JPH0777830A - 磁性現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット - Google Patents

磁性現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット

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JPH0777830A
JPH0777830A JP5246058A JP24605893A JPH0777830A JP H0777830 A JPH0777830 A JP H0777830A JP 5246058 A JP5246058 A JP 5246058A JP 24605893 A JP24605893 A JP 24605893A JP H0777830 A JPH0777830 A JP H0777830A
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magnetic
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endothermic peak
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Yukari Ishibashi
ゆかり 石橋
Osamu Tamura
修 田村
Satoshi Matsunaga
聡 松永
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細線再現性及び解像性に優れ、特に磁性イン
ク記号識別システムに用いた場合に優れた認識率を示す
磁性現像剤を提供することにある。 【構成】 帯電部材2を感光体ドラム1に接触させて帯
電を行う工程を有する画像形成方法に用いられる磁性現
像剤であって、少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水
素系ワックスを含有し、示差走査熱量計により測定され
るDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークにおけるオ
ンセット温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温度が
100〜120℃の範囲にあり、降温時の発熱ピーク温
度が62〜75℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5
×10-3以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体あるい
は静電記録誘電体等の像担持体に潜像を形成し、該潜像
を顕像化するための現像装置に適用される磁性現像剤、
画像形成装置及び装置ユニットに関する。
【0002】本発明はさらに磁性インク記号識別(Ma
gnetic Ink Character Reco
gnition)システムに用いられる磁性を有する文
字の印字に好適な磁性現像剤に関する。
【0003】本発明の磁性現像剤は電子写真画像形成方
法において、潜像画像が単位画素により表現され、単位
画素がオン−オフの2値もしくは有限の階調により表現
されるデジタル潜像を、反転現像方式で顕像化するため
の磁性現像剤として好ましく使用できる。
【0004】
【従来の技術】従来、電子写真装置等における帯電手段
としてコロナ放電器が知られている。しかし、コロナ放
電器は高電圧を印加しなければならない、オゾンの発生
量が多い等の問題点を有している。
【0005】そこで、最近ではコロナ放電器を利用しな
いで接触帯電手段を利用することが検討されている。具
体的には帯電部材である導電性ローラに電圧を印加して
ローラを被帯電体である感光体に接触させて感光体表面
を所定の電位に帯電させるものである。このような接触
帯電手段を用いればコロナ放電器と比較して低電圧化が
はかれ、オゾン発生量も減少する。
【0006】例えば、特公昭50−13661号公報に
おいては、芯金にナイロンまたはポリウレタンゴムから
なる誘電体を被覆したローラを使うことによって、感光
体を荷電する時に低電圧印加を可能にしている。
【0007】また、上記帯電手段においては、直接感光
体上に電位をのせるため、より一様性の高い帯電状態を
得ることが可能になっている。
【0008】しかしながら、上記接触帯電手段を用いた
場合、被帯電体と十分な接触を保つことができないと、
その能力を発揮できないばかりか帯電不良を生じるとい
う問題を有する。また、当接部においては、感光体表面
に残留現像剤が存在すると、帯電部材が所定の当接圧を
もって接しているため、帯電部材及び感光体部材表面に
残留現像剤が固着し、画像に影響がでてしまう問題も有
している。
【0009】また、上記接触帯電装置では、帯電部材に
直流電圧もしくは直流電圧に交流電圧を重畳したものを
印加して用いるが、この際、帯電部材と感光体ドラムの
接触部分周辺では、特に粒子径が小さく、重量の軽い残
留現像剤の異常な帯電や飛翔運動の反復が繰り返され、
このため、帯電部材や感光体ドラム表面への残留現像剤
の静電吸着や埋め込みが行われやすい状況にある。
【0010】一方、近年、小型で安価なパーソナルユー
スの複写機やレーザープリンター等が出現し、これらの
小型機においては、メンテナンスフリーの立場から、感
光体、現像器、クリーニング装置等を一体化したカート
リッジ方式が用いられ、現像剤としても現像器の構造を
簡単にできることから一成分系磁性現像剤を使用するこ
とが望まれる。
【0011】例えば、静電潜像担持体としての感光ドラ
ム表面に形成した潜像を一成分系の現像剤としての磁性
トナーによって顕像化する現像装置は、磁性トナー粒子
相互の摩擦、及び現像剤担持体としてのスリーブと磁性
トナー粒子の摩擦により感光ドラム上に形成された静電
像電荷と現像基準電位に対し、逆極性の電荷を磁性トナ
ー粒子に与え、該磁性トナーをスリーブ上にきわめて薄
く塗布させて感光ドラムとスリーブで形成される現像領
域に搬送し、現像領域においてスリーブ内に固着された
磁石による磁界の作用で磁性トナーを飛翔させて感光ド
ラム上の静電潜像を顕像化するものが知られている。
【0012】さらに近年、電子写真複写機等画像形成装
置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広が
り、このような背景の元に電子写真プリンターの応用分
野として磁性インク記号識別(Magnetic In
k Character Recognition 以
下、単にMICRと称す。)システムに用いられる文字
の印字機が考案されている。
【0013】MICRシステムとしては主として小切
手、手形などに発行銀行、金額、口座番号等の情報を磁
性インクで印刷し、手形交換所などでの分類、仕分けを
磁気読み取り機を用いて効率的に行うために考案された
システムである。従来は磁性インクを用いたオフセット
印刷が主流であったが、個人用小切手、手形などによる
商取引が活発化すると共に小型のMICR文字の印刷機
(以下、単にMICRエンコーダーと称す。)に対する
需要が増大している。
【0014】これまでの小型MICRエンコーダーは、
感熱複写方式を応用したインパクトプリンターが主流で
あったが、この場合にはMICR文字のみの印字を行う
単機能機がほとんどであり一般の書類などの作成には利
用できず改善が求められている。
【0015】一般的な書類及び/またはグラフィックス
の印字が可能であり、尚かつMICR文字の印字を行
え、良好なMICR認識率を示す電子写真プリンターが
望まれている。電子写真プリンターをMICRエンコー
ダーに応用する場合、従来知られている磁性現像剤をそ
のまま使用するとMICRリーダー・ソーターによる磁
気読み取りの正誤率(認識率)は、オフセット印刷ある
いはインパクトプリンターを用いるMICR文字の場合
に比較すると、極端に低く実用的ではない。
【0016】MICR文字を印字した有価証券類は、M
ICRリーダー・ソーターに平均して約10回程度通紙
される。磁気読み取りを行うために通紙するごとに磁気
ヘッドと高速で摺擦される。従って、MICR文字の印
字用磁性現像剤は摺擦によって印字がかすれたり、脱落
しないことが必要となる。
【0017】MICR文字は、例えばANSI(Ame
rican National Standard I
nstitution)x9.27−1988あるいは
JIS C6251−1980で規定されるE−13B
と呼ばれる規格がある。E−13B規格は0〜9までの
数字と4種類の記号からなり、これらの組み合わせによ
り有価証券類に銀行コード、支店コード、口座番号及び
金額等を印字するものである。
【0018】MICRリーダー・ソーターによる認識率
を向上させるために、印字したMICR文字の形状、寸
法は高精度で再現されることが要求され、文字はつぶれ
たり、とぎれたりすることなく微細かつ忠実に再現する
ことが必要となる。
【0019】電子写真プリンターによるMICR文字の
印字で高度な認識率を達成するには、従来の磁性現像剤
に使用されてきた磁性体とは異なる磁気特性を示す特定
の磁性体を含有する磁性現像剤を使用する必要がある。
【0020】すなわち、相対的に大きな残留磁化σrを
示す磁性体が必要となる。
【0021】また、一般的な電子写真プリンターの磁性
現像剤と同様に良好な摩擦帯電性を示し、現像器の現像
剤担持体(以下、スリーブと称す)上に均一に塗布され
ることが要求される。この条件を満足するためには、磁
性現像剤に含有される磁性体の透磁率もまた重要とな
る。
【0022】特公昭59−7379号公報には長軸/短
軸の比が1〜5であるコバルト置換四三酸化鉄粉を含
み、残留磁化10〜20emu/g、保磁力150〜4
50エルステッドの磁性トナーが提案されているが、ス
リーブ上にトナー層を均一に塗布することが困難であ
り、摩擦帯電性に劣り、画像濃度が低く、鮮鋭性に劣る
ものである。
【0023】特公昭63−108354号公報には長軸
/短軸の比が1〜1.5、透過率3.80〜6.00を
有する球状磁性粉末を含有する絶縁性磁性カプセルトナ
ーが提案され、また、同59−204846号公報には
最大透磁率3.95〜5.50を有する強磁性微粉末を
含有する磁性トナーが提案されている。この場合には画
像濃度が高く、好ましいものではあるが、解像力、反転
現像方式への適合性などの更に厳しい要求に対応するた
めには、改良が求められている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
ごとき問題点を、解決した磁性現像剤、画像形成方法、
画像形成装置及び装置ユニットを提供することにある。
【0025】すなわち、本発明の目的は、帯電部材と被
帯電体表面への現像剤による傷や削れ、さらには現像剤
の固着等の汚染を防止し、帯電不良や帯電ムラを起こさ
ない画像形成方法及び磁性現像剤を提供することにあ
る。
【0026】また、本発明の他の目的は、摩擦帯電量の
大きい磁性現像剤を提供することにある。
【0027】本発明の目的は、細線再現性及び解像度の
良好な、デジタル潜像の現像に好適に使用される磁性現
像剤を提供することにある。
【0028】さらに、本発明の目的は、デジタルな画像
信号により潜像を形成し、該潜像を反転現像方式で現像
する画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再
現性に優れたトナー画像を形成し得る磁性現像剤を提供
することにある。
【0029】さらにまた本発明の目的は、画像濃度が高
くカブリの少ない良好な画像品質の得られる磁性現像剤
を提供することにる。
【0030】さらにまた本発明の目的は、磁性現像剤を
現像スリーブ上に均一に塗布することができ、濃度ムラ
の生じない磁性現像剤を提供することにある。
【0031】本発明の他の目的は、電子写真プリンター
を利用したMICR印字に用いた場合に優れた認識率を
示す磁性現像剤を提供するものである。
【0032】また本発明の他の目的は、MICRリーダ
ー・ソーターに繰り返し通紙しても認識率が低下しない
磁性現像剤を提供するものである。
【0033】さらに本発明の目的は、細線再現性及び解
像度に優れMICR文字の印字を行ってもその規格に従
って忠実に再現する磁性現像剤を提供するものである。
【0034】さらにまた本発明の目的は、カブリの少な
い鮮明な画像を与え、MICR文字の印字を行っても高
い認識率を得ることのできる磁性現像剤を提供するもの
である。
【0035】さらにまた本発明の他の目的は、MICR
リーダー・ソーターに通紙してもMICR文字が脱落し
たり、かすれたりすることのない磁性現像剤を提供する
ものである。
【0036】さらにまた本発明の目的は、信号強度のば
らつきの少ない均一性の高い画像を形成する磁性現像剤
を提供するものである。
【0037】また、本発明の目的は、フェーディング現
象の発生を防止し、均一な現像画像を形成することがで
き、かつ細線再現性及び解像度の良好な、デジタル潜像
の現像に好適に使用される磁性現像剤、画像形成装置及
び装置ユニットを提供することにある。
【0038】さらに、本発明の目的は、電子写真プリン
ターを利用したMICR印字に用いた場合に磁気信号強
度が高く優れた認識率を示す磁性現像剤を提供すること
にある。
【0039】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明(1)
は、帯電部材を被帯電体に接触させて外部より電圧を印
加し帯電を行う帯電工程と、上記被帯電体より現像剤を
除去するクリーニング工程を有する画像形成方法に用い
る現像剤であって、少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭
化水素系ワックスを含有し、示差走査熱量計により測定
されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークに関
し、吸熱ピークにおけるオンセット温度が105℃以下
であり、吸熱ピーク温度が100〜120℃の範囲にあ
り、降温時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62
〜75℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3
以上であることを特徴とする磁性現像剤に関するもので
ある。
【0040】本発明(2)は、帯電部材を被帯電体に接
触させて外部より電圧を印加し帯電を行う帯電工程と、
上記被帯電体より現像剤を除去するクリーニング工程を
有する画像形成方法に用いる現像剤であって、少なくと
も結着樹脂、磁性体及び炭化水素系ワックスを含有し、
該炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計により測定さ
れるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温
時の発熱ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が
50〜90℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域
に少なくとも1つの吸熱ピークP1があり、該吸熱ピー
クP1のピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱
ピークがあることを特徴とする磁性現像剤に関するもの
である。
