JP2896828B2 - 磁性現像剤、画像形成装置及び装置ユニット - Google Patents

磁性現像剤、画像形成装置及び装置ユニット

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JP2896828B2
JP2896828B2 JP4171523A JP17152392A JP2896828B2 JP 2896828 B2 JP2896828 B2 JP 2896828B2 JP 4171523 A JP4171523 A JP 4171523A JP 17152392 A JP17152392 A JP 17152392A JP 2896828 B2 JP2896828 B2 JP 2896828B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体あるい
は静電記録誘電体等の像担持体に潜像を形成し、該潜像
を顕像化するための現像装置に適用される磁性現像剤、
画像形成装置、及び装置ユニットに関する。
【0002】本発明はさらに磁性インク記号識別(Ma
gnetic Ink Character Reco
gnition)システムに用いられる磁性を有する文
字の印字に好適な磁性現像剤に関する。
【0003】本発明の磁性現像剤は電子写真画像形成方
法において、潜像画像が、単位画素により表現され、単
位画素がオン−オフの2値もしくは有限の階調により表
現される、デジタル潜像を反転現像方式で顕像化するた
めの磁性現像剤として好ましく使用できる。
【0004】
【従来の技術】電子写真システムは、原稿画像に対し露
光を行いその反射光を潜像担持体に露光し、潜像を得る
方法が一般に行われている。この方式は、原稿反射光を
直接画像信号とするため、電気的潜像の電位は連続的に
変化する(以下アナログ潜像という)。
【0005】これに対し、最近原稿反射光を、電気信号
に変換しその信号を処理した後、それに基づき露光を行
う方式が商品化されている。この方式は、アナログ潜像
方式に較べ高倍率の拡大、縮小が容易にでき、画像信号
をコンピューターに取り込んで他の情報と合わせて出力
できる。前記の如き多彩な用途が有る反面、画像信号を
アナログのまま扱うと信号量が膨大になるため画素単位
(以下ドットという)に画像を分割し、各画素毎に露光
量を決めるデジタル処理が必要となる。
【0006】潜像がデジタル化された場合、アナログ潜
像に較べ、ドットの1つ1つが正確に現像される必要が
あり、従って現像率で画素に忠実に現像し得る現像剤が
必要となる。
【0007】デジタル潜像の現像の場合、アナログ潜像
に較べ潜像形成時に於ける潜像の表面電位の偏差が大き
く、現像剤搬送部と、感光ドラムの如き潜像担持体との
間の電位差が小さい潜像部においても現像が行われるこ
とが必要になる。
【0008】画像・非画像が1ドット毎に繰り返される
様な画像に於いて特に現像剤の現像性が重要になる。故
に、デジタル潜像システムにアナログ潜像用現像剤とし
て開発された現像剤を流用した場合、特に上記画像・非
画像が1ドット毎に繰り返される印字パターンに於いて
ドット毎の現像が不足し、ドットが小さくなったりある
いは全く現像されないといった現象がおこり全体として
は画像濃度が淡くなったり文字がかすれたりする傾向が
ある。この現象は現像剤帯電量が小さくなりやすい磁性
体を含有した磁性トナーを有する現像剤(以下磁性現像
剤という)に於いて顕著になる。
【0009】これは、磁性現像剤では磁性体が磁性トナ
ー粒子表面に出ている部分があり、帯電に寄与できる表
面が少なくなるためと考えられる。磁性体の表面露出量
は磁性トナー1個当りに含有される磁性体の量により変
化するため、現像剤帯電量の分布は他の現像剤に較べ広
くなる。従って磁性現像剤をデジタル潜像システムに用
いた場合には摩擦帯電量の低い磁性トナー粒子の、現像
器内における蓄積に起因した文字のかすれが起こりやす
く、その改善が望まれている。
【0010】また従来、例えば、静電潜像担持体として
の感光ドラム表面に形成した潜像を一成分系の現像剤と
しての磁性トナーによって顕像化する現像装置は、磁性
トナー粒子相互の摩擦、及び現像担持体としてのスリー
ブと磁性トナー粒子の摩擦により感光ドラム上に形成さ
れた静電像電荷と現像基準電位に対し、逆極性の電荷を
磁性トナー粒子に与え、該磁性トナーをスリーブ上にき
わめて薄く塗布させて感光ドラムとスリーブで形成され
る現像領域に搬送し、現像領域においてスリーブ内に固
着された磁石による磁界の作用で磁性トナーを飛翔させ
て感光ドラム上の静電潜像を顕像化するものが知られて
いる。
【0011】さらに近年、電子写真複写機等画像形成装
置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広が
り、このような背景の元に電子写真プリンターの応用分
野として磁性インク記号識別(Magnetic In
k Character Recognition 以
下、単にMICRと称す。)システムに用いられる文字
の印字機が考案されている。
【0012】MICRシステムとしては主として小切
手、手形などに発行銀行、金額、口座番号等の情報を磁
性インクで印刷し、手形交換所などでの分類、仕分けを
磁気読み取り機を用いて効率的に行うために考案された
システムである。従来は磁性インクを用いたオフセット
印刷が主流であったが、個人用小切手、手形などによる
商取引が活発化すると共に小型のMICR文字の印刷機
(以下、単にMICRエンコーダーと称す。)に対する
需要が増大している。
【0013】これまでの小型MICRエンコーダーは、
感熱転写方式を応用したインパクトプリンターが主流で
あったが、この場合にはMICR文字のみの印字を行う
単機能機がほとんどであり一般の書類などの作成には利
用できず改善が求められている。
【0014】一般的な書類及び/またはグラフィックス
の印字が可能であり、尚かつMICR文字の印字を行
え、良好なMICR認識率を示す電子写真プリンターが
望まれている。
【0015】電子写真プリンターをMICRエンコーダ
ーに応用する場合、従来知られている磁性現像剤をその
まま使用するとMICRリーダー・ソーターによる磁気
読み取りの正誤率(認識率)は、オフセット印刷あるい
はインパクトプリンターを用いるMICR文字の場合に
比較すると、極端に低く実用的ではない。
【0016】MICR文字を印字した有価証券類は、M
ICRリーダー・ソーターに平均して約10回程度通紙
される。磁気読み取りを行うために通紙するごとに磁気
ヘッドと高速で摺擦される。従って、MICR文字の印
字用磁性現像剤は摺擦によって印字がかすれたり、脱落
しないことが必要となる。
【0017】MICR文字は、例えばANS(Amer
ican National Standard)x
9.27−198xあるいはJIS C6251−19
80で規定されるE−13Bと呼ばれる規格がある。E
−13B規格は0〜9までの数字と4種類の記号からな
り、これらの組み合わせにより有価証券類に銀行コー
ド、支店コード、口座番号及び金額等を印字するもので
ある。
【0018】MICRリーダー・ソーターによる認識率
を向上させるために、印字したMICR文字の形状、寸
法は高精度で再現されることが要求され、文字はつぶれ
たり、とぎれたりすることなく微細かつ忠実に再現する
ことが必要となる。
【0019】電子写真プリンターによるMICR文字の
印字で高度な認識率を達成するには、従来の磁性現像剤
に使用されてきた磁性体とは異なる磁気特性を示す特定
の磁性体を含有する磁性現像剤を使用する必要がある。
【0020】すなわち、相対的に大きな残留磁化σrを
示す磁性体が必要となる。
【0021】また、一般的な電子写真プリンターの磁性
現像剤と同様に良好な摩擦帯電性を示し、現像機の現像
剤担持体(以下、スリーブと称す)上に均一に塗布され
ることが要求される。この条件を満足するためには、磁
性現像剤に含有される磁性体の透磁率もまた重要とな
る。
【0022】特公昭59−7379号公報には長軸/短
軸の比が1〜5であるコバルト置換四三酸化鉄粉を含
み、残留磁化10〜20emu/g、保磁力150〜4
50エルステッドの磁性トナーが提案されているが、ス
リーブ上にトナー層を均一に塗布することが困難であ
り、摩擦帯電性に劣り、画像濃度が低く、鮮鋭性に劣る
ものである。
【0023】特開昭63−108354号公報には長軸
/短軸の比が1〜1.5、透磁率3.80〜6.00を
有する球状磁性粉末を含有する絶縁性磁性カプセルトナ
ーが提案され、また、同59−204846号公報には
最大透磁率3.95〜5.50を有する強磁性微粉末を
含有する磁性トナーが提案されている。この場合には画
像濃度が高く、好ましいものではあるが、解像力、反転
現像方式への適合性などの更に厳しい要求に対応するた
めには、改良が求められている。
【0024】更に、上記従来例では、同じ画像パターン
を繰り返しプリントした場合に縦状に濃度の低い部分が
発生するという問題があった。図12において示すその
画像の模式図の様に、文字画像においては文字が細くな
り、ハーフトーンやベタ黒画像では、濃度が低くなる現
象である。(この現象を以後、フェーディングと称
す。)
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
ごとき問題点を解決した磁性現像剤、画像形成装置及び
装置ユニットを提供することにある。
【0026】すなわち、本発明の目的は、フェーディン
グ現象の発生を防止し、均一な現像画像を形成すること
ができ、かつ細線再現性及び解像度の良好な、デジタル
潜像の現像に好適に使用される磁性現像剤、画像形成装
置及び装置ユニットを提供することにある。
【0027】さらに、本発明の目的は、デジタルな画像
信号により潜像を形成し、該潜像を反転現像方式で現像
する画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再
現性に優れたトナー画像を形成し得る磁性現像剤を提供
することにある。
【0028】本発明の他の目的は、電子写真プリンター
を利用したMICR印字に用いた場合に優れた認識率を
示す磁性現像剤を提供するものである。
【0029】また本発明の他の目的は、MICRリーダ
ー・ソーターに繰り返し通紙しても認識率が低下しない
磁性現像剤を提供するものである。
【0030】さらに本発明の目的は、細線再現性及び解
像度に優れMICR文字の印字を行ってもその規格に従
って忠実に再現する磁性現像剤を提供するものである。
【0031】さらにまた本発明の他の目的は、MICR
リーダー・ソーターに通紙してもMICR文字が脱落し
