JPH11269169A - スルホニウム塩の製造方法 - Google Patents

スルホニウム塩の製造方法

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JPH11269169A
JPH11269169A JP9069798A JP9069798A JPH11269169A JP H11269169 A JPH11269169 A JP H11269169A JP 9069798 A JP9069798 A JP 9069798A JP 9069798 A JP9069798 A JP 9069798A JP H11269169 A JPH11269169 A JP H11269169A
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JP
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sulfuric acid
compound
salt
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acetic anhydride
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JP9069798A
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Toru Ozaki
徹 尾崎
Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光カチオン重合開始剤に用いるチオキサントサ
ン化合物のジアリールスルホニウム塩を高純度、高収率
で得る方法及びこれにより得られる化合物の提供。 【解決手段】無水酢酸と硫酸の存在下に、ジアリールス
ルホキシドとチオキサントン化合物とを反応させ、必要
に応じ塩交換反応を行うチオキサントン化合物のジアリ
ールスルホニウム塩の製造方法。及び、これにより得ら
れる式(1)で表される2−イソプロピルチオキサント
ンの4,4′−ジメチルジフェニルスルホニウム塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光カチオン重合開
始剤として有用なスルホニウム塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアリールスルホキシドとチオキサント
ン化合物とを反応させてチオキサントン化合物のジアリ
ールスルホニウム塩を得る方法として、五酸化リン、濃
硫酸、無水酢酸等の脱水剤中で縮合反応させる方法が特
開平9−12614号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実施例による
と、無水酢酸と高価なメタンスルホン酸を併用して縮合
反応を行っているため、コスト高という問題があり、よ
り安価な製造方法の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、無水酢酸と硫酸の混
合溶媒を使用すると、収率良く、高純度のスルホニウム
塩が得られることを見い出した。すなわち、本発明は、
(1)無水酢酸と硫酸の存在下に、ジアリールスルホキ
シドとチオキサントン化合物とを反応させることを特徴
とするチオキサントン化合物のジアリールスルホニウム
塩の製造方法、(2)下記式(1)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Xは対イオンである。)で表され
る2−イソプロピルチオキサントンの4,4’−ジメチ
ルジフェニルスルホニウム塩。に関する。
【0007】本発明に使用するジアリールスルホキシド
としては、例えばジフェニルスルホキシド、4,4′−
ジハロゲノジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ(C
1〜C4)アルキルジフェニルスルホキシド、4,4′
−ジ(C1〜C4)アルコキシジフェニルスルホキシド
等のジフェニルスルホキシド類が挙げられる。4,4′
−ジハロゲノジフェニルスルホキシドとしては、例えば
4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
クロロジフェニルスルホキシド等が、4,4′−ジ(C
1〜C4)アルキルジフェニルスルホキシドとしては、
例えば4,4′−ジメチルジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジエチルジフェニルスルホキシド等が、4,
4′−ジ(C1〜C4)アルコキシジフェニルスルホキ
シドとしては、例えば4,4′−ジメトキシジフェニル
スルホキシド等がそれぞれあげられる。
【0008】チオキサントン化合物としては、例えば
2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジプロピル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
2,3,4−トリメチルチオキサントン等のモノ、ジも
しくはトリ(C1〜C4)アルキルチオキサントン、1
−メチル−4−クロロチオキサントン、1,2−ジメチ
ル−4−クロロチオキサントン、1,3−ジメチル−4
−クロロチオキサントン等のモノもしくはジ(C1〜C
4)アルキル−ハロゲノ−チオキサントン、2−ヒドロ
キシ−3,4−ジメチルチオキサントン、1−メチル−
4−ヒドロキシ−チオキサントン等のモノもしくはジ
(C1〜C4)アルキル−ヒドロキシ−チオキサント
ン、2−クロロチオキサントン等のハロゲノチオキサン
トン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等の
ハロゲノ−(C1〜C4)アルキコキシ−チオキサント
ン、1−メトキシチオキサントン、2−メトキシチオキ
サントン、3−メトキシチオキサントン、4−メトキシ