【0041】本発明(3)は、少なくとも結着樹脂、磁
性体及び炭化水素系ワックスを含有し、示差走査熱量計
により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピ
ークに関し、吸熱ピークにおけるオンセット温度が10
5℃以下であり、吸熱ピーク温度が100〜120℃の
範囲にあり、降温時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温
度が62〜75℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5
×10-3以上である磁性現像剤であって、該磁性体は、
ケイ素元素及びアルミニウム元素を含有すると共に、1
0,000エルステッドの磁界における残留磁化σrが
12≦σr≦300emu/gの範囲にあり、10,0
00エルステッドの磁界における保磁力Hcが130≦
Hc≦300エルステッドの範囲にあり、かつ透磁率μ
が2.0≦μ≦4.0の範囲にあり、該炭化水素系ワッ
クスは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線に
おいて、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに
関し、吸熱ピークのオンセット温度が50〜90℃の範
囲にあり、温度90〜120℃の領域に少なくとも1つ
の吸熱ピークP1があり、該吸熱ピークP1のピーク温
度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあること
を特徴とする磁性現像剤に関するものである。
【0042】本発明(4)は、導電性微粒子または/及
び固体潤滑剤を少なくとも含有している樹脂層で形成さ
れた表面層を有し、該表面層の表面の相対負荷曲線(ア
ボットの負荷曲線)において相対負荷長さtpが5%の
ときのカッティング深さCVが5μm以下である現像剤
担持体で磁性現像剤を搬送し、静電潜像を現像する画像
形成方法に使用され、少なくとも結着樹脂、磁性体及び
炭化水素系ワックスを含有し、示差走査熱量計により測
定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピークに関
し、吸熱ピークにおけるオンセット温度が105℃以下
であり、吸熱ピーク温度が100〜120℃の範囲にあ
り、降温時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62
〜75℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3
以上である磁性現像剤であって、該磁性体は、ケイ素元
素及びアルミニウム元素を含有すると共に、10,00
0エルステッドの磁界における残留磁化σrが12≦σ
r≦30emu/gの範囲にあり、10,000エルス
テッドの磁界における保磁力Hcが130≦Hc≦30
0エルステッドの範囲にあり、かつ透磁率μが2.0≦
μ≦4.0の範囲にあり、該炭化水素系ワックスは、示
差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇
温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関し、吸熱
ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲にあり、
温度90〜120℃の領域に少なくとも1つの吸熱ピー
クP1があり、該吸熱ピークP1のピーク温度±9℃の
範囲内に降温時の最大発熱ピークがあることを特徴とす
る磁性現像剤に関するものである。
【0043】本発明(5)は、磁性を有する文字による
情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記号
識別システムに用いられる文字を印字するのに用いられ
ることを特徴とする前記本発明(1)〜(4)いずれか
の磁性現像剤に関するものである。
【0044】本発明(6)は、帯電部材を被帯電体に接
触させて外部より電圧を印加し帯電を行う帯電工程と、
上記被帯電体より現像剤を除去するクリーニング工程を
有する画像形成方法において、該現像剤として前記本発
明(1)〜(2)いずれかの磁性現像剤を用いることを
特徴とする画像形成方法に関するものである。
【0045】本発明(7)は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有する画像形成装置において、該現像剤
担持体は、導電性微粒子または/及び固体潤滑剤を少な
くとも含有している樹脂層で形成された表面層を有し、
該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負荷曲線)
において相対負荷長さtpが5%のときのカッティング
深さCvが5μm以下であり、該磁性現像剤は、前記本
発明(4)の磁性現像剤であることを特徴とする画像形
成装置に関するものである。
【0046】本発明(8)は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有し、該磁性現像剤は前記本発明(1)
〜(3)いずれかの磁性現像剤であり、該現像装置は、
静電潜像担持体と共に一体に支持されてユニットを形成
し、装置本体に着脱自在の単一ユニットを形成している
ことを特徴とする装置ユニットに関するものである。
【0047】本発明(9)は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有し、該現像剤担持体は、導電性微粒子
または/及び固体潤滑剤を少なくとも含有している樹脂
層で形成された表面層を有し、該表面層の表面の相対負
荷曲線(アボットの負荷曲線)において相対負荷長さt
pが5%のときのカッティング深さCVが5μm以下であ
り、該磁性現像剤は、前記本発明(4)の磁性現像剤で
あり、該現像装置は、静電潜像担持体と共に一体に支持
されてユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユ
ニットを形成していることを特徴とする装置ユニットに
関するものである。
【0048】次に、本発明の磁性現像剤について詳しく
説明する。
【0049】トナーを、示差走査熱量計により測定した
データを解析することにより熱とトナーの間の挙動を知
見することができる。すなわち、該データにより、トナ
ーへの熱のやり取りとトナーの状態の変化を知ることが
できる。例えば、オフセット現象を防止できるかといっ
たことや、保存時や実際に使用時の熱の影響、例えば耐
ブロッキング性はどうであるとか、昇温による現像性へ
の影響はどの程度かを知ることができる。
【0050】昇温時には、トナーに熱を与えた時の状態
の変化を見ることができ、ワックス成分の転移、溶融、
溶解に伴う吸熱ピークが観測される。本発明は、吸熱ピ
ークのオンセット温度が105℃以下(好ましくは、9
0〜102℃の範囲)であることを特徴とし、これによ
り、低温定着性に優れている。一方105℃を超える場
合には、短時間レンジでの塑性変化の温度が高くなり、
耐低温オフセットや定着性が劣るようになる。
【0051】また、吸熱ピーク温度が100〜120℃
(好ましくは、102〜115℃)の範囲にあることを
特徴とし、この温度領域でトナー中のワックスが融解す
ることで、離型効果が発現し、MICRリーダー・ソー
ターに繰り返し通紙されてもMICR文字のかすれがな
く、またMICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚
染することはない。
【0052】ピーク温度が100℃未満のときには、ワ
ックスの融解により可塑効果が低温から発現し結着樹脂
の機械的強度を著しく低下していることを示す。この場
合にはMICRリーダー・ソーターに通紙されたとき
に、離型効果は発現するものの、結着樹脂の機械的強度
の低下によりMICRリーダー・ソーターの磁気ヘッド
との摺擦時にMICR文字のかすれが生じ、同時に磁気
ヘッドを汚染し、好ましくない。さらに、帯電部材上に
残留現像剤が付着した場合、帯電不良の原因となり信号
強度のばらつきとなって好ましくない。
【0053】また、ピーク温度が120℃を超える領域
に存在してもかまわないが、同時に120℃以下となる
領域にピークが存在しない場合には、ワックスの融解温
度が高過ぎ、MICR印字において、紙との離型性も増
すことによりMICRリーダー・ソーターに通紙された
ときに磁気ヘッドとの摺擦によりMICR文字が欠落し
てしまい、結果的に誤読の原因となり好ましくない。さ
らに、被帯電体より現像剤を除去するクリーニング工程
の際に、被帯電体を傷つけ、信号強度のばらつきとなっ
て好ましくない。
【0054】降温時には、トナーの常温下での状態や冷
却時の状態の変化を見ることができ、ワックス成分の転
移、凝固、結晶化に伴う発熱ピークが観測される。本発
明は、発熱ピーク温度が62〜75℃(好ましくは65
〜72℃)の範囲内にあることを特徴とし、これによ
り、良好なMICR特性及び本発明に係る帯電方式と良
好なマッチングを示す。75℃を超える場合には、ワッ
クスの融解温度が高過ぎ、MICRリーダー・ソーター
に通紙された場合に、磁気ヘッドとの摺擦によりMIC
R文字が欠落してしまう。62℃未満の場合には、結着
樹脂への可塑効果が低温時まで持続し、MICRリーダ
ー・ソーターの磁気ヘッドとの摺擦時にMICR文字の
かすれが生じ、同時に磁気ヘッドを汚染してしまい好ま
しくない。さらに、被帯電部材から現像剤を除去するク
リーニング工程の際に、被帯電部材上に残留した現像剤
により、帯電部材および被帯電部材上に傷や削れ、さら
には現像剤の固着等の汚染を起こすことで画像欠陥を生
じる場合がある。また、MICR印字を行った際に、そ
の画像欠陥が信号強度の低下,ばらつきになり、さらに
はMICRリーダー・ソーター通紙時の認識率の低下の
原因となり好ましくない。
【0055】また、発熱ピーク強度比が5×10-3以上
(好ましくは10×10-3以上であり、特に好ましくは
15×10-3以上)であることを特徴とする。ピーク強
度比が大きい方が、ワックス成分が高密度であったり、
結晶化度が高く硬度が硬くなり適当な離型効果が得ら
れ、MICRリーダー・ソーターに通紙されてもMIC
R文字のかすれがなく、またMICRリーダー・ソータ
ーの磁気ヘッドを汚染することもない。さらに、クリー
ニング工程の際に、充分な離型効果が得られ、効率良く
現像剤を除去することができる。5×10-3未満の場合
には、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドとの摺
擦時にMICR文字のかすれが生じ、同時に磁気ヘッド
を汚染し、好ましくはない。また、クリーニング工程の
際に、被帯電部材に押しつけられて固着する原因となり
信号強度のばらつきとなって、好ましくない。ただし、
条件が満たされている場合には、75℃以上の他の領域
にもピークが存在しても構わない。
【0056】本発明におけるDSC測定では、トナーの
熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定原
理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で
測定する必要がある。例えば、パーキンエルマー社製の
DSC−7が利用できる。
【0057】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで
降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
各温度の定義は次のように定める。
【0058】吸熱ピーク(プラスの方向を吸熱とする)
ピークの立ち上がり温度(LP):ベースラインより明
らかにピーク曲線が離れたと認められる温度。すなわ
ち、ピーク曲線の微分値が正で、微分値の増加が大きく
なりはじめる温度あるいは微分値が負から正になる温度
をいう。(図1及び3乃至図6に具体的な例を示
す。)。
【0059】ピークのオンセット温度(OP):ピーク
曲線の微分値が最大となる点において曲線の接線を引
き、接線とベースラインとの交点の温度(図1に具体的
な例を示す。)。
【0060】ピークの温度(PP):ピークトップの温
度(120℃以下の領域での最大のピーク。)。
【0061】 発熱ピーク(マイナスの方向を発熱とする) 発熱ピークの温度:ピークトップの温度 発熱ピーク強度比:上記のピークのピークトップ前後の
曲線の微分値が極大及び極小となる点においてそれぞれ
曲線の接線を引き、各接線とベースライン交点の温度差
をΔTとし、単位重量あたりのベースラインからピーク
トップまでの高さをΔH(測定されたピークの高さを測
定試料の重量で割った値mW/mg)とした時のΔH/
ΔT(図2及び図7乃至図10にΔH、ΔTの具体的な
例を示す)。すなわち、この値が大きいということは、
ピークがシャープであることを示している。
【0062】次に、本発明の磁性現像剤に含有される炭
化水素系ワックスについて以下に説明する。
【0063】本発明に用いられる炭化水素系ワックス
は、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下
でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリ
マー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得ら
れるアルキレンポリマー、一酸化炭素、水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分
を水素添加して得られる合成炭化水素などから、特定の
成分を抽出分別した炭化水素ワックスが用いられる。プ
レス発汗法、溶剤法、真空蒸留を利用した分別結晶方式
により炭化水素ワックスの分別が行われる。すなわちこ
れらの方法で、低分子量分を除去したもの、低分子量分
を抽出したものや、更にこれらの低分子量分を除去した
ものなどである。
【0064】母体としての炭化水素は、金属酸化物系触
媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素
と水素の反応によって合成されるもの、例えばジントー
ル法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいは
ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒
床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭
化水素(最終的には、水素添加し目的物とする)や、エ
チレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合し
た炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長鎖直鎖
状炭化水素であるので好ましい。特に、アルキレンの重
合によらない方法により合成された炭化水素ワックスが
その構造や分別しやすい分子量分布であることから好ま
しいものである。また、分子量分布で好ましい範囲は、
数平均分子量(Mn)が550〜1200,好ましくは
600〜1000、重量平均分子量(Mw)が800〜
3600,好ましくは900〜3000、Mw/Mnが
3以下、好ましくは2.5以下,特に好ましくは、2.
