JP3278239B2 - 磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法 - Google Patents

磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法

Info

Publication number
JP3278239B2
JP3278239B2 JP12263593A JP12263593A JP3278239B2 JP 3278239 B2 JP3278239 B2 JP 3278239B2 JP 12263593 A JP12263593 A JP 12263593A JP 12263593 A JP12263593 A JP 12263593A JP 3278239 B2 JP3278239 B2 JP 3278239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
temperature
range
peak
endothermic peak
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12263593A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0643689A (ja
Inventor
聡 松永
哲人 桑嶋
ゆかり 石橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP12263593A priority Critical patent/JP3278239B2/ja
Publication of JPH0643689A publication Critical patent/JPH0643689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3278239B2 publication Critical patent/JP3278239B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体あるい
は静電記録誘電体等の像担持体に潜像を形成し、該潜像
を顕像化するための現像装置に適用される磁性現像剤及
び該磁性現像剤を用いて印字した磁性インク記号の磁性
を読み取り識別する磁性インク記号認識方法に関する。
【0002】本発明はさらに磁性インク記号識別(Ma
gnetic Ink Character Reco
gnition)システムに用いられる磁性を有する文
字の印字に好適な磁性現像剤に関する。
【0003】本発明の磁性現像剤は電子写真画像形成方
法において、潜像画像が、単位画素により表現され、単
位画素がオン−オフの2値もしくは有限の階調により表
現される、デジタル潜像を反転現像方式で顕像化するた
めの磁性現像剤として好ましく使用できる。
【0004】
【従来の技術】従来、例えば、静電潜像担持体としての
感光ドラム表面に形成した潜像を一成分系の現像剤とし
ての磁性トナーによって顕像化する現像装置は、磁性ト
ナー粒子相互の摩擦、及び現像担持体としてのスリーブ
と磁性トナー粒子の摩擦により感光ドラム上に形成され
た静電像電荷と現像基準電位に対し、逆極性の電荷を磁
性トナー粒子に与え、該磁性トナーをスリーブ上にきわ
めて薄く塗布させて感光ドラムとスリーブで形成される
現像領域に搬送し、現像領域においてスリーブ内に固着
された磁石による磁界の作用で磁性トナーを飛翔させて
感光ドラム上の静電潜像を顕像化するものが知られてい
る。
【0005】さらに近年、電子写真複写機等画像形成装
置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広が
り、このような背景の元に電子写真プリンターの応用分
野として磁性インク記号識別(Magnetic In
k Character Recognition 以
下、単にMICRと称す。)システムに用いられる文字
の印字機が考案されている。
【0006】MICRシステムとしては主として小切
手、手形などに発行銀行、金額、口座番号等の情報を磁
性インクで印刷し、手形交換所などでの分類、仕分けを
磁気読み取り機を用いて効率的に行うために考案された
システムである。従来は磁性インクを用いたオフセット
印刷が主流であったが、個人用小切手、手形などによる
商取引が活発化すると共に小型のMICR文字の印刷機
(以下、単にMICRエンコーダーと称す。)に対する
需要が増大している。
【0007】これまでの小型MICRエンコーダーは、
感熱転写方式を応用したインパクトプリンターが主流で
あったが、この場合にはMICR文字のみの印字を行う
単機能機がほとんどであり一般の書類などの作成には利
用できず改善が求められている。
【0008】一般的な書類及び/またはグラフィックス
の印字が可能であり、尚かつMICR文字の印字を行
え、良好なMICR認識率を示す電子写真プリンターが
望まれている。電子写真プリンターをMICRエンコー
ダーに応用する場合、従来知られている磁性現像剤をそ
のまま使用するとMICRリーダー・ソーターによる磁
気読み取りの正誤率(認識率)は、オフセット印刷ある
いはインパクトプリンターを用いるMICR文字の場合
に比較すると、極端に低く実用的ではない。
【0009】MICR文字を印字した有価証券類は、M
ICRリーダー・ソーターに平均して約10回程度通紙
される。磁気読み取りを行うために通紙するごとに磁気
ヘッドと高速で摺擦される。従って、MICR文字の印
字用磁性現像剤は摺擦によって印字がかすれたり、脱落
しないことが必要となる。
【0010】MICR文字は、例えばANS(Amer
ican National Standard)x
9.27−198xあるいはJIS C6251−19
80で規定されるE−13Bと呼ばれる規格がある。E
−13B規格は0〜9までの数字と4種類の記号からな
り、これらの組み合わせにより有価証券類に銀行コー
ド、支店コード、口座番号及び金額等を印字するもので
ある。
【0011】MICRリーダー・ソーターによる認識率
を向上させるために、印字したMICR文字の形状、寸
法は高精度で再現されることが要求され、文字はつぶれ
たり、とぎれたりすることなく微細かつ忠実に再現する
ことが必要となる。
【0012】電子写真プリンターによるMICR文字の
印字で高度な認識率を達成するには、従来の磁性現像剤
に使用されてきた磁性体とは異なる磁気特性を示す特定
の磁性体を含有する磁性現像剤を使用する必要がある。
【0013】すなわち、相対的に大きな残留磁化σrを
示す磁性体が必要となる。
【0014】一般的な電子写真プリンターの磁性現像剤
と同様に良好な摩擦帯電性を示し、現像機の現像剤担持
体(以下、スリーブと称す)上に均一に塗布されること
が要求される。この条件を満足するためには、磁性現像
剤に含有される磁性体の透磁率もまた重要となる。
【0015】特公昭59−7379号公報には長軸/短
軸の比が1〜5であるコバルト置換四三酸化鉄粉を含
み、残留磁化10〜20emu/g、保磁力150〜4
50エルステッドの磁性トナーが提案されているが、ス
リーブ上にトナー層を均一に塗布することが困難であ
り、摩擦帯電性に劣り、画像濃度が低く、鮮鋭性に劣る
ものである。
【0016】特開昭63−108354号公報には長軸
/短軸の比が1〜1.5、透磁率3.80〜6.00を
有する球状磁性粉末を含有する絶縁性磁性カプセルトナ
ーが提案され、特開昭59−204846号公報には最
大透磁率3.95〜5.50を有する強磁性微粉末を含
有する磁性トナーが提案されている。この場合には画像
濃度が高く、好ましいものではあるが、解像力、反転現
像方式への適合性などの更に厳しい要求に対応するため
には、改良が求められている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上述の
ごとき問題点を解決した磁性現像剤及び該磁性現像剤を
用いた磁性インク記号認識方法を提供することにある。
【0018】すなわち、本発明の目的は、MICRリー
ダー・ソーターに繰り返し通紙されてもMICR文字が
かすれたり欠落したりすることのない磁性現像剤及び該
磁性現像剤を用いた磁性インク記号認識方法を提供する
ことにある。
【0019】さらに、本発明の目的は、MICRリーダ
ー・ソーターに繰り返し通紙されてもMICRリーダー
・ソーターの磁気ヘッドを汚染することのない磁性現像
剤及び該磁性現像剤を用いた磁性インク記号認識方法を
提供することにある。
【0020】さらに、本発明の目的は、デジタルな画像
信号により潜像を形成し、該潜像を反転現像方式で現像
する画像形成装置においても、解像性、階調性、細線再
現性に優れたトナー画像を形成し得る磁性現像剤及び該
磁性現像剤を用いた磁性インク記号認識方法を提供する
ことにある。
【0021】本発明の他の目的は、電子写真プリンター
を利用したMICR印字に用いた場合に優れた認識率を
示す磁性現像剤及び該磁性現像剤を用いた磁性インク記
号認識方法を提供するものである。
【0022】また本発明の他の目的は、MICRリーダ
ー・ソーターに繰り返し通紙しても認識率が低下しない
磁性現像剤及び該磁性現像剤を用いた磁性インク記号認
識方法を提供するものである。
【0023】さらに本発明の目的は、細線再現性及び解
像度に優れMICR文字の印字を行ってもその規格に従
って忠実に再現する磁性現像剤及び該磁性現像剤を用い
た磁性インク記号認識方法を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、下記
構成によって前記の目的を達成する。
【0025】すなわち、本発明は、少なくとも結着樹
脂、磁性体及び炭化水素系ワックスを含有する磁性トナ
ーを有する磁性現像剤において、該磁性トナーは、示差
