JP2002148853A - 磁性トナー、該トナーを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

磁性トナー、該トナーを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジ

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JP2002148853A
JP2002148853A JP2000345733A JP2000345733A JP2002148853A JP 2002148853 A JP2002148853 A JP 2002148853A JP 2000345733 A JP2000345733 A JP 2000345733A JP 2000345733 A JP2000345733 A JP 2000345733A JP 2002148853 A JP2002148853 A JP 2002148853A
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昭 橋本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定した帯電性能を有し、長時間の使用にお
いても画像濃度が高く、ゴーストの無い、高品位な画像
を得る事が出来るトナー、画像形成方法およびプロセス
カートリッジを提供する。 【解決手段】 重量平均粒径が3〜10μmの磁性トナ
ーにおいて、該磁性トナーは磁化の強さが10〜50A
2/kg(emu/g)であり、粒度分布は、重量平
均粒径/個数平均粒径の比が1.40以下であり、平均
円形度は0.970以上であり、重量平均粒径よりも粒
径が小さい磁性トナー(F)と、粒径が重量平均粒径よ
り大きい磁性トナー(G)に2分割したときの、それぞ
れの飽和磁化σsf、σsgは式(1)を満たし、磁性
トナー(G)、(F)それぞれに含有される前記離型剤
の吸熱量Hf、Hgは式(2)を満たすこと。又、該ト
ナーによる画像形成方法及プロセスカートリッジ。 (1) 0.80 <σsf/σsg <1.00 (2) 0.25< Hg/Hf <1.00

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法、トナージェット法等の画像形成方
法における静電荷潜像を顕像化するためのトナー、該ト
ナーを用いた画像形成方法及びプロセスカートリッジに
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては多数の方法が知られ
ているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段
により静電荷像担持体(以下、「感光体」ともいう)上
に静電潜像を形成し、次いで該潜像をトナーにより現像
を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録媒体に
トナー像を転写した後、熱あるいは圧力等により記録媒
体上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】静電潜像をトナーにより可視化する方法と
しては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現
像方法、キャリアとトナーからなる二成分系トナーを用
いる磁気ブラシ現像法、トナー担持体が像担持体と非接
触でトナーをトナー担持体から像担持体へ飛翔させる非
接触一成分現像法、トナー担持体を像担持体に圧接させ
電界によってトナーを転移させる接触一成分現像法、さ
らには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転ス
リーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔
させる、いわゆるジャンピング法も用いられている。
【0004】ジャンピング法としては、例えば特開昭5
4−43027号公報において、磁性トナー担持体上に
絶縁性磁性磁性トナーを薄く塗布し、これを摩擦帯電さ
せ、次いでこれを磁界の作用下で静電潜像にきわめて近
接させ、かつ接触することなく対向させ、現像する方法
が開示されている。この方法によれば、絶縁性磁性トナ
ーを磁性トナー担持体上に薄く塗布することにより磁性
トナーの十分な摩擦帯電を可能とし、しかも磁性トナー
を磁力によって支持しつつ静電潜像に接することなく現
像が行われるため、非画像部への磁性トナーの転移、い
わゆるカブリが抑制されて高精細な画像を得ることが可
能となる。
【0005】このような一成分現像方式は二成分方式の
ようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要な
為、現像装置自体を小型化・軽量化出来る。さらには、
二成分現像方式は磁性トナー中のトナー濃度を一定に保
つ必要がある為、トナー濃度を検知し必要量のトナーを
補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置
が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置
は必要とならない為、やはり小さく軽く出来るため好ま
しい。
【0006】また、プリンター装置はLED、LBPプ
リンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向
としてより高解像度、即ち、従来240、300dpi
であったものが400、600、800dpiとなって
来ている。従って現像方式もこれにともなってより高精
細が要求されてきている。また、複写機においても高機
能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進みつ
つある。この方向は、静電潜像をレーザで形成する方法
が主である為、やはり高解像度の方向に進んでおり、こ
こでもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が
要求されてきている。
【0007】この要求を満たす一つの手段としてトナー
の小粒径化が進んでおり、特開平1−112253号公
報、特開平1−191156号公報、特開平2−214
156号公報、特開平2−284158号公報、特開平
3−181952号公報、特開平4−162048号公
報などでは特定の粒度分布の粒径の小さいトナーが提案
されている。
【0008】一方、現像工程で感光体上に形成されたト
ナー像は転写工程で記録媒体に転写されるが、感光体上
に残った画像部の転写残トナー及び非画像部のカブリト
ナーはクリーニング工程でクリーニングされ、廃トナー
容器にトナーは蓄えられる。このクリーニング工程につ
いては、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリ
ーニング、ローラークリーニング等が用いられている。
装置面からみると、かかるクリーニング装置を具備する
ために装置が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を
目指すときのネックになっている。さらには、エコロジ
ーの観点より、トナーの有効活用と言う意味で廃トナー
の少ないシステムが望まれており、転写効率が高くカブ
リの少ないトナーが求められている。
【0009】こういった画像形成プロセスにおいて用い
られる磁性トナーは、結着樹脂と着色剤を主成分とし、
他に、荷電制御剤、離型剤などトナーとして必要な特性
をひき出すための添加剤を含有しているのが一般的であ
る。磁性トナーの着色剤としては、磁性粉体をそのまま
着色剤として用いるか、カーボンブラックあるいは非磁
性の無機化合物、有機顔料、染料等が磁性粉体と共に用
いられ、離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分
子量ポリプロピレンといった結着樹脂とは相溶しにくい
材料が用いられる。
【0010】離型剤を用いる目的は、被転写体上への定
着性の良好なトナーを定着部材表面に付着させないこと
である。近年、プリンター装置は高速化が進んでいる
が、それに伴いトナーのより一層の低温定着化も求めら
れ、それに付随してトナーの定着部材表面への付着、い
わゆるオフセットの改良にも多大な努力が払われてい
る。
【0011】トナー中に離型剤としてワックスを含有さ
せることは、例えば特公昭52−3304号公報、特公
昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公
報等に技術が開示されている。また、特開平3−505
59号公報、特開平2−79860号公報、特開平1−
109359号公報、特開昭62−14166号公報、
特開昭61−273554号公報、特開昭61−940
62号公報、特開昭61−138259号公報、特開昭
60−252361号公報、特開昭60−252360
号公報、特開昭60−217366号公報などにワック
ス類を含有させる技術が開示されている。
【0012】しかしながら前述のように、離型剤は一般
的に結着樹脂との相溶性が良くないためトナー中に均一
に分散させることが比較的難しく、材料の分散が不均一
なトナーではトナー帯電量も不均一となり、カブリとい
った非画像部の汚れの無い高画質や高耐久性の達成は容
易ではない。さらに、トナー流動性を悪化させトナー帯
電量が一層不均一となったり、高温下で長時間トナーと
さらされた際にワックスがトナー表面にマイグレーショ
ンして現像性や転写性がいっそう悪化したりもする。
【0013】一方、絶縁性磁性トナーを用いる現像方法
には、用いる絶縁性磁性トナーに関わる不安定要素があ
る。その一つは、絶縁性磁性トナー中には微粉末状の磁
性粉体が相当量混合分散されており、該磁性体の一部
がトナー粒子の表面に露出しているため、磁性トナーの
流動性及び摩擦帯電性に影響し、結果として、磁性トナ
ーの現像特性、転写性、耐久性等の磁性トナーに要求さ
れる種々の特性の変動あるいは劣化を引き起こすという
ものである。
【0014】従来の磁性粉体を含有する磁性トナーを用
いた場合に、上述した問題が生じてしまうのは、磁性ト
ナーの表面に磁性粉体が露出していることがその大きな
原因と考えられる。すなわち、磁性トナーの表面に、ト
ナーを構成する樹脂に比して相対的に抵抗の低い磁性粉
体が露出することにより、トナー帯電性能の低下、トナ
ー流動性の低下、その上、長期間の使用においては、ト
ナー同士あるいは規制部材との摺擦による磁性粉体の剥
離に伴う画像濃度の低下などトナーの劣化などが引き起
こされるのである。
【0015】さらにもう一つの不安定要素として、磁性
粉体の分散性が挙げられる。すなわち、理想的には個々
のトナー粒子の磁性粉体含有量が均一なことが望ましい
が、一般的には有機物から成るトナー用結着樹脂や離型
剤と無機物である磁性粉体とは馴染みが良くなく、さら
に比重差や磁気凝集などのため、現実的には完全に均一
な磁性粉体の分散は不可能に近い。また、磁性粉体の分
散が悪いと、それに付随して離型剤の分散状態も不均一
となる。
【0016】また、前述したように、近年の技術の方向
として、より高解像度で高精細の現像方式が要求されて
きており、こういった要求に答えるために、トナーの粒
径を小さくする方向に進んでいるが、このようにトナー
粒径が小さくなるほど、材料の均一分散は重要な技術と
なる。即ち、細かい個々のトナー粒子に均一量の磁性粉
体及び離型剤を均一状態で含有させないと、画像特性や
その安定性の低下がより顕著に現れやすい。これは、単
純にトナーの粒径が小さくなるだけで、転写工程でトナ
ー粒子にかかるクーロン力に比して、トナー粒子の感光
体への付着力(鏡映力やファンデルワールス力など)が
大きくなり、結果として転写残トナーが増加することに
加えて、トナーの小径化には帯電量の増加や流動性の悪
化がどうしても伴うため、分散性の違いが大きな物性差
となって現れやすくなり、カブリや転写性の悪いトナー
の割合が多くなるためである。また、磁性粉体や離型剤
の分散性が悪いものは、スリーブゴーストと呼ばれる濃
淡ムラがでる現象が生じてしまう。
【0017】これに対し、従来より、磁性トナーに含有
される磁性酸化鉄に関する提案は出されているが、いま
だ改良すべき点を有している。
【0018】例えば、特開昭62−279352号公報
においては、ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄を含有す
る磁性トナーが提案されている。かかる磁性酸化鉄は、
意識的にケイ素元素を磁性酸化鉄内部に存在させている
が、該磁性酸化鉄を含有する磁性トナーの流動性に、い
まだ改良すべき点を有している。
【0019】特公平3−9045号公報においては、ケ
イ酸塩を添加することで、磁性酸化鉄の形状を球形に制
御する提案がされている。この方法で得られた磁性酸化
鉄は、粒子形状の制御のためにケイ酸塩を使用するため
磁性酸化鉄内部にケイ素元素が多く分布し、磁性酸化鉄
表面におけるケイ素元素の存在量が少なく、磁性酸化鉄
の平滑度が高いため、磁性トナーの流動性はある程度改
良されるが、磁性トナーを構成する結着樹脂と磁性酸化
鉄との密着性が不十分である。
【0020】特開昭61−34070号公報において
は、四三酸化鉄への酸化反応中にヒドロシソケイ酸塩溶
液を添加して四三酸化鉄の製造方法が提案されている。
この方法による四三酸化鉄は、表面近傍にSi元素を有
するものの、Si元素が四三酸化鉄表面近傍に層を成し
て存在し、表面が摩擦のごとき機械的衝撃に対して弱い
という問題点を有している。
【0021】一方、トナーは、結着樹脂、着色剤等を溶
融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置により粉砕
し、分級機により分級して、所望の粒径を有するトナー
として製造(粉砕法)されて来たが、トナーの微小粒径
化には材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色
剤分散体が充分に脆く、経済的に使用可能な製造装置で
微粉砕し得るものでなくてはならない。この要求から、
樹脂着色剤分散体を脆くするため、この樹脂着色剤分散
体を実際に高速で微粉砕する場合に、広い粒径範囲の粒
子が形成され易く、特に比較的大きな割合の微粒子(過
度に粉砕された粒子)がこれに含まれるという問題が生
ずる。更に、このように高度に脆性の材料は、複写機等
において現像用トナーとして使用する際、しばしば、更
に微粉砕ないし粉化を受ける。
【0022】また、粉砕法では、磁性粉体あるいは着色
剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散すること
は困難であり、その分散の度合によっては、かぶりの増
大、画像濃度の低下の原因となる。さらに、粉砕法は、
本質的に、トナーの表面に磁性酸化鉄粒子が露出してし
まうため、トナーの流動性や過酷環境下での帯電安定性
にどうしても問題が残る。
【0023】すなわち、粉砕法においては、高精彩、高
画質化で要求されるトナーの微粒子化に限界があり、そ
れに伴い粉体特性、特にトナーの均一帯電性および流動
性が著しく減衰する。上述の様な粉砕法によるトナーの
問題点を克服するため、更には上記のごとき要求を満た
すため懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されて
いる。
【0024】一般に、懸濁重合によるトナー(以後重合
トナー)は、トナーの微粒子化が容易に可能であり、更
には、得られるトナーの形状が球状であることから流動
性に優れ、高画質化に有利となる。
【0025】しかしながら、この重合トナー中に磁性粉
体を含有することにより、その流動性及び帯電特性は著
しく低下する。これは、磁性粉体は一般的に親水性であ
るためにトナー表面に存在しやすいためであり、この問
題を解決するためには磁性粉体の有する表面特性の改質
が重要となる。
【0026】重合トナー中の磁性粉体の分散性向上のた
めの表面改質に関しては、数多く提案されている。例え
ば、特開昭59−200254号公報、特開昭59−2
00256号公報、特開昭59−200257号公報、
特開昭59−224102号公報等に磁性粉体の各種シ
ランカップリング剤処理技術が提案されており、特開昭
63−250660号公報、特開平10−239897
号公報では、ケイ素元素含有磁性粒子をシランカップリ
ング剤で処理する技術が開示されている。
【0027】しかしながら、これらの処理によりトナー
中の分散性はある程度向上するものの、磁性粉体表面の
疎水化を均一に行うことが困難であるという問題があ
り、したがって、磁性粉体同士の合一や疎水化されてい
ない磁性粉体の発生を避けることができず、磁性粉体の
内包性が十分ではなく、また、磁性粉体の分散性を良好
なレベルにまで向上させるには不十分である。加えて、
同時に離型剤を使用する際は、先述の様にその離型剤の
分散性にも悪影響を及ぼす。
【0028】このような磁性粉体の分散が不十分のトナ
ーにおいては多数枚印刷時に磁性粉体の少ないトナー、
あるいは粒径の大きなトナーから消費されてしまい、多
数枚画出し前後においてトナー物性が異なり、最後まで
良好な画像を得る事が出来ない。また、このようなトナ
ーは帯電性にもむらがあり、均一な帯電を行う事が出来
ず、転写効率の低下を生じる。更には、ゴーストの発生
を招き好ましくない。
【0029】さらに、重合トナーにおいては、トナー粒
径を小さくすると、トナーの粒度分布の制御が困難にな
ると共に、磁性粉体、離型剤等の分散がより悪化する傾
向にあり、前述した種々の課題の解決が十分にはなされ
ていない。
【0030】ここで、磁性粉体の分散性については、特
開昭52−098530号公報、特開昭54−1260
39号公報、特開昭55−028020号公報、特開昭
61−180247号公報等に磁性粉体含有量の異なる
2種以上の磁性トナーを混合し、積極的に磁性粉体の含
有量に分布を持たせたトナーについての記載があるが、
いずれも小粒径側のトナーの磁気特性または磁性粉体含
有量を大きくしたものであり、本発明とは逆であり、特
に、実質上トナー表面に磁性粉体を有しないトナーとす
るには上記問題の解決は未達のままである。
【0031】また、トナーの流動特性、帯電特性等を改
善する目的でトナー粒子に外部添加剤として無機微粉体
を添加する方法が提案され、広く用いられている。
【0032】例えば、特開平5−66608号公報、特
開平4−9860号公報等で疎水化処理を施した無機微
粉体若しくは疎水化処理した後さらにシリコーンオイル
等で処理した無機微粉体を添加、あるいは特開昭61−
249059号公報、特開平4−264453号公報、
特開平5−346682号公報で疎水化処理無機微粉体
とシリコーンオイル処理無機微粉体を併用添加する方法
が知られている。
【0033】また、外部添加剤として導電性微粒子を添
加する方法は数多く提案されている。例えば、導電性微
粒子としてのカーボンブラックは、トナーに導電性を付
与するため、或いはトナーの過剰な帯電を抑制しトリボ
分布を均一化させるため等の目的で、トナー表面に付着
或いは固着するための外部添加剤として用いることが広
く知られている。また、特開昭57−151952号公
報、特開昭59−168458号公報、特開昭60−6
9660号公報では、高抵抗磁性トナーにそれぞれ酸化
スズ、酸化亜鉛、酸化チタンの導電性微粒子を外部添加
することが開示されている。また、特開昭61−275
864号公報、特開昭62−258472号公報、特開
昭61−141452号公報、特開平02−12086
5号公報では、トナーにグラファイト、マグネタイト、
ポリピロール導電性粒子、ポリアニリン導電性粒子を添
加することが開示されているほか、多種多様な導電性微
粒子をトナーに添加することが知られている。
【0034】しかしながら、これらの提案も解像度を高
める為により粒径の小さなトナー粒子を用いた場合、前
述の問題の改善には更なる改良の余地がある。
【0035】一方、従来の画像形成法としては、静電記
録法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が
知られている。例えば、電子写真法は、一般には像担持
体としての光導電性物質を利用した感光体上に、種々の
手段により静電潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで
現像を行なって可視像とし、必要に応じて紙などの記録
媒体にトナー像を転写した後、熱・圧力等により記録媒
体上にトナー画像を定着して画像を得るものである。
【0036】静電潜像を可視化する方法としては、カス
ケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知
られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極
を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間
を電界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0037】例えば、特開昭54−43027号公報に
おいては、磁性トナー担持体上に磁性トナーを薄く塗布
し、これを摩擦帯電させ、次いでこれを磁界の作用下で
静電潜像にきわめて近接させ、かつ接触することなく対
向させ、現像する方法が開示されている。この方法によ
れば、磁性トナーを磁性トナー担持体上に薄く塗布する
ことにより磁性トナーの十分な摩擦帯電を可能とし、し
かも磁性トナーを磁力によって支持しつつ静電潜像に接
することなく現像が行われるため、非画像部への磁性ト
ナーの転移、いわゆるカブリが抑制されて高精細な画像
を得ることが可能となる。
【0038】このような一成分現像方式は二成分方式の
ようにガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が不要な
為、現像装置自体を小型化・軽量化出来る。さらには、
二成分現像方式は磁性トナー中のトナー濃度を一定に保
つ必要がある為、トナー濃度を検知し必要量のトナーを
補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置
が大きく重くなる。一成分現像方式ではこのような装置
は必要とならない為、やはり小さく軽く出来るため好ま
しい。
【0039】また、現像工程で感光体上に形成されたト
ナー像は転写工程において、記録媒体に転写されるが、
感光体上に残った転写残トナーはクリーニング工程でク
リーニングされ、廃トナー容器にトナーは蓄えられる。
このクリーニング工程については、従来ブレードクリー
ニング、ファーブラシクリーニング、ローラクリーニン
グ等が用いられている。装置面からみると、このような
クリーニング装置を具備するために装置が必然的に大き
くなり装置のコンパクト化を目指すときのネックになっ
ており、さらには、エコロジーの観点より、トナーの有
効活用と言う意味で高転写効率のトナーを用いた廃トナ
ー少ないシステムが望まれている。
【0040】一般に、高く均一な帯電量分布を有するト
ナーを用いた場合、転写効率は高いものになるが、前述
の通り、磁性トナーではこのようなトナーはいまだ得ら
れていない。
【0041】また、球形のトナーはその形状から転写効
率が高いとされている。これに関して、特開昭61−2
79864号公報においては形状係数SF1及びSF2
を規定した提案がなされており、特開昭63−2359
53号公報においては機械的衝撃力により球形化した磁
性トナーが提案されている。しかしながら、これらのト
ナーの転写効率はいまだ不十分であり、さらなる改良が
必要である。
【0042】一方、このような球形のトナーは、粉砕ト
ナーに比べ転写効率が高いという利点を有する反面、球
形故にクリーニングされにくいという性質も有してい
る。さらに、前述の様にトナー粒径は小粒径の方向に向
かっており、転写残トナーを完全にクリーニングする事
はより困難となっている。しかし、クリーニング装置の
改良等により、トナーすり抜けは大きな問題を生じない
レベルまで抑制する事が可能であり、従来のコロナ帯電
方式を有する画像形成方法においては実用上問題の無い
画像を形成する事が可能である。
【0043】しかし、近年では環境保護の観点から従来
から使用されているコロナ放電を利用した一次帯電及び
転写プロセスから、低オゾン、低電力等の利点が大きい
感光体当接部材を用いた一次帯電(接触帯電)、転写プ
ロセス(接触転写)が主流となりつつある。
【0044】例えば、特開昭63−149669号公報
や特開平2−123385号公報が提案されている。こ
れらは、接触帯電方法や接触転写方法に関するものであ
り、感光体に導電性弾性ローラを当接し、該導電性ロー
ラに電圧を印加しながら該感光体表面を一様に帯電し、
次いで露光、現像工程によってトナー像を得た後、該感
光体に電圧を印加した別の導電性ローラを押圧しながら
その間に転写材を通過させ、該感光体上のトナー画像を
転写材に転写した後、定着工程を経て複写画像を得てい
る。
【0045】しかしながら、接触帯電方法あるいは接触
転写方法においては、コロナ放電を用いる場合とは異な
り、憂慮すべき問題点があることがわかった。
【0046】具体的には、まず接触帯電方法の場合、帯
電部材が押接圧を持って感光体表面に圧接されている。
そのため、未転写の残留トナーすなわち転写残トナーの
存在により、接触帯電部材と感光体とが十分な接触を保
つことが難しくなり、帯電性が悪化するため、反転現像
などにおいては非画像部へのトナーの転移、すなわちカ
ブリが発生しやすくなる。また、帯電部材にトナーが蓄
積することにより感光体を均一に帯電することが出来
ず、画像濃度の低下やがさつきを生じてしまう。さらに
は帯電部材が圧接されていることにより、トナー融着が
発生しやすく、これらの傾向は転写残トナーが多いほど
顕著となって表れる。
【0047】次に、接触転写方法の場合、転写部材が転
写時に転写部材を介して感光体に当接されるため、感光
体上に形成されたトナー像を転写材へ転写する際にトナ
ー像が圧接され、所謂転写中抜けと称される部分的な転
写不良の問題が生じる。加えて、近年の技術の方向とし
て、より高解像度で高精細の現像方式が要求されてきて
おり、こういった要求に答えるために、トナーの粒径を
小さくする方向に進んでいるが、このようにトナー粒径
が小さくなるほど、転写工程でトナー粒子にかかるクー
ロン力に比して、トナー粒子の感光体への付着力(鏡映
力やファンデルワールス力など)が大きくなり、結果と
して転写残トナーが増加することになり、転写不良が一
層悪化する傾向にある。
【0048】このように、環境を考慮すると非常に好ま
しい接触帯電方法及び接触転写方法を用いる画像形成方
法においては、転写性が高く、帯電安定性に優れ、トナ
ー融着の起こりにくい磁性トナー、及び画像形成方法の
開発が望まれている。
【0049】一方、上記の如き転写効率の高いトナーに
ついては、廃トナーのでないシステムとして、現像兼ク
リーニング又はクリーナレスと呼ばれる技術も提案され
ている。
【0050】しかしながら、従来の現像兼クリーニング
又はクリーナレスに関する技術の開示は、特開平5−2
287号公報にあるように画像上に転写残余のトナーの
影響によるポジメモリ、ネガメモリなどに焦点を当てた
ものが主である。しかし、電子写真の利用が進んでいる
今日、様々な記録媒体に対してトナー像を転写する必要
性がでてきており、この意味で様々な記録媒体に対し満
足するものではない。
【0051】クリーナレスに関連する技術の開示を行っ
ているものに特開昭59−133573号公報、特開昭
62−203182号公報、特開昭63−133179
号公報、特開昭64−20587号公報、特開平2−3
02772号公報、特開平5−2289号公報、特開平
5−53482号公報、特開平5−61383号公報等
があるが、望ましい画像形成方法については述べられて
おらず、トナー構成についても言及されていない。
【0052】現像兼クリーニング又はクリーナレスに好
ましく適用される現像方法として、従来は本質的にクリ
ーニング装置を有さない現像兼クリーニングでは、像担
