JP2009205049A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高速の現像システムで且つ、間欠通紙モードにおいても、ブロッチや現像筋が発生しない画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上のトナーによって現像してトナー像を形成する画像形成方法において、
該現像スリーブに少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子が、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上のトナーによって現像してトナー像を形成する画像形成方法において、
該現像スリーブに少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子が、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真における静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナー及び画像形成方法に関する。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用した像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像を形成させる工程と、像担持体上に形成されている静電潜像を現像する現像工程と、現像された画像を転写手段により転写材に移行させて転写させる転写工程と、転写材上に転写された転写画像を加熱・定着する定着工程を経て、目的とする定着物を得る。
この内、現像方式としては、シンプルな構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスも容易なことから、一成分現像方式が好ましく用いられる。
近年では複写機及びプリンターの如き画像形成装置が広く普及するに従い、パーソナルユースからプロフェッショナルユースへとその裾野が拡張されつつある。特に、軽印刷(多品種少量印刷が可能なプリント・オン・デマンド;POD)用途として本格的に使用され始めており、このため、画像形成システム並びにトナーに要求される性能もより高度になってきた。
その中でも特に、電子写真によるPOD用途を想定した場合、高生産性が求められており、それに伴い複写機及びプリンターの高速化対応が求められる。
一方、実用上では連続通紙モードだけで無く、間欠通紙モードでの運転も行われる場合もある。間欠通紙モードでは、連続通紙モードに比較して、現像プロセスが起動と停止を繰り返す頻度が高い。
その結果、トナーを現像させるために担持させる現像スリーブの回転速度、即ち現像スリーブ周速が速度差を生じる頻度が高くなり、それに伴う弊害が生じ易くなる。
先ず、現像スリーブに周速差が生じると、現像スリーブ上のトナーコート量(トナー層厚)を規制する部材(以降トナー層厚規制部材と称す)によるトナーの規制力が不均一になり易い。またトナーと現像スリーブとの摩擦帯電の頻度に差が生じ、トナーの帯電が不均一となり易い。その結果、適正に帯電されないトナーが規制不良となって現像スリーブ上に流出し、斑点状、波状のムラとなる、所謂ブロッチという現象が発生しやすくなる。
また、不均一に帯電されたトナーにより、静電的な凝集塊が生じ易くなる。そしてこの凝集塊が現像スリーブとトナー層厚規制部材の間にトラップされることで、トナーコート層に縦筋が発生し、それが現像され画像欠陥として現れる、所謂現像筋が発生し易くなる。
これらは、PODの如き現像スリーブが高速で回転するシステム、即ち現像スリーブの回転起動時と到達速度との周速差が大きくなる条件において、顕著に表われる。
このような課題に対して、現像スリーブ及びトナーから数多くの改良手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、アルミニウム、真ちゅう又はステンレス等の基層の表面にCrメッキ表層、アルマイト層、Ni−Pメッキ層又は窒化処理層を設けた現像スリーブが開示されている。
また、特許文献2では、アルミニウム又はステンレス等の基層の表面にCr、Cu−Cr、Ni−Cr、Cu−Ni−Cr又はNi−Cu−Ni−Ca等のメッキ層を設けた現像スリーブが開示されている。
また、特許文献3では、アルミニウムを主体とした基層、電気Crメッキ表層、及びこれら二層の間に位置する無電解Ni−Pメッキ中間層を有する現像スリーブが開示されている。
これらの提案に関しては、何れも現像スリーブの耐磨耗性を向上することが出来、連続通紙モードにおける耐久安定性は向上しているが、間欠通紙モードにおける安定性の観点では十分では無く、改良の余地が残されている。
また特許文献4、5ではCoを含む複合酸化鉄被覆層を有する磁性酸化鉄粒子、特許文献6ではZnを含む複合酸化鉄被覆層を有する磁性酸化鉄粒子、特許文献7ではMn、Zn、Cu、Ni、Co、Mg等の如き元素を含む複合酸化鉄を含有する磁性酸化鉄粒子、特許文献8ではSiを含む被覆層を有する磁性酸化鉄粒子、特許文献9ではTiを含む磁性酸化鉄粒子が開示されている。
また、特許文献10では、表面に無電解メッキを施された現像スリーブと、磁性トナーとして、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素αを0.10乃至4.00質量%含有した磁性体を用いた画像形成方法が提示されている。
また、特許文献11では、表面に無電解メッキを施された現像スリーブと、磁性トナーとして、グリシジル基を少なくとも含有する結着樹脂と、電気陰性度1.0乃至2.5の元素を一種類以上含有している磁性酸化鉄を用いた画像形成方法が提示されている。
これらの技術に関しても、連続通紙モードにおける評価では良好な現像性と耐久性が得られているが、間欠通紙モードにおいては改良の余地がある。
また、特許文献12では、粗面化処理後に金属の層を形成した現像スリーブと、重量平均粒径が0.4乃至5.5μmの金属酸化物粒子又は複合金属酸化物粒子を有したトナー、及びトナー補給方法を規定した画像形成方法が提示されている。該明細書中の段落〔0140〕に連続/間欠に拘わらず、いかなるコピーモードであっても、現像器内のトナーの劣化の発生がなく、常時安定した現像性を保持することができるとの記載がある。しかし、より高速の現像システム(例えば現像スリーブ周速で500mm/sec以上)における安定性に関しては改良の余地がある。
本発明の目的は、上記問題点を解消した画像形成方法を提供することにある。即ち本発明の目的は、高速の現像システムで且つ、間欠通紙モードにおいても、ブロッチや現像筋が発生しない画像形成方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明は、静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上のトナーによって現像してトナー像を形成する画像形成方法において、
該現像スリーブが少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子は、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする画像形成方法に関する。
該現像スリーブが少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子は、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、高速の現像システムで且つ、間欠通紙モードにおいても、安定的な帯電付与を行うことが出来、その結果ブロッチや現像筋が発生しない画像形成方法を提供し得る。
本発明は静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上のトナーによって現像してトナー像を形成する画像形成方法に関する。
本発明者らは、特定のメッキを施した現像スリーブと、特定の磁性酸化鉄粒子を含有した磁性トナーとを組み合わせた画像形成方法において、前述の課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上のトナーによって現像してトナー像を形成する画像形成方法において、
該現像スリーブが、少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子が、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする画像形成方法に関する。
該現像スリーブが、少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子が、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明者等は、まず高速現像システム且つ、間欠通紙モードにおいてブロッチ及び現像筋が発生するメカニズムを推定し、その対策を検討した。
一成分系現像方式は、静電荷像担持体表面に静電潜像を形成し、トナー担持体としての現像スリーブとトナーとの摩擦、及び/又は現像スリーブ上のトナーコート量(トナー層厚)を規制するためのトナー層厚規制部材とトナーとの摩擦により、トナーに正又は負の電荷を与える。
そして更にこのトナーを表面に薄く塗布した現像スリーブによって、上記の正又は負に帯電されているトナーを静電荷像担持体と現像スリーブとが対向した現像領域に搬送する。そして該現像領域において、トナーを前記静電荷像担持体表面の静電潜像に飛翔・付着させて現像し、静電潜像をトナー画像として顕像化している。
この画像形成プロセスにおいては、現像スリーブ内の磁気発生手段の磁力及び/又は静電気力による付着力と現像スリーブの回転により生じる搬送力とのバランスにより現像スリーブの表面近傍のトナー層が安定的に形成され続けるかどうかが決まる。さらに、現像スリーブの表面のトナー層をトナー層厚規制部材の位置を通過する過程でいかに均一にかつ迅速に摩擦帯電させられるかが重要になる。
一方、高速の現像システムにおける間欠通紙モードでは、現像スリーブが起動と停止を繰り返すため、周速差を生じる頻度が高く、且つその差も大きくなる。
現像スリーブに周速差が生じると、トナー層厚規制部材による規制力が変わるためトナーコート量が変動し、トナーの帯電量も変化するためブロッチが発生し易くなると考えられる。また、トナーの摩擦帯電の頻度も変動するため、帯電性が不均一になり、静電的な凝集塊が生じ易くなる。そしてこの凝集塊が現像スリーブとトナー層厚規制部材の間にトラップされることで、トナーコート層に縦筋が発生し、それが出力画像に現れると考えられる。