走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温
時の吸熱ピークに関し、吸熱ピークにおけるオンセット
温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温度が100〜
120℃の範囲にあり、かつ降温時の発熱ピークに関
し、発熱ピーク温度が62〜75℃の範囲にあり、発熱
ピーク強度比が5×10-3以上であり、該磁性体は10
000エルステッドの磁界において、残留磁化(σr)
が12乃至30emu/gの範囲であり、かつ保磁力
(Hc)が130乃至300エルステッドの範囲である
ことを特徴とする磁性現像剤に関する。
【0026】さらに、本発明は、少なくとも結着樹脂、
磁性体及び炭化水素系ワックスを含有する磁性トナーを
有する磁性現像剤において、該炭化水素系ワックスは、
示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、
昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱ピークに関し、吸
熱ピークのオンセット温度が50〜90℃の範囲にあ
り、温度90〜120℃の領域に少なくとも1つの吸熱
ピークP1があり、該吸熱ピークP1のピーク温度±9
℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークがあり、該磁性体
は10000エルステッドの磁界において、残留磁化
(σr)が12乃至30emu/gの範囲であり、かつ
保磁力(Hc)が130乃至300エルステッドの範囲
であることを特徴とする磁性現像剤に関する。
【0027】さらに、本発明は、磁性現像剤を用いて磁
性インク記号を記録材に印字し、印字された磁性インク
記号に磁気を付与し、磁気を付与された磁性インク記号
の磁性を読み取り識別する磁性インク記号認識方法にお
いて、該磁性現像剤は、少なくとも結着樹脂、磁性体及
び炭化水素ワックスを含有する磁性トナーを有し、該
磁性トナーは、示差走査熱量計により測定されるDSC
曲線において、昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピーク
におけるオンセット温度が105℃以下であり、吸熱ピ
ーク温度が100〜120℃の範囲にあり、かつ降温時
の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62〜75℃の
範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上であ
り、該磁性体は10000エルステッドの磁界におい
て、残留磁化(σr)が12乃至30emu/gの範囲
であり、かつ保磁力(Hc)が130乃至300エルス
テッドの範囲であることを特徴とする磁性インク記号認
識方法に関する。
【0028】さらに、本発明は、磁性現像剤を用いて磁
性インク記号を記録材に印字し、印字された磁性インク
記号に磁気を付与し、磁気を付与された磁性インク記号
の磁性を読み取り識別する磁性インク記号認識方法にお
いて、該磁性現像剤は、少なくとも結着樹脂、磁性体及
び炭化水素ワックスを含有する磁性トナーを有し、該
炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計により測定され
るDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時
の発熱ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が5
0〜90℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域に
少なくとも1つの吸熱ピークP1があり、該吸熱ピーク
P1のピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピ
ークがあり、該磁性体は10000エルステッドの磁界
において、残留磁化(σr)が12乃至30emu/g
の範囲であり、かつ保磁力(Hc)が130乃至300
エルステッドの範囲であることを特徴とする磁性インク
記号認識方法に関する。
【0029】本発明の磁性現像剤に関し、以下で詳細に
説明する。
【0030】本発明は、少なくとも結着樹脂、磁性体及
び炭化水素系ワックスを含有している磁性トナーを有す
る磁性現像剤に関するものであり、磁性トナーが、下記
特性示差走査熱量計により測定されるDSC曲線におい
て、昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピークにおけるオ
ンセット温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温度が
100〜120℃の範囲にあり、かつ降温時の発熱ピー
クに関し、発熱ピーク温度が62〜75℃の範囲にあ
り、発熱ピーク強度比が5×10-3以上である、を満足
することが1つの特徴であり、後述する特定の磁気特性
を有している磁性体との組み合わせにより、前述の目的
を達成することができる。
【0031】トナーを、示差走査熱量計により測定した
データを解析することにより熱とトナーの間の挙動を知
見することができる。すなわち、該データにより、トナ
ーへの熱のやり取りとトナーの状態の変化を知ることが
できる。例えば、オフセット現象を防止できるかといっ
たことや、保存時や実際に使用時の熱の影響、例えば耐
ブロッキング性はどうであるとか、昇温による現像性へ
の影響はどの程度かを知ることができる。
【0032】昇温時には、トナーに熱を与えた時の状態
の変化を見ることができ、ワックス成分の転移、溶融、
溶解に伴う吸熱ピークが観測される。本発明は、昇温時
の吸熱ピークのオンセット温度が105℃以下、好まし
くは90〜102℃の範囲であることを特徴とし、これ
により、低温定着性に優れている。この吸熱ピークのオ
ンセット温度が105℃を超える場合には、短時間レン
ジでの塑性変化の温度が高くなり、耐低温オフセットや
定着性が劣るようになる。
【0033】さらに、本発明は、昇温時の吸熱ピーク温
度が100〜120℃、好ましくは102〜115℃の
範囲にあることを特徴とし、この温度領域でトナー中の
ワックスが融解することで、離型効果が発現し、MIC
Rリーダー・ソーターに繰り返し通紙されてもMICR
文字のかすれがなく、さらに、MICRリーダー・ソー
ターの磁気ヘッドを汚染しずらい。
【0034】この吸熱ピーク温度が100℃未満のとき
には、ワックスの融解による可塑効果が低温から発現し
結着樹脂の機械的強度を著しく低下していることを示
す。この場合にはMICRリーダー・ソーターに通紙さ
れたときに、離型効果は発現するものの、結着樹脂の機
械的強度の低下によりMICRリーダー・ソーターの磁
気ヘッドとの摺擦時にMICR文字のかすれが生じ易
く、同時に磁気ヘッドを汚染し易く、好ましくない。
【0035】この吸熱ピーク温度が120℃を超える領
域に存在してもかまわないが、同時に120℃以下とな
る領域にピークが存在しない場合には、ワックスの融解
温度が高過ぎ、MICR印字において、紙との離型性も
増すことによりMICRリーダー・ソーターに通紙され
たときに磁気ヘッドとの摺擦によりMICR文字が欠落
し易く、結果的に誤読の原因となり好ましくない。
【0036】降温時には、トナーの常温下での状態や冷
却時の状態の変化を見ることができ、ワックス成分の転
移、凝固、結晶化に伴う発熱ピークが観測される。本発
明は、降温時の発熱ピーク温度が62〜75℃、好まし
くは65〜72℃の範囲内にあることを特徴とし、これ
により、良好なMICR特性を示す。この発熱ピーク温
度が75℃を超える場合には、ワックスの融解温度が高
過ぎ、MICRリーダー・ソーターに通紙された場合
に、磁気ヘッドとの摺擦により、MICR文字が欠落し
易く、かつ62℃未満の場合には、結着樹脂への可塑効
果が低温時まで持続し、MICRリーダー・ソーターの
磁気ヘッドとの摺擦時にMICR文字のかすれが生じ易
く、同時に磁気ヘッドを汚染し易く好ましくない。
【0037】本発明は、降温時の発熱ピーク強度比が5
×10-3以上、好ましくは10×10-3以上、より好ま
しくは15×10-3以上であることを特徴とする。降温
時の発熱ピーク強度比が大きい方がワックス成分が高密
度であったり、結晶化度が高く硬度が硬くなり適当な離
型効果が得られ、MICRリーダー・ソーターに通紙さ
れてもMICR文字のかすれが生じにくく、さらにMI
CRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染しずらい。
この発熱ピーク強度比が5×10-3未満の場合には、M
ICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドとの摺擦時にM
ICR文字のかすれが生じ易く、同時に磁気ヘッドを汚
染し易く、好ましくない。ただし、条件が満たされてい
る場合には、75℃以上の他の領域にもピークが存在し
ても構わない。
【0038】本発明におけるDSC測定では、トナーの
熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定原
理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で
測定する必要があり、このような測定器としては、例え
ば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0039】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで
降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