0以下である。また、分子量700〜2400(好まし
くは分子量750〜2000、特に好ましくは分子量8
00〜1600)の領域にピークが存在することであ
る。このような分子量分布を持たせることにより、トナ
ーに好ましい熱特性を持たせることができる。すなわ
ち、上記範囲より分子量が小さくなると熱的影響が過度
に受けやすく、MICRリーダー・ソーターに通紙され
た場合に、磁気ヘッドとの摺擦によりMICR文字のか
すれが生じ、同時に磁気ヘッドを汚染してしまう。さら
に、被帯電体から現像剤を除去するクリーニング工程の
際に、被帯電部材上に押しつけられて固着物の原因とな
る。また、上記範囲より分子量が大きくなると定着性が
悪化し、その結果MICRリーダー・ソーターに通紙さ
れた時にMICR文字が欠落する原因となる場合があり
好ましくない。
【0065】その他の物性としては、25℃での密度が
0.95(g/cm3)以上、針入度が1.5(10-1
mm)以下、好ましくは1.0(10-1mm)以下であ
る。これらの範囲をはずれると、低温時に変化しやすく
MICRリーダー・ソーターに通紙した場合に、MIC
R文字のかすれが生じ、同時に磁気ヘッドを汚染するこ
とになる。さらに、被帯電体から現像剤を除去するクリ
ーニング工程の際に、被帯電部材上に押しつけられて固
着物の原因となり信号強度がばらつく。
【0066】また、140℃における溶融粘度が、10
0cp以下、好ましくは50cp以下、特に好ましくは
20cp以下である。溶融粘度が100cpを超えるよ
うになると、可塑性、離型性に劣るようになり、MIC
Rリーダー・ソーターに通紙された場合に、MICR文
字のかすれを生じ、またMICRリーダー・ソーターの
磁気ヘッドを汚染してしまう。さらに、クリーニング工
程の際に被帯電材上に残留し、帯電部材上に付着する現
像剤が生じ帯電不良の原因となり信号強度がばらつく。
【0067】また、軟化点が130℃以下であることが
好ましく、特に好ましくは120℃以下である。軟化点
が130℃を超えると、離型性が特に有効に働く温度が
高くなり、MICRリーダー・ソーターに通紙した場合
に、離型効果が充分に発揮されずMICR文字のかすれ
が生じてしまう。さらに、クリーニング工程の際、被帯
電材上に残留し、帯電部材上に付着する現像剤が生じ帯
電不良の原因となり信号強度がばらつく。
【0068】更に酸価が2.0mgKOH/g未満、好
ましくは1.0mgKOH/g未満である。この範囲を
超えると、トナーを構成する成分の1つである結着樹脂
との界面接着力が大きく、溶融時の相分離が不充分にな
りやすく、そのため良好な離型性が得られにくく、MI
CRリーダー・ソーターに通紙した場合に、文字のかす
れがおこり、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘッド
を汚染してしまう。さらに、クリーニング工程の際に被
帯電材上に残留した現像剤が付着物となり信号強度がば
らつくこととなり好ましくない。
【0069】これら炭化水素系ワックスの含有量は、結
着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いられ、
0.5〜10重量部で用いるのが効果的である。
【0070】本発明において炭化水素系ワックスの分子
量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により次の条件で測定される。
【0071】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0072】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0073】本発明におけるワックス類の針入度は、J
IS K−2207に準拠し測定される値である。具体
的には、直径約1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針
を一定荷重で貫入させた時の貫入深さを0.1mmの単
位で表わした数値である。本発明中での試験条件は試料
温度が25℃、加重100g、貫入時間5秒である。
【0074】また、溶融粘度は、ブルックフィールド型
粘度計を用いて測定される値であり、条件は、測定温度
140℃、ずり速度1.32rpm、試料10mlであ
る。
【0075】酸価は、試料1g中に含まれる酸基を中和
するために必要な水酸化カリウムのmg数である(JI
S K5902に準ずる)。密度は25℃でJIS K
6760、軟化点はJIS K2207に準じて測定さ
れる値である。
【0076】また、本発明は、前述の如く、次のような
磁性現像剤によっても達成される。すなわち、少なくと
も結着樹脂及び炭化水素系ワックスを含有する磁性現像
剤において、該炭化水素系ワックスが示差走査熱量計に
より測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピー
クで、ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲内
にあり、90〜120℃の範囲内に少なくともひとつの
吸熱ピークP1が存在し、該吸熱ピークP1のピーク温
度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークが存在する
磁性現像剤である。
【0077】昇温時には、ワックスに熱を与えた時の変
化を見ることができワックスの転移、融解に伴う吸熱ピ
ークが観測される。ピークのオンセット温度が50〜9
0℃の範囲内にあることにより、優れた離型効果が発現
し、MICRリーダー・ソーターに繰り返し通紙されて
もMICR文字がかすれたり、欠落したりせず、またM
ICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染すること
がない。
【0078】ピークのオンセット温度が50℃未満の場
合には、ワックスの変化温度が低すぎ、MICRリーダ
ー・ソーターに通紙した場合にMICR文字のかすれを
起こし、またMICRリーダー・ソーターの磁気ヘッド
を汚染してしまう。さらに、被帯電体上から現像剤を除
去するクリーニング工程の際に、被帯電部材上に押しつ
けられて付着物となり、信号強度がばらつく原因とな
る。
【0079】90℃を超える場合には、ワックスの変化
温度が高すぎ、MICRリーダー・ソーターに通紙され
た場合にMICR文字が欠落してしまう。さらに、被帯
電体より現像剤を除去するクリーニング工程の際に被帯
電体を傷つけ、信号強度がばらつくこととなり好ましく
ない。
【0080】また、90〜120℃の範囲に、好ましく
は98〜120℃の範囲に、特に好ましくは97〜11
5℃の範囲内に、吸熱ピークが存在することを特徴とす
る。すなわち、この温度領域でワックスが融解すること
で、離型効果が発現し、MICRリーダー・ソーターに
繰り返し通紙されてもMICR文字がかすれたり、欠落
したりせず、またMICRリーダー・ソーターの磁気ヘ
ッドを汚染することがない。
【0081】90℃未満のみにピーク温度が存在する場
合には、ワックスの融解による可塑効果が低温から発現
し結着樹脂の機械的強度を著しく低下させることを示
す。この場合には、MICRリーダー・ソーターに通紙
されたときに離型効果は発現するものの結着樹脂の機械
的強度の低下によりMICRリーダー・ソーターの磁気
ヘッドとの摺擦時にMICR文字のかすれが生じ、同時
に磁気ヘッドを汚染し好ましくない。さらに、被帯電体
上から現像剤を除去する際に付着物となり信号強度がば
らつく原因となる。
【0082】また、120℃を超える領域に存在しても
かまわないが、120℃を超える領域のみにピーク温度
が存在する場合には、ワックスの溶解する温度が高す
ぎ、MICR印字において、紙との離型性も増すことに
よりMICRリーダー・ソーターに通紙された場合、磁
気ヘッドとの摺擦によりMICR文字が欠落してしま
い、結果的に磁気ヘッドを汚染してしまう。ここで、9
0℃未満のピークが最大ピークとなると、この領域のみ
にピークがある場合と同様な挙動を示すので、この領域
のピークが存在してもよいが、その場合は、90〜12
0℃の領域のピークより小さい必要がある。
【0083】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見ることができ、ワックスの凝固、結晶
化、転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の発熱
ピークで、最大の発熱ピークは、ワックスの凝固、結晶
化に伴う発熱ピークである。この発熱ピーク温度と近い
温度に昇温時の融解に伴う吸熱ピーク存在することは、
ワックスの構造、分子量分布などワックスがより均質で
あることを示しており、その差が9℃以内であることが
良く、好ましくは、7℃以内であり、特に好ましくは、
5℃以内である。すなわちこの差を小さくすることで、
ワックスをシャープメルトつまり、低温時には硬く、融
解時の溶融が早く、溶融粘度の低下が大きく起こること
で、優れた離型効果が発現し、MICRリーダー・ソー
ターに繰り返し通紙した場合にも、MICR文字がかす
れたり、欠落することがなく、またMICRリーダー・
ソーターの磁気ヘッドを汚染することがない。さらに、
現像剤の製造時に、ワックスの分散が良く、均一性の高
い現像剤を得ることが可能になる。これによって、被帯
電材上から現像剤が除去される際に、ワックスのすべり
の効果が充分発揮され、残留する現像剤を少なくするこ
とができる。最大発熱ピーク温度は85〜115℃(好
ましくは90〜110℃)の領域にあることが良い。
【0084】ワックスのDSC測定は、前述のトナーの
場合に準じ、各温度の定義は次のように定める。
【0085】吸熱ピーク:ピークのオンセット温度:曲
線の微分値が極大となる温度の最低の温度。したがっ
て、トナーの場合のオンセット温度と定義が異なる。
【0086】ピーク温度:ピークトップの温度
【0087】発熱ピーク:
【0088】ピークの温度:最大のピークのピークトッ
プの温度
【0089】これら炭化水素系ワックスの含有量は、結
着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いられ、
0.5〜10重量部で用いるのが効果的であり、他のワ
ックス類と併用しても構わない。
【0090】次に、本発明の磁性現像剤に含有される磁
性体について、以下に説明する。
【0091】本発明に用いられる磁性体は、フェライ
ト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性の元素より成る金属、又はこれを含む合金も
しくは化合物、或いは強い磁性の元素を含むものではな
いが、適当な熱処理等によって強磁性を示すようになる
合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、又はマンガ
ン−銅−錫等のマンガンと銅とを含むホイスラー合金と
称される種類の合金、或いは二酸化クロム、その他を挙
げることができる。
【0092】本発明に係る磁性体において、残留磁化σ
rは10,000エルステッドの磁界において12≦σ
r≦30emu/gの範囲にある場合が好ましく、更に
好ましくは14≦σr≦28emu/gの範囲にある場
合である。
【0093】残留磁化σrが、12emu/g未満とな
る場合には、MICR文字の印字を行った場合にMIC
Rリーダー・ソーターの認識率が低下し、また、一般的
な印字を行った場合には、細線再現性、階調性のすぐれ
た磁性現像剤を得ることはできない。
【0094】また、残留磁化σrが30emu/gを超
える場合には、画像濃度が低く、カブリも多いために、
MICR文字の印字を行った場合には、その認識率は著
しく低下し、一般的な印字を行った場合でも、画像品位
は著しく低いものである。
【0095】本発明に係る磁性体において、保磁力Hc
は10,000エルステッドの磁界において、130≦
Hc≦300エルステッドの範囲にあるのが好ましく、
140≦Hc≦280エルステッドの範囲にある場合が
更に好ましい。
【0096】保磁力Hcが130エルステッド未満とな
る場合には、画像濃度は高くなるのではあるが、反面細
線再現性に劣り、MICR文字の印字を行った場合に認
識率の低下を招き好ましくない。また、保磁力Hcが3
00エルステッドを超える場合には、磁性現像剤を現像
スリーブ上に均一に塗布することが困難となり、画像濃
度の低下あるいは、濃度ムラを生じ好ましくない。
【0097】本発明者の検討によれば、本発明に係る磁
性体の有する残留磁化σrを示す場合には、透磁率μと
磁性現像剤の電子写真特性とが、良く対応することを見
出した。
【0098】更には透磁率μは、MICR文字の印字を
行った場合に、MICRリーダー・ソーターによる読み
取りの正誤率と良く対応することをも見出した。
【0099】本発明に係る磁性体において、透磁率μは
2.0≦μ≦4.0の範囲にある場合が好ましく、更に
好ましくは、2.5≦μ≦3.8となる場合である。
【0100】透磁率μが4.0を超える場合には、現像
スリーブ上に磁性現像剤を均一に塗布することは可能で
あるが、現像スリーブ内の永久磁石との相互作用が弱
く、磁性現像剤の摩擦帯電量を適正に制御することが困
難となり画像部でのトナーの飛散が多くなり、MICR
文字の印字を行った場合には、認識率低下の原因となり
好ましくない。
【0101】また、透磁率μが2.0未満となる場合に
は、現像スリーブ内の永久磁石との相互作用が強くなり
すぎ、結果的に磁性現像剤の摩擦帯電量を適正に制御す
ることは困難となり画像濃度は低く、MICR文字の印
字を行った場合の認識率は低下し、本発明の目的を達成
することはできない。
【0102】さらに本発明の磁性現像剤は摩擦帯電性を
改善するために、磁性体はケイ素元素及びアルミニウム
元素を含有することがより好ましい。磁性体に対してケ
イ素元素はSiO2に換算して0.1〜1.0重量%、
アルミニウム元素はAl23に換算して0.1〜1.0
重量%含有する場合が好ましく、更に好ましくはSiO
2に換算して0.15〜0.9重量%のケイ素元素及び
Al23に換算して0.15〜0.9重量%のアルミニ
ウム元素を含有する場合である。前記ケイ素元素及びア
ルミニウム元素は、前述の磁性体を湿式法で合成する過
程及び/または合成後に添加することができ、また湿式
合成後にさらに加熱酸化処理及び加熱還元処理を行う場
合では、その段階で添加することもできる。
【0103】前述の磁性体において、SiO2に換算し
たケイ素元素が0.1重量%未満となる場合には、摩擦
帯電量の大きい磁性現像剤を得ることができるのである
が、帯電量分布が広くなり長期間の使用及び環境変動に
対して性能の変化が大きく本発明の目的を達成すること
ができない。同様にしてSiO2に換算したケイ素元素
が1.0重量%を超える場合は、摩擦帯電量の分布は狭
くなるのだが、摩擦帯電量の大きな磁性現像剤を得るこ
とはできない。
【0104】前述の磁性体において、Al23に換算し