間欠通紙モードにおいては、上記の現象が発現する頻度が高くなると共に、その周速差が大きくなる高速の現像システム、例えば現像スリーブ周速で500mm/secより高速の条件においては、より顕著に表われると考えられる。
本発明者等は、上記の推定メカニズムの基、鋭意検討を行い、特定の金属でメッキ処理を行った現像スリーブと、一定量のFe(2+)を含有する磁性酸化鉄粒子を含有するトナーとを組み合わせた画像形成方法において、上記の課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキを施した現像スリーブと、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下、好ましくは21.0質量%以上24.0質量%以下含有する磁性酸化鉄粒子を含有する磁性トナーとを組み合わせることを特徴とする。
この両者を組み合わせた画像形成方法を用いることで、高速現像システム且つ、間欠通紙モードにおいてもブロッチ及び現像筋が解消されるメカニズムは以下の様に推察される。
まず、本発明の現像スリーブは、少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したニッケル(以降Niと称す)メッキを施したことを特徴とする。
現像スリーブに関しては、円筒状基体と、該基体表面を被膜するメッキ層を有する。このうち、表面メッキ層に関しては、耐磨耗性や帯電性の観点から特にNiを有するメッキ層が好ましい。一方で、現像スリーブ表面の物性としては現像スリーブ内部にマグネットを有するため非磁性であることが好ましい。Niは単体では強磁性であるため、単体で用いると現像スリーブ内部のマグネットの磁力遮蔽効果が出てカブリ等が悪化するが、異種金属と用いると非晶質となり非磁性化するため用いることが可能となる。本発明者等はこの、Niと共に用いる異種金属について鋭意検討を行った結果、電気陰性度が2.00以上の金属元素を含有したNiメッキを施すと帯電付与の安定性が更に向上することを見出した。
電気陰性度2.00以上の金属元素とは、比較的電子を引き寄せる能力が大きいことを示し、詳細は明確ではないが、Niと共に用いることで帯電付与の安定性がより向上するものと考えられる。
なお、本発明における電気陰性度はポーリングの電気陰性度(出典:A.L.Allred,J.Inorg.Nucl.Chem.,1961,17,215.)の値である。
一方、トナーに関してだが、本発明のトナーはFe(2+)が20.0質量%以上25.0質量%以下である磁性酸化鉄粒子を含有することを特徴とする。
なお、本発明に使用される磁性材料としての、磁性酸化鉄粒子とは、マグネタイトを主成分とするものである。以下の説明では、磁性酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、磁性酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子と言う場合には、その内容によって個々の粒子又はその集合の何れも意味する。
また、本発明においては、磁性酸化鉄粒子のFe(2+)と記載した場合はFeOに帰属される2価の鉄原子、Fe(3+)と記載した場合は3価の鉄原子を表すものである。
本発明におけるFe(2+)の含有率が20.0質量%以上25.0質量以下とは、FeO量に換算すると25.7質量%以上32.2質量%以下であり、従来のマグネタイトに比較してFe(2+)リッチな状態であることを示す。マグネタイトは、Fe(2+)とFe(3+)との電荷の授受により、その電気特性等を司っている。Fe(2+)の含有率を20.0質量%以上25.0質量%以下に制御することで、この電荷の授受が効率的に行われると考えられ、その結果トナーの帯電安定性が均一になることを見出した。また、Fe(2+)がリッチな磁性酸化鉄粒子を用いることで、磁性酸化鉄粒子の磁気特性がより安定になり、トナーコート性が良好になることを見出した。
本発明の最大の特徴は、上記の現像スリーブと、磁性トナーとを組み合わせた画像形成方法を用いると、高速現像システム且つ、間欠通紙モードの過酷な条件においても、帯電均一性及びコート性が安定的に得られることを見出したことである。その結果、ブロッチ及び現像筋を解消することが可能となり、本発明を完成するに至った。
次に本発明の現像スリーブに関して、具体的に説明をする。
現像スリーブの基体材料としては、アルミニウム合金であることが好ましい。該材料は、低硬度であると共に、比較的安価であり、熱伝導率が高いため熱による歪みが少なく画像ムラが発生しずらい。
更に本発明の現像スリーブは、トナーの搬送及び、帯電性を向上させるため、表面に凹凸を有することが好ましい。この表面凹凸は、球状粒子(例えばガラスビーズ等)によりブラスト処理されることが好ましい。
また、ブラスト処理後の現像スリーブ表面粗さは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ(Ra)で0.2乃至3.5μmであることが好ましい。上記範囲内に制御することで、現像スリーブ表面が滑らかな凹凸となり、凹部へのトナー詰まりがなく、現像スリーブ汚染を軽減させる傾向がある。
次に、本発明の現像スリーブメッキ層の一例について、図1を用いて説明する。図1の基本的構成は、基層41aの上に、無電解メッキ中間層41bを有し、及び中間層41b表面に直接接合された電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキ層41cを最表面に有する。
本発明のメッキ層に関しては、中間層41b及び表層41c共に無電解メッキを施すことが好ましい。
電気メッキの場合、凹凸粗面とした表面に対しては、電解の集中する凸部に優先的に付着するため、凸部のみメッキ層が厚くなってしまい、均一なメッキ層を形成することができない。無電解メッキとすることにより凹凸粗面に関わらず均一に精度よくメッキ層を形成し、メッキ前後で表面粗さの変化量を小さくすることができる。
また、本発明においては、基層41a表面のクラックや突起を被覆するために、基層41aと電気メッキ表層41cの間に無電解メッキ中間層41bを設けることが好ましい。
また、無電解メッキ中間層41bとしては、ビッカース硬度にてHv300以上であることが耐磨耗性の観点から好ましく、具体的には、Ni−P、Ni−B、Cr、Pd−P等が好ましい。特に磁性トナーと共に用いる場合は、非磁性のNi−P或いはNi−Bが好ましい。
また、電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキ層41cに関しても上述の理由により無電解メッキでメッキ処理されることが好ましい。
またメッキ厚としてはトータルで1乃至50μmとすることが好ましい。メッキ厚を上記範囲内に制御することで、より高速の現像システムにおいても対磨耗性が維持される。
メッキ厚が1μm未満である場合、高耐磨耗性を満足することが難しく、また、メッキ厚が50μmを超える場合、下地の表面性をメッキ後に継承することが難しい。
次に、磁性酸化鉄粒子について具体的に説明する。
本発明の磁性酸化鉄粒子は一般的なマグネタイトの溶液反応により製造される。具体的には第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化することにより得られる。本発明の特徴である、Fe(2+)の含有率が20.0質量%以上25.0質量%以下、即ちFe(2+)リッチの磁性酸化鉄粒子を得るには、製造時に非酸化雰囲気で乾燥を行ったり、還元反応処理、または酸化反応を多段階で行うことにより得られる。この中でも特に、経時安定性の観点から、酸化反応を多段階で行う製造方法が特に好ましい。
本発明における、磁性酸化鉄粒子中のFe(2+)の含有率は、JIS M8213(1983)の酸化第一鉄定量方法に準拠し測定される。具体的には、3.8リットルの脱イオン水にサンプル25gを加え、ウォーターバスで温度40℃に保ちながら撹拌速度200回転/minで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬(濃度35%)424mlを溶解した塩酸水溶液(脱イオン水)1250mlを加え、サンプルを完全に溶解し、0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾液を採取する。この濾液25mlに脱イオン水75mlを加えて試料を調整して、指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加えて、0.05モル/リットル重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定を行う。該試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を求め、滴定量から、磁性酸化鉄粒子中のFe(2+)含有率(質量%)を求めた。
また本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上150質量部以下が好ましく、更には50質量部以上120質量部以下であることが好ましい。
本発明に関しては、上記構成を満たしていれば、高速の現像システムで且つ、間欠通紙モードにおいても、ブロッチや現像筋が発生しない画像形成方法を提供することであるが、下記の要件を満たすとより好ましい。
本発明の現像スリーブは、少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の元素としてタングステン(電気陰性度=2.36、以降Wと称す)を最表面のメッキ層中に0.5質量%以上7.0質量%以下、好ましくは3.0以上7.0質量%以下含有していることが好ましい。
Wは安定性、工業生産性が高く、且つ電気陰性度2.00以上の元素の中でもより高い値を有するため、より高速の現像システム、例えば現像スリーブ周速800mm/sec以上のシステムや、低湿環境等の帯電性に厳しい環境においても安定な帯電性能を付与することが可能である。
なお、本発明のW含有量は、無電解メッキ液を基準にした質量%である。
また、本発明の現像スリーブは、少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の元素としてWを0.5質量%以上7.0質量%以下含有し、且つホウ素(電気陰性度=2.04、以降Bと称す)又はリン(電気陰性度=2.1、以降Pと称す)を最表面のメッキ層中に0.5質量%以上5.0質量%以下含有していることが好ましい。
B又はPも電気陰性度2.00以上の金属元素であるが、Wと共存することで帯電安定性がより向上する。また、メッキ強度も向上し耐久性の点で好ましい。