各温度の定義は次のように定める。
【0040】吸熱ピーク(プラスの方向を吸熱とす
る)。
【0041】ピークの立ち上がり温度(LP):ベース
ラインより明らかにピーク曲線が離れたと認められる温
度。すなわち、ピーク曲線の微分値が正で、微分値の増
加が大きくなりはじめる温度あるいは微分値が負から正
になる温度をいう。(図1及び図3乃至図6に具体的な
例を示す)。
【0042】ピークのオンセット温度(OP):ピーク
曲線の微分値が最大となる点において曲線の接線を引き
接線とベースラインとの交点の温度(図1に具体的な例
を示す)。
【0043】ピークの温度(PP):ピークトップの温
度(120℃以下の領域での最大のピーク)。
【0044】発熱ピーク(マイナスの方向を発熱とす
る)。
【0045】発熱ピークの温度:ピークトップの温度。
【0046】発熱ピーク強度比:上記のピークのピーク
トップ前後の曲線の微分値が極大及び極小となる点にお
いてそれぞれ曲線の接線を引き各接線とベースライン交
点の温度差をΔTとし、単位重量あたりのベースライン
からピークトップまでの高さをΔH(測定されたピーク
の高さを測定試料の重量で割った値mW/mg)とした
時のΔH/ΔT(図2及び図7乃至図10にΔH、ΔT
の具体的な例を示す)。すなわち、この値が大きいとい
うことは、ピークがシャープであることを示している。
【0047】本発明に用いられる炭化水素系ワックス
は、(i)アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは
低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレ
ンポリマー、(ii)高分子量のアルキレンポリマーを
熱分解して得られるアルキレンポリマー、(iii)一
酸化炭素、水素からなる合成ガスからアーゲ法により得
られる炭化水素の蒸留残分を水素添加して得られる合成
炭化水素の如き材料から特定の成分を抽出分別した炭化
水素ワックスが用いられる。プレス発汗法、溶剤法、真
空蒸留を利用した分別結晶方式により炭化水素ワックス
の分別が行われる。すなわちこれらの方法で、低分子量
分を除去したもの、低分子量分を抽出したものや、更に
これらから低分子量分を除去したものである。
【0048】母体としての炭化水素は、金属酸化物系触
媒(多くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素
と水素の反応によって合成されるもの、例えばジントー
ル法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいは
ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒
床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭
化水素(最終的には、水素添加し目的物とする)や、エ
チレンの如きアルキレンをチーグラー触媒により重合し
た炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長鎖直鎖
状炭化水素であるので好ましい。特に、アルキレンの重
合によらない方法により合成された炭化水素ワックスが
その構造や分別しやすい分子量分布であることから好ま
しいものである。本発明に用いられる炭化水素系ワック
スの分子量分布で好ましい範囲は、数平均分子量(M
n)が550〜1200であることが好ましく、より好
ましくは600〜1000であり、重量平均分子量(M
w)が800〜3600であることが好ましく、より好
ましくは900〜3000であり、更にMw/Mnが3
以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下
であり、更に好ましくは2.0以下である。更に、分子
量700〜2400(好ましくは分子量750〜200
0、特に好ましくは分子量800〜1600)の領域に
ピークが存在することが好ましい。このような分子量分
布を持たせることにより、トナーに好ましい熱特性を持
たせることができる。すなわち、上記範囲より分子量が
小さくなると熱的影響を過度に受けやすく、MICRリ
ーダー・ソーターに通紙された場合に、磁気ヘッドとの
摺擦によりMICR文字のかすれが生じ易く、同時に磁
気ヘッドを汚染し易い。上記範囲より分子量が大きくな
ると、定着性が悪化し、その結果MICRリーダー・ソ
ーターに通紙された時にMICR文字が欠落する原因と
なる場合があり好ましくない。
【0049】本発明で用いられる炭化水素系ワックスが
有するその他の物性としては、25℃での密度が0.9
5(g/cm3 )以上であることが好ましく、更に針入
度が1.5(10-1mm)以下であることが好ましく、
より好ましくは1.0(10-1mm)以下であることが
良い。これらの範囲をはずれると、低温時に変化し易く
MICRリーダー・ソーターに通紙した場合に、MIC
R文字のかすれが生じ易く、同時に磁気ヘッドを汚染す
ることがある。
【0050】更に上記炭化水素系ワックスは、140℃
における溶融粘度が、好ましくは100cP以下、より
好ましくは50cP以下、更に好ましくは20cP以下
であることが良い。この溶融粘度が100cPを超える
ようになると、可塑性、離型性に劣るようになり、MI
CRリーダー・ソーターに通紙された場合に、MICR
文字のかすれを生じ易く、更にMICRリーダー・ソー
ターの磁気ヘッドを汚染し易い。
【0051】更に、上記炭化水素系ワックスは、軟化点
が130℃以下であることが好ましく、より好ましくは
120℃以下であることが良い。その軟化点が130℃
を超えると、離型性が特に有効に働く温度が高くなり、
MICRリーダー・ソーターに通紙した場合に、離型効
果が充分に発揮されにくくMICR文字のかすれが生じ
易い。
【0052】更に、上記炭化水素系ワックスは、酸価が
好ましくは2.0mgKOH/g未満、より好ましくは
1.0mgKOH/g未満であることが良い。この範囲
を超えると、トナーを構成する成分の1つである結着樹
脂との界面接着力が大きく、溶融時の相分離が不充分に
なり易く、そのため良好な離型性が得られにくく、MI
CRリーダー・ソーターに通紙した場合に、文字のかす
れがおこり易く、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘ
ッドを汚染し易い。
【0053】これらの炭化水素系ワックスの含有量は、
好ましくは結着樹脂100重量部に対し20重量部以内
で用いられることが良く、より好ましくは0.5〜10
重量部で用いるのが効果的である。
【0054】本発明において炭化水素系ワックスの分子
量分布はゲルバーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により次の条件で測定される。
【0055】(GPC測定条件)装置:GPC−150
C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0056】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0057】本発明におけるワックス類の針入度は、J
IS K−2207に準拠し測定される値である。具体
的には、直径約1mmで頂角9°の円錐形先端を持つ針
を一定荷重で貫入させた時の貫入深さを0.1mmの単
位で表した数値である。本発明中での試験条件は試料温
度が25℃、加重100g、貫入時間5秒である。
【0058】更に、本発明において溶融粘度は、ブルッ
クフィールド型粘度計を用いて測定される値であり、条
件は測定温度140℃、ずり速度1.32rpm、試料
10mlである。
【0059】酸価は、試料1g中に含まれる酸基を中和
するために必要な水酸化カリウムのmg数である(JI
S K5902に準ずる)。密度は25℃でJIS K
6760、軟化点はJIS K2207に準じて測定さ
れる値である。
【0060】更に、本発明においては、炭化水素系ワッ
クスが、下記特性示差走査熱量計により測定されるDS
C曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱
ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が50〜9
0℃の範囲にあり、温度90〜120℃の範囲に少なく
とも1つの吸熱ピークP1があり、該吸熱ピークP1の
ピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークが
ある、を満足することが1つの特徴であり、後述する特
定の磁気特性を有している磁性体との組み合わせによ
り、前述の目的を達成することができる。
【0061】昇温時には、ワックスに熱を与えた時の変
化を見ることができワックスの転移、融解に伴う吸熱ピ
ークが観測される。昇温時の吸熱ピークのオンセット温
度が50〜90℃の範囲内にあることにより、優れた離
型効果が発現し、MICRリーダー・ソーターに繰り返
し通紙されてもMICR文字がかすれたり、欠落したり
せず、更に、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘッド
を汚染しずらい。
【0062】この昇温時のピークのオンセット温度が、
50℃未満の場合には、ワックスの変化温度が低すぎ、
MICRリーダー・ソーターに通紙した場合にMICR
文字のかすれを起こし易く、更にMICRリーダー・ソ
ーターの磁気ヘッドを汚染し易い。
【0063】このピークのオンセット温度が、90℃を
超える場合には、ワックスの温度変化が高すぎ、MIC
Rリーダー・ソーターに通紙された場合にMICR文字
が欠落し易い。
【0064】更に、本発明に用いられる炭化水素系ワッ
クスは、90〜120℃の範囲に、好ましくは95〜1