たり、かすれたりすることのない磁性現像剤を提供する
ものである。
【0032】さらに、本発明の目的はMICRリーダー
・ソーターに繰り返し通紙されてもMICRリーダー・
ソーターの磁気ヘッドを汚染することのない磁性現像剤
を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の第1
は、ケイ素元素及びアルミニウム元素を含有すると共
に、10,000エルステッドの磁界における残留磁化
σrが12≦σr≦30emu/gの範囲にあり、1
0,000エルステッドの磁界における保磁力Hcが1
30≦Hc≦300エルステッドの範囲にあり、かつ透
磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲にある磁性体、及び
示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で温度70
〜130℃の領域に少なくともひとつの昇温時の吸熱ピ
ークP1 があり、該吸熱ピークP1 のピーク温度の±9
℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあるワックスを
含有することを特徴とする磁性現像剤であり、さらに
は、上記ワックスの示差走査熱量計により測定されるD
SC曲線で昇温時の最大吸熱ピークの半値幅が10℃以
上であることを特徴とする上記の磁性現像剤である。
【0034】本発明の第2は、導電性微粒子または/及
び固体潤滑剤を少なくとも含有している樹脂層で形成さ
れた表面層を有し、該表面層の表面の相対負荷曲線(ア
ボットの負荷曲線)において相対負荷長さtp が5%の
ときのカッティング深さCVが5μm以下である現像担
持体で磁性現像剤を搬送し、静電潜像を現像する画像形
成方法に使用される磁性現像剤であり、該磁性現像剤が
少なくとも結着樹脂、磁性体及びワックス成分を含有
し、該ワックスの示差走査熱量計により測定されるDS
C曲線で温度70〜130℃の領域に少なくともひとつ
の昇温時の吸熱ピークP1 があり、該吸熱ピークP1
ピーク温度の±9℃の範囲内に降温時の最大吸熱ピーク
があることを特徴とする磁性現像剤であり、さらには上
記ワックスの示差走査熱量計により測定されるDSC曲
線で昇温時の最大吸熱ピークの半値幅が10℃以上であ
ることを特徴とする上記の磁性現像剤である。
【0035】本発明の第3は、磁性を有する文字による
情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記号
識別システムに用いられる文字を印字するのに用いられ
ることを特徴とする前記本発明第1,第2の磁性現像剤
である。
【0036】本発明の第4は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有する画像形成装置において、該磁性現
像剤は、前記本発明第1の磁性現像剤であることを特徴
とする画像形成装置である。
【0037】本発明の第5は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有する画像形成装置において、該現像剤
担持体は、導電性微粒子または/及び固体潤滑剤を少な
くとも含有している樹脂層で形成された表面層を有し、
該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負荷曲線)
において相対負荷長さtp が5%のときのカッティング
深さCV が5μm以下であり、該磁性現像剤は、前記本
発明第2の磁性現像剤であることを特徴とする画像形成
装置である。
【0038】本発明の第6は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有し、該磁性現像剤は、前記本発明第1
の磁性現像剤であり、該現像装置は、静電潜像担持体と
共に一体に支持されてユニットを形成し、装置本体に着
脱自在の単一ユニットを形成していることを特徴とする
装置ユニットである。
【0039】本発明の第7は、静電潜像担持体及び静電
潜像を現像するための現像装置を有し、該現像装置は、
磁性現像剤を収納している現像剤収納室と、磁性現像剤
を担持し且つ現像領域に磁性現像剤を搬送するための現
像剤担持体とを有し、該現像剤担持体は、導電性微粒子
または/及び固体潤滑剤を少なくとも含有している樹脂
層で形成された表面層を有し、該表面層の表面の相対負
荷曲線(アボットの負荷曲線)において相対負荷長さt
p が5%のときのカッティング深さCV が5μm以下で
あり、該磁性現像剤は、前記本発明第2の磁性現像剤で
あり、該現像装置は、静電潜像担持体と共に一体に支持
されてユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユ
ニットを形成していることを特徴とする装置ユニットで
ある。
【0040】(発明の具体的な説明)まず、はじめに本
発明の磁性現像剤について説明する。
【0041】本発明の磁性現像剤は、感光体上に形成さ
れた潜像の細線に至るまで、忠実に再現する性能が改良
され、網点およびデジタルのようなドット潜像の再現に
優れ、階調性および解像性にすぐれている。
【0042】さらに本発明の磁性現像剤は、MICR文
字の印字を行った場合に良好な認識率を示し、MICR
リーダー・ソーターに繰り返し通紙された場合でも文字
のかすれ、脱落を生じることが少なく、良好な認識率を
維持することができる。さらに、MICRリーダー・ソ
ーターの磁気ヘッドを汚染することもない。
【0043】本発明の磁性現像剤に含有される磁性体に
ついて、以下に説明する。
【0044】本発明第1の磁性現像剤において、摩擦帯
電性を改善するために磁性体は、ケイ素元素及びアルミ
ニウム元素を含有する。磁性体に対してケイ素元素はS
iO2 に換算して0.1〜1.0重量%、アルミニウム
元素はAl2 3 に換算して0.1〜1.0重量%含有
する場合が好ましく、更に好ましくはSiO2 に換算し
て0.15〜0.9重量%のケイ素元素及びAl2 3
に換算して0.15〜0.9重量%のアルミニウム元素
を含有する場合である。前記ケイ素元素及びアルミニウ
ム元素は、本発明第1に係る磁性体を湿式法で合成する
過程及び/または合成後に添加することができ、また湿
式合成後にさらに加熱酸化処理及び加熱還元処理を行う
場合では、その段階で添加することもできる。
【0045】本発明第1に係る磁性体において、SiO
2 に換算したケイ素元素が0.1重量%未満となる場合
には、摩擦帯電量の大きい磁性現像剤を得ることができ
るのであるが、帯電量分布が広くなり長期間の使用及び
環境変動に対して性能の変化が大きく本発明の目的を達
成することができない。同様にして、SiO2 に換算し
たケイ素元素が1.0重量%を越える場合は、摩擦帯電
量の分布は狭くなるのだが、摩擦帯電量の大きな磁性現
像剤を得ることはできない。
【0046】本発明第1に係る磁性体において、Al2
3 に換算したアルミニウム元素が0.1重量%未満と
なる場合には、摩擦帯電量の大きい磁性現像剤を得るこ
とはできない。同様にしてAl2 3 に換算したアルミ
ニウム元素が0.1重量%を越える場合には、摩擦帯電
量の大きな磁性現像剤を得ることはできるのであるが、
感光体上の非画像部にまでトナーが現像され、カブリの
多い画像となり、本発明の目的である細線再現性、階調
性のすぐれた磁性現像剤を得ることはできない。
【0047】本発明第1に係る磁性体においては、Si
2 に換算したケイ素元素及びAl2 3 に換算したア
ルミニウム元素は、重量比で20/1〜1/20含有さ
れることが好ましく、更に好ましくは10/1〜1/1
0含有される場合であり、より更に好ましくは4/1〜
1/4含有される場合である。
【0048】ケイ素元素及びアルミニウム元素の重量比
が20/1よりもアルミニウム元素が少なくなった場合
には、アルミニウム元素を含有することによる画像濃度
を高める効果が得られず、1/20よりもアルミニウム
元素が多くなった場合には磁性体製造時に湿式法により
得た磁性体を加熱して、酸化及び還元する際に、燒結し
てしまうことがあり好ましくない。
【0049】本発明第1に係る磁性体において、アルミ
ニウム元素の含有量は次の様な方法によって測定するこ
とができる。温度45〜50℃に保ったイオン交換水3
リットル中に、イオン交換水400ml中に磁性体約2
5gをスラリー状に分散させた懸濁液を約328mlの
イオン交換水で水洗しながら全量を添加した。
【0050】次に水温を50℃に保ちながら、撹拌下特
級塩酸1272mlを加え、磁性体を溶解する。磁性体
が溶解して水溶液が透明になったならば、孔径0.1μ
mのメンブランフィルターを用いて濾過する。この際に
液をプラズマ発光分光(ICP)によってアルミニウム
元素の含有量を測定する。
【0051】本発明においてはこのようにして測定され
たアルミニウム元素の含有量をAl2 3 に換算して算
出する。
【0052】
【数1】 本発明に係る磁性体において、ケイ素元素の含有量は、
次の様な方法によって測定することができる。ケイ素の
含有量を測定する磁性体約0.5〜1gを精秤して直径
約5mmの金型に入れ、約10t/cm2 の圧力をかけ
て成型する。次に、この磁性体試料の蛍光X線強度を測
定するのである。
【0053】この際には、標準試料としてSiO2 含有
量が既知の試料を数種類作製しておき、これらの標準試
料の蛍光X線強度に対する相対的な値をもって、磁性体
試料に含有されるケイ素元素をSiO2 に換算した値と
して測定、定量することができる。
【0054】
【数2】 尚、上記SiO2 の標準試料はJIS K 1462−
1981の二酸化ケイ素定量方法に記載されている重量
法に基づいて、SiO2 含有量を定量している。
【0055】本発明に係る磁性体において、残留磁化σ
rは10,000エルステッドの磁界において12≦σ
r≦30emu/gの範囲にある場合が好ましく、更に
好ましくは14≦σr≦28emu/gの範囲にある場
合である。
【0056】残留磁化σrが、12emu/g未満とな
る場合には、MICR文字の印字を行った場合にMIC
Rリーダー・ソーターの認識率が低下し、また、一般的
な印字を行った場合には、細線再現性、階調性のすぐれ
た磁性現像剤を得ることはできない。
【0057】また、残留磁化σrが30emu/gを超
える場合には、画像濃度が低く、カブリも多いために、
MICR文字の印字を行った場合には、その認識率は著
しく低下、一般的な印字を行った場合でも、画像品位は
著しく低いものである。
【0058】本発明に係る磁性体において、保磁力Hc
は、10,000エルステッドの磁界において、130