また、本発明の磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下であることが好ましい。
Fe元素溶解率とは磁性酸化鉄粒子の位置情報を表す指標である。すなわち、Fe元素溶解率において、0質量%の状態とは、磁性酸化鉄粒子が全く溶解されていない状態のことであり、Fe元素溶解率が100質量%の状態とは、磁性酸化鉄粒子が完全に溶解された状態のことである。即ち、Fe元素溶解率100質量%の時点が意味する位置情報としては、中心を意味することとなる。つまり、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量とは、磁性酸化鉄粒子の表面から10質量%の範囲に存在する総Fe量を意味する。そして、割合Xとは、その総Fe量に占めるFe(2+)の割合である。
つまり、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下であることは、従来のマグネタイトに比較して、特に表面近傍のFe(2+)がリッチな状態であることを示す。磁性酸化鉄粒子表面近傍のFe(2+)がリッチになることで、Fe(3+)との電荷の授受が更に効率的に行われ、結果トナーの帯電安定性がより均一になり好ましい。
Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下である磁性酸化鉄粒子を得るには、製造時の酸化反応を多段階で行うことにより得られる。
具体的には、水酸化第一鉄の酸化の進行に合わせて酸化性ガスの吹き込み量を漸次減少させ、最終段階での吹き込み量を少なくすることが好ましい。このように多段階の酸化反応を行うことで酸化鉄粒子の表面のFe(2+)量を選択的に高めることが可能となる。酸化性ガスとして空気を用いる場合には、鉄元素100モルを含有するスラリーに対して、例えば、吹き込み量を以下のように制御することが好ましい。尚、吹き込み量は、下記の範囲で、漸次減少させる。
・水酸化第一鉄の50%が酸化鉄となるまで:10乃至80リットル/min、好ましくは10乃至50リットル/min
・水酸化第一鉄の50%より高く75%以下が酸化鉄となるまで:5乃至50リットル/min、好ましくは5乃至30リットル/min
・水酸化第一鉄の75%より高く90%以下が酸化鉄となるまで:1乃至30リットル/min、好ましくは2乃至20リットル/min
・水酸化第一鉄の90%超が酸化鉄である段階:1乃至15リットル/min、特に2乃至8リットル/min
・水酸化第一鉄の50%が酸化鉄となるまで:10乃至80リットル/min、好ましくは10乃至50リットル/min
・水酸化第一鉄の50%より高く75%以下が酸化鉄となるまで:5乃至50リットル/min、好ましくは5乃至30リットル/min
・水酸化第一鉄の75%より高く90%以下が酸化鉄となるまで:1乃至30リットル/min、好ましくは2乃至20リットル/min
・水酸化第一鉄の90%超が酸化鉄である段階:1乃至15リットル/min、特に2乃至8リットル/min
また、本発明の磁性酸化鉄粒子を安定的に得る為には、磁性酸化鉄粒子の内部に金属元素を含有させ、且つ磁性酸化鉄粒子の表面に各種金属元素から成る被覆層を形成することが好ましい。特に本発明においては、摩擦帯電性と耐熱性のバランスを取り、磁性酸化鉄粒子の内部にケイ素を含有し、磁性酸化鉄粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成させることが特に好ましい。
また、磁性酸化鉄粒子の内部に含まれるケイ素の量は、磁性酸化鉄粒子全体に対し、Siとして0.20質量%以上1.50質量%以下が好ましく、より好ましくは、0.25質量%以上1.00質量%である。上記の範囲に制御することで、磁性酸化鉄粒子の磁気特性を阻害することなく耐熱性及び摩擦帯電性を安定化することが可能となる。
また、該被覆層に含まれるケイ素の量が磁性酸化鉄粒子の全体に対し、Siとして0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上0.25質量%以下である。また、被覆層に含まれるアルミニウムの量は磁性酸化鉄粒子の全体に対しAlとして0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上0.25質量%以下である。上記の範囲に制御することで、磁性酸化鉄粒子の帯電特性を阻害することなく耐熱性を向上することが可能となる。
また、本発明の磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残りの90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合をYとした時、比(X/Y)が、1.00より大きく1.30以下であることが好ましい。
比(X/Y)は、磁性酸化鉄粒子の表面と内部とのFe(2+)存在割合比を示す。X/Yが上記の範囲内にある場合には、内部におけるFe(2+)の量も適当であるため、より良好な摩擦帯電を行うことが可能となり、またカブリや濃度ムラの発生を良好に抑制できる。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、磁性トナー粒子中への分散性や黒味の面から、八面体形状であることがより好ましい。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、平均一次粒子径が0.10μm以上0.30μm以下であり、好ましくは0.10μm以上0.20μm以下であることが好ましい。磁性酸化鉄粒子の平均一次粒子径を上記範囲に制御することで磁性トナー粒子中に磁性粉を均一に分散させることが出来、帯電安定性が更に向上する。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は、外部磁場795.8kA/mにおける磁化の値が86.0Am2/kg以上であり、好ましくは87.0Am2/kg以上である。磁化の値を上記範囲内に制御することで、長期に渡る耐久においても安定した現像特性を有する。
また、本発明で使用する磁性酸化鉄粒子は磁性トナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄粒子を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
本発明で用いられる磁性酸化鉄粒子の製造方法は一般的なマグネタイト粒子の製造方法を用いても特に問題は無いが、特に好ましい製造方法について、以下、具体的に説明する。
本発明に用いる磁性酸化鉄粒子は、第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた、水酸化第一鉄スラリーを酸化して、磁性酸化鉄粒子を製造する方法である。
第一鉄塩として利用できるものは、硫酸第一鉄又は、塩化第一鉄の如き、水可溶性塩ならば特に限定されない。この第一鉄塩に、最終的な磁性酸化鉄粒子総量に対して、Siに換算して0.20質量%以上、1.50質量%以下となるように水溶性ケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウム)を添加し、混合する。
次に、得られたケイ素成分を含有する第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して、水酸化第一鉄スラリーを生成させる。
ここでアルカリ溶液は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム水溶液の如き水酸化アルカリ水溶液を用いることが出来る。
水酸化第一鉄スラリーを生成させる際のアルカリ溶液量は、求める磁性酸化鉄粒子の形状に応じて調整すればよい。具体的には、水酸化第一鉄スラリーのpHが8.0未満となるように調整すれば、球状粒子が得られ、pH8.0以上9.5以下となるように調整すれば、六面体状粒子が得られ、pH9.5を超えるように調整すれば、八面体状粒子が得られるので、適宣調整する。
こうして得られた、水酸化第一鉄スラリーより、磁性酸化鉄粒子を得るために、常法の酸素含有ガス、好ましくは空気をスラリー中に吹き込みながら酸化反応を行う。この酸化反応を、多段階、具体的には磁性酸化鉄粒子の成長に合わせて空気の流量を適宜調整し、多段階で酸化反応を行う。このように多段階の酸化反応を行うことで、従来のマグネタイトに比較してFe(2+)リッチで、且つ表面にFe(2+)を選択的に増量させることが可能となる。
次に、得られたコア粒子の磁性酸化鉄粒子のスラリーへケイ酸ソーダ水溶液と硫酸アルミニウム水溶液を同時に投入し、pHを5以上、9以下に調整し、粒子の表面をケイ素及びアルミニウムを含む被覆層が形成された磁性酸化鉄粒子のスラリーを得る。
被覆層を形成するケイ素及びアルミニウムは最終的な磁性酸化鉄粒子総量に対して、Siに換算して0.05質量%以上0.50質量%以下、Alに換算して0.05質量%以上0.50質量%以下になるように調整する。
得られた表面被覆層を形成する磁性酸化鉄粒子のスラリーを常法のろ過、洗浄、乾燥、粉砕処理を行い、磁性酸化鉄粒子を得る。
次に、磁性酸化鉄粒子の各種物性データの測定方法に関して以下に説明する。
(1)Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合X
3.8リットルの脱イオン水に試料である磁性酸化鉄粒子25gを加え、ウォーターバスで温度40℃に保ちながら撹拌速度200回転/minで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬(濃度35%)424mlを溶解した塩酸水溶液(脱イオン水)1250mlを加え、撹拌下、磁性酸化鉄粒子を溶解する。溶解開始から磁性酸化鉄粒子が全て溶解して透明になるまで、10分毎に塩酸水溶液50mlを分散する磁性酸化鉄粒子ごとサンプリングし、直ちに0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾液を採取する。採取した濾液の25mlを用いて、ICPによってFe元素の定量を行う。そして、採取された各サンプルに関して、磁性酸化鉄粒子のFe元素溶解率(質量%)を以下の計算式によって算出する。
3.8リットルの脱イオン水に試料である磁性酸化鉄粒子25gを加え、ウォーターバスで温度40℃に保ちながら撹拌速度200回転/minで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬(濃度35%)424mlを溶解した塩酸水溶液(脱イオン水)1250mlを加え、撹拌下、磁性酸化鉄粒子を溶解する。溶解開始から磁性酸化鉄粒子が全て溶解して透明になるまで、10分毎に塩酸水溶液50mlを分散する磁性酸化鉄粒子ごとサンプリングし、直ちに0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾液を採取する。採取した濾液の25mlを用いて、ICPによってFe元素の定量を行う。そして、採取された各サンプルに関して、磁性酸化鉄粒子のFe元素溶解率(質量%)を以下の計算式によって算出する。
また、Fe(2+)の濃度は採取したろ液の残り25mlを用いて測定する。この25mlの液に脱イオン水75mlを加えて試料を調製して、指示薬としてジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加える。そして0.05モル/リットルの重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定し、該試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を求め、滴定量から、Fe(2+)(mg/リットル)濃度を算出する。
上述の方法で求めた各採取サンプル中の鉄元素濃度と、同じ時点でのサンプルより求められたFe(2+)の濃度とを用いて、下式から、そのサンプルが採取された時点でのFe(2+)の割合を算出する。
そして、各採取サンプルについて、得られたFe元素溶解率とFe(2+)の割合とをプロットし、各点を滑らかに結んで、Fe元素溶解率対Fe(2+)の割合のグラフを作成する。このグラフを用いて、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合X(%)を求める。
(2)Fe(2+)の含有割合の比(X/Y)の算出
割合X(%)に関しては、上述した方法により求める。
割合X(%)に関しては、上述した方法により求める。
Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残りの90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合Y(%)に関しては、以下の方法で算出される。即ち、上述したXの測定において得られた、磁性酸化鉄粒子が完全に溶解した時の鉄元素濃度(mg/リットル)とFe元素溶解率10質量%の時の鉄元素濃度(mg/リットル)とを用い、その差を残りの90質量%中の鉄元素濃度(mg/リットル)とする。一方、上述したXの測定において得られた、磁性酸化鉄粒子が完全に溶解した時のFe(2+)の濃度(mg/リットル)とFe元素溶解率10質量%の時のFe(2+)の濃度(mg/リットル)とを用い、その差を、残りの90質量%中におけるFe(2+)の濃度(mg/リットル)とする。こうして得られた値を用いて、下記式より、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残り90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合Y(%)を算出する。
上記により算出した割合X(%)、Y(%)を用いて、比(X/Y)を算出する。
(3)磁性酸化鉄粒子の総異種元素(例えばケイ素)含有量の定量
サンプル1.00gに特級塩酸試薬(濃度35%)16mlが溶解した塩酸水溶液26mlを加え、サンプルを加熱(80℃以下)溶解し、その後室温まで放冷する。特級フッ酸試薬(濃度4%)2mlを溶解したフッ酸水溶液を4ml添加後、20分放置する。Triton X−100(10%濃度)(ACROS ORGANICS社製)を10ml添加後、100mlポリメスフラスコへ移し、純水を添加し、全溶液を100mlに合わせる。
サンプル1.00gに特級塩酸試薬(濃度35%)16mlが溶解した塩酸水溶液26mlを加え、サンプルを加熱(80℃以下)溶解し、その後室温まで放冷する。特級フッ酸試薬(濃度4%)2mlを溶解したフッ酸水溶液を4ml添加後、20分放置する。Triton X−100(10%濃度)(ACROS ORGANICS社製)を10ml添加後、100mlポリメスフラスコへ移し、純水を添加し、全溶液を100mlに合わせる。
島津製作所製プラズマ発光分析装置ICP S2000を使用し、溶液試薬中の異種元素(例えばケイ素)量を定量する。
(4)被覆層中の異種元素(例えばケイ素、アルミニウム)量の定量
サンプル0.900gを秤量し、1モル/リットル−NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら温度45℃に加温し、磁性酸化鉄粒子表面の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)を溶解する。未溶解物を濾別した後、溶出液に純水を加えて125mlとし、溶出液に含まれるケイ素やアルミニウムを上記プラズマ発光分析(ICP)で定量する。被覆層の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)は以下の式を用いて算出する。
サンプル0.900gを秤量し、1モル/リットル−NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら温度45℃に加温し、磁性酸化鉄粒子表面の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)を溶解する。未溶解物を濾別した後、溶出液に純水を加えて125mlとし、溶出液に含まれるケイ素やアルミニウムを上記プラズマ発光分析(ICP)で定量する。被覆層の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)は以下の式を用いて算出する。
(5)コア粒子の異種元素(例えば、ケイ素)量の定量
上記(4)の総異種元素含有量と上記(5)の被覆層中の異種元素量の差をコア粒子の異種元素量とした。
上記(4)の総異種元素含有量と上記(5)の被覆層中の異種元素量の差をコア粒子の異種元素量とした。
(6)磁性酸化鉄粒子の平均一次粒子径の測定
平均一次粒子径は走査型電子顕微鏡(倍率40000倍)で磁性酸化鉄粒子を観察し、200個の粒子のフェレ径を計測し個数平均粒子径を求める。本実施例においては、走査型電子顕微鏡としては、S−4700(日立製作所製)を用いた。
平均一次粒子径は走査型電子顕微鏡(倍率40000倍)で磁性酸化鉄粒子を観察し、200個の粒子のフェレ径を計測し個数平均粒子径を求める。本実施例においては、走査型電子顕微鏡としては、S−4700(日立製作所製)を用いた。
(7)磁気特性の測定
東英工業製振動試料型磁力計VSM―P7を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて測定した。
東英工業製振動試料型磁力計VSM―P7を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて測定した。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂。中でも好ましく用いられる樹脂として、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂とビニル系樹脂が混合、または両者が一部反応した、ハイブリッド樹脂。
本発明にかかる結着樹脂に用いられるポリエステル樹脂或いは上記ハイブリッド樹脂のポリエステル系ユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては以下の化合物が挙げられる。
アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェールA、下記(I−1)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(I−2)式で示されるジオール類。
酸成分としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類またはその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類またはその無水物、またさらに炭素数6以上18以下のアルキル基またはアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物。
また本発明にかかるポリエステル樹脂或いはポリエステル系ユニットは、三価以上の多価カルボン酸またはその無水物及び/または三価以上の多価アルコールによる架橋構造を含むポリエステル樹脂であることが好ましい。三価以上の多価カルボン酸またはその無水物としては、以下のものが挙げられる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物または低級アルキルエステル。三価以上の多価アルコールとしては、以下のものが挙げられる。1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール。本発明の結着樹脂においては、環境変動による安定性も高い芳香族系アルコールが特に好ましく、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその無水物が挙げられる。
本発明にかかる結着樹脂に用いられるビニル系樹脂或いはハイブリッド樹脂のビニル系重合体ユニットを構成するビニル系モノマーとしては、次の化合物が挙げられる。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
さらに、以下のものが挙げられる。マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー。
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの如きアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明の磁性トナーにおいて、結着樹脂に用いられるビニル系樹脂或いはビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有してもよい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類(日本化薬社製「MANDA」)。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100質量部に対して、0.01質量部以上10.00質量部以下、さらに好ましくは0.03質量部以上5.00質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち、結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
上記ビニル系樹脂或いはビニル系重合体ユニットの重合に用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルプロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエイト、tert−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート、tert−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−プチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート。
本発明において、結着樹脂に前記したハイブリッド樹脂を用いる場合には、ビニル系樹脂及び/またはポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系樹脂と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸またはその無水物が挙げられる。ビニル系樹脂成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基またはヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
本発明においては、トナーに離型性を与えるために必要に応じて離型剤(ワックス)を用いることができる。該ワックスとしては、磁性トナー粒子中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましく用いられる。必要に応じて一種または二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。例としては次のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明において特に好ましく用いられるワックスとしては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合し、又は低圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したワックス。
前記脂肪族炭化水素系ワックスの母体としての炭化水素としては、以下のものが挙げられる。金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物);ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレンの如きアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素。このような炭化水素の中でも、本発明では、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であることが好ましく、特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。
使用できる具体的な例としては、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業株式会社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学株式会社);サゾール H1、H2、C80、C105、C77(サゾール社);HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精蝋株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
該離型剤(ワックス)を添加するタイミングは、磁性トナー粒子の製造中の溶融混練時において添加しても良いが結着樹脂の製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。又、これらの離型剤は単独で使用しても併用しても良い。
該離型剤は結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。1質量部未満の場合は望まれる離型効果が十分に得られにくく、20質量部を超える場合は磁性トナー粒子中での分散も悪く、静電荷像担持体への磁性トナー付着や、現像部材やクリーニング部材の表面汚染が起こりやすく、トナー画像が劣化し易い。
本発明のトナーには、その摩擦帯電性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、その種類や他のトナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1質量部以上10.0質量部以下含まれることが好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
トナーを負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩。その他にも、トナーを負帯電性に制御するものとしては、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。この中でも特に、安定な帯電性能が得られる芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体又は金属塩が好ましく用いられる。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩。本発明ではこれらの一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。トナーを正帯電性に制御するものとしては、これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤が特に好ましく用いられる。
使用できる具体的な例としては、以下のものが挙げられる。Spilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学工業株式会社);BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89(オリエント化学工業株式会社)。正帯電用としては以下のものが挙げられる。TP−302、TP−415(保土谷化学工業株式会社);BONTRON(登録商標)N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学工業株式会社);コピーブルーPR(クラリアント社)。
また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末をトナー粒子に外添することが好ましい。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上(特に50m2/g以上400m2/g以下)の範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対してシリカ微粉体0.01質量部以上8.00質量部以下、好ましくは0.10質量部以上5.00質量部以下使用するのが良い。前記シリカ微粉末のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉末の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
また、本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化、摩擦帯電性コントロールの目的で未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物又は、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。このような外部添加剤としては、例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラ定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子が挙げられる。
例えば滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。
また研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。
流動性付与剤としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末が挙げられ、中でも疎水化処理したものが好ましい。
導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末が挙げられる。
またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明の磁性トナーを作製するには、結着樹脂、着色剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い磁性トナー粒子を得、更に磁性トナー粒子にシリカ微粉末をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明の磁性トナーを得ることが出来る。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
本発明の磁性トナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
<結着樹脂のガラス転移温度の測定>
示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定する。
示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定する。
測定試料としては、2mg以上10mg以下、好ましくは約3mgを精密に秤量したものを用いる。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
<結着樹脂の軟化点の測定方法>
結着樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
結着樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gのサンプルを、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<ワックスの分子量分布>
ワックスの分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
ワックスの分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
ゲルクロマトグラフ用のo−ジクロロベンゼンに、特級2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を濃度が0.10wt/vol%となるように添加し、室温で溶解する。サンプルビンにワックスと上記のBHTを添加したo−ジクロロベンゼンとを入れ、150℃に設定したホットプレート上で加熱し、ワックスを溶解する。ワックスが溶けたら、予め加熱しておいたフィルターユニットに入れ、本体に設置する。フィルターユニットを通過させたものをGPCサンプルとする。尚、サンプル溶液は、濃度が約0.15質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
検出器:高温用RI
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 2連(東ソー社製)
温度:135.0℃
溶媒:ゲルクロマトグラフ用o−ジクロロベンゼン(BHT 0.10wt/vol%添加)
流速:1.0ml/min
注入量:0.4ml
ワックスの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<ワックスの最大吸熱ピーク>
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックス約3mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30乃至200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のトナーのDSC測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークとする。
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、これによって本発明の実施の態様がなんら限定されるものではない。
<現像スリーブA−1の製造例>
現像スリーブ基材として、外径32.0mm、肉厚0.65mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。条件としては、砥粒としてFGB#600、ブラスト圧19.6N(2kgf)、回転速度10回転/min、ブラスト時間20sec、ブラスト距離150mm、ブラスト口径Φ10で処理をした。得られた現像スリーブの表面粗さRaは6点平均で0.87μmであった。なお、本発明において、Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE―30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。
現像スリーブ基材として、外径32.0mm、肉厚0.65mmのアルミニウム素管を用い、ブラスト処理を行うことでローラ表面を粗面化した。条件としては、砥粒としてFGB#600、ブラスト圧19.6N(2kgf)、回転速度10回転/min、ブラスト時間20sec、ブラスト距離150mm、ブラスト口径Φ10で処理をした。得られた現像スリーブの表面粗さRaは6点平均で0.87μmであった。なお、本発明において、Raは、JIS表面粗さ「JIS B 0601」に基づき、表面粗さ測定器(サーフコーダSE―30H、株式会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗さに相当する。
次に、ブラスト処理の終わったアルミニウムローラ表面をジンケート処理し、Ni−Pメッキ液(S−754、日本カニゼン株式会社製)中に浸して無電界メッキを行い、8.0μm厚のNi−Pメッキ中間層を形成した。
続いて、Ni−Pメッキ処理が施されたアルミニウムローラをNiBWメッキ液(5.0質量%のWと1.0質量%のBを含む)中に浸して無電解メッキを行い、1.0μm厚のNiBWメッキ層を形成し、現像スリーブA−1とした。
<現像スリーブA−2乃至A−14の製造例>
現像スリーブ1の製造例において、最表面のメッキ層を表1に示す組成とした以外は現像スリーブ1の製造例と同様にして現像スリーブ2乃至14を得た。
現像スリーブ1の製造例において、最表面のメッキ層を表1に示す組成とした以外は現像スリーブ1の製造例と同様にして現像スリーブ2乃至14を得た。
<磁性酸化鉄粒子B−1の製造例>
硫酸第一鉄を用い、Fe2+を2.0mol/リットル含有する硫酸鉄水溶液50リットルを調製した。また、ケイ酸ナトリウムを用い、Si4+を0.23mol/リットル含有するケイ酸ナトリウム水溶液10リットルを調製し、これを前記硫酸鉄水溶液に添加した。次いで、混合した水溶液に5.0mol/リットルのNaOH水溶液42リットルを撹拌混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーをpH12.0、温度90℃に調整し、30リットル/minの空気を吹き込み、水酸化第一鉄の50%が磁性酸化鉄粒子になるまで酸化反応を行った。次いで、磁性酸化鉄粒子が75%生成するまで20リットル/minの空気を吹き込み、次いで磁性酸化鉄粒子が90%生成するまで10リットル/minの空気を吹き込み、さらに磁性酸化鉄粒子の割合が90%を超えた時点で、空気を5リットル/min吹き込んで酸化反応を完結させ、八面体形状のコア粒子を含むスラリーを得た。
硫酸第一鉄を用い、Fe2+を2.0mol/リットル含有する硫酸鉄水溶液50リットルを調製した。また、ケイ酸ナトリウムを用い、Si4+を0.23mol/リットル含有するケイ酸ナトリウム水溶液10リットルを調製し、これを前記硫酸鉄水溶液に添加した。次いで、混合した水溶液に5.0mol/リットルのNaOH水溶液42リットルを撹拌混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーをpH12.0、温度90℃に調整し、30リットル/minの空気を吹き込み、水酸化第一鉄の50%が磁性酸化鉄粒子になるまで酸化反応を行った。次いで、磁性酸化鉄粒子が75%生成するまで20リットル/minの空気を吹き込み、次いで磁性酸化鉄粒子が90%生成するまで10リットル/minの空気を吹き込み、さらに磁性酸化鉄粒子の割合が90%を超えた時点で、空気を5リットル/min吹き込んで酸化反応を完結させ、八面体形状のコア粒子を含むスラリーを得た。
得られたコア粒子を含むスラリーに、ケイ酸ナトリウムの水溶液(Siを13.4質量%含有)を94mlと、硫酸アルミニウム水溶液(Alを4.2質量%含有)を288ml同時に投入する。その後、スラリーの温度を80℃に、pHを希硫酸によって5以上9以下に調整し、コア粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成した。得られた磁性酸化鉄粒子を常法により濾過し、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子B−1を得た。磁性酸化鉄粒子B−1の諸物性を表3に示す。
<磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−8の製造例>
製造例B−1において、製造条件を表2の如き調整することで得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−8の物性値を表3に示す。
製造例B−1において、製造条件を表2の如き調整することで得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−8の物性値を表3に示す。
なお、表2中の吹き込み空気量における各段数は以下に示す状態を表す。
1段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が0%以上50%以下
2段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が50%超、75%以下
3段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が75%超、90%以下
4段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が90%超え、100%まで
1段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が0%以上50%以下
2段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が50%超、75%以下
3段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が75%超、90%以下
4段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が90%超え、100%まで
<磁性酸化鉄粒子B−9の製造例>
2mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液50リットルに、0.14mol/リットルの硫酸チタニル水溶液5リットルを、pH1,温度50℃の条件下で混合させ、十分撹拌する。このチタン塩含有硫酸第一鉄水溶液と、5mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液43リットルを混合して水酸化第一鉄スラリーを得る。この水酸化第一鉄スラリーをpHを12に維持し、85℃にて空気を吹き込み酸化反応を行った。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーを常法のろ過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子B−9を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−9の物性値を表3に示す。
2mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液50リットルに、0.14mol/リットルの硫酸チタニル水溶液5リットルを、pH1,温度50℃の条件下で混合させ、十分撹拌する。このチタン塩含有硫酸第一鉄水溶液と、5mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液43リットルを混合して水酸化第一鉄スラリーを得る。この水酸化第一鉄スラリーをpHを12に維持し、85℃にて空気を吹き込み酸化反応を行った。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーを常法のろ過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子B−9を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−9の物性値を表3に示す。
<磁性酸化鉄粒子B−10の製造例>
容量4リットルの反応器に所定量の塩化第一鉄水溶液(濃度328g/リットルを0.77リットル)を仕込み、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液(濃度328g/リットルを0.18リットル)及び炭酸ナトリウム水溶液(濃度328g/リットルを0.16リットル)を添加した。次いで90℃に昇温させた後、空気を3リットル/minの速度で吹き込み黒色の微細粒子を生成させた。この懸濁液に水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを13に調整した後、水ガラス(Si換算で10g/リットルの水溶液を0.13リットル)を添加し良く撹拌した。次いで塩化第二鉄水溶液(濃度328g/リットルを0.99リットル)を添加し、Si化合物を黒色の微細粒子上に鉄と共に共沈させた。反応生成物を濾過、乾燥して、Si化合物を含む磁性酸化鉄粒子B−10を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−10の物性値を表3に示す。
容量4リットルの反応器に所定量の塩化第一鉄水溶液(濃度328g/リットルを0.77リットル)を仕込み、撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液(濃度328g/リットルを0.18リットル)及び炭酸ナトリウム水溶液(濃度328g/リットルを0.16リットル)を添加した。次いで90℃に昇温させた後、空気を3リットル/minの速度で吹き込み黒色の微細粒子を生成させた。この懸濁液に水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを13に調整した後、水ガラス(Si換算で10g/リットルの水溶液を0.13リットル)を添加し良く撹拌した。次いで塩化第二鉄水溶液(濃度328g/リットルを0.99リットル)を添加し、Si化合物を黒色の微細粒子上に鉄と共に共沈させた。反応生成物を濾過、乾燥して、Si化合物を含む磁性酸化鉄粒子B−10を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−10の物性値を表3に示す。
<結着樹脂C−1の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):25.0mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):25.0mol%
テレフタル酸:33.0mol%
無水トリメリット酸:5mol%
アジピン酸:6.5mol%
アクリル酸:3.5mol%
フマル酸:2.0mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で撹拌する。本発明において所望の架橋構造を得るために本製造例においては反応の初期と後期にフマル酸を分割添加した。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:84mol%と2エチルヘキシルアクリレート:14mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−1を得た。
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):25.0mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):25.0mol%
テレフタル酸:33.0mol%
無水トリメリット酸:5mol%
アジピン酸:6.5mol%
アクリル酸:3.5mol%
フマル酸:2.0mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で撹拌する。本発明において所望の架橋構造を得るために本製造例においては反応の初期と後期にフマル酸を分割添加した。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:84mol%と2エチルヘキシルアクリレート:14mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−1を得た。
この結着樹脂C−1のTgは54.5℃、軟化点は135.5℃であった。
<結着樹脂C−2の製造例>
テレフタル酸 31mol%
無水トリメリット酸 7mol%
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):35mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):27mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で撹拌する。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:84mol%と2エチルヘキシルアクリレート:14mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−2を得た。
テレフタル酸 31mol%
無水トリメリット酸 7mol%
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):35mol%
エトキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):27mol%
上記ポリエステルモノマーをエステル化触媒と共に4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装着して窒素雰囲気下にて135℃で撹拌する。そこに、ビニル系共重合モノマー(スチレン:84mol%と2エチルヘキシルアクリレート:14mol%)と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2mol%を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、135℃で5時間反応した後、重縮合時の反応温度を230℃に昇温して縮重合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−2を得た。
この結着樹脂C−2のTgは56.8℃、軟化点は99.0℃であった。
<結着樹脂C−3の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):46.8mol%
テレフタル酸:34.8mol%
無水トリメリット酸:11.8mol%
イソフタル酸:5.6mol%
フェノールノボラックEO付加物:1.0mol%
上記のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管,温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−3を得た。
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):46.8mol%
テレフタル酸:34.8mol%
無水トリメリット酸:11.8mol%
イソフタル酸:5.6mol%
フェノールノボラックEO付加物:1.0mol%
上記のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管,温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−3を得た。
この結着樹脂C−3のTgは59.5℃、軟化点は151.3℃であった。
<結着樹脂C−4の製造例>
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):47.1mol%
テレフタル酸:49.9mol%
無水トリメリット酸:3.0mol%
上記のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管,温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−4を得た。
プロポキシ化ビスフェノールA(2.2mol付加物):47.1mol%
テレフタル酸:49.9mol%
無水トリメリット酸:3.0mol%
上記のモノマーをエステル化触媒とともに5リットルオートクレーブに仕込み、還流冷却器、水分分離装置、N2ガス導入管,温度計及び撹拌装置を付し、オートクレーブ内にN2ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して結着樹脂C−4を得た。
この結着樹脂C−4のTgは59.4℃、軟化点は92.5℃であった。
<結着樹脂C−5の製造例>
4つ口フラスコ内に、脱気水250質量部とポリビニルアルコールの1質量%水溶液50質量部を投入した後、スチレン83質量部、アクリル酸n−ブチル17質量部、ジビニルベンゼン0.001質量部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.1質量部の混合液を加え、撹拌して懸濁液とした。
4つ口フラスコ内に、脱気水250質量部とポリビニルアルコールの1質量%水溶液50質量部を投入した後、スチレン83質量部、アクリル酸n−ブチル17質量部、ジビニルベンゼン0.001質量部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.1質量部の混合液を加え、撹拌して懸濁液とした。
4つ口フラスコ内を窒素雰囲気下とした後、85℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に20時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド0.1質量部を追加添加し、さらに8時間保持して重合を完了した。次に高分子重合体粒子を濾別し、十分に水洗し、乾燥させ結着樹脂C−5を得た。
この結着樹脂C−5のTgは61.2℃、軟化点は143.5℃であった。
<結着樹脂C−6の製造例>
4つ口フラスコ内に、キシレン300質量部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
4つ口フラスコ内に、キシレン300質量部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン83質量部、アクリル酸−n−ブチル17質量部、及びジ−tert−ブチルパーオキサイド2質量部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持して重合を完了し、低分子量重合体溶液を得た。この重合体溶液を減圧下で乾燥させ、結着樹脂C−6を得た。
この結着樹脂C−6のTgは60.0℃、軟化点は97.3℃であった。
<結着樹脂D−1の製造例>
結着樹脂C−1を90質量部と結着樹脂C−2を10質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂D−1とした。
結着樹脂C−1を90質量部と結着樹脂C−2を10質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂D−1とした。
<結着樹脂D−2の製造例>
結着樹脂C−3を50質量部と結着樹脂C−4を50質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂D−2とした。
結着樹脂C−3を50質量部と結着樹脂C−4を50質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂D−2とした。
<結着樹脂D−3の製造例>
結着樹脂C−5を60質量部と結着樹脂C−6を40質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂D−3とした。
結着樹脂C−5を60質量部と結着樹脂C−6を40質量部とをヘンシェルミキサーで混合し、結着樹脂D−3とした。
<トナー1の製造例>
結着樹脂D−1 100質量部
磁性酸化鉄粒子B−1 75質量部
表4に示すフィッシャートロプシュワックスb 4質量部
下記に示す電荷制御剤c 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。この時、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
結着樹脂D−1 100質量部
磁性酸化鉄粒子B−1 75質量部
表4に示すフィッシャートロプシュワックスb 4質量部
下記に示す電荷制御剤c 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。この時、混練された樹脂の温度が150℃になるように滞留時間をコントロールした。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.8μmの負摩擦帯電性の磁性トナー粒子を得た。磁性トナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉末(BET140m2/g、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコーンオイル10質量部でシリカ微粉体100質量部を疎水化処理)を0.8質量部、及びチタン酸ストロンチウム(個数平均粒径1.2μm)3.0質量部を外添混合し目開き150μmのメッシュで篩い、負摩擦帯電性の磁性トナー1を得た。
<トナー2乃至10の製造例>
表5に記載の処方とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2乃至10を得た。
表5に記載の処方とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2乃至10を得た。
なお、表中で結着樹脂の添加量は100質量部、磁性酸化鉄粒子の添加量は75質量部である。また、ワックスに関しては、表4中のa且つ/又はb、電荷制御剤に関しては下記に示すa,b,cを表す。
[実施例1]
評価に用いたマシンとしては、市販の複写機(iR−6570 キヤノン製)を下記に示す項目について改造したマシンを用いた。
・現像工程周辺部を本発明の現像スリーブA−1(外径32.0mm)に対応可能な型に改造。
・本体の現像スリーブ周速を600mm/secと900mm/secに可変出来るように改造。
評価に用いたマシンとしては、市販の複写機(iR−6570 キヤノン製)を下記に示す項目について改造したマシンを用いた。
・現像工程周辺部を本発明の現像スリーブA−1(外径32.0mm)に対応可能な型に改造。
・本体の現像スリーブ周速を600mm/secと900mm/secに可変出来るように改造。
この改造機にトナー1を充填し、常温常湿環境(23℃,50%RH)及び常温低湿環境(23℃,5%RH)の各環境下で印字比率5%のテストチャートを用いて、現像スリーブ周速を600mm/secと900mm/secの各条件において10枚間欠で5万枚耐久を行い、以下の評価を行った。結果を表6に示す。
(間欠ブロッチ)
10枚間欠で5万枚耐久後、各試験環境において現像スリーブを目視観察し、以下の指標で評価した。評価結果を表6に示す。
A(非常に良い) 全く発生してない
B(良い) 現像スリーブ端部にわずか発生している。
C(普通) 極わずか発生しているが画像には影響しない。
D(悪い) はっきりと発生しており画像に影響する。
10枚間欠で5万枚耐久後、各試験環境において現像スリーブを目視観察し、以下の指標で評価した。評価結果を表6に示す。
A(非常に良い) 全く発生してない
B(良い) 現像スリーブ端部にわずか発生している。
C(普通) 極わずか発生しているが画像には影響しない。
D(悪い) はっきりと発生しており画像に影響する。
(現像筋)
10枚間欠で5万枚耐久後、各試験環境において現像スリーブを目視観察し、以下の指標で評価した。評価結果を表6に示す。
A(非常に良い) 全く発生してない。
B(良い) 現像スリーブ端部にわずか発生している。
C(普通) 極わずか発生しているが画像には影響しない。
D(悪い) はっきりと発生しており画像に影響する。
10枚間欠で5万枚耐久後、各試験環境において現像スリーブを目視観察し、以下の指標で評価した。評価結果を表6に示す。
A(非常に良い) 全く発生してない。
B(良い) 現像スリーブ端部にわずか発生している。
C(普通) 極わずか発生しているが画像には影響しない。
D(悪い) はっきりと発生しており画像に影響する。
[実施例1乃至14]
表6に記載の現像スリーブとトナーの組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表6に示す。
表6に記載の現像スリーブとトナーの組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表6に示す。
[比較例1乃至3]
表6に記載の現像スリーブとトナーの組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表6に示す。
表6に記載の現像スリーブとトナーの組み合わせにおいて、実施例1と同様にして、評価を行った。評価結果を表6に示す。
41 現像スリーブ
41a 基層
41b 無電解メッキ中間層
41c 電気陰性度2.00以上の金属元素を含有した表面Niメッキ層
41a 基層
41b 無電解メッキ中間層
41c 電気陰性度2.00以上の金属元素を含有した表面Niメッキ層
Claims (6)
- 静電荷像を担持するための静電荷像担持体を帯電し、帯電された静電荷像担持体に静電荷像を形成し、静電荷像を現像スリーブ上のトナーによって現像してトナー像を形成する画像形成方法において、
該現像スリーブは少なくとも最表面に電気陰性度2.00以上の金属元素を含有したNiメッキが施されており、且つ、該トナーが結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであり、
該磁性酸化鉄粒子は、Fe(2+)を20.0質量%以上25.0質量%以下含有することを特徴とする画像形成方法。 - 該メッキは、メッキ層中に0.5質量%以上7.0質量%以下のWを含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 該メッキは、メッキ層中に0.5質量%以上5.0質量%以下のPを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 該メッキは、メッキ層中に0.5質量%以上5.0質量%以下のBを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
- 該磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解された総Fe量に占めるFe(2+)の割合Xが34%以上50%以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該磁性酸化鉄粒子は、Fe元素溶解率が10質量%となるまでに溶解されたFe量を除く残りの90質量%中の総Fe量に占めるFe(2+)の割合をYとした時、比(X/Y)が、1.00より大きく1.30以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008049279A JP2009205049A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | 画像形成方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011150205A (ja) * | 2010-01-22 | 2011-08-04 | Canon Inc | 磁性トナー |
JP2012155109A (ja) * | 2011-01-26 | 2012-08-16 | Kyocera Document Solutions Inc | 現像装置およびそれを備えた画像形成装置 |
JP2014209186A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-11-06 | 三菱化学株式会社 | 磁性トナー及び電子写真カートリッジ |
-
2008
- 2008-02-29 JP JP2008049279A patent/JP2009205049A/ja not_active Withdrawn
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