有し、従ってしきい値がより小さい混合物を得ることができる。本発明によるMLCディスプレイは、グーチ(Gooch)およびタリイ(Tarry)の透過度の第一最低値で好ましく動作する[C.H.GoochおよびH.A.TarryによるElectron.Lett.,10,2〜4,1974;C.H.GoochおよびH.A.TarryによるAppl.Phys.,8巻、1575〜1584,1975]。この場合に、特に好ましい電気光学的性質、例えば類似ディスプレイにおけるしきい電圧と同一のしきい電圧において、特性曲線の高い急峻度およびコントラストの小さい角度依存性(ドイツ国特許30 22 818)などに加えて、透過度の第二最低値におけるより小さい誘電異方性でも充分である。
【0039】
これは、シアノ化合物を含有する混合物の場合に比較して、本発明による混合物を使用することによって、第一最低値で格別に大きい抵抗値を得ることを可能にする。
各成分およびそれらの重量割合を適当に選択することによって、MLCディスプレイの既定の層厚さに必要な複屈折の生成に、当業者は簡単な慣用の方法を使用することができる。
20℃における粘度は、好ましくは<60mm 2 /秒、特に好ましくは<50mm2/秒である。ネマティック相範囲は、好ましくは少なくとも90゜、特に少なくとも100゜である。この範囲が好ましくは、少なくとも−20゜から+80゜まで拡大される。
【0040】
「容量保持率」(capacity holding ratio)(HR)[S.Matsumoto等によるLiquid Crystals,5,1320(1989);K.Niwa等によるProc.SID Conference,San Francisco,1984年6月、304頁(1984);G.Weber等によるLiquid Crystals,5,1381(1989)]は、式Iで表わされる化合物を含有する本発明による混合物が、式Iで表わされる化合物の代わりに式:
【化17】
で表わされるシアノフェニル−シクロヘキサン化合物または式
【化18】
で表わされるエステル化合物を使用した類似混合物に比較して、温度の上昇に従うHRの減少が格別に小さいことを示す。
【0041】
本発明による混合物のUV安定性はまた、格別に良好である。すなわち、これらの混合物は、UV照射線にさらされた場合におけるHRの減少が格別に小さいことを示す。
本発明による媒体は好ましくは、複数(好ましくは2種または3種以上)の式Iで表わされる化合物を基材とするものである。すなわち、これらの化合物の割合は、5〜95%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは20〜50%の範囲である。
本発明による媒体に使用することができる式I〜XIIおよびそれらの付属式で表わされる各化合物は、公知であるか、または公知化合物と同様に製造することができる。
【0042】
好適態様を以下に示す:
下記式で表わされる化合物の1種または2種以上をさらに含有する媒体:
【化19】
式中、Rは請求項1に定義のとおりであるが、好ましくは直鎖状アルキル基である。
【0043】
下記一般式II〜VIからなる群から選択される化合物の1種または2種以上をさらに含有する媒体:
【化20】
【0044】
各式中、各基は下記の意味を有する:
R0:それぞれ9個までの炭素原子を有するn−アルキル基、オキサアルキル基、フルオロアルキル基またはアルケニル基、
X0:FまたはCl、あるいは炭素原子1〜6個を有するハロゲン化されているアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基またはアルケニルオキシ基、
Y1およびY2:それぞれ相互に独立して、HまたはF、
r:0または1。
【0045】
式IVで表わされる化合物は、好ましくは下記の化合物である:
【化21】
【0046】
下記一般式VII〜XIIからなる群から選択される化合物の1種または2種以上をさらに含有する媒体:
【化22】
【0047】
各式中、R0、X0ならびにY1およびY2はそれぞれ相互に独立して、請求項2に定義されているとおりであり、好ましくはF、Cl、CF3、OCF3、OCHF2、それぞれ6個までの炭素原子を有するアルキル、オキサアルキル、フルオロアルキルまたはアルケニルである。
式I〜VIで表わされる化合物の割合は、総混合物の少なくとも50重量%である。
式Iで表わされる化合物の割合は、総混合物の10〜50重量%である。
式II〜VIで表わされる化合物の割合は、総混合物の30〜70重量%である。
【0048】
【化23】
【0049】
式II、III、IV、VまたはVIで表わされる化合物を含有する媒体。
R0は、炭素原子2〜7個を有する直鎖状アルキルまたはアルケニルである。
式I〜VIで表わされる化合物から基本的になる媒体。
好ましくは、下記式XIII〜XVIからなる群から選択される化合物をさらに含有する媒体:
【化24】
【0050】
各式中、R0およびX0は、上記定義のとおりであり、そして1,4−フェニレン環はCN、塩素またはフッ素により置換されていてもよい。1,4−フェニレン環は好ましくは、置換基として1個または2個以上のフッ素原子を有する。
I:(II+III+IV+V+VI)重量比は好ましくは、1:10〜10:1である。
一般式I〜XIIからなる群から選択される化合物から基本的になる媒体。
慣用の液晶材料に混合された式Iで表わされる化合物、特に式II、III、IV、Vおよび(または)VIで表わされる化合物は比較的少割合でも、しきい電圧の有意の減少および小さい複屈折値をもたらすと同時に、低いスメクティック−ネマティック相転移温度を有する広いネマティック相範囲が観察される。すなわち、貯蔵寿命が改善される。この種の混合物はまた、回転粘性率γ1にかかわるそれらの好ましい数値の点で際立っている。式I〜VIで表わされる化合物は無色であり、安定であり、かつまた相互におよび別種の液晶材料と容易に混和する。
【0051】
「アルキル」の用語は、直鎖状および分枝鎖状の、炭素原子1〜7個を有するアルキル基、特に直鎖状基、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシルおよびヘプチルを包含する。炭素原子2〜5個を有する基は一般に好適である。
「アルケニル」の用語は、直鎖状および分枝鎖状の、炭素原子2〜7個を有するアルケニル基、特に直鎖状基を包含する。好適アルケニル基は、C2〜C7−1E−アルケニル、C4〜C7−3E−アルケニル、C5〜C7−4−アルケニル、C6〜C7−5−アルケニルおよびC7−6−アルケニル、特にC2〜C7−1E−アルケニル、C4〜C7−3E−アルケニルおよびC5〜C7−4−アルケニルである。
【0052】
特に好適なアルケニル基の例には、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ペプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどがある。5個までの炭素原子を有する基は一般に好適である。
「フルオロアルキル」の用語は、好ましくは末端にフッ素を有する直鎖状基、すなわちフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかしながら、フッ素の別の位置も除外されるものではない。
【0053】
「オキサアルキル」の用語は、好ましくは式CnH2n+1−O−(CH2)m(式中、nおよびmはそれぞれ相互に独立して、1〜6である)の直鎖状基を包含する。nは好ましくは1であり、そしてmは好ましくは1〜6である。
R0およびX0の意味を適当に選択することによって、アドレス時間、しきい電圧、透過特性曲線の急峻性などを所望のとおりに変えることができる。例えば、1E−アルケニル基、3E−アルケニル基、2E−アルケニルオキシ基などは一般に、アルキル基およびアルコキシ基に比較して、短いアドレス時間、改良されたネマティック形成傾向およびより広い弾性定数K33(曲がり)とK11(拡がり)との比をもたらす。4−アルケニル基、3−アルケニル基などは一般に、アルキル基およびアルコキシ基に比較して、より小さいしきい電圧およびより小さいK33/K11値をもたらす。
【0054】
−CH2CH2−基は一般に、単純な共有結合に比較して、より大きいK33/K11値をもたらす。より大きいK33/K11値は、例えば90゜のねじれ角を有するTNセルにおいては平坦な透過特性曲線(灰色色調が得られる)およびSTN、SBEおよびOMIセルにおいては急峻な透過特性曲線(より大きいマルチプレックス能力)をもたらし、およびまたその逆も真である。
式Iで表わされる化合物と式IIで表わされる化合物+式IIIで表わされる化合物+式IVで表わされる化合物+式Vで表わされる化合物+式VIで表わされる化合物との最適混合比は、所望の性質、式I、式II、式III、式IV、式Vおよび(または)式VIの成分の選択および存在させることができるいずれかその他の成分の選択に実質的に依存して変わる。前記範囲内の適当混合比は場合毎に容易に決定することができる。
【0055】
本発明による混合物中の式I〜XIIで表わされる化合物の総量に制限はない。従って、本発明による混合物は1種または2種以上の追加の成分を含有することができ、これによって各種性質を最適にすることができる。しかしながら、アドレス時間およびしきい電圧に対して見出される効果は一般に、式I〜XIIで表わされる化合物の総濃度が多いほど、大きい。
特に好ましい態様において、本発明による媒体は、式II〜VI(好ましくは、式II、IIIおよび(または)IV、特に式IVa)において、X0がF、OCF3、OCHF2、OCH=CF2、OCF=CF2またはOCF2−CF2Hである化合物を含有する。式Iで表わされる化合物による好ましい相乗効果により、特に有利な性質が得られる。特に、式Iで表わされる化合物および式IVaで表わされる化合物を含有する混合物は、それらの小さいしきい電圧の点で際立っている。