≦Hc≦300エルステッドの範囲にあるのが好まし
く、140≦Hc≦280エルステッドの範囲にある場
合が更に好ましい。
【0059】保磁力Hcが、130エルステッド未満と
なる場合には、画像濃度は高くなるのではあるが、反面
細線再現性に劣り、MICR文字の印字を行った場合に
認識率の低下を招き好ましくない。また、保磁力Hcが
300を超える場合には、磁性現像剤を現像スリーブ上
に均一に塗布することが困難となり、画像濃度の低下あ
るいは、濃度ムラを生じ好ましくない。
【0060】本発明者の検討によれば、本発明に係る磁
性体の有する残留磁化σrを示す場合には、透磁率μと
磁性現像剤の電子写真特性とが、良く対応することを見
出した。
【0061】更には透磁率μは、MICR文字の印字を
行った場合に、MICRリーダー・ソーターによる読み
取りの正誤率と良く対応することをも見出した。
【0062】本発明に係る磁性体において、透磁率μは
2.0≦μ≦4.0の範囲にある場合が好ましく、更に
好ましくは、2.5≦μ≦3.8となる場合である。
【0063】透磁率μが4.0を超える場合には、現像
スリーブ上に磁性現像剤を均一に塗布することは可能で
あるが、現像スリーブ内の永久磁石との相互作用が弱
く、磁性現像剤の摩擦帯電量を適正に制御することが困
難となり画像部でのトナーの飛散が多くなり、MICR
文字の印字を行った場合には、認識率低下の原因となり
好ましくない。
【0064】また、透磁率μが2.0未満となる場合に
は、現像スリーブ内の永久磁石との相互作用が強くなり
すぎ、結果的に磁性現像剤の摩擦帯電量を適正に制御す
ることは困難となり画像濃度は低く、MICR文字の印
字を行った場合の認識率は低下し、本発明の目的を達成
することはできない。
【0065】本発明の磁性現像剤に用いられる磁性体は
1.2〜2.5g/cm3 、さらに好ましくは1.3〜
2.0g/cm3 の固め見掛密度を有し、且つ5〜30
ml/100g、好ましくは10〜28ml/100g
アマニ油吸油量を有する。
【0066】本発明において、磁性体の固め見掛け密度
(パックバルク密度)は、細川ミクロン(株)製のパウ
ダーテスター及び該パウダーテスターに付属している容
器を使用して、該パウダーテスターの取扱い説明書の手
順に従って測定した値をいう。
【0067】本発明において、磁性体のアマニ油吸油量
はJIS K 5101−1978(顔料試験方法)に
記載されている方法に従って測定された値をいう。
【0068】本発明においては、1.2〜2.5g/c
3 の固め見掛け密度を有する磁性体を使用することが
好ましく、固め見掛け密度の該値は、通常の未処理の磁
性体が満足し得ない程度に大きな値である。本発明で好
ましく使用される磁性体は、磁性体を解砕処理すること
により調製することができる。磁性体を解砕処理するた
めに使用される手段として、粉体を解砕するための高速
回転子を具備している機械式粉砕機、及び、粉体を分散
または解砕するための荷重ローラを具備している加圧分
散機が例示される。
【0069】機械式粉砕機を使用して磁性体の凝集体を
解砕処理する場合には、回転子による衝撃力が磁性体の
1次粒子にも過度に加わりやすく、1次粒子そのものが
破壊されて、磁性体の微粉体が生成しやすい。そのた
め、機械式粉砕機で解砕処理された磁性体をトナーの原
料とした場合、磁性粒子の微粉体の存在により、トナー
の摩擦帯電特性が劣化する。したがって、トナーの摩擦
帯電量の低下による、トナー画像濃度の低下が発生しや
すい。
【0070】これに対し、フレッドミルの如き加重ロー
ラを具備している加圧分散機が磁性体の凝集体の解砕処
理の効率及び微粉状磁性体の生成の抑制という点で好ま
しい。
【0071】磁性体のタップ密度及び吸油量は、磁性体
の形状、磁性体の表面状態及び磁性体の凝集体の存在量
を間接的に示していると解することができる。磁性体の
固め見掛け密度が1.2g/cm3 未満の場合には、磁
性体の凝集体が多数存在していて、磁性体の解砕処理が
実質的に不充分であることを示している。したがって、
固め見掛け密度が1.2g/cm3 未満の磁性体を使用
した場合には、磁性体が結着樹脂へ均一に分散しにく
く、磁性体の不均一分散はMICR文字の印字を行った
場合に認識率の低下をまねき好ましくない。
【0072】磁性体の固め見掛け密度が2.5g/cm
3 を超える場合、磁性体の凝集体の解砕が過度におこな
われて、加圧による磁性体相互の固着が発生し、磁性体
のペレットが生成し、結果として、磁性トナーの個々の
粒子間で磁性体の含有量が異なり、MICR文字の印字
を行った場合にやはり認識率の低下をまねき好ましくな
い。
【0073】磁性体の吸油量の値が上限及び下限を逸脱
した場合も、固め見掛け密度の場合と同様の現象が生じ
やすい。
【0074】本発明に係る磁性体において、その比表面
積はチッ素ガス吸着方式により測定したBET比表面積
で5.0〜13.0m2 /gである場合が好ましく、更
に好ましくは6.0〜10.0m2 /gとなる場合であ
る。
【0075】チッ素ガス吸着法によるBET比表面積の
測定は、市販の測定装置、例えばオートソーブ1(クア
ンタムケミカルズ社製)を用いて行なうことができる。
【0076】本発明者の検討によれば、本発明に係る磁
性体の様に残留磁化(σr)が従来の磁性体に比較して
相対的に大きな値となる場合には、磁性体粒子個々の磁
気特性の変動巾もまた相対的に大きくなると予想され
る。
【0077】一方、磁性現像剤の場合には、その粒径に
より磁性体の含有量が異なることが知られている。換言
すれば磁性現像剤はその粒径により磁気特性も異なる可
能性があることを示唆する。
【0078】従って、本発明の如く、ある磁気特性を厳
密に満足することが重要となる磁性現像剤の場合には、
磁性体の結着樹脂内での存在状態を制御する必要があ
る。これは単純に磁性体を均一に結着樹脂内に分散する
ばかりでなく、充填状態が重要となることを示す。
【0079】本発明者は、磁性体の結着樹脂内における
充填状態は、磁性体の粒度分布の影響を強く受けること
を見出した。
【0080】本発明に係る磁性体は、その粒度分布を示
す変化係数が、ある特定の数値となる場合においての
み、上記充填状態を達成することを見出した。
【0081】ここでいう磁性体の変化係数は、下記式よ
り算出される。
【0082】変化係数=σ/xa ×100 式中、xa は磁性体の平均粒径、σは粒度分布の標準偏
差を示す。
【0083】更には、磁性現像剤において、本発明の目
的である細線再現性を向上させ、線画像を鮮明にするた
めには、帯電量分布を狭くすることが一解決手段として
挙げられる。
【0084】従来、磁性現像剤において帯電量分布を狭
くするためには、磁性体を均一に分散することが有効な
手段として知られている。しかし、本発明第1に係る磁
性体の如く、その表面及び内部に特定の割合でケイ素元
素及びアルミニウム元素を含有する場合には、必ずしも
均一に分散する必要はない。
【0085】本発明者の検討によれば、本発明に係る磁
性体の場合には、磁気特性と同様にして、上記変化係数
が特定の数値となる場合においてのみ磁性現像剤の帯電
量分布を狭くすることができることを見出した。
【0086】本発明に係る磁性体において、変化係数は
20〜50%となる場合が好ましく、更に好ましくは2
5〜45%となる場合である。変化係数が20%未満と
なる場合には、一般的には磁性現像剤内部における磁性
体の分散は、均等化し好ましい結果を与えるのである
が、本発明に係る磁性体の場合には、本発明者の検討に
よれば現像スリーブ上での磁性現像剤の塗布が不均一化
し、摩擦帯電性の均質性が失なわれ好ましくない。
【0087】また、変化係数が50%を超える場合に
は、磁性現像剤内部における磁性体の分散状態に均一性
が失なわれ、磁性現像剤の残留磁化等の磁気特性及び摩
擦帯電性の均質性が失なわれ好ましくない。
【0088】さらに、本発明に係る磁性体は、平均粒径
0.1〜0.6μmを有するものが使用される。本発明
において、磁性体の平均粒径は、試料を走査型電子顕微
鏡を用いても拡大倍率20,000倍で拡大写真にと
り、ランダムに100個乃至200個の粒子の長軸値を
測定し、その平均値を算出することにより求められる。
【0089】また、同時に短軸値を測定することによ
り、長軸/短軸値を求めることができる。
【0090】本発明に係る磁性体において、長軸/短軸
比は1.0〜1.5である場合が好ましく、更に好まし
くは1.0〜4.0となる場合である。
【0091】本発明の磁性現像剤において、長軸/短軸
比が1.5より大きい磁性体、例えば針状磁性体を用い
た場合では、本発明者の検討によれば、理由は明確では
ないのであるが、磁性現像剤の摩擦帯電性に劣り、画像
濃度が低くなり好ましくない。
【0092】本発明の磁性現像剤において、摩擦帯電量
は、−5〜−20μc/gである。摩擦帯電量が−5μ
c/g未満であると、画像濃度が低く好ましくない。ま
た、−20μc/gより大きい場合、画出しをくり返す
ことでスリーブ上でのスリーブ近傍のトナーの帯電量が
大きくなって、そこに供給されるトナーの適正な帯電を
阻害する、いわゆるチャージアップ現象が生じ、徐々に
画像濃度の低下を生ずる。この現象はドット潜像の現像
であるデジタル潜像を現像する際に生じやすく、さらに
OPC感光体を用いた低電位コントラストの反転現像方
式において顕著である。
【0093】本発明の磁性現像剤において、磁性粉粒子
の平均粒径が0.1μm未満であると、磁性粉粒子の結
着樹脂への分散性が不良となり、磁性現像剤の帯電性を
均一にすることを困難にするか、または結着樹脂への分
散性がたとえ良好であっても、磁性現像剤の定着温度前
後での剪断弾性率を著しく増大させ、定着性を悪化させ
る。
【0094】更に、磁性粉粒子の平均粒径が、0.6μ
mを超える場合には、結着樹脂への分散が均一となら
ず、帯電性が均一にならないばかりか、感光体表面を著
しく損傷させる場合が有り好ましくない。
【0095】磁性体の磁気特性は、例えば東英工業株式
会社製のVSMP−1によって測定された値をさし、磁
気特性の測定にあたっては、磁性体は0.1〜0.15
gを感度1mg程度の直示天秤で精秤して試料とし、測
定は25℃前後の温度で行なう。磁気特性測定時の外部
磁場は、10,000エルステッドとし、ヒステリシス
ループを描く場合の掃引速度は、10分に設定して行な
うことができる。
【0096】本発明に係る磁性トナーは、摩擦電荷を有
するために実質的に電気絶縁性である。具体的には、
3.0kg/cm2 の加圧下において、100Vの電圧
を印加したときの抵抗値が1014Ω・cm以上を有して
いることが好ましい。本発明に係る磁性体は、結着樹脂
100重量部に対して40〜140重量部(好ましくは