20℃の範囲に、より好ましくは97〜115℃の範囲
内に、昇温時の吸熱ピークが存在することを特徴とす
る。すなわち、この温度領域でワックスが融解すること
で、離型効果が発現し、MICRリーダー・ソーターに
繰り返し通紙されてもMICR文字がかすれたり、欠落
したりしにくく、更にMICRリーダー・ソーターの磁
気ヘッドを汚染しずらい。
【0065】90℃未満のみに昇温時の吸熱ピークの温
度が存在する場合には、ワックスの融解による可塑効果
が低温から発現し結着樹脂の機械的強度を著しく低下さ
せることを示す。この場合には、MICRリーダー・ソ
ーターに通紙されたときに離型効果は発現するものの結
着樹脂の機械的強度の低下によりMICRリーダー・ソ
ーターの磁気ヘッドとの摺擦時にMICR文字のかすれ
が生じ易く、同時に磁気ヘッドを汚染し好ましくない。
【0066】この昇温時の吸熱ピークは、120℃を超
える領域に存在してもかまわないが、120℃を超える
領域のみにこの吸熱ピーク温度が存在する場合には、ワ
ックスの融解する温度が高すぎ、MICR文字におい
て、紙との離型性も増すことによりMICRリーダー・
ソーターに通紙された場合、磁気ヘッドとの摺擦により
MICR文字が欠落し易く、結果的に磁気ヘッドを汚染
し易い。ここで、90℃未満の吸熱ピークが最大のピー
クとなると、この領域のみに吸熱ピークがある場合と同
様な挙動を示すので、この領域に吸熱ピークが存在して
もよいが、その場合は、90〜120℃の範囲の吸熱ピ
ークより小さい必要がある。
【0067】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見ることができ、ワックスの凝固、結晶
化、転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の発熱
ピークで、最大の発熱ピークは、ワックスの凝固、結晶
化に伴う発熱ピークである。この発熱ピーク温度と近い
温度に昇温時の融解に伴う吸熱ピークが存在すること
は、該ワックスにおける結晶構造、分子量分布の如き物
性的な面でより均質であることを示しており、本発明に
おいては、その差が9℃以内であることが良く、好まし
くは7℃以内であり、より好ましくは5℃以内であるこ
とが良い。すなわちこの差を小さくすることで、ワック
スがシャープメルト性を有することにより、すなわち、
低温時には硬く、融解時の溶融が早く、溶融粘度の低下
が大きく起こることになり、優れた離型効果が発現し、
MICRリーダー・ソーターに繰り返し通紙した場合に
も、MICR文字がかすれたり、欠落したりしにくく、
更にMICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染し
ずらい。更に、本発明においては、炭化水素系ワックス
の最大発熱ピーク温度は85〜115℃、好ましくは9
0〜110℃の領域にあることが良い。
【0068】ワックスのDSC測定は、前述のトナーの
場合に準じ、各温度の定義は次のように定める。
【0069】吸熱ピーク:ピークのオンセット温度:曲
線の微分値が極大となる温度の最低の温度。従って、ト
ナーの場合のオンセット温度と定義が異なる。
【0070】ピークの温度:ピークトップの温度 発熱ピーク: ピークの温度:最大のピークのピークトップの温度 これら炭化水素系ワックスの含有量は、好ましくは結着
樹脂100重量部に対し20重量部以内で用いることが
良く、より好ましくは0.5〜10重量部で用いるのが
効果的であり、更に、他のワックス類と併用しても構わ
ない。
【0071】本発明において、前述の特定の熱特性を有
する磁性トナー又は特定の熱特性を有する炭化水素系ワ
ックスを含有している磁性トナーと組み合わせて用いる
磁性体の構成に関して説明する。
【0072】本発明に係る磁性体は、平均粒径0.1〜
0.6μmを有するものが好ましく、より好ましくは平
均粒径0.15〜0.4μmを有するものが良い。本発
明において、磁性体の平均粒径は、試料を走査型電子顕
微鏡を用いて拡大倍率20,000倍で拡大写真にと
り、ランダムに100個乃至200個の粒子の長軸値を
測定しその平均値を算出することにより求められる。
【0073】本発明の磁性現像剤に用いられる磁性体
は、残留磁化σrが10,000エルステッドの磁界に
おいて12≦σr≦30emu/gの範囲にある場合が
好ましく、更に好ましくは14≦σr≦28emu/g
の範囲にある場合が良い。
【0074】残留磁化σrが、12emu/g未満とな
る場合には、MICR文字の印字を行った場合にMIC
Rリーダー・ソーターの認識率が著しく低下してしま
う。
【0075】更に、残留磁化σrが30emu/gを超
える場合には、画像濃度が低くなり易く、かつカブリも
生じ易いために、MICR文字の印字を行った場合に
は、その認識率は著しく低下し易く、一般的な印字を行
った場合でも、画像品位は著しく低いものである。
【0076】本発明に係る磁性体において、保磁力Hc
は、10,000エルステッドの磁界において、130
≦Hc≦300エルステッドの範囲にあるのが好まし
く、更に好ましくは140≦Hc≦280エルステッド
の範囲にある場合が良い。
【0077】保磁力Hcが、130エルステッド未満と
なる場合には、画像濃度は高くなるのではあるが、反面
細線再現性に劣り、MICR文字の印字を行った場合に
認識率の低下を招き好ましくない。保磁力Hcが300
を超える場合には、磁性現像剤を現像スリーブ上に均一
に塗布することが困難となり、画像濃度の低下あるい
は、濃度ムラを生じ好ましくない。
【0078】本発明において、磁性トナーは、結着樹脂
100重量部に対して、該磁性体を好ましくは40〜1
20重量部、より好ましくは50〜110重量部含有し
ていることが良い。
【0079】本発明に使用する磁性体は、Fe2+を含む
水溶液、すなわち硫酸第一鉄を原料とする湿式法により
合成された後に、200℃以上の温度で酸化及び還元さ
れることにより製造されたものが好ましい。詳しくは、
上記湿式法により合成された後に200℃以上の温度で
加熱酸化され、次いで加熱還元することにより製造され
たものであり、加熱酸化は500〜900℃で空気等の
酸化性気体を通気して行い、次に加熱還元、250〜5
50℃で水素及び/又は一酸化炭素等の還元性気体を通
気して行うことが好ましい。
【0080】本発明の磁性現像剤には荷重制御剤をトナ
ー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外添)
して用いることが好ましい。
【0081】本発明に用いることのできる正荷電制御剤
としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトストルフォン酸塩、テトラブチルアンモニ
ウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩;
ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、
ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオ
キサイド;ジブチルスズボレード、ジオクチルスズボレ
ード、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノス
ズボレート;を単独あるいは2種類以上組み合わせて用
いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、四
級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用い
られる。
【0082】更に、一般式、
【0083】
【外1】 1 =H、CH32 、R3 :置換又は未置換のアルキル基(好ましくは
1 〜C4 ) で表されるモノマーの単重合体または前述したようなス
チレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの
如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤とし
て用いることができ、この場合これらの荷電制御剤は、
結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有す
る。
【0084】本発明に用いることのできる負荷電性制御
剤としては、例えばモノアゾ染料の金属錯体または塩;
サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル
酸またはナフトエ酸の金属錯体または塩が好ましく用い
られる。
【0085】上述した荷電制御剤(結着樹脂としての作
用を有しないもの)は、微粒子状として用いることが好
ましい。この場合、この荷電制御剤の個数平均粒径は、
具体的には4μm以下が好ましく、より好ましくは3μ
m以下が良い。
【0086】トナーに内添する際、このような荷電制御
剤は、結着樹脂100重量部に対して好ましくは0.1
〜10重量部、更に好ましくは0.1〜5重量部用いる
ことが良い。
【0087】本発明の磁性現像剤は疎水性シリカ微粉体
を有していることが好ましい。
【0088】ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化
ケイ素(シリカ)、その他、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、
ケイ酸亜鉛の如きケイ酸塩をいずれも適用できる。
【0089】上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測
定した窒素吸着による比表面積が70〜300m2 /g
の範囲内のものが良好な結果を与える。磁性トナー10
0重量部に対して好ましくはシリカ微粉体0.2〜1.
