本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、長期使用においても濃度薄や画像ムラ、カブリ、転写ムラ、およびトナーや外添剤の潜像担持体および現像剤担持体表面への融着や層厚規制部材への融着等、部材汚染といった問題の発生のない優れた画像を得るという課題を達成するためには、トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックス及び荷電制御剤含有するトナーであって、水系にて造粒し、用いる重合開始剤を所定の構造をもつ過酸化物系の開始剤にし、トナーのBET比表面積を1.50以上5.00以下であり、平均円形度が0.960以上0.995以下、凝集度が5%以上45%以下にすることが重要であることを見出し本発明を完成するに至ったものである。以下に詳細について説明する。
即ち、本発明のトナーは、水系にて造粒し、重合することにより粒度分布がシャープで、平均円形度が高いトナーをストレスを加えることなく作製できる。このとき所定の重合開始剤を用いて作製することで、作成過程においてストレスによる材料の変質、トナー中の分布の変化を生じることなく、十分な着色力を持ち、更に金属錯体等の荷電制御剤の帯電性が高められ、且つ安定な状態で適量ずつトナー表面近傍に分布し、帯電分布がシャープなトナーが得られる。これは、式(A)に示される開始剤においてR1が炭素数6以上かつR4が炭素数7以上のアルキル基であると、重合時の開裂によるラジカル発生速度が大きすぎるため低分子量成分が多く生成し、分子量分布がブロードになる。このため、現像性、耐久性に劣り、部材汚染も発生しやすく望ましくない。また、発生したラジカルの反応性が低いため、トナー粒子の形成が迅速に行われず粒子径分布がブロードになったり、トナー粒子形成中に顔料および帯電制御剤の分散状態が偏ってしまい、十分な着色力や帯電性を得られないといった問題が発生するため望ましくない。また、式(A)のR1、R4の一方もしくは両方が水素原子であると逆にラジカルの発生速度が遅く、迅速な粒子形成が行われないため同様な問題が生じるため望ましくない。更に、式(A)に示される重合開始剤は他の構造を持つ重合開始剤と比べて顔料により水素引き抜きなどによる重合阻害されることが少ないため迅速に重合反応が進み、粒度分布および帯電分布がシャープで十分な着色力を持ったトナーが得られるため望ましい。また、開始剤末端基が水素原子や芳香族、ニトリル基と違い、全てアルキル基であるため、帯電制御材の電子の分布を乱して帯電性を阻害することがないため望ましい。更に本発明で用いられる過酸化物系の開始剤であると次のような効果も見られる。
第1に荷電制御剤が金属錯体である場合は、重合した際に発生する開始剤残渣であるアルコールが金属錯体の周囲を配位するような形態で保護することによりトナーの帯電性に優れ、且つ環境安定性が増すためである。また、均一にトナー中に導入されるため、トナーの帯電性において環境安定性が増す。この時、式(A)のR1のアルキル基の炭素数が6以上の場合や芳香族化合物や環状の官能基を有する場合は所定の構造の開始剤から生成するアルコールが嵩高いため、荷電制御剤に最適状態で配位できず効果が発現しない。また、開始剤の構造において式(A)のR1がアルキル基ではなく水素であった場合は配位はするが十分な効果が得られない。特に中心金属がB,Al,Ti,Feの何れかからなり、後述の式(B)に示されるヒドロキシカルボン酸を配位子とする化合物を荷電制御剤として用いた場合は、該ヒドロキシカルボン酸が有するベンゼン環と立体障害を生じることなく中心金属に該アルコールが配位でき、且つベンゼン環のπ電子の相互作用とアルコールが有するアルキル基により環境安定性に優れ、トナー中に均一に分布するため長期間にわたって十分な帯電性を持ち、シャープな帯電分布を持つという効果が特に大きい。
また、トナー中に帯電制御樹脂を含有させる場合においては該帯電制御樹脂の周囲に該アルコールが分布することで水素結合や極性の効果により帯電性が高められるため、トナーの帯電の立ち上がりが遅いと言った帯電制御樹脂にありがちな問題が発生せず、且つアルコールが有するアルキル基によりトナー中の結着樹脂との相溶性が良くなるため均一にトナー中に分布することになり帯電分布がシャープなトナーが得られる。この時、式(A)のR1のアルキル基の炭素数が6以上の場合や芳香族化合物や環状の官能基を有する場合は前記アルコールが嵩高いため、荷電制御樹脂中に分散するのが困難であり効果が発現しない。また、開始剤の構造において式(A)のR1がアルキル基ではなく水素であった場合は十分な効果が得られない。
この効果は帯電制御樹脂が硫黄原子もしくは窒素原子を含有する場合に効果が大きく、更には窒素原子を含有する正帯電性の帯電制御樹脂を用いた正帯電性トナーの場合に特に効果が大きい。これは、該アルコールによる水素結合や極性の効果が特に大きいためである。特に、窒素原子の非共有電子対に対して該アルコールの水酸基の水素原子が相互作用し、帯電制御樹脂の帯電性の向上及び対環境安定性が向上するためである。
第2に、該アルコールがトナー粒子生成の過程において分散安定剤のごとき役割を果たすため真球状のトナーが分散性良く、凝集することなく作られ、且つ粒子径分布がシャープになる。
第3には、金属錯体などの帯電制御剤のトナー粒子への導入に際して、金属錯体の帯電性が該アルコールによって高められるため、それ程多くの量を含有させる必要がなくなる。そのためトナー粒子の粒子径に差があっても、帯電制御剤によるトナーの帯電性の差が小さく抑えられる。つまり、トナーの帯電性の粒径依存性が小さくなる。
第4に、開始剤の開裂速度および開裂して発生するラジカルの反応性が適当であるため生成するトナー粒子の生成および成長において粒度分布がシャープとなり、粒子の硬さも均一となるため高画質を得られ望ましい。また、開始剤から生成する前記アルコールの発生速度がトナー粒子の成長に合った適度な速度であるため上述の3つの効果が大きくなり望ましい。この時、式(A)のR4のアルキル基の炭素数が7以上の場合およびR4が水素原子であった場合は開始剤の開裂速度および発生したラジカルの反応性の点で望ましくない。
上記の状況でBET比表面積、円形度、凝集度が所定の範囲であると上記の効果を最大限かつ長期間にわたって発現させることができる。つまり、BET比表面積、円形度、凝集度が所定の範囲にあることにより十分な帯電部位を有し、且つ十分な流動性を持つため、現像剤担持体上に十分な量のトナーが均一に供給、層形成されるため、帯電分布がシャープであることもあり、十分な濃度を有した、ムラ、カブリのない均一な画像が得られる。また、長期使用においても十分な流動性を有しており、現像剤担持体上にトナーが層形成する際に受けるストレスが小さくなるためトナーが劣化しにくい。また、トナーの帯電性の粒径依存性が小さいため選択的に現像される傾向が小さく、長期使用で多少劣化し、トナー表面上の無機微粉体が多少埋め込まれても、初期のBET比表面積、円形度が所定の範囲であれば十分帯電部位が存在し、かつ流動性も十分な状態を維持できる。
結果として長期間ムラやカブリのない安定した画像が得られる。加えて帯電制御剤の含有量が少量で済むため現像剤担持体やトナー層規制部材などの汚染も抑えられる。
上記で述べた効果は、反応組成物中に予めアルコールの形態で添加した場合はそれ程でもなく、重合開始剤の分解生成物の形態の方が効果が大きい。これは、最初からアルコールの形態で添加された場合は、該アルコールが効果的にトナー粒子中に分布せず、特に帯電制御剤に配位するよう分布する確率が低く、更には重合反応中において乳化粒子の生成に寄与するため望ましくない。それに対して重合開始剤の分解生成物の場合は、重合反応が進行するのに伴い該アルコールが生成すること、及び油溶性重合開始剤であるため水系媒体中ではなく、モノマー油滴やトナー粒子中にて生成するためモノマー油滴やトナー粒子中に存在する帯電制御剤に十分配位し、且つその適度な極性によりトナー粒子表面において安定した造粒性をもたらすため望ましい。
本発明に用いられるトナー粒子の平均円形度は0.960以上0.995以下であると望ましく、0.965以上0.990以下であると更に望ましく、0.970以上0.990以下であるとより一層好ましい。これは、トナーの帯電性および流動性に優れるためである。
該トナーは、重量平均粒径が4.0μm以上9.0μm以下、4μm以下の粒径を持つトナーの割合が10個数%未満、5μm以下の割合が30個数%以下、12.7μm以上の割合が5体積%以下であると望ましい。これは該トナーの粒子径分布がシャープである程選択現像性が抑えられるため長期使用において安定した帯電性を維持できるため望ましい。更に、重量平均粒径が4.0μm未満であるとトナーの比表面積が大きいため長期使用において耐久性や耐熱性において問題が発生しやすく、重量平均粒径が9.0μmを超える場合はトナーの着色力及び画像の解像度の点で劣るため望ましくない。
トナーの重量平均粒径はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)および12.7μm以上の割合を求めた。また個数分布から4μm以下および5μm以下の割合を求めた。
平均円形度は、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて計測されるものであり、本発明では「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
円形度=粒子像と同じ投影面積を持つ円周長/粒子投影像の周囲長
平均円形度=各粒子の円形度の合計/全粒子数
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積である。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物等を除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5Φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならないように適宜冷却する。
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナーの円形度を求める。
この値はトナーがどれだけ球状に近いかを表し、1.0が真球状、それより小さい値は徐々に凸凹な不定形になっていくことを表す。
本発明で用いられるトナーのBET比表面積は1.50以上5.00以下であると望ましく、1.50以上3.50以下であると更に望ましく、1.50以上3.0以下であるとより一層望ましい。これは、1.50以上ならトナーの流動性、帯電性、耐久性の面で十分な性能が得られるので望ましくい。5.00以下特に3.50以下であると潜像担持体、現像剤担持体、トナー層規制部材に対する汚染の点で優れた性能を発揮するため望ましい。