50〜120重量部)含有されている。50重量部未満
では、スリーブの如き現像剤担持体上における磁性トナ
ーの搬送性が不足する。140重量部を超える場合で
は、磁性トナーの絶縁性及び熱定着性が低下する。
【0097】本発明に係る磁性体は、Fe2+を含む水溶
液、すなわち硫酸第一鉄を原料とする湿式法により合成
された後に、200℃以上の温度で酸化及び還元される
ことにより製造されたものである。
【0098】本発明に係る磁性体は、上記湿式法により
合成された後に200℃以上の温度で加熱酸化され、次
いで加熱還元することにより製造されたものであり、加
熱酸化は500〜900℃で空気等の酸化性気体を通気
して行ない、次に加熱還元、250〜550℃で水素及
び/又は一酸化炭素等の還元性気体を通気して行なうこ
とが好ましい。
【0099】本発明におけるトナーの帯電量はトナー1
gと200〜300メッシュの鉄粉キャリア9gを50
ccのポリエチレン製のビンにとり、ふたをして23
℃、60%RH環境下で20秒間(約100回)手で振
り撹拌した混合物を少量図6の装置の容器にとり、電位
が飽和するまで約1分間250mmH2 Oの圧力で吸引
する。
【0100】このときの飽和電位V、コンデンサー容量
C、吸引前、後の容器の重量W1 、W2 から帯電量Qを
以下の式により求めた。
【0101】Q=CV/(W1 −W2 ) 本発明に係る磁性体において、透磁率μは、実効比透磁
率と呼ばれている。測定はトロイド状磁心に一様に巻き
線をして適当な交流磁場を印加し、そのときのインダク
タンス変化より求められる。
【0102】その具体的測定法は、被測定磁性体約15
gに結着樹脂の溶液2.5mlを加えよく混合した後に
リング状の金型に入れ、約1ton/cm2 の圧力で成
型する。このときに試料の密度は、一定となる様に調整
することが測定値の再現性を良好とする上で重要とな
る。
【0103】さらに、このトロイド状試料に数10回の
巻き数で巻き線をほどこして透磁率測定用試料とし、例
えば横河ヒューレット・パッカード株式会社製インピー
ダンス、ゲインフェーズアナライザーで、同調容量を測
定することにより求めることができる。
【0104】以下に、実効比透磁率の具体的な算出方法
について述べる。
【0105】実効比透磁率は、下記の式で定義される。
【0106】μ=L/L0 ここで、L0 は磁性体がないときのコイルのインダクタ
ンスで、Lは磁性体を挿入したときのコイルのインダク
タンスを示す。磁性体のないときのコイルのインダクタ
ンスは次式で表わされる。
【0107】L0 =μ0 AN2 /I よって、実効比透磁率は、次式より計算される。
【0108】μ=IL/μ0 AN2 ここで、μ は真空中の透磁率(4π×10-7)、A
は試料の断面積、Nはコイルの巻き数、Iは試料の平均
磁路長を示す。従って、磁性体を挿入したときのインダ
クタンスを測定すれば、実効比透磁率を求めることがで
きる。
【0109】また、本発明の磁性トナーには荷重制御剤
をトナー粒子に配合(内添)、またはトナー粒子と混合
(外添)して用いることが好ましい。正荷電制御剤とし
ては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;ト
リブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−
ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテト
ラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩;ジブチ
ルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシク
ロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサ
イド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレー
ト、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノス
ズボレート;を単独あるいは2種類以上組合せて用いる
ことができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級ア
ンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられ
る。
【0110】また、一般式
【0111】
【化1】 1 =H、CH32 、R3 :置換または未置換のアルキル基 (好ましくはC1 〜C3 )で表わされるモノマーの単重
合体または前述したようなスチレン、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルなどの重合性モノマーとの共
重合体を正荷電性制御剤として用いることができ、この
場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一
部)としての作用をも有する。
【0112】本発明に用いることのできる負荷電性制御
剤としては、例えば、モノアゾ染料の金属錯体または
塩;サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリ
チル酸またはナフトエ酸の金属錯体または塩が好ましく
用いられる。
【0113】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には4μm以下(更には3μm以下)が好まし
い。
【0114】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜l0重量
部(更には0.1〜5重量部)用いることが好ましい。
【0115】本発明の磁性現像剤は疎水性シリカ微粉体
を有していることが好ましい。
【0116】ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化
ケイ素(シリカ)、その他、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、
ケイ酸亜鉛などのケイ酸塩をいずれも適用できる。
【0117】上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測
定した窒素吸着による比表面積が70〜300m2 /g
の範囲内のものが良好な結果を与える。磁性トナー10
0重量部に対してシリカ微粉体0.2〜1.6重量部、
好ましくは0.4〜1.4重量部使用するのが良い。
【0118】本発明の磁性トナーを正荷電性磁性トナー
として用いる場合には、トナーの摩耗防止、スリーブ表
面の汚損防止のために添加するシリカ微粉体としても、
負荷電性であるよりは、正荷電性シリカ微粉体を用いた
方が帯電安定性を損うこともなく、好ましい。
【0119】正帯電性シリカ微粉体を得る方法として
は、上述した未処理のシリカ微粉体を、側鎖に窒素原子
を少なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコ
ンオイルで処理する方法、あるいは窒素含有のシランカ
ップリング剤で処理する方法、またはこの両者で処理す
る方法がある。
【0120】また、本発明の磁性トナーを負帯電性磁性
トナーとして用いる場合には、トリボ電荷量が−100
μc/g乃至−300μc/gを有するものが好ましく
使用される。トリボ電荷量が−100μc/gに満たな
いものは、現像剤自体のトリボ電荷量を低下せしめ、湿
度特性が低下する。また、−300μc/gを超えるも
のを用いると現像剤担持体メモリーを促進させ、また、
シリカ劣化等の影響を受け易くなり、耐久特性に支障を
きたす。また、300m2 /gより細かいものは現像剤
への添加効果がなく、70m2 /gよりあらいものは遊
離物としての存在確率が大きく、シリカの偏積や凝集物
による黒ポチの発生原因となりやすい。
【0121】シリカ微粉体のトリボ値は次の方法で測定
される。すなわち、温度23.5℃、湿度60%RHの
環境下に1晩放置されたシリカ微粉体0.2gと200
〜300メッシュに主体粒度を持つ、樹脂で被覆されて
いないキャリア鉄粉(例えば、日本鉄粉社製EFV20
0/300)9.8gとを前記環境下で精秤し、およそ
50ccの容積を持つポリエチレン製ふた付広口びん中
で十分に(手に持って上下におよそ50回約20秒間振
とうする)混合する。
【0122】次に図3に示す様に底に400メッシュの
スクリーン33のある金属製の測定容器32に混合物約
0.5gを入れ金属製のフタ34をする。このときの測
定容器32全体の重量を秤りW1 (g)とする。次に、
吸引機31(測定容器32と接する部分は少なくとも絶
縁体)において、吸引口37から吸引し風量調節弁36
を調整して真空計35の圧力を250mmHgとする。
この状態で充分吸引を行いシリカを吸引除去する。この
ときの電位計39の電位をV(ボルト)とする。ここで
38はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。ま
た、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2 (g)とす
る。このシリカのトリボ電荷量(μc/g)は下式の如
く計算される。
【0123】トリボ電荷量=CV/(W1 −W2 ) 本発明の磁性トナーは、必要に応じて添加剤を混合して
もよい。着色剤としては従来より知られている染料、顔
料が使用可能であり、通常、結着樹脂100重量部に対
して0.5〜20重量部使用しても良い。また、本発明
の磁性現像剤中にほかの外部添加剤として、例えばステ
アリン酸の如き滑剤、あるいは酸化カリウム、炭化ケイ
素の如き研磨剤あるいは例えば酸化アルミニウムの如き
流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例えばカー
ボンブラック、酸化スズ等の導電性付与剤がある。
【0124】本発明にかかる磁性体において、係る静電
荷像現像用磁性トナーを作成するには、磁性粉及びビニ
ール系、非ビニール系の熱可塑性樹脂、必要に応じて着
色剤としての顔料または染料、荷電制御剤、定着助剤、
その他の添加剤等をボールミルの如き混合機により充分
混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー
の如き熱混練機を用いて熔融、捏和及び練肉して樹脂類
を互いに相溶せしめた中に染料または顔料を分散又は溶
解せしめ、冷却固化後粉砕及び厳密な分級を行って本発
明に係るところの絶縁性磁性トナーを得ることができ
る。
【0125】次に、本発明の磁性現像剤に含有されるワ
ックスについて説明する。
【0126】本発明者に係るワックスは示差走査熱量計
により測定されるDSC曲線で温度70〜130℃の領
域に少なくともひとつの昇温時の吸熱ピークP1 があ
り、該吸熱ピークP1 のピーク温度±9℃の範囲内に降
温時の最大発熱ピークがあることを特徴とする。
【0127】また本発明に係るワックスは、ワックス成
分の示差走査熱量計による昇温時のDSC曲線において
温度70〜130℃の領域に、好ましくは、80〜13
0℃の領域に、特に好ましくは、90〜120℃の領域
に、少なくともひとつの吸熱ピークP1 があることを特
徴とする。すなわち、この温度領域でワックスが融解す
ることで、離型効果が発現し、MICRリーダー・ソー
ターに繰り返し通紙されてもMICR文字のかすれがな
く、またMICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚
染することはない。
【0128】昇温時の吸熱ピーク温度が70℃未満のと
きには、ワックスの融解による可塑効果が低温から発現
し結着樹脂の機械的強度を著しく低下させることを示
す。この場合にはMICRリーダー・ソーターに通紙さ
れたときに、離型効果は発現するものの結着樹脂の機械
的強度の低下によりMICRリーダー・ソーターの磁気
ヘッドとの摺擦時にMICE文字のかすれが生じ、同時
に磁気ヘッドを汚染し、好ましくない。
【0129】また、昇温時の吸熱ピーク温度が130℃
以上となる領域に存在してもかまわないが、同時に13
0℃以下となる領域にピークが存在しない場合にはワッ
クスの融解する温度が高過ぎ、MICR印字において、
紙との離型性も増すことによりMICRリーダー・ソー
ターに通紙された場合、磁気ヘッドとの摺擦によりMI
CR文字が欠落してしまい、誤読の原因となり好ましく
ない。
【0130】降温時のDSC曲線では、ワックスの凝
固、結晶化に伴う発熱ピークが観測される。この発熱ピ
ークと近い温度に昇温時の吸熱ピークが存在すること
は、ワックスがより均質であることを示しており、本発
明に係るワックスはその差が9℃以内であることを特徴
とし、好ましくは7℃以内である。
【0131】すなわち、この差を小さくすることで、ワ
ックスの融解はより狭い温度範囲で生じる。すなわちM
ICRリーダー・ソーターに通紙された場合に磁気ヘッ
ドとの摺擦による摩擦熱でワックスはすみやかに融解
し、効果的に離型効果が発現し、MICR文字のかすれ
が生じることはなく、また磁気ヘッドを汚染することも
ない。
【0132】また本発明に係るワックスは、ワックス成
分の示差走査熱量計による昇温時のDSC曲線におい
て、最大吸熱ピークの半値幅が10℃以上、特に15℃
以上、であることが好ましい。吸熱ピークの始点の温度
が低い時には、ワックスの変化する温度が低くなるの
で、離型効果を発現する温度もまた低くなる。吸熱ピー
クの終点の温度が高い時には、ワックスの融解の終了温
度が高くなるので、MICRリーダー・ソーター通紙し
た場合の磁気ヘッドとの摺擦による摩擦熱によって結着
樹脂が過剰な可塑化をおこすことを防止でき、結果的に
はMICR文字のかすれが生じることもなく、また、磁
気ヘッドを汚染することもない。
【0133】また、吸熱ピークの高さが高い点ほどその
温度でのワックスの変化は大きい。従って、最大ピーク
の半値幅が大きいほどワックスが有効に働く温度が広く
なるので、対応できるMICRリーダー・ソーターの処
理速度域(1分間に磁気読み取り可能な小切手の枚数)
を広くすることができる。半値幅が、10℃未満の場合
には、ピーク温度が高ければ、MICRリーダー・ソー
ターの処理速度がはやい場合には効果があるが、処理速
度の遅い場合には充分な効果は期待できない。また、ピ
ーク温度が低ければ処理速度の遅いMICRリーダー・
ソーターでは効果があるものの、処理速度のはやいMI
CRリーダー・ソーターでは充分な効果は期待できな
い。
【0134】半値幅を求める際に、ピークが連続(目安
として、ピーク間の極小値の高さが最大ピーク値の高さ
の4分の1以上あるようなもの)していれば、その一部
が、2分の1の高さを下回っても構わないが(図4に示
したような場合)、2分の1の高さ以上にピークのある
領域が10℃以上、好ましくは15℃以上で、半値幅が
取れるもの(図5、図6に示したような場合)がより効
果的に本発明の目的を発揮できる。
【0135】本発明に用いられるワックスは、アルキレ
ンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー
触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子
量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレ
ンポリマー、一酸化炭素、水素からなる合成ガスからア
ーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるい
はこれらを水素添加して得られる合成炭化水素などか
ら、特定の成分を抽出分別したワックスが用いられ、酸
化防止剤が添加されていてもよい。プレス発汗法、溶剤
法、真空蒸留を利用した分別結晶方式によりワックスの
分別を行い均質化したものである。母体としての炭化水
素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元素)を
使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成される
もの、例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒
床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く得られ
るアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られる炭素数
が数百ぐらいまでの炭化水素(水素添加し目的物とした
ものが特に好ましい)や、エチレンなどのアルキレンを
チーグラー触媒により重合した炭化水素が、分岐が少な
くて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ま
しい。特に、アルキレンの重合によらない方法により合
成された炭化水素ワックスがその構造や分別しやすい分
子量分布であることから好ましいものである。また分子
量分布で好ましい範囲は、数平均分子量(Mn)が30
0〜1200、好ましくは350〜1000、重量平均
分子量(Mw)が500〜3600、好ましくは550
〜3000、Mw/Mnが3以下、好ましくは2.5以
下、特に好ましくは、2.0以下である。このような分
子量分布を持たせることによりトナーに好ましい熱特性
を持たせることができる。
【0136】また結晶化度が80%以上、好ましくは8
5%以上であることがその均質性から良く、摩擦帯電に
悪影響を及ぼさず、また相分離しやすい状態に分散して
いるので、離型効果を発揮しやすく優れた耐オフセット
性が得られる。その他の物性としては、25℃での密度
が0.93(g/cm3 )以上、針入度が5.0(10
-1mm)以下、好ましくは4.0(10-1mm)以下、
特に好ましくは3.0(10-1mm)以下である。これ
らの範囲をはずれると、低温時に変化しやすく保存性、
現像性に劣る。また140℃における溶融粘度が、10
0cp以下、好ましくは50cp以下、特に好ましくは
20cp以下である。100cpを超えるようになる
と、可塑性、離型性に劣るようになり、優れた定着性、
耐オフセット性に影響を及ぼすようになる。また軟化点
が130℃以下であることが好ましく、特に好ましくは
120℃以下である。130℃を超えると、離型性が特
に有効に働く温度が高くなり、優れた耐オフセット性に
影響を及ぼすようになる。
【0137】これら炭化水素系ワックスの含有量は、結
着樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いられ、
0.5〜10重量部で用いるのが効果的であり、他のワ
ックス類と併用しても構わない。
【0138】本発明におけるDSC測定では、測定原理
から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測
定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製
のDSC−7が利用できる。
【0139】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後温度速度10℃/minで降
温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。各
温度の定義は次のように定める。 ・吸熱ピークP1 のピーク温度(プラス方向を吸熱とす
る) 昇温時の70〜130℃の領域にあるピークにおいて該
ピークのピークトップ温度のいずれかを示す。
【0140】(具体例として後述の本発明に係るワック
スBの例を図7に示す) ・発熱ピークのピーク温度(マイナス方向を発熱とす
る) 降温時の最大のピークのピークトップ温度を示す。
【0141】(具体例として後述の本発明に係るワック
スBの例を図8に示す) ・最大吸熱ピークの半値幅(プラス方向を吸熱とする) 最大吸熱ピークの、ベースラインからピークトップまで
の高さの2分の1以上の高さにピークが存在する温度
幅。
【0142】ピークが連続していれば、半値幅すべての
領域において、2分の1の高さ以上にピークが連続して
いなくとも良い。
【0143】(半値幅の取り方の具体例を図4〜図6に
示す)本発明において炭化水素系ワックスの分子量分布
はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により次の条件で測定される。
【0144】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソ−社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作製した分子量較正曲
線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度
式から導き出される換算式でポリエチレン換算すること
によって算出される。
【0145】結晶化度とは、X線回折法によるもので、
結晶による回折パターンはシャープなピークになり、非
晶質による散乱は、非常にブロードなハローとなる。結
晶質と非晶質が混在している場合には、試料全体に対す
る結晶質の割合を結晶化度という。X線の全散乱強度
(コンプトン散乱を除いた干渉性散乱の強度)は、結晶
質と非晶質の量比にかかわらず常に一定になる。従っ
て、次式によって結晶化度x(%)が求められる。
【0146】
【数3】 Ic:未知試料の結晶質部分の散乱強度のピーク面積 Ia:未知試料の非晶質部分の散乱強度のピーク面積 本発明におけるワックス類の針入度は、JISK−22
07に準拠し測定される値である。具体的には、直径約
1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針を一定荷重で貫
入させた時の貫入深さを0.1mmの単位で表した数値
である。本発明中での試験条件は試料温度が25℃、加
重100g、貫入時間5秒である。
【0147】また溶融粘度は、ブルックフィールド型粘
度計を用いて測定される値であり、条件は、測定温度1
40℃、ずり速度1.32rpm試料10mlである。
密度は25℃でJIS K6760、軟化点はJIS
K2207に準じて測定される値である。
【0148】次に、図1を参照しながら、本発明第4の
画像形成装置を説明する。
【0149】一次帯電器(帯電手段)17で感光体表面
を負極性に帯電し、光像露光(潜像形成手段)705
(スリット露光・レーザービーム走査露光)によりイメ
ージスキャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブ
レード6および磁石を内包している現像スリーブ2を具
備する現像装置(現像手段)211に保有される一成分
系磁性現像剤5で該潜像を反転現像する。現像部におい
て感光ドラム(感光体)1の導電性基体と現像スリーブ
2との間で、バイアス印加手段712により交互バイア
ス、パルスバイアス及び/又は直流バイアスが印加され
ている。転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写紙
Pの背面(感光ドラム側と反対面)から二次帯電器(転
写手段)702で帯電することにより、感光ドラム表面
上の現像画像(トナー像)が転写紙P上へ静電転写され
る。感光ドラム1から分離された転写紙Pは、加熱加圧
ローラ定着器707により転写紙P上のトナー画像を定
着するために定着処理される。
【0150】転写工程後の感光ドラムに残留する一成分
系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリーニン
グ器(クリーニング手段)708で除去される。クリー
ニング後の感光ドラム1は、イレース露光706により
除電され、再度、一次帯電器17による帯電工程から始
まる工程が繰り返される。
【0151】静電荷像保持体(感光ドラム)は感光層及
び導電性基体を有し、矢印方向に動く。トナー担持体で
ある非磁性円筒の現像スリーブ2は、現像部において静
電像保持体表面と同方向に進むように回転する。非磁性
円筒スリーブ2の内部には、磁界発生手段である多極永
久磁石(マグネットロール)が回転しないように配され
ている。現像装置211の現像剤収納室212内の一成
分系絶縁性磁性現像剤5は非磁性円筒面上に塗布され、
かつスリーブ2の表面とトナー粒子との摩擦によって、
トナー粒子は、例えばマイナスのトリボ電荷が与えられ
る。さらに鉄製の磁性ドクターブレード6を円筒表面に
近接して(間隔50μm〜500μm)、多極永久磁石
の一つの磁極位置に対向して配置することにより、現像
剤層の厚さを薄く(30μm〜300μm)且つ均一に
規制して、現像部における静電荷像保持体1と現像スリ
ーブ2の間隙よりも薄い現像剤層を非接触となるように
形成する。この現像スリーブ2の回転速度を調整するこ
とにより、スリーブ表面速度が静電像保持面の速度と実
質的に等速、もしくはそれに近い速度となるようにす
る。磁性ドクターブレード6として鉄のかわりに永久磁
石を用いて対向磁極を形成してもよい。現像部において
現像スリーブ2と静電潜像保持体との間で交流バイアス
またはパルスバイアスをバイアス手段712により印加
しても良い。この交流バイアスはfが200〜4,00
0Hz、Vppが500〜3,000Vであれば良い。
【0152】現像部におけるトナー粒子の転移に際し、
静電像保持面の静電的力及び交流バイアスまたはパルス
バイアスの作用によってトナー粒子は静電像側に転移す
る。
【0153】磁性ドクターブレード6のかわりに、シリ
コーンゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレードを
用いて押圧によって現像剤層の層厚を規制し、現像剤担
持体上に現像剤を塗布しても良い。
【0154】次に、本発明第5の画像形成装置を説明す
る。
【0155】本発明第5の画像形成装置では、先に説明
した本発明第4の画像形成装置の現像剤担持体である現
像スリーブ2の表面に、図2に示されるように、導電性
微粒子または/及び固体潤滑剤を含有した被覆層10が
約0.5μm〜30μm好ましくは、2μm〜20μm
の厚さに形成されている。
【0156】被膜10は、被膜層形成高分子材料に導電
性微粒子または、/及び固体潤滑剤が含まれているもの
が使用される。導電性微粒子は、120Kg/cm
で加圧した後の抵抗値が0.5Ω・cm以下であるもの
が好ましい。
【0157】導電性微粒子としてはカーボン微粒子が好
ましく、固体潤滑剤としてはグラファイト(より好まし
くは結晶性グラファイト)が好ましい。
【0158】本発明に好ましく使用される結晶性グラフ
ァイトは、大別すると天然黒鉛と人造黒鉛とに分けられ
る。人造黒鉛は、ピッチコークスをタールピッチ等によ
り固めて1200℃位で一度焼成してから黒鉛化炉にい
れ、2300℃位の高温で処理することにより、炭素の
結晶が成長して黒鉛に変化する。天然黒鉛は、永い間の
天然の地熱と地下の高圧によって完全に黒鉛化したもの
が地中より産出するものである。これらの黒鉛は、種々
の優れた性質を有していることから工業的に広い用途を
持っている。黒鉛は、暗灰色ないし黒色の光沢のある非
常に柔らかい滑性のある結晶鉱物で、耐熱性、化学的安
定性があり、 潤滑性に優れている。結晶構造は六方晶
とその他に菱面晶系に属するものがあり、完全な層状構
造を有している。電気的特性に関しては、炭素と炭素の
結合の間に自由電子が存在し、電気の良導体となってい
る。なお、本発明で使用する黒鉛は天然、人工のどちら
でも良い。
【0159】また、本発明に使用する黒鉛は、粒径的に
は0.5μm〜10μmのものが好ましい。
【0160】導電性のアモルファスカーボンは、一般的
には「炭化水素または炭素を含む化合物を空気の供給が
不十分な状態で燃焼または熱分解させてできる結晶子の
集合体」と定義されている。特に電気伝導性に優れ、高
分子材料に充填して導電性を付与したり、添加量のコン
トロールである程度任意の導電度を得ることができるた
め広く普及している。なお、本発明で使用する導電性の
アモルファスカーボンの粒径は5μm〜100μmのも
のが好ましく、より好ましくは、10μm〜80μm、
さらに好ましくは、15μm〜40μmのものが良い。
【0161】導電性微粒子または/及び固体潤滑剤は、
樹脂成分 10重量部当たり、3〜20重量部使用する
のが好ましい。カーボン微粒子とグラファイト粒子を組
み合わせて使用する場合は、グラファイト10重量部当
たり、カーボン微粒子1〜50重量部を使用するのが好
ましい。
【0162】導電性微粉末または/及び固体潤滑剤が分
散されているスリーブの樹脂コート層の体積抵抗率は1
−6〜10 Ω・cmが好ましい。
【0163】被覆形成高分子材料である樹脂成分として
は、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエー
テルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊
維素系樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹
脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂などを使用すること
ができる。中でもシリコン樹脂、フッ素樹脂のような離
型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、ポリ
カーボネイト、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミ
ド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレ
ン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好まし
い。次に本発明の解決課題であるフェーディング現象に
ついて説明する。
【0164】図12にフェーディング現象発生時のプリ
ントアウト画像を模式的に表した図を示す。
【0165】フェーディング現象が発生したときにスリ
ーブ上を観察すると、トナー層は一様に形成されている
ので、トナー切れ等による白抜けとはまた違った現象で
ある。スリーブ上のトナーの帯電量(以下「トリボ」と
称す)を測定してみると、正常な場合に比べ、低い値で
あることがわかった。すなわち正常に帯電されたトナー
粒子以外にも充分帯電されていないトナー粒子が、スリ
ーブ表面上から受ける摩擦力によって図2におけるブレ
ード6とマグネット3により形成される集中磁界をくぐ
り抜けスリーブ上にトナー層を形成する。これによりト
ナー層のトリボが低下し、感光ドラムとスリーブ間の交
互電界を受けても感光ドラム上にトナーが移行しない部
分が発生し、フェード現象がおこる。これを防止するた
めには現像剤層のトナーのトリボを上昇させることが必
要である。すなわち、トナーが磁性ブレード6、マグネ
ット3により形成される集中磁界をくぐり抜けるとき、
スリーブ表面から受ける摩擦力によらず、トナーとスリ
ーブ間に働く鏡映力によってのみ集中磁界をくぐり抜け
るようにすると、鏡映力の大きい正常なトリボを持った
トナーで現像剤層を形成させることが出来、フェード現
象の問題を防止できる。スリーブ表面の摩擦を小さくし
てすべり性を上昇させるには、従来よりスリーブ表面粗
さの規定に使用されているJIS規格(B0601)の
中心線平均粗さRa(以下Raと略す)の値を小さくす
ることだけでは、確実な効果が期待できず、むしろRa
を小さくすることによるスリーブ上の現像剤中のトナー
のコート量不足等の弊害が問題となる。
【0166】本発明のスリーブは、例えばアルミニウム
の引き抜き加工後の素管(表面粗度2S)表面に、下記
の処方例の如き調整液をスプレー法によって厚さ約0.
5μm〜30μm程度にコートし、次いで乾燥炉(16
0度)にて熱硬化するなどの工程で被覆処理することが
できる。
【0167】 (処方例1) フェノール樹脂(固形分) 30重量部 アモルファスカーボン 25重量部 (コロンビアンカーボン社製CONDUCTEX 975 UB) メチルアルコール メチルセロソルブ 200重量部 (処方例2) フェノール樹脂(固形分) 15重量部 人工グラファイト(1μm) 15重量部 メチルアルコール メチルセロソルブ 225重量部 (処方例3) フェノール樹脂(固形分) 60重量部 グラファイト 54重量部 カーボンブラック 6重量部 メチルエチルケトン+トルエン(1:1)混合溶媒 400重量部 以上のような工程を経て樹脂コートスリーブが作製され
る。しかしながら、以上の工程のみでは、相対負荷長さ
P を5%のときのカッティング深さCV を5μm以下
にするのは難しく、そのため、スリーブの樹脂被覆層表
面のスリーブに表面磨き加工を最後に加えることが効果
的である。例えばフェルトによる表面磨き工程を加えた
ものがあげられる。この磨き加工について例を挙げて説
明する。乾燥工程の終わった被覆スリーブを、800r
pm程度で回転させながらフェルトを1〜3Kg程度の
圧力で接触させる。このフェルトを被覆スリーブ長手方
向に1〜5cm/secの速さで一方の端部から他方の
端部まで動かせば磨き終了である。磨き方法はこれに限
るものでなく、布、ウエス等によっても可能であるし、
スリーブを回転させず手で直接磨くことも可能である。
以上のようにして本発明に使用される被覆スリーブが作
製される。
【0168】次に、スリーブ表面の相対負荷曲線につい
て説明する。
【0169】図9にスリーブ表面の基準長さあたりのプ
ロフィール(断面曲線)とそれに対応する相対負荷曲線
(アボットの負荷曲線)を示した。相対負荷曲線とは基
準長さL(2.5mm)あたりのプロフィールにおい
て、この基準長さ区間の平行線を平行なあるレベル(基
準長さ区間の最高山頂からこのレベルまでの距離をカッ
ティング深さC という)の直線で基準長さ区間を切
断したとき、その切口の線分の長さの総和l1 +l2
・・ln と基準長さLとの比をそのレベル(カッティン
グ深さ)における相対負荷長さTP といい、このカッテ
ィング深さと相対負荷長さの関係をグラフ化したものが
相対負荷曲線である。
【0170】図3において、相対負荷長さTP が5%と
は、
【0171】
【数4】 を意味し、その時のカッティングの深さはCV5である。
【0172】本実施例では、表面粗さ測定器SE−30
H Kosaka Laboratory Ltd製を
使用した。本発明においては、相対負荷曲線において相
対負荷長さTP が5%のときのカッティング深さCV
注目して、CV ≦5μm(好ましくは、0.5〜5μ
m)とすることによりフェーディング現象の発生を防止
している。
【0173】ここで相対負荷長さTP が5%のときのカ
ッティング深さCV 値がフェーディング現象の発生率と
関係するのに対し、中心線平均粗さRaがフェーディン
グの発生率とは一概に関係づけられない理由を説明す
る。
【0174】図10は、被覆スリーブA(比較例)の表
面の一部分を模式的に示したプロフィールであり、CV5
が10μmであり、Raが2.5μmである。一方、被
覆スリーブAの表面に表面磨き加工を行い、CV5が1.
0μmであり、Raが2.0μmである被覆スリーブB
(本発明)を調製した。被覆スリーブBの表面の一部分
を模式的に示したプロフィールを図11に示す。
【0175】被覆スリーブAとBを比較すると、CV
値は10μmから1.0μmと大きく変化したが、Ra
は2.5μmから2.0μmとそれほど変化していな
い。この被覆スリーブA及びBの違いはプロフィールを
見ると明らかである。被覆スリーブAはプロフィールの
凹凸がとがって粗さが大きいためCV5及びRaともに大
きな値をとるが、被覆スリーブBはプロフィールの凸部
が表面磨き加工により丸められているため、CV5は小さ
な値となる。
【0176】ただし、被覆スリーブBの凹部はそのまま
であるために、Raは比較的大きな値を保ったままであ
る。フェーディング現象については被覆スリーブAは凸
がとがっていて、スリーブ表面ののすべり性が悪く、フ
ェーディング現象が発生した。被覆スリーブBは凸部が
丸められているためにスリーブ表面のすべり性が良くフ
ェーディング現象は発生しなかった。
【0177】以上のように、被覆スリーブ表面のCV5
を規定することにより被覆スリーブ表面のすべり性を良
くし、フェーディング現象の発生を防ぐことができるこ
とが判明した。
【0178】被覆スリーブAと被覆スリーブBのデータ
を下記表1に示す。
【0179】
【表1】 以上のようにCV5値をCV ≦5μmとすることによりフ
ェーディングの発生を防止することができる。また、C
V5値をCV ≦5μmとするにはスリーブ表面に磨き加工
をすることが効果的である。
【0180】なお前述したようにRaはフェーディング
の発生を抑えるための確実な手段とはならないが、Ra
<0.4μmではスリーブ上のトナーコート量不足によ
る画像濃度うす、及び現像剤の帯電不均一化による現像
剤のコートムラの発生という弊害が発生しやすい傾向が
ある。このためRaの値は、Ra≧0.4μmが好まし
く、より好ましくはRa≧0.5μmであることが良
い。
【0181】また、スリーブ表面のCV5値をCV ≦5μ
mにするためにスリーブ被覆膜表面を乾燥後にブラスト
加工することも可能である。例えばブラスト加工は、
(株)不二製作所製ブラスト加工機などを用い、アラン
ダム#400などの砥粒にて行うことができる。また、
ブラスト処理により摩砕された被覆膜微粉を除去するた
めに、アルコール洗浄などを併せて行うこともできる。
【0182】本発明では、画像形成装置として、上述の
感光体(静電潜像担持体)や現像手段(現像装置)、ク
リーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装
置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニット
を装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例え
ば、現像手段及び感光体を一体に支持してユニットを形
成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本
体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にし
ても良い。このとき、上記の装置ユニットのほうに帯電
手段および/またはクリーニング手段を伴って構成して
も良い。
【0183】また、光像露光は、画像形成装置を複写機
やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光、あるいは、原稿を読取り信号化し、この信
号によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、
または液晶シャッターアレイの駆動などにより行われ
る。
【0184】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0185】尚、以下の実施例1〜4に用いられるワッ
クスは表2〜4の性質を示すものであり、また、実施例
5〜8に用いられるワックスは表6〜8の性質を示すも
のである。
【0186】実施例1 ・スチレン・アクリル酸ブチル共重合体(結着樹脂) 100重量部 ・磁性体(平均粒径0.23μm,10000エルステッドの磁界で 残留磁化σ r=17.0emu/g,保持力H c=190エルステッド, 透磁率μ=3.4,SiO2 =0.49%,Al2 3 =0.23%) 55重量部 ・モノアゾ染料のクロム錯体(負帯電性制御剤) 0.5重量部 ・ワックスC(表2〜表4参照) 5重量部 上記混合物を、130℃に加熱された2軸エクストルー
ダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉
砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微
粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成し
た。更に、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した多
分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で
微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒径
11.9μmの黒色微粉体(磁性トナー)を得た。得ら
れた黒色微粉体は、鉄粉キャリアと混合した後にトリボ
電荷を測定したところ、−7.3μc/gの値を有して
いた。
【0187】上記磁性トナー100重量部に対して0.
5重量部の負帯電性シリカ微粉末を添加し、良く混合す
ることにより本発明第1に係る磁性現像剤(1)を得
た。
【0188】次に上記磁性現像剤(1)をキヤノン製レ
ーザービームプリンタLBP−8を用いて画出しを行っ
たところ画像濃度が高く、カブリの少ない鮮明な画像を
得た。また、JIS C 6251−1980の記載に
従って、MICR文字の印字を1000枚行った。この
1000枚の印字物を市販のMICRリーダー・ソータ
ー(IBM社製 3890型機)を用いて磁気読みとり
正誤率(誤読率)調べたところ、2%以下の誤読率を示
すという良好な結果を得た。
【0189】また、MICRリーダー・ソーター通紙後
の印字物を詳細に調べたところ磁気ヘッドと摺擦された
MICR文字部分にはわずかにかすれが見られたものの
MICR文字の脱落は観察されず良好な状態にあった。
【0190】尚、磁気読み取りの正誤率は以下の式に従
って算出した。
【0191】
【数5】 また、画像濃度を測定したところ1.3以上となり良好
であった。この結果を表5に示してある。
【0192】実施例2〜4 表2〜4に示すワックスA,D,Bを用いた以外は実施
例1と同様にして磁性現像剤(2)〜(4)を調整し、
誤読率を調べた。これらの結果も実施例1と同様に表5
に示してある。
【0193】比較例1 ワックスCを使用しなかった以外は実施例1と同様にし
て比較用磁性現像剤(1)を調整し、誤読率を調べた。
この結果、誤読率は30%以上となり、さらにはMIC
R文字のかすれや磁気ヘッドの汚染が目立ち実用上問題
が有るものであった。この結果も実施例1と同様に表5
に示してある。
【0194】実施例5 ・スチレン・アクリル酸ブチル共重合体(結着樹脂) 100重量部 ・磁性体(平均粒径0.20μm,10000エルステッドの磁界で 残留磁化σr=16.4emu/g,保持力Hc=182エルステッド) 55重量部 ・モノアゾ染料のクロム錯体(負帯電性制御剤) 0.5重量部 ・ワックスF(表6〜表8参照) 5重量部 上記混合物を、130℃に加熱された2軸エクストルー
ダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉
砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微
粉砕粉を固定壁型風力分級機で分級して分級粉を生成し
た。さらに、得られた分級粉をコアンダ効果を利用した
多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)
で微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去して体積平均粒
径12.4μmの黒色微粉体(磁性トナー)を得た。得
られた黒色微粉体は、鉄粉キャリアと混合した後にトリ
ボ電荷を測定したところ、−15.1μc/gの値を有
していた。
【0195】上記磁性トナー100重量部に対して0.