6重量部、より好ましくは0.4〜1.4重量部使用す
るものが良い。
【0090】本発明に用いられる磁性トナーを正荷電性
磁性トナーとして用いる場合には、トナーの摩耗防止、
スリーブ表面の汚損防止のために添加するシリカ微粉体
としても、負荷電性であるよりは、正荷電性シリカ微粉
体を用いた方が帯電安定性を損なうこともなく好まし
い。
【0091】正帯電性シリカ微粉体を得る方法として
は、上述した未処理のシリカ微粉体を、側鎖に窒素原子
を少なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコ
ンオイルで処理する方法、あるいは窒素含有のシランカ
ップリング剤で処理する方法、またはこの両者で処理す
る方法がある。
【0092】本発明に用いられる磁性トナーを負帯電性
磁性トナーとして用いる場合には、シリカ微粉体は、ト
リボ電荷量が−100μc/g乃至−300μc/gを
有するものが好ましく使用される。シリカ微粉体のトリ
ボ電荷量が−100μc/gに満たないものは、現像剤
自体のトリボ電荷量を低下せしめ、湿度特性が低下す
る。シリカ微粉体のトリボ電荷量が−300μc/gを
超えるものを用いると現像剤担持体メモリーを促進さ
せ、更に、シリカ劣化等の影響を受け易くなり、耐久特
性に支障をきたす。シリカ微粉体のBET比表面積が3
00m2 /gより細かいものは現像剤への添加効果が少
なく、70m2 /gよりあらいものは遊離物としての存
在確率が大きく、シリカの偏積や凝集物による黒ポチの
発生原因となり易い。
【0093】シリカ微粉体のトリボ値は次の方法で測定
される。すなわち、温度23.5℃、湿度60%RHの
環境下に1晩放置されたシリカ微粉体0.2gと200
〜300メッシュに主体粒度を持つ、樹脂で被覆されて
いないキャリア鉄粉(例えば、日本鉄粉社製EFV/3
00)9.8gとを前記環境下で精秤し、およそ50
c.c.の容積を持つポリエチレン製ふた付広口びん中
で十分に(手に持って上下におよそ50回約20秒間振
とうする)混合する。
【0094】次に図15に示す様に底に400メッシュ
のスクリーン33のある金属製の測定容器32に混合物
約0.5gを入れ金属製のフタ34をする。このときの
測定容器32全体の重量を秤りW1 (g)とする。次に
吸引機31(測定容器32と接する部分は少なくとも絶
縁体)において、吸引口37から吸引し風量調節弁36
を調整して真空計35の圧力を250mmHgとする。
この状態で充分吸引を行いシリカを吸引除去する。この
ときの電位計39の電位をV(ボルト)とする。ここで
38はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。ま
た、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2 (g)とす
る。このシリカのトリボ電荷量(μc/g)は下式の如
く計算される。
【0095】トリボ電荷量=CV/(W1 −W2 ) 本発明に用いられる磁性トナーは、必要に応じて添加剤
を混合してもよい。着色剤としては従来より知られてい
る染料、顔料が使用可能であり、通常、結着樹脂100
重量部に対して0.5〜20重量部使用しても良い。本
発明の磁性現像剤中に他の外部添加剤として、例えばス
テアリン酸亜鉛の如き滑剤、あるいは酸化セリウム、炭
化ケイ素の如き研磨剤あるいは例えば酸化アルミニウム
の如き流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例え
ばカーボンブラック、酸化スズの如き導電性付与剤を用
いることができる。
【0096】本発明に係る磁性現像剤を作製するには磁
性粉及びビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂、必要に
応じて着色剤としての顔料または染料、荷電制御剤、そ
の他の添加剤等をボールミルの如き混合機により充分混
合してから加熱ロール、、ニーダー、エクストルーダー
の如き熱混練機を用いて熔融、捏和及び練肉して樹脂類
を互いに相溶せしめた中に顔料又は染料を分散又は溶解
せしめ、冷却固化後粉砕及び厳密な分級をおこなって本
発明に係るところの絶縁性磁性トナーを得ることが出来
る。
【0097】更に、図16を参照しながら、本発明の磁
性現像剤を用いる電子写真装置及び装置ユニットを説明
する。
【0098】一次帯電器(帯電手段)702で感光体表
面を負極性に帯電し、光像露光(潜像形成手段)705
(スリット露光・レーザービーム走査露光)によりイメ
ージスキャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブ
レード711および磁石714を内包している現像スリ
ーブ704を具備する現像器(現像手段)709に保有
される一成分系絶縁性の磁性現像剤710で該潜像を反
転現像する。現像部において感光ドラム(感光体)70
1の導電性基体と現像スリーブ704との間で、バイア
ス印加手段712により交互バイアス、パルスバイアス
及び/又は直流バイアスが印加されている。転写紙Pが
搬送されて、転写部にくると転写紙Pの背面(感光ドラ
ム側と反対面)から二次帯電器(転写手段)703で帯
電をすることにより、感光ドラム表面上の現像画像(ト
ナー像)が転写紙P上へ静電転写される。感光ドラム7
01から分離された転写紙Pは、加熱加圧ローラ定着器
707により転写紙P上のトナー画像を定着するために
定着処理される。
【0099】転写工程後の感光ドラムに残留する一成分
系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリーニン
グ器(クリーニング手段)708で除去される。クリー
ニング後の感光ドラム701は、イレース露光706に
より除電され、再度、一次帯電器702による帯電工程
から始まる工程が繰り返される。
【0100】静電荷像保持体(感光ドラム)は感光層及
び導電性基体を有し、矢印方向に動く。トナー担持体で
ある非磁性円筒の現像スリーブ704は、現像部におい
て静電像保持体表面と同方向に進むように回転する。非
磁性円筒スリーブ704の内部には、磁界発生手段であ
る多極永久磁石(マグネットロール)が回転しないよう
配されている。現像器709内の一成分系絶縁性の磁性
現像剤710は非磁性円筒面上に塗布され、かつスリー
ブ704の表面とトナー粒子との摩擦によって、トナー
粒子は例えばマイナスのトリボ電荷が与えられる。更に
鉄製の磁性ドクターブレード711を円筒表面に近接し
て(間隔50μm〜500μm)、多極永久磁石の一つ
の磁極位置に対向して配置することにより、現像剤層の
厚さを薄く(30μm〜300μm)かつ均一に規制し
て、現像部における静電荷像保持体1とトナー担持体7
04の間隙よりも薄い現像剤層を非接触となるように形
成する。このトナー担持体704の回転速度を調整する
ことにより、スリーブ表面速度が静電像保持面の速度と
