JPH0782244A - スルホニウム塩の製造方法 - Google Patents
スルホニウム塩の製造方法Info
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- JPH0782244A JPH0782244A JP24975593A JP24975593A JPH0782244A JP H0782244 A JPH0782244 A JP H0782244A JP 24975593 A JP24975593 A JP 24975593A JP 24975593 A JP24975593 A JP 24975593A JP H0782244 A JPH0782244 A JP H0782244A
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- sulfonium
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、優れた収率でスルホニウムヘキサフ
ルオロ金属または半金属塩を得る製造法を提供する。 【構成】(A)無水酸化合物のアルキルスルホン酸溶液
を有効量で存在させて、ジアリールスルホキシドとポリ
アリールスルフィド類とを反応させてスルホニウム錯体
を生成させ、(B)(A)で得られたスルホニウム錯体
とアルカリ金属塩のヘキサフルオロ金属または半金属塩
とを反応させ、(C)(B)の混合物からスルホニウム
のヘキサフルオロ金属または半金属塩を回収することか
らなるスルホニウムのヘキサフルオロ金属または半金属
塩の製造法。
ルオロ金属または半金属塩を得る製造法を提供する。 【構成】(A)無水酸化合物のアルキルスルホン酸溶液
を有効量で存在させて、ジアリールスルホキシドとポリ
アリールスルフィド類とを反応させてスルホニウム錯体
を生成させ、(B)(A)で得られたスルホニウム錯体
とアルカリ金属塩のヘキサフルオロ金属または半金属塩
とを反応させ、(C)(B)の混合物からスルホニウム
のヘキサフルオロ金属または半金属塩を回収することか
らなるスルホニウムのヘキサフルオロ金属または半金属
塩の製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光カチオン重合開始剤
として有用なスルホニウム塩の製造方法に関する。
として有用なスルホニウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】対称的および非対称的なトリアリールス
ルホニウム塩のさまざまな製法が知られている。たとえ
ば1981年ニューヨークのジョン・ウイリー(John W
iley)刊、ロウ(P.A.Lowe) 著「スルホニウム基の化学
(chemistry of the SulfoniumGroup)第1巻の第13
頁、および1975年ロンドンのアカデミック・プレス
(Academic Press) 刊、トロスト(Trost)ら著「新しい
合成中間体(Emerging Sy-nthetic Intermediateには、
トリアリールスルホニウム塩を合成する合成経路の概論
がある。
ルホニウム塩のさまざまな製法が知られている。たとえ
ば1981年ニューヨークのジョン・ウイリー(John W
iley)刊、ロウ(P.A.Lowe) 著「スルホニウム基の化学
(chemistry of the SulfoniumGroup)第1巻の第13
頁、および1975年ロンドンのアカデミック・プレス
(Academic Press) 刊、トロスト(Trost)ら著「新しい
合成中間体(Emerging Sy-nthetic Intermediateには、
トリアリールスルホニウム塩を合成する合成経路の概論
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第41734
76号には、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスル
フィドおよび五酸化リンの混合物を使用してトリアリー
ルスルホニウム錯体を製造する手順が示されている。こ
の方法によってトリアリールスルホニウム錯塩が得られ
るとはいうものの、この塩の収率は11%とかなり低
く、しかも使用できる原料の範囲は極めて限定されてい
る。加えて、反応混合物は五酸化リンが不溶性であるた
めに不均質である。さらに過剰の五酸化リン加水分解
は、反応混合物が粘着質な塊りとなるために、遅く、製
造は複雑である。トリアリールスルホニウム錯体を製造
するための改良方法が米国特許出願第771744号に
示されている。それによると過酢酸のような酸化剤およ
び脱水剤と組合せて硫酸のような強酸を使用してジアリ
ールスルフィドとジアリールスルホキシドとの混合物を
その塩で生成させる。この混合物は、対応するトリアリ