【0056】
偏光子、電極基板および表面処理を施した電極からの、本発明によるMLCディスプレイの構造は、このタイプのディスプレイに慣用の構造に相当する。ここで、慣用の構造という用語は、広く解釈されるべきであり、MLCディスプレイの誘導型および改変型の全部、特にポリ−Si TFTsまたはMIMsに基づくマトリックスディスプレイ素子を包含する。
しかしながら、本発明によるディスプレイとねじれネマティックセルを基材とする従来慣用のディスプレイとの間の基本的差異は、液晶層の液晶パラメーターの選択にある。
【0057】
本発明に従い使用することができる液晶混合物は、それ自体慣用の方法で製造することができる。一般に、少ない方の量で使用される成分の所望量を、主要成分を構成する成分中に、有利には上昇温度で溶解させる。有機溶剤中の、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中の諸成分の溶液を混合し、充分に混合した後に、例えば蒸留により溶剤を除去することもできる。
本発明による誘電体はまた、当業者に公知であって、刊行物に記載されている他の添加剤を含有することができる。例えば、0〜15%の多色性染料またはカイラルドーピング剤を添加することができる。
【0058】
Cは結晶相を表わし、Sはスメクティック相を表わし、ScはスメクティックC相を表わし、Nはネマティック相を表わし、そしてIは等方性相を表わす。
V10は10%透過(視角は基板表面に対して垂直)にかかわる電圧を表わす。tonは、V10の数値の2.5倍に相当する動作電圧における、スイッチ−オン時間を表わし、そしてtoffは、スイッチ−オフ時間を表わす。△nは、光学異方性を表わし、そしてn0は屈折率を表わす。△εは誘電異方性を表わす(△ε=ε‖−ε⊥、ここでε‖は分子の縦軸に対して平行の誘電率であり、そしてε⊥は分子の縦軸に対して垂直の誘電率である)。電気光学的データは、別段の記載がないかぎり、20℃で、第一最低値(すなわち、0.5のd・△n値)において、TNセルで測定したものである。光学データは、別段の記載がないかぎり、20℃で測定したものである。
【0059】
【実施例】
本出願および下記例において、液晶化合物の構造は、下記表AおよびBに従い考慮できる化学式中への変換とともに、頭文字で示されている。基CnH2n+1およびCmH2m+1は全部、n個またはm個の炭素原子をそれぞれ有する直鎖状アルキル基である。表Bのコードは自明である。表Aには基本構造に関わる頭文字のみが示されている。各場合に、基本構造にかかわる頭文字の後にハイフンで分離して、下記コードで示されている置換基R1、R2、L1およびL2が示されている:
【0060】
【表1】
【0061】
好適混合物の成分を表AおよびBに示す。
表A:
【化25】
【0062】
【化26】
【0063】
表B:
【化27】
【0064】
以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を説明しようとするものである。本明細書全体をとおして、パーセンテージは重量パーセントである。温度はいずれも、摂氏度で示されている。m.p.は融点を表わし、c.p.=透明点である。さらにまた、C=結晶状態、N=ネマティック相、S=スメクティック相そしてI=等方性相である。これらの記号間のデータは転移温度を表わす。△nは光学異方性を表わし(589nm、20℃)、そして粘度(mm2/秒)は20℃で測定した。
「慣用の仕上げ処理」は、必要に応じて、水を添加し、この混合物をジクロロメタン、ジエチルエーテルまたはトルエンにより抽出し、この有機相を分離採取し、乾燥させ、次いで蒸発させ、この生成物を減圧蒸留により、または結晶化および(または)クロマトグラフイにより精製することを意味する。
【0065】
下記の略語を使用する:
DAST ジエチルアミノサルファートリフルオライド
DMEU 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン
POT カリウムtert−ブトキシド
PdCl2dppt ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド
THF テトラヒドロフラン
pTsOH p−トルエンスルホン酸
【0066】
例1
【化28】
工程1.1
【化29】
【0067】
ホウ水素化ナトリウム 4ミリモルを、55℃で窒素雰囲気の下に、THF24ml中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 4ミリモルに添加する。この混合物を、0.5時間還流させ、この懸濁液を次いで、40℃に冷却させる。この触媒溶液を、50℃で、化合物I 0.27モル、化合物II0.27モル、トルエン 600mlおよび炭酸ナトリウム溶液 0.56モルからなる反応混合物に滴下して添加する。この混合物を、50℃で終夜撹拌し、水を添加し、次いでこの混合物を慣用の仕上げ処理に付す。