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)等公知の装置を用いて行う。本発明におけるBET比表面積は、多点法BET比表面積の値である。具体的には、以下のような手順で行う。
空のサンプルセルの重量を測定した後、測定試料を0.01〜0.002gの間に入るように充填する。さらに、脱ガス装置に、試料が充填されたサンプルセルをセットし、室温で3時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
凝集度に関して、トナーを十分に均一に帯電させるためおよびトナーが十分な流動性を得るためにはトナーの凝集度は5%以上45%以下であれば使用可能であるが、好ましくは5%以上30%以下であると望ましい。しかしながら、トナーの凝集度が5%以下であると現像ローラーとトナー規制部材の間をすり抜け易い為、規制部材による規制が困難であり、かつクリーニングの面でも同様にクリーニング部材をすり抜けやすくクリーニング不良になり易いため望ましくない。
本発明におけるトナーの凝集度については、以下のようにして測定を行った。
測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETER MODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、振動台に390メッシュ,200メッシュ,100メッシュのふるいを目開の狭い順に、すなわち100メッシュふるいが最上位にくるように390メッシュ,200メッシュ,100メッシュのふるい順に重ねてセットした。
このセットした100メッシュふるい上に正確に秤量した試料5gを加え、デジタル振動計の変位の値を0.60mm(peak−to−peak)になるように調整し、15秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残った試料の質量を測定して下式にもとづき凝集度を得た。
その際の測定サンプルは、それぞれ事前に23℃,60%RH環境下において24時間放置したものであり、測定は23℃,60%RH環境下で行った。
凝集度(%)=(100メッシュふるい上の残試料質量/5g)×100
+(200メッシュふるい上の残試料質量/5g)×60
+(390メッシュふるい上の残試料質量/5g)×20
本発明において用いられる帯電制御剤としては例えば、モノアゾ染料金属錯塩、サリチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔料などの一般的な帯電制御剤が使用可能である。しかし、本発明のトナーにおいてより効果が高いものとして硫黄原子もしくは窒素原子を含有する樹脂、もしくは、有機金属化合物であり、中心金属としてB、Al、Zn、Feからなるグループより選ばれた金属であり、配位子として式(B)に示されるヒドロキシカルボン酸を配位した化合物であると望ましい。
(式中、R
1とR
2は、同一であっても異なっていても良く、各々、水素原子、直鎖又は分岐したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグループから選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の整数を示す。)
該硫黄原子を含有する樹脂がSO3X(X=H、アルカリ金属)基を含有する樹脂であると更に望ましい。該硫黄原子を含有する樹脂は、ある程度の酸価を有することが好ましく、一般的に塩基性を有することの多い着色剤との組み合わせにおいて、該樹脂の酸と着色剤の塩基が結合するように分布するため顔料の電荷リークサイトを該樹脂で覆うためトナーが優れた帯電性を有することとなり好ましい。この時、該硫黄原子を含有する樹脂がSO3X(X=H、アルカリ金属)基を含有する樹脂であるとその効果が大きく、更には該樹脂自体の帯電能に関しても優れているため好ましい。
硫黄元素含有樹脂を製造するために用いられる硫黄元素を含有する単量体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、或いは、下記構造を有するマレイン酸アミド誘導体、マレイミド誘導体、スチレン誘導体が挙げられる。好ましくは、スルホン酸基を含有する(メタ)アクリルアミドである。
本発明に係る硫黄元素含有樹脂は、上記単量体の単重合体であっても構わないが、上記単量体と他の単量体との共重合体であることが好ましい。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、ビニル系芳香族炭化水素、(メタ)アクリル酸エステルの如き重合性単量体が好ましく用いられる。より具体的には、以下に例示する如き単量体を用いることができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリルレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル酸エステル;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントテラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
硫黄元素含有樹脂は、硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットを0.01乃至20質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.05乃至10質量%、さらに好ましくは0.1乃至7質量%含有することが好ましい。0.01質量%未満の場合には、硫黄元素含有樹脂の添加効果が十分に得られず、また20質量%を超える場合には、トナー化する際に結着樹脂との相溶性が悪化しやすくなるためトナーの形状を制御する上で望ましくない。また、製造時において吸湿性の増大から水分やカウンターイオンなどを保持しやすいため不純物が残留しやすいため望ましくない。
該硫黄元素含有樹脂は、イオン性基および非イオン性の電子供与基および電子吸引基を置換基に有しない芳香族を側鎖に有するモノマーユニットを0.01乃至10質量%含有することが好ましく、より好ましくは0.10乃至5.0質量%含有するとトナー中における分散状態がより良好となり好ましい。特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル系のモノマーユニットの場合その効果が大きい。
硫黄元素含有樹脂の製造方法は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
該硫黄元素含有樹脂は、
X(SO3 -)n・mYk+
(X:前記重合性単量体に由来する重合体部位を表し、Y+;カウンターイオンを表し、kはカウンターイオンの価数であり、m及びnは整数であり、n=k×mである。)
の如き構造を有する。カウンターイオンとしては、水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、アンモニウムイオンであることが良く、より好ましくは水素イオンである。
硫黄元素含有樹脂の酸価(mgKOH/g)は3乃至80が好ましく、より好ましくは5乃至40、さらに好ましくは10乃至30である。
酸価が3未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、かつ環境安定性に劣る傾向がある。逆に、酸価が80を超える場合には、この様な樹脂を含有する組成物を用いて、懸濁重合で粒子を造る場合、トナー粒子がいびつな形状を有する様になり、円形度が小さくなってしまい、含有する離型剤がトナー表面に現れ、現像性の低下を引き起こしやすくなる。
硫黄元素含有樹脂は、結着樹脂100質量部当り0.01乃至15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1乃至10質量部が良い。
上記硫黄元素含有単量体の含有量が0.01質量部未満の場合には、十分な電荷制御作用が得られにくく、15質量部を超えると、水系媒体中において造粒を行う際に、造粒性が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こす。
更に、本発明においては、結着樹脂100質量部当り0.001乃至3質量部の硫黄元素を有するモノマーに由来するユニットを含有していることが好ましく、更には0.005乃至2質量部、特には0.01乃至1.5質量部が好ましい。
トナー中の該硫黄元素含有樹脂の含有量は、X線光電子分光分析等の任意の方法により測定される。また、該硫黄原子含有樹脂がスルホン酸基を含有する樹脂である場合はキャピラリー電気泳動法などを用いて測定することができる。
硫黄元素含有樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)が500乃至100000が好ましい。より好ましくは1000乃至70000であり、さらに好ましくは5000乃至50000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、部材汚染を生じやすく、重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、相溶性の低下からトナー中において均一に分散せず、トナーの帯電性において効果が十分に得られず、更には顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、該硫黄元素含有樹脂のトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
更に該硫黄原子を含有する樹脂のガラス転移温度が50〜100℃、より好ましくは50〜80℃であると望ましい。これはガラス転移温度が100℃以上であるとトナーの定着性が低下してしまうためであり、50℃未満では保存安定性が悪く、また画像形成の過程において部材汚染を引き起こし易いため望ましくない。
窒素原子を含有する正帯電制御樹脂としては具体的には、ピリジニウム基、アミノ基、第4級アンモニウム塩基などの官能基を含有する樹脂が挙げられるが、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、−NHC2H5、−N(C2H5)2、−NHC2H4OH等のアミノ基およびそれらがアンモニウム塩化された官能基を含有する樹脂が望ましい。前記樹脂を得る方法としてはアミノ基もしくはアンモニウム塩基を含有する重合性単量体とそれと共重合可能な重合性単量体を共重合する、または、アミノ基を含有する重合性単量体とそれと共重合可能な重合性単量体の共重合体をアンモニウム塩化させる等の方法がある。正帯電制御樹脂としては、第4級アンモニウム塩基を有する共重合体が好ましく、着色樹脂に対する溶解性の観点から、正帯電性をもたらす官能基を有する単量体単位とビニル芳香族炭化水素単量体単位と(メタ)アクリレート単量体単位とを含有する共重合体であることが好ましい。
