JP2008181041A - 磁性トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印刷用途として用いられた場合に耐久安定性、低温定着性に優れ且つ排紙接着性が良好な磁性トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも有する磁性トナーにおいて、該磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃以上400℃以下であり、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g以上1.50mmol/g以下であり、該磁性酸化鉄のZn含有量が100ppm以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真方法及びトナージェット法の如き画像形成方法に使用される磁性トナー及び該磁性トナーを使用する画像形成方法に関する。
電子写真法を用いた画像形成装置は、より高速化,より高信頼性が厳しく追及されてきている。例えば、グラフィックデザインの如き高細密画像のプリント、さらにはより信頼性が要求される軽印刷(パソコンによる文書の編集からコピー、製本までの多品種少量印刷が可能なプリント・オン・デマンド用途)向けに画像形成装置は使われはじめた。
軽印刷用途として画像形成装置を用いた場合、薄紙に両面印字する機会が増える。また、高速印字に対応するために磁性トナーは低温定着化され、且つ記録紙は短い紙間隔で排紙され大量に積載された後製本される。従って積載した記録紙が接着され剥がれなくなったり、1回定着した磁性トナーが剥がれて別の紙に移行してしまう問題が発生する。これを排紙接着と呼んでいる。
特許文献1では定着後に高温になった記録紙を冷却することで排紙接着を防ぐ提案がなされている。この場合、一定の紙種,印字速度であれば効果が見られるものの軽印刷用途として超高速、薄紙両面印字に対応するためには改良の余地がある。
また、特許文献2では排紙後の紙の温度をモニターしその温度に応じて本体のシーケンス(例えば紙間隔を開ける等)を変更することで排紙接着を防ぐ提案がなされている。
この場合も排紙接着に対する効果が見られるものの、軽印刷用途として生産性(時間あたりの印字枚数)を考慮した場合、生産性を落とす方向の提案となるため改良の余地が残る。
このように、画像形成装置における排紙接着性の改良は装置による改良が主であり磁性トナーからの改良の提案は未だ成されていない。これは高速化に伴う低温定着性の向上と定着後の排紙接着性を抑制するという効果が相反する効果であるためであり、これらを両立させることが困難であることを示している。
特開2003−98939号公報 特開2003−302875号公報
本発明の目的は上記問題点を解消した磁性トナーを提供することにある。
本発明の目的は上記問題点を解消した画像形成方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーにおいて、
該磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃以上400℃以下であり、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g以上1.50mmol/g以下であり、該磁性酸化鉄のZn含有量が100ppm以下である磁性トナーに関する。
さらに本発明は、少なくとも静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上の磁性トナーによって現像して磁性トナー像を形成し、静電荷像担持体上の磁性トナー像を中間転写材を介し、又は介さずに転写材へ転写し、転写材上の磁性トナー画像を熱定着手段によって定着する画像形成方法であって、
該静電荷像担持体のプロセススピードが500mm/sec以上800mm/sec以下であり、該磁性トナーが磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃以上400℃以下であり、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g以上1.50mmol/g以下であり、該磁性酸化鉄のZn含有量が100ppm以下である磁性トナーであることを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、昇温酸化法によって得られるメインピーク温度と消費された酸素量を特定の範囲で制御し、且つ磁性酸化鉄に含まれるZn量を特定の範囲に制御した磁性酸化鉄を用いることで、特に高速印刷用途として用いられた場合に耐久安定性、低温定着性に優れ且つ耐排紙接着性が良好な磁性トナーを得ることが出来る。
これまで高速且つ長期継続的にプリント画像を得、これを多量に積載し製本するような軽印刷用途として磁性トナーを用いる場合においては、これまでのような低温定着性向上の手法(即ち磁性トナーを熱に対して迅速に溶融させる設計)を用いると排紙後に高温になった記録紙上に半溶融状態の磁性トナーを存在させることになるため耐排紙接着性を向上させることが困難であった。そこで、本発明者らは高速印字に対応するための低温定着性と熱定着後の耐排紙接着性の両立を図るために、排紙後に高温になった記録紙上の磁性トナーの状態に関する検討を進めた。そして、低温定着性と熱定着後の耐排紙接着性の両立を図るためには、磁性トナー粒子の熱による変形状態と磁性トナー粒子の自己発熱性を制御する必要があることを見出した。
即ち、本発明は結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーにおいて、該磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃以上400℃以下、好ましくは210℃以上350℃以下、特に好ましくは250℃以上350℃以下であり、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g以上1.50mmol/g以下、好ましくは0.800mmol/g以上1.20mmol/g以下であることを特徴とする。磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度は、磁性酸化鉄の酸化される温度を示している。また、同時に検出される酸化反応により消費された酸素量は磁性酸化鉄の酸化される強度を示している。従って、昇温酸化法によって磁性酸化鉄を酸化させた場合、その磁性酸化鉄がどのような温度で酸化され、その酸化のされ方はどのようになっているのかを評価することが出来る。一般的に磁性酸化鉄は熱による酸化反応により自己発熱することが知られている。従って、磁性トナーを定着させた場合、記録紙上において磁性トナー粒子が自己発熱した状態となり室温に戻るまでの時間を要するために特に高速で排紙された記録紙上同士が接着し易くなる。そのことからも磁性トナー中の大半を占める磁性酸化鉄の酸化状態を制御することで耐排紙接着性を向上することが可能になるといえる。
即ち、昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃未満の場合、磁性酸化鉄が酸化されやすいことを示している。従って、定着後の記録紙上での磁性トナーが自己発熱しやすくなり耐排紙接着性が低下する傾向がある。また、昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が400℃を超える場合、磁性酸化鉄の酸化反応は起こりにくいものの磁性酸化鉄が磁性トナー粒子中での断熱成分となり低温定着性を阻害する傾向がある。
さらに昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g未満の場合、酸化反応の強度が弱くなるために磁性トナー粒子中での自己発熱性が低下し低温定着性が低下する傾向がある。さらに昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g未満の場合は酸化反応を起こしやすい部分と起こしにくい部分が混在している傾向が見られる。これは即ち磁性酸化鉄に不純物が存在しているためであり、磁性酸化鉄中に不純物が存在した場合、磁性酸化鉄中の磁化分布,摩擦帯電分布がブロードとなる傾向があり結果として長期間使用した場合の画像特性が低下する傾向がある。また、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が1.50mmol/gを超える場合、酸化反応の強度が大きいことを示す。その結果、磁性酸化鉄が自己発熱性しやすくなり排紙接着性が低下する傾向がある。
本発明はさらに、磁性酸化鉄のZn含有量が100ppm以下であることを特徴とする。一般的に磁性酸化鉄中にZnの如き異種元素導入することで耐熱性が向上することが知られている。しかし、このような異種元素を磁性酸化鉄の結晶格子中に導入した場合、磁性酸化鉄中の結晶状態を常に同じ状態を保つように導入することが困難であるため純粋な磁性酸化鉄に対して磁化分布がブロードになる傾向がある。その結果、特に軽印刷用途のような高速高耐久性を要求されるような使用においては長期耐久性に差が生じ易くなる。磁性酸化鉄のZn含有量が100ppmを超える場合、磁化分布がブロードになる傾向が見えやすくなりその結果、耐久初期と後半で画質・濃度に差が生じ易くなる。
以上のように、高純度の磁性酸化鉄の酸化を開始する温度と酸化反応により消費された酸素量を制御しすることで耐久安定性に優れ、低温定着性を阻害せず耐排紙接着性の良好な磁性トナーを得ることが可能となる。
以下に、本発明に係る物性の測定方法を示す。
(1)昇温酸化スペクトルの測定
装置:BEL−CAT(触媒分析装置):日本ベル(株)社製
(i)前処理
試料(約0.2g)を付属のセルに秤量し、He雰囲気下(50ml/min),温度100℃で60分間前処理を行った。
(ii)分析条件
測定モード:TPO
キャリアガス濃度:酸素(4.91%)/He
開始温度:100℃
到達温度:1000℃
昇温速度:5℃/min
保持時間:20min
本測定によって、温度と検出強度の図2に示したようなスペクトルチャートが得られ、強度のピークから酸化温度を、検出強度の面積から消費酸素量が計算される。
(2)磁性酸化鉄中のZn量の測定
試料約1gに特級塩酸試薬16mlが溶解した塩酸水溶液26mlを加え粉末がなくなるまで加熱溶解、その後室温まで放冷する。特級フッ酸試薬2mlが溶解したフッ酸水溶液4ml添加後20分放置する。トリトンX(10%濃度)を10ml添加後10mlポリメスフラスコへ移し純粋を添加し全溶液を100mlに合わせる。
溶液試料を島津製作所製プラズマ発光装置ICP S2000を使用しZn量を定量する。
また、本発明においては上記で述べてきたような磁性酸化鉄が磁性トナー中に25質量%以上40質量%以下、好ましくは30質量%以上40質量%以下含有することが良い。含有する磁性酸化鉄が25質量%未満であると耐排紙接着性が低下する傾向があり、40質量%を超えると低温定着性が低下する傾向がある。
次に、本発明に使用される磁性酸化鉄の構成及び製造法について説明する。
本発明に係る磁性酸化鉄は、例えば下記方法で製造される。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを12に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を温度80℃以上90℃以下に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として第1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。その後、液のpHを6.0以上9.0以下に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子薄膜を成長させる。本発明の磁性酸化鉄は、磁性酸化鉄粒子の表面に磁性酸化鉄薄膜を存在させることで磁性酸化鉄表面の酸化状態を制御することが好ましい製造方法となる。
さらに、本発明の磁性酸化鉄は酸化反応完結後に表面をケイ素及びアルミニウムを含む被覆層で被覆することが好ましい。また、その被覆層に含まれるケイ素含有量(A)とアルミニウム含有量(B)の割合は0.5≦A/B≦2.0であることが良い。これらの被覆層を形成するためには得られた磁性酸化鉄粒子のスラリーへケイ酸ソーダ水溶液と硫酸アルミニウム水溶液を同時に添加することが良く、磁性酸化鉄表面の磁性酸化鉄薄膜の介在によって非常に効果的に被覆される。
本発明において、磁性酸化鉄粒子は、後述する測定方法に基づく嵩密度が好ましくは、0.3g/cm3以上2.0g/cm3以下、より好ましくは0.5g/cm3以上1.3g/cm3以下を満足することが良い。嵩密度が0.3g/cm3未満の場合、磁性トナー製造時における磁性トナーの他の構成材料との物理的混合性に悪影響を及ぼし、磁性トナー中の磁性酸化鉄の分散性が劣化する場合がある。
本発明において、磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づく個数平均粒径が、好ましくは0.05μm以上1.00μm以下、より好ましくは0.10μm以上0.40μm以下であることが、磁性トナーの結着樹脂中での分散性及び帯電の均一性の点で良い。
本発明において、磁性酸化鉄は、後述する測定方法に基づくBET比表面積が2.0m2/g以上40m2/g以下、好ましくは4.0m2/g以上20m2/g以下のものが好ましく用いられる。
本発明において、磁性酸化鉄は、磁気特性としては磁場795.8kA/m下で飽和磁化が70Am2/kg以上100Am2/kg以下、残留磁化が2.0Am2/kg以上20Am2/kg以下、抗磁力が2.0kA/m以上15kA/m以下が好ましく用いられる。このような磁気特性を有することで、磁性トナーが画像濃度とカブリのバランスのとれた良好な現像性を得ることができる。
また、本発明の磁性トナーは上記特徴を有すると共に、磁性トナーの温度150℃を基準温度とした時のマスターカーブを作成する時のシフトファクターaTから求められる活性化エネルギーEaが50kJ/mol以上120kJ/mol以下であることが良い。より好ましくは60kJ/mol以上115kJ/mol以下である。上記磁性トナーの活性化エネルギーEaとは、分子レベルでの網目構造の連続構造である層構造が変形する際に必要な障壁であると考えられる。このパラメーターは磁性トナーの熱による変形しやすさ、戻りやすさを示しており、活性化エネルギーが低いほど低温定着性が良好であると言える。活性化エネルギーEaが120kJ/molよりも大きい場合、磁性トナーが熱により変形しにくいことを示す。このような場合は普通紙での定着性も低下する。活性化エネルギーEaが50kJ/molよりも小さい場合、磁性トナーの熱による変形は起こりやすいが、定着部材への付着,耐排紙接着性の低下が生じ易い。さらに長期に渡る磁性トナー使用において磁性トナー劣化が進行しやすく、画像濃度,画像品質の経時変化が生じやすい。
本発明における周波数分散測定から得られるマスターカーブ及び活性化エネルギーは以下の方法で測定される。周波数分散測定から得られるマスターカーブは、ある範囲の周波数で測定された任意の温度Tにおける粘弾性関数を時間−温度換算則に従って基準温度T0の値にシフトした曲線に相当するため、基準温度T0で測定した広い周波数範囲での測定値と一致すると考えられている。磁性トナーのような粘弾性体においては貯蔵弾性率の幅広い周波数依存性を測定することは困難であるため、磁性トナーの幅広い範囲での周波数依存性を評価する上で粘弾性測定の周波数分散測定は非常に有用な方法である。以下に具体的な測定方法を述べる。
測定装置としては、回転平板型レオメーター ARES(商品名、TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
測定試料は、磁性トナーを温度25℃で錠剤成型器により加圧成型した直径25mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状の試料を用い、パラレルプレートに装着し、室温(25℃)から100℃に15分間で昇温して、円板の形を整えた後、測定を開始する。
特に、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが重要であり、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Tension Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件で行う。
1.直径25mmのパラレルプレートを用いる。
2.周波数(Frequency)を0.1Hz(Initial),100Hz(Final)とする。
3.印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
4.スタート温度を100℃,終了温度を160℃,昇温ステップを10℃,保留時間(SOAK TIME)を1分とし測定を開始する。
尚、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。
測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
5.自動テンションディレクション(Auto Tension Direction)をコンプレッション(Compression)と設定する。
6.初期スタティックフォース(Initial Static Force)を0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を10.0gと設定する。
7.自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×106(Pa)よりも小さい場合である。
上記の要領で測定した0.1Hz以上100Hz以下,100℃以上160℃以下の範囲で測定した貯蔵弾性率G’の結果は以下の方法でマスターカーブが作成できる。尚、本発明においては紙上における磁性トナーの溶融状態が重要であることから磁性トナーが溶融した状態であると考えられる温度150℃を基準温度としマスターカーブを作成した。尚、シフトさせる方法については縦横をシフトさせて最適化するためにTWO Demensional Minimizationを選択し、計算方法はシフトファクターの傾斜を優先して計算するようにGuess Modeを選択する。さらに、マスターカーブを作成する際に得られたシフトファクターaTの対数を縦軸に、その時の測定温度Tの逆数を横軸にプロットしたアレニウスプロットから活性化エネルギーを算出することが可能となる。
本発明に使用される結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。
また、本発明において所望の効果を得るためには、結着樹脂はポリエステルユニットとビニル系共重合ユニットが化学的に結合したハイブリッド樹脂である方が、架橋点の制御の観点から好ましい。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の成分は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、2、3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、式(1)で表されるビスフェノール及びその誘導体;および式(2)で示されるジオール類。
Figure 2008181041
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0乃至10である。)
Figure 2008181041
これら中でも、磁性トナー粒子内の帯電制御の点で脂肪族アルコールが好ましく、特にネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物又はその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル。特にテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
さらに、本発明に用いられるハイブリッド樹脂のポリエステルユニットとビニル系共重合ユニットの混合比は50/50質量比以上であることが好ましい。ポリエステルユニットが50質量%より少ない場合には他の原材料との親和性が低下し磁性トナー中の原材料微分散性が低下する傾向がある。
また、該結着樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPCによるピーク分子量Mpが5000以上10000以下、重量平均分子量Mwが5000以上300000以下、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが5以上50以下であることが好ましい。Mp、Mwが小さく分布がシャープである場合には、高温オフセットが発生しやすい。また、Mp、Mwが大きく分布がブロードである場合には、低温定着性が低下する。
また、該結着樹脂のガラス転移温度は、定着性及び保存性の観点から45℃以上60℃以下、より好ましくは45℃以上58℃以下が良い。
また、これらの樹脂は軟化温度の異なる2種類の樹脂を混合して使用しても良い。
以下に本発明で用いられる結着樹脂中のポリエステルユニットに用いられるモノマーについて説明する。
該ポリエステル樹脂に用いられる脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの誘導体及びそれらの酸無水物が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール。
3価以上の多価カルボン酸またはその無水物としては以下のものが挙げられる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物又は低級アルキルエステル。3価以上の多価アルコールとしては、1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールが挙げられる。好ましくは1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその無水物である。
次に結着樹脂に用いられる2価のアルコール成分としては、前述の脂肪族ジオールの他に水素化ビスフェノールA、又は下記式(A)で示されるビスフェノール誘導体、及び下記式(B)で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2008181041
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及びyはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2〜10である。)
Figure 2008181041
2価のカルボン酸としては、前述の脂肪族ジカルボン酸の他にフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如き芳香族ジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。
本発明の結着樹脂に用いられるビニル系共重合ユニットを生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなスチレン系モノマー及びアクリル酸系モノマーが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体。
アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸及びアクリル酸エステル類や、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体。
さらに、ビニル系共重合ユニットのモノマーとしては、以下のものが挙げられる。2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモノマー。
ビニル系共重合ユニットには、ビニル重合が可能な種々のモノマーを必要に応じて併用することができる。このようなモノマーとしては、以下のものが挙げられる。エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸の酸無水物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー。
また、前記ビニル系共重合ユニットは、必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。架橋性モノマーとしては以下のものが挙げられる。芳香族ジビニル化合物、アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、ポリエステル型ジアクリレート類、及び多官能の架橋剤。
芳香族ジビニル化合物としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられる。
アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの。
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの。
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、以下のものが挙げられる。ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの。ポリエステル型ジアクリレート類としては、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋性モノマーは、他のモノマー成分100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下(さらに好ましくは0.03質量%以上5質量%以下)用いることができる。またこれらの架橋性モノマーのうち、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)や、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
前記ビニル系共重合ユニットは、重合開始剤を用いて製造された樹脂であっても良い。これらの開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.05質量部以上2質量部以下で用いるのが好ましい。
このような重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−カーバモイルアゾイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロビルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート。
本発明における結着樹脂としてより好ましく用いられるハイブリッド樹脂は、ポリエステルユニット及びビニル系共重合ユニットが直接又は間接的に化学的に結合している樹脂である。ハイブリッド樹脂を得る方法としては、ポリエステルユニットの原料モノマーとビニル系共重合ユニットの原料モノマーを同時に、もしくは順次反応させることにより得ることができる。
本発明においては、磁性トナーに離型性を与えるために必要に応じて離型剤(ワックス)を用いることができ、該ワックスとしては、磁性トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて一種または二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。例としては次のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明において特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合し、又は低圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したもの。
前記脂肪族炭化水素系ワックスの母体としての炭化水素としては、以下のものが挙げられる。金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物);ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンの如きアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素。このような炭化水素の中でも、本発明では、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であることが好ましい。特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。
例えば、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)。
該離型剤を添加するタイミングは、磁性トナー製造中の溶融混練時において添加しても良いが結着樹脂製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。又、これらの離型剤は単独で使用しても併用しても良い。
該離型剤は結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。1質量部未満の場合は望まれる離型効果が十分に得られにくい。20質量部を超える場合は磁性トナー粒子中での分散も悪く、感光体への磁性トナー付着や、現像部材・クリーニング部材の表面汚染が起こりやすく、磁性トナー画像が劣化しやすい。
本発明の磁性トナーには、その帯電性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、その種類や他の磁性トナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、磁性トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1質量部以上10質量部以下含まれることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、有機金属錯体、キレート化合物が有効である。その例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩が挙げられる。その他にも、磁性トナーを負帯電性に制御するものとしては、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。
使用できる具体的な例としては、Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89 (オリエント化学社)があげられる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
また本発明の磁性トナーにおいては、磁性トナー粒子表面への流動性付与能が高い、一次粒子の個数平均粒径のより小さいBET比表面積が50m2/g以上300m2/g以下の流動性向上剤を使用しても良い。該流動性向上剤としては、磁性トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものならば使用可能である。例えば、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって得られたシリカと他の金属酸化物の複合微粉体でも良い。その粒径は、平均の一次粒径として、0.001μm以上2μm以下の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、0.002μm以上0.2μm以下の範囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の様な商品名で市販されているものがある。
さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることが好ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上80以下の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。そのような有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
該無機微粉体は、シリコーンオイル処理されても良く、また、上記疎水化処理と併せて処理されても良い。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm2/s以上1000mm2/s以下のものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;べースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
本発明においては、シリカをあらかじめ、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
流動性向上剤は、磁性トナー粒子100質量部に対して流動性向上剤0.01質量部以上8質量部以下、好ましくは0.1質量部以上4質量部以下使用するのが良い。
本発明の磁性トナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
滑剤としては、ポリ弗化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。 これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明の磁性トナーを得ることができる。
本発明の磁性トナーを作製するには、結着樹脂、着色剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い、更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明の磁性トナーを得ることが出来る。
本発明の磁性トナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
(1)GPCによる分子量分布の測定
温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、102以上107以下程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。例えば、東ソー社製TSK標準ポリスチレン(F−850,F−450,F−288,F−128,F−80,F−40,F−20,F−10,F−4,F−2,F−1,A−5000,A−2500,A−1000,A−500)を使用することが出来る。
また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ、温度25℃で数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ約0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が5mg/mlとなるように調整する。
(2)結着樹脂及び磁性トナーのガラス転移温度の測定
測定装置:示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920(TA Instruments社製)
ASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は2mg以上10mg以下、好ましくは約3mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いて、測定温度範囲30℃以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下測定を行う。2回目の昇温過程で得られる、温度30℃以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線をもって解析を行う。
(3)磁性酸化鉄の被覆層のケイ素量,アルミニウム量の測定
試料0.900gを秤量し、1N−NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら45℃に加温し、粒子表面のケイ素成分やアルミニウム成分を溶解する(磁性酸化鉄中に含まれるケイ素成分やアルミニウム成分はアルカリ溶液には溶解してこない)。未溶解物を濾過した後、溶出液を純水で125mlに定量し、溶出液に含まれるケイ素やアルミニウムをプラズマ発光分析(ICP)で定量する。
表面被覆ケイ素成分、アルミニウム成分={溶出液に含まれるケイ素,アルミニウム(g/L)×125÷1000/0.900(g)}×100
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。
以下に図1に示す本実施例の画像形成装置における画像形成の動作を説明する。尚、図1は、回転現像装置4bにおける3個の現像器のうち、マゼンタ現像器402が現在位置にスタンバイしている状態を示しており、また、クリーニング装置8内には、感光体に接するクリーニングブレード8aと、クリーニング補助手段として、該クリーニングブレードの感光体回転方向上流側にマグネットローラー8bが設置されている。
感光ドラム1に第1色であるマゼンタ用の潜像が形成され図1に示す状態で現像が行われる。マゼンタ現像器402によりマゼンタトナーで現像された感光ドラム1上のマゼンタトナー像は、矢印R1方向(反時計回り)に回転しながら、中間転写ベルト5の外周面に順次中間転写される。そして、第1色のマゼンタトナー像の転写を終えた感光ドラム1表面はクリーニング装置8により清掃される。
以降同様にして、第2色であるシアン、第3色であるイエロートナー及び第4色であるブラックトナーの現像が行われ、中間転写ベルト5の外面に4つのトナー像(マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色トナー像)が重畳転写されて、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像(鏡像)が形成される。
次いで、給紙カセット9から給紙ローラ10によって紙などの転写材Pが搬送されて、レジストローラ対11、転写ガイド12を経て、転写装置13で形成される転写部へと所定のタイミングで給送される。
ここで、導電性ローラ6には、必要に応じて転写装置に印加される転写バイアスとは逆の極性(即ち、トナーの帯電極性と同じ)のバイアス(本例ではマイナス)がバイアス電源から印加される。さらに、所定のタイミングで給送されてきた転写材P上には、トナー像を転写する際にバイアス電源により、トナー帯電極性(本例ではマイナス)と逆極性(プラス)の転写バイアスが転写装置13に印加されている。
上述の一連の画像形成プロセスを繰り返すことにより、中間転写ベルト5上には順次に合成カラー画像が中間転写され、これら中間転写された合成カラー画像は、転写部に次々と送られてくる後続の転写材Pに最終転写されていく。
尚、転写プロセスが終了すると、中間転写ベルト5には、0Vあるいはトナー帯電極性と同極性(本例ではマイナス)の転写バイアス(マイナス)が印加される。
転写部を通って中間転写ベルト5上のトナー像が転写された転写材Pは、搬送ガイド14を経て定着器15へ導入され、所定値に加熱温調された定着ローラ15aと加圧ローラ15bとにより加熱・加圧されることによりトナー像の定着処理を受け、最終的なカラー画像形成物として出力される。
一方、トナー像転写後の中間転写ベルト5は、ベルトクリーニング装置16によって清掃される。ベルトクリーニング装置16は、中間転写ベルト5に対するクリーニング装置であり、常時はこの中間転写ベルト5に対して、非作用状態に保持されているが、転写材Pに対するトナー像の転写を終えると、中間転写ベルト5の外面に対して該クリーニング装置16が作用動作することにより、中間転写ベルト5の外面が清掃される。
尚、転写ベルト5の外周長によっては、一度に2枚以上の転写材Pを担持し、その1回転によって2枚の画像を一括して形成することも可能である。
<結着樹脂1の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物) :24.5mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物) :25.5mol%
テレフタル酸 :33.0mol%
無水トリメリット酸 :5.0mol%
アジピン酸 :6.0mol%
アクリル酸 :4.0mol%
フマル酸 :2.0mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて温度135℃で撹拌した。本発明において所望の架橋構造を得るために本製造例においては反応の初期と後期にフマル酸を分割添加した。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:80mol%と2エチルヘキシルアクリレート:18mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、温度135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂1を得た。
この結着樹脂1の諸物性については表1に示した通りである。
<結着樹脂2の製造例>
テレフタル酸 31mol%
トリメリット酸 7mol%
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物) :33mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物) :29mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて温度135℃で撹拌した。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:83mol%と2エチルヘキシルアクリレート:15mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、温度135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂2を得た。
この結着樹脂2の諸物性については表1に示した通りである。
<結着樹脂3の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物) :46.8mol%
テレフタル酸 :34.8mol%
無水トリメリット酸 :11.8mol%
イソフタル酸 :4.6mol%
フェノールノボラックEO付加物 :2.0mol%
上記のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管,温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら温度230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂3を得た。これらの樹脂の諸物性については表1に示した通りである。
<結着樹脂4の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物) :45.1mol%
テレフタル酸 :51.9mol%
無水トリメリット酸 :3.0mol%
上記のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管,温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら温度230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂4を得た。これらの樹脂の諸物性については表1に示した通りである。
<結着樹脂(5L)の製造例>
四つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、撹拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン73質量部,アクリル酸−n−ブチル28質量部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド2質量部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了し、低分子量重合体溶液(5L)を得た。
<結着樹脂(5H)の製造例>
四つ口フラスコ内にキシレン300質量部を投入し、撹拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン75質量部,アクリル酸−n−ブチル25質量部,ジビニルベンゼン0.005質量部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.8質量部の混合液を4時間かけて滴下した。全てを滴下した後、2時間保持し重合を完了し、結着樹脂(5H)溶液を得た。
<結着樹脂5の製造>
四つ口フラスコ内に、上記低分子量成分(5L)のキシレン溶液200質量部(低分子量成分30質量部相当)を投入し、昇温して還流下で撹拌する。一方、別容器に上記高分子量成分(5H)溶液200質量部(高分子量成分70質量部相当)を投入し、還流させる。上記低分子量成分(5L)溶液と高分子量成分(5H)溶液を還流下で混合した後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を冷却、固化後粉砕し結着樹脂5を得た。この結着樹脂の諸物性については表1に示した通りである。
<磁性酸化鉄1の製造>
Fe2+1.54mol/リットルを含む硫酸第一鉄水溶液65リットルと、2.38Nの水酸化ナトリウム水溶液88リットルを混合し、撹拌した。
混合水溶液中のpHが12となるように調整後、温度90℃を維持しながら、30リットル/minの空気を吹き込み、第1の酸化反応を一旦終了させた。
次いで、Fe2+1.27mol/リットルを含む硫酸第一鉄水溶液中を別に用意し、前述の反応スラリーに加え、液のpHを6.0以上9.0以下に維持したまま再び15リットル/minの空気を吹き込み、第2の酸化反応を終了させた。
次いで、得られた磁性酸化鉄粒子を含むスラリーへケイ酸ソーダの水溶液(Si品位13.4%)120gと硫酸アルミニウムの水溶液(Al品位4.2%)380gを同時に投入しpHを5以上9以下に調整し表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層が形成された磁性酸化鉄スラリーを得た。このスラリーを常法により濾過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子1を得た。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄2乃至4の製造>
磁性酸化鉄1の製造例に従い磁性酸化鉄2乃至4を製造した。尚、酸化反応により得られた磁性酸化鉄粒子を含むスラリーへのケイ酸ソーダの水溶液(Si品位13.4%)と硫酸アルミニウムの水溶液(Al品位4.2%)の投入量を調整することで被覆量を変化させた。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄5の製造>
Fe2+1.54mol/リットルを含む硫酸第一鉄水溶液65リットルと、2.38Nの水酸化ナトリウム水溶液88リットルを混合し、撹拌した。
混合水溶液中のpHが12となるように調整後、温度90℃を維持しながら、30リットル/minの空気を吹き込み、酸化反応を一旦終了させた。
次いで、得られた磁性酸化鉄粒子を含むスラリーへケイ酸ソーダの水溶液(Si品位13.4%)120gと硫酸アルミニウムの水溶液(Al品位4.2%)380gを同時に投入しpHを5以上9以下に調整し表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層が形成された磁性酸化鉄スラリーを得た。このスラリーを常法により濾過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子5を得た。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄6乃至7の製造>
磁性酸化鉄5の製造例に従い磁性酸化鉄6乃至7を製造した。尚、酸化反応により得られた磁性酸化鉄粒子を含むスラリーへのケイ酸ソーダの水溶液(Si品位13.4%)と硫酸アルミニウムの水溶液(Al品位4.2%)の投入量を調整することで被覆量を変化させた。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄8の製造>
2mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液50リットルに、0.14mol/リットルの硫酸チタニル水溶液5リットルを、pH1.0、温度50℃の条件下で混合させ、十分撹拌した。このチタン塩含有硫酸第一鉄水溶液と、5mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液43リットルを混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーをpH12に維持し、温度85℃にて空気を吹き込み酸化反応を行った。その後、得られた磁性酸化鉄粒子を含むスラリーへケイ酸ソーダの水溶液(Si品位13.4%)を120g投入しpHを5以上9以下に調整し表面にケイ素を含む被覆層が形成された磁性酸化鉄スラリーを得た。このスラリーを常法により濾過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子8を得た。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄9の製造>
磁性酸化鉄粒子8の酸化反応後のスラリーを常法により濾過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子9を得た。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄10の製造>
Fe2+1.6mol/リットルを含む硫酸第一鉄水溶液21.0リットルと3.1Nの水酸化ナトリウム水溶液20.7リットルを混合し、撹拌した。その後、pH6.7,90℃で80l/minの空気を通気して第一段反応を開始し、同時にケイ素成分として3号水ガラス(SiO228.8wt%)196.3g(Feに対しSi換算で4.5原子%に該当する。)を水で希釈して0.3lとしたものを10分毎に0.06lづつ5回に分割して添加した。上記水ガラス溶液の滴下終了後、30分間撹拌しながら酸化反応を続け、第一段反応を終了させ磁性酸化鉄核晶粒子を含む第一鉄懸濁液を得た。このとき、酸化反応開始後、Fe2+の酸化度が20%を越えて以降のpHは7.5以上9.5以下の範囲内であり、しかも、30%を超えて以降のpHは8.0以上9.5以下の範囲内であった。第一段反応終了後の上記磁性酸化鉄核晶粒子を含む第一鉄塩懸濁液に9Nの水酸化ナトリウム水溶液0.4リットルを添加して懸濁液のpHを9.5に調整した後、温度90℃において100リットル/minの空気を30分間通気して第二段反応を行ってマグネタイト粒子を生成させた。生成粒子は、常法により、水洗、濾別、乾燥、粉砕した。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄11の製造>
Fe2+1.54mol/リットルを含む硫酸第一鉄水溶液65リットルと、2.38Nの水酸化ナトリウム水溶液88リットルを混合し、撹拌した。
混合水溶液中の残留水酸化ナトリウムが2.1g/リットルとなるように調整後、温度80℃を維持しながら、30リットル/minの空気を吹き込み、第1の酸化反応を一旦終了させた。
次いで、Fe2+1.27mol/リットルを含む硫酸第一鉄水溶液中に、Zn2+0.5mol/リットルとなるように硫酸亜鉛を添加した水溶液2.25リットルを別に用意し、前述の反応スラリーに加え、再び15リットル/minの空気を吹き込み、第2の酸化反応を終了させた。
次いで、Fe2+1.01mol/リットルを含む硫酸第一水溶液中に、Si4+0.44mol/リットルとなるようにケイ酸ナトリウム(3号)を添加した水溶液2.3リットルを別に用意し、前述の反応スラリーに加え、再び15リットル/minの空気を吹き込み、第3の酸化反応を終了させた。得られた生成粒子は通常の洗浄、濾過、乾燥、粉砕工程により処理した。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄12の製造>
Fe2+を2.0mol/リットル含有する水溶液50リットルに水溶性ケイ酸塩としてSi4+を0.192mol/リットル含有する水溶液を20リットル添加し、NaOHを5.0mol/リットル含有する水溶液42リットルと撹拌混合した。得られたスラリー中の残留NaOHは2.5g/リットルであった。このスラリーの温度を85℃に維持しながら空気を65リットル/min通気することで酸化を行い、磁性酸化鉄コア粒子を含むスラリーを得た。
得られたスラリーに、Fe2+を1.30mol/リットル、Zn2+を0.05mol/リットル、かつSi4+を0.26mol/リットル含有する硫酸第一鉄水溶液、硫酸亜鉛水溶液、及びケイ酸ナトリウム水溶液の混合水溶液4.50リットルを添加し、混合スラリーのpHを8.5、温度85℃に維持しながら再び空気を通気して酸化を行い、表面を亜鉛及びケイ素を含む複合酸化鉄にて被覆した。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーを常法の濾過、乾燥、粉砕を行い、マグネタイト粒子を得た。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
<磁性酸化鉄13の製造>
磁性酸化鉄12の製造例に従い磁性酸化鉄13を製造した。尚、酸化反応により得られた磁性酸化鉄粒子を含むスラリーへの硫酸亜鉛水溶液の投入量を調整することで亜鉛被覆量を変化させた。磁性酸化鉄の諸物性については表2に示した通りである。
[実施例1]
・結着樹脂1 70質量部
・結着樹脂2 30質量部
・磁性酸化鉄粒子1 70質量部
・フィッシャートロプシュワックス(融点:101℃) 4質量部
・荷電制御剤−b−1 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.3μmの負帯電性の磁性トナー粒子を得た。
磁性トナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉体1[BET比表面積150m2/g、シリカ微粉体100質量部に対しヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコンオイル10質量部でシリカ微粉体100質量部を疎水化処理]を1.0質量部とチタン酸ストロンチウム微粉体(D50:1.0μm)3.0質量部を外添混合し目開き150μmのメッシュで篩い、磁性トナー1を得た。磁性トナーの処方及び物性値を表3に記す。
この磁性トナー1を、市販のデジタル複写機(IRC−6870 キヤノン製)を静電荷像担持体のプロセススピードが570mm/sec(120cpmに相当)のプリントスピードに改造し、温度23℃,湿度5%RHの環境(N/L)と温度23℃,湿度60%RHの環境(N/N)と温度32℃,湿度80%RHの環境(H/H)で印字比率1%のテストチャートを用いて、オフィスプランナーA4紙(坪量68g/m2)に20万枚の連続プリント試験を行った。その評価結果を表4,5,6に示す。
画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度測定を行い、5mm角の画像を測定した。カブリは反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて行い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drをカブリ量としてカブリの評価を行った。数値の少ない方がカブリ抑制が良い。これらの評価を、初期、200000枚時に行った。
耐排紙接着性の評価については、上記複写機及び市販の複写機(IR−4570 キヤノン製)を静電荷像担持体のプロセススピードが300mm/secのプリントスピードに改造したものを用いて印字比率6%のテストチャートを用いて温度32℃,湿度80%RHの環境(H/H)においてオフィスプランナーA4紙(坪量68g/m2)に両面で10枚の連続プリント試験を行った。その後、10枚重ねた状態で未開封のオフィスプランナー用紙の束(500枚/束)を7束(3500枚に相当)重ねて1時間荷重をかけ、剥がした際の状態を評価した。これらの評価を表4に示す。
A(良):排紙接着が発生しない
B(可):紙同士の接着は見られるが剥がした際に画像に欠陥が見られることはない
C(悪い):剥がした際に画像に欠陥が見られる。
また、市販の複写機(IRC−6870 キヤノン製)の定着器を外部へ取り出し、複写機外でも動作し、定着ローラー温度,プロセススピード,加圧力を任意に設定可能になるように改造した外部定着器を用い、定着性,耐オフセット性の評価を行った。定着性はプロセススピードを570mm/sec,加圧力30kgf/cm2の条件で80g/m2紙を用い、ベタ黒とハーフトーンの2種類の未定着画像を通紙することにより評価した。耐オフセット性はプロセススピードを50mm/sec,加圧力50kgf/cm2の条件で50g/m2紙を用い未定着画像を通紙することにより評価した。その評価結果を表7に示す。
定着性については、ベタ黒とハーフトーンの2種類の画像を140℃に温調した定着器に通し、50g/cm2の荷重をかけ、シルボン紙によりその定着画像を摺擦し、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)で評価した。
A(良):10%未満
B(可):10%以上、20%未満
C(悪い):20%以上
耐オフセット性は、画像面積率約5%のサンプル画像をプリントアウトし、240℃に温調した定着器に通し、画像上の汚れの程度により評価した。
A:良好
B:わずかに汚れる程度
C:画像に影響する汚れ発生
[実施例2〜10]
表3に記載の処方で実施例1と同様に樹脂,荷電制御剤,磁性酸化鉄を変更し、磁性トナーNo2〜10を作製した。このようにして得られた物性値を表3に示し、同様の試験をした結果を表4,5,6,7に示す。
[比較例1〜6]
表3に記載の処方で実施例1と同様に樹脂,荷電制御剤,磁性酸化鉄を変更し、磁性トナーNo11〜16を作製した。このようにして得られた物性値を表3に示し、同様の試験をした結果を表4,5,6、7に示す。
Figure 2008181041
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本発明の磁性トナーを用いて画像形成を行うのに好適な画像形成装置の一例を示す該略図である。 本発明の実施例で用いた磁性酸化鉄1の昇温酸化スペクトルデータである。

Claims (5)

  1. 結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーにおいて、
    該磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃以上400℃以下であり、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g以上1.50mmol/g以下であり、該磁性酸化鉄のZn含有量が100ppm以下であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 該磁性酸化鉄を磁性トナー中に25質量%以上40質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性トナーの粘弾性測定の周波数分散測定から得られる温度150℃を基準温度としたときのマスターカーブにおいて、シフトファクターaTから求められる活性化エネルギーEaが50kJ/mol以上120kJ/mol以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 少なくとも静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上の磁性トナーによって現像して磁性トナー像を形成し、静電荷像担持体上の磁性トナー像を中間転写材を介し、又は介さずに転写材へ転写し、転写材上の磁性トナー画像を熱定着手段によって定着する画像形成方法に使用される磁性トナーであって、
    該静電荷像担持体のプロセススピードが500mm/sec以上800mm/sec以下であり、該磁性酸化鉄の昇温酸化法によって得られるメインピーク温度が200℃以上400℃以下であり、昇温酸化法による測定で消費された酸素量が0.600mmol/g以上1.50mmol/g以下であり、該磁性酸化鉄のZn含有量が100ppm以下であることを特徴とする磁性トナー。
  5. 少なくとも静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上の磁性トナーによって現像して磁性トナー像を形成し、静電荷像担持体上の磁性トナー像を中間転写材を介し、又は介さずに転写材へ転写し、転写材上の磁性トナー画像を熱定着手段によって定着する画像形成方法であって、
    該静電荷像担持体のプロセススピードが500mm/sec以上800mm/sec以下であり、該磁性トナーが請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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