【0068】
工程1.2
【化30】
【0069】
臭化アエン 5.1gおよびリチウム顆粒 0.56gを、窒素雰囲気の下にトルエン/THF(4:1)100mlに溶解した化合物IV 0.02モルに添加し、この反応混合物を、撹拌しながら4時間、超音波で処理する。この反応混合物に、15〜20℃で、化合物III 0.02モルおよびPdCl2dppt 0.6gを添加する。この混合物を、25℃で48時間撹拌し、塩化アンモニウム溶液を添加し、この反応混合物をケイソウ土に通して濾過する。この濾液を慣用の仕上げ処理に付す。
C 91 N 237.3I;△n=+0.150;△ε=14.83。
【0070】
同様にして、下記式で表わされる化合物が製造される:
【化31】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
混合物例
例A
【表5】
【0075】
透明点[℃]: +96
△n[589nm、20℃]: +0.0952
V(10,0,20) [V]: 1.60
回転粘性率γ1 [mPa・s、20℃]: 190
【0076】
例B
【表6】
【0077】
透明点[℃]: +10.0
△n[589nm、20℃]: +0.0953
V(10,0,20) [V]: 1.75
回転粘性率γ1 [mPa・s、20℃]: 168
【0078】
例C
【表7】
透明点[℃]: +103
【0079】
例D
【表8】
透明点[℃]: +71
△n[589nm、20℃]: +0.0918
V(10,0,20) [V]: 1.07
【0080】
例E
【表9】
透明点[℃]: +89
△n[589nm、20℃]: +0.0932
V(10,0,20) [V]: 1.22
【0081】
例F
【表10】
透明点[℃]: +104
△n[589nm、20℃]: +0.0967
V(10,0,20) [V]: 1.62
【0082】
例G
【表11】
透明点[℃]: +59
△n[589nm、20℃]: +0.1055
V(10,0,20) [V]: 0.95
【0083】
例H
【表12】
透明点[℃]: +101
△n[589nm、20℃]: +0.1056
V(10,0,20) [V]: 1.39
【0084】
例I
【表13】
透明点[℃]: +95
回転粘性率γ1 [mPa・s、20℃]: 204
△n[589nm、20℃]: +0.0948
V(10,0,20) [V]: 1.24
Claims (12)
- 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基材とする液晶媒体であって、下記一般式Iで表わされる化合物の1種または2種以上を含有し:
L1は、Fであり、
さらに一般式II、III、IV、VおよびVI:
R0は、それぞれ7個までの炭素原子を有するn−アルキル基、オキサアルキル基、フルオロアルキル基またはアルケニル基であり、
X0は、FまたはClであるか、あるいは炭素原子1〜6個を有する、ハロゲン化されているアルキル基、アルケニル基またはアルコキシ基であり、
Y1およびY2はそれぞれ相互に独立して、HまたはFであり、
rは、0または1である、
からなる群から選択される1種または2種以上の化合物を含有する液晶媒体。 - YがFである、請求項1に記載の液晶媒体。
- YがOCF3 である、請求項1に記載の液晶媒体。
- YがClである、請求項1に記載の液晶媒体。
- YがCF3 である、請求項1に記載の液晶媒体。
- 式I〜式VIで表わされる化合物の割合が総合して、総混合物の少なくとも50重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の液晶媒体。
- 式Iで表わされる化合物の割合が、総混合物の5〜95重量%であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶媒体。
- 式II〜式VIで表わされる化合物の割合が、総混合物の30〜70重量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の液晶媒体。
- 式Iで表わされる化合物において、YがF、OCF3、OCHF2、OCHFCF3、OCH2CF3、OCH=CF2またはOC2F5であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶媒体。
- 請求項1に記載の液晶媒体の電気−光学目的への使用。
- 請求項1に記載の液晶媒体を含有する電気光学液晶ディスプレイ。
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