チオキサントン、3−エトキシチオキサントン等の(C
1〜C4)アルコキシチオキサントン、3−ニトロチオ
キサントン、1,3,4−トリメチル−2−オキシカル
ボニルメチルチオキサントン、2−オキシカルボニルメ
チル−4−メチルチオキサントン、2−フェニルチオキ
サントン、1−カルボニルオキシメチルチオキサント
ン、1−カルボニルオキシエチル−3−ニトロチオキサ
ントン、1−カルボニルオキシエチル−3−エトキシチ
オキサントン等を挙げることができる。
【0009】本発明のジアリールスルホキシドとチオキ
サントン化合物との縮合は、無水酢酸と硫酸の混合液の
存在下、0〜100℃の範囲の温度で実施することがで
きる。無水酢酸と硫酸の使用量は、チオキサントン化合
物100重量部に対して、硫酸は100〜300重量部
が好ましく、特に好ましくは150〜250重量部であ
り、無水酢酸は100〜1000重量部が好ましく、特
に好ましくは250〜700重量部である。両者の使用
割合は、硫酸100重量部に対して、無水酢酸は50〜
1000重量部である。硫酸は濃硫酸(通常は濃度98
%)が好ましい。又、ジアリールスルホキシドとチオキ
サントン化合物とをほぼ等当量で使用するのが好まし
い。しかし、チオキサントン化合物1当量に対してジア
リールスルホキシドを1〜1.5当量で変化させても有
効な結果が得られる。反応時間は、ジアリールスルホキ
シドとチオキサントン化合物の種類と攪拌の程度によ
り、3〜10時間とすることができる。
【0010】この方法では、通常スルホニウムの硫酸塩
もしくは酢酸塩として得られるが、この反応液から塩交
換により、直接所望のスルホニウム塩を得ることができ
る。即ち、反応液を水と一緒にした後、ヘキサフルオロ
金属のアルカリ金属塩(例えばNaSbF6 、NaPF
6 、NaAsF6 、KSbF6 、KPF6 等)またはア
ルカリ金属テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート塩(例えばLiB(PhF5 4 等)、半金属塩を
添加することによってメタセシス(複分解)反応を起こ
させることができる。上記のスルホニウムのヘキサフル
オロ金属、半金属塩またはテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート塩の回収は、デカンテーション、ま
たは有機溶剤(例えば、エタノール、アセトンニトリ
ル、ジクロロエタン、トルエン、メチルエチルケトン
等)からの再結晶といったような標準的な技術によって
行うことができる。
【0011】これらの方法で得られるスルホニウム塩と
しては、例えば上記式(1)の化合物が挙げられる。こ
の化合物は、光カチオン重合開始能が高く、又生体に対
する安全性の高いものである。上記式(1)において、
Xの対イオンとしては、例えば硫酸イオン、酢酸イオ
ン、SbF6 イオン、PF6 イオン、AsF6 イオン、
B(PhF5 4 イオン(テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ホウ素イオン)等があげられる。
【0012】本発明に従って製造されるスルホニウムの
ヘキサフルオロ金属、半金属またはテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート塩は、カチオン重合性物質
の光重合を実施する際に光重合開始剤として使用するこ
とができる。カチオン重合性物質としては、例えばエポ
キシ樹脂、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物
等のカチオン重合性ビニル化合物、更にはスピロオルソ
エステル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカー
ボナート、オキセタン化合物等の環状エーテル類が挙げ
られる。これらカチオン重合性物質は単独でも2種以上
の混合物でもかまわない。
【0013】エポキシ樹脂としては、従来、公知の芳香
族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ
樹脂、更にはエポキシド単量体類、エピサルファイド単
量体類が挙げられる。ここで、芳香族エポキシ樹脂とし
て例示すれば、少なくとも1個の芳香族核を有する多価
フェノールまたはそのアルキレンオキサイド付加体のポ
リグリシジルエーテルであって、例えばビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェ
ノール化合物またはビスフェノール化合物のアルキレン
オキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド等)付加体とエピクロル
ヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテ
ル類、ノボラック型エポキシ樹脂類(例えば、フェノー
ル・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、臭素化フェノール・ノボラック型エ
ポキシ樹脂等)、トリスフェノールメタントリグリシジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0014】また、脂環式エポキシ樹脂としては、例え
ば3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エ
ポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−
3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサ
ン、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテ
ル、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製、
脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)、エポフレンドA
1005(ダイセル化学工業(株)製、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンブロック共重合体のエポキシ化物)等
が挙げられる。
【0015】更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例とし
ては、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコ
ールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加する
ことにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリ
シジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類
の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジル
エーテルやフェノール、グレゾール、ブチルフェノール
または、これらにアルキレンオキサイドを付加すること
により得られるポリエーテルアルコールのポリグリシジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0016】カチオン重合性ビニル化合物としては、例
えばトリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラ
エチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサン
−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−ブ
タジエンジビニルエーテル、及び下記のビニル化合物等
が挙げられる。
【0017】
【化3】
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。
【0019】実施例1 無水酢酸750gと硫酸250gを混合、溶解し、これ
に2−イソプロピルチオキサントン127gを仕込み,
液温を40℃にして4,4′−ジメチルジフェニルスル
ホキシド115gを約2.5時間で分割して仕込む。次
いで40℃で2.5時間反応後、45℃で2.5時間反
応を行ない、次に反応混合物を1Lの水に注ぎ入れ、2
5%苛性ソーダ水溶液でpH4〜6に調節し、静置し、
下層(水槽)を排水する。上層に水2.5Lを入れ、活
性炭25gを入れ50℃で1時間攪拌し、次いでろ過
し、ろ液にトルエン1200gを加え、更にKSbF6
124gを少量ずつ加え、20分攪拌後、静置し、上層
を排水し、下層に15%食塩水を1000gを加え、攪
拌、静置する。下層を排水した後、トルエンを減圧下約
60℃で留去し、反応物(固体)300gを得た。融点
は107.6〜117.2℃であった。生成物の構造式
は上記式(1)おいて、Xの対イオンがSbF6 陰イオ
ンものであり、元素分析の結果は計算値にほぼ一致し
た。又、HPLCの面積比からの純度は93%であっ
た。
【0020】実施例2.実施例1中、KSbF6 124
gをKPF6 85gに変更する以外は、実施例1と同様
にして、反応物(固体)241gを得た。融点は11
7.8〜127.3℃であった。生成物の構造式は上記
式(1)おいて、Xの対イオンがPF6 陰イオンのもの
であり、元素分析の結果は計算値にほぼ一致した。又、
HPLCの面積比からの純度は94%であった。
【0021】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、収率よく、高
純度でスルホニウム塩を得ることができる。又これらス
ルホニウムヘキサフルオロ金属塩、半金属塩またはテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩は、カチ
オン重合性物質の光重合を実施する際に光重合開始剤と
して使用することができる。本発明の式(1)で表され
る2−イソプロピルチオキサントンの4,4’−ジメチ
ルジフェニルスルホニウム塩は、高純度で得ることがで
き、各種の光重合性樹脂との相溶性にすぐれ、厚膜硬化
や隠蔽力の高い添加剤(例えば顔料)を使用する光重合
性樹脂組成物の硬化に好適である。又、生体に対する安
全性の高いものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水酢酸と硫酸の存在下に、ジアリールス
    ルホキシドとチオキサントン化合物とを反応させ、必要
    に応じ塩交換反応を行うことを特徴とするチオキサント
    ン化合物のジアリールスルホニウム塩の製造方法。
  2. 【請求項2】下記式(1) 【化1】 (式中、Xは対イオンである。)で表される2−イソプ
    ロピルチオキサントンの4,4’−ジメチルジフェニル
    スルホニウム塩。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7230122B2 (en) 2003-11-04 2007-06-12 National Starch And Chemical Investment Holding Corporation Sulfonium salt photinitiators and use thereof
US7318991B2 (en) 2002-03-04 2008-01-15 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Heterocycle-bearing onium salts
JP2016056168A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 東洋合成工業株式会社 スルホニウム塩の製造方法

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