たアルミニウム元素が0.1重量%未満となる場合に
は、摩擦帯電量の大きい磁性現像剤を得ることはできな
い。同様にしてAl23に換算したアルミニウム元素が
1.0重量%を超える場合には、摩擦帯電量の大きな磁
性現像剤を得ることはできるのであるが、感光体上の非
画像部にまでトナーが現像され、カブリの多い画像とな
り、本発明の目的である細線再現性、階調性のすぐれた
磁性現像剤を得ることはできない。
【0105】前述の磁性体においては、SiO2に換算
したケイ素元素及びAl23に換算したアルミニウム元
素は、重量比で20/1〜1/20含有されることが好
ましく、更に好ましくは10/1〜1/10含有される
場合であり、より更に好ましくは4/1〜1/4含有さ
れる場合である。
【0106】ケイ素元素及びアルミニウム元素の重量比
が20/1よりもアルミニウム元素が少なくなった場合
には、アルミニウム元素を含有することによる画像濃度
を高める効果が得られず、1/20よりもアルミニウム
元素が多くなった場合には磁性体製造時に湿式法により
得た磁性体を加熱して、酸化及び還元する際に、燒結し
てしまうことがあり好ましくない。
【0107】前述の磁性体において、アルミニウム元素
の含有量は次の様な方法によって測定することができ
る。温度45〜50℃に保ったイオン交換水3リットル
中に、イオン交換水400ml中に磁性体約25gをス
ラリー状に分散させた懸濁液を約328mlのイオン交
換水で水洗しながら全量を添加する。次に水温を50℃
に保ちながら、撹拌下特級塩酸1272mlを加え、磁
性体を溶解する。磁性体が溶解して水溶液が透明になっ
たならば、孔径0.1μmのメンブランフィルターをも
ちいて濾過する。この際に液をプラズマ発光分光(IC
P)によってアルミニウム元素の含有量を測定する。
【0108】本発明においては、このようにして測定さ
れたアルミニウム元素の含有量をAl23に換算して算
出する。
【0109】
【数1】
【0110】前述の磁性体において、ケイ素元素の含有
量は、次の様な方法によって測定することができる。ケ
イ素の含有量を測定する磁性体約0.5〜1gを精秤し
て直径約5mmの金型に入れ、約10t/cm2の圧力
をかけて成型する。次に、この磁性体試料の蛍光X線強
度を測定するのである。
【0111】この際には、標準試料としてSiO2含有
量が既知の試料を数種類作製しておき、これらの標準試
料の蛍光X線強度に対する相対的な値をもって、磁性体
試料に含有されるケイ素元素をSiO2に換算した値と
して測定、定量することができる。
【0112】
【数2】
【0113】尚、上記SiO2の標準試料はJIS K
1462−1981の二酸化ケイ素定量方法に記載さ
れている重量法に基づいて、SiO2含有量を定量して
いる。
【0114】本発明の磁性現像剤に用いられる磁性体は
1.2〜2.5g/cm3、さらに好ましくは1.3〜
2.0g/cm3の固め見掛密度を有し、且つ5〜30
ml/100g、好ましくは10〜28ml/100g
アマニ油吸油量を有する。
【0115】本発明において、磁性体の固め見掛け密度
(パックバルク密度)は、細川ミクロン(株)製のパウ
ダーテスター及び該パウダーテスターに付属している容
器を使用して、該パウダーテスターの取扱い説明書の手
順に従って測定した値をいう。
【0116】本発明において、磁性体アマニ油吸油量は
JIS K 5101−1978(顔料試験方法)に記
載されている方法に従って測定された値をいう。
【0117】本発明においては、1.2〜2.5g/c
3の固め見掛け密度を有する磁性体を使用することが
好ましく、固め見掛け密度の該値は、通常の未処理の磁
性体が満足し得ない程度に大きな値である。本発明で好
ましく使用される磁性体は、磁性体を解砕処理すること
により調製することができる。磁性体を解砕処理するた
めに使用される手段として、粉体を解砕するための高速
回転子を具備している機械式粉砕機、及び、粉体を分散
または解砕するための荷重ローラを具備している加圧分
散機が例示される。
【0118】機械式粉砕機を使用して磁性体の凝集体を
解砕処理する場合には、回転子による衝撃力が磁性体の
1次粒子にも過度に加わりやすく、1次粒子そのものが
破壊されて、磁性体の微粉体が生成しやすい。そのた
め、機械式粉砕機で解砕処理された磁性体をトナーの原
料とした場合、磁性粒子の微粉体の存在により、トナー
の摩擦帯電特性が劣化する。したがって、トナーの摩擦
帯電量の低下による、トナー画像濃度の低下が発生しや
すい。
【0119】これに対し、フレッドミルの如き加重ロー
ラを具備している加圧分散機が磁性体の凝集体の解砕処
理の効率及び微粉状磁性体の生成の抑制という点で好ま
しい。
【0120】磁性体のタップ密度及び吸油量は、磁性体
の形状、磁性体の表面状態及び磁性体の凝集体の存在量
を間接的に示していると解することができる。磁性体の
固め見掛け密度が1.2g/cm3未満の場合には、磁
性体の凝集体が多数存在していて、磁性体の解砕処理が
実質的に不充分であることを示している。したがって、
固め見掛け密度が1.2g/cm3未満の磁性体を使用
した場合には、磁性体が結着樹脂へ均一に分散しにく
く、磁性体の不均一分散はMICR文字の印字を行った
場合に認識率の低下をまねき好ましくない。
【0121】磁性体の固め見掛け密度が2.5g/cm
3を超える場合、磁性体の凝集体の解砕が過度におこな
われて、加圧による磁性体相互の固着が発生し、磁性体
のペレットが生成し、結果として、磁性トナーの個々の
粒子間で磁性体の含有量が異なり、MICR文字の印字
を行った場合にやはり認識率の低下をまねき好ましくな
い。
【0122】磁性体の吸油量の値が上限及び下限を逸脱
した場合も、固め見掛け密度の場合と同様の現象が生じ
やすい。
【0123】本発明に係る磁性体において、その比表面
積はチッ素ガス吸着方式により測定したBET比表面積
で5.0〜13.0cm2/gである場合が好ましく、
更に好ましくは6.0〜10.0cm2/gとなる場合
である。
【0124】チッ素ガス吸着法によるBET比表面積の
測定は、市販の測定装置、例えばオートソーブ1(クア
ンタムケミカルズ社製)を用いて行なうことができる。
【0125】本発明者の検討によれば、本発明に係る磁
性体の様に残留磁化(σr)が従来の磁性体に比較して
相対的に大きな値となる場合には、磁性体粒子個々の磁
気特性の変動巾もまた相対的に大きくなると予想され
る。
【0126】一方、磁性現像剤の場合には、その粒径に
より磁性体の含有量が異なることが知られている。換言
すれば磁性現像剤はその粒径により磁気特性も異なる可
能性があることを示唆する。
【0127】従って、本発明の如く、ある磁気特性を厳
密に満足することが重要となる磁性現像剤の場合には、
磁性体の結着樹脂内での存在状態を制御する必要があ
る。これは単純に磁性体を均一に結着樹脂内に分散する
ばかりでなく、充填状態が重要となることを示す。
【0128】本発明者は、磁性体の結着樹脂内における
充填状態は、磁性体の粒度分布の影響を強く受けること
を見出した。
【0129】本発明に係る磁性体は、その粒度分布を示
す変化係数が、ある特定の数値となる場合においての
み、上記充填状態を達成することを見出した。
【0130】ここでいう磁性体の変化係数は、下記式よ
り算出される。
【0131】
【数3】
【0132】更には、磁性現像剤において、本発明の目
的である細線再現性を向上させ、線画像を鮮明にするた
めには、帯電量分布を狭くすることが一解決手段として
挙げられる。
【0133】従来、磁性現像剤において帯電量分布を狭
くするためには、磁性体を均一に分散することが有効な
手段として知られている。しかし、本発明に係る磁性体
の如く、その表面及び内部に特定の割合でケイ素元素及
びアルミニウム元素を含有する場合には、必ずしも均一
に分散する必要はない。
【0134】本発明者の検討によれば、本発明に係る磁
性体の場合には、磁気特性と同様にして、上記変化係数
が特定の数値となる場合においてのみ磁性現像剤の帯電
量分布を狭くすることができることを見出した。
【0135】本発明に係る磁性体において、変化係数は
20〜50%となる場合が好ましく、更に好ましくは2
5〜40%となる場合である。変化係数が20%未満と
なる場合には、一般的に磁性現像剤内部における磁性体
の分散は、均等化し好ましい結果を与えるのであるが、
本発明に係る磁性体の場合には、本発明者の検討によれ
ば現像スリーブ上での磁性現像剤の塗布が不均一化し、
摩擦帯電性の均質性が失なわれ好ましくない。
【0136】また、変化係数が50%を超える場合に
は、磁性現像剤内部における磁性体の分散状態に均一性
が失なわれ、磁性現像剤の残留磁化等の磁気特性及び摩
擦帯電性の均質性が失なわれ好ましくない。
【0137】さらに、本発明に係る磁性体は、平均粒径
0.1〜0.6μmを有するものが使用される。本発明
において、磁性体の平均粒径は、試料を走査型電子顕微
鏡を用いて拡大倍率20,000倍で拡大写真にとり、
ランダムに100個乃至200個の粒子の長軸値を測定
し、その平均値を算出することにより求められる。
【0138】また、同時に短軸値を測定することによ
り、長軸/短軸値を求めることができる。
【0139】本発明に係る磁性体において、長軸/短軸
比は1.0〜1.5である場合が好ましく、更に好まし
くは1.0〜4.0となる場合である。
【0140】本発明の磁性現像剤において、長軸/短軸
比が1.5より大きい磁性体、例えば針状磁性体を用い
た場合では、本発明者の検討によれば、理由は明確では
ないのであるが、磁性現像剤の摩擦帯電性に劣り、画像
濃度が低くなり好ましくない。
【0141】本発明の磁性現像剤において、摩擦帯電量
は、−5〜−20μc/gであるのが好ましい。摩擦帯
電量が−5μc/g未満であると、画像濃度が低く好ま
しくない。また、−20μc/gより大きい場合、画出
しをくり返すことでスリーブ上でのスリーブ近傍のトナ
ーの帯電量が大きくなって、そこに供給されるトナーの
適正な帯電を阻害する、いわゆるチャージアップ現象が
生じ、徐々に画像濃度の低下を生ずる。この現象はドッ
ト潜像の現像であるデジタル潜像を現像する際に生じや
すく、さらにOPC感光体を用いた低電位コントラスト
の反転現像方式において顕著である。
【0142】本発明の磁性現像剤において、磁性粉粒子
の平均粒径が0.1μm未満であると、磁性粉粒子の結
着樹脂への分散性が不良となり、磁性現像剤の帯電性を
均一にすることを困難にするか、または結着樹脂への分
散性がたとえば良好であっても、磁性現像剤の定着温度
前後での剪断弾性率を著しく増大させ、定着性を悪化さ
せる。
【0143】更に、磁性粉粒子の平均粒径が、0.6μ
mを超える場合には、結着樹脂への分散が均一となら
ず、帯電性が均一にならないばかりか、感光体表面を著
しく損傷させる場合が有り好ましくない。
【0144】磁性体の磁気特性は、例えば東英工業株式
会社製のVSMP−1によって測定された値をさし、磁
気特性の測定にあたっては、磁性体は0.1〜0.15
gを感度1mg程度の直示天秤で精秤して試料とし、測
定は25℃前後の温度で行なう。磁気特性測定時の外部
磁場は、10,000エルステッドとし、ヒステリシス
ループを描く場合の掃引速度は、10分に設定して行な
うことができる。
【0145】本発明に係る磁性トナーは、摩擦電荷を有
するために実質的に電気絶縁性である。具体的には、
3.0kg/cm2の加圧下において、100Vの電圧
を印加したときの抵抗値が1014Ω・cm以上を有して
いることが好ましい。本発明に係る磁性体は、結着樹脂
100重量部に対して40〜140重量部(好ましくは
50〜120重量部)含有されている。40重量部未満
では、スリーブの如き現像剤担持体上における磁性トナ
ーの搬送性が不足する。140重量部を超える場合で
は、磁性トナーの絶縁性及び熱定着性が低下する。
【0146】本発明に係る磁性体は、Fe2+を含む水溶
液、すなわち硫酸第一鉄を原料とする湿式法により合成
された後に、200℃以上の温度で酸化及び還元される
ことにより製造することができる。
【0147】本発明に係る磁性体は、例えば上記湿式法
により合成された後に200℃以上の温度で加熱酸化さ
れ、次いで加熱還元することにより製造される。加熱酸
化は500〜900℃で空気等の酸化性気体を通気して
行ない、次に加熱還元、250〜550℃で水素及び/
又は一酸化炭素等の還元性気体を通気して行なうことが
好ましい。
【0148】本発明におけるトナーの帯電量はトナー1
gと200〜300メッシュの鉄粉キャリア9gを50
ccのポリエチレン製のビンにとり、ふたをして23
℃、60%RH環境下で20秒間(約100回)手で振
り撹拌した混合物を少量図15の装置の容器にとり、電
位が飽和するまで約1分間250mmH2Oの圧力で吸
引する。
【0149】このときの飽和電位V、コンデンサー容量
C、吸引前、後の容器の重量W1、W2から帯電量Qを以
下の式により求めた。
【0150】Q=CV/(W1−W2
【0151】本発明に係る磁性体において、透磁率μ
は、実効比透磁率と呼ばれている。測定はトロイド状磁
心に一様に巻き線をして適当な交流磁場を印加し、その
ときのインダクタンス変化より求められる。
【0152】その具体的測定法は、被測定磁性体約15
gに結着樹脂の溶液2.5mlを加えよく混合した後に
リング状の金型に入れ、約1ton/cm2 の圧力で成
型する。このときに試料の密度は、一定となる様に調製
することが測定値の再現性を良好とする上で重要とな
る。
【0153】さらに、このトロイド状試料に数10回の
巻き数で巻き線をほどこして透磁率測定用試料とし、例
えば横河ヒューレット・パッカード株式会社製インピー
ダンス、ゲインフェーズアナライザーで、同調容量を測
定することにより求めることができる。
【0154】以下に、実効比透磁率の具体的な算出方法
について述べる。
【0155】実効比透磁率は、下記の式で定義される。
【0156】μ=L/L0
【0157】ここで、L0の磁性体がないときのコイル
のインダクタンスで、Lは磁性体を挿入したときのコイ
ルのインダクタンスを示す。磁性体のないときのコイル
のインダクタンスは次式で表わされる。
【0158】L0=μ0AN2/I
【0159】よって、実効比透磁率は、次式より計算さ
れる。
【0160】μ=IL/μ 0AN2
【0161】ここで、μ0は真空中の透磁率(4π×1
-7)、Aは試料の断面積、Nはコイルの巻き数、Iは
試料の平均磁路長を示す。従って、磁性体を挿入した時
のインダクタンスを測定すれば、実効比透磁率を求める
ことができる。
【0162】本発明においてトナーの結着樹脂として
は、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレ
ン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換
体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合
体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニル
トルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合
体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−
アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、
スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−
メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重
合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチ
レン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合
体、ポリ酸化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、シリコーン樹脂、ポリエステル、エポ
キシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂
肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩
素化パラフィン、パラフィンワックスなどが、単独或い
は混合して用いられる。
【0163】また、本発明の磁性現像剤には荷電制御剤
をトナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合
(外添)して用いることが好ましい。正荷電制御剤とし
ては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;ト
リブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−
ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテト
ラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;ジブチ
ルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシク
ロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサ
イド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレー
ト、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノス
ズボレート;を単独あるいは2種類以上組合せて用いる
ことができる。これらの中でもニグロシン系、四級アン
モニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられ
る。
【0164】また、一般式
【0165】
【化1】
【0166】で表わされるモノマーの単重合体または前
述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステルなどの重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制
御剤として用いることができ、この場合これらの荷電制
御剤は結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも
有する。
【0167】本発明に用いることのできる負荷電性制御
剤としては、例えば、モノアゾ染料の金属錯体または
塩;サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリ
チル酸またはナフトエ酸の金属錯体または塩が好ましく
用いられる。
【0168】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0169】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量
部(更には0.1〜5重量部)用いることが好ましい。
【0170】本発明の磁性現像剤は疎水性シリカ微粉体
を有していることが好ましい。
【0171】ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化
ケイ素(シリカ)、その他、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、
ケイ酸亜鉛などのケイ酸塩をいずれも適用できる。
【0172】上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測
定した窒素吸着による比表面積が70〜300m2/g
の範囲内のものが良好な結果を与える。磁性トナー10
0重量部に対してシリカ微粉体0.2〜1.6重量部、
好ましくは0.4〜1.4重量部使用するのが良い。
【0173】本発明に係る磁性トナーを正荷電性磁性ト
ナーとして用いる場合には、トナーの摩耗防止、スリー
ブ表面の汚損防止のために添加するシリカ微粉体として
も、負荷電性であるよりは、正荷電性シリカ微粉体を用
いた方が帯電安定性を損なうこともなく、好ましい。
【0174】正帯電性シリカ微粉体を得る方法として
は、上述した未処理のシリカ微粉体を、側鎖に窒素原子
を少なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコ
ンオイルで処理する方法。あるいは窒素含有のシランカ
ップリング剤で処理する方法、またはこの両者で処理す
る方法がある。
【0175】また、本発明に係る磁性トナーを負帯電性
磁性トナーとして用いる場合には、トリボ電荷量が−1
00μc/g乃至−300μc/gを有するものが好ま
しく使用される。トリボ電荷量が−100μc/gに満
たないものは、現像剤自体のトリボ電荷量を低下せし
め、湿度特性が低下する。また、−300μc/gを超
えるものを用いると現像剤担持体メモリーを促進させ、
また、シリカ劣化等の影響を受け易くなり、耐久特性に
支障をきたす。また、300m2/gより細かいものは
現像剤への添加効果がなく、70m2/gよりあらいも
のは遊離物としての存在確立が大きく、シリカの偏積や
凝集物による黒ポチの発生原因となりやすい。
【0176】シリカ微粉体のトリボ値は次の方法で測定
される。すなわち、温度23.5℃、湿度60%RHの
環境下に1晩放置されたシリカ微粉体0.2gと200
〜300メッシュに主体粒度を持つ、樹脂で被覆されて
いないキャリア鉄粉(例えば、日本鉄粉社製EFV20
0/300)9.8gとを前記環境下で精秤し、およそ
50ccの容積を持つポリエチレン製ふた付広口びん中
で十分に(手に持って上下におよそ50回約20秒間振
とうする)混合する。
【0177】次に図15に示す様に底に400メッシュ
のスクリーン33のある金属製の測定容器32に混合物
約0.5gを入れ金属製のフタ34をする。このときの
測定容器32全体の重量を秤りW1(g)とする。次
に、吸引機31(測定容器32と接する部分は少なくと
も絶縁体)において、吸引口37から吸引し風量調節弁
36を調整して真空計35の圧力を250mmHgとす
る。この状態で充分吸引を行いシリカを吸引除去する。
このときの電位計39の電位をV(ボルト)とする。こ
こで38はコンデンサーであり容量をC(μF)とす
る。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW
2(g)とする。このシリカのトリボ電荷量(μc/
g)は下式の如く計算される。
【0178】トリボ電荷量=CV/(W1−W2
【0179】本発明に係る磁性トナーは、必要に応じて
添加剤を混合してもよい。着色剤としては従来より知ら
れている染料、顔料が使用可能であり、通常、結着樹脂
100重量部に対して0.5〜20重量部使用しても良
い。また、本発明の磁性現像剤中にほかの外部添加剤と
して、例えばステアリン酸の如き滑剤、あるいは酸化カ
リウム、炭化ケイ素の如き研磨剤あるいは例えば酸化ア
ルミニウムの如き流動性付与剤、ケーキング防止剤、あ
るいは例えばカーボンブラック、酸化スズ等の導電性付
与剤がある。
【0180】本発明に係る磁性トナーを作製するには、
磁性粉及び結着樹脂、必要に応じて着色剤としての顔料
または染料、荷電制御剤、定着助剤、その他の添加剤等
をボールミルの如き混合機により充分混合してから加熱
ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を
用いて熔融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せし
めた中に染料または顔料を分散又は溶解せしめ、冷却固
化後粉砕及び厳密な分級を行って得ることができる。
【0181】トナーの粒度分布は種々の方法によって測
定できるが、本発明においてはコールターカウンターを
もちいて行った。
【0182】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数
分布、重量分布を出力するインターフェイス(日科機
製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン
製)を接続し、長さ平均粒径D1及び重量平均粒径D4
求めた。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%のN
aCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶
液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好
ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5m
l加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を
懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理
を行い、前記コールターカウンターTAII型により、
測定を行なう。
【0183】重量平均粒径が20μm以下に相当する試
料は100μmアパチャーを使用し、それ以外の粒子径
の大きい試料は400μmアパチャーを使用して測定を
行なった。
【0184】MICR特性の磁気信号強度に関しては、
ANSI(American National St
andard Institute)x9.27 19
88記載のE13B規格に従い、クリアバンド(磁気印
字領域)中、1〜64番地にほぼ等間隔に14個の自行
シンボル(ONUS信号)を印字した小切手サンプルを
作成した。
【0185】E13B MICR CALIBRATI
ON DOCUMENT 100%により校正されたM
INI QUEST(独ZEISER社製)を用いて自
行シンボル14個の信号強度を測定し、その平均値を信
号強度とした。
【0186】MICRリーダー・ソーターによる誤読率
に関しては、JIS C 6250−1980の記載に
従い、MICR文字の印字を1,000枚行ない、この
1,000枚の印字物を市販のMICRリーダー・ソー
ター(IBM製3890型機)を用いて調査した。誤読
率は以下の式より算出した。
【0187】尚、1度誤読した印刷物については、次回
以降の誤読数集計からは、除外することとする。
【0188】
【数4】 現像剤の見掛け密度(AD)は、パウダーテスター(細
川ミクロン(株)製)に付属している容器を使用して、
取り扱い説明書の手順に従い100cm3の容器に何g
入るかを測定し〔g/cm3〕の値で表わした。
【0189】次に、本発明(6)の画像形成方法に適用
可能な接触帯電工程について具体的に説明する。
【0190】図17は、接触帯電装置の一例を示す概略
構成図である。1は被帯電体である感光体ドラムであ
り、アルミニウム製のドラム基体1aの外周面に感光体
層である有機光導電体(OPC)1bを形成してなるも
ので矢印方向に所定の速度で回転する。本例において、
感光体ドラム1は外径30mmφである。2は上記感光
体ドラム1に所定圧力をもって接触させた帯電部材であ
る帯電ローラであり、金属芯金2aに導電性ゴム層2b
を設け、さらにその周面に離型性被膜である表面層2c
を設けている。表面層2cとして離型性被膜を設けるこ
とは本発明(6)の画像形成方法とのマッチング上好ま
しい。但し、離型性被膜は、抵抗が大きすぎると感光体
ドラム1が帯電されず、抵抗が小さすぎると感光体ドラ
ム1に大きな電圧がかかり過ぎ、ドラムの損傷、ピンホ
ールの発生が起きるので適度な抵抗、即ち体積抵抗率1
9〜1014Ωcmが良く、この時の離型性被膜の厚さ
は3.0μm以内が好ましい。また、被膜の厚さの下限
は被膜ハガレ、メクレがなければ良く5μmくらいが適
当と考えられる。
【0191】本例では帯電ローラ2の外径は12mmφ
であり、導電性ゴム層2bはEPDM、表面層2cには
厚み10μmのナイロン系樹脂を用いている。また、帯
電ローラ2の硬度は54.5°(ASKER−C)とし
た。Eはこの帯電ローラ2に電圧を印加する電源部で所
定の電圧を帯電ローラ2の芯金2aに供給する。図17
においてEは直流電圧を示しているが、直流電圧に交流
電圧を重畳したものが好ましい。この場合の好ましいプ
ロセス条件を下記に示す。
【0192】 当接圧 5 〜 500g/cm 交流電圧 0.5〜 5VPP 交流周波数 50 〜3,000Hz 直流電圧 −200 〜 −900V
【0193】図18は接触帯電装置の他の例を示す概略
構成図である。前述図17の装置と共通部材には同一の
符号を付して再度の説明は省略する。
【0194】本例の接触帯電部材2’は感光体ドラム1
に所定圧力をもって順方向に当接させたブレード状のも
のであり、このブレード2’は電圧が供給される金属支
持部材2’aに導電性ゴム2’bが支持され、感光体ド
ラム1との当接部分には、離型性被膜となる表面層2’
cが設けられている。表面層2’cとしては厚み10μ
mのナイロンを用いている。この例によれば、ブレード
と感光体ドラムとの接着といった不具合もなく前記例と
同様の作用効果がある。
【0195】前述した例では帯電部材としてローラ状、
ブレード状のものを使用したが、これに限るものでな
く、他の形状についても本発明(6)を実施することが
できる。
【0196】また、上記例では帯電部材が導電性ゴム層
と離型性被膜から構成されているが、それに限らず、導
電性ゴム層と離型性被膜表層間に感光体へのリーク防止
のために高抵抗層、例えば環境変動の少ないヒドリンゴ
ム層を形成すると良い。
【0197】また、離型性被膜としてナイロン系樹脂の
代わりにPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC
(ポリ塩化ビニリデン)をもちいても良い。感光体とし
ては、アモルファスシリコン、セレン、ZnO等でも使