持体表面をトナー及びトナー担持体により擦る構成が必
須とされてきたため、トナー或いはトナーが像担持体に
接触する接触現像方法が多く検討されてきた。これは、
現像手段において転写残トナーを回収するために、トナ
ー或いはトナーが像担持体に接触し、擦る構成が有利で
あると考えられるためである。しかしながら、接触現像
方法を適用した現像兼クリーニング又はクリーナレスプ
ロセスでは、長期間使用によるトナー劣化、トナー担持
体表面劣化、感光体表面劣化又は磨耗等を引き起こし、
耐久特性に対して充分な解決がなされていない。そのた
め、非接触現像方法による現像兼クリーニング方法が望
まれている。
【0053】ここで、接触帯電方法を現像兼クリーニン
グ方法、クリーナレス画像形成方法に適用した場合を考
える。現像兼クリーニング方法、クリーナレス画像形成
方法では、クリーニング部材を有さないために感光体上
に残余する転写残トナーが、そのまま接触帯電部材と接
触し、付着或いは混入する。また、放電帯電機構が支配
的である帯電方法の場合には、放電エネルギーによるト
ナー劣化に起因する帯電部材への付着性の悪化も生ず
る。一般的に用いられている絶縁性トナーが接触帯電部
材に付着或いは混入すると、帯電性の低下が起こる。
【0054】この被帯電体の帯電性の低下は、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材
表面に付着したトナー層が放電電圧を阻害する抵抗とな
るあたりから急激に起こる。これに対し、直接注入帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、付着或いは混
入した転写残トナーが接触帯電部材表面と被帯電体との
接触確率を低下させることにより被帯電体の帯電性が低
下する。
【0055】この被帯電体の一様帯電性の低下は、画像
露光後の静電潜像のコントラスト及び均一性の低下とな
り、画像濃度を低下させる或いはカブリを増大させる。
【0056】また、現像兼クリーニング方法、クリーナ
レス画像形成方法では、感光体上の転写残トナーの帯電
極性及び帯電量を制御し、現像工程で安定して転写残ト
ナーを回収し、回収トナーが現像特性を悪化させないよ
うにすることがポイントとなり、転写残トナーの帯電極
性及び帯電量を制御を帯電部材によって行うこととな
る。
【0057】これについて具体的に一般的なレーザプリ
ンターを例として説明する。マイナス極性電圧を印加す
る帯電部材、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電
性のトナーを用いる反転現像の場合、その転写工程にお
いて、プラス極性の転写部材によって可視化された像を
記録媒体に転写することになるが、記録媒体の種類(厚
み、抵抗、誘電率等の違い)と画像面積等の関係によ
り、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナス
まで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電
させる際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面
と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプ
ラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯
電極性を揃えることが出来る。これゆえ、現像方法とし
て反転現像を用いた場合、トナーの現像されるべき明部
電位部にはマイナスに帯電された、転写残余のトナーが
残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現
像電界の関係上トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部
電位をもつ感光体上に転写残トナーは残留することなく
回収される。すなわち、帯電部材によって感光体の帯電
と同時に転写残余のトナーの帯電極性を制御することに
より、現像兼クリーニング、クリーナレス画像形成方法
が成立する。
【0058】しかしながら、転写残トナーが接触帯電部
材のトナー帯電極性の制御能力以上に、接触帯電部材に
付着或いは混入すると、一様に転写残トナーの帯電極性
を揃えることができず、現像部材によってトナーを回収
することが困難となる。また、トナー担持体に摺擦等の
機械的力によって回収されたとしても、転写残トナーの
帯電が均一に揃えられていないと、トナー担持体上のト
ナーの帯電性に悪影響を及ぼし、現像特性を低下させ
る。
【0059】すなわち、現像兼クリーニング、クリーナ
レス画像形成方法においては、転写残トナーの帯電部材
通過時の帯電制御特性及び帯電部材への付着・混入特性
が、耐久特性、画像品質特性に密接につながっている。
【0060】帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行な
うために、接触帯電部材に被帯電体面との接触面に粉末
を塗布する構成も特公平7−99442号公報に開示さ
れている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ローラ)
が被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)で
あり、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン
生成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原
理は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電帯
電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性
を得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印
加するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多
くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合に
は、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやす
い。更に、クリーナレスの画像形成装置に適用した場合
には、転写残トナーの混入のため塗布した粉末が均一に
帯電部材に付着していることが困難となり、均一帯電を
行なう効果が薄れてしまう。
【0061】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにブレード等のクリーニング手段
によりクリーニングしきれなかったトナー粒子やシリカ
微粒子が帯電手段の表面に付着・蓄積することによる帯
電阻害を防止するために、トナー中に、少なくとも顕画
粒子と、顕画粒子より小さい平均粒径を有する導電性微
粒子を含有することが開示されている。しかし、ここで
用いられた接触帯電或いは近接帯電は放電帯電機構によ
るもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電による
前述の問題がある。更に、クリーナレスの画像形成装置
へ適用した場合には、クリーニング機構を有する場合と
比較して多量の導電性微粒子及び転写残トナーが帯電工
程を通過することによる帯電性への影響、これら多量の
導電性微粒子及び転写残トナーの現像工程における回収
性、回収された導電性微粒子及び転写残トナーによるト
ナーの現像特性への影響に関して何ら考慮されていな
い。更に、接触帯電に直接注入帯電機構を適用した場合
には、導電性微粒子が接触帯電部材に必要量供給され
ず、転写残トナーの影響による帯電不良を生じてしま
う。
【0062】また、近接帯電では、多量の導電性微粒子
及び転写残トナーにより感光体を均一帯電することが困
難であり、転写残トナーのパターンを均す効果が得られ
ないため転写残トナーのパターン画像露光を遮光するた
めのパターンゴーストを生ずる。更に、画像形成中の電
源の瞬断或いは紙詰まり時にはトナーによる機内汚染が
著しくなる。
【0063】また、現像兼クリーニング画像形成方法に
おいて、転写残トナーの帯電部材通過時の帯電制御特性
を向上させることで現像兼クリーニング性能を向上させ
るものとして、特開平11−15206号公報では、特
定のカーボンブラック及び特定のアゾ系鉄化合物を含有
するトナー粒子と無機微粉体とを有するトナーを用いた
画像形成方法が提案されている。更に、現像兼クリーニ
ング画像形成方法に於て、トナーの形状係数を規定した
転写効率に優れたトナーにより、転写残トナー量を減少
させることで現像兼クリーニング性能を向上させること
も提案されている。しかしながら、ここで用いられた接
触帯電も放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機構
ではなく、放電帯電による前述の問題がある。更に、こ
れらの提案は、接触帯電部材の転写残トナーによる帯電
性低下を抑制する効果はあっても、帯電性を積極的に高
める効果は期待できない。
【0064】更には、市販の電子写真プリンターの中に
は、転写工程と帯電工程の間に感光体に当接するローラ
部材を用い、現像での転写残トナー回収性を補助或いは
制御する現像兼クリーニング画像形成装置もある。この
ような画像形成装置は、良好な現像兼クリーニング性を
示し、廃トナー量を大幅に減らすことができるが、コス
トが高くなり、小型化の点でも現像兼クリーニングの利
点を損ねている。
【0065】これらに対し、特開平10−307456
号公報において、トナー粒子及びトナー粒径の1/2以
下の粒径を有する導電性を有する帯電促進粒子を含むト
ナーを直接注入帯電機構を用いた現像兼クリーニング画
像形成方法に適用した画像形成装置が開示されている。
この提案によると、放電生成物を生ずることなく、廃ト
ナー量を大幅に減らすことが可能な、低コストで小型化
に有利な現像兼クリーニング画像形成装置が得られ、帯
電不良、画像露光の遮光或いは拡散を生じない良好な画
像が得られる。
【0066】また、特開平10−307421号公報に
おいては、トナー粒径の1/50〜1/2の粒径を有す
る導電性粒子を含むトナーを直接注入帯電機構を用いた
現像兼クリーニング画像形成方法に適用し導電性粒子に
転写促進効果を持たせた画像形成装置が開示されてい
る。
【0067】更に、特開平10−307455号公報で
は導電性微粉末の粒径を構成画素1画素の大きさ以下と
すること、及びより良好な帯電均一性を得るために導電
性微粉末の粒径を10nm〜50μmとすることが記載
されている。
【0068】特開平10−307457号公報では人の
視覚特性を考慮して帯電不良部の画像への影響を視覚的
に認識されにくい状態とするために導電性粒子を約5μ
m以下、好ましくは20nm〜5μmとすることが記載
されている。
【0069】更に、特開平10−307458号公報に
よれば、導電性微粉末の粒径はトナー粒径以下とするこ
とで、現像時にトナーの現像を阻害する、あるいは現像
バイアスが導電性微粉末を介してリークすることを防止
し画像の欠陥をなくすことができること、及び導電性微
粉末の粒径を0.1μmより大きく設定することによ
り、像担持体に導電性微粉末が埋め込まれ露光を遮光す
る弊害も解決し、優れた画像記録を実現する直接注入帯
電機構を用いた現像兼クリーニング画像形成方法が記載
されている。
【0070】特開平10−307456号公報によれ
ば、トナーに導電性微粉末を外部添加し、少なくとも可
穣性の接触帯電部材と像担持体との当接部に前記トナー
中に含有の導電性微粉末が、現像工程で像担持体に付着
し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介在
していることで、帯電不良、画像露光の遮光を生じない
良好な画像が得られる現像兼クリーニング画像形成装置
が開示されている。
【0071】しかしながら、これらの提案も長期にわた
る繰り返し使用における安定した性能、解像性を高める
ためにより粒径の小さなトナー粒子を用いる場合の性能
に更なる改良の余地がある。
【0072】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安定
した帯電性能を有し、長時間の使用においても画像濃度
が高く、ゴーストの無い、高品位な画像を得る事が出来
るトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0073】本発明の目的は、良好な定着性を得る事の
出来るトナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0074】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決して、良好な現像兼クリーニング画像形成を可能とす
る画像形成方法を提供することにある。
【0075】また、本発明の目的は、良好な帯電性を安
定して得られるクリーナーレス画像形成を可能とする画
像形成方法を提供することにある。
【0076】また、本発明の目的は、転写性に優れ、転
写残トナーの回収性に優れた現像兼クリーニング画像形
成を可能とする画像形成方法を提供することにある。
【0077】さらに本発明の目的は、良好な定着性を得
る事の出来るトナーを用いたプロセスカートリッジを提
供することにある。
【0078】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、離型剤及び磁性粉体を有し、重量平均粒径が3
〜10μmの磁性トナーにおいて、該磁性トナーは磁場
79.6kA/m(1000エルステッド)における磁
化の強さが10〜50Am2/kg(emu/g)であ
り、該磁性トナーの粒度分布は、重量平均粒径/数平均
粒径の比が1.40以下であり、該磁性トナーの平均円
形度は0.970以上であり、該磁性トナーの重量平均
粒径よりも粒径が小さい磁性トナー(F)と、該磁性ト
ナーよりも重量平均粒径が大きい磁性トナー(G)に2
分割したときの、磁性トナー(F)、(G)それぞれの
飽和磁化をσsf、σsgとしたときに下式(1)を満
たし、示差走査熱量計により測定される前記磁性トナー
(G)、(F)それぞれの前記離型剤の吸熱量をHf、
Hgとしたときに、下式(2)を満たすことを特徴とす
る磁性トナー及び該磁性トナーを用いた画像形成方法、
プロセスカートリッジに関する。
【0079】
【数6】 (1) 0.80<σsf/σsg<1.00 (2) 0.25<Hg/Hf<1.00
【0080】
【発明の実施の形態】<1>本発明の磁性トナー 本発明の磁性トナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤及
び磁性粉体を有し、重量平均粒径が3〜10μmの磁性
トナーであり、平均円形度は0.970以上である。
【0081】本発明者らが鋭意検討を行ったところ、ト
ナーの平均円形度が0.970以上であると、トナーの
転写性が非常に良好なものとなる事が判明した。これは
トナー粒子と感光体との接触面積が小さく、鏡映力やフ
ァンデルワールス力等に起因するトナー粒子の感光体へ
の付着力が低下する為と考えられる。さらに、トナーの
円形度が非常に高い為、磁性トナーは現像部で均一で細
い穂を形成し潜像に対し忠実な現像を行う事が可能とな
り、画質の向上が期待出来る。
【0082】また、トナーの円形度分布において、モー
ド円形度が0.99以上であると、トナー粒子の多くが
真球に近い形状を有する事を意味しており、上記作用が
より一層顕著になり、好ましい。
【0083】従って、このようなトナーを用いれば転写
効率が高く、転写残トナーが非常に低減する為、帯電部
材と感光体との圧接部におけるトナーが非常に少なくな
り、安定した帯電が行われると共にトナー融着が防止さ
れ、画像欠陥が著しく抑制されるものと考えられる。
【0084】これらの効果は、転写中抜けの発生しやす
い接触転写工程を含む画像形成方法においては、より顕
著となって現れる。
【0085】なお、本発明における平均円形度は、粒子
の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたもの
であり、本発明では東亞医用電子製フロー式粒子像分析
装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μ
m以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の
円形度(Ci)を下式(9)によりそれぞれ求め、さら
に下式(10)で示すように測定された全粒子の円形度
の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(C)
と定義する。
【0086】
【数7】式(9) 式(10) また、モード円形度は、円形度を0.40から1.00
までを0.01毎に61分割し、測定した粒子の円形度
をそれぞれの円形度に応じて各分割範囲に割り振り、円
形度頻度分布において頻度値が最大となるピークの円形
度である。
【0087】なお、本発明で用いている測定装置である
「FPIA−1000」は、各粒子の円形度を算出後、
平均円形度及びモード円形度の算出に当たって、粒子を
得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を
61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用
いて平均円形度及びモード円形度の算出を行う算出法を
用いている。しかしながら、この算出法で算出される平
均円形度及びモード円形度の各値と、上述した各粒子の
円形度を直接用いる算出式によって算出される平均円形
度及びモード円形度の各値との誤差は、非常に少なく、
実質的には無視出来る程度のものであり、本発明におい
ては、算出時間の短絡化や算出演算式の簡略化の如きデ
ータの取り扱い上の理由で、上述した各粒子の円形度を
直接用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのよ
うな算出法を用いても良い。
【0088】測定手順としては、以下の通りである。
【0089】界面活性剤約0.1mgを溶解している水
10mlに、磁性トナー約5mgを分散させて分散液を
調製し、超音波(20KHz、50W)を分散液に5分
間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとし
て、前記装置により測定を行い、3μm以上の円相当径
の粒子群の平均円形度及びモード円形度を求める。
【0090】本発明における平均円形度とは、磁性トナ
ーの凹凸の度合いの指標であり、磁性トナーが完全な球
形の場合1.000を示し、磁性トナーの表面形状が複
雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
【0091】なお、本測定において3μm以上の円相当
径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μ
m未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して
存在する外部添加剤の粒子群も多数含まれるため、その
影響によりトナー粒子群についての円形度が正確に見積
もれないからである。
【0092】本発明の磁性トナーは、該磁性トナーより
も重量平均粒径が小さい磁性トナー(F)と、該磁性ト
ナーよりも重量平均粒径が大きな磁性トナー(G)に2
分割したときの、(F)、(G)、それぞれの磁性トナ
ーの飽和磁化をσsf、σsgとし、離型剤由来の吸熱
量をHf、Hgとすると、0.80<σsf/σsg<
1.00且つ0.25<Hg/Hf<1.00であり、
好ましくは0.87<σsf/σsg<1.00且つ
0.60<Hg/Hf<1.00であり、より好ましく
は0.92<σsf/σsg<1.00且つ0.80<
Hg/Hf<1.00であり、さら好ましくは0.94
<σsf/σsg<1.00且つ0.85<Hg/Hf
<1.00である。
【0093】σsf/σsgとHg/Hfを上記の様に
制御する事で、転写効率が高く、且つ、ゴーストの発生
を抑制出来る事を見出した。これは以下の様な理由であ
ると考えている。
【0094】第一に、本発明のトナーは実質上トナー表
面に磁性粉体が露出していないため、帯電量がリークし
難く、特に微粉側のトナーと磁性トナー担持体表面の鏡
映力が大きくなり、磁性トナー担持体表面からの離脱を
阻害する事になり易く、微粉の蓄積を生じ易い。さら
に、磁性トナーの微粉側に磁性粉体を多く含有させるこ
とも、特に磁性を用いる現像方法においては、磁性トナ
ー担持体表面からの離脱を阻害する方向となり、好まし
くない。一方、磁性トナーの微粉側の磁性粉体が少なす
ぎると、磁性を用いる現像方法においては、磁性トナー
担持体表面からの磁性トナーの離脱が容易になりすぎて
しまい、好ましくない。このように、現像バランスの崩
れた系では、多数枚画出し前後で磁性トナー粒径が変化
するいわゆる選択現像を生じてしまうと共に、スリーブ
ゴーストを生じてしまう。また、トナー粒子間で、磁性
体の含有量のばらつきが大きいと、トナー帯電の均一性
が損なわれ好ましくない。
【0095】このため、磁性トナーの選択現像を抑制す
る為には、鏡映力と磁気力のバランスを保ち、現像を行
う事が重要であり、σsf/σsgを上記の様に制御す
る事によりそれを達成出来る。
【0096】第二に、本発明の磁性トナーは定着性改善
の為に、離型剤を含有しているが、離型剤の分散性が悪
い場合、離型剤を非常に多く含む粒子が存在する事にな
り、磁性トナー表面への離型剤のしみ出し等を生じ易く
なり、磁性トナーの保存性が劣り、帯電の均一性が損な
われてしまう。このため、離型剤の分散性が悪い磁性ト
ナーでは、選択現像が生じ易くなり好ましくない。
【0097】一方、定着性を考えた場合、本発明の磁性
トナーのように重量平均粒径が10μm以下のトナーで
は、紙等の記録媒体を用いた場合、磁性トナー、特に微
粉側の磁性トナーが紙の繊維の隙間に入り込み、熱定着
用ローラからの熱の受け取りが不十分となり、低温オフ
セットを生じてしまう。しかし、本発明のように、微粉
側のトナーに離型剤を多く含ませる事により、熱の受け
取りが不十分であってもオフセットを改善出来る。その
為、離型剤の分散性は0.25<Hg/Hf<1.00
である事が重要である。
【0098】このように0.80<σsf/σsg<
1.00且つ、0.25<Hg/Hf<1.00とする
事で、それぞれの効果の相乗作用により、良好な定着性
を有し、ゴーストの無い高精細な画像を得る事が出来る
と考えている。
【0099】さらに、平均円形度が0.970以上であ
るという磁性トナーの形状因子との相乗効果により、帯
電性がより均一になり、転写効率は非常に高く、カブリ
の無い高精細な画像を得ることが出来る。
【0100】なお、本発明において、磁性トナーを
(F)、(G)に2分割する方法としては、エルボージ
ェット分級装置(EJ-L-3:日鉄鉱業製)等を用いる風力
分級により行い、2分割後の(F)、(G)、それぞれ
の重量比がおおむね1:1となるように分級を行う。分
級して得られた(F)、(G)、それぞれのトナーにつ
いて飽和磁化ならびに示差走査熱量計にて離型剤の吸熱
量を測定する。このようにして得られたσsf、σs
g、Hf、Hgからσsf/σsg、Hg/Hfを求め
る。後述の実施例においても同様に測定した。σsf/
σsg、Hg/Hfは磁性粉体の処理剤の種類、量、処
理方法、離型剤の量、種類等により調整することが可能
である。まず、磁性粉体の処理剤、処理方法について
は、均一な疎水化処理が施されている事が重要である。
磁性粉体の表面処理が均一でない物は、処理時に磁性粉
体の合一、凝集を起こしており、トナー粒子間に磁性粉
体を均一に含有させることが困難となる。更に、本トナ
ーの好適な製造方法である懸濁重合法(後述)において
は、磁性粉体の表面処理が不均一であると、十分に疎水
化されていない磁性粉体がトナー表面に露出、あるい
は、トナーから遊離してしまうため、トナー粒子間での
均一な分散性を得ることが出来ず好ましくない。また、
均一な処理であっても、結着樹脂と磁性粉体のなじみが
良くないものは、磁性粉体の均一分散性を損なってしま
う。一方、トナー粒子間での磁性粉体の分散性が悪いも
のは、離型剤の分散性も悪化してしまう。これは、磁性
粉体と離型剤とのなじみがあまり良くないためである。
一例として、磁性粉体の分散性が劣る場合、磁性粉体の
少ないトナー粒子には、離型剤が多く存在することにな
る。このため、離型剤の分散性の向上には、磁性粉体の
分散性が良好であるとが重要となる。
【0101】本発明の画像形成方法において、更に高画
質化のため、より微小な潜像ドットを忠実に現像するた
めには、トナーの重量平均径は3〜10μmが好まし
く、更には4〜9μmであることがより好ましい。重量
平均粒径が3μm未満のトナーに於いては、転写効率の
低下から感光体上の転写残トナーが多くなり、接触帯電
工程での感光体の削れやトナー融着の抑制が難しくな
る。さらに、トナー全体の表面積が増えることに加え、
粉体としての流動性及び攪拌性が低下し、個々のトナー
粒子を均一に帯電させることが困難となることからカブ
リや転写性が悪化傾向となり、削れや融着以外にも画像
の不均一ムラの原因となりやすいため、本発明で使用す
るトナーには好ましくない。また、トナーの重量平均粒
径が10μmを越える場合には、文字やライン画像に飛
び散りが生じやすく、高解像度が得られにくい。さらに
装置が高解像度になっていくと10μm以上のトナーは
1ドットの再現が悪化する傾向にある。
【0102】また、本発明の磁性トナーは、重量平均粒
径/数平均粒径の比が1.40以下である事が重要で有
り、より好ましくは1.35以下である。重量平均粒径
/数平均粒径の比が1.40より大きいと言う事はトナ
ーの粒度分布が広い事を意味し、選択現像が生じ易くな
ると共に、帯電量分布も広くなり好ましくない。
【0103】ここで、トナーの平均粒径及び粒度分布は
コールターカウンターTA−II型あるいはコールター
マルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定
可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイ
ザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を
出力するインターフェイス(日科機製)及びPC980
1パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電
解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液
を調整する。たとえば、ISOTON R-II(コールターサイ
エンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0104】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはア
ルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5mlを加
え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁し
た電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャー
として100μmアパーチャーを用いて、2μm以上の
トナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布
とを算出する。それから、体積分布から求めた体積基準
の重量平均粒径(D4)、個数分布から求めた個数基準
の長さ平均粒径、即ち数平均粒径(D1)を求める。後
述の実施例においても同様に測定した。本発明の磁性ト
ナー鉄及び鉄化合物の遊離率は、0.05〜3.00
%である事が好ましく、より好ましくは0.05〜1.