また、樹脂の製造方法は、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、イオン重合等があるが、操作性などの面から溶液重合が好ましい。
ビニル芳香族単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−プロピルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、2−イソプロピルスチレン、3−イソプロピルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2−メチル−α−メチルスチレン、3−メチル−α−メチルスチレン、4−メチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらの中でも、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましい。これらのビニル芳香族単量体は、単独であっても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリレート単量体またはメタクリレート単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート単量体は、単独であっても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体単位を共重合体中に導入する方法としては、例えば、(i)ビニル芳香族単量体と(メタ)アクリレート単量体とN,N−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレート単量体とを重合開始剤の存在下で共重合させた後、ハロゲン化有機化合物や酸エステル化合物などの第4級化剤を用いて、アミノ基を第4級化する方法、(ii)N,N−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレート単量体を第4級アンモニウム塩化した単量体、ビニル芳香族単量体、及び(メタ)アクリレート単量体を重合開始剤の存在下で共重合させた後、有機酸またはその誘導体と反応させて塩にする方法、(iii)ビニル芳香族単量体、(メタ)アクリレート単量体、及び第4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体を重合開始剤の存在下で共重合させる方法、(iv)ビニル芳香族単量体とハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート単量体との共重合体と、ビニル芳香族単量体とアミノ基含有(メタ)アクリレート単量体との共重合体とを混合し、ポリマー間で第4級化する方法などがある。
アミノ基含有(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、エチルメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、メチルプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ−1−エチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ−1−エチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノ−1−エチル(メタ)アクリレートなどのN,N−二置換アミノアルキル(メタ)アクリレートを挙げることができる。アルキル基の炭素原子数は、1〜3が好ましい。
第4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、N,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド(DMC;メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド)、N−ベンジル−N,N−ジメチル−N−(2−メタクリルオキシエチル)アンモニウムクロライド(DML;メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド)等が挙げられる。これらの単量体は、アミノ基含有(メタ)アクリレート単量体をハロゲン化有機化合物で変性して、ハロゲン化第4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体とすることによっても調製することができる。
第4級化剤としては、ハロゲン化有機化合物や酸エステル化合物がある。ハロゲン化有機化合物としては、例えば、クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタンなどの炭素原子数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキルハライド;クロロベンゼン、4−クロロトルエン、1−クロロナフタレンなどの芳香族ハライド;を挙げることができる。酸エステルとしては、例えば、メチルスルホン酸メチル、メチルスルホン酸エチルなどのアルキルスルホン酸アルキルエステル;ベンゼンスルホン酸メチルなどのベンゼンスルホン酸アルキルエステル;パラトルエンスルホン酸メチルなどのパラトルエンスルホン酸アルキルエステル;トリメチルホスフェートなどのリン酸エステル;トリメトキシボランなどのホウ酸エステル;などが挙げられる。
有機酸またはその誘導体としては、メチルスルホン酸などのアルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸;トリメチルホスフェートなどのリン酸エステル;トリメトキシボランなどのホウ酸エステル;などが挙げられる。
重合方法としては、所望の重量平均分子量を有する共重合体が得られやすい点で溶液重合法が好ましい。重合開始剤としては、アゾ化合物、過酸化物などが用いられる。重合条件としては、一般に、重合温度が50〜200℃で、重合時間が0.5〜20時間である。
正帯電制御樹脂を構成する共重合体中のビニル芳香族単量体単位の割合は、好ましくは70〜98質量%、より好ましくは75〜95質量%で、(メタ)アクリレート単量体単位の割合は、好ましくは1.9〜29.9質量%、より好ましくは4.5〜24.5質量%である。第4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体単位は、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
また、アミノ基もしくはアンモニウム塩基を含有する重合性単量体と共重合させる単官能性重合性単量体および多官能性重合性単量体については前述の硫黄元素含有樹脂の場合と同様のものを用いることが可能である。
アミノ基及びアンモニウム塩基等の官能基を有する単量体単位の量は、正帯電制御樹脂中に、通常0.1〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である。0.1質量%未満であると、十分な帯電制御能が得られず、15質量%以上であると、水系媒体中において造粒を行う際に、造粒性が低下し、現像性や転写性の低下を引き起こす。
更に、本発明においては、結着樹脂100質量部当り0.001乃至3質量部の窒素元素を有するモノマーに由来するユニットを含有していることが好ましく、更には0.005乃至2質量部、特には0.01乃至1.5質量部が好ましい。
正帯電制御樹脂の重量平均分子量(Mw)が500乃至100000が好ましい。より好ましくは1000乃至70000であり、さらに好ましくは5000乃至50000である。重量平均分子量(Mw)が500未満の場合には、部材汚染を生じやすく、重量平均分子量(Mw)が100000を超える場合には、単量体への溶解に時間がかかることに加え、相溶性の低下からトナー中において均一に分散せず、トナーの帯電性において効果が十分に得られず、更には顔料の分散性を向上させる効果が小さくなり、トナーの着色力が低下してしまう。
正帯電制御樹脂のガラス転移温度が50〜100℃、より好ましくは50〜80℃であると望ましい。これはガラス転移温度が100℃以上であるとトナーの定着性が低下してしまうためであり、50℃未満では保存安定性が悪く、また画像形成の過程において部材汚染を引き起こし易いため望ましくない。
本発明のヒドロキシカルボン酸と所定の金属との化合物のヒドロキシカルボン酸(無置換の、又は置換基を有するベンジル酸)は、下記構造を有する。
(式中、R
1とR
2は、同一であっても異なっていても良く、各々、水素原子、直鎖又は分岐したアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基及び水酸基からなるグループから選ばれる置換基を示し、m及びnは0乃至5の整数を示す。)
前記中心金属としては好ましくは、B、Zn、Al、Feが良い。さらに好ましくはB、Zn、Al、より一層好ましくはBおよびAlが帯電能力が高いため良い。
カウンターイオンは特に制約を受けるのもではなく、任意のものが使用できる。例えば、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどがある。
該金属化合物は、結着樹脂100質量部当り、0.01乃至10質量部、より好ましくは0.05乃至5質量部使用するのが良い。なお、ここで言う結着樹脂とは一般的な樹脂なら何でも良く、より好ましくは、ビニル系樹脂が望まれる。
添加量が0.01質量部未満の場合には、帯電能が不十分であり、10質量部を超える場合には、該金属化合物自身の分散が悪く、本発明に用いられる重合開始剤の分解物であるアルコールによる効果を十分に得られず、更には現像剤担持体およびトナー層規制部材を汚染するため望ましくない。
本発明に用いられる開始剤としては下記構造を有する。
本発明で用いられる重合開始剤としてはR1およびR4が炭素数1〜3のアルキル基であると望ましい。これはR1が炭素数1〜3のアルキル基であると重合開始剤が分解し、ラジカルを発生させた後、重合性単量体に対し攻撃をし、成長反応に至る過程においてラジカルが適度な活性を持つため、適度な量がアルコールになり本発明の効果を引き出すことに加え、迅速に成長反応が進行し、生成したポリマーの分子量分布がシャープとなりやすく、低分子量成分によりトナーの耐久性が低下したり、部材汚染が発生するといった問題が発生せず望ましい。更にはR1の炭素数1〜3、R4が炭素数1〜3のアルキル基である方がラジカルの生成速度及びラジカルの反応性という点でより望ましく、トナーの耐久性、部材汚染、画質の面で優れる。また、R1の炭素数が3以下である方が生成するアルコールの帯電制御剤に対する効果も大きく望ましい。
本発明で用いられる重合開始剤としては分子量240以下であると望ましく、分子量210以下であると更に望ましい。
分子量が240以下の場合は、重合開始剤のラジカル生成に必要な熱量に関して適度な熱量で済むため制御が容易であり望ましい。また、ラジカルの生成速度およびラジカルの反応性が適度であるため、生成したポリマーの分子量において低分子量成分がほぼ発生せず、トナーの耐久性や部材汚染の点で望ましい。また、粒子形成が早く、安定な重合の場が迅速に形成されるため、粒子径分布がよりシャープになり、長期にわたって優れた画像が得られるため望ましい。
該重合開始剤の10時間半減期温度が50℃以上60℃以下であると望ましい。ここで、10時間半減期温度とは、有機過酸化物の半減期が10時間となる温度を意味する。10時間半減期温度が50℃未満では、重合反応の反応速度に合わせて重合温度を低くすれば、反応中、および反応終了後の冷却過程においてワックスの析出が早くなるため、ワックスのトナー中での分散状態及び結晶状態を制御するのが困難になる。そのため十分な定着性が得られにくかったり、部材汚染などの問題が発生したりする。逆に重合温度を高くすれば開始剤の分解反応が活発になるため重合により生成する結着樹脂の分子量が小さいものが多くなり、結果としてトナーの耐久性が劣り、部材に融着するといった問題も発生しやすい。また、保存安定性の面でも取り扱いが煩雑となるため好ましくない。10時間半減期温度が60℃を超える場合は、十分な反応速度を得るためには重合温度を高くせざるを得ず、結果として耐熱性の点で帯電制御剤などの選択性において制限が大きくなるため好ましくない。また、重合性単量体が気化しやすい状況となり、還流などを行っても重合反応中における重合反応場中におけるモノマー濃度の変動が大きくなるため安定した粒子形成がなされず、粒子径分布ブロードになりやすくなる等制御が困難となるため望ましくない。また、場合によっては重合容器を耐圧容器にする必要が生じる。
重合開始剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.1〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の割合で用いられる。0.1質量部未満では十分な効果が得られない。また、20質量部を超える場合は重合開始剤の分解生成物であるアルコールが過剰量生成し、重合反応において乳化粒子が生成し、粒子径分布がブロードとなることで画質が低下したり、逆にトナーの帯電を阻害するといった問題が発生する。重合開始剤は、油溶性であるため、重合性単量体組成物中に添加することができるが、場合によっては、該組成物の造粒工程終了後の懸濁液に添加することもできる。
また、場合によってはアスコルビン酸ナトリウムなど還元剤を用いて反応を制御することもできる。
本発明に使用される重合開始剤としては具体的には以下のものが例示される。
更に該ワックスは、トナー中に1種類のワックスのみを含有させても良いが、好ましくは、少なくともDSC測定におけるワックス吸熱ピーク温度の異なるワックスを含有し、各々の吸熱ピーク温度差が3以上であることが望ましい。この理由としては吸熱ピーク温度の異なるワックスを含有量を適性化することにより、吸熱ピーク温度の低い方のワックスの存在によって定着時における離型性層の形成が迅速に行われ、かつワックスの合計含有量が十分量であるため、優れた定着性、耐オフセット性を有しながら、ワックスを過剰に存在させる必要が無いため、トナー中、特にトナー表面近傍に存在するワックスにより部材汚染が引き起こされにくく、現像性および定着性を両立することが可能となり、望ましい。
ワックスとしては、重量平均分子量(Mw)が350乃至4000、数平均分子量(Mn)が200乃至4000であることが好ましく、より好ましくはMwが400乃至3500、Mnが250乃至3500である。Mwが350未満、Mnが200未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する傾向にあり、Mwが4000を超え、Mnが4000を超える場合には、ワックス自体の結晶性が高まり、OHP定着画像の透明性が低下する傾向にある。
ワックスの分子量及び分子量分布はGPCにより次の条件で測定される。
(GPC測定条件)
装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
本発明で用いるワックスの少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30乃至120℃、好ましくは50乃至100℃、更に好ましくは50乃至80℃であるものが良い。また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50乃至80℃の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは低分子量成分が除去されたDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
好ましく用いられるワックスとしては、少なくとも1つは炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステル或いは、モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものも好ましい。
さらに、好ましく用いられるワックスは、定着画像の透光性を向上させるため、固体エステルワックスが好ましい。
好ましくはエステル基が1〜6個であるエステルワックスが良く、更に好ましくは、エステル基が2〜6個、より一層好ましくは2〜4個であるエステルワックスが良い。
エステルワックスとしては、好ましくは、下記(I)から(VI)に属するエステルワックスである。
(式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4である。R
1及びR
2は炭素数が1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnは同時に0になることはない。)
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜3である。R
1及びR
2は炭素数が1〜40の有機基である。R
3は水素原子または炭素数が1以上の有機基である。kは1〜3の整数であり、a+b+k=4である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。)
(式中、R
1及びR
3は炭素数1〜40の有機基であり、R
1とR
3は同じものであっても異なっていても良い。R
2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
(式中、R
1及びR
3は炭素数1〜40の有機基であり、R
1とR
3は同じものであってもなくてもよい。R
2は炭素数1〜40の有機基を示す。)
(式中、aは0〜4の整数であり、bは1〜4の整数であり、a+bは4である。R
1は炭素数1〜40の有機基である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない)
(式中、a及びbは0〜3の整数であり、a+bは1〜6である。a及びbは同時に0になることはない。R
1及びR
2は炭素数が1〜40の有機基である。R
3、R
4R
5及びR
6は水素原子または炭素数が1以上の有機基である。k及びlは0〜3の整数であり、a+k=3、b+l=3である。m及びnは0〜40の整数であり、mとnが同時に0になることはない。x及びyは0〜40の整数である。)
具体的には、以下のものが例示される。尚、以下に示すワックスは、例示した構造式で表される化合物を50質量%以上含むものである。
また、エステル基が4〜6個の場合は特にエステル基に結合している末端側の有機基のうち、少なくとも2つは炭素数15以上の有機基であるとワックスの極性のが適当な範囲となるためトナー中におけるワックスの分布において特に十分な定着性を有し、且つ帯電制御剤や本発明に用いられる重合開始剤の分解物であるアルコールの作用を高めるため望ましい。更に該ワックスがフッ素原子を含有するとより一層望ましい。
更には、トータルの炭素数が同一のエステル化合物を50〜95質量%(ワックス基準)含有しているエステルワックスが中でも好ましい。トータルの炭素数が同一のエステル化合物の含有量は、下記に説明するガスクロマトグラフィー法(GC法)によって測定することができる。
ガスクロマトグラフィー法(GC法)による炭素数が同一のエステル化合物の含有量の測定には、GC−17A(島津製作所製)が用いられる。試料は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液1μlをオンカラムインジェクターを備えたGC装置に注入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltraAlloy−1(HT)を用いる。カラムは初め40℃から40℃/min.の昇温スピードで200℃迄昇温させ、更に15℃/min.で、350℃迄昇温させ、次に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧力条件で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知のアルカンを注入し同一の流出時間同士を比較したり、ガス化成分をマススペクトマトグラフィーに導入することで構造を同定する。エステル化合物の含有量はクロマトグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求めることで算出する。
ワックスとして、上記の如き構造式を有するエステル化合物を有するエステルワックスを用いた場合には、良好な透明性を有し、且つ定着性に優れたトナーが得られる。
特に、このワックスと本発明に用いられる重合開始剤と硫黄元素含有樹脂、窒素原子含有樹脂とを用いてトナーを作製した場合、トナーの粒子径分布がシャープで円形度も高く、水系での造粒安定性も高いため、トナー粒子の製造過程における構造制御が容易であり、トナー粒子中におけるワックスの分散が非常に良好に行なわれるため、帯電量が大きく、且つ適正帯電値に到達するまでの速度が速く、さらに多数枚耐久において、摩擦帯電量の変動の少ない優れたトナーが得られる。また、このワックスと本発明に用いられる重合開始剤と中心金属としてB、Al、Zn、Feからなるグループより選ばれた金属であり、配位子として式(B)に示されるヒドロキシカルボン酸を配位している化合物とを用いてトナーを作製した場合、トナー粒子中におけるワックスの分散性が良くなることも挙げられるが、該有機金属錯体が重合開始剤の分解性生物であるアルコールに配位されることでワックスに帯電性を乱されることがなくなるため優れた定着性と現像性の双方を両立させることが可能となり望ましい。
重合法により、トナーを生成する場合には、ワックスは、重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)配合することが好ましく、トナーとしては、結着樹脂100質量部当りワックス1乃至40質量部(より好ましくは、10〜30質量部)含有されるのが良い。
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べ、重合法によるトナー製法においては、トナー内部に多量のワックスを内包化させ易いので乾式トナー製法と比較し、一般に多量の離型剤を用いることが可能となり、定着時のオフセット防止効果は更に優れたものとなる。
該ワックスの添加量が下限より少ないとオフセット防止効果が低下しやすく、上限を超える場合では耐ブロッキング効果が低下し耐オフセット効果にも悪影響を与えやすく、トナーのドラム融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすく、重合法によりトナーを生成する場合には粒度分布の広いトナーが生成する傾向にある。
本発明に使用されるワックスは、135℃における溶融粘度は1〜300cPsであることが好ましく、更に好ましくは3〜50cPsを有するワックスが特に好ましい。1cPsより低い溶融粘度を有する場合は、非磁性一成分現像方式で塗布ブレード等により現像スリーブにトナー層を薄層コーティングする際、機械的なズリカによりスリーブ汚染を招きやすい。二成分現像方法においてはキャリア粒子とトナーとを用いて静電荷像を現像する際に、トナーとキャリア粒子間のズリカによりトナーがダメージを生じやすく、外添剤の埋没、トナーの破砕も生じやすい。300cPsを超える溶融粘度を有する場合には、重合法を用いてトナーを製造する際、重合性単量体組成物の粘度が高くなり、粒度分布のシャープな微小粒径のトナーを得ることが困難となる。
ワックスの溶融粘度は、HAAKE社製VP−500にてコーンプレート型ローター(PK−1)を用いて測定することができる。
また、ワックスの針入度は、14以下、好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下が望ましい。針入度が14を超える場合には、感光ドラム表面上にフィルミングを発生し易くなる。尚、針入度の測定は、JIS−K2235に準ずる。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、ワックスのトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。
その後、IR法などにより同定分析をする。
また、定量に関しては、DSCなどにより定量分析を行う。
本発明に用いられる結着樹脂としては、特に制限されるものではなく、トナー用樹脂として一般に用いられている樹脂が使用できる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックスなどが挙げられる。これらは、単独あるいは混合して使用できる。
本発明のトナーは、結着樹脂の他に、縮合系樹脂を添加しても良い。縮合系樹脂を添加することで、重合法トナーの場合、造粒性、帯電量の環境安定性、現像性及び転写性を向上させることが可能である。該縮合系樹脂は、重量平均分子量(Mw)が6,000乃至100,000であることが好ましく、より好ましくは6,500乃至85,000、更に好ましくは6,500乃至45,000である。
縮合系樹脂の重量平均分子量が6,000未満の場合、連続画像出力においてトナー表面の外添剤が耐久によって埋没しやすく、転写性の低下を招きやすくなる。逆に、重量平均分子量が100,000を超える場合には、重合性単量体に縮合系樹脂を溶解するのに時間を多く費やしてしまう。さらに、重合性単量体組成物の粘度が上昇し、粒径が小さくかつ、粒度分布の揃ったトナーが得にくくなる。
該縮合系樹脂は、数平均分子量(Mn)が3,000乃至80,000であることが好ましく、より好ましくは3,500乃至60,000、更に好ましくは3,500乃至12,000である。該縮合系樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラム(GPC)における分子量分布のメインピーク値(Mp)が、分子量4,500乃至40,000の領域、より好ましくは分子量6,000乃至30,000の領域に存在することが良い。より好ましくは分子量6,000乃至20,000の領域である。上記範囲外であると重量平均分子量の場合と同様の傾向を示す。
該縮合系樹脂はMw/Mnが1.2乃至3.0、より好ましくは1.5乃至2.5が良い。Mw/Mnが1.2未満の場合には、トナーの多数枚耐久性及び耐オフセット性が低下し、3.0を超える場合には、低温定着性の面で、範囲内のものよりも、若干劣ってしまう。
該縮合系樹脂はガラス転移点(Tg)が、50乃至100℃、好ましくは50乃至95℃が良い。より好ましくは55乃至90℃が良い。ガラス転移点が50℃未満の場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下する。ガラス転移点が100℃を超える場合には、トナーの耐低温オフセット性が低下する。なお、Tgは中点法により求められる値を示す。
該縮合系樹脂の酸価(mgKOH/g)は、0.1乃至35、好ましくは3乃至35、より好ましくは4乃至35、さらに好ましくは5乃至30である。酸価が0.1未満の場合には、トナーの帯電量の立ち上がりが遅く、カブリが生じやすくなる。酸価が35を超える場合には、高温高湿下に放置した後のトナーの摩擦帯電特性が変動しやすく、連続画像出力において画像濃度が変動しやすくなる。さらに、縮合系樹脂の酸価が35を超える場合には、縮合系樹脂のポリマー相互間の親和力が強くなるために縮合系樹脂が重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになる。
該縮合系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は0.2乃至50、好ましくは5乃至50、より好ましくは7乃至45であるのが良い。水酸基価が0.2未満の場合には、水系媒体中の重合性単量体組成物の粒子の表面に縮合系樹脂の局在化が起こりにくくなる。水酸基価が50を超える場合、最適範囲内のものと比較すると、高温高湿下において放置した後のトナーの帯電量特性が若干低くなる傾向が見られ、連続画像出力において画像濃度が変動しやすい。尚、該縮合系樹脂の抽出は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
本発明においては、縮合系樹脂の酸価(AV1)と硫黄元素含有樹脂の酸価(AV2)とが、AV1<AV2の関係を満たしていることが好ましい。この場合には、湿式法によるトナー粒子の製造時の造粒工程において、水系媒体中で、硫黄元素含有樹脂が液滴の最表面に偏在する割合が多くなるため、トナーの帯電能としては硫黄元素含有樹脂の帯電性能を有効に発揮できるため好ましい。
該縮合系樹脂は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部用いられることが好ましく、より好ましくは1〜15質量部である。
硫黄元素含有樹脂及び窒素原子含有樹脂および縮合系樹脂のGPCによる分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。
40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良くたとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせが挙げられる。
試料は以下のようにして作製する。
試料をテトラヒドロフラン(THF)中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
硫黄元素含有樹脂及び窒素原子含有樹脂および縮合系樹脂のガラス転移点はDSC測定により求められる。
DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。測定は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度測定10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
硫黄元素含有樹脂および縮合系樹脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
(1)試薬
(a)溶剤の調製
試料の溶剤としては、エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用いる。これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作
試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式 つぎの式によって酸価を算出する。
A=B×f×5.611/S
A;酸価(mgKOH/g)
B;0.1mol/L水酸化カリウムエタノ−ル溶液の使用量
f;0.1mol/L水酸化カリウムエタノ−ル溶液のファクター
S;試料(g)
硫黄元素含有樹脂および縮合系樹脂の水酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
(1)試薬
(a)アセチル化試薬の調製
無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 8006によって行う。
(2)操作 試料0.5〜20gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
(3)計算式 つぎの式によって水酸基価を算出する。
A={(B−C)×f×28.05/S}+D
A;水酸基価(mgKOH/g)
B;空試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)
C;本試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)
f;0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S;試料(g)
D;酸価(mgKOH/g)
本発明の縮合系樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースの如き樹脂を用いることができる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。
該縮合系樹脂として用いられるポリエステル及び該離型剤として用いられるエステルワックスの製造方法としては、例えば、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル不可反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
特に好ましい製造方法は、原料の多様性、反応のしやすさからカルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応である。
縮合系樹脂としてポリエステルを用いる際のポリエステルの組成について以下に説明する。
ポリエステルは、全成分中45〜55mol%がアルコール成分であり、55〜45mol%が酸成分であることが好ましい。
アルコール成分としては、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(イ)
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)
で示されるビスフェノー誘導体、又は下記式(ロ)
2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジフェニル−P・P’−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸,1,2−ジフェノキシエタン−P・P’−ジカルボン酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グリタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリエチレンジカルボン酸、マロン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。
特に好ましいアルコール成分としては前記(イ)式で示されるビスフェノール誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸が挙げられる。
該縮合系樹脂は、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
3価以上のポリカルボン酸としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、スルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ショ糖、1,2,4−メタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
本発明のトナーは、着色剤を含有している。黒色着色剤としては、カーボンブラック、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3,7,10,12,13,14,15,17,23,24,60,62,74,75,83,93,94,95,99,100,101,104,108,109,110,111,117,123,128,129,138,139,147,148,150,166,168,169,177,179,180,181,183,185,191:1,191,192,193,199が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.l.solvent Yellow33,56,79,82,93,112,162,163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が特に好適に利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部となる様に添加して用いられる。
本発明においては、重合法を用いてトナーを得る場合、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。好ましくは、着色剤の表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。特に、染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。着色剤を表面処理する好ましい方法としては、あらかじめこれら着色剤の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体組成物に添加するのが好ましい。また、カーボンブラックについては、上記着色剤と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等でグラフト処理を行ってもよい。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーを製造する方法としては、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に記載されている懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法によるトナー化;単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー化;マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法によるトナー化;コアセルベーション法によるトナー化;特開昭62−106473号公報や特開昭63−186253号公報に開示されている様な少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る会合重合法によるトナー化;単分散を特徴とする分散重合法によるトナー化;非水溶性有機溶媒に必要な樹脂類を溶解させた後水中でトナー化する乳化分散法によるトナー化;といったトナーを得る方法が挙げられる。
中でも、懸濁重合法、会合重合法、乳化分散法によるトナーの製造が好ましい。
より一層好ましくは小粒径のトナーが容易に得られる懸濁重合方法が望まれる。さらに懸濁重合により一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着せしめる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
トナーの製造方法として懸濁重合を利用する場合には、以下の如き製造方法によって直接的にトナーを製造することが可能である。単量体中に離型剤、着色剤、重合開始剤、架橋剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザー、超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー、ホモジナイザーにより分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜95℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpHを変更しても良い。更に、定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
造粒中の水系媒体中のpHは特に制約は受けないが、好ましくは、pH4.5〜13.0、更に好ましくは4.5〜12.0、特に好ましくは4.5〜11.0、最も好ましくは4.5〜7.5である。pHが4.5未満の場合は分散安定剤の一部に溶解がおこり、分散安定化が困難になり、造粒出来なくなることがある。またpHが13.0を超える場合はトナー中に添加されている成分が分解されてしまうことがあり、十分な帯電能力が発揮出来なくなることがある。造粒を酸性領域で行った場合には、分散安定剤に由来する金属のトナー中における含有量が過剰となるのを抑制することができ、本発明の規定を満たすようなトナーが得られやすくなる。
また、トナー粒子の洗浄をpH3以下、より好ましくは、pH1.5以下の酸を用いて行うことが好ましい。トナー粒子の洗浄を酸で行うことにより、トナー粒子表面に存在する分散安定剤を低減することができる。洗浄に用いる酸としては、特に限定されるものではなく、塩酸、硫酸の如き無機酸を用いることができる。これによりトナー粒子の帯電性を所望の範囲に調整することも可能である。
本発明に用いられる分散安定剤としては、例えばリン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ヒドロキシアパタイドなどが挙げられる。
又、分散安定剤としては、少なくともマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、燐のいずれかが含まれているものが用いられるが、好ましくは、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、燐のいずれかが含まれていることが望まれる。
上記分散安定剤に有機系化合物、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプンを併用しても構わない。
これら分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜2.0質量部を使用することが好ましい。
さらに、これら分散安定剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが好ましく用いられる。
本発明のトナーを重合法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。
該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルが挙げられる。
本発明においては重合性単量体と共にマクロモノマーを用いても良い。マクロモノマーを用いることで保存性やオフセット防止性と低温定着性とのバランスを良くすることができる。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な官能基(例えば、炭素−炭素二重結合のような不飽和基)を有する比較的長い線状分子である。マクロモノマーとしては、数平均分子量が通常1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーが好ましい。数平均分子量が小さいマクロモノマーを用いると、トナー粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が低下する。逆に、数平均分子量が大きいマクロモノマーを用いると、マクロモノマーの溶融性が悪く、トナーの定着性が低下する。
マクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体、ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマーなどが挙げられる。マクロモノマーの中でも、結着樹脂のガラス転移温度より高いガラス転移温度を有する重合体が好ましく、特にスチレンとメタクリル酸エステル及び/またはアクリル酸エステルとの共重合体マクロモノマーやポリメタクリル酸エステルマクロモノマーが好適である。マクロモノマーを使用する場合、その配合割合は、重合性単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜5質量部、より好ましくは0.05〜1質量部である。マクロモノマーの使用割合が大きすぎると、定着性が低下する傾向を示す。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。更にこれらにマクロモノマーを組み合わせて使用する。
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、本発明で用いられるもの以外にも本発明の効果を阻害しない範囲であれば油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が適宜用いることが可能である。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如きアゾ化合物が挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}、塩酸塩硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
また本発明においては、架橋剤を用いて架橋を有する樹脂とすることもでき、架橋剤として、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いることができる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナー粒子の形状係数を制御する方法としては、例えば、乳化重合、懸濁重合、分散重合などによる重合法によりトナー粒子を製造する際の重合条件をコントロールしてトナーを製造する方法が挙げられる。
具体的にはトナー粒子を製造する際の分散安定剤の種類及び量、撹拌条件、水層のpH及び重合条件、添加剤の分子量をコントロールすることにより、トナー粒子の形状係数を調整することができる。
更には生成したトナー粒子を乾燥させた後、分級や篩いなどの手段を用いることで所望の粒度、粒度分布、円形度のトナー粒子を得ることも可能である。
また、懸濁重合法を用いてトナー粒子を得る方法においては、重合単量体の重合反応を阻害無く行わせしめるという観点から、極性樹脂を同時に添加するが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,スチレンと不飽和カルボン酸エステル等との共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸或はメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸及び不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体若しくはこれらの単量体とスチレン系単量体等との共重合体、マレイン酸共重合体,ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。これらの極性重合体及び/又は共重合体の添加量としては、重合性単量体の0.1〜10質量%が好ましい。
本発明のトナーは、メルトインデックス(MI)が好ましくは5.0〜30.0g/10分、より好ましくは5.0〜25.0g/10分の範囲にあると本発明の実施例において優れた現像性及び定着性を示す。トナーのMIが5.0未満の場合は定着時に必要となる定着ローラーからの圧力および加熱を高温高圧にする必要があるため定着方式の簡素化と消費電力の削減の観点から不利である。更に、長期間の使用においてトナー表面に付着している有機及び無機微粉体などがトナー表面から遊離しやすいため、部材汚染を引き起こしやすく好ましくない。また、30.0超の場合は内部凝集力が低下するため耐オフセット性が悪化し、望ましくない。また、長期間の使用においてトナー表面に付着している有機及び無機微粉体などがトナー内に埋没しやすくなり流動性の低下を引き起こし、画像の均一性、濃度や部材汚染などの点で好ましくない。
ここでのメルトインデックスは日本工業規格の熱可塑性プラスチックの流れ試験方法JIS K7210記載の装置を用いて、下記測定条件下、手動切り取り法で測定を行う。この時、測定値は10分値に換算する。
測定温度 :135℃
荷重 :1.20kg
試料充填量:5〜10g
本発明のトナーにおいては各種特性付与を目的として様々な無機、有機の添加剤を用いることが可能である。用いる添加剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、以下のようなものが用いられるが、特に何ら限定するものではない。
1)流動性付与剤としては:金属酸化物(シリカ、疎水性シリカ、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)、カーボンブラック、フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
2)研磨剤としては:金属酸化物(チタン酸ストロチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)などが好ましい。
3)滑剤としては:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが好ましい。
4)荷電制御性粒子としては:金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、カーボンブラックなどが好ましい。
また他にも、有機微粒子としては、例えば乳化重合法やスプレードライ法による、スチレン、アクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートの如きトナー用結着樹脂に用いられるモノマー成分の単独重合体あるいは共重合体を適宜用いることが出来る。
これら添加剤は、トナー100質量部に対し、0.01〜5質量部(好ましくは0.02〜3質量部)が用いられるのが良い。これらの添加剤は単独で用いても、複数併用しても良い。
これらの添加剤のうち無機微粒子は疎水化処理されていると望ましい。疎水化度の範囲としては20%以上99%以下が望ましく、より望ましくは40%以上99%以下であり、特にシリカの場合は80%以上が望ましい。
該無機微粒子の疎水化処理方法としては、従来公知の方法が使用される。例えば具体的には、あらかじめ上記の酸化チタン微粒子を真空下で100〜150℃に加熱し、デシケーター中に貯蔵することによって処理し、水を除去しておく。例えば、脱水処理した酸化チタン微粒子とシランカップリング剤とを、トルエン中で反応させ、酸化チタン表面のOH基を疎水化処理する方法(溶剤湿式処理法)が挙げられる。その他にも溶剤乾式噴霧法、水系エマルジョン処理法、水系加水分解法などが挙げられる。
無機微粒子の疎水化処理を行う疎水性処理剤としては以下のようにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどが利用できる。
シランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ポリエチレンイミン含有シラン等が挙げられる。好ましくは負帯電性としてはオクチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、正帯電性としてはジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、であり、更に好ましくは負帯電性としてはγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、正帯電性としてはジプロピルアミノプロピルトリメトキシシランである。
チタンカップリング剤としては、例えばビス〔ジオクチルパイロホスフェート〕オキシアセテートチタネート、ビス〔ジオクチルパイロホスフェート〕エチレンチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。
更に、トナー粒子にシリコーンオイル処理されているシリカ微粉体を外添すると望ましい。
本発明に用いられる無機微粉体は疎水性であることが好ましく、シランカップリング剤、チタンカップリング剤など各種カップリング剤を用いることが可能であるが、シリコーンオイルで疎水化度を高くすることで、高湿下での無機微粉体の水分吸着を抑制し、更には規制部材や帯電部材などの汚染が抑制されるため高品位の画像が得られるためより好ましい。
シリコーンオイルとしては例えばジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボン酸変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロロフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられ、特にクロロフェニルシリコーンオイルのごとき芳香族を含有する官能基を有するものやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイルが好ましいが、上記のものに限定されるわけではない。
上記シリコーンオイルは温度25℃における粘度が50乃至1000mm2/sの物が好ましい。50mm2/s未満では熱が加わることにより一部発揮し、帯電特性が劣化しやすい。1000mm2/sを超える場合では、処理作業上取扱いが困難となる。シリコーンオイル処理の方法としては、公知技術が使用できる。例えば、ケイ酸微粉体とシリコーンオイルとを混合機を用い、混合する。ケイ酸微粉体中にシリコーンオイルを噴霧器を用い噴霧する。或いは溶剤中にシリコーンオイルを溶解させた後、ケイ酸微粉体を混合する方法が挙げられる。処理方法としてはこれに限定されるものではない。
本発明に用いられる無機微粉体としては、ハイドロタルサイト系化合物類が用いられると望ましい。該ハイドロタルサイト系化合物類の好ましい粒子径としては、通常500nm以下、より好ましくは400nm以下であるのが望ましい。粒子径が500nmを超えて大きい場合は、外添時にトナー表面に付着しにくくなるため装置内の汚染が激しくなり好ましくない。
また、ハイドロタルサイト化合物類の中でも特に好ましくは、下記一般式(C)で表される化合物の粉末を含有するのが最適である。
Mg2+y1・M22+y2・・・Mj2+yjAl3+x1L23+x2・・・Lk3+xk(OH)2・(X/n)An―・mH2O …(C)
上記一般式(C)中の記号の意味は下記の通りである。
(式中、0<〔X=(x1+x2+…+xk)〕≦0.5、Y=(y1+y2+…+yj)=1−Xであり、j及びkは2以上の整数、M2,M3,…及びMjはZn、Ca、Ba、Ni、Sr,Cu及びFeからなる群より選ばれるそれぞれ異なる金属、L2,L3…及びLkはB、Ga、Fe、Co及びInからなる群より選ばれるそれぞれ異なる金属、An−はn価のアニオン、m≧0である。)この時特にy1≧0.6であると望ましく、更には該ハイドロタルサイト中にZnが含有されていると、より望ましい。
本発明に使用されるハイドロタルサイト類の比表面積は、3.0〜150m2/gであることが好ましく、より好ましくは7.0〜120m2/gである。3.0m2/g以上である方が効果が大きく、150m2/g以下の方がトナーの流動性が良く、画像濃度の均一性の面でより好ましい。
比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オートソープ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出した。
さらに本発明に使用されるハイドロタルサイトの体積抵抗値は、5.0×106〜8.0×1015Ω・cmが好ましい。5.0×106Ω・cm以上であれば、特に高湿環境下での電荷の保持能が高く好ましい。また8.0×1015Ω・cm以下であると、トナーの帯電性の制御がより容易となり好ましい。
また本発明に使用されるハイドロタルサイトのモース硬度は2.0〜2.5が好ましい。モース硬度が2.0以上の場合、トナー規制部材等に対する耐ストレス性の面で好ましい。またモース硬度が2.5以下の場合、トナー表面への付着が容易なため好ましい。
本発明に使用されるハイドロタルサイトは、表面処理剤によって疎水化処理を行なうことが環境安定化を図る上で好ましい。表面処理剤としては、高級脂肪酸類、カップリング剤類、エステル類が使用可能であり、特に高級脂肪酸類が好ましい。具体的には、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリル酸が例示される。中でも特にリノール酸、リノレン酸が好ましい。
表面処理剤による化合物(C)の表面処理は、例えば、該表面処理剤が液状の場合、あるいは水、アルコール類などに溶解して液状にした場合には、これら液状の表面処理剤と化合物(C)の粉末もしくはその水性懸濁液を、加熱条件下もしくは非加熱条件下で機械的に混合することによって行うことができる。また、例えば該表面処理剤が加熱条件下で溶解する場合には、加熱溶解条件下で化合物(C)と機械的に混合することによって行うこともできる。充分な混合処理の後、必要に応じて水洗、脱水、乾燥、粉砕、分級等の手段を適宜選択して実施し、表面処理物を得ることができる。上述のようにして得ることのできる化合物(C)の表面処理物の表面処理剤の含有量は適当に選択変更できるが、化合物(C)の質量に基づいて、約0.1〜約10質量%のごとき量を例示することができる。
なお、化合物(C)は、従来より公知の手法で製造することができる。例えば、特公昭46−2280号公報、特公昭47−32198号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭48−29477号公報、特公昭51−29129号公報等に記載されている製法ないしはそれらに類する製法により製造可能である。また、従来手法で得られる化合物(C)を、例えばオートクレーブ中、水媒体中で、例えば約120〜約250℃の温度及び約5〜約40時間のごとき条件下で加熱処理し、濾過・乾燥等を行うことにより、所望のBET比表面積及び平均2次粒子径の化合物(C)を得ることができる。上記加熱処理は、前記BET比表面積及び平均2次粒子径条件を満足するようになるまで、加圧条件下に水熱処理すればよく、高温側の採用がより好ましい。
本発明のトナーは、一成分系現像剤用のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。
一成分系現像剤として用い、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアとを混合して現像剤として使用する。磁性キャリアとしては、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる元素単独又は複合フェライト状態で構成される。磁性キャリアの形状として、球状、扁平又は不定形があり、そのいずれのものも用いることができる。更に磁性キャリア粒子表面状態の微細構造(たとえば表面凹凸性)をもコントロールすることが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、磁性キャリアコア粒子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いられている。磁性キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状の磁性キャリアを得る方法も利用することが可能である。
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、特に好ましい。その方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて、該溶液又は懸濁液をキャリアに塗布し付着せしめる方法、単に樹脂粉体とキャリア粒子とを混合して付着させる方法が適用できる。
キャリア粒子表面の被覆物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは単独或は複数で用いられる。
キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の79.6kA/m(1kエルステッド)における磁化の強さ(σ1000)は30乃至300emu/cm3であることが好ましい。さらに高画質化を達成するために、好ましくは100乃至250emu/cm3であることがよい。300emu/cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。逆に、30emu/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。
本発明のトナーは非磁性一成分トナーであると現像性において特に大きな効果を持つため望ましい。この理由としては非磁性一成分現像方式の場合は二成分現像方式等とは違い、トナーを帯電させる際にキャリアなどの助けがないためトナー自身の帯電性能が大きく影響するためである。
更に、非磁性一成分現像方式である方が小型化、軽量化において望ましい。更に、本発明のトナーは非磁性一成分非接触現像方式においても有効であるが、より好ましくは非磁性一成分接触現像方法において用いられるとより有効である。これは接触現像の場合はトナー担持体上にコートされているトナーの帯電性および流動性が要因であるコートムラなどの影響を受けやすいためである。
次に本発明のトナーは、例えば次のような画像形成方法、プロセスカートリッジ及び現像装置に適応できる。以下に詳細について説明する。
まず、図1は本発明に適用される非磁性一成分接触現像方式での画像形成方法および現像装置の具体例である。図1において、現像装置13は、一成分現像剤として非磁性トナー17を収容した現像剤容器23と、現像剤容器23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体(感光ドラム)10と対向設置されたトナー担持体14とを備え、潜像担持体10上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。感光体接触帯電部材11は潜像担持体10に当接している。感光体接触帯電部材11のバイアスは電源12により印加されている。
トナー担持体14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像容器23外へ露出した面は、図1のように現像装置13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
トナー担持体14は矢印B方向に回転駆動され、またその表面は、トナー17との摺擦確率を高くし、かつ、トナー17の搬送を良好に行うための適度な凹凸を有している。トナー担持体14は、図1のようにトナー担持体14を潜像担持体10に当接させて用いる場合は、一例として、NBRの基層にエーテルウレタンを表層コートした、直径14〜25mm、表面粗さRzが3〜15μm、抵抗が104〜108Ωの弾性ローラーを用いることができる。潜像担持体10の周速は50〜170mm/s、トナー担持体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1〜2倍の周速で回転させている。
トナー担持体14の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料または、バネ弾性を有するSUSまたはリン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体14への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなる規制部材16が、ブレード支持板金24に支持され、自由端側の先端近傍をトナー担持体14の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体14の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。トナー規制部材の一例としては、厚さ1.0〜1.5mmの板状のウレタンゴム等をブレード支持板金24の当接部分もしくは全面に接着した構成で、トナー担持体14に対する当接圧を、適宜設定したものである。なお、線圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算した。また、規制部材16についてはL字型形状の金属板を用い、L字の曲がり角に相当する部分をトナー担持体14に当接する方式を用いても良い。
弾性ローラー15は、トナー規制部材16のトナー担持体14表面との当接部に対しトナー担持体14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。この構造としては、発泡骨格状スポンジ構造や芯金上にレーヨン、ナイロン等の繊維を植毛したファーブラシ構造のものが、トナー担持体14へのトナー17の供給および未現像トナーの剥ぎ取りの点から好ましく、弾性ローラーの一例としては、芯金15a上にポリウレタンフォームを設けた直径12〜18mmの弾性ローラー15を用いた。この弾性ローラー15のトナー担持体14に対する当接幅としては、0.5〜8mmが有効で、またトナー担持体14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
トナー帯電ローラー29は本発明のトナーに必須のものではないが、設置されているとより好ましい。トナー帯電ローラー29はNBR、シリコーンゴム等の弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30によるトナー帯電ローラー29のトナー担持体14