5重量部の負帯電性シリカ微粉末を添加し、良く混合す
ることにより本発明第2に係る磁性現像剤(5)を得
た。
【0196】次にキヤノン製レーザービームプリンタL
BP−8IIを用い、上記磁性現像剤(2)と、現像ス
リーブ(現像剤担持体)の表面を、前述の方法に従って
処方例3の合成樹脂を被覆し(被覆層8.5μm)、さ
らに前述の如くフェルトを接触させて、その表面磨きを
行うことでCV5=1.0μm、Ra=1.7μmとした
被覆スリーブを調整し、装置ユニットに設置して画出し
を行った。この結果、フェーディング現象のない均一
で、画像濃度が高く、カブリの少ない鮮明な画像を得
た。
【0197】また、JIS C6251−1980の記
載に従って、MICR文字の印字を1000枚行った。
この1000枚の印字物を市販のMICRリーダー・ソ
ーター(IBM社製3890型機)を用いて磁気読みと
りの正誤率(誤読率)を調べたところ、2%以下の誤読
率を示すという良好な結果を得た。
【0198】また、MICRリーダー・ソーター通紙後
の印字物を詳細に調べたところ磁気ヘッドと摺擦された
MICR文字部分にはわずかにかすれが見られたものの
MICR文字の脱落は観察されず良好な状態にあった。
この結果を表9に示してある。
【0199】実施例6〜8 表6〜8に示すワックスH,E,Gを用いた以外は実施
例5と同様にして磁性現像剤(6)〜(8)を調整し、
誤読率を調べた。これらの結果も実施例5と同様に表9
に示してある。
【0200】比較例2 ワックスFを使用しなかった以外は実施例5と同様にし
て比較用磁性現像剤(2)を調整し、誤読率を調べた。
この結果、誤読率は30%以上となり、さらにはMIC
R文字のかすれや磁気ヘッドの汚染が目立ち実用上問題
が有るものであた。この結果も実施例5と同様に表9に
示してある。
【0201】
【表2】
【0202】
【表3】
【0203】
【表4】
【0204】
【表5】
【0205】
【表6】
【0206】
【表7】
【0207】
【表8】
【0208】
【表9】
【0209】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
いわゆるフェーディング現象の発生を防止し、均一な現
像画像を形成することができ、かつ細線再現性及び解像
度の良好な、デジタル潜像の現像に好適に使用される磁
性現像剤を提供することができる。
【0210】さらに、デジタルな画像信号により潜像を
形成し、該潜像を反転現像方式で現像する画像形成装置
においても、解像性、階調性、細線再現性に優れたトナ
ー画像を形成し得る磁性現像剤を提供することができ
る。
【0211】更に、電子写真プリンターを利用したMI
CR(Magnetic InkCharaceter
Recognition)印字に用いた場合にフェー
ディング現象の発生を防止することで、MICR文字を
形成するトナー画像の均一化がはかられ磁気読みとりを
行った場合にも誤認識されることのない優れた誤読率を
示す磁性現像剤を提供することができる。
【0212】さらに、細線再現性及び解像度に優れMI
CR文字の印字を行ってもその規格に従って忠実に再現
する磁性現像剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置ユニットを有する、画像形成装置
の一具体例を概略的に示す図である。
【図2】本発明の現像装置の概略的断面図を示す図であ
る。
【図3】摩擦帯電量測定におけるトナーのトリボ電荷量
を測定する装置の説明図である。
【図4】本発明に係るワックスの昇温時のDSC曲線の
吸熱ピーク部分を示す図である。
【図5】本発明に係るワックスの昇温時のDSC曲線の
吸熱ピーク部分を示す図である。
【図6】本発明に係るワックスの昇温時のDSC曲線の
吸熱ピーク部分を示す図である。
【図7】本発明に係るワックスBの昇温時のDSC曲線
である。
【図8】本発明に係るワックスBの降温時のDSC曲線
である。
【図9】相対負荷曲線を説明するための図である。
【図10】比較例の被覆スリーブの表面のプロフィール
を模式的に示す図である。
【図11】本発明の被覆スリーブの表面のプロフィール
を模式的に示す図である。
【図12】フェーディング現像を説明するためのトナー
画像を示す図である。
【符号の説明】
1 静電潜像担持体(感光ドラム) 2 現像剤担持体(スリーブ) 3 多極永久磁石 5 磁性現像剤 6 ドクターブレード 7 スリーブ基体 10 被覆層 17 一次帯電器 31 吸引機 32 測定容器 33 導電性スクリーン 34 フタ 35 真空計 36 風量調節弁 37 吸引口 38 コンデンサー 39 電位計 211 現像装置 212 現像剤収納室 702 二次帯電器 705 光像露光 706 イレース露光 707 加熱加圧ローラ定着器 708 クリーニング器 712 バイアス印加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−86672(JP,A) 特開 平5−249734(JP,A) 特開 平5−249729(JP,A) 特開 昭62−279352(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ素元素及びアルミニウム元素を含有
    すると共に、10,000エルステッドの磁界における
    残留磁化σrが12≦σr≦30emu/gの範囲にあ
    り、10,000エルステッドの磁界における保磁力H
    cが130≦Hc≦300エルステッドの範囲にあり、
    かつ透磁率μが2.0≦μ≦4.0の範囲にある磁性
    体、及び示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で
    温度70〜130℃の領域に少なくともひとつの昇温時
    の吸熱ピークP1 があり、該吸熱ピークP1 のピーク温
    度の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあるワ
    ックスを含有することを特徴とする磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 ワックスの示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線で昇温時の最大吸熱ピークの半値幅が1
    0℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁性
    現像剤。
  3. 【請求項3】 導電性微粒子または/及び固体潤滑剤を
    少なくとも含有している樹脂層で形成された表面層を有
    し、該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負荷曲
    線)において相対負荷長さtp が5%のときのカッティ
    ング深さCvが5μm以下である現像担持体で磁性現像
    剤を搬送し、静電潜像を現像する画像形成方法に使用さ
    れる磁性現像剤であり、該磁性現像剤が少なくとも結着
    樹脂、磁性体及びワックス成分を含有し、該ワックスの
    示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で温度70
    〜130℃の領域に少なくともひとつの昇温時の吸熱ピ
    ークP1 があり、該吸熱ピークP1 のピーク温度の±9
    ℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあることを特徴
    とする磁性現像剤。
  4. 【請求項4】 ワックスの示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線で昇温時の最大吸熱ピークの半値幅が1
    0℃以上であることを特徴とする請求項3に記載の磁性
    現像剤。
  5. 【請求項5】 磁性現像剤は、磁性を有する文字による
    情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記号
    識別システムに用いられる文字を印字するのに用いられ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁
    性現像剤。
  6. 【請求項6】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有する画像形成装置において、該磁性現像剤は、請求項
    1又は2に記載の磁性現像剤であることを特徴とする画
    像形成装置。
  7. 【請求項7】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有する画像形成装置において、 該現像剤担持体は、導電性微粒子または/及び固体潤滑
    剤を少なくとも含有している樹脂層で形成された表面層
    を有し、該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負
    荷曲線)において相対負荷長さtp が5%のときのカッ
    ティング深さCV が5μm以下であり、該磁性現像剤
    は、請求項3又は4に記載の磁性現像剤であることを特
    徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有し、 該磁性現像剤は、請求項1又は2に記載の磁性現像剤で
    あり、 該現像装置は、静電潜像担持体と共に一体に支持されて
    ユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニット
    を形成していることを特徴とする装置ユニット。
  9. 【請求項9】 静電潜像担持体及び静電潜像を現像する
    ための現像装置を有し、該現像装置は、磁性現像剤を収
    納している現像剤収納室と、磁性現像剤を担持し且つ現
    像領域に磁性現像剤を搬送するための現像剤担持体とを
    有し、 該現像剤担持体は、導電性微粒子または/及び固体潤滑
    剤を少なくとも含有している樹脂層で形成された表面層
    を有し、該表面層の表面の相対負荷曲線(アボットの負
    荷曲線)において相対負荷長さtp が5%のときのカッ
    ティング深さCV が5μm以下であり、 該磁性現像剤は、請求項3又は4に記載の磁性現像剤で
    あり、 該現像装置は、静電潜像担持体と共に一体に支持されて
    ユニットを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニット
    を形成していることを特徴とする装置ユニット。
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