50%であり、最も好ましくは0.05〜1.00%で
ある。
【0105】本発明において、磁性トナーの鉄及び鉄化
合物の遊離率とは、パーティクルアナライザー(PT1
000:横河電機(株)製)により測定されたものであ
る。パーティクルアナライザーはJapan Hardcopy97論文
集の65〜68ページに記載の原理で測定を行う。該装
置はトナー等の微粒子を一個づつプラズマへ導入し、微
粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子数、粒子
の粒径を知る事が出来る。
【0106】この中で、遊離率とは、結着樹脂の構成元
素である炭素原子の発光と、鉄原子の発光の同時性から
次式(11)により求めたものと定義する。
【0107】
【数8】 (11) 鉄及び鉄化合物の遊離率(%) =100×(鉄原子のみの発光回数/炭素原子と同時に発光した鉄原子の発 光回数+鉄原子のみの発光回数) ここで、炭素原子と鉄原子の同時発光とは、炭素原子の
発光から2.6msec以内に発光した鉄原子の発光を
同時発光とし、それ以降の鉄原子の発光は鉄原子のみの
発光とする。
【0108】本発明では磁性粉体を多く含有している
為、炭素原子と鉄原子が同時発光するという事は、トナ
ー中に磁性粉体が分散している事を意味し、鉄原子のみ
の発光は、磁性粉体がトナーから遊離している事を意味
すると言い換えることも可能である。具体的な測定方法
は以下の通りである。0.1%酸素含有のヘリウムガス
を用い、23℃で湿度60%の環境にて測定を行い、ト
ナーサンプルは同環境下にて1晩放置し、調湿したもの
を測定に用いる。また、チャンネル1で炭素原子(測定
波長247.860nm、Kファクターは推奨値を使
用)、チャンネル2で鉄原子(測定波長239.56n
m、Kファクターは3.3764を使用)を測定し、一
回のスキャンで炭素原子の発光数が1000〜1400
個となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光数
が総数で10000以上となるまでスキャンを繰り返
し、発光数を積算する。この時、炭素元素の発光個数を
縦軸に、元素の三乗根電圧を横軸にとった分布におい
て、該分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分
布となるようにサンプリングし、測定を行う。そして、
このデータを元に、全元素のノイズカットレベルを1.
50Vとし、上記計算式を用い、鉄及び鉄化合物の遊離
率を算出する。後述の実施例においても同様に測定し
た。
【0109】又、荷電制御剤であるアゾ系の鉄化合物等
といった、鉄原子を含有する無機化合物以外の材料もト
ナー中に含まれている場合があるが、こういった化合物
は鉄原子と同時に有機化合物中の炭素も同時に発光する
ため、遊離の鉄原子としてはカウントされない。
【0110】本発明者らが検討を行ったところ、鉄及び
鉄化合物の遊離率とトナー表面への露出量には深い関連
があり、遊離の磁性粉体量が3.00%以下であれば、
おおむね磁性粉体のトナー表面への露出が抑制されると
ともに、選択現像が起りにくい事が判明した。鉄及び鉄
化合物の遊離率は磁性粉体の疎水化度、粒度分布、処理
の均一性、重合性単量体とのなじみ性等に依存するもの
であるが、一例として、磁性粉体の表面処理が不均一で
ある場合、表面処理が充分に施されていない(親水性が
強い)磁性粉体はトナー表層に存在すると共に、その一
部あるいは全てが遊離してしまう事に起因する。この
為、特に磁性を用いる現像方式の場合、鉄及び鉄化合物
の遊離率が高い物は、磁性粉体がトナー担持体上に蓄積
してしまい、トナーの帯電性の低下、選択現像等を生じ
てしまう傾向がある。
【0111】一方、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.05
%より少ないと、実質的に磁性粉体はトナーから遊離し
ていない事を意味する。このように鉄及び鉄化合物の遊
離率が低いトナーは高い帯電量を有するものの、多数枚
画出し時にトナーのチャージアップに起因する画像濃度
の低下、及び、画像のがさつきが生じてしまう傾向があ
る。
【0112】これは、次の様な理由であると考えてい
る。一般的に、トナー担持体上のトナーは感光体上へ全
て現像される事は無く、現像直後においてもトナー担持
体上にはトナーは存在する。特に磁性トナーを用いたジ
ャンピング現像においてはその傾向が強く、現像効率は
さほど高くない。さらに円形度の高い磁性トナーは前述
の通り、現像部において、均一な細い穂を形成してお
り、穂の先端部に存在するトナーから現像されてしま
い、磁性トナー担持体付近の磁性トナーはなかなか現像
されないものと考えられる。そのため、磁性トナー担持
体付近の磁性トナーは繰り返し帯電部材による摩擦帯電
を受け、チャージアップしてしまい、さらに現像されに
くくなるという悪循環に陥ってしまう。また、この様な
状態では、磁性トナーの帯電均一性は損なわれ、画像の
がさつきを生じてしまう。
【0113】ここで、鉄及び鉄化合物の遊離率が0.0
5%以上の磁性トナーを用いた場合、遊離の磁性粉体あ
るいは磁性トナー表面にわずかに存在している磁性粉体
により磁性トナーのチャージアップが抑制されると共
に、磁性トナーの帯電量の均一性が促され、がさつきは
抑制される。これらの理由により、鉄及び鉄化合物の遊
離率は0.05〜3.00%である事が好ましい。本発
明の磁性トナーは、粉砕法によっても製造することがで
き、粉砕法により製造する場合は、公知の方法が用いら
れるが、例えば、結着樹脂、磁性粉体、離型剤、荷電制
御剤、場合によって着色剤等の磁性トナーとして必要な
成分及びその他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボー
ルミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、
ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて熔
融混練して樹脂類をお互いに相熔させた中に磁性粉体等
の他の磁性トナー材料を分散又は溶解させ、冷却固化、
粉砕後、分級、必要に応じて表面処理を行ってトナー粒
子を得ることが出来る。分級及び表面処理の順序はどち
らが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分
割分級機を用いることが好ましい。
【0114】粉砕工程は、機械衝撃式、ジェット式等の
公知の粉砕装置を用いた方法により行うことができる。
本発明に係わる特定の円形度を有するトナーを得るため
には、さらに熱をかけて粉砕したり、あるいは補助的に
機械的衝撃を加える処理をすることが好ましい。また、
微粉砕(必要に応じて分級)されたトナー粒子を熱水中
に分散させる湯浴法、熱気流中を通過させる方法などを
用いても良い。
【0115】機械的衝撃力を加える手段としては、例え
ば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社
製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方法、ま
た、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステム
や奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム
等の装置のように、高速回転する羽根によりトナーをケ
ーシングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮力、摩擦
力等の力によりトナーに機械的衝撃力を加える方法が挙
げられる。
【0116】機械的衝撃法を用いる場合においては、処
理温度をトナーのガラス転移点Tg付近の温度(Tg±
10℃)を加える熱機械的衝撃が、凝集防止、生産性の
観点から好ましい。さらに好ましくは、トナーのガラス
転移点Tg±5℃の範囲の温度で行うことが、転写効率
を向上させるのに特に有効である。本発明に関わるトナ
ーを粉砕法により製造する場合の結着樹脂としては、ポ
リスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びそ
の置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、
スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニル
ナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重
合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン
−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オ
クチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノ
エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重
合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチル
エーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重
合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソ
プレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチ
レン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共
重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタク
リレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリ
ル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノ
ール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系
石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックスなど
が単独或いは混合して使用できる。特に、スチレン系共
重合体及びポリエステル樹脂が現像特性、定着性等の点
で好ましい。
【0117】トナーのガラス転移点温度(Tg)は、5
0〜70℃であることが好ましく、50℃よりも低いと
トナーの保存性が低下し、70℃よりも高いと定着性に
劣る。トナーのガラス転移点の測定には例えば、パーキ
ンエルマー社製DSC-7の様な高精度の内熱式入力補償型
の示差走査熱量計で測定を行う。測定方法は、ASTMD341
8-8に準じて行う。本発明においては、試料を1回昇温
させ前履歴をとった後、急冷し、再度昇温速度10℃/
min、温度30〜200℃の範囲で昇温させた時に測定
されるDSC曲線を用いる。さらにまた、本発明に係わる
トナーは、特公昭56−13945号公報等に記載のデ
ィスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧
化し球状トナーを得る方法や、単量体には可溶で得られ
る重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成
する分散重合方法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直
接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表
される乳化重合方法等を用いトナーを製造する方法でも
製造が可能である。
【0118】本発明の磁性トナーは、上述のように粉砕
法によって製造することも可能であるが、この粉砕法で
得られるトナー粒子は一般に不定形のものであり、本発
明に係わるトナーの必須要件である平均円形度が0.9
70以上という物性を得る為には、機械的・熱的あるい
は何らかの特殊な処理を行う事が必要となり、生産性が
劣るものとなる。
【0119】そこで、本発明においては、トナーを重合
法、特には懸濁重合法により製造することが好ましい。
この懸濁重合法においては重合性単量体および着色剤
(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、
その他の添加剤)を均一に溶解または分散させて重合性
単量体系とした後、この重合性単量体系を分散安定剤を
含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用い
て分散し同時に重合反応を行なわせ、所望の粒径を有す
るトナーを得るものである。この懸濁重合法で得られる
トナー(以後重合トナー)は、個々のトナー粒子形状が
ほぼ球形に揃っているため、平均円形度が0.970以
上、モード円形度が0.99以上という本発明に必須な
物性要件を満たすトナーが得られやすく、さらにこうい
ったトナーは帯電量の分布も比較的均一となるため高い
転写性を有している。また、このような製造方法を用い
て、本発明の如き磁気特性を有する磁性トナーを得るに
は、粒度及び磁性粉体含有量の異なるトナーを作成した
後、混合する方法や、製造段階において磁性粉体の分散
を異ならせる方法が考えられるが、特に後者の場合は粉
砕法で製造されたトナーでは磁性粉体が微粉側に偏析す
る傾向があるので、本発明のトナーは重合法で製造する
ことが好ましい。しかしながら、重合トナー中に通常の
磁性粉体を含有させても、トナー表面に磁性粉体が多数
存在し、トナー粒子の帯電特性が著しく低下する。さら
に、懸濁重合トナーの製造時に磁性粉体と水との相互作
用が強いことにより、円形度が0.970以上のトナー
が得られ難く、さらに、トナーの粒度分布が広いものと
なる。 これは、磁性粉体は一般的に親水性であるた
めにトナー表面に存在しやすいこと、水溶媒撹拌時に
磁性粉体が乱雑に動き、それに単量体から成る懸濁粒子
表面が引きずられ、形状が歪んで円形になりにくいこと
等が原因と考えられる。こういった問題を解決するため
には磁性粉体の有する表面特性の改質が重要である。
【0120】重合トナーに使用される磁性粉体の表面改
質に関しては、数多く提案されている。前述したよう
に、特開昭59−200254号公報、特開昭59−2
00256号公報、特開昭59−200257号公報、
特開昭59−224102号公報等に磁性粉体の各種シ
ランカップリング剤処理技術が提案されており、特開昭
63−250660号公報では、ケイ素元素含有磁性粒
子をシランカップリング剤で処理する技術が開示されて
いる。しかしながら、これらの処理により磁性粉体の遊
離はある程度抑制されるものの、磁性粉体表面の疎水化
を均一に行うことが困難であるという問題があり、した
がって、磁性粉体同士の合一や疎水化されていない磁性
粉体の発生を避けることができず、磁性粉体の分散性は
十分では無く、粒度分布も広いものとなってしまう。
【0121】また、疎水化磁性酸化鉄を用いる例として
特公昭60−3181号公報にアルキルトリアルコキシ
シランで処理した磁性酸化鉄を含有するトナーが提案さ
れている。この磁性酸化鉄の添加により、確かにトナー
の電子写真諸特性は向上しているものの、磁性酸化鉄の
表面活性は元来小さく、処理の段階で合一粒子が生じた
り、疎水化が不均一であったりで、必ずしも満足のいく
ものではなく、本発明の画像形成方法に適用するにはさ
らなる改良が必要である。さらに、処理剤等を多量に使
用したり、高粘性の処理剤等を使用した場合、疎水化度
は確かに上がるものの、粒子同士の合一等が生じて分散
性は逆に悪化してしまう。このような磁性粉体を用いて
製造されたトナーは、摩擦帯電性が不均一であり、それ
に起因してカブリや転写性が良くないものとなる。
【0122】このように、従来の表面処理磁性粉体を用
いた重合トナーでは、疎水性と分散性の両立は必ずしも
達成されておらず、このような重合トナーを本発明の接
触帯電工程を含む画像形成方法に適用しても、高精細な
画像を安定して得ることは難しい。
【0123】そこで、本発明の磁性トナーに使用される
磁性粉体は、カップリング剤で疎水化処理されているこ
とが好ましい。磁性粉体表面を疎水化する際、水系媒体
中で、磁性粉体を一次粒径となるよう分散しつつカップ
リング剤を加水分解しながら表面処理する方法を用いる
ことが非常に好ましい。この疎水化処理方法は気相中で
処理するより、磁性粉体同士の合一が生じにくく、また
疎水化処理による磁性粉体間の帯電反発作用が働き、磁
性粉体はほぼ一次粒子の状態で表面処理される。
【0124】カップリング剤を水系媒体中で加水分解し
ながら磁性粉体表面を処理する方法は、クロロシラン類
やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリン
グ剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中で
は磁性粉体同士が合一しやすくて、良好な処理が困難で
あった高粘性のカップリング剤も使用できるようにな
り、疎水化の効果は絶大である。
【0125】本発明に係わる磁性粉体の表面処理におい
て使用できるカップリング剤としては、例えば、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられ
る。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤
であり、一般式(I)で示されるものである。
【0126】
【化1】RmSiYn (I) [式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メ
タクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数
を示す。ただし、m+n=4である。] 一般式(I)で示されるシランカップリング剤として
は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)
シラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N-フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチル
トリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、
トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメ
トキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、
n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることが
できる。
【0127】この中で、磁性粉体の分散性の向上の点か
ら、二重結合を有するシランカップリング剤を用いる事
が好ましく、フェニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
これは、特に懸濁重合を行う場合、二重結合を有するカ
ップリング剤で処理すると、磁性粉体と重合性単量体と
のなじみが良好になる為であると考えられ、その結果磁
体の分散性が向上する。
【0128】しかし、これら二重結合を有するカップリ
ング剤のみの使用では、磁性粉体に十分な疎水性を持た
せる事は困難であり、トナーの粒度分布も広い物となっ
てしまう。この理由は定かではないが、カップリング剤
自身の疎水性や、磁性粉体表面の活性基との反応性、及
び、磁性粉体表面の被覆性が劣る事によるものであると
考えている。また、疎水性が低い磁性粉体を使用する
と、特に重合トナーの場合は、得られるトナーの粒度分
布が広くなる傾向にあると共に、磁性粉体の分散性も悪
い傾向にあり、好ましく無い。このため、十分な疎水性
を得る為に二重結合を有さない少なくとも1種以上のシ
ランカップリング剤と併用することが好ましい。具体的
には、下記一般式(II)で示されるアルキルトリアルコ
キシシランカップリング剤を併用する事がより好まし
い。
【0129】
【化2】 Cp2p+1−Si−(OCq2q+13 (II) [式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数
を示す。] 上記式におけるpが2より小さいと、疎水化処理は容易
となるが、疎水性を十分に付与することが困難であり、
トナー粒子からの磁性粉体の露出を抑制するのが難しく
なる。またpが20より大きいと、疎水性は十分になる
が、磁性粉体同士の合一が多くなり、トナー中へ磁性粉
体を十分に分散性させることが困難になり、カブリや転
写性が悪化傾向となる。
【0130】また、qが、3より大きいとシランカップ
リング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにく
くなる。特に、式中のpが2〜20の整数(より好まし
くは、3〜15の整数)を示し、qが1〜3の整数(よ
り好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルトリア
ルコキシシランカップリング剤を使用するのが良い。
【0131】その処理量は磁性粉体100質量部に対し
て、シランカップリング剤の総量が0.05〜20質量
部、好ましくは0.1〜10質量部であり、磁性粉体の
表面積、カップリング剤の反応性等に応じて処理剤の量
を調整することが好ましい。
【0132】磁性粉体の表面処理として水系媒体中でカ
ップリング剤で処理するには、水系媒体中で適量の磁性
粉体およびカップリング剤を撹拌する方法が挙げられ
る。撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機(具体的に
は、アトライター、TKホモミキサーの如き高剪断力混
合装置)で、磁性粉体が水系媒体中で、一次粒子になる
ように充分におこなうのが良い。
【0133】ここで、水系媒体とは、水を主要成分とし
ている媒体である。具体的には、水系媒体として水その
もの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH
調製剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが
上げられる。界面活性剤としては、ポリビニルアルコー
ルの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。界面活性
剤は、水に対して0.1〜5質量%添加するのが良い。
pH調製剤としては、塩酸等無機酸が挙げられる。有機
溶剤としてはアルコール類等が挙げられる。
【0134】なお、複数種のシランカップリング剤を用
いる場合、同時、あるいは時間差をもって複数種のカッ
プリング剤を投入し、磁性粉体の処理を行う。
【0135】こうして得られる磁性粉体は粒子の凝集が
見られず、個々の粒子表面が均一に疎水化処理されてい
るため、重合トナー用の材料として用いた場合、トナー
粒子の均一性が良好なものとなる。
【0136】また、本発明の磁性トナーに用いられる磁
性粉体は、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウ
ム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んで
もよい四三酸化鉄、γ-酸化鉄等、酸化鉄を主成分とす
るものであり、これらを1種または2種以上併用して用
いられる。これら磁性粉体は、窒素吸着法によるBET
比表面積が2〜30m2/gが好ましく、特に3〜28
2/gがより好ましい。
【0137】また、モース硬度が5〜7のものが好まし
い。
【0138】磁性粉体の形状としては、多面体、8面
体、6面体、球形、針状、燐片状などがあるが、多面
体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが画
像濃度を高める上で好ましい。こういった磁性粉体の形
状はSEMなどによって確認することができる。
【0139】磁性粉体の体積平均粒径としては0.05
〜0.40μmが好ましい。体積平均径が0.05μm
未満の場合、黒色度の低下が顕著となり、白黒用トナー
の着色剤としては着色力が不十分となるうえに、複合酸
化物粒子どうしの凝集が強くなるため、分散性が悪化す
る傾向となる。また、赤味の黒になる傾向にあり、画像
品位が落ちるものとなる。一方、体積平均粒径が0.4
0μmを越えてしまうと、一般の着色剤と同様に着色力
が不足するようになる。加えて、特に小粒径トナー用の
着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に均一に
磁性粉体を分散させることが確率的に困難となり、分散
性が悪化しやすい。
【0140】なお、磁性粉体の体積平均粒径は、透過型
電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ
樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、
温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物
を、ミクロトームにより薄片上のサンプルとして、透過
型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍
の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性粉体粒子径
を測定する。そして、磁性粉体の投影面積に等しい円の
相当径をもとに、体積平均粒径の算出を行った。また、
画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
後述の実施例においても同様に測定した。
【0141】本発明では、磁性粉体以外に他の着色剤を
併用しても良い。併用し得る着色剤としては、磁性ある
いは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げられ
る。具体的には、例えば、コバルト、ニッケルなどの強
磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、
亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘ
マタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料
/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げら
れる。これらもまた、表面を処理して用いても良い。
【0142】また、本発明に用いられる磁性粉体は、体
積平均変動係数が35以下である事が好ましい。体積平
均変動係数が35より大きいと言う事は磁性粉体の粒度
分布が広い事を意味する。このような磁性粉体を使用す
ると、前述の磁性粉体の処理の均一性が劣るとともに、
トナー中での分散性が悪化する傾向がある。さらには、
造粒時にトナー粒子一粒一粒に磁性粉体が均一に入りに
くくなり、トナー粒子間で磁性粉体の含有量に大きな差
が生じ易くなり、好ましくない。
【0143】なお、本発明において、体積平均変動係数
は次式(12)により求めるものと定義する。
【0144】
【数9】(12) 本発明に用いる磁性粉体の疎水化度は25〜95%であ
る事が好ましく、より好ましくは35〜95%である。
疎水化度は磁性粉体表面の処理剤の種類、及び量により
任意に変える事が可能である。疎水化度とは磁性粉体の
疎水性を示しており、疎水化度が低いものは親水性が高
い事を意味する。そのため、疎水化度が低い磁性粉体を
用いた場合、本発明のトナーを製造する際に好適に用い
られる懸濁重合法では、造粒中に磁性粉体が水系に移行
してしまい、粒度分布がブロードになると共に、遊離の
磁性粉体として存在する事になり好ましくない。また、
疎水化度が95%とするためには磁性粉体表面の処理材
を多量に使用しなければならず、この様な状態では磁性
粉体の合一が生じ易く、処理の均一性が損なわれてしま
う。
【0145】なお、本発明における疎水化度とは以下の
方法により測定されたものである。
【0146】磁性粉体の疎水化度の測定は、メタノール
滴定試験により行う。メタノール滴定試験は、疎水化さ
れた表面を有する磁性粉体の疎水化度を確認する実験的
試験である。メタノールを用いた疎水化度測定は次のよ
うに行う。磁性粉体0.1gを容量250mlのビーカ
ーの水50mlに添加する。その後メタノールを液中に
徐々に添加し滴定を行う。この際メタノールは液底部よ
り供給し、緩やかに攪拌しながら行う。磁性粉体の沈降
終了は、液面に磁性粉体の浮遊物が確認されなくなった
時点とし、疎水化度は、沈降終了時点に達した際のメタ
ノール及び水混合液中のメタノールの体積百分率として
あらわされる。後述の実施例においても同様に測定し
た。
【0147】本発明の磁性トナーに用られる磁性粉体
は、結着樹脂100質量部に対して、10〜200質量
部を用いることが好ましい。さらに好ましくは20〜1
80質量部を用いることが良い。10質量部未満ではト
ナーの着色力が乏しく、カブリの抑制も困難である。一
方、200質量部を越えると、トナー担持体への磁力に
よる保持力が強まり現像性が低下したり、個々のトナー
粒子への磁性粉体の均一な分散が難しくなるだけでな
く、定着性が低下してしまう。
【0148】なお、トナー中の磁性粉体の含有量の測定
は、パーキンエルマー社製熱分析装置、TGA7を用い
て測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下に
おいて昇温速度25℃/分で常温から900℃まで、ト
ナーを加熱し、100℃から750℃まで間の減量質量
%を結着樹脂量とし、残存重量を近似的に磁性粉体量と
する。
【0149】本発明の磁性トナーに用いられる磁性粉体
は、例えばマグネタイトの場合、下記方法で製造され
る。
【0150】第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量ま
たは当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、
水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液
のpHをpH7以上(好ましくはpH8〜14)に維持
しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温し
ながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄
粉体の芯となる種晶をまず生成する。
【0151】次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加
えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一
鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜14に維持し
ながら空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ
種晶を芯にして磁性酸化鉄粉体を成長させる。酸化反応
がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、
液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終
期に液のpHを調製し、磁性酸化鉄が一次粒子になるよ
う十分に攪拌し、カップリング剤を添加して十分に混合
攪拌し、攪拌後に濾過し、乾燥し、軽く解砕することで
疎水性処理された磁性酸化鉄粉体が得られる。あるい
は、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄粉
体を、乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再
分散液のpHを調製し、十分攪拌しながらシランカップ
リング剤を添加し、カップリング処理を行っても良い。
いずれにせよ、酸化反応終了後に乾燥工程を経ずに表面
処理を行うことが肝要であり、本発明の画像形成方法に
おける重要なポイントである。
【0152】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等が可能であ
る。
【0153】水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一
般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶
解度から鉄濃度0.5〜2mol/lが用いられる。硫
酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾
向を有する。又、反応に際しては、空気量が多い程、そ
して反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0154】このようにして製造された疎水性磁性粉体
を材料とした磁性トナーを使用することにより、安定し
たトナーの帯電性が得られ、転写効率が高く、高画質及
び高安定性が可能となる。本発明においては、トナーが
磁場79.6kA/m(1000エルステッド)におけ
る磁化の強さが10〜50Am2/kg(emu/g)
である磁性トナーであることが好ましい。これは、現像
装置内に磁気力発生手段を設けることで、磁性トナーで
はトナーの漏れを防止でき、トナーの搬送性或いは攪拌
性を高められるばかりでなく、磁性トナー担持体上に磁
力が作用するように磁気力発生手段を設けることで、転
写残トナーの回収性が更に向上し、又磁性トナーが穂立
ちを形成するためにトナーの飛散を防止することが容易
となる。しかし、トナーの磁場79.6kA/mにおけ
る磁化の強さが10Am2/kg未満であると、上記の
効果が得られず、トナー担持体上に磁力を作用させると
トナーの穂立ちが不安定となり、トナーへの帯電付与が
均一に行えないことによるカブリ、画像濃度ムラ、転写
残トナーの回収不良等の画像不良を生じる易くなる。一
方、トナーの磁場79.6kA/mにおける磁化の強さ
が50Am2/kgよりも大きいと、トナーに磁力を作
用させると磁気凝集によりトナーの流動性が著しく低下
し、現像性が低下しトナーがダメージを受けやすくな
り、トナー劣化が著しくなる。さらに、転写性も低下す
ることで転写残トナーが増加し好ましくない。トナーの
磁化の強さ(飽和磁化)は、含有する磁性粉体の量、磁
性粉体の飽和磁化により任意に変えることが可能であ
る。磁性粉体の飽和磁化は磁場796kA/mにおいて
30〜120Am2/kgである事が好ましい。
【0155】本発明において磁性トナーの飽和磁化の強
さは、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社
製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA
/mで測定する。また、磁性粉体の磁気特性について
も、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社
製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場796kA/
mで測定することができる。また、本発明のトナーのよ
うに0.970以上の円形度を有することによって、磁
性トナー担持体上でのトナーの穂立ちが細く密になるこ
とによって、帯電が均一化され更にかぶりが大幅に減少
する。
【0156】本発明の磁性トナーは離型剤を含有してい
るが、結着樹脂に対し1〜30質量%を含有することが
好ましい。より好ましくは、3〜25質量%である。離
型剤の含有量が1質量%未満では低温オフセット抑制効
果に乏しく、30質量%を超えてしまうと長期間の保存
性が悪化すると共に、離型剤、磁性粉体等のトナー材料
の分散性が悪くなり、磁性トナーの流動性の悪化や画像
特性の低下につながる。さらに多量のワックスを内包す
るために、トナー形状がいびつになりやすくなる。
【0157】記録媒体上に転写されたトナー像はその
後、熱・圧力等のエネルギーにより転写材上に定着さ
れ、半永久的画像が得られる。この際、熱ロール式定着
が一般に良く用いられる。先述したように、重量平均粒
径が10μm以下のトナーを用いれば非常に高精細な画
像を得ることができるが、粒径の細かいトナー粒子は紙
等の記録媒体を使用した場合に紙の繊維の隙間に入り込
み、熱定着用ローラからの熱の受け取りが不十分とな
り、低温オフセットが発生しやすい。しかしながら、本
発明に係わるトナーにおいて、適正量の離型剤を含有せ
しめ、且つ、離型剤の分散性を前述の如きに制御するこ
とにより、高画質と定着性を両立させることが可能とな
る。
【0158】本発明に係わる磁性トナーに使用可能な離
型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及び
その誘導体、モンタンワックスびその誘導体、フィッシ
ャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導
体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス
及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クス等天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には
酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グ
ラフト変性物を含む。さらには、高級脂肪族アルコー
ル、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいは
その化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケ
トン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、
動物性ワックスなども使用できる。
【0159】これらの離型剤成分の内でも、示差熱分析
による吸熱ピークが40〜110℃のもの、即ち、示差
走差熱量計により測定されるDSC曲線において昇温時
に40〜110℃の領域に最大吸熱ピークを有するもの
が好ましく、さらには45〜90℃の領域に有するもの
がより好ましい。上記温度領域に最大吸熱ピークを有す
ることにより、低温定着に大きく貢献しつつ、離型性を
も効果的に発現する。最大吸熱ピークが40℃未満であ
ると離型剤成分の自己凝集力が弱くなり、結果として耐
高温オフセット性が悪化する。また、離型剤のしみだし
が生じ易くなり、トナーの帯電量が低下する。一方、該
最大吸熱ピークが110℃を越えると定着温度が高くな
り低温オフセットが発生しやすくなり好ましくない。さ
らに、水系媒体中で造粒/重合を行い重合方法により直
接トナーを得る場合、該最大吸熱ピーク温度が高いと主
に造粒中に離型剤成分が析出する等の問題を生じ、離型
剤の分散性が悪化し、好ましくない。また、分散性のわ
るい離型剤、磁性粉体の分散性も阻害し、好ましくな
い。
【0160】離型剤の吸熱量ならびに最大吸熱ピーク温
度の測定は、「ASTM D 3418−8」に準じて
行う。測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−
7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛
の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解
熱を用いる。測定サンプルにはアルミニウム製のパンを
用い、対照用に空パンをセットし、試料を一回200℃
まで昇温させ熱履歴を除いた後、急冷し、再度、昇温速
度10℃/minにて温度30〜200℃の範囲で昇温
させた時に測定されるDSC曲線を用いる。後述の実施
例においても同様に測定した。本発明の磁性トナーに
は、荷電特性を安定化するために荷電制御剤を配合して
も良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、
特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定し
て維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナーを
直接重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が低
く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御
剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、ネガ系荷
電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジア
ルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き
芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ
顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン
酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素
化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げら
れる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、該
四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グ
アニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化
合物等が挙げられる。
【0161】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー粒子内部に添加する方法と外添する方法が
ある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂
の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製
造方法によって決定されるもので、一義的に限定される
ものではないが、内部添加する場合は、好ましくは結着
樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好
ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。また、
外部添加する場合、トナー100質量部に対し、好まし
くは0.005〜1.0質量部、より好ましくは0.0
1〜0.3質量部である。しかしながら、本発明の磁性
トナーは、荷電制御剤の添加は必須ではなく、トナーの
層圧規制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的に利
用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要
はない。次に本発明の画像形成方法に関わる重合トナー
の懸濁重合法による製造方法を説明する。本発明に係わ
る重合トナーは、一般にトナー組成物、すなわち結着樹
脂となる重合性単量体中に、磁性粉体、離型剤、可塑
剤、荷電制御剤、架橋剤、場合によって着色剤等トナー
として必要な成分及びその他の添加剤、例えば、高分子
重合体、分散剤等を適宜加えて、分散機等に依って均一
に溶解または分散させた重合性単量体系を、分散安定剤
を含有する水系媒体中に懸濁して製造できる。本発明に
関わる重合トナーの製造において、重合性単量体系を構
成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
【0162】重合性単量体としては、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のス
チレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アク
リル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アク
リル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等
のメタクリル酸エステル類その他のアクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げ
られる。これらの単量体は単独、または混合して使用し
得る。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン
誘導体を単独で、あるいは他の単量体と混合して使用す
る事がトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0163】本発明に係わる重合トナーの製造において
は、重合性単量体系に樹脂を添加して重合しても良い。
例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解
して乳化重合を起こすため使用できないアミノ基、カル
ボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニ
トリル基等親水性官能基含有の重合性単量体成分をトナ
ー中に導入したい時には、これらとスチレンあるいはエ
チレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック
共重合体、あるいはグラフト共重合体等、共重合体の形
にして、あるいはポリエステル、ポリアミド等の重縮合
体、ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で使
用が可能となる。こうした極性官能基を含む高分子重合
体をトナー中に共存させると、前述のワックス成分を相
分離させ、より内包化が強力となり、耐ブロッキング
性、現像性の良好なトナーを得ることができる。
【0164】これらの樹脂の中でも特にポリエステル樹
脂を含有する事により、その効果は大きな物となる。こ
れは次に述べる理由からと考えている。ポリエステル樹
脂は比較的極性の高い官能基であるエステル結合を数多
く含む為、樹脂自身の極性が高くなる。その極性の為、
水系分散媒中では液滴表面にポリエステルが偏在する傾
向が強くなり、その状態を保ちながら重合が進行し、ト
ナーとなる。この為、トナー表面にポリエステル樹脂が
偏在する事で表面状態や、表面組成が均一な物となり、
その結果帯電性が均一になると共に、離型剤の内包性が
良好な事との相乗効果により非常に良好な現像性を得る
事が出来る。
【0165】本発明に使用されるポリエステル樹脂は、
例えばトナーの帯電性、耐久性および定着性などの物性
をコントロールする上で、飽和ポリエステル樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、あるいはその両者を適宜選択して
使用することが可能である。
【0166】本発明に使用されるポリエステル樹脂は、
アルコール成分と酸成分から構成される通常のものが使
用でき、両成分については以下に例示する。
【0167】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘ
キサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテン
ジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノ
ール、水素化ビスフェノールA、また式(III)で表さ
れるビスフェノール誘導体及びその水添物;
【0168】
【化3】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,
yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均
値は0〜10である。) また下記一般式(IV)で示されるジオール類及びその水
添物;
【0169】
【化4】 (式中、R'は−CH2CH2−又は下記一般式(V)で示
されるいずれかであり、x',y'は0以上の整数であ
り、かつ、x'+y'の平均値は0〜10である。)が挙
げられる。
【0170】
【化5】 2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸
またはその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン
酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸またはそ
の無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキルまたは
アルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水
物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物などが挙げ
られる。
【0171】さらに、アルコール成分としてグリセリ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、
ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテ
ルの如き多価アルコールが挙げられ、酸成分としてトリ
メリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸や
その無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
【0172】上記ポリエステル樹脂の中では、帯電特
性、環境安定性が優れておりその他の電子写真特性にお
いてバランスのとれた前記のビスフェノールAのアルキ
レンオキサイド付加物が好ましく使用される。この化合
物の場合には、定着性やトナーの耐久性の点においてア
ルキレンオキサイドの平均付加モル数は2〜10が好ま
しい。
【0173】本発明におけるポリエステル樹脂は全成分
中45〜55モル%がアルコール成分であり、55〜4
5モル%が酸成分であることが好ましい。
【0174】ポリエステル樹脂は、本発明の磁性トナー
の製造方法においてトナー粒子表面に存在し、得られる
トナー粒子が安定した帯電性を発現するためには、0.
1〜50mgKOH/樹脂1gの酸価を有していること
が好ましい。0.1mgKOH/樹脂1g未満だとトナ
ー表面への存在量が絶対的に不足し、50mgKOH/
樹脂1gを越えるとトナーの帯電性に悪影響を及ぼす。
さらに本発明では、5〜35mgKOH/樹脂1gの酸
価の範囲がより好ましい。
【0175】本発明においては、得られるトナー粒子の
物性に悪影響を及ぼさない限り2種以上のポリエステル
樹脂を併用したり、例えば、シリコーンやフルオロアル
キル基含有化合物により変性したりして物性を調製する
ことも好適に行われる。
【0176】また、このような極性官能基を含む高分子
重合体を使用する場合、その平均分子量は5,000以
上が好ましく用いられる。5,000以下、特に4,0
00以下では、本重合体が表面付近に集中し易い事か
ら、現像性、耐ブロッキング性等に悪い影響が起こり易
くなり好ましくない。
【0177】また、材料の分散性や定着性、あるいは画
像特性の改良等を目的として上記以外の樹脂を単量体系
中に添加しても良く、用いられる樹脂としては、例え
ば、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン
及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチル
アミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチ
レン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニ
ルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケ
トン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチ
レン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチ
ルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹
脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹
脂、芳香族系石油樹脂などが単独或いは混合して使用で
きる。これら樹脂の添加量としては、重合性単量体10
0質量部に対し1〜20質量部が好ましい。1質量部未
満では添加効果が小さく、一方20質量部以上添加する
と重合トナーの種々の物性設計が難しくなる。
【0178】さらに、重合性単量体を重合して得られる
トナーの分子量範囲とは異なる分子量の重合体を単量体
中に溶解して重合すれば、分子量分布の広い、耐オフセ
ット性の高いトナーを得ることが出来る。
【0179】本発明の画像形成方法に関わる重合トナー
の製造において使用される重合開始剤としては、重合反
応時に半減期0.5〜30時間であるものを、重合性単
量体に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行
なうと、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体
を得、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与える
ことが出来る。
【0180】重合開始剤例としては、2,2'−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シ
クロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾ
ビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジア
ゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシ
カーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−
ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
【0181】本発明の画像形成方法に関わる重合トナー
を製造する際は、架橋剤を添加しても良く、好ましい添
加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.
001〜15質量%である。ここで架橋剤としては、主
として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が
用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート
等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;
ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフ
ィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個
以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物
として用いられる。
【0182】本発明の磁性トナーを重合法で製造する方
法では、一般に上述のトナー組成物等を適宜加えて、ホ
モジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散
機等の分散機に依って均一に溶解または分散させた重合
性単量体系を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁
する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のよう
な高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイ
ズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープ
になる。重合開始剤添加の時期としては、重合性単量体
中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水
系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。又、造粒直
後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒
に溶解した重合開始剤を加える事も出来る。
【0183】造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状
態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の
撹拌を行なえば良い。
【0184】本発明の画像形成方法に関わる重合トナー
を製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性
剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機
分散剤は、有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性に
より分散安定性を得ているので反応温度を変化させても
安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え
難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の
例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸
アルミニウム、燐酸亜鉛等の燐酸多価金属塩、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等の無機酸化物が
挙げられる。
【0185】これらの無機分散剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.2〜20質量部を単独で使用す
る事が望ましいが、超微粒子を発生し難いもののトナー
の微粒化はやや苦手であるので、0.001〜0.1質
量部の界面活性剤を併用しても良い。
【0186】これら無機分散剤を用いる場合には、その
まま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水
系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させて用いること
が出来る。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌
下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを
混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させること
が出来、より均一で細かな分散が可能となる。この時、
同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒
体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶
解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒トナーが発生し
難くなるので、より好都合である。重合反応終期に残存
重合性単量体を除去する時には障害となることから、水
系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが
良い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで
溶解して、ほぼ完全に取り除くことが出来る。
【0187】界面活性剤としては、例えばドデシルベン
ゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペ
ンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、
オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられ
る。
【0188】前記重合工程においては、重合温度は40
℃以上、一般には50〜90℃の温度に設定して重合を
行なう。この温度範囲で重合を行なうと、内部に封じら
れるべき離型剤やワックスの類が、相分離により析出し
て内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消
費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90〜
150℃にまで上げる事は可能である。
【0189】重合トナー粒子は重合終了後、公知の方法
によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により無機微粉
体を混合し表面に付着させることで、本発明の磁性トナ
ーを得ることができる。また、製造工程に分級工程を入
れ、粗粉や微粉をカットすることも、本発明の望ましい
形態の一つである。
【0190】本発明においてトナーは、流動化剤として
個数平均1次粒径4〜80nmの無機微粉体が添加され
ることも好ましい形態である。無機微粉体は、トナーの
流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加さ
れるが、無機微粉体を疎水化処理するなどの処理によっ
てトナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を
付与することも好ましい形態である。
【0191】無機微粉体の個数平均1次粒径が80nm
よりも大きい場合、或いは80nm以下の無機微粉体が
添加されていない場合には、転写残トナーが帯電部材へ
付着した際に帯電部材に固着し易くなり、安定して良好
な帯電特性を得ることが困難である。また、良好なトナ
ーの流動性が得られず、トナー粒子への帯電付与が不均
一になり易く、カブリの増大、画像濃度の低下、トナー
飛散等の問題を避けられない。無機微粉体の個数平均1
次粒径が4nmよりも小さい場合には、無機微粉体の凝
集性が強まり、1次粒子ではなく解砕処理によっても解
れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布の広い凝集体として
挙動し易く、凝集体の現像、像担持体或いは磁性トナー
担持体等を傷つけるなどによる画像欠陥を生じ易くな
る。トナー粒子の帯電分布をより均一とするためには無
機微粉体の個数平均1次粒径は6〜35nmであること
がより良い。
【0192】本発明において、無機微粉体の個数平均1
次粒径の測定法は、走査型電子顕微鏡により拡大撮影し
たトナーの写真で、更に走査型電子顕微鏡に付属させた
XMA等の元素分析手段によって無機微粉体の含有する
元素でマッピングされたトナーの写真を対照しつつ、ト
ナー表面に付着或いは遊離して存在している無機微粉体
の1次粒子を100個以上測定し、個数基準の平均1次
粒径、個数平均1次粒径を求めることで測定出来る。
【0193】本発明で用いられる無機微粉体としては、
シリカ、酸化チタン、アルミナなどが使用できる。
【0194】ケイ酸微粉体としては、例えば、ケイ素ハ
ロゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式
法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水
ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使
用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシ
ラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の製造残
滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカ
においては、製造工程において例えば、塩化アルミニウ
ム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれらも
包含する。
【0195】個数平均1次粒径が4〜80nmの無機微
粉体の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜3.0質
量%であることが好ましく、添加量が0.1質量%未満
ではその効果が十分ではなく、3.0質量%以上では定
着性が悪くなる。また、無機微粉体の含有量は、蛍光X
線分析を用い、標準試料から作成した検量線を用いて定
量できる。
【0196】また本発明において無機微粉体は、疎水化
処理された物であることが高温高湿環境下での特性から
好ましい。トナーに添加された無機微粉体が吸湿する
と、トナー粒子の帯電量が著しく低下し、トナー飛散が
起こり易くなる。
【0197】疎水化処理に用いる処理剤としては、シリ
コーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーン
オイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シ
ランカップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタ
ン化合物等の処理剤を単独で或いは併用して処理しても
良い。
【0198】その中でも、シリコーンオイルにより処理
したものが好ましく、より好ましくは、無機微粉体をシ
ラン化合物で疎水化処理すると同時或いは処理した後
に、シリコーンオイルにより処理したものが高湿環境下
でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、トナー飛散を防
止する上でよい。
【0199】そのような無機微粉体の処理方法として
は、例えば第一段反応として、シラン化合物でシリル化
反応を行ないシラノール基を化学結合により消失させた
後、第二段反応としてシリコーンオイルにより表面に疎
水性の薄膜を形成することができる。上記シリコーンオ
イルは、25℃における粘度が10〜200,000m
2/sのものが、さらには3,000〜80,000
mm2/sのものが好ましい。10mm2/s未満では、
無機微粉体に安定性が無く、熱および機械的な応力によ
り、画質が劣化する傾向がある。200,000mm2
/sを超える場合は、均一な処理が困難になる傾向があ
る。
【0200】使用されるシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましい。
【0201】無機微粉体をシリコーンオイルで処理する
方法としては、例えば、シラン化合物で処理された無機
微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の
混合機を用いて直接混合してもよいし、無機微粉体にシ
リコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよい。あるい
は適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散さ
せた後、無機微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法で
もよい。無機微粉体の凝集体の生成が比較的少ない点で
噴霧機を用いる方法がより好ましい。シリコーンオイル
の処理量は、無機微粉体100質量部に対し1〜40質
量部、好ましくは3〜35質量部が良い。シリコーンオ
イルの量が少なすぎると良好な疎水性が得られず、多す
ぎるとカブリ発生等の不具合が生ずる傾向がある。
【0202】本発明で用いられる無機微粉体は、トナー
に良好な流動性を付与させる為に、窒素吸着によるBE
T法で測定した比表面積が20〜350m2/g範囲内
のものが好ましく、より好ましくは25〜300m2
gのものが更に良い。
【0203】比表面積は、BET法に従って、比表面積
測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用
いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用
いて比表面積を算出する。
【0204】また、本発明の磁性トナーは、上記トナー
の重量平均粒径よりも小さい体積平均粒径を有する導電
性微粉体をさらに有する事が好ましい。導電性微粉体は
上記無機微粉体の個数平均1次粒径よりも大きいことが
更に好ましい。重量平均粒径と体積平均粒径等は同じ尺
度で比較するものではないが、導電性微粉体は磁性トナ
ーより比較的小さいので、本発明においては、磁性トナ
ーと導電性微粉体の大きさを比較する一つの指標として
これらを用いた。本発明の磁性トナーは導電性微粉体を
有する事により転写効率が向上し、細線再現性が非常に
良好なものとなる。この理由は定かではないが、導電性
微粉体がトナー中に均一に存在する事でトナーの帯電量
の均一性が促され、現像性、転写性が向上するものであ
ると考えている。また、導電性微粉体が存在する事で、
トナーのチャージアップが抑制され、転写時の飛び散り
が抑制され細線の再現性が向上するものであると考えて
いる。
【0205】また、本発明の磁性トナーを現像兼クリー
ニングを利用した画像形成方法に適用する場合には、導
電性微粉体は重要な役割を果たす。
【0206】ここで、トナー粒子に導電性微粉体を外部
添加した場合の画像形成プロセス中でのトナー粒子及び
導電性微粉体の挙動を説明する。
【0207】トナーに含有させた導電性微粉体は、現像
工程における像担持体側の静電潜像の現像時にトナー粒
子とともに適当量が像担持体側に移行する。像担持体上
のトナー像は転写工程において記録媒体側に転移する。
像担持体上の導電性微粉体も一部は記録媒体側に付着す
るが残りは像担持体上に付着保持されて残留する。トナ
ーと逆極性の転写バイアスを印加して転写を行う場合に
は、トナーは記録媒体側に引かれて積極的に転移する
が、像担持体上の導電性微粉体は導電性であることで記
録媒体側には積極的には転移せず、一部は記録媒体側に
付着するものの残りは像担持体上に付着保持されて残留
する。
【0208】クリーナを用いない画像形成方法では、転
写後の像担持体面に残存の転写残トナーおよび上記の残
存導電性微粉体は、像担持体と接触帯電部材の当接部で
ある帯電部に像担持体面の移動でそのまま持ち運ばれて
接触帯電部材に付着・混入する。従って、像担持体と接
触帯電部材との当接部に導電性微粉体が介在した状態で
像担持体の接触帯電が行なわれる。この導電性微粉体の
存在により、接触帯電部材への転写残トナーが少ない場
合、転写残トナーの付着・混入による汚染にかかわら
ず、接触帯電部材の像担持体への緻密な接触性と接触抵
抗を維持できるため、該接触帯電部材による像担持体の
帯電を良好に行なわせることができる。
【0209】また、接触帯電部材に付着・混入した転写
残トナーは、帯電部材から像担持体へ印加される帯電バ
イアスによって、帯電バイアスと同極性に帯電を揃えら
れて接触帯電部材から徐々に像担持体上に吐き出され、
像担持体面の移動とともに現像部に至り、現像工程にお
いて現像兼クリーニング(回収)される。
【0210】更に、画像形成が繰り返されることで、ト
ナーに含有させてある導電性微粉体が、現像部で像担持
体面に移行し該像担持面の移動により転写部を経て帯電
部に持ち運ばれて帯電部に逐次に導電性微粉体が供給さ
れ続けるため、帯電部において導電性微粉体が脱落等で
減少したり、劣化するなどしても、帯電性の低下が生じ
ることが防止されて良好な帯電性が安定して維持され
る。
【0211】また、このようにトナーの帯電量の均一性
を促す為に、導電性微粉体の抵抗は、1×109Ωcm
以下が好ましい。導電性微粉体の抵抗が、1×109Ω
cmよりも大きいと導電性微粉体を帯電部材と像担持体
との当接部或いはその近傍の帯電領域に介在させ、接触
帯電部材の導電性微粉体を介しての像担持体への緻密な
接触性を維持させても、良好な帯電性を得るための帯電
促進効果が得られない。導電性微粉体の帯電促進効果を
十分に引き出し、良好な帯電性を安定して得るために
は、導電性微粉体の抵抗が、接触帯電部材の表面部或い
は像担持体との接触部の抵抗よりも小さいことが好まし
い。更に、導電性微粉体の抵抗が、1×10 6Ωcm以
下であることが、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナ
ーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体
の帯電をより良好に行なわせる上で好ましく良い。
【0212】本発明においては導電性微粉体のトナー全
体に対する含有量は、0.5〜10質量%であることが
好ましい。導電性微粉体のトナー全体に対する含有量が
0.5質量%よりも少ないと、接触帯電部材への絶縁性
の転写残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝
って像担持体の帯電を良好に行なわせるのに十分な量の
導電性微粉体を、帯電部材と像担持体との当接部或いは
その近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電性
が低下し帯電不良を生じる。また、含有量が10質量%
よりも多い場合では、現像兼クリーニングによって回収
される導電性微粉体が多くなりすぎることによる現像部
でのトナーの帯電能、現像性を低下させ、画像濃度低下
やトナー飛散を生ずる傾向がある。導電性微粉体のトナ
ー全体に対する含有量は、0.5〜5質量%であること
が好ましく良い。
【0213】導電性微粉体の粒径として具体的には、体
積平均粒径が0.1μm以上であり、トナーの重量平均粒
径よりも小さいことが好ましい。導電性微粉体の体積平
均粒径が小さいと、現像性の低下を防ぐために導電性微
粉体のトナー全体に対する含有量を小さく設定しなけれ
ばならない。導電性微粉体の体積平均粒径が0.1μm未
満では、導電性微粉体の有効量を確保できず、帯電工程
において、接触帯電部材への絶縁性の転写残トナーへの
付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電
を良好に行なわせるのに十分な量の導電性微粉体を帯電
部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電領域に
介在させることができず、帯電不良を生じ易くなる。
【0214】また、導電性微粉体の体積平均粒径がトナ
ーの重量平均粒径よりも大きいと、帯電部材から脱落し
た導電性微粉体は静電潜像を書き込む露光を遮光或いは
拡散し、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させるこ
とがある。更に、導電性微粉体の体積平均粒径が大きい
と、単位重量当りの粒子数が減少するため、帯電部材か
らの導電性微粉体の脱落等による減少、劣化を考慮して
導電性微粉体を帯電部材と像担持体との当接部或いはそ
の近傍の帯電領域に逐次に導電性微粉体が供給し続け介
在させるために、また、接触帯電部材が導電性微粉体を
介して像担持体への緻密な接触性を維持し良好な帯電性
を安定して得るためには、導電性微粉体のトナー全体に
対する含有量を大きくしなければならない。しかし、導
電性微粉体の含有量を大きくしすぎると、特に高湿環境
下でのトナー全体としての帯電能、現像性を低下させ、
画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。このような観点か
ら、導電性微粉体の体積平均粒径は好ましくは5μm以
下が良い。
【0215】また、導電性微粉体は、透明、白色或いは
淡色の導電性微粉体であることが、記録媒体上に転写さ
れる導電性微粉体がカブリとして目立たないため好まし
く良い。潜像形成工程における露光の妨げとならない意
味でも導電性微粉体は、透明、白色或いは淡色の導電性
微粉体であることがよく、より好ましくは、導電性微粉
体は、露光に対する透過率が30%以上であることが良
い。
【0216】本発明においては、導電性微粉体の光透過
性については以下の手順で測定することができる。片面
に接着層を有する透明のフィルムの導電性微粉体を一層
分固定した状態で透過率を測定する。光はシートの鉛直
方向から照射しフィルム背面に透過した光を集光し光量
を測定する。フィルムのみと導電性微粉体を付着したと
きの光量から正味の光量として導電性微粉体の透過率を
算出する。実際にはX−Rite社製310T透過型濃
度計を用いて測定することができる。
【0217】本発明における導電性微粉体の体積平均粒
径の測定には、コールター社製、LS−230型レーザ
ー回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取付
けて0.04〜2000μmの測定範囲で行う。測定法
としては、純水10ccに微量の界面活性剤を添加し、
これに導電性微粉体の試料10mgを加え、超音波分散
機(超音波ホモジナイザー )にて10分間分散した
後、測定時間90秒、測定回数1回で測定する。本発明
において、導電性微粉体の粒度の調整方法としては、導
電性微粉体の一次粒子が製造時において所望の粒度が得
られるように製造法、製造条件を設定する方法以外に
も、一次粒子の小さな粒子を凝集させる方法、一次粒子
の大きな粒子を粉砕する方法或いは分級による方法等が
可能であり、更には、所望の粒度の基材粒子(導電性微
粉体を調製するにあたり、導電性材料を付着あるいは固
定化する際に母体となる粒子)の表面の一部もしくは全
部に導電性微粉体を付着或いは固定化する方法、所望の
粒度の粒子に導電性成分が分散された形態を有する導電
性微粉体を用いる方法等も可能であり、これらの方法を
組み合わせて導電性微粉体の粒度を調整することも可能
である。導電性微粉体の粒子が凝集体として構成されて
いる場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径として
定義される。導電性微粉体は、1次粒子の状態で存在す
るばかりでなく2次粒子の凝集した状態で存在すること
も問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体とし
て帯電部材と像担持体との当接部或いはその近傍の帯電
領域に介在し、帯電補助或いは促進の機能が実現できれ
ばその形態は問わない。
【0218】本発明において、導電性微粉の抵抗測定
は、錠剤法により測定し正規化して求める。即ち、底面
積2.26cm2の円筒内に凡そ0.5gの粉体試料を
入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100V
の電圧を印加し抵抗値を計測、その後正規化して比抵抗
を算出する。
【0219】本発明における導電性微粉体としては、例
えばカーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉
体;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微
粉体;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化すず、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化タングステンなど
の金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウム、チタ
ン酸カリなどの金属化合物、あるいはこれらの複合酸化
物などが必要に応じて粒度及び粒度分布を調整すること
で使用できる。これらの中でも酸化亜鉛、酸化すず、酸
化チタン等の無機酸化物微粉体が特に好ましい。
【0220】また、導電性無機酸化物の抵抗値を制御す
る等の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素を
ドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粉
体なども使用できる。例えば酸化スズ・アンチモンで表
面処理された酸化チタン微粉体、アンチモンでドープさ
れた酸化第二スズ微粉体、あるいは酸化第二スズ微粉体
などである。
【0221】市販の酸化スズ・アンチモン処理された導
電性酸化チタン微粉体としては、例えばEC−300
(チタン工業株式会社)、ETー300、HJ−1、H
I−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテ
リアル株式会社)などが挙げられる。
【0222】市販のアンチモンドープの導電性酸化スズ
としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)や
SN−100P(石原産業株式会社)などが、また市販
の酸化第二スズとしては、SH−S(日本化学産業株式
会社)などが挙げられる。
【0223】また、本発明の磁性トナーは、クリーニン
グ性向上等の目的で、さらに一次粒径30nmを超える
(好ましくは比表面積が50m2/g未満)、より好ま
しくは一次粒径50nm以上(好ましくは比表面積が3
0m2/g未満)の無機又は有機の球状に近い微粒子を
さらに添加することも好ましい形態のひとつである。例
えば球状シリカ粒子、球状ポリメチルシルセスキオキサ
ン粒子、球状樹脂粒子等が好ましく用いられる。
【0224】本発明に用いられる磁性トナーには、実質
的な悪影響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えば
テフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポ
リフッ化ビニリデン粉末等の滑剤粉末、あるいは酸化セ
リウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉
末などの研磨剤、あるいは例えば酸化チタン粉末、酸化
アルミニウム粉末などの流動性付与剤、ケーキング防止
剤、また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像
性向上剤として少量用いる事もできる。これらの添加剤
も表面を疎水化処理して用いることも可能である。
【0225】本発明の磁性トナーは、選択現像性が良好
なだけでなく、カブリが少なく、転写性が高いために、
接触帯電工程を用いる画像形成方法に好適に用いられ、
さらにはクリーナレス画像形成方法にも用いる事が出
来、これらの使用形態もまた本発明の一部である。
【0226】接触帯電工程から構成される画像形成方法
においては、転写されずに帯電工程に移行するトナー、
即ち転写残トナーとカブリトナーの低減がキー技術であ
るが、このような性能を備えた本発明の磁性トナーを用
いることにより本発明の画像形成方法が達成される。
【0227】また、クリーナレスの画像形成方法におい
ては、転写残トナーが帯電工程をすり抜けて現像工程で
現像器内に回収されるが、このようなトナーは材料の分
散性などから帯電性の劣るものが多いため、耐久と共に
現像器内に蓄積されて画像特性が悪化しやすい。しかし
ながら本発明の磁性トナーは良好な画像特性を有するた
め、クリーナレスの画像形成方法に用いても長期に渡っ
て高画質を安定に維持できることから、この磁性トナー
を用いることにより本発明の画像形成方法が達成され
る。
【0228】以下に本発明の画像形成方法について説明
する。 <2>本発明の画像形成方法 本発明の画像形成方法は、帯電工程と、静電潜像形成工
程と、現像工程と、転写工程とを含むものであり、現像
工程におけるトナーを本発明の磁性トナーを用い、さら
に帯電工程は、像担持体と当接部を形成して接触する接
触帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電
させる工程である。
【0229】次に、本発明の画像形成方法の実施形態を
図に沿って詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。
【0230】図2において、像担持体としての感光体1
00の周囲に、接触帯電部材である一次帯電ローラ11
7、現像器140、転写ローラ114、クリーナ11
6、レジスタローラ124等が設けられている。そして
感光体100は、一次帯電ローラ117によって−70
0Vに帯電される。(印加電圧は交流電圧−2.0kV
pp(Vpp:ピーク間電位)、直流電圧−700Vd
c)そして、レーザビームスキャナ121によりレーザ
光123を感光体100に照射する事によって露光され
る。感光体100上の静電潜像は現像器140によって
一成分磁性トナーで現像され、記録媒体を介して感光体
に当接された転写ローラ114により記録媒体上へ転写
される。トナー像をのせた記録媒体Pは、搬送ベルト1
25等により定着器126へ運ばれ記録媒体P上に定着
される。また、一部感光体上に残されたトナーはクリー
ナ116によりクリーニングされる。現像器140は、
図3に示すように感光体100に近接して、アルミニウ
ム、ステンレス等非磁性金属で作られた円筒状のトナー
担持体102(以下、「現像スリーブ」ともいう)が配
設され、感光体100と現像スリーブ102との間隙
は、図示されないスリーブ/感光体間隙保持部材等によ
り約230μmに維持されている。この間隙は、必要に
より替えることは可能である。現像スリーブ102内に
はマグネットローラ104が、現像スリーブ102と同
心的に固定、配設されている。但し、現像スリーブ10
2は回転可能である。マグネットローラ104には図示
の如く複数の磁極が具備されており、S1は現像、N1
はトナーコート量規制、S2はトナーの取り込み/搬
送、N2はトナーの吹き出し防止に影響している。現像
スリーブ102に付着して搬送される磁性トナー量を規
制する部材として、弾性ブレード103が配設され、弾
性ブレード103の現像スリーブ102に対する当接圧
により現像領域に搬送されるトナー量が制御される。現
像領域では、感光体100と現像スリーブ102との間
に直流電圧及び交流電圧の現像バイアスが印加され、現
像スリーブ102上トナーは静電潜像に応じて感光体1
00上に飛翔し可視像となる。
【0231】本発明の画像形成方法において、現像工程
は、トナー像を転写材上に転写した後に感光体に残留し
たトナーを回収するクリーニング工程を兼ねる現像兼ク
リーニング工程あるいはクリーナレス工程を有する画像
形成方法であっても好ましい。
【0232】さらに、現像兼クリーニング画像形成方法
あるいはクリーナレス画像形成方法において、現像工程
はトナーによって像担持体上の静電潜像を現像する工程
であり、帯電工程は像担持体と当接部を形成して接触す
る帯電部材に電圧を印加することにより像担持体を帯電
する工程であり、且つ少なくとも帯電部材と像担持体と
の当接部及び/又はその近傍に、本発明の磁性トナー中
に含まれる導電性微粉体が現像工程で像担持体に付着
し、転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介
在している画像形成方法であることが好ましい。本発明
の画像形成方法における帯電工程は、被帯電体であり像
担持体でもある感光体に、図2における上記一次帯電ロ
ーラであるローラ型(帯電ローラ)の他に、ファーブラ
シ型、磁気ブラシ型、ブレード型(帯電ブレード)等の
導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)と当接
部を形成して接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電
バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電
させる接触帯電装置を用いることができる。これらの接
触帯電部材も、高電圧が不要になったり、オゾンの発生
が低減するといった効果がある。
【0233】上記図2のように帯電ローラを用いたとき
の好ましいプロセス条件として、ローラの当接圧が4.
9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧
あるいは直流電圧に交流電圧を重畳したものが用いられ
る。直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いる場合
は、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50
〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVが好まし
い。
【0234】このときの交流電圧は、2×Vth(Vt
h:直流電圧印加における放電開始電圧)(V)未満の
ピーク電圧を有するものであるのが好ましい。
【0235】直流電圧に印加される交流電圧のピーク電
圧が、2×Vth未満でないと、像担持体上の電位が不
安定となることがあり好ましくない。直流電圧に交流電
圧を重畳されたバイアスを印加する際の交流電圧とし
て、より好ましくはVth未満のピーク電圧を有するも
のである。それにより、実質的な放電現象を伴うことな
く、像担持体を帯電させることができる。帯電工程にお
いて用いられる交流電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交流電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0236】また、本発明の画像形成方法、特にクリー
ナレス画像形成方法においては、帯電部材が、帯電部材
と像担持体との間に導電性微粉体を介在させる当接部を
設ける上で弾性を有することが好ましく、帯電部材に電
圧を印加することにより像担持体を帯電するために導電
性であることが好ましい。従って、帯電部材は導電性弾
性ローラ、磁性粒子を磁気拘束させた磁気ブラシ部を有
し該磁気ブラシ部を感光体に接触させた磁気ブラシ接触
帯電部材或いは導電性繊維から構成されるブラシである
ことが好ましく良い。
【0237】本発明において、接触帯電部材として用い
る導電性弾性のローラ部材の硬度は、アスカーC硬度が
50度以下であることが好ましい。硬度が低すぎると形
状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、
更に、帯電部材と像担持体との当接部に導電性微粉体を
介在させることでローラ部材表層を削り或いは傷つけ、
安定した帯電性が得られない。また、硬度が高すぎると
被帯電体との間に帯電当接部を確保できないだけでな
く、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなる。さら
には、アスカーC硬度で25〜50度が好ましい範囲で
ある。
【0238】ローラ部材は、弾性を持たせて被帯電体と
の十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を
充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能するこ
とが重要である。一方では被帯電体にピンホールなどの
欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要
がある。被帯電体として感光体を用いた場合、十分な帯
電性と耐リークを得るには、体積抵抗値が1×103
1×108Ωcmの抵抗であることが良く、より好まし
くは体積抵抗値が1×104〜1×107Ωcmであるこ
とが良い。
【0239】ローラ部材の体積抵抗値は、ローラの芯金
に総圧1kgの加重がかかるよう直径30mmの円筒状
アルミドラムにローラを圧着した状態で、芯金とアルミ
ドラムとの間に100Vを印加し、計測することにより
測定できる。
【0240】本発明におけるローラ部材は、例えば、芯
金上に可撓性部材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗
層を形成することにより作成され得る。中抵抗層は樹脂
(例えばウレタン)、導電性粒子(例えばカーボンブラ
ック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上に
ローラ状に形成する。その後必要に応じて切削、表面を
研磨して形状を整えローラ部材を作成することができ
る。該ローラ部材表面は導電性微粉体を介在させるため
に微少なセルまたは凹凸を有していることが好ましい。
【0241】このセルは、球形換算での平均セル径が5
〜300μmである窪みを有しており、上記窪みを空隙
部としたローラ部材の表面の空隙率は15〜90%であ
るのが好ましい。
【0242】ローラ部材の表面の平均セル径が5μmよ
り小さい場合は、導電性微粉体の供給が不足し、300
μmを越える場合は、導電性微粉体の供給が過剰とな
り、いずれも像担持体の帯電電位が不均一となり好まし
くない。また、空隙率が15%より少ないと、導電性微
粉体の供給が不足し、90%を越えると導電性微粉体の
供給が過剰となり、いずれも像担持体の帯電電位が不均
一となることから好ましくない。ローラ部材の材質とし
ては、弾性発泡体に限定するものでは無く、弾性体の材
料として、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン
(EPDM)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリル
ゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等
に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の
導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させ
たものがあげられる。また、導電性粒子を分散せずに、
或いは導電性粒子と併用してイオン導電性の材料を用い
て抵抗調整をすることも可能である。
【0243】また、ローラ部材に用いられる芯金として
は、アルミニウム、SUS等が挙げられる。ローラ部材
は、像担持体としての被帯電体に対して弾性に抗して所
定の押圧力で圧接させて配設し、ローラ部材と像担持体
の当接部である帯電当接部を形成させる。この帯電当接
部幅は特に制限されるものではないが、ローラ部材と像
担持体の安定して密な密着性を得るため1mm以上、よ
り好ましくは2mm以上が良い。
【0244】また、接触帯電部材としてのブラシ部材と
しては、一般に用いられている繊維に導電材を分散させ
て抵抗調整された帯電ブラシが挙げられる。繊維として
は、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えば
ナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポ
リエステル等が挙げられる。導電材としては、一般に知
られている導電材が使用可能であり、例えば、ニッケ
ル、鉄、アルミニウム、金、銀等の導電性金属或いは酸
化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタ
ン等の導電性金属の酸化物、更にはカーボンブラック等
の導電粉が挙げられる。なおこれら導電材は必要に応じ
疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよ
い。使用に際しては、繊維との分散性や生産性を考慮し
て選択して用いる。
【0245】接触帯電部材として帯電ブラシを用いる場
合には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロ
ール状帯電ブラシとしては、例えば、導電性繊維をパイ
ル地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き
付けてロールブラシとすることができる。導電性繊維
は、繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜50
0μm程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブ
ラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方
メートル当たり1.5×107〜4.5×108本程度)
のものが好ましく用いられる。
【0246】帯電ブラシは、極力ブラシ密度の高い物を
使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の
微細な繊維から作ることも好ましく良い。例えば、30
0デニール/50フィラメントのように300デニール
の微細な繊維を50本束ねて1本の繊維として植毛する
ことも可能である。しかしながら、本発明においては、
直接注入帯電の帯電ポイントを決定しているのは、主に
は帯電部材と像担持体との帯電当接部及びその近傍の導
電性微粉体の介在密度に依存しているため、帯電部材の
選択の範囲は広められている。
【0247】帯電ブラシに用いられる芯金としては、帯
電ローラ部材に用いられるものと同様のものが挙げられ
る。
【0248】帯電ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、東レ(株)製のS
A−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製
のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レーヨン
にカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のロ
ーバル等があるが、環境安定性の点でREC−B、RE
C−C、REC−M1、REC−M10が特に好ましく
挙げられる。
【0249】また、接触帯電部材が可撓性を有している
ことが、接触帯電部材と像担持体の当接部において導電
性微粉体が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接
触性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点
で好ましく良い。つまり、接触帯電部材が導電性微粉体
を介して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担
持体の当接部に存在する導電性微粉体が像担持体表面を
隙間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体
の帯電は帯電促進粒子の存在により放電現象を用いない
安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、従来のロ
ーラ帯電等では得られない高い帯電効率が得られ、接触
帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位を像担持体に
与えることができる。
【0250】更に、当接部を形成する帯電部材の表面の
移動速度と像担持体の表面の移動速度には、相対速度差
を設けることで、接触帯電部材と像担持体の当接部にお
いて導電性微粉体が像担持体に接触する機会を格段に増
加させ、より高い接触性を得ることができ、直接注入帯
電性を向上させる点で好ましく良い。
【0251】接触帯電部材と像担持体との当接部に導電
性微粉体を介在させることにより、導電性微粉体の潤滑
効果(摩擦低減効果)により、接触帯電部材と像担持体
との間に大幅なトルクの増大及び接触帯電部材及び像担
持体表面の顕著な削れ等を伴うことなく速度差を設ける
ことが可能となる。
【0252】帯電部に持ち運ばれる像担持体上の転写残
トナーを接触帯電部材に一時的に回収し均すために、接
触帯電部材と像担持体は、当接部において互いに逆方向
に移動させることが好ましく良い。例えば、接触帯電部
材を回転駆動し、さらに、その回転方向は、当接部にお
いて像担持体表面の移動方向とは逆方向に回転するよう
に構成することが望ましい。即ち、逆方向回転で像担持
体上の転写残トナーを一旦引き離し帯電を行なうことに
より、優位に直接注入帯電を行なうことが可能である。
【0253】帯電部材を像担持体表面の移動方向と同じ
方向に移動させて速度差をもたせることも可能である
が、直接注入帯電の帯電性は像担持体の周速と帯電部材
の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得る
には順方向では帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて
大きくなるので、帯電部材を逆方向に移動させる方が回
転数の点で有利である。
【0254】速度差を設ける構成としては、接触帯電部
材を回転駆動して像担持体と該接触帯電部材に速度差を
設けることができる。ここで記述した周速比は、下式
(13)で表せる。
【0255】
【数10】(13) 周速比(%)=(帯電部材周速/像担持体周速)×100 像担持体上の転写残トナーを一時的に回収するとともに
導電性微粉体を担持し直接注入帯電を優位に実行する上
でも、接触帯電部材として先述したような可撓性部材で
ある導電性弾性のローラ部材或いは回動可能な帯電ブラ
シロールを用いることが好ましい。
【0256】像担持体と接触帯電部材との当接部におけ
る導電性微粉の介在量は、少なすぎると、該粒子によ
る潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触帯電部材
との摩擦が大きくて接触帯電部材を像担持体に対して速
度差を持って回転駆動させることが困難である。つま
り、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させると接
触帯電部材や像担持体の表面が削れてしまう。更に導電
性微粉体による接触機会増加の効果が得られないことも
あり十分な帯電性能が得られない。一方、介在量が多過
ぎると、導電性微粉体の接触帯電部材からの脱落が著し
く増加し作像上に悪影響が出る。
【0257】以上のことより、帯電部材と像担持体との
当接部における導電性微粉体の介在量は103個/mm2
以上が好ましく、より好ましくは104個/mm2以上が
良い。103個/mm2より低いと十分な潤滑効果と接触
機会増加の効果が得られず帯電性能の低下が生じる傾向
がある。104個/mm2より低いと転写残トナーが多い
場合に帯電性能の低下が生じる傾向がある。帯電当接部
での導電性微粉体の介在量及び潜像形成工程での像担持
体上の導電性微粉体の存在量の測定方法について述べ
る。導電性微粉体の介在量は接触帯電部材と像担持体の
接触面部を直接測ることが望ましいが、当接部を形成す
る接触帯電部材の表面と像担持体の表面には速度差を設
けている場合、接触帯電部材に接触する前に像担持体上
に存在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触する
帯電部材に剥ぎ取られることから、本発明では接触面部
に到達する直前の接触帯電部材表面の粒子量をもって介
在量とする。
【0258】具体的には、帯電バイアスを印加しない状
態で像担持体及び導電性弾性のローラ部材の回転を停止
し、像担持体及び導電性弾性のローラ部材の表面をビデ
オマイクロスコープ(OLYMPUS製OVM1000
N)及びデジタルスチルレコーダ(DELTIS製SR
−3100)で撮影する。導電性弾性のローラ部材につ
いては、導電性弾性のローラ部材を像担持体に当接する
のと同じ条件でスライドガラスに当接し、スライドガラ
スの背面からビデオマイクロスコープにて接触面を10
00倍の対物レンズで10箇所以上撮影する。得られた
デジタル画像から個々の粒子を領域分離するため、ある
閾値を持って2値化処理し、粒子の存在する領域の数を
所望の画像処理ソフトを用いて計測する。また、像担持
体上の存在量についても像担持体上を同様のビデオマイ
クロスコープにて撮影し同様の処理を行い計測する。
【0259】本発明の画像形成方法において、感光体は
光導電性物質を利用したものであり、表面層を有するも
のであることが好ましい。例えば、セレン、アモルファ
スシリコンなどの無機感光体の上に樹脂を主体とした保
護膜を設ける場合、又は機能分離型有機像担持体の電荷
輸送層として、電荷輸送物質と樹脂からなる表面層をも
つ場合、さらにその上に上記のような保護層を設ける場
合等がある。このような表面層に離型性を付与する手段
としては、 膜を構成する樹脂自体に表面エネルギーの低いものを
用いる、 撥水、親油性を付与するような添加剤を加える、 高い離型性を有する材料を粉体状にして分散する、な
どが挙げられる。の例としては、樹脂の構造中にフッ
素含有基、シリコーン含有基等を導入することにより達
成する。としては、界面活性剤等を添加剤とすればよ
い。としては、フッ素原子を含む化合物、すなわちポ
リ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化カ
ーボン等が挙げらる。
【0260】これらの手段によって感光体表面の水に対
する接触角を85度以上とすることができ、トナーの転
写性及び感光体の耐久性を一層向上させることができ
る。好ましくは水に対する接触角は90度以上がよい。
【0261】これらの手段の中でも、の含フッ素樹脂
などの離型性粉体を最表面層への分散させる方法が好適
であり、特にポリ4フッ化エチレンを用いることが好適
である。
【0262】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最上層に該粉体を分散させれば良い。添加量
は、表面層総重量に対して、1〜60質量%、さらに
は、2〜50質量%が好ましい。1質量%より少ないと
トナーの転写性及び感光体の耐久性改善の効果が不十分
であり、60質量%を越えると膜の強度が低下したり、
感光体への入射光量が著しく低下したりするため、好ま
しくない。
【0263】接触角の測定は、滴下式の接触角計(例え
ば、協和界面科学(株)の接触角計CA−X型)を用い
て水の自由表面が感光体に接する場所で、液面と感光体
表面のなす角(液の内部にある角)で定義する。
【0264】なお、上記測定は室温(約21〜25℃)
で行われるものとする。後述の実施例においても同様に
測定した。本発明の画像形成方法は、帯電手段が帯電部
材を感光体に当接させる直接帯電法であり、オゾンの発
生が少ない点で好ましいが、 帯電手段が感光体に接す
ることのないコロナ放電等による方法にくらべて感光体
表面に対する負荷が大きいので、上記の構成は感光体寿
命という点で改善効果が顕著であり、好ましい適用形態
のひとつである。
【0265】本発明に用いられる感光体のさらに好まし
い態様のひとつを以下に説明する。
【0266】本発明において、感光体の最表面層の体積
抵抗値は、1×109〜1×1014Ωcmであることに
より、より良好な帯電性を与えることができ好ましい。
電荷の直接注入による帯電方式においては、被帯電体で
ある感光体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷の
授受が行えるようになる。このためには、最表面層の体
積抵抗値としては1×1014Ωcm以下であることが好
ましく良い。一方、像担持体として静電潜像を一定時間
保持する必要するためには、最表面層の体積抵抗値とし
ては1×109Ωcm以上であることが好ましく良い。
【0267】更に、感光体の最表面層の体積抵抗値が1
×109〜1×1014Ωcmであることにより、プロセ
ススピードの速い装置においても、十分な帯電性を与え
ることができより好ましい。
【0268】導電性基体としては、アルミニウム、ステ
ンレス等の金属、アルミニウム合金、酸化インジウム−
酸化錫合金等による被膜層を有するプラスチック、導電
性粒子を含侵させた紙、プラスチック、導電性ポリマー
を有するプラスチック等の円筒状シリンダー及びフィル
ムが用いられる。
【0269】これら導電性基体上には、感光層の接着性
向上・塗工性改良・基体の保護・基体上に欠陥の被覆・
基体からの電荷注入性改良・感光層の電気的破壊に対す
る保護等を目的として下引き層を設けても良い。下引き
層は、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダ
ゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メ
チルセルロース、ニトロセルロース、エチレン−アクリ
ル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂、カゼイン、ポリアミド、共重合ナイロン、ニカワ、
ゼラチン、ポリウレタン、酸化アルミニウム等の材料に
よって形成される。その膜圧は通常0.1〜10μm、
好ましくは0.1〜3μm程度である。
【0270】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素、セレン、
非晶質シリコン等の無機物質などの電荷発生物質を適当
な結着剤に分散し塗工するあるいは蒸着等により形成さ
れる。結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から選択で
き、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、シリコ
ン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂等が挙げられ
る。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80質量%
以下、好ましくは0〜40質量%である。また、電荷発
生層の膜圧は5μm以下、特には0.05〜2μmが好
ましい。
【0271】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜圧は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン、フェナントレンなどの構造を有
する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オ
キサジアゾール、ピラゾリンなどの含窒素環式化合物、
ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、セレン、セレン−
テルル、非晶質シリコン、硫化カドニウム等が挙げられ
る。また、これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂と
しては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリル
樹脂、ポリアミド樹脂等の樹脂、ポリ−N−ビニルカル
バゾール、ポリビニルアントラセン等の有機光導電性ポ
リマー等が挙げられる。
【0272】また表面層として、保護層を設けてもよ
い。保護層の樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボ
ネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤等が単独あるいは2
種以上組み合わされて用いられる。
【0273】また、体積抵抗値を調整するために保護層
の樹脂中に導電粒子を分散してもよい。導電粒子の例と
しては、金属、金属酸化物等が挙げられ、好ましくは、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸
化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜酸化チタ
ン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜酸化ス
ズ、酸化ジルコニウム等の超微粒子がある。これらは単
独で用いても2種以上を混合して用いても良い。一般的
に保護層に導電粒子を分散させる場合、分散粒子による
入射光の散乱を防ぐために入射光の波長よりも粒子の粒
径の方が小さいことが必要であり、本発明における保護
層に分散される導電粒子の粒径としては0.5μm以下
であることが好ましい。また、保護層中での含有量は、
保護層総重量に対して2〜90質量%が好ましく、5〜
80質量%がより好ましい。保護層の膜厚は、0.1〜
10μmが好ましく、1〜7μmがより好ましい。
【0274】表面層の塗工は、樹脂分散液をスプレーコ
ーティング、ビームコーティングあるいは浸透(ディッ
ピング)コーティングすることによって行うことができ
る。
【0275】なお、本発明における像担持体の最表面層
の体積抵抗値の測定方法は、表面に金を蒸着させたポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に像担持
体の最表面層と同様の組成からなる層を作成し、これを
体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製414
0B pA MATER)にて、23℃、65%の環境で
100Vの電圧を印加して測定する方法が挙げられる。
次に、本発明の画像形成方法において好ましく適用され
る接触転写工程について具体的に説明する。本発明にお
いて、像担持体からトナー像の転写を受ける記録媒体は
転写ドラム等の中間転写体であってもよい。記録媒体を
中間転写体とする場合、中間転写体から紙などの転写材
に再度転写することでトナー像が得られる。
【0276】接触転写工程とは、感光体が記録媒体を介
して転写部材と当接しながらトナー像を記録媒体に静電
転写するものであるが、転写部材の当接圧力としては線
圧2.9N/m(3g/cm)以上であることが好まし
く、より好ましくは19.6N/m(20g/cm)以
上である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3g
/cm)未満であると、記録媒体の搬送ずれや転写不良
の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0277】また、接触転写工程における転写部材とし
ては、転写ローラあるいは転写ベルト等が使用される。
図1に転写ローラの構成の一例を示す。転写ローラ34
は少なくとも芯金34aと導電性弾性層34bからな
り、導電性弾性層34bはカーボン等の導電材を分散さ
せたウレタンやエピクロルヒドリンゴム等の、体積抵抗
106〜1010Ωcm程度の弾性体で作られており、転
写バイアス電源35により転写バイアスが印加されてい
る。
【0278】本発明における接触転写方法は、感光体の
表面が有機化合物である画像形成装置において特に有効
である。即ち、有機化合物が感光体の表面層を形成して
いる場合には、無機材料を用いた他の感光体よりもトナ
ー粒子に含まれる結着樹脂との接着性が強く、転写性が
より低下する傾向にあるためである。
【0279】また、本発明における接触転写方法を適用
する場合、有機化合物として使用される感光体の表面物
質としては、たとえばシリコーン樹脂、塩化ビニリデ
ン、エチレン−塩化ビニル、スチレン−アクリロニトリ
ル、スチレン−メチルメタクリレート、スチレン、ポリ
エチレンテレフタレートおよびポリカーボネート等が挙
げられるが、これらに限定されることはなく他のモノマ
ーあるいは前述の結着樹脂間での共重合体およびブレン
ド体等も使用することができる。
【0280】また、接触転写方法を適用した本発明の画
像形成方法は、直径が50mm以下の小径の感光体を有
する画像形成装置に対し特に有効に用いられる。即ち、
小径感光体の場合には、同一の線圧に対する曲率が大き
く、当接部における圧力の集中が起こりやすいためであ
る。ベルト感光体でも同一の現象があると考えられる
が、本発明は、転写部での曲率半径が25mm以下の画
像形成装置に対しても有効である。
【0281】また本発明の画像形成方法においては、カ
ブリの無い高画質を得るために磁性トナー担持体上に磁
性トナー担持体−感光体の最近接距離(S−D間)より
も小さい層厚で、磁性トナーを塗布し、交流電圧を印加
して現像を行う現像工程で現像される。すなわち、磁性
トナー担持体上の磁性トナーを規制する層圧規制部材に
よって磁性トナー担持体上のトナー層厚よりも感光体と
磁性トナー担持体の最近接間隙が広くなるように設定し
て用いるが、磁性トナー担持体上の磁性トナーを規制す
る層圧規制部材が磁性トナーを介して磁性トナー担持体
に当接されている弾性部材によって規制される事が磁性
トナーを均一帯電させる観点から特に好ましい。
【0282】上記のことから、磁性トナー担持体上に5
〜50g/m2のトナー層を形成することが好ましく良
い。磁性トナー担持体上のトナー量が5g/m2よりも
小さいと、十分な画像濃度が得られにくく、トナーの帯
電が過剰になることによるトナー層のムラを生じる。磁
性トナー担持体上のトナー量が50g/m2よりも多く
なると、トナー飛散を生じ易くなる。本発明に使用され
る磁性トナー担持体は、アルミニウム、ステンレススチ
ール等の金属又は合金で形成された導電性円筒(現像ロ
ーラ)が好ましく使用される。充分な機械的強度及び導
電性を有する樹脂組成物で導電性円筒が形成されていて
も良く、導電性のゴムローラを用いても良い。また、上
記のような円筒状に限られず、回転駆動する無端ベルト
の形態をしても良い。
【0283】また、本発明に使用される磁性トナー担持
体の表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2
〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが0.
2μm未満では磁性トナー担持体上の帯電量が高くな
り、現像性が不充分となる傾向がある。Raが3.5μ
mを超えると、磁性トナー担持体上のトナーコート層に
むらが生じ、画像上で濃度むらとなる傾向がある。さら
に好ましくは、0.5〜3.0μmの範囲にあることが
好ましい。
【0284】本発明において、磁性トナー担持体の表面
粗度Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」
に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30
H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心
線平均粗さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその
中心線の方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜
き取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方
向をY軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式
(14)によって求められる値をミクロメートル(μ
m)で表したものを言う。
【0285】
【数11】 本発明における磁性トナー担持体の表面粗度(Ra)を
上記範囲にするには、例えば、トナー担持体の表層の研
磨状態を変える、あるいは球状炭素粒子、カーボン微粒
子、グラファイト等を添加することにより可能となる。
さらに、本発明の磁性トナーは高い帯電能力を有するた
めに、現像に際してはトナーの総帯電量をコントロール
することが望ましく、本発明に係わる磁性トナー担持体
の表面は導電性微粒子及び/又は滑剤を分散した樹脂層
で被覆されていることが好ましい。
【0286】磁性トナー担持体の被覆層に含まれる導電
性微粒子は、11.7Mpa(120kg/cm2)で
加圧した後の抵抗値が0.5Ωcm以下であるものが好
ましい。導電性微粒子としては、カーボン微粒子、カー
ボン微粒子と結晶性グラファイトとの混合物、または結
晶性グラファイトが好ましい。導電性微粒子は、粒径
0.005〜10μmを有するものが好ましい。
【0287】樹脂層に用いる樹脂としては、例えば、ス
チレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド
樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、ア
クリル系樹脂の如き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹
脂、ポリイミド樹脂の如き熱硬化性樹脂あるいは光硬化
性樹脂を使用することができる。
【0288】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、あるいはポリエーテルスルホン、
ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリア
ミド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、
スチレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより
好ましい。特に、フェノール樹脂が好ましい。
【0289】導電性微粒子は、樹脂成分10質量部当
り、3〜20質量部使用するのが好ましい。
【0290】カーボン微粒子とグラファイト粒子を組み
合わせて使用する場合は、グラファイト10質量部当
り、カーボン微粒子1〜50質量部を使用するのが好ま
しい。
【0291】導電性微粒子が分散されてる磁性トナー担
持体の樹脂層の体積抵抗率は10-6〜106Ωcmが好
ましい。
【0292】また本発明においては、磁性トナーを担持
する磁性トナー担持体表面は、像担持体表面の移動方向
と同方向に移動していてもよいし、逆方向に移動してい
てもよい。その移動方向が同方向である場合像担持体の
移動速度に対して、比で100%以上であることが望ま
しい。100%未満であると、画像品質が悪くなりやす
い。移動速度比が高まれば高まるほど、現像部位に供給
されるトナーの量は多く、潜像に対しトナーの脱着頻度
が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要な部分には
付与されるという繰り返しにより、潜像に忠実な画像が
得られる。具体的には、磁性トナー担持体表面の移動速
度が像担持体表面の移動速度に対し、1.05〜3.0
倍の速度であることが好ましい。
【0293】また、磁性トナー担持体は像担持体に対し
て100〜1000μmの間隔を有して対向して設置さ
れることが好ましく良い。トナー担持体の像担持体に対
する間隔が100μmよりも小さいと、間隔の振れに対
するトナーの現像特性の変化が大きくなるため、安定し
た画像性を満足する画像形成装置を量産することが困難
となる。磁性トナー担持体の像担持体に対する間隔が1
000μmよりも大きいと、像担持体上の潜像に対する
磁性トナーの追従性が低下するために、解像性の低下、
画像濃度の低下等の画質低下を招く傾向がある。好まし
くは120〜500μmが良い。
【0294】本発明の画像形成方法において、現像工程
は磁性トナー担持体に対して交番電界を現像バイアスと
して印加して、感光体の静電潜像にトナーを転移させて
トナー像を形成する工程であることが好ましく、印加現
像バイアスは直流電圧に交番電界を重畳した電圧でもよ
い。
【0295】交番電界の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交番電界の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0296】トナーを担持をする磁性トナー担持体と像
担持体との間に、少なくともピークトゥーピークの電界
強度で3×106〜10×106V/m、周波数500〜
5000Hzの交番電界を現像バイアスとして印加する
ことが好ましく良い。
【0297】本発明においては、像担持体の帯電面に静
電潜像を形成する静電潜像形成工程が、像露光手段によ
り行われることが好ましい。静電潜像形成のための画像
露光手段としては、デジタル的な潜像を形成するレーザ
走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナロ
グ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わな
いし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合
わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形
成できるものであるなら構わない。<3>本発明のプロ
セスカートリッジまた、本発明は、感光体上に形成され
た静電潜像をトナーを転移させて可視化してトナー像を
形成し、該トナー像を転写材に転写することにより画像
を形成する、本発明の画像形成方法が用いられる画像形
成装置から着脱可能に構成されているプロセスカートリ
ッジであり、感光体と、帯電手段と、現像手段とから選
ばれる少なくとも2つ以上は一体に支持され、トナー
は、本発明の磁性トナーであることを特徴とするプロセ
スカートリッジである。
【0298】また、感光体、帯電手段、現像手段は、本
発明の画像形成方法で用いられるものがそれぞれ使用で
きる。
【0299】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもので
はない。尚、以下の配合における部数は全て質量部であ
る。 <1>磁性粉体の製造 以下のようにして、表面処理磁性粉体1〜13と磁性粉
体1'を得た。 <磁性粉体1の製造>硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオン
に対してl.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合
し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をp
H9に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90℃で
酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製し
た。次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性
ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量と
なるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をp
H8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすす
め、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄し
た後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、
含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次
に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再
分散させた後、再分散液のpHを約6に調製し、十分攪
拌しながらn-ヘキシルトリメトキシシランカップリング
剤を磁性酸化鉄に対し1.50質量部、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランカップリング剤を0.
50質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量
を引いた値として計算した)添加し、カップリング処理
を行った。生成した疎水性磁性粉体を常法により洗浄、
濾過、乾燥し、得られた粒子を十分解砕処理し、表面処
理磁性粉体1を得た。得られた磁性粉体1の物性を表1
に示す。 <磁性粉体2の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤
1.50質量部をn−デシルトリメトキシシランカップ
リング剤0.75質量部とし、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランを1.25質量部とした事以外
は表面処理磁性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体
2を製造した。得られた磁性粉体2の物性を表1に示
す。 <磁性粉体3の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を
1.00質量部とし、γ-メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシランカップリング剤1.25質量部をフェニ
ルトリメトキシシランカップリング剤1.00質量部と
した事以外は表面処理磁性粉体1と同様にして、表面処
理磁性粉体3を製造した。得られた磁性粉体3の物性を
表1に示す。 <磁性粉体4の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤
1.50質量部を1.00質量部とした事以外は表面処
理磁性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体4を製造
した。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体5の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤
1.50質量部を0.50質量部とした事以外は表面処
理磁性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体5を製造
した。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体6の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤
1.50質量部を0.25質量部とした事以外は表面処
理磁性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体6を製造
した。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体7の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、処理剤をγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランのみとし、添加量を0.5質量部とした事以外は
表面処理磁性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体7
を製造した。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体8の製造>表面処理磁性粉体1の製造におい
て、処理剤をγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランのみとし、添加量を5.00質量部とした事以外
は表面処理磁性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体
8を製造した。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体9の製造>表面処理磁性粉体1の製造と同様
に酸化反応を進め、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粉
体を洗浄、濾過後、乾燥を行った。その後、得られた磁
性酸化鉄に対し、n−ヘキシルトリメトキシシランカッ
プリング剤1.00質量部、フェニルトリメトキシシラ
ンカップリング剤1.00質量部を用い、気相中にて表
面処理を行った。その後、凝集している粒子を粉砕処理
し、表面処理磁性粉体9を得た。得られた磁性粉体の物
性を表1に示す。 <磁性粉体10の製造>磁性酸化鉄粉体の合成時の硫酸
第一鉄水溶液量を増やし、空気の吹き込み量を減少さ
せ、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を
1.80質量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランを0.60質量部とした事以外は表面処理磁
性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体10を製造し
た。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体11の製造>表面処理磁性粉体1の製造にお
いて、添加する苛性ソーダ溶液の量及び反応条件を調整
した、n−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤
を0.90質量部、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを0.30質量部とし事以外は表面処理磁
性粉体1と同様にして、表面処理磁性粉体11を製造し
た。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体12の製造>表面処理磁性粉体1の製造と同
様に、酸化反応を進め、酸化反応終了後に生成した磁性
酸化鉄粉体を洗浄、濾過、乾燥し、凝集している粒子を
十分に解砕処理し磁性粉体を得た。この磁性粉体100
質量部を、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン5.0質量部を含むトルエン溶液に分散させ、10
0℃で3時間熱処理を行うと共に乾燥した。その後、凝
集している粒子を十分に解砕処理し、表面磁性粉体12
を得た。得られた磁性粉体の物性を表1に示す。 <磁性粉体1'の製造>表面処理磁性粉体1の製造と同
様に酸化反応を進め、酸化反応終了後に生成した磁性酸
化鉄粉体を洗浄、濾過、乾燥し、凝集している粒子を十
分に解砕処理し、磁性粉体1'を得た。得られた磁性粉
体の物性を表1に示す。
【0300】
【表1】 <2>導電性微粉体 <導電性微粉体1>体積平均粒径3.8μm、粒度分布
における0.5μm以下が5.3体積%、5μm以上が
8個数%の微粒子酸化亜鉛(抵抗80Ωcm、一次粒子
径0.1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子を圧力により
造粒した得られた物、白色)を風力分級して得られた、
体積平均粒径2.4μm、粒度分布における0.5μm
以下が3.8体積%、5μm以上が0個数%の微粒子酸
化亜鉛(抵抗1500Ωcm)を導電性微粉体1とす
る。
【0301】この導電性微粉体1は、走査型電子顕微鏡
にて3000倍及び3万倍で観察したところ、0.1〜
0.3μmの酸化亜鉛一次粒子と1〜5μmの凝集体か
らなっていた。
【0302】後述する実施例1の画像形成装置で画像露
光に用いられるレーザビームスキャナの露光光波長74
0nmにあわせて、波長740nmの光源を用いて、こ
の波長域における透過率をX−Rite社製310T透
過型濃度計を用い測定したところ、この導電性微粉体1
の透過率はおよそ35%であった。 <導電性微粉体2>酸化スズ、アンチモンで表面処理さ
れた体積平均粒径2.8μmのホウ酸アルミニウムを風
力分級によって粗粒子を除いた後に、水系に分散しての
濾過を繰り返し行うことで微粒子を除き、体積平均粒径
3.5μm、粒度分布における0.5μm以下が0.4
体積%、5μm以上が1個数%の灰白色の導電性微粉体
2を得た(抵抗40Ωcm)。これを導電性微粉体2と
する。 <3>磁性トナーの製造 <磁性トナー1の製造>イオン交換水720質量部に
0.1M−Na3PO4水溶液450質量部、1N塩酸を
19質量部投入し60℃に加温した後、1.0M−Ca
Cl2水溶液67.7質量部を添加してCa3(PO42
を含むpH=5.3の水系媒体を得た。 ・スチレン 78質量部 ・n−ブチルアクリレート 22質量部 ・不飽和ポリエステル樹脂 6質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 1質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物)1質量部 ・表面処理磁性粉体1 80質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に
加温し、そこにエステルワックス(DSCにおける最大吸
熱ピーク72℃)10質量部を添加混合溶解し、これに
重合開始剤2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)5質量部を溶解した。
【0303】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、80℃で8時間反応させた。反応終了後、懸濁液
を冷却し、塩酸を加えてpH2以下で分散剤を溶解し、
濾過、水洗、乾燥して重量平均粒径6.9μmのトナー
粒子1を得た。
【0304】このトナー粒子1の100質量部と、個数
平均1次粒径12nmのシリカをヘキサメチルジシラザ
ンで処理後にシリコーンオイルで処理し、処理後のBE
T値が120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0質量
部、導電性微粉体1を1.5質量部とをヘンシェルミキ
サー(三井三池化工機(株))で混合し、磁性トナー1
を調製した。
【0305】得られた磁性トナー1、200gを風力分
級を行い(エルボージェット分級装置 EJ-L-3:日鉄鉱
業製)、磁性トナー(F)を98g、磁性トナー(G)
を101g得た。得られた磁性トナー(F)、(G)そ
れぞれについて飽和磁化並びに離型剤の吸熱量の測定を
行ったところ、σsf/σsgは0.99であり、Hg
/Hfは0.98であった。磁性トナー1の物性を表2
に示す。 <磁性トナー2の製造>イオン交換水720質量部に
0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し60
℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7
質量部を添加してCa3(PO42を含む水系媒体を得
た。 ・スチレン 78質量部 ・n−ブチルアクリレート 22質量部 ・不飽和ポリエステル樹脂 6質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 1質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物)1質量部 ・表面処理磁性粉体2 80質量部 上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用
いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に
加温し、そこにエステルワックス(DSCにおける最大吸
熱ピーク72℃)10質量部を添加混合溶解し、これに
重合開始剤t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエ
ート4質量部を溶解した。
【0306】前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投
入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサ
ー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで1
5分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、80℃で8時間反応させた。反応終了後、懸濁液
を冷却し、塩酸を加えてpH2以下で分散剤を溶解し、
濾過、水洗、乾燥して重量平均粒径7.1μmの磁性ト
ナー粒子2を得た。
【0307】この磁性トナー粒子2、100質量部と、
個数平均1次粒径12nmのシリカをヘキサメチルジシ
ラザンで処理後シリコーンオイルで処理し、処理後のB
ET値が120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0質
量部、導電性微粉体1を1.5質量部とをヘンシェルミ
キサー(三井三池化工機(株))で混合し、磁性トナー
2を調製した。磁性トナー2の物性を表2に示す。 <磁性トナー3の製造>表面処理磁性粉体1を表面処理
磁性粉体3に変えた事以外は磁性トナー1の製造と同様
にして、磁性トナー3を製造した。磁性トナー3の物性
を表2に示す。 <磁性トナー4の製造>導電性微粉体1のかわりに導電
性微粉体2を用いた事以外は磁性トナー1と同様にし
て、磁性トナー4を製造した。磁性トナー4の物性を表
2に示す。 <磁性トナー5の製造>導電性微粉体1を用いなかった
事以外は磁性トナー1と同様にして、磁性トナー5を製
造した。磁性トナー5の物性を表2に示す。 <磁性トナー6の製造>磁性トナー1の製造で得た磁性
トナー粒子1、100質量部と、個数平均1次粒径7n
mのシリカをヘキサメチルジシラザンで処理し、処理後
のBET値が280m2/gの疎水性シリカ微粉体0.
8質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))を用い混合して、磁性トナー6を調製した。磁
性トナー6の物性を表2に示す。 <磁性トナー7の製造>磁性トナー1の製造で得た磁性
トナー粒子1、100質量部と、個数平均1次粒径90
nmのシリカをヘキサメチルジシラザンで処理し、処理
後のBET値が25m2/gの疎水性シリカ微粉体4.
0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機
(株))を用い混合して、磁性トナー7を調製した。磁
性トナー7の物性を表2に示す。 <磁性トナー8の製造>エステルワックスの量を0.7
質量部とした事以外は磁性トナー5と同様にして磁性ト
ナー8を製造した。磁性トナー8の物性を表2に示す。 <磁性トナー9の製造>エステルワックスの量を35質
量部とした事以外は磁性トナー5と同様にして磁性トナ
ー9を製造した。磁性トナー9の物性を表2に示す。 <磁性トナー10の製造>表面処理磁性粉体1の量を3
0質量部とした事以外は磁性トナー5と同様にして磁性
トナー10を製造した。磁性トナー10の物性を表2に
示す。 <磁性トナー11の製造>表面処理磁性粉体1の量を1
60質量部とした事以外は磁性トナー5と同様にして磁
性トナー11を製造した。磁性トナー11の物性を表2
に示す。 <磁性トナー12の製造>エステルワックス10質量部
をポリエチレンワックス(DSCにおける最大吸熱ピーク
115℃)4質量部に変えた事以外は、磁性トナー粒子
1と同様として、磁性トナー粒子12を製造した。
【0308】この磁性トナー粒子12、100質量部
と、磁性トナー1の製造で使用したシリカ1.0質量部
とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)で混合
し、磁性トナー12を調製した。磁性トナー12の物性
を表2に示す。 <磁性トナー13の製造>ポリエチレンワックス4質量
部を8質量部に変えた事以外は、磁性トナー12と同様
にして磁性トナー13を製造した。磁性トナー13の物
性を表2に示す。 <磁性トナー14の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体5に変えた事以外は、磁性トナー5と同様に
して磁性トナー14を製造した。磁性トナー14の物性
を表2に示す。 <磁性トナー15の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体5に変えた事以外は、磁性トナー5と同様に
して磁性トナー15を製造した。磁性トナー15の物性
を表2に示す。 <磁性トナー16の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体6に変えた事以外は、磁性トナー5と同様に
して磁性トナー16を製造した。磁性トナー16の物性
を表2に示す。 <磁性トナー17の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体7に変えた事以外は、磁性トナー5と同様に
して磁性トナー17を製造した。磁性トナー17の物性
を表2に示す。 <磁性トナー18の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体8に変えた事以外は、磁性トナー5と同様に
して磁性トナー18を製造した。磁性トナー18の物性
を表2に示す。 <磁性トナー19の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体9に変えた事以外は、磁性トナー5と同様に
して磁性トナー19を製造した。磁性トナー19の物性
を表2に示す。 <磁性トナー20の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体10に変えた事以外は、磁性トナー5と同様
にして磁性トナー20を製造した。磁性トナー20の物
性を表2に示す。 <磁性トナー21の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体11に変えた事以外は、磁性トナー5と同様
にして磁性トナー21を製造した。磁性トナー21の物
性を表2に示す。 <磁性トナー22の製造>表面処理磁性粉体1を磁性粉
体1に変えた事以外は、磁性トナー5と同様にして磁性
トナー22を製造した。磁性トナー22の物性を表2に
示す。 <磁性トナー23の製造>表面処理磁性粉体1を表面処
理磁性粉体12に変えた事以外は、磁性トナー5と同様
にして磁性トナー23を製造した。磁性トナー23の物
性を表2に示す。 <磁性トナー24の製造> ・スチレン 65.0質量部 ・2−エチルヘキシルアクリレート 35.0質量部 ・ジビニルベンゼン 0.8質量部 ・磁性粉体1 98.0質量部 ・磁性トナー1で用いた不飽和ポリエステル 2質量部 ・磁性トナー1で用いた飽和ポリエステル 8質量部 上記処方をアトライターを用い均一に分散混合した。そ
の後、60℃に加温し、磁性トナー1の製造で用いたエ
ステルワックス10質量部、2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル3.5質量部を添加し、溶解した。
【0309】次いで、リン酸三カルシウム4質量%の水
性コロイド溶液650質量部を60℃に加温した後、上
記の重合性単量体系222.3質量部を添加し、TKホ
モミキサーを用いて室温にて、回転数10000rpm
で3分間乳化分散させた。
【0310】その後、窒素雰囲気下にて攪拌を続けなが
ら、85℃で10時間反応を行った後、室温まで冷却
し、磁性トナー粒子分散液を得た。次に、スチレン1
3.0質量部、2−エチルヘキシルアクリレート7.0
質量部、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.4
質量部、ジビニルベンゼン0.2質量部、ラウリル硫酸
ナトリウム0.1質量部を水20質量部に投入し、超音
波ホモジナイザーを用い分散させ、水乳濁液40.7質
量部を得た。これを、前記磁性トナー粒子分散液中に滴
下し、粒子を膨潤させた。その後、窒素雰囲気下にて攪
拌を行い、85℃で10時間反応を行った。その後、懸
濁液を冷却し、塩酸を加え分散媒を溶解し、濾過、水
洗、乾燥し、ついで風力分級を行い、重量平均粒径7.
8μmの磁性トナー粒子24を得た。
【0311】この磁性トナー粒子24を100質量部と
磁性トナー1の製造で使用したシリカ1.0質量部とを
ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)で混合し、
磁性トナー24を調製した。磁性トナー24の物性を表
2に示す。 <磁性トナー25の製造> ・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体 100質量部 (重量比78/22) ・不飽和ポリエステル樹脂 6質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 1質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 4質量部 ・表面処理磁性粉体1 80質量部 ・磁性トナー1の製造で用いたエステルワックス 10質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微
粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径
8.4μmの磁性トナー粒子25を得た。この磁性トナ
ー粒子25の100質量部に対して磁性トナー1の製造
で使用したシリカ1.0質量部を加え、ヘンシェルミキ
サーを用い混合し磁性トナー25を調製した。磁性トナ
ー25の物性を表2に示す。 <磁性トナー26の製造>磁性トナー25の製造で得た
磁性トナー粒子25をハイブリタイザーを用い、600
0回転で3分間の処理を2回行い磁性トナー粒子26を
得た。この磁性トナー粒子26、100質量部に対して
磁性トナー1の製造で使用したシリカ1.0質量部を加
え、ヘンシェルミキサーを用い混合し磁性トナー26を
調製した。磁性トナー26の物性を表2に示す。 <磁性トナー27の製造> ・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体 100質量部 (重量比78/22) ・不飽和ポリエステル樹脂 6質量部 ・飽和ポリエステル樹脂 1質量部 ・負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 4質量部 ・表面処理磁性粉体1 60質量部 ・磁性トナー1の製造で用いたエステルワックス 4質量部 上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した
2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物を
ハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微
粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径
6.2μmの磁性トナー粒子27'を得た。得られた磁
性トナー粒子27'をハイブリタイザーを用い、600
0回転で3分間の処理を2回行い、磁性トナー粒子27
を得た。
【0312】この磁性トナー粒子27を50質量部と磁
性トナー粒子26を50質量部、磁性トナー1の製造で
使用したシリカ1.0質量部を加え、ヘンシェルミキサ
ーを用い混合し磁性トナー27を調製した。磁性トナー
27の物性を表2に示す。
【0313】
【表2】 なお、上記各磁性トナーの磁場79.6kA/mにおけ
る磁化の強さは、磁性トナー20が17.2Am2/k
gであり、磁性トナー11が35.9Am2/kg、他
の磁性トナーはいずれも24〜28Am2/kgであっ
た。
【0314】
【実施例1】<感光体1の製造>感光体としては直径3
0mmのAlシリンダーを基体とした。これに、図5及
び下記に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層
して、感光体1を作成した。 (1)導電被覆層:酸化錫及び酸化チタンの粉末をフェ
ノール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚15μ
m。 (2)下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主
体とする。膜厚0.6μm。 (3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つアゾ顔料をブ
チラール樹脂に分散したものを主体とする。膜厚0.6
μm。 (4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化
合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法によ
る分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主
体とし、さらにポリ4フッ化エチレン粉体(粒径0.2
μm)を総固形分に対して10質量%添加し、均一に分
散した。膜厚25μm。水に対する接触角は95度であ
った。
【0315】なお、接触角の測定は、純水を用い、装置
は協和界面科学(株)の接触角計CA−X型を用いた。 <画像形成装置>画像形成装置として、LBP−176
0を改造して、上記実施の形態で示した図2と同様のも
のを用いた。像担持体としての感光体100には、上記
の感光体1を用いた。
【0316】この感光体に、帯電部材として導電性カー
ボンを分散しナイロン樹脂で被覆したゴムローラ帯電器
117を当接させ(当接圧60g/cm)、直流電圧−
680Vdcに交流電圧2.0kVppを重畳したバイ
アスを印加して、感光体上を一様に帯電する。帯電に次
いで、レーザ光で画像部分を露光することにより静電潜
像を形成する。この時、暗部電位Vd=−680V、明
部電位VL=−150Vとした。
【0317】感光ドラムと現像スリーブとの間隙は23
0μmとし、磁性トナー担持体として、表面をブラスト
した直径16mmのアルミニウム円筒上に、下記の構成
の層厚約7μm、JIS中心線平均粗さ(Ra)1.0
μmの樹脂層を形成した現像スリーブ102を使用し、
現像磁極85mT(850ガウス)、トナー規制部材と
して厚み1.0mm、自由長0.5mmのウレタン製ブ
レードを39.2N/m(40g/cm)の線圧で当接
させた。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部 次いで、現像バイアスとして直流電圧Vdc=−450
V、重畳する交番電界として5.22×106V/m、周波数21
00Hzのものを用いた。また、現像スリーブの周速は
感光体周速(94mm/sec)に対して順方向に11
0%のスピード(103mm/sec)とした。また、
転写部材114としては、図1のような転写ローラ(導
電性カーボンを分散したエチレン−プロピレンゴム製、
導電性弾性層の体積抵抗値108Ωcm、表面ゴム硬度
24゜、直径20mm、当接圧59N/m(60g/c
m))を図1中A方向の感光体周速(94mm/se
c)に対して等速とし、転写バイアスは直流1.5kV
とした。
【0318】定着方法としてはLBP−1760のオイ
ル塗布機能のない、フィルムを介してヒータにより加熱
加圧定着する方式の定着装置126を用いた。加圧ロー
ラはフッ素系樹脂の表面層を有するものを使用し、ロー
ラの直径は30mmであった。また、定着温度は160
℃、ニップ幅を7mmに設定した。
【0319】最初に、磁性トナー1を使用し、常温常湿
環境下(23℃、60%RH)において、印字率3%の
横線のみからなる画像パターンで6000枚の画出し試
験を行った。なお、記録媒体としては75g/m2の紙
を使用した。その結果、磁性トナー1では、初期におい
て高い転写性を示し、転写中抜け、ゴーストもなく、非
画像部へのカブリのない良好な画像が得られた。評価結
果を表3に示す。
【0320】本発明の実施例並びに比較例中に記載の評
価項目とその判断基準について以下に述べる。 <画像濃度>画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ
画像をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定を
行った。 <転写効率>転写効率は、ベタ黒画像転写後の感光体上
の転写残トナーをマイラーテープによりテーピングして
はぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度の値をC、
転写後定着前のトナーの載った紙上にマイラーテープを
貼ったもののマクベス濃度をD、未使用の紙上に貼った
マイラーテープのマクベス濃度をEとした時、近似的に
下式(15)で計算した。
【0321】
【数12】 上記の計算結果から得られた転写効率を以下の基準で判
断した。 A:転写効率が96%以上。 B:転写効率が92%以上、96%未満。 C:転写効率が89%以上、92%未満。 D:転写効率が89%未満。 <画質>画質の判断基準は、画像の均一性、細線再現性
を総合的に評価したものである。なお、画像の均一性は
べた黒画像、ならびに、ハーフトーン画像で判断を行
う。 A:細線再現性、画像の均一性に優れ、鮮明な画像。 B:細線再現性、画像の均一性が若干劣るものの、良好
な画像。 C:実用的には問題の無い画質。 D:細線再現性、画像の均一性が悪く、実用上好ましく
ない画像。 <ゴースト>10mm×10mmのベタ画像複数個を画
像の前半に出し、後半は2ドット3スペースのハーフト
ーン画像をだし、ハーフトーン画像上に前記ベタ画像の
痕跡がどの程度出るかを目視で判断する。 A:非常に良好(ゴースト未発生)。 B:良好。 C:実用的には問題の無い画像。 D:ゴーストのレベルがひどく、実用上好ましくない画
像。 <カブリ>カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMET
ER MODEL TC-6DSを使用して測定した。フィルターは、
グリーンフィルターを用い、カブリは下式(16)より
算出した。
【0322】
【数13】(16) カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−サン
プル非画像部の反射率(%) なお、カブリの判断基準は以下の通りである。 A:非常に良好(1.5%未満) B:良好(1.5%以上、2.5%未満) C:普通(2.5%以上、4.0%未満) D:悪い(4%以上) <定着性>定着性は、初期から耐久終了までの画像サン
プルの裏側に発生する汚れを観察し、発生の有無で判断
を行う。
【0323】
【実施例2〜21】トナーとして、磁性トナー2〜21
を使用し、実施例1と同様の条件で画出し試験及び耐久
性評価を行った。その結果、初期の画像特性も問題無
く、印字6000枚までいずれも大きな問題の無い結果
が得られた。結果を表3に示す。
【0324】
【比較例1〜6】トナーとして、磁性トナー22〜27
を使用し、実施例1と同様の画像形成方法で画出し試験
及び耐久性評価を行った。その結果、耐久試験と共に画
像濃度、転写効率の低下、カブリ、ゴースト、画質の悪
化が生じた。これはトナー粒子内部での磁性粉体、離型
剤の不均一な分散状態を反映しているものと考えられ
る。結果を表3に示す。
【0325】
【表3】
【0326】
【実施例22】また、本発明の磁性トナーは、クリーナ
レス画像形成方法あるいは現像兼クリーニング(回収)
画像形成方法にも適用可能である。以下、具体的実施例
によって本発明の画像形成方法を説明するが本発明はな
んらこれに限定されるものではない。 <感光体2の製造>感光体は負帯電用の有機光導電性物
質を用いた感光体であり、直径30mmのアルミニウム
製のシリンダーを基体とした。これに、図4及び下記に
示すような構成の層を順次浸漬塗布により積層して、感
光体2を作成した。 (1)第1層は導電層であり、アルミニウム基体の欠陥
等をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレの
発生を防止するために設けられている厚さ約20μmの
導電性粒子分散樹脂層(酸化錫及び酸化チタンの粉末を
フェノール樹脂に分散したものを主体とする)である。 (2)第2層は正電荷注入防止層(下引き層)であり、
アルミニウム支持体から注入された正電荷が感光体表面
に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果
し、メトキシメチル化ナイロンによって106Ωcm程
度に抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。 (3)第3層は電荷発生層であり、ジスアゾ系の顔料を
ブチラール樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であ
り、レーザ露光を受けることによって正負の電荷対を発
生する。 (4)第4層は電荷輸送層であり、ポリカーボネート樹
脂にヒドラゾン化合物を分散した厚さ約25μmの層で
あり、P型半導体である。従って、感光体表面に帯電さ
れた負電荷はこの層を移動することはできず、電荷発生
層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送することが
できる。 (5)第5層は電荷注入層であり、光硬化性のアクリル
樹脂に導電性酸化スズ超微粒子及び粒径約0.25μm
の四フッ化エチレン樹脂粒子を分散したものである。具
体的には、アンチモンをドーピングし低抵抗化した粒径
約0.03μmの酸化スズ粒子を樹脂に対して100質
量%、更に四フッ化エチレン樹脂粒子を20質量%、分
散剤を1.2質量%分散したものである。このようにし
て調製した塗工液をスプレ−塗工法にて厚さ約2.5μ
mに塗工し、光照射により硬化させて電荷注入層とし
た。
【0327】得られた感光体の表面の抵抗は、5×10
12Ωcm、感光体表面の水に対する接触角は、102度
であった。 <帯電部材の製造>直径6mm、長さ264mmのSU
Sローラを芯金とし、芯金上にウレタン樹脂、導電性粒
子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方
した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成し、さら
に切削研磨し形状及び表面性を整え、可撓性部材であ
る、直径12mm、長さ234mmの帯電ローラを作成
した。
【0328】得られた帯電ローラは、抵抗が105Ωc
mであり、硬度は、アスカーC硬度で30度であった。
また、この帯電ローラ表面を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、平均セル径は約100μmで、空隙率は60
%であった。 <画像形成装置>図6は本発明に従う画像形成装置の一
例の概略構成模型図である。
【0329】実施例22で用いる画像形成装置は、転写
式電子写真プロセスを利用した現像兼クリーニングプロ
セス(クリーナーレスシステム)のレーザプリンター
(記録装置)である。クリーニングブレード等のクリー
ニング部材を有するクリーニングユニットを除去したプ
ロセスカードリッジを有し、磁性トナーとしては磁性ト
ナー1を使用し、磁性トナー担持体上のトナー層と像担
持体が非接触となるよう配置される非接触現像の例であ
る。 (1)本実施例プリンターの全体的な概略構成 像担持体としての、上記感光体2を用いた回転ドラム型
OPC感光体21は、矢印のX方向に94mm/sec
の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動され
る。
【0330】接触帯電部材としての上記帯電部材である
帯電ローラ22は、感光体21に対して弾性に抗して所
定の押圧力で圧接させて配設してある。nは感光体21
と帯電ローラ22の当接部である帯電当接部である。本
例では、帯電ローラ22は感光体21との接触面である
帯電当接部nにおいて対向方向(矢印Y方向)に100
%の周速で回転駆動されている。即ち接触帯電部材とし
ての帯電ローラ22の表面は感光体21の表面に対して
速度差を持たせた。また、帯電ローラ22の表面には、
塗布量がおよそ1×104個/mm2で均一になるように
前記導電性微粉体1を塗布した。
【0331】また帯電ローラ22の芯金22aには帯電
バイアス印加電源から−700Vの直流電圧を帯電バイ
アスとして印加するようにした。本例では感光体21の
表面は帯電ローラ22に対する印加電圧とほぼ等しい電
位(−680V)に直接注入帯電方式にて一様に帯電処
理される。これについては後述する。
【0332】23はレーザダイオード・ポリゴンミラー
等を含むレーザビームスキャナ(露光器)である。この
レーザビームスキャナは目的の画像情報の時系列電気デ
ィジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光を
出力し、該レーザ光で上記感光体21の一様帯電面を走
査露光Lする。この走査露光Lにより回転感光体21の
面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0333】24は現像器である。感光体21の表面の
静電潜像はこの現像によりトナー像として現像され
る。本例の現像器24においては、磁性トナーとして実
施例1で使用した磁性トナー1を用いた、非接触型の反
転現像装置である。磁性トナー1には導電性微粉体1が
外添添加されている。
【0334】感光ドラム21と現像スリーブ24aとの
間隙は230μmとし、磁性トナー担持体24aとし
て、表面をブラストした直径16mmのアルミニウム円
筒上に、下記の構成のJIS中心線平均粗さ(Ra)
1.0μmの樹脂層(層厚約7μm)を形成した現像ス
リーブを使用し、現像磁極85mT(850ガウス)の
マグネットロールを内包し、トナー規制部材24cとし
て厚み1.0mm、自由長0.5mmのウレタン製ブレ
ードを39.2N/m(40g/cm)の線圧で当接さ
せた。 ・フェノール樹脂 100質量部 ・グラファイト(粒径約7μm) 90質量部 ・カーボンブラック 10質量部 また、感光体21との対向部である現像部a(現像領域
部)にて感光体21の回転方向と順方向(矢印W方向)
に感光体21の周速の120%の周速で回転させる。こ
の現像スリーブ24aに弾性ブレード24cにより磁性
トナーが薄層にコートされる。磁性トナーは弾性ブレー
ド24cで現像スリーブ24aに対する層厚が規制さ
れ、また電荷が付与される。この時、現像スリーブ24
aにコートされた磁性トナー量は、15g/m2であっ
た。
【0335】現像スリーブ24aにコートされた磁性ト
ナーはスリーブ24aの回転により、感光体21とスリ
ーブ24aの対向部である現像部aに搬送される。ま
た、現像スリーブ24aには現像バイアス印加電源より
現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電圧は、
−450Vの直流電圧と、周波数1800Hz、5.22×
106V/mの交番電界を重畳したものを用い、現像スリーブ
24aと感光体21の間aで1成分ジャンピング現像を
行なわせた。接触転写手段としての中抵抗の転写ローラ
25は、感光体に98N/m(100g/cm)の線圧
で圧接させて転写ニップbを形成させてある。この転写
ニップ部bに不図示の給紙部から所定のタイミングで記
録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ2
5に転写バイアス印加電源から所定の転写バイアス電圧
が印加されることで、感光体21側のトナー像が転写ニ
ップ部bに給紙された転写材Pの面に順次に転写されて
いく。
【0336】本例ではローラ抵抗値は5×108Ωcm
のものを用い、+3000Vの直流電圧を印加して転写
を行なった。即ち、転写ニップ部bに導入された転写材
Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側
に感光体21の表面に形成担持されているトナー像が順
次に静電気力と押圧力によって転写されていく。
【0337】26は熱定着方式等の定着である。転写
ニップ部bに給紙されて感光体21側のトナー像の転写
を受けた転写材Pは感光体1の表面から分離されてこの
定着装置26に導入され、トナー像の定着を受けて画像
形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出され
る。
【0338】本例のプリンターはクリーニングユニット
を除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後の感
光体21の表面に残留の転写残トナーはクリーナで除去
されることなく、感光体21の回転にともない帯電部n
を経由して現像部aに至り、現像装置24において現像
兼クリーニング(回収)される。
【0339】27はプリンター本体に対して着脱自在の
画像形成装置及びプロセスカートリッジである。本例の
プリンターは、感光体21、帯電ローラ22、現像器2
の3つのプロセス機器を一括してプリンター本体に対
して着脱自在の画像形成装置及びプロセスカートリッジ
として構成してある。画像形成装置及びプロセスカート
リッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に限ら
れるものではなく任意である。28はプロセスカートリ
ジの着脱案内・保持部材である。 (2)本実施例における導電性微粉体の挙動について 現像器24中の磁性トナーに混入させた導電性微粉体
は、現像器24による感光体21側の静電潜像のトナー
現像時にトナーとともに適当量が感光体21側に移行す
る。
【0340】感光体21上のトナー像は転写部bにおい
て転写バイアスの影響で記録媒体である転写材P側に引
かれて積極的に転移するが、感光体21上の導電性微粉
は導電性であることで転写材P側には積極的には転移
せず、感光体21上に実質的に付着保持されて残留す
る。
【0341】本例においては、画像形成装置はクリーニ
ング工程を有さないため、転写後の感光体21の表面に
残存の転写残トナーおよび上記の残存導電性微粉体は感
光体21と接触帯電部材である帯電ローラ22の当接部
である帯電部nに感光体21面の移動でそのまま持ち運
ばれて、帯電ローラ22に付着或いは混入する。したが
って、感光体21と帯電ローラ22との当接部nにこの
導電性微粉体が存在した状態で感光体21の直接注入帯
電が行なわれる。
【0342】この導電性微粉体の存在により、帯電ロー
ラ22にトナーが付着・混入した場合でも、帯電ローラ
22の感光体21への緻密な接触性と接触抵抗を維持で
きるため、該帯電ローラ22による感光体21の直接注
入帯電を行なわせることができる。
【0343】つまり、帯電ローラ22が導電性微粉体を
介して密に感光体21に接触して、帯電ローラ22と感
光体21の相互接触面に存在する導電性微粉体が感光体
21表面を隙間なく摺擦することで、帯電ローラ22に
よる感光体21の帯電は導電性微粉体の存在により放電
現象を用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的と
なり、従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電
効率が得られ、帯電ローラ22に印加した電圧とほぼ同
等の電位を感光体21に与えることができる。
【0344】また帯電ローラ22に付着或いは混入した
転写残トナーは帯電ローラ22から徐々に感光体21上
に吐き出されて感光体21面の移動とともに現像部に至
り、現像手段において現像兼クリーニング(回収)され
る。
【0345】現像兼クリーニングは、転写後に感光体2
1上に残留したトナーを、引き続く画像形成工程の現像
時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成
し、該潜像の現像時において、現像装置のかぶり取りバ
イアス、即ち現像に印加する直流電圧と感光体の表面
電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vbackによ
って回収するものである。本実施例におけるプリンター
のように反転現像の場合では、この現像兼クリーニング
は、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリ
ーブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから感光
体の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でなされ
る。
【0346】また、画像形成装置が稼働されることで、
現像器24の磁性トナー中に混入させてある導電性微粉
体が現像部aで感光体21面に移行し該像担持面の移動
により転写部bを経て帯電部nに持ち運ばれて帯電部n
に新しい導電性微粉体が逐次に供給され続けるため、帯
電部nにおて導電性微粉体が脱落等で減少したり、該粉
体が劣化するなどしても、帯電性の低下が生じることが
防止されて良好な帯電性が安定して維持される。
【0347】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として簡易な帯電ローラ22を用いて、しかも該
帯電ローラ22の転写残トナーによる汚染にかかわら
ず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に渡
り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与える
ことが出来、オゾン生成物による障害、帯電不良による
障害等のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を
得ることができる。
【0348】また、前述のように導電性微粉体は帯電性
を損なわないために、電気抵抗値が1×109Ωcm以
下である必要がある。そのため、現像部aにおいて磁性
トナーが直接感光体21に接触する接触現像器を用いた
場合には、現像像剤中の導電性微粉体を通じて、現像バ
イアスにより感光体21に電荷注入され、画像かぶりが
発生してしまう。
【0349】しかし、本例では現像器は非接触型現像器
であるので、現像バイアスが感光体21に注入されるこ
とがなく、良好な画像を得ることが出来る。また、現像
部aにおいて感光体21への電荷注入が生じないため、
ACのバイアスなど現像スリーブ24aと感光体21間
に高電位差を持たせることが可能であり、導電性微粉体
が均等に現像されやすく、均一に導電性微粉体を感光体
21表面に塗布し、帯電部で均一な接触を行い、良好な
帯電性を得ることが出来き、良好な画像を得ることが可
能となる。
【0350】帯電ローラ22と感光体21との接触面n
に導電性微粉体を介在させることにより、該導電性微粉
体の潤滑効果(摩擦低減効果)により帯電ローラ22と
感光体21との間に容易に効果的に速度差を設けること
が可能となる。
【0351】帯電ローラ22と感光体21との間に速度
差を設けることにより、帯電ローラ22と感光体21の
相互接触面部nにおいて導電性微粉が感光体21に接
触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることが
でき、良好な直接注入帯電を可能としている。
【0352】本実施例では、帯電ローラ22を回転駆動
し、その回転方向は感光体21表面の移動方向とは逆方
向に回転するように構成することで、帯電部nに持ち運
ばれる感光体21上の転写残トナーを帯電ローラ22に
一時的に回収し均す効果を得ている。即ち、逆方向回転
で感光体21上の転写残トナーを一旦引離し帯電を行な
うことにより優位に直接注入帯電を行なうことが可能で
ある。
【0353】更に、本実施例では像担持体としての感光
ドラム21と接触帯電部材としての帯電ローラ22との
帯電当接部nにおける適当な量の導電性微粉体の介在に
よって、導電性微粉体による潤滑効果により帯電ローラ
22と感光ドラム21との摩擦を低減し、帯電ローラ2
2を感光ドラム21に速度差を持って回転駆動させるこ
とが容易である。つまり、駆動トルクが低減し、帯電ロ
ーラ22や感光ドラム21の表面の削れ或いは傷を防止
できる。更に該粒子による接触機会増加により十分な帯
電性能が得られる。また、導電性微粉体の帯電ローラ2
2からの脱落よる作像上に悪影響もない。 (3)評価 23℃、60%RH環境下において画出し試験を行っ
た。感光体としては最表面層の体積抵抗が5×1012Ω
cmの上述の感光体2を用い、転写材としては75g/
2の紙を使用した。初期画像特性においては、帯電不
良に起因するカブリは見られず、解像性の高い良好な画
像濃度が得られた。この時、直接注入帯電後感光体電位
は、印加帯電バイアス−700Vに対して−680Vで
あった。次に、印字率3%の横線のみからなる画像パタ
ーンで耐久性の評価を行った。その結果、6000枚の
間欠プリント後まで帯電不良に起因する画像欠陥を生じ
ず、良好な直接注入帯電性が得られた。
【0354】6000枚の間欠プリント後の直接注入帯
電後感光体電位は、印加帯電バイアス−700Vに対し
て−660Vであり、初期からの帯電性の低下は20V
と軽微であり、帯電性の低下による画像品質の低下は認
められなかった。得られた結果を表4に示す。
【0355】
【表4】 表4から分かるように、磁性トナー1を用いれば、本発
明のクリーナレス画像形成方法においても選択現像性が
少なく、耐久6000枚まで良好な耐久性を示した。
【0356】
【実施例23〜25】磁性トナー2、3、5を用い、実
施例22と同様の条件で耐久性の評価を行った。得られ
た結果を表4に示す。
【0357】表4から分かるように、いずれのクリーナ
レス画像形成方法においても選択現像性が少なく、耐久
6000枚まで良好な耐久性を示した。
【0358】
【発明の効果】本発明の磁性トナーを用いることによ
り、多数枚耐久においても良好なトナー性能が維持され
ると共に、ゴースト、カブリの無い高精細な画像を長期
間安定して与える事が出来る。
【0359】更に、本発明の磁性トナーを用いた接触帯
電方法及び磁性一成分現像方法から成る画像形成方法、
及び接触帯電方式、当接転写方式、トナーリサイクルプ
ロセスを用いる画像形成方法においても、トナーの性能
劣化が無いため、繰り返し使用においても良好な画像を
長期間安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法を実施するための接触転写部材
の概略構成図を示す。
【図2】 本発明の方法を実施するための画像形成装置
の概略構成図を示す。
【図3】 本発明の方法を実施するための現像器の概略
構成図を示す。
【図4】 本発明の方法を実施するための像担持体の層
構成模式図を示す。
【図5】 本発明の方法を実施するための像担持体の層
構成模式図を示す。
【図6】 実施例22〜25における画像形成装置の概
略構成図を示す。
【符号の説明】
100:感光体 34:転写ローラ 34a:芯金 34b:弾性層 102:現像スリーブ 114:転写ローラ 116:クリーナ 117:帯電ローラ 121:レーザビームスキャナ 124:レジスタローラ 125:搬送ベルト 126:定着 140:現像 141:攪拌部材 103:弾性ブレード 104:マグネットローラ 11:アルミニウム基体 12:導電層 13:正電荷注入防止層 14:電荷発生層 15:電荷輸送層 16:電荷注入層 16a:導電粒子(導電フィラー) 21:感光体 22:帯電ローラ 22a:芯金 23:レーザビームスキャナ 24:現像 24a:現像スリーブ 24b:攪拌部材 24c:トナー規制部材 25:転写ローラ 26:定着器 26a:ヒータ 26b:定着フィルム 26c:加圧ローラ 27:プロセスカートリッジ 28:カートリッジ保持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 365 G03G 9/08 375 2H077 374 15/02 101 375 102 15/02 101 15/06 101 102 15/08 504A 15/06 101 506A 15/08 504 15/09 101 506 9/08 101 507 301 15/09 101 331 15/08 507B (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 橋本 昭 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河本 恵司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鏑木 武志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 CC05 DD03 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 CA08 CA26 CB02 CB07 CB13 EA01 EA02 EA03 EA05 EA10 2H031 AC14 AC15 AC19 AC30 AC34 AD03 BA03 BB01 CA11 2H068 AA05 AA06 AA08 BB03 BB31 BB33 CA00 FA27 2H073 AA03 BA04 BA13 BA43 2H077 AA37 AB22 AC16 AD02 AD06 AD13 AD17 AD23 AD31 AD36 AE05 BA07 EA13 EA16 FA03

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、離型剤及び磁性粉
    体を有し、重量平均粒径が3〜10μmの磁性トナーに
    おいて、 該磁性トナーは磁場79.6kA/m(1000エルス
    テッド)における磁化の強さが10〜50Am2/kg
    (emu/g)であり、 該磁性トナーの粒度分布は、重量平均粒径/数平均粒径
    の比が1.40以下であり、 該磁性トナーの平均円形度は0.970以上であり、 該磁性トナーの重量平均粒径よりも粒径が小さい磁性ト
    ナー(F)と、該磁性トナーよりも重量平均粒径が大き
    い磁性トナー(G)に2分割したときの、磁性トナー
    (F)、(G)それぞれの飽和磁化をσsf、σsgと
    したときに下式(1)を満たし、 示差走査熱量計により測定される前記磁性トナー
    (G)、(F)それぞれの前記離型剤の吸熱量をHf、
    Hgとしたときに、下式(2)を満たすことを特徴とす
    る磁性トナー。 【数1】 (1) 0.80<σsf/σsg<1.00 (2) 0.25<Hg/Hf<1.00
  2. 【請求項2】 前記磁性トナーのモード円形度は0.9
    9以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁性ト
    ナー。
  3. 【請求項3】 前記磁性トナーの粒度分布において、重
    量平均粒径/数平均粒径の比が1.35以下であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 【請求項4】 前記飽和磁化σsf、σsgが下記式
    (3)を満たし、及び前記吸熱量Hf、Hgが下記式
    (4)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の磁性トナー。 【数2】 (3) 0.87<σsf/σsg<1.00 (4) 0.60<Hg/Hf<1.00
  5. 【請求項5】 前記飽和磁化σsf、σsgが下記式
    (5)を満たし、及び前記吸熱量Hf、Hgが下記式
    (6)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の磁性トナー。 【数3】 (5) 0.92<σsf/σsg<1.00 (6) 0.80<Hg/Hf<1.00
  6. 【請求項6】 前記飽和磁化σsf、σsgが下記式
    (7)を満たし、及び前記吸熱量Hf、Hgが下記式
    (8)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載の磁性トナー。 【数4】 (7) 0.94<σsf/σsg<1.00 (8) 0.85<Hg/Hf<1.00
  7. 【請求項7】 前記磁性トナーは、離型剤を結着樹脂に
    対し1〜30質量%含有することを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  8. 【請求項8】 前記離型剤の示差熱分析による吸熱ピー
    クは、40〜110℃であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  9. 【請求項9】 前記離型剤の示差熱分析による吸熱ピー
    クは、45〜90℃であることを特徴とする請求項1〜
    7のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  10. 【請求項10】 前記磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊
    離率は、0.05〜3.00%であることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  11. 【請求項11】 前記磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊
    離率は、0.05〜1.50%であることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  12. 【請求項12】 前記磁性トナーの鉄及び鉄化合物の遊
    離率は、0.05〜1.00%であることを特徴とする
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  13. 【請求項13】 前記磁性粉体の体積平均粒径は、0.
    05〜0.40μmであることを特徴とする請求項1〜
    12のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  14. 【請求項14】 前記磁性粉体の粒度分布において、体
    積平均変動係数が35以下であることを特徴とする請求
    項1〜13のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  15. 【請求項15】 前記磁性トナーは、ポリエステル樹脂
    を含有していることを特徴とする請求項1〜14のいず
    れか一項に記載の磁性トナー。
  16. 【請求項16】 前記磁性粉体は、カップリング剤で疎
    水化処理されていることを特徴とする請求項1〜15の
    いずれか一項に記載の磁性トナー。
  17. 【請求項17】 前記磁性粉体は、二重結合を有するシ
    ランカップリング剤で表面処理されていることを特徴と
    する請求項1〜15のいずれか一項に記載の磁性トナ
    ー。
  18. 【請求項18】 前記磁性粉体は、二重結合を有さない
    少なくとも一種類以上のシランカップリング剤と、二重
    結合を有するシランカップリング剤で表面処理されてい
    る事を特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載
    の磁性トナー。
  19. 【請求項19】 前記磁性粉体は、水系媒体中でカップ
    リング剤により表面処理されていることを特徴とする請
    求項1〜18のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  20. 【請求項20】 前記磁性トナーはトナー表面に無機微
    粉体を有し、該無機微粉体の個数平均1次粒径は4〜8
    0nmであることを特徴とする請求項1〜19のいずれ
    か一項に記載の磁性トナー。
  21. 【請求項21】 前記無機微粉体は、シリカ、酸化チタ
    ン、アルミナから選ばれる少なくとも1種以上の無機微
    粉体であることを特徴とする請求項20に記載の磁性ト
    ナー。
  22. 【請求項22】 前記無機微粉体は、疎水化処理されて
    いることを特徴とする請求項20又は21に記載の磁性
    トナー。
  23. 【請求項23】 前記無機微粉体は、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項2
    0〜22のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  24. 【請求項24】 前記無機微粉体は、少なくともシラン
    化合物で処理すると同時に、もしくはその後に、シリコ
    ーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項2
    0〜23のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  25. 【請求項25】 前記磁性トナーは、トナーの表面にト
    ナーの重量平均粒径よりも小さい体積平均粒径の導電性
    微粉体を有することを特徴とする請求項1〜24のいず
    れか一項に記載の磁性トナー。
  26. 【請求項26】 前記導電性微粉体の抵抗は1×109
    Ωcm以下であることを特徴とする請求項25に記載の
    磁性トナー。
  27. 【請求項27】 前記導電性微粉体の抵抗は1×106
    Ωcm以下であることを特徴とする請求項25に記載の
    磁性トナー。
  28. 【請求項28】 前記導電性微粉体が非磁性であること
    を特徴とする請求項25〜27のいずれか一項に記載の
    磁性トナー。
  29. 【請求項29】 帯電部材に電圧を印加し、像担持体を
    帯電させる帯電工程と、 帯電された像担持体に静電潜像として画像情報を書き込
    む静電潜像形成工程と、 前記静電潜像を表面に保持する像担持体と、磁性トナー
    を表面に担持する磁性トナー担持体とを一定の間隔を設
    けて配置することにより現像部を形成し、磁性トナーを
    前記磁性トナー担持体表面に前記間隔よりも薄い厚さに
    コートさせ、交番電界が印加されている前記現像部にお
    いて前記磁性トナーを前記静電潜像に転移させてトナー
    像を形成する現像工程と、 前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程とを有し、
    像担持体上に繰り返して作像が行われる画像形成方法に
    おいて、 前記磁性磁性トナーは、少なくとも結着樹脂、離型剤及
    び磁性粉体を有し、重量平均粒径が3〜10μmであ
    り、 該磁性トナーは磁場79.6kA/m(1000エルス
    テッド)における磁化の強さが10〜50Am2/kg
    (emu/g)であり、 該磁性トナーの粒度分布は、重量平均粒径/数平均粒径
    の比が1.40以下であり、 該磁性トナーの平均円形度は0.970以上であり、 該磁性トナーの重量平均粒径よりも粒径が小さい磁性ト
    ナー(F)と、該磁性トナーよりも重量平均粒径が大き
    い磁性トナー(G)に2分割したときの、磁性トナー
    (F)、(G)それぞれの飽和磁化をσsf、σsgと
    したときに下式(1)を満たし、 示差走査熱量計により測定される前記磁性トナー
    (G)、(F)それぞれの前記離型剤の吸熱量をHf、
    Hgとしたときに、下式(2)を満たし、 さらに前記帯電工程は、前記像担持体と当接部を形成し
    て接触する接触帯電部材に電圧を印加することにより像
    担持体を帯電させる工程であることを特徴とする画像形
    成方法。 【数5】 (1) 0.80<σsf/σsg<1.00 (2) 0.25<Hg/Hf<1.00
  30. 【請求項30】 前記現像工程は、トナー像を記録媒体
    上に転写した後に像担持体に残留したトナーを回収する
    クリーニング工程を兼ねていることを特徴とする請求項
    29に記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 前記現像工程に用いられる磁性トナー
    は、請求項2〜28のいずれか一項に記載の磁性トナー
    であることを特徴とする請求項29又は30に記載の画
    像形成方法。
  32. 【請求項32】 前記帯電工程において、少なくとも帯
    電部材と像担持体の当接部及び/又は近傍に、導電性微
    粉体が介在していることを特徴とする請求項29〜31
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  33. 【請求項33】 前記帯電工程は、前記帯電部材と前記
    像担持体との当接部に103個/mm2以上の導電性微粉
    体が介在した状態で像担持体を帯電する工程であること
    を特徴とする請求項29〜32のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  34. 【請求項34】 前記帯電工程は、当接部を形成する前
    記帯電部材の表面の移動速度と前記像担持体の表面の移
    動速度が、相対的速度差を有しつつ像担持体を帯電させ
    る工程であることを特徴とする請求項29〜33のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  35. 【請求項35】 前記帯電工程は、帯電部材と像担持体
    が互いに逆方向に移動しつつ像担持体を帯電させる工程
    であること特徴とする請求項29〜34のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  36. 【請求項36】 前記帯電工程は、アスカーC硬度が5
    0度以下のローラ部材に電圧を印加することにより像担
    持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求項2
    9〜35のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  37. 【請求項37】 前記帯電工程は、前記ローラ部材に電
    圧を印加することにより像担持体を帯電させる工程であ
    り、前記ローラ部材は、少なくとも表面が球形換算での
    平均セル径が5〜300μmである窪みを有しており、
    前記窪みを空隙部としたローラ部材の表面の空隙率が1
    5〜90%であることを特徴とする請求項29〜36の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  38. 【請求項38】 前記帯電工程は、体積抵抗値1×10
    3〜1×108Ωcmの帯電部材に電圧を印加することに
    より像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする
    請求項29〜37のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  39. 【請求項39】 前記帯電工程は、前記帯電部材とし
    て、導電性を有するブラシ部材に電圧を印加することに
    より像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする
    請求項29〜35のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  40. 【請求項40】 前記帯電工程は、前記帯電部材に直流
    電圧または2×Vth(Vth:直流電圧印加における
    放電開始電圧)(V)未満のピーク間電圧を有する交流
    電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加することにより、
    像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求
    項29〜39のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  41. 【請求項41】 前記帯電工程は、前記帯電部材に直流
    電圧またはVth(V)未満のピーク間電圧を有する交
    流電圧を直流電圧に重畳した電圧を印加することにより
    像担持体を帯電させる工程であることを特徴とする請求
    項29〜40のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  42. 【請求項42】 前記像担持体の最表面層の体積抵抗値
    は、1×109〜1×1014Ωcmであることを特徴と
    する請求項29〜41のいずれか一項に記載の画像形成
    方法。
  43. 【請求項43】 前記像担持体の最表面層は、少なくと
    も金属酸化物からなる導電粒子が分散された樹脂層であ
    ることを特徴とする請求項29〜42のいずれか一項に
    記載の画像形成方法。
  44. 【請求項44】 前記像担持体の表面の水に対する接触
    角は、85度以上であることを特徴とする請求項29〜
    43のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  45. 【請求項45】 前記像担持体の最表面層は、フッ素系
    樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子又はポリオレフィン系
    樹脂粒子から選ばれる少なくとも一種以上の滑剤微粒子
    が分散された樹脂層であることを特徴とする請求項29
    〜44のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  46. 【請求項46】 前記像担持体は、光導電性物質を利用
    した感光体であることを特徴とする請求項29〜45の
    いずれか一項に記載の画像形成方法。
  47. 【請求項47】 前記静電潜像形成工程において、像露
    光により像担持体に静電潜像を形成させることを特徴と
    する請求項29〜46のいずれか一項に記載の画像形成
    方法。
  48. 【請求項48】 前記現像工程は、磁性トナー担持体上
    に5〜50g/m2のトナー層を形成し、トナー層から
    磁性トナーを像担持体に転移させトナー像を形成する工
    程であることを特徴とする請求項29〜47のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  49. 【請求項49】 前記現像工程において、像担持体と磁
    性トナー担持体との前記間隔は100〜1000μmで
    あることを特徴とする請求項29〜48のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  50. 【請求項50】 前記現像工程は、前記磁性トナー担持
    体と像担持体との間に、少なくとも交番電界を現像バイ
    アスとして印加して、像担持体の静電潜像にトナーを転
    移させてトナー像を形成する工程であり、前記交番電界
    はピークトゥーピークの電界強度で3×106〜10×
    106V/m、周波数500〜5000Hzであること
    を特徴とする請求項29〜49のいずれか一項に記載の
    画像形成方法。
  51. 【請求項51】 前記転写工程は、転写部材が転写時に
    記録媒体を介して像担持体に当接しており、像担持体上
    のトナー像を記録媒体に転写させる工程であることを特
    徴とする請求項29〜50のいずれか一項に記載の画像
    形成方法。
  52. 【請求項52】 感光体上に形成された静電潜像をトナ
    ーを転移させて可視化してトナー像を形成し、該トナー
    像を記録媒体に転写することにより画像を形成する画像
    形成装置から着脱可能に構成されているプロセスカート
    リッジであって、 感光体と、前記感光体を所定の電位に帯電させる帯電手
    段と、前記感光体上に形成された静電潜像にトナーを転
    移させて可視化し、トナー像を形成する現像手段と、か
    ら選ばれる少なくとも2つ以上は一体に支持され、 前記トナーは、請求項1〜28のいずれか一項に記載の
    磁性トナーであることを特徴とするプロセスカートリッ
    ジ。
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JP2008233281A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用トナー、現像剤、トナー容器、画像形成装置及びプロセスカ−トリッジ

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