実質的に等速、もしくはそれに近い速度となるようにす
る。磁性ドクターブレード711として鉄の代わりに永
久磁石を用いて対向磁極を形成しても良い。現像部にお
いてトナー担持体704と静電像保持面との間で交流バ
イアスまたはパルスバイアスをバイアス手段712によ
り印加しても良い。この交流バイアスはfが200〜
4,000Hz、Vppが500〜3,000Vであれ
ば良い。
【0101】現像部分におけるトナー粒子の移転に際
し、静電像保持面の静電的力及び交流バイアスまたはパ
ルスバイアスの作用によってトナー粒子は静電像側に移
転する。
【0102】磁性ドクターブレード711のかわりに、
シリコーンゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレー
ドを用いて押圧によって現像剤層の層厚を規制し、現像
剤担持体上に現像剤を塗布しても良い。
【0103】電子写真装置として、上述の感光体や現像
手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数のも
のを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユ
ニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
例えは、現像手段及び感光体を一体に支持してユニット
を形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装
置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成に
しても良い。このとき、上記装置ユニットのほうに帯電
手段及び/又はクリーニング手段を伴って構成しても良
い。
【0104】光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプ
リンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは、原稿を読み取り信号化し、この信号
によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又
は液晶シャッターアレイの駆動等により行われる。
【0105】本発明の磁性現像剤を用いた磁性インク記
号認識方法に関して説明する。
【0106】図17は、本発明の磁性インク記号認識方
法に用いる装置であり、1は記録紙Pを収納しているホ
ッパーであり、2はローラ2a、2b及び2cを有する
搬送手段であり、3は記録紙のトナー像に磁性を付与す
る磁性付与手段としての書き込みヘッドであり、4は付
与された磁性を読み取る磁性読み取り手段としての読み
取りヘッドである。
【0107】磁性トナーにより形成された図18に示す
ようなインク記号を(オンアス文字)を有する記録紙P
はホッパー1から搬送手段2のローラ2a、2b及び2
cにより搬送され、書き込みヘッド3によりインク記号
に磁性が付与され、このインク記号に付与された磁性
は、読み取りヘッド4によってその波形が読み取られ、
その波形が適正か否かによってインク記号の認識が行わ
れる。
【0108】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に
説明するが、これらは何ら本発明を限定するものではな
い。なお、実施例の配合において「部」及び「%」は特
に言及しない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0109】
【実施例】
(ワックスA乃至Hの調製)本発明に用いられる炭化水
素系ワックスA乃至Hを下記の如く調製した。
【0110】アーゲ法により合成された炭化水素系ワッ
クスをワックスF(比較例)とし、これからワックスA
(本発明)、ワックスB(本発明)及びワックスC(本
発明)を分別結晶化により得た。
【0111】アーゲ法により合成された炭化水素を酸化
処理し、ワックスG(比較例)を得た。
【0112】チーグラー触媒を用いて、エチレンを低圧
重合し、比較的低分子量のワックスH(比較例)を得、
分別結晶化により低分子量成分をある程度除去したワッ
クスD(本発明)を得た。
【0113】ワックスHの合成における重合よりは高分
子量のワックスI(比較例)を得、分別結晶化により、
低分子量成分を抽出してワックスE(本発明)を得た。
【0114】上記で得られたワックスA乃至HのDSC
特性、分子量分布及び諸物性を表1乃至表3に示す。
【0115】(磁性体Aの調製)硫酸第一鉄を原料とす
る湿式法により磁性体を合成し、750℃で2時間空気
を通気して加熱酸化し、次いで350℃で水素ガスと窒
素ガスを混合した気体を3時間通気して加熱、還元する
ことにより表4に示す磁性体Aを調製した。
【0116】(磁性体B及びC)硫酸第一鉄を原料とす
る湿式法により、表4に示す磁性体B及びCをそれぞれ
調製した。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
【0121】(実施例1) スチレン−アクリル共重合体 100重量部 磁性体A 50重量部 (平均粒径0.24μm、10,000エルステッドの
磁界で残留磁化σr=16.8emu/g、保磁力Hc
=189エルステッド) ワックスA 5重量部 モノアゾ染料のクロム錯体 1重量部 上記混合物を、130℃に加熱された2軸エクストルー
ダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉
砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微
粉砕物を固定壁型風力分級機で分級してコアンダ効果を
利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット
分級機)で微粉及び粗粉を同時に厳密に分級して体積平
均径12.3μmの黒色微粉体(磁性トナー1)を得
た。
【0122】上記磁性トナー100重量部に対して0.
5重量部の負帯電性シリカ微粉末を添加し、良く混合す
ることにより本発明に係る磁性現像剤(1)を得た。
【0123】この磁性トナーのDSC測定結果を表5に
記し、磁性トナー1の昇温時のDSC曲線を図1に、降
温時のDSC曲線を図2に示す。
【0124】次にキヤノン製レーザービームプリンタL
BP−8IIを用い、上記磁性現像剤(1)を、装置ユ
ニットに設置して画出しを行った。この結果、鮮明な画
像を得た。JIS C 6251−1980の記載に従
って、MICR文字の印字を1000枚行ったところ、
得られた画像は、細線再現性に優れていた。この100
0枚の印字物を市販のMICRリーダー・ソーター(I
BM製 3890型機)を用いて印字されたMICR文
字に磁性を付与すると共にこの文字の磁性を読み取って
磁気読み取りの正誤率(誤読率)を調べたところ、1.