ールスルホニウム酸錯体に変換した後メタシス(複分
解)を起こさせて対応するヘキサフルオロ金属または半
金属塩に対することができる。硫酸のような強い酸を用
いて有効な結果を得ることはできるもののポリアリール
スルフィド類のスルホン化が副反応として競合する結
果、収率が低くなるおそれがある。
76号には、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスル
フィドおよび五酸化リンの混合物を使用してトリアリー
ルスルホニウム錯体を製造する手順が示されている。こ
の方法によってトリアリールスルホニウム錯塩が得られ
るとはいうものの、この塩の収率は11%とかなり低
く、しかも使用できる原料の範囲は極めて限定されてい
る。加えて、反応混合物は五酸化リンが不溶性であるた
めに不均質である。さらに過剰の五酸化リン加水分解
は、反応混合物が粘着質な塊りとなるために、遅く、製
造は複雑である。トリアリールスルホニウム錯体を製造
するための改良方法が米国特許出願第771744号に
示されている。それによると過酢酸のような酸化剤およ
び脱水剤と組合せて硫酸のような強酸を使用してジアリ
ールスルフィドとジアリールスルホキシドとの混合物を
その塩で生成させる。この混合物は、対応するトリアリ
ールスルホニウム酸錯体に変換した後メタシス(複分
解)を起こさせて対応するヘキサフルオロ金属または半
金属塩に対することができる。硫酸のような強い酸を用
いて有効な結果を得ることはできるもののポリアリール
スルフィド類のスルホン化が副反応として競合する結
果、収率が低くなるおそれがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、優れた収率の製造方
法(無水酸化合物のアルキレンスルホン酸溶液の存在下
でジアリールスルホキシドとポリアリールスルフィド類
とを縮合させることによって、対称的および非対称的な
トリアリールスルホニウム錯体を優れた収率で合成する
ことができる。トリアリールスルホニウム錯体から対応
するヘキサフルオロ金属または半金属塩への変換はアル
カリ金属または半金属ヘキサフルオロ塩とのメタセシス
(複分解)反応によって行うことができる。)を提供す
ることに成功した。
題を解決するため鋭意研究の結果、優れた収率の製造方
法(無水酸化合物のアルキレンスルホン酸溶液の存在下
でジアリールスルホキシドとポリアリールスルフィド類
とを縮合させることによって、対称的および非対称的な
トリアリールスルホニウム錯体を優れた収率で合成する
ことができる。トリアリールスルホニウム錯体から対応
するヘキサフルオロ金属または半金属塩への変換はアル
カリ金属または半金属ヘキサフルオロ塩とのメタセシス
(複分解)反応によって行うことができる。)を提供す
ることに成功した。
【0005】すなわち、本発明は、(A)無水酸化合物
のアルキルスルホン酸溶液を有効量で存在させてジアリ
ールスルホキシドとポリアリールスルフィド類とを反応
させてスルホニウム錯体を生成させ、(B)(A)で得
られたスルホニウム錯体とアルカリ金属塩のヘキサフル
オロ金属または半金属塩とを反応させ、(C)(B)の
混合物からスルホニウムのヘキサフルオロ金属または半
金属塩を回収することからなる。スルホニウムのヘキサ
フルオロ金属または半金属塩の製造方法、に関する。
のアルキルスルホン酸溶液を有効量で存在させてジアリ
ールスルホキシドとポリアリールスルフィド類とを反応
させてスルホニウム錯体を生成させ、(B)(A)で得
られたスルホニウム錯体とアルカリ金属塩のヘキサフル
オロ金属または半金属塩とを反応させ、(C)(B)の
混合物からスルホニウムのヘキサフルオロ金属または半
金属塩を回収することからなる。スルホニウムのヘキサ
フルオロ金属または半金属塩の製造方法、に関する。
【0006】本発明に使用するジアリールスルホキシド
の具体例としては、ジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジフ
ルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−ジフルオロ
ジフェニルホキシド、4,2′−ジフルオロジフェニル
スルホキシド、4,4′−ジブロムジフェニルスルホキ
シド、ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
メチルジフェニルスルホキジド、4,4′−ジエチルジ
フェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニ
ルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシ
ド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド等が挙げ
られる。