用可能である。特に、感光体にアモルファスシリコンを
用いた場合、他のものを使用した場合に比べて、導電性
ゴム層の軟化剤が感光体に少しでも付着すると、画像流
れはひどくなるので導電性ゴム層の外側に絶縁性被膜し
たことによる効果は大となる。
【0198】また、本発明(6)に係るクリーニング工
程について説明すると、一般にトナー像転写後の感光体
ドラムはクリーナーのブレードやローラの如きクリーニ
ング部材により転写残りのトナー分やその他の汚染物の
拭掃除去を受けて清浄面化され繰り返して像形成に供さ
れる。
【0199】また、係るクリーニング工程を、電子写真
法に関わる帯電工程や現像工程、あるいは転写工程の中
で同時に行うことも可能である。
【0200】本発明(6)は、感光体の表面が有機化合
物である画像形成装置に対し特に有効である。有機化合
物が表面層を形成している場合、トナー中に含まれる結
着樹脂との接着性が良く、特に同質の材料を用いた場
合、接点においては化学的な結合が生じ、トナー融着を
促進するためである。
【0201】本発明(6)に用いる感光体の表面物質と
しては、シリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エチレン−
塩化ビニル、スチレン−メチルメタクリレート、スチレ
ン−アクリロニトリル、スチレン、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリカーボネート等が挙げられるが、これら
に限定されることはなく、他のモノマーあるいは、例示
樹脂間での共重合、ブレンド等も使用することができ
る。
【0202】本発明(6)は、感光体の直径が50mm
以下の画像形成装置に対し特に有効である。小径ドラム
の場合、同一の線圧にしても曲率が大きいため、当接部
において圧力の集中が起こりやすいためである。
【0203】ベルト感光体でも同一の現象があると考え
られ転写部での曲率半径25mm以下の画像形成装置に
対しても有効である。
【0204】さらに、図19を参照しながら、本発明の
磁性現像剤を用いる電子写真装置及び装置ユニットを説
明する。
【0205】一次帯電器(帯電手段)702で感光体表
面を負極性に帯電し、光像露光(潜像形成手段)705
(スリット露光・レーザービーム走査露光)によりイメ
ージスキャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブ
レード711および磁石714を内包している現像スリ
ーブ704を具備する現像器(現状手段)709に保有
される一成分系磁性現像剤710で該潜像を反転現像す
る。現像部において感光ドラム(感光体)701の導電
性基体と現像スリーブ704との間で、バイアス印加手
段712により交互バイアス、パルスバイアス及び/又
は直流バイアスが印加されている。転写紙Pが搬送され
て、転写部にくると転写紙Pの背面(感光ドラム側と反
対面)から二次帯電器(転写手段)703で帯電をする
ことにより、感光ドラム表面上の画像現像(トナー像)
が転写紙P上へ静電転写される。感光ドラム701から
分離された転写紙Pは、加熱加圧ローラ定着器707に
より転写紙P上のトナー画像を定着するために定着処理
される。
【0206】転写工程後の感光ドラムに残留する一成分
系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリーニン
グ器(クリーニング手段)708で除去される。クリー
ニング後の感光ドラム701は、イレース露光706に
より除電され、再度、一次帯電器702による帯電工程
から始まる工程が繰り返される。
【0207】静電潜像担持体(感光ドラム)は感光層及
び導電性基体を有し、矢印方向に動く。トナー担持体で
ある非磁性円筒の現像スリーブ704は、現像部におい
て静電潜像担持体表面と同方向に進むように回転する。
非磁性円筒スリーブ704の内部には、磁界発生手段で
ある多極永久磁石(マグネットロール)が回転しないよ
うに配されている。現像器709内の一成分系絶縁性磁
性現像剤710は非磁性円筒面上に塗布され、かつスリ
ーブ704の表面とトナー粒子との摩擦によって、トナ
ー粒子は例えばマイナスのトリボ電荷が与えられる。さ
らに鉄製の磁性ドクターブレード711を円筒表面に近
接して(間隔50μm〜500μm)、多極永久磁石の
一つの磁極位置に対向して配置することにより、現像剤
層の厚さを薄く(30μm〜300μm)且つ均一に規
制して、現像部における静電潜像担持体701とトナー
担持体704の間隙よりも薄い現像剤層を非接触となる
ように形成する。このトナー担持体704の回転速度を
調整することにより、スリーブ表面速度が静電潜像担持
面の速度と実質的に等速、もしくはそれに近い速度とな
るようにする。磁性ドクターブレード711として鉄の
かわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよい。
現像部においてトナー担持体704と静電潜像担持面と
の間で交流バイアスまたはパルスバイアスをバイアス手
段712により印加しても良い。この交流バイアスはf
が200〜4,000Hz、Vppが500〜3,00
0Vであれば良い。
【0208】現像部分におけるトナー粒子の移転に際
し、静電潜像担持面の静電的力及び交流バイアスまたは
パルスバイアスの作用によってトナー粒子は静電像側に
転移する。
【0209】磁性ドクターブレード711のかわりに、
シリコーンゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレー
ドを用いて押圧によって現像剤層の層厚を規制し、現像
剤担持体上に現像剤を塗布しても良い。
【0210】本発明(7)の画像形成装置では、先に説
明した画像形成装置の現像剤担持体であるスリーブ70
4の表面に、図20に示されるように、導電性微粒子ま
たは/及び固体潤滑剤を含有した被覆層720が約0.
5μm〜30μm、好ましくは、2μm〜20μmの厚
さに形成されている。
【0211】被膜720は、被膜層形成高分子材料に導
電性微粒子または/及び固体潤滑剤が含まれているもの
が使用される。導電性微粒子は、120kg/cm2
加圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるものが
好ましい。
【0212】導電性微粒子としてはカーボン微粒子が好
ましく、固体潤滑剤としてはグラファイト(より好まし
くは結晶性グラファイト)が好ましい。
【0213】本発明(7)に好ましく使用される結晶性
グラファイトは、大別すると天然黒鉛と人造黒鉛とに分
けられる。人造黒鉛は、ピッチコークスをタールピッチ
等により固めて1,200℃位で一度焼成してから黒鉛
化炉にいれ、2,300℃位の高温で処理することによ
り、炭素の結晶が成長して黒鉛に変化する。天然黒鉛
は、永い間の天然の地熱と地下の高圧によって完全に黒
鉛化したものが地中より算出するものである。これらの
黒鉛は、種々の優れた性質を有していることから工業的
に広い用途を持っている。黒鉛は、暗灰色ないし黒色の
光沢のある非常に軟かい滑性のある結晶鉱物で、耐熱
性、化学的安定性があり、潤滑性に優れている。結晶構
造は六方晶とその他に菱面晶系に属するものがあり、完
全な層状構造を有している。電気的特性に関しては、炭
素と炭素の結合の間に自由電子が存在し、電気の良導体
となっている。なお、本発明で使用する黒鉛は天然、人
工のどちらでも良い。
【0214】また、本発明に使用する黒鉛は、粒径的に
は0.5μm〜10μmのものが好ましい。
【0215】導電性アモルファスカーボンは、一般的に
は「炭化水素または炭素を含む化合物を空気の供給が不
十分な状態で燃焼または熱分解させてできる結晶子の集
合体」と定義されている。特に電気伝導性に優れ、高分
子材料に充填して導電性を付与したり、添加量のコント
ロールである程度任意の導電度を得ることができるため
広く普及している。なお、本発明で使用する導電性のア
モルファスカーボンの粒径は5μm〜100μmのもの
が好ましく、より好ましくは、10μm〜80μm、さ
らに好ましくは、15μm〜40μmのものが良い。
【0216】導電性微粒子または/及び固体潤滑剤は、
樹脂成分10重量部当り、3〜20重量部使用するのが
好ましい。カーボン微粒子とグラファイト粒子を組み合
わせて使用する場合は、グラファイト10重量部当た
り、カーボン微粒子1〜50重量部を使用するのが好ま
しい。
【0217】導電性微粉末または/及び固体潤滑剤が分
散されているスリーブの樹脂コート層の体積抵抗率は1
-6〜106Ω・cmが好ましい。
【0218】被覆形成高分子材料である樹脂成分として
は、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエー
テルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊
維素系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂などを使用すること
ができる。中でもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離
型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、ポリ
カーボネイト、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミ
ド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレ
ン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好まし
い。次に本発明の解決課題であるフェーディング現象に
ついて説明する。
【0219】図16にフェーディング現象発生時のプリ
ントアウト画像を模式的に表わした図を示す。
【0220】フェーディング現象が発生したときにスリ
ーブ上を観察すると、トナー層は一様に形成されている
ので、トナー切れ等による白抜けとはまた違った現象で
ある。スリーブ上のトナーの帯電量(以下「トリボ」と
称す)を測定してみると、正常な場合に比べ、低い値で
あることがわかった。すなわち正常に帯電されたトナー
粒子以外にも充分帯電されていないトナー粒子が、スリ
ーブ表面上から受ける摩擦力によって図20におけるブ
レード711とマグネット721により形成される集中
磁界をくぐり抜けスリーブ上にトナー層を形成する。こ
れによりトナー層のトリボが低下し、感光ドラムとスリ
ーブ間の交互電界を受けても感光ドラム上にトナーが移
行しない部分が発生し、フェード現象がおこる。これを
防止するためには現像剤層のトナーのトリボを上昇させ
ることが必要である。すなわち、トナーが磁性ブレード
711、マグネット721により形成される集中磁界を
くぐり抜けるとき、スリーブ表面から受ける摩擦力によ
らず、トナーとスリーブ間に働く鏡映力によってのみ集
中磁界をくぐり抜けるようにすると、鏡映力の大きい正
常なトリボを持ったトナーで現像剤層を形成させること
が出来、フェード現象の問題を防止できる。スリーブ表
面の摩擦を小さくしてすべり性を上昇させるには、従来
よりスリーブ表面粗さの規定に使用されるJIS規格
(B0601)の中心線平均粗さRa(以下Raと略
す)の値を小さくすることだけでは、確実な効果が期待
できず、むしろRaを小さくすることによるスリーブ上
の現像剤中のトナーのコート量不足等の弊害が問題とな
る。
【0221】本発明(7)に関わるスリーブは、例えば
アルミニウムの引き抜き加工後の素管(表面粗度2S)
表面に、下記の処方例の如き調整液をスプレー法によっ
て厚さ約0.5μm〜30μm程度にコートし、次いで
乾燥炉(160度)にて熱硬化するなどの工程で被覆処
理することができる。
【0222】 (処方例1) フェノール樹脂(固形分) 30重量部 アモルファスカーボン 25重量部 (コロンビアカーボン社製CONDUCTEX 975 UB) メチルアルコールメチルセロソルブ 200重量部
【0223】 (処方例2) フェノール樹脂(固形分) 15重量部 人工グラファイト(1μm) 15重量部 メチルアルコールメチルセロソルブ 225重量部
【0224】 (処方例3) フェノール樹脂(固形分) 60重量部 グラファイト 54重量部 カーボンブラック 6重量部 メチルエチルケトン+トルエン(1:1)混合溶媒 400重量部
【0225】以上のような工程を経て樹脂コートスリー
ブが作製される。しかしながら、以上の工程のみでは、
相対負荷長さtpを5%のときのカッティング深さCV
5μm以下にするのは難しく、そのため、スリーブの樹
脂被覆層表面のスリーブに表面磨き加工を最後に加える
ことが効果的である。例えばフェルトによる表面磨き工
程を加えたものがあげられる。この磨き加工について例
を挙げて説明する。乾燥工程の終った被覆スリーブを8
00rpm程度で回転させながらフェルトを1〜3kg
程度の圧力で接触させる。このフェルトを被覆スリーブ
長手方向に1〜5cm/secの速さで一方の端部から
他方の端部まで動かせば磨き終了である。磨き方法はこ
れに限るものでなく、布、ウエス等によっても可能であ
るし、スリーブを回転させず手で直接磨くことも可能で
ある。以上のようにして本発明に使用される被覆スリー
ブが作製される。
【0226】次に、スリーブ表面の相対負荷曲線につい
て説明する。
【0227】図21にスリーブ表面の基準長さあたりの
プロフィール(断面曲線)とそれに対応する相対負荷曲
線(アボットの負荷曲線)を示した。相対負荷曲線とは
基準長さL(2.5mm)あたりのプロフィールにおい
て、この基準長さ区間の平行線を平行なあるレベル(基
準長さ区間に最高山頂からこのレベルまでの距離をカッ
ティング深さCVという)の直線で基準長さ区間を切断
したとき、その切口の線分の長さのの総和11+12・・
・1nと基準長さLとの比をそのレベル(カッティング
深さ)における相対負荷長さTPといい、このカッティ
ング深さと相対負荷長さの関係をグラフ化したものが相
対負荷曲線である。
【0228】図21において、相対負荷長さTPが5%
とは、
【0229】
【数5】 を意味し、その時のカッティングの深さはCV5である。
【0230】本実施例では、表面粗さ測定器SE−30
H Kosaka Laboratory Ltd製を
使用した。本発明においては、相対負荷曲線において相
対負荷長さTPが5%のときのカッティング深さCVに注
目して、CV≦5μm(好ましくは、0.5〜5μm)
とすることによりフェーディング現象の発生を防止して
いる。
【0231】ここで相対負荷長さTPが5%のときのカ
ッティング深さCV値がフェーディング現象の発生率と
関係するのに対し、中心線平均粗さRaがフェーディン
グの発生率とは一概に関係づけられない理由を説明す
る。
【0232】図22は、被覆スリーブA(比較例)の表
面の一部分を模式的に示したプロフィールであり、CV5
が10μmであり、Raが2.5μmである。一方、被
覆スリーブAの表面に表面磨き加工を行い、CV5が0.
9μmであり、Raが1.6μmである被覆スリーブB
(本発明)を調製した。被覆スリーブBの表面の一部分
を模式的に示したプロフィールを図23に示す。
【0233】被覆スリーブAとBを比較すると、CV
値は10μmから0.9μmと大きく変化したが、Ra
は2.5μmから1.6μmとそれほど変化していな
い。この被覆スリーブA及びBの違いはプロフィールを
見ると明らかである。被覆スリーブAはプロフィールの
凹凸がとがって粗さが大きいためCV5及びRaともに大
きな値をとるが、被覆スリーブBはプロフィールの凸部
が表面磨き加工により丸められているため、CV5は小さ
な値となる。
【0234】ただし、被覆スリーブBの凹部はそのまま
であるために、Raは比較的大きな値を保ったままであ
る。フェーディング現象については被覆スリーブAは凸
がとがっていて、スリーブ表面のすべり性が悪く、フェ
ーディング現象が発生した。被覆スリーブBは凸部が丸
められているためにスリーブ表面のすべり性が良くフェ
ーディング現象は発生しなかった。
【0235】以上のように、被覆スリーブ表面のCV5
を規定することにより被覆スリーブ表面のすべり性を良
くし、フェーディング現象の発生を防ぐことができるこ
とが判明した。
【0236】被覆スリーブAと被覆スリーブBのデータ
を下記表1に示す。
【0237】
【表1】
【0238】以上のようにCV5値をCV≦5μmとする
ことによりフェーディングの発生を防止することができ
る。また、CV5値をCV≦5μmとするにはスリーブ表
面に磨き加工をすることが効果的である。
【0239】なお前述したようにRaはフェーディング
の発生を抑えるための確実な手段とはならないが、Ra
<0.4μmではスリーブ上のトナーコート量不足によ
る画像濃度うす、及び現像剤の帯電不均一化による現像
剤のコートムラの発生という弊害が発生しやすい傾向が
ある。このためRaの値は、Ra≧0.4μmが好まし
く、より好ましくはRa≧0.5μmであることが良
い。
【0240】また、スリーブ表面のCV5値をCV≦5μ
mにするためにスリーブ被覆膜表面を乾燥後にブラスト
加工することも可能である。例えばブラスト加工は、
(株)不二製作所製ブラスト加工機などを用い、アラン
ダム#400などの砥粒にて行うことができる。また、
ブラスト処理により摩砕された被覆膜微粉を除去するた
めに、アルコール洗浄などを併せて行うこともできる。
【0241】本発明では、画像形成装置として、上述の
感光体(静電潜像担持体)や現像手段(現像装置)、ク
リーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装
置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニット
を装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例え
ば、現像手段及び感光体を一体に支持してユニットを形
成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本
体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にし
ても良い。このとき、上記の装置ユニットのほうに帯電
手段および/またはクリーニング手段を伴って構成して
も良い。
【0242】また、光像露光は、画像形成装置を複写機
やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光、あるいは、原稿を読取り信号化し、この信
号によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、
または液晶シャッターアレイの駆動などにより行われ
る。
【0243】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
る。
【0244】最初に、後述の実施例1〜5、及び比較例
1で用いた磁性体とワックスについて述べる。
【0245】磁性体の製造:硫酸第一鉄を原料として、
水溶液中で酸化反応を行なう湿式合成法により、磁性体
を得た。
【0246】尚、磁性体の合成反応中及び/または反応
後に、ケイ酸ナトリウム及び水酸化アルミニウムを添加
することにより、SiO2に換算した量でケイ素元素の
含有率、及びAl23に換算した量でアルミニウム元素
の含有率を、各々プラズマ分光法及び蛍光X線分析法に
より測定した。
【0247】上記の湿式法で合成した磁性体を原料とし
て、まず、750℃で2時間空気を通気することにより
酸化してα−Fe23とした。次に温度を350℃とし
た後に、水素ガスと窒素ガスを混合した気体を3時間通
気することにより、本発明に関わる磁性体を得た。
【0248】炭化水素系ワックスの製造:アーゲ法によ
り合成された炭化水素系ワックスをF(比較例)とし、
これからワックスA(本発明)、ワックスB(本発明)
及びワックスC(本発明)を分別結晶化により得た。ワ
ックスA及びFの昇温時及び降温時におけるDSC曲線
を図11〜14に示す。
【0249】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスを得、分別結晶化に
より低分子量成分をある程度除去したワックスD(本発
明)を得た。また、分別結晶化により低分子量成分を抽
出してワックスE(本発明)を得た。これらの物性を表
2,表3及び表4に記す。
【0250】実施例1 スチレン−アクリル共重合体 100重量部 磁性体 50重量部 (SiO2:0.54%、Al23:0.34%、 平均粒径0.24μm、10,000エルステッドの磁界で 残留磁化σr=16.8emu/g、 保磁力Hc=188エルステッド) 本発明のワックスA 5重量部 モノアゾ染料のクロム錯体 1重量部
【0251】上記混合物を、130℃に加熱された2軸
エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマ
ーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕
し、得られた微粉砕物を固定壁型風力分級機で分級して
コアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製
エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に厳密に
分級して体積平均径12.1μmの黒色微粉体(磁性ト
ナー)を得た。
【0252】上記磁性トナー100重量部に対して0.
5重量部の負帯電性シリカ微粉末を添加し、良く混合す
ることにより本発明に係る磁性現像剤(1)を得た。
【0253】この磁性現像剤のDSC測定結果を表5に
記し、磁性現像剤(1)の昇温時のDSC曲線を図1
に、降温時のDSC曲線を図2に示す。
【0254】次に、図17に示す接触帯電装置を有する
画像形成装置をもつキヤノン製レーザービームプリンタ
LBP−8II改造機を用い、直流電圧と交流電圧(5
00Hz,2,000VPP)を印加し上記磁性現像剤の
プリントアウト試験を行った結果、5,000枚まで濃
度,画質とも良好な画像を得た。
【0255】次にANSI(American Nat
ional Standard Institutio
n)X9.27−1988記載のE−13B規格に従
い、クリアバンド(磁気印字領域)中、1〜64番地に
ほぼ等間隔に14個の自行シンボル(on us記号)
を印字した小切手サンプルを作製し、”E−13B M
ICR CALIBRATION DOCUMENT
100%”により校正された”MINI QUEST”
(独ZEISER社製)を用いて信号強度の測定を行っ
たところ、1枚の小切手サンプル中での信号強度差(最
大値と最小値の差)が23と良好な結果を得た。
【0256】さらに、MICR文字印字を1,000枚
行い、その印字物を市販のMICRリーダー・ソーター
(IBM製 3890型機)を用いて磁気読みとりの正
誤率(誤読率)を調べたところ、10回通紙で、0.2
%と良好な結果を得た。
【0257】また、MICRリーダー・ソーターに通紙
した後のMICR文字のかすれ、欠落及び、MICRリ
ーダー・ソーターの磁気ヘッドの汚染はみられなかっ
た。
【0258】尚、磁気読みとりの正誤率は以下の式に従
って算出した。
【0259】
【数6】
【0260】ただし、誤読した印字物については、次か
らの誤読数集計から除外することとした。
【0261】実施例2〜5 ワックスB〜Eを使用することを除いては、実施例1と
同様にして磁性現像剤(2)〜(5)を調製した。各磁
性現像剤のDSC測定結果を表5に示す。
【0262】また、各磁性現像剤を実施例2について
は、接触帯電手段のみ図18のものを用い、実施例3〜
5については、実施例1と同様にして、画質評価及び信
号強度測定リーダー・ソーターテストを行った結果を表
6に示す。
【0263】比較例1 ワックスFを用いることを除いて、実施例1と同様にし
て磁性現像剤(6)を調製した。この磁性現像剤(6)
のDSC測定結果を表5に示す。
【0264】また、この磁性現像剤(6)を用いて、実
施例1と同様にして、画質評価及び、信号強度測定リー
ダー・ソーターテストを行った結果を表6に示す。
【0265】5,000枚印字後の画像には、ドラム融
着および帯電不良が原因とみられる欠陥がみられた。小
切手サンプルにおいては、目視では特に異常はみられな
いものの、信号強度差は72と大きく、リーダー・ソー
ターテストの結果も誤読率4.8%と好ましいものでは
なかった。さらに、リーダー・ソーターの磁気ヘッドの
汚染がみられた。
【0266】
【表2】
【0267】
【表3】
【0268】
【表4】
【0269】
【表5】
【0270】
【表6】
【0271】次に、後述の実施例6〜10、及び比較例
2〜6で用いたワックスと磁性体について述べる。
【0272】炭化水素系ワックスの製造:アーゲ法によ
り合成された炭化水素系ワックスをL(比較例)とし、
これからワックスG(本発明)、ワックスH(本発明)
及びワックスI(本発明)を分別結晶化により得た。ア
ーゲ法により合成された炭化水素を酸化処理し、ワック
スM(比較例)を得た。
【0273】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスN(比較例)を得、
分別結晶化により低分子量成分をある程度除去したワッ
クスJ(本発明)を得た。同様の重合によるワックスN
よりは高分子量のワックスを得、分別結晶化により低分
子量成分を抽出してワックスK(本発明)を得た。これ
らの物性を表7,表8及び表9に記す。
【0274】磁性体の製造:硫酸第一鉄を原料として、
水溶液中で酸化反応を行なう湿式合成法により、表10
に示す磁性体を得た。
【0275】尚、磁性体の合成反応中及び/または反応
後に、ケイ酸ナトリウム及び水酸化アルミニウムを添加
することにより、表9に示す如くSiO2に換算した量
でケイ素元素、及びAl23に換算した量でアルミニウ
ム元素を含有することを、各々プラズマ分光法及び蛍光
X線分析法により測定し、確認した。
【0276】上記の湿式法で合成した磁性体を原料とし
て、まず、750℃で2時間空気を通気することにより
酸化してα−Fe23とした。次に温度を350℃とし
た後に、水素ガスと窒素ガスとを混合した気体を3時間
通気することにより、表11に示す本発明に係る磁性体
(5)〜(7)を得た。
【0277】同様にして磁性体の合成反応中に酸化アル
ミニウムを添加することなく、湿式法により表11に示
す比較用磁性体(8)を得た。
【0278】実施例6 スチレン−アクリル共重合体 100重量部 本発明の磁性体(5) 55重量部 本発明のワックスG 5重量部 モノアゾ染料のクロム錯体 1重量部
【0279】上記混合物を、130℃に加熱された2軸
エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマ
ーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕
し、得られた微粉砕物を固定壁型風力分級機で分級して
コアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製
エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に厳密に
分級して体積平均径12.2μmの黒色微粉体(磁性ト
ナー)を得た。
【0280】上記磁性トナー100重量部に対して0.