8%と良好な結果を得た。MICRリーダー・ソーター
に通紙した後のMICR文字のかすれ、欠落及び、MI
CRリーダー・ソーターの磁気ヘッドの汚染は見られな
かった。結果を表6に示す。
【0125】画像の細線再現性は以下のようにして判定
した。JIS−C6251−1980にしたがってMI
CR文字を印字し、図18に示す如くオンアス(ON
US)シンボルの磁気信号強度を測定し、図19に示す
ような信号波形を得た。得られた波形によって細線再現
性を測定した。
【0126】画像濃度の測定は、マクベス反射濃度計を
用いて10枚の画像サンプルの平均濃度をもって測定し
た。
【0127】尚、磁気読み取りの正誤率は以下の式に従
って算出した。
【0128】
【外2】
【0129】(実施例2〜5)ワックスB乃至Eを使用
することを除いては、実施例1と同様にして磁性トナー
2乃至5を調製し、更に同様にして磁性現像剤(2)乃
至(5)を調製した。各磁性トナー2乃至5のDSC測
定結果を表5に示す。
【0130】更に、各磁性現像剤(2)乃至(5)を実
施例1と同様にしてMICRリーダー・ソーターに通紙
した。結果を表6に示す。
【0131】(比較例1〜3)ワックスF乃至Iを使用
することを除いては、実施例1と同様にして比較用磁性
トナー1乃至3を調製し、更に同様にして磁性現像剤
(6)乃至(8)を調製した。各比較用磁性トナー1乃
至3のDSC測定結果を表5に示す。
【0132】更に、各磁性現像剤(6)乃至(8)を実
施例1と同様にしてMICRリーダー・ソーターに通紙
した。結果を表6に示す。
【0133】(比較例4)ワックスを使用しないことを
除いて、実施例1と同様にして比較用磁性トナー4を調
製し、更に同様にして磁性現像剤(9)を調製した。こ
の比較用磁性トナー4のDSC測定結果を表5に示す。
この吸熱ピークは、結着樹脂に由来するものであり、他
の磁性現像剤にもみられるものである。更に、この磁性
現像剤(9)を実施例1と同様にしてMICRリーダー
・ソーターに通紙した。結果を表6に示す。
【0134】(比較例5)磁性体Aを磁性体Bに代える
ことを除いては、実施例1と同様にして比較用磁性トナ
ー5を調製し、更に同様にして、磁性現像剤(10)を
調製した。この比較用磁性トナー5のDSC測定結果を
表5に示す。更に、磁性現像剤(10)を実施例1と同
様にしてMICRリーダー・ソーターに通紙した。結果
を表6に示す。
【0135】(比較例6)磁性体Aを磁性体Cに代える
ことを除いては、実施例1と同様にして比較用磁性トナ
ー6を調製し、更に同様にして、磁性現像剤(11)を
調製した。この比較用磁性トナー6のDSC測定結果を
表5に示す。更に、磁性現像剤(11)を実施例1と同
様にしてMICRリーダー・ソーターに通紙した。結果
を表6に示す。
【0136】(比較例7)磁性体Aを磁性体Bに代え、
更にワックスを使用しないことを除いては、実施例1と
同様にして比較用磁性トナー7を調製し、更に同様にし
て、磁性現像剤(12)を調製した。この比較用磁性ト
ナー7のDSC測定結果を表5に示す。更に、磁性現像
剤(12)を実施例1と同様にしてMICRリーダー・
ソーターに通紙した。結果を表6に示す。
【0137】
【表5】
【0138】
【表6】 1 ○:文字のかすれなし。
【0139】△:文字のかすれが若干あるが実用上問題
なし。
【0140】×:文字のかすれがあり実用上の問題あ
り。 *2 ○:文字の欠落なし。
【0141】△:文字の欠落が若干あるが実用上問題な
し。
【0142】×:文字の欠落があり実用上問題あり。 *3 ○:ヘッドの汚れなし。
【0143】△:ヘッドの汚れはあるが実用上問題な
し。
【0144】×:ヘッドの汚れがあり実用上の問題あ
り。 *4 ○:信号波形が適正であり、目視によるオンアスシンボ
ルは良好に印字されていた。
【0145】△:信号波形がほぼ適正であり、目視によ
るオンアスシンボルはほぼ良好に印字されていた。
【0146】×:信号波形が乱れ、目視によるオンアス
シンボルはつぶれて印字されていた、又は飛び散りが多
く細線再現性に劣っていた。
【0147】
【発明の効果】本発明は、特定の炭化水素系ワックスを
磁性現像剤中に含有させることによって、磁性現像剤に
好ましい熱特性を与えることが出来るので、特定の磁性
特性を有する磁性体との組み合わせにより、次の様な優
れた効果を発揮するものである。
【0148】本発明は、MICRリーダー・ソーターに
繰り返し通紙されてもMICR文字がかすれたり欠落す
ることのない磁性現像剤及び磁性現像剤を用いた磁性イ
ンク記号認識方法を提供できる。
【0149】本発明は、MICRリーダー・ソーターに
繰り返し通紙されてもMICRリーダー・ソーターの磁
気ヘッドを汚染することのない磁性現像剤及び該磁性現
像剤を用いた磁性インク記号認識方法を提供できる。
【0150】本発明は、デジタルな画像信号により潜像
を形成し、該潜像を反転現像方式で現像する画像形成装
置においても、解像性、階調性、細線再現性に優れたト
ナー画像を形成し得る磁性現像剤及び該磁性現像剤を用
いた磁性インク記号認識方法を提供できる。
【0151】本発明は、電子写真プリンターを利用した
MICR印字に用いた場合に優れた認識率を示す磁性現
像剤及び該磁性現像剤を用いた磁性インク記号認識方法
を提供できる。
【0152】本発明は他に、MICRリーダー・ソータ
ーに繰り返し通紙しても認識率が低下しない磁性現像剤
及び該磁性現像剤を用いた磁性インク記号認識方法を提
供できる。
【0153】本発明は、細線再現性及び解像度に優れM
ICR文字の印字を行ってもその規格に従って忠実に再
現する磁性現像剤及び該磁性現像剤を用いた磁性インク
記号認識方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性現像剤1の昇温時のDSC曲線を
示す図である。
【図2】本発明の磁性現像剤1の降温時のDSC曲線を
示す図である。
【図3】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図4】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図5】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図6】昇温時のDSC曲線の吸熱ピーク部分を示す図
である。
【図7】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す図
である。
【図8】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す図
である。
【図9】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す図
である。
【図10】降温時のDSC曲線の発熱ピーク部分を示す
図である。
【図11】本発明に係るワックスAの昇温時におけるD
SC曲線を示す図である。
【図12】本発明に係るワックスAの降温時におけるD
SC曲線を示す図である。
【図13】ワックスF(比較例)の昇温時におけるDS
C曲線を示す図である。
【図14】ワックスF(比較例)の降温時におけるDS
C曲線を示す図である。
【図15】摩擦帯電量測定におけるトナーのトリボ電荷
量を測定する装置の説明図である。
【図16】本発明の磁性現像剤を使用する電子写真装置
を示す概略構成図である。
【図17】本発明の磁性インク記号認識方法を説明する
ための概略構成図である。
【図18】細線再現性を評価するためMICR文字とし
て印字した「オンアス」シンボルを示す図である。
【図19】図18の「オンアス」シンボルの信号波形を
示す図である。
【符号の説明】
1 ホッパー 2 搬送手段 2a、2b、2c ローラ 3 磁性付与手段 4 磁性読み取り手段 P 記録紙 31 吸引機 32 測定容器 33 導電性スクリーン 34 フタ 35 真空計 36 風量調節弁 37 吸引口 38 コンデンサー 39 電位計 701 感光体 702 帯電手段 703 転写手段 704 トナー担持体 705 潜像形成手段 706 イレース露光 707 加熱加圧ローラ定着器 708 クリーニング手段 709 現像手段 710 磁性現像剤 711 磁性ブレード 712 バイアス印加手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−63358(JP,A) 特開 平3−203748(JP,A) 特開 平4−362954(JP,A) 特開 平4−86672(JP,A) 特開 平4−204543(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/083 G03G 9/08 365

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水
    素系ワックスを含有する磁性トナーを有する磁性現像剤
    において、 該磁性トナーは、示差走査熱量計により測定されるDS
    C曲線において、昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピー
    クにおけるオンセット温度が105℃以下であり、吸熱
    ピーク温度が100〜120℃の範囲にあり、かつ降温
    時の発熱ピークに関し、発熱ピーク温度が62〜75℃
    の範囲にあり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上であ
    り、 該磁性体は10000エルステッドの磁界において、残
    留磁化(σr)が12乃至30emu/gの範囲であ
    り、かつ保磁力(Hc)が130乃至300エルステッ
    ドの範囲であることを特徴とする磁性現像剤。
  2. 【請求項2】 該炭化水素系ワックスは、一酸化炭素と
    水素の反応によって合成されたもの、又は、エチレンを
    重合することにより合成されたものであり、600〜1
    000の数平均分子量(Mn)を有していることを特徴
    とする請求項1に記載の磁性現像剤。
  3. 【請求項3】 磁性現像剤は、磁性を有する文字による
    情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記号
    識別システムに用いられる文字を印字するのに用いられ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性現像
    剤。
  4. 【請求項4】 少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化水
    素系ワックスを含有する磁性トナーを有する磁性現像剤
    において、 該炭化水素系ワックスは、示差走査熱量計により測定さ
    れるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温
    時の発熱ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が