の具体例としては、ジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジフルオロジフェニルスルホキシド、2,2′−ジフ
ルオロジフェニルスルホキシド、3,3′−ジフルオロ
ジフェニルホキシド、4,2′−ジフルオロジフェニル
スルホキシド、4,4′−ジブロムジフェニルスルホキ
シド、ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
メチルジフェニルスルホキジド、4,4′−ジエチルジ
フェニルスルホキシド、4,4′−ジメトキシジフェニ
ルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシ
ド、4−フェニルチオジフェニルスルホキシド等が挙げ
られる。
【0007】ポリアリールスルフィド類の具体例として
は、例えば、ジフェニルスルフィド、(4−メチルフェ
ニル)フェニルスルフィド、(2−メチルフェニル)フ
ェニルスルフィド、(3−クロロフェニル)フェニルス
ルフィド、ビス(1,4−チオフェノキシ)ベンゼン、
は、例えば、ジフェニルスルフィド、(4−メチルフェ
ニル)フェニルスルフィド、(2−メチルフェニル)フ
ェニルスルフィド、(3−クロロフェニル)フェニルス
ルフィド、ビス(1,4−チオフェノキシ)ベンゼン、
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】
【化8】
【0016】
【化9】
【0017】等を挙げることができる。本発明を実施す
る際に、ジアリールスルホキシドとポリアリールスルフ
ィドとの縮合は、無水酸化合物(例えば、無水酢酸無水
プロピオン酸、無水(メタ)アクリル酸、無水ヘキサヒ
ドロフタル酸、等)のアルキルスルホン酸(例えば、メ
タンスルホン酸エタンスルホン酸、1−プロパンスルホ
ン酸等)溶液の存在下、30〜150℃の範囲の温度で
実施することができる。このスルホニウム錯体を形成す
るには、ジアリールスルホキシドとポリアリールスルフ
ィド類とをほぼ等当量で使用するのが好ましい。しか
し、ポリアリールスルフィド類1当量に対してジアリー
ルスルホキシドを1〜3当量で変化させても有効な結果
が得られる。無水酸化合物のアルキルスルホン酸溶液
は、アルキルスルホン酸100重量部に対して無水酸化
合物が約10〜100重量部で構成されているものが好
ましい。反応時間は、ジアリールスルホキシドとポリア
リールスルフィド類の種類と攪拌の程度により3〜15
時間とすることができる。スルホニウム錯体は、この混
合物から単離する必要はなく、そのままで水と一緒にし
た後、アルカリ金属のヘキサフルオロ金属または半金属
塩(例えば、NaSbF6 、NaPF6 、NaAs
F6 、KSbF6 、KPF6、KAsF6 等)を添加す
ることによってメタセシス(複分解)反応を起こさせる
ことができる。上記のスルホニウムのヘキサフルオロ金
属または半金属塩の回収は、ろ過、デカンテーション、
または有機溶剤(例えば、エタノール、アセトニトリ
ル、ジクロロエタン等)からの再結晶といったような標
準的な技術によって行うことができる。
る際に、ジアリールスルホキシドとポリアリールスルフ
ィドとの縮合は、無水酸化合物(例えば、無水酢酸無水
プロピオン酸、無水(メタ)アクリル酸、無水ヘキサヒ
ドロフタル酸、等)のアルキルスルホン酸(例えば、メ
タンスルホン酸エタンスルホン酸、1−プロパンスルホ
ン酸等)溶液の存在下、30〜150℃の範囲の温度で
実施することができる。このスルホニウム錯体を形成す
るには、ジアリールスルホキシドとポリアリールスルフ
ィド類とをほぼ等当量で使用するのが好ましい。しか
し、ポリアリールスルフィド類1当量に対してジアリー
ルスルホキシドを1〜3当量で変化させても有効な結果
が得られる。無水酸化合物のアルキルスルホン酸溶液
は、アルキルスルホン酸100重量部に対して無水酸化
合物が約10〜100重量部で構成されているものが好
ましい。反応時間は、ジアリールスルホキシドとポリア
リールスルフィド類の種類と攪拌の程度により3〜15
時間とすることができる。スルホニウム錯体は、この混
合物から単離する必要はなく、そのままで水と一緒にし
た後、アルカリ金属のヘキサフルオロ金属または半金属
塩(例えば、NaSbF6 、NaPF6 、NaAs
F6 、KSbF6 、KPF6、KAsF6 等)を添加す
ることによってメタセシス(複分解)反応を起こさせる
ことができる。上記のスルホニウムのヘキサフルオロ金
属または半金属塩の回収は、ろ過、デカンテーション、
または有機溶剤(例えば、エタノール、アセトニトリ
ル、ジクロロエタン等)からの再結晶といったような標
準的な技術によって行うことができる。
【0018】本発明に従って製造されるスルホニウムの
ヘキサフルオロ金属または半金属塩は、カチオン重合性
物質(例えば、エポキシ樹脂類、具体的には、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビ
スフェノール化合物またはビスフェノール化合物のエチ
レンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加体と
エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシ
ジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフ
ェノールメタントリグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル−5,5−スピロー3,4−エポキ
シ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,
3−エポキシシクロペンチルエーテル、EHPE−31
50(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹
脂、軟化点71℃)、1,4−ブタンジオールのジグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシ
ジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル
等、ビニル化合物類、具体的には、スチレン、α−メチ
ルスチレン、トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シク
ロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、
1,4−ブタンジオールジビニルエーテル
ヘキサフルオロ金属または半金属塩は、カチオン重合性
物質(例えば、エポキシ樹脂類、具体的には、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビ
スフェノール化合物またはビスフェノール化合物のエチ
レンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加体と
エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシ
ジルエーテル類、ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフ
ェノールメタントリグリシジルエーテル、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペート、2−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル−5,5−スピロー3,4−エポキ
シ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサン、ビス(2,
3−エポキシシクロペンチルエーテル、EHPE−31
50(ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹
脂、軟化点71℃)、1,4−ブタンジオールのジグリ
シジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシ
ジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル
等、ビニル化合物類、具体的には、スチレン、α−メチ
ルスチレン、トリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シク
ロヘキサン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、
1,4−ブタンジオールジビニルエーテル
【0019】
【化10】
【0020】
【化11】
【0021】及びウレタンポリビニルエーテル(例え
ば、ALLIED−SIGNAL社製、VEctome
r 2010)等が挙げられる。)の光重合を実施する
際に光重合開始剤として使用することができる。
ば、ALLIED−SIGNAL社製、VEctome
r 2010)等が挙げられる。)の光重合を実施する
際に光重合開始剤として使用することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。 実施例1 無水酢酸7.9gとメタンスルホン酸43.0gを混
合、溶解し、これにジフェニルスルホキシド12.12
g(0.06モル)とジフェニルスルフィド9.3g
(0.05モル)を仕込み、80℃に昇温し6時間反応
を行い、次に反応混合物を300mlの水に注ぎ入れた
ヘキサフルオロリン酸カリウムを9.5gを加えた。そ
の後混合物を1時間攪拌し茶色の結晶混合物をろ過し、
水洗してから乾燥した。この粗生成物を無水エタノール
から再結晶させ精製した。ヘキサフルオロリン酸(4−
チオフェノキシフェニル)ジフェニルスルホニウムが8
8%の収率で得られた。融点は117.5〜119℃で
あった。元素分析の結果、計算値が炭素55.80%、
水素3.71%、イオウ12.41%で、実測値が炭素
55.81%、水素3.72%、イオウ12.40%で
あった。
明する。 実施例1 無水酢酸7.9gとメタンスルホン酸43.0gを混
合、溶解し、これにジフェニルスルホキシド12.12
g(0.06モル)とジフェニルスルフィド9.3g
(0.05モル)を仕込み、80℃に昇温し6時間反応
を行い、次に反応混合物を300mlの水に注ぎ入れた
ヘキサフルオロリン酸カリウムを9.5gを加えた。そ
の後混合物を1時間攪拌し茶色の結晶混合物をろ過し、
水洗してから乾燥した。この粗生成物を無水エタノール
から再結晶させ精製した。ヘキサフルオロリン酸(4−
チオフェノキシフェニル)ジフェニルスルホニウムが8
8%の収率で得られた。融点は117.5〜119℃で
あった。元素分析の結果、計算値が炭素55.80%、
水素3.71%、イオウ12.41%で、実測値が炭素
55.81%、水素3.72%、イオウ12.40%で
あった。
【0023】実施例2 無水酢酸19.5gとエタンスルホン酸106.2gを
混合、溶解し、これに(4−ベンゾイル)ジフェニルス
ルフィド29.0g、4,4′−ジフルオロジフェニル
スルホキシド23.9gを仕込み、80℃に昇温し7時
間反応を行い、次に反応混合物を300mlの水に注ぎ
入れた後、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムを16.8
g加えたところ沈殿が生成した。この生成物を1時間攪
拌し、ろ過し、水で洗い乾燥させた。この粗生成物を無
水イソプロパノールから再結晶させ精製した。この製法
による生成物の収率は85%で、融点は136.5〜1
39℃であった。生成物の構造式は下記のものであり、
元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
混合、溶解し、これに(4−ベンゾイル)ジフェニルス
ルフィド29.0g、4,4′−ジフルオロジフェニル
スルホキシド23.9gを仕込み、80℃に昇温し7時
間反応を行い、次に反応混合物を300mlの水に注ぎ
入れた後、ヘキサフルオロリン酸ナトリウムを16.8
g加えたところ沈殿が生成した。この生成物を1時間攪
拌し、ろ過し、水で洗い乾燥させた。この粗生成物を無
水イソプロパノールから再結晶させ精製した。この製法
による生成物の収率は85%で、融点は136.5〜1
39℃であった。生成物の構造式は下記のものであり、
元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0024】
【化12】
【0025】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 56.70 56.71 水素 3.23 3.22 イオウ 9.76 9.77
【0026】実施例3 無水プロピオン酸23.9gとメタンスルホン酸13
0.6gを混合溶解し、これに(4−p−クロロベンゾ
イル)ジフェニルスルフィド32.5g、4,4′−ジ
ブロムジフェニルスルホキシド36gを仕込み、80℃
に昇温し7時間反応を行い、次に反応混合物を400m
lの水に注ぎ入れた後、ヘキサフルオロアンチモン酸ナ
トリウムを25.8g加えたところ沈殿が生成した。こ
の生成物を1時間攪拌し、ろ過し、水で洗い乾燥させ
た。この粗生成物を無水イソプロパノールから再結晶さ
せ精製した。この製法による生成物の収率は87%で融
点は127〜129℃であった。生成物の構造式は下記
のものであり、元粗分析の結果は計算値にほぼ一致し
た。
0.6gを混合溶解し、これに(4−p−クロロベンゾ
イル)ジフェニルスルフィド32.5g、4,4′−ジ
ブロムジフェニルスルホキシド36gを仕込み、80℃
に昇温し7時間反応を行い、次に反応混合物を400m
lの水に注ぎ入れた後、ヘキサフルオロアンチモン酸ナ
トリウムを25.8g加えたところ沈殿が生成した。こ
の生成物を1時間攪拌し、ろ過し、水で洗い乾燥させ
た。この粗生成物を無水イソプロパノールから再結晶さ
せ精製した。この製法による生成物の収率は87%で融
点は127〜129℃であった。生成物の構造式は下記
のものであり、元粗分析の結果は計算値にほぼ一致し
た。
【0027】
【化13】
【0028】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 41.20 41.21 水素 2.22 2.23 イオウ 7.10 7.10
【0029】実施例4 無水酢酸33.4gと1−プロパンスルホン酸182.
1gを混合溶解し、これにジフェニルスルホキシド4
0.4gと下記の構造式の化合物50.3gを仕込み、
1gを混合溶解し、これにジフェニルスルホキシド4
0.4gと下記の構造式の化合物50.3gを仕込み、
【0030】
【化14】
【0031】80℃に昇温し10時間反応を行い、次に
反応混合物を1000mlの水に注ぎ入れた後、ヘキサ
フルオロアンチモン酸ナトリウム51.7gを加えたと
ころ白色の固体を得た。この固体をデカンテーションに
より単離し、水洗し、ろ過し乾燥した。この固体を無水
イソプロパノールから再結晶させ精製した。この製法に
よる生成物の収率は89%で、融点は、160〜162
℃である。生成物の構造式は、下記のものであり元素分
析の結果は計算値にほぼ一致した。
反応混合物を1000mlの水に注ぎ入れた後、ヘキサ
フルオロアンチモン酸ナトリウム51.7gを加えたと
ころ白色の固体を得た。この固体をデカンテーションに
より単離し、水洗し、ろ過し乾燥した。この固体を無水
イソプロパノールから再結晶させ精製した。この製法に
よる生成物の収率は89%で、融点は、160〜162
℃である。生成物の構造式は、下記のものであり元素分
析の結果は計算値にほぼ一致した。
【0032】
【化15】
【0033】 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 50.00 50.03 水素 3.00 3.00 イオウ 9.53 9.54
【0034】応用例 表1に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
紫外線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。これをア
ルミテストパネル上に5μに塗布し、高圧水銀灯(80
w/cm)で8cmの距離から紫外線を照射し硬化さ
せ、指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を測定し
た。
紫外線硬化性組成物を配合し、混合溶解した。これをア
ルミテストパネル上に5μに塗布し、高圧水銀灯(80
w/cm)で8cmの距離から紫外線を照射し硬化さ
せ、指触乾燥するまでの照射量(mJ/cm2)を測定し
た。
【0035】
【表1】 表1 応 用 例 1 2 3 4 実施例1で得た生成物 1.5 実施例2で得た生成物 1.5 実施例3で得た生成物 1.5 実施例4で得た生成物 1.5 セロキサイド 2021 *1 80 80 80 80 EHPE−3150 *2 20 20 20 20 指触乾燥性(照射量mJ/cm2) 75 69 23 23
【0036】注 *1 セロキサイド 2021:
ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *2 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)
製、脂環式エポキシ樹脂 上記実施例は本発明の実施に従って製造することができ
る非常に多くのスルホニウムのヘキサフルオロ金属また
は半金属塩のほんのわずかの例に関するものであるが本
発明は、これら実施例に先行する詳細な説明に示されて
いるように、ジアリールスルホキシドとポリアリールス
ルフィド類との間の反応を助長するために無水酸化合物
とアルキルスルホン酸の溶液を使用してスルホニウム錯
体を生成させた後、そのスルホニウム塩とアルカリ金属
または半金属ヘキサフルオロ塩とのメタシス(複分解)
によって得られるずっと広範囲のスルホニウムヘキサフ
ルオロ金属又は半金属塩の合成に関するものである。
ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂 *2 EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)
製、脂環式エポキシ樹脂 上記実施例は本発明の実施に従って製造することができ
る非常に多くのスルホニウムのヘキサフルオロ金属また
は半金属塩のほんのわずかの例に関するものであるが本
発明は、これら実施例に先行する詳細な説明に示されて
いるように、ジアリールスルホキシドとポリアリールス
ルフィド類との間の反応を助長するために無水酸化合物
とアルキルスルホン酸の溶液を使用してスルホニウム錯
体を生成させた後、そのスルホニウム塩とアルカリ金属
または半金属ヘキサフルオロ塩とのメタシス(複分解)
によって得られるずっと広範囲のスルホニウムヘキサフ
ルオロ金属又は半金属塩の合成に関するものである。
【0037】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、収率よくスル
ホニウムヘキサフルオロ金属または半金属塩を得ること
ができる。又これらスルホニウムヘキサフルオロ金属ま
たは半金属塩は、カチオン重合性物質の光重合を実施す
る際に光重合開始剤として使用することができる。
ホニウムヘキサフルオロ金属または半金属塩を得ること
ができる。又これらスルホニウムヘキサフルオロ金属ま
たは半金属塩は、カチオン重合性物質の光重合を実施す
る際に光重合開始剤として使用することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)無水酸化合物のアルキルスルホン酸
溶液の有効量で存在させてジアリールスルホキシドとポ
リアリールスルフィド類とを反応させてスルホニウム錯
体を生成させ、(B)(A)で得られたスルホニウム錯
体とアルカリ金属塩のヘキサフルオロ金属または半金属
塩とを反応させ、(C)(B)の混合物からスルホニウ
ムのヘキサフルオロ金属または半金属塩を回収すること
からなるスルホニウムのヘキサフルオロ金属または半金
属塩の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24975593A JPH0782244A (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | スルホニウム塩の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24975593A JPH0782244A (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | スルホニウム塩の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0782244A true JPH0782244A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=17197748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24975593A Pending JPH0782244A (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | スルホニウム塩の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0782244A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005000801A1 (ja) * | 2003-06-25 | 2006-08-03 | サンアプロ株式会社 | モノスルホニウム塩の製造方法、カチオン重合開始剤、硬化性組成物および硬化物 |
WO2007061024A1 (ja) | 2005-11-25 | 2007-05-31 | San-Apro Limited | フッ素化アルキルフルオロリン酸スルホニウムの製造方法 |
WO2017115690A1 (ja) | 2015-12-29 | 2017-07-06 | サンアプロ株式会社 | 感光性組成物 |
WO2021251035A1 (ja) | 2020-06-12 | 2021-12-16 | サンアプロ株式会社 | 新規オニウム塩、および光酸発生剤 |
WO2022130796A1 (ja) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | サンアプロ株式会社 | 光酸発生剤及びこれを用いた感光性組成物 |
-
1993
- 1993-09-13 JP JP24975593A patent/JPH0782244A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2005000801A1 (ja) * | 2003-06-25 | 2006-08-03 | サンアプロ株式会社 | モノスルホニウム塩の製造方法、カチオン重合開始剤、硬化性組成物および硬化物 |
JP4602252B2 (ja) * | 2003-06-25 | 2010-12-22 | サンアプロ株式会社 | モノスルホニウム塩の製造方法、カチオン重合開始剤、硬化性組成物および硬化物 |
WO2007061024A1 (ja) | 2005-11-25 | 2007-05-31 | San-Apro Limited | フッ素化アルキルフルオロリン酸スルホニウムの製造方法 |
JP5081627B2 (ja) * | 2005-11-25 | 2012-11-28 | サンアプロ株式会社 | フッ素化アルキルフルオロリン酸スルホニウムの製造方法 |
WO2017115690A1 (ja) | 2015-12-29 | 2017-07-06 | サンアプロ株式会社 | 感光性組成物 |
WO2021251035A1 (ja) | 2020-06-12 | 2021-12-16 | サンアプロ株式会社 | 新規オニウム塩、および光酸発生剤 |
WO2022130796A1 (ja) | 2020-12-14 | 2022-06-23 | サンアプロ株式会社 | 光酸発生剤及びこれを用いた感光性組成物 |
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