5重量部の負帯電性シリカ微粉末を添加し、良く混合す
ることにより本発明に係る磁性現像剤(7)を得た。
【0281】この磁性現像剤のDSC測定結果を表12
に記す。
【0282】次にキヤノン製レーザービームプリンタL
BP−8IIを用い、上記磁性現像剤(7)を、現像ス
リーブの表面を、前述の方法に従って、処方例3の合成
樹脂を被覆し(被覆層8.4μm)、さらに前述の如
く、フェルトを接触させて、その表面磨きを行うこと
で、CV5=0.9μm,Ra=1.6μmとした被覆ス
リーブB(表1参照)を調整し、装置ユニットに設置し
て画出しを行った。この結果、フェーディング現像がな
く、均一で画像濃度が高く、カブリの少ない鮮明な画像
を得た。また、JIS C 6251−1980の記載
に従って、MICR文字の印字を1,000枚行った。
この1,000枚の印字物を市販のMICRリーダー・
ソーター(IBM製 3890型機)を用いて5回通紙
の磁気読み取りの正誤率(誤読率)を調べたところ、
0.3%と良好な結果を得た。また、MICRリーダー
・ソーターに通紙した後のMICR文字のかすれ、欠落
及び、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドの汚染
はみられなかった。
【0283】尚、磁気読み取りの正誤率は以下の式に従
って算出した。
【0284】
【数7】
【0285】なお1度誤読した印刷物については、次回
からの誤読数集計からは除外することとした。
【0286】実施例7〜10 表13に示すようにワックス及び磁性体を組み合わせて
使用することを除いては、実施例6と同様にして磁性現
像剤(8)乃至(11)を調製した。各磁性現像剤のD
SC測定結果を表12に示す。また各磁性現像剤を実施
例6と同様にしてMICRリーダー・ソーターに通紙し
た。結果を表13に示す。
【0287】比較例2〜4 ワックスL乃至Nを使用することを除いては、実施例6
と同様にして磁性現像剤(12)乃至(14)を調製し
た。各磁性現像剤のDSC測定結果を表12に示す。ま
た各磁性現像剤を実施例6と同様にしてMICRリーダ
ー・ソーターに通紙した。結果を表13に示す。
【0288】比較例5 ワックスを使用しないことを除いて、実施例6と同様に
して磁性現像剤(15)を調製した。この磁性現像剤
(15)のDSC測定結果を表12に示す。この吸熱ピ
ークは、結着樹脂に由来するものであり、他の磁性現像
剤にもみられるものである。またこの磁性現像剤を実施
例6と同様してMICRリーダー・ソーターに通紙し
た。結果を表13に示す。
【0289】比較例6 磁性体(8)を用いる以外は実施例6と同様にして、磁
性現像剤(16)を調製した。この磁性現像剤(16)
のDSC測定結果を表12に示す。さらに実施例6と同
様にしてMICRリーダー・ソーターに通紙した。結果
を表13に示す。
【0290】
【表7】
【0291】
【表8】
【0292】
【表9】
【0293】
【表10】
【0294】
【表11】
【0295】
【表12】
【0296】
【表13】
【0297】
【発明の効果】本発明(1)及び(2)は、接触帯電手
段を用いる画像形成方法において、特定の炭化水素系ワ
ックスを磁性現像剤中に含有させることによって、磁性
現像剤に好ましい特性を与えることが出来るので、残留
現像剤による帯電部材、および、被帯電部材の汚染,融
着,傷の発生を防ぎ、画像欠陥を生じることがなく、ば
らつきの少ない適正な信号強度をもつMICR文字印字
が可能となり、MICRリーダー・ソーター通紙時に高
認識率を得ることができる。
【0298】本発明(3)は、特定の炭化水素系ワック
ス及び磁性体を磁性現像剤中に含有させることによっ
て、磁性現像剤に好ましい熱特性を与えることが出来る
ので、細線再現性及び解像度の良好な磁性現像剤を提供
できる。
【0299】本発明(4)は、特定の表面性を有する現
像剤担持体を用いた画像形成方法において、特定の炭化
水素系ワックス及び磁性体を磁性現像剤中に含有させる
ことによって、いわゆるフェーディング現象の発生を防
止し、均一な現像画像を形成することができ、かつ細線
再現性及び解像度の良好な、デジタル潜像の現像に好適
に使用される磁性現像剤を提供することができる。
【0300】さらに本発明(1)〜(4)は、MICR
リーダー・ソーターに繰り返し通紙されてもMICR文
字がかすれたり欠落したりすることのない磁性現像剤を
提供できる。
【0301】さらに、本発明(1)〜(4)は、MIC
Rリーダー・ソーターに繰り返し通紙されてもMICR
リーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染することのない
磁性現像剤を提供できる。
【0302】さらにまた、本発明(1)〜(4)は、デ
ジタルな画像信号により潜像を形成し、該潜像を反転現
像方式で現像する画像形成装置においても、解像性、階
調性、細線再現性に優れたトナー画像を形成し得る磁性
現像剤を提供できる。
【0303】また、本発明(1)〜(4)は、電子写真
プリンターを利用したMICR印字に用いた場合に優れ
た認識率を示す磁性現像剤を提供できる。
【0304】また本発明(1)〜(4)は他に、MIC
Rリーダー・ソーターに繰り返し通紙しても認識率が低
下しない磁性現像剤を提供できる。
【0305】さらに本発明(1)〜(4)は、細線再現
性及び解像度に優れMICR文字の印字を行ってもその
規格に従って忠実に再現する磁性現像剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性現像剤(1)の昇温時のDSC曲
線を示す図である。
【図2】本発明の磁性現像剤(1)の降温時のDSC曲
線を示す図である。
【図3】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図4】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図5】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図6】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図7】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す図
である。
【図8】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す図
である。
【図9】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す図
である。
【図10】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す
図である。
【図11】本発明に係るワックスAの昇温時におけるD
SC曲線を示す図である。
【図12】本発明に係るワックスAの降温時におけるD
SC曲線を示す図である。
【図13】ワックスF(比較例)の昇温時におけるDS
C曲線を示す図である。
【図14】ワックスF(比較例)の降温時におけるDS
C曲線を示す図である。
【図15】摩擦帯電量測定におけるトナーのトリボ電荷
量を測定する装置の説明図である。
【図16】フェーディング現像の説明図である。
【図17】本発明の画像形成方法に係る接触帯電装置の
一例を示す概略構成図である。
【図18】本発明の画像形成方法に係る接触帯電装置の
他の例を示す概略構成図である。
【図19】本発明の装置ユニットを有する、画像形成装
置の一具体例を概略的に示す図である。
【図20】本発明の現像装置の概略的断面図を示す図で
ある。
【図21】相対負荷曲線を説明するための図である。
【図22】比較例の被覆スリーブの表面プロフィールを
模式的に示す図である。
【図23】本発明の被覆スリーブの表面プロフィールを
模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2,2’ 帯電部材 31 吸引機 32 測定容器 33 導電性スクリーン 34 フタ 35 真空計 36 風量調節弁 37 吸引口 38 コンデンサー 39 電位計 701 感光体 702 帯電手段 703 転写手段 704 現像スリーブ 705 光像露光 706 イレース露光 707 加熱加圧ローラ定着器 708 クリーニング器 709 現像器 710 磁性現像剤 711 磁性ブレード 712 バイアス印加手段 720 被覆層 721 マグネットロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 13/09 21/18 15/08 501 D 8530−2H 507 L 8530−2H 15/09 Z G03G 9/08 365 13/08 8909−2H 15/00 556

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯電部材を被帯電体に接触させて外部よ
    り電圧を印加し帯電を行う帯電工程と、上記被帯電体よ
    り現像剤を除去するクリーニング工程を有する画像形成
    方法に用いる現像剤であって、 少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水素系ワックスを
    含有し、 示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、 昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピークにおけるオンセ
    ット温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温度が10
    0〜120℃の範囲にあり、 降温時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62〜7
    5℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上
    であることを特徴とする磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 帯電部材を被帯電体に接触させて外部よ
    り電圧を印加し帯電を行う帯電工程と、上記被帯電体よ
    り現像剤を除去するクリーニング工程を有する画像形成
    方法に用いる現像剤であって、 少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水素系ワックスを
    含有し、 該炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線において、 昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関し、吸
    熱ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲にあ
    り、温度90〜120℃の領域に少なくとも1つの吸熱
    ピークP1があり、該吸熱ピークP1のピーク温度±9
    ℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあることを特徴
    とする磁性現像剤。
  3. 【請求項3】 少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水
    素系ワックスを含有し、 示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、 昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピークにおけるオンセ
    ット温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温度が10
    0〜120℃の範囲にあり、 降温時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62〜7
    5℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上
    である磁性現像剤であって、 該磁性体は、ケイ素元素及びアルミニウム元素を含有す
    ると共に、10,000エルステッドの磁界における残
    留磁化σrが12≦σr≦30emu/gの範囲にあ
    り、10,000エルステッドの磁界における保磁力H
    cが130≦Hc≦300エルステッドの範囲にあり、
    かつ透磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲にあり、 該炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線において、 昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関し、吸
    熱ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲にあ
    り、温度90〜120℃の領域に少なくとも1つの吸熱
    ピークP1があり、該吸熱ピークP1のピーク温度±9
    ℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあることを特徴
    とする磁性現像剤。
  4. 【請求項4】 導電性微粒子または/及び固体潤滑剤を
    少なくとも含有している樹脂層で形成された表面層を有
    し、該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負荷曲
    線)において相対負荷長さtpが5%のときのカッティ
    ング深さCVが5μm以下である現像剤担持体で磁性現
    像剤を搬送し、静電潜像を現像する画像形成方法に使用
    され、少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水素系ワッ
    クスを含有し、 示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、 昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピークにおけるオンセ
    ット温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温度が10
    0〜120℃の範囲にあり、 降温時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62〜7
    5℃の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上
    である磁性現像剤であって、 該磁性体は、ケイ素元素及びアルミニウム元素を含有す
    ると共に、10,000エルステッドの磁界における残
    留磁化σrが12≦σr≦30emu/gの範囲にあ
    り、10,000エルステッドの磁界における保磁力H
    cが130≦Hc≦300エルステッドの範囲にあり、
    かつ透磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲にあり、 該炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線において、 昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関し、吸
    熱ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲にあ
    り、温度90〜120℃の領域に少なくとも1つの吸熱
    ピークP1があり、該吸熱ピークP1のピーク温度±9
    ℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあることを特徴
    とする磁性現像剤。
  5. 【請求項5】 磁性現像剤は、磁性を有する文字による
    情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記号
    識別システムに用いられる文字を印字するのに用いられ
    ることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の磁性
    現像剤。
  6. 【請求項6】 帯電部材を被帯電体に接触させて外部よ
    り電圧を印加し帯電を行う帯電工程と、上記被帯電体よ
    り現像剤を除去するクリーニング工程を有する画像形成
    方法において、該現像剤として請求項1〜2いずれかに
    記載の磁性現像剤を用いることを特徴とする画像形成方
    法。
  7. 【請求項7】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有する画像形成装置において、 該現像剤担持体は、導電性微粒子または/及び固体潤滑
    剤を少なくとも含有している樹脂層で形成された表面層
    を有し、該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負
    荷曲線)において相対負荷長さtpが5%のときカッテ
    ィング深さCVが5μm以下であり、 該磁性現像剤は、請求項4に記載の磁性現像剤であるこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有し、 該磁性現像剤は、請求項1〜3いずれかに記載の磁性現
    像剤であり、 該現像装置は、静電潜像担持体と共に一体に支持されて
    ユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニット
    を形成していることを特徴とする装置ユニット。
  9. 【請求項9】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有し、 該現像剤担持体は、導電性微粒子または/及び固体潤滑
    剤を少なくとも含有している樹脂層で形成された表面層
    を有し、該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負
    荷曲線)において相対負荷長さtpが5%のときのカッ
    ティング深さCvが5μm以下であり、 該磁性現像剤は、請求項4に記載の磁性現像剤であり、 該現像装置は、静電潜像担持体と共に一体に支持されて
    ユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニット
    を形成していることを特徴とする装置ユニット。
JP5246058A 1993-09-08 1993-09-08 磁性現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット Withdrawn JPH0777830A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0968822A (ja) * 1995-08-31 1997-03-11 Canon Inc 静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法
JP2002323794A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Canon Inc 磁性トナー
JP2004138644A (ja) * 2002-10-15 2004-05-13 Canon Inc 非磁性一成分トナー、画像形成方法、現像装置およびプロセスカートリッジ
JP2008181041A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Canon Inc 磁性トナー及び画像形成方法

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JP2002323794A (ja) * 2001-04-26 2002-11-08 Canon Inc 磁性トナー
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