    50〜90℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域
    に少なくとも1つの吸熱ピークP1があり、該吸熱ピー
    クP1のピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱
    ピークがあり、 該磁性体は10000エルステッドの磁界において、残
    留磁化(σr)が12乃至30emu/gの範囲であ
    り、かつ保磁力(Hc)が130乃至300エルステッ
    ドの範囲であることを特徴とする磁性現像剤。
  5. 【請求項5】 該炭化水素系ワックスは、一酸化炭素と
    水素の反応によって合成されたもの、又は、エチレンを
    重合することにより合成されたものであり、600〜1
    000の数平均分子量(Mn)を有していることを特徴
    とする請求項4に記載の磁性現像剤。
  6. 【請求項6】 磁性現像剤は、磁性を有する文字による
    情報を磁気読み取り機を使って読み取る磁性インク記号
    識別システムに用いられる文字を印字するのに用いられ
    ることを特徴とする請求項5又は6に記載の磁性現像
    剤。
  7. 【請求項7】 磁性現像剤を用いて磁性インク記号を記
    録材に印字し、印字された磁性インク記号に磁気を付与
    し、磁気を付与された磁性インク記号の磁性を読み取り
    識別する磁性インク記号認識方法において、 該磁性現像剤は、少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化
    水素ワックスを含有する磁性トナーを有し、該磁性ト
    ナーは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線に
    おいて、昇温時の吸熱ピークに関し、吸熱ピークにおけ
    るオンセット温度が105℃以下であり、吸熱ピーク温
    度が100〜120℃の範囲にあり、かつ降温時の発熱
    ピークに関し、発熱ピーク温度が62〜75℃の範囲に
    あり、発熱ピーク強度比が5×10-3以上であり、 該磁性体は10000エルステッドの磁界において、残
    留磁化(σr)が12乃至30emu/gの範囲であ
    り、かつ保磁力(Hc)が130乃至300エルステッ
    ドの範囲であることを特徴とする磁性インク記号認識方
    法。
  8. 【請求項8】 該炭化水素系ワックスは、一酸化炭素と
    水素の反応によって合成されたもの、又は、エチレンを
    重合することにより合成されたものであり、600〜1
    000の数平均分子量(Mn)を有していることを特徴
    とする請求項5に記載の磁性インク記号識別方法。
  9. 【請求項9】 磁性現像剤を用いて磁性インク記号を記
    録材に印字し、印字された磁性インク記号に磁気を付与
    し、磁気を付与された磁性インク記号の磁性を読み取り
    識別する磁性インク記号認識方法において、 該磁性現像剤は、少なくとも結着樹脂、磁性体及び炭化
    水素ワックスを含有する磁性トナーを有し、該炭化水
    素系ワックスは、示差走査熱量計により測定されるDS
    C曲線において、昇温時の吸熱ピーク及び降温時の発熱
    ピークに関し、吸熱ピークのオンセット温度が50〜9
    0℃の範囲にあり、温度90〜120℃の領域に少なく
    とも1つの吸熱ピークP1があり、該吸熱ピークP1の
    ピーク温度±9℃の範囲内に降温時の最大発熱ピークが
    り、 該磁性体は10000エルステッドの磁界において、残
    留磁化(σr)が12乃至30emu/gの範囲であ
    り、かつ保磁力(Hc)が130乃至300エルステッ
    ドの範囲であることを特徴とする磁性インク記号認識方
    法。
  10. 【請求項10】 該炭化水素系ワックスは、一酸化炭素
    と水素の反応によって合成されたもの、又は、エチレン
    を重合することにより合成されたものであり、600〜
    1000の数平均分子量(Mn)を有していることを特
    徴とする請求項9に記載の磁性インク記号識別方法。
JP12263593A 1992-05-25 1993-05-25 磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法 Expired - Fee Related JP3278239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12263593A JP3278239B2 (ja) 1992-05-25 1993-05-25 磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15622292 1992-05-25
JP4-156222 1992-05-25
JP12263593A JP3278239B2 (ja) 1992-05-25 1993-05-25 磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0643689A JPH0643689A (ja) 1994-02-18
JP3278239B2 true JP3278239B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=26459727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12263593A Expired - Fee Related JP3278239B2 (ja) 1992-05-25 1993-05-25 磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3278239B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2375036C (en) 2001-03-12 2005-11-15 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Toner for micr
US6733940B2 (en) 2001-04-04 2004-05-11 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Toner for magnetic ink character recognition system and non-magnetic monocomponent development method
JP2010191355A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Fuji Xerox Co Ltd 静電潜像現像用透明トナー、静電潜像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0643689A (ja) 1994-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2810508B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤
EP0357454B1 (en) Electrophotographic process
US5914209A (en) Single development toner for improved MICR
EP0482665B1 (en) Developer for developing electrostatic image, image forming method, electrophotographic apparatus, apparatus unit, and facsimile apparatus
US5750302A (en) Magnetic toner for developing electrostatic image, image forming process, and process cartridge
EP0461672B1 (en) Image forming apparatus.
JP3233221B2 (ja) 磁性画像文字認識方法
US5411830A (en) Magnetic developer, electrophotographic apparatus and recognition method of magnetic ink character
EP0572896B1 (en) Magnetic developer and recognition method of magnetic-ink character
EP0707239B1 (en) Toner for developing electronstatic images, image forming method and process cartridge
DE60306836T2 (de) Toner, Bilderzeugungsmethode unter Anwendung des Toners und Prozesskartusche
JP4366295B2 (ja) 現像方法、画像形成方法、現像装置、電子写真カートリッジ、及び電子写真画像形成装置
JP3278239B2 (ja) 磁性現像剤及び磁性インク記号認識方法
JP3108843B2 (ja) 磁性トナー、磁性現像剤及び画像形成方法
EP0395061A2 (en) Image forming method and image forming apparatus
JP3035689B2 (ja) 磁性現像剤
JP2896828B2 (ja) 磁性現像剤、画像形成装置及び装置ユニット
JP3363458B2 (ja) 磁性現像剤、装置ユニット、電子写真装置及び磁性インク記号の識別方法
JP4116694B2 (ja) 静電潜像用磁性トナー
JPH0777830A (ja) 磁性現像剤、画像形成方法、画像形成装置及び装置ユニット
JP3376191B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3093371B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、電子写真装置、装置ユニット及びファクシミリ装置
JP2783658B2 (ja) 磁性現像剤、装置ユニット及び磁性インキ記号認識方法
JP3240363B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び磁性インク記号識別方法
JP2006085197A (ja) 電子写真方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020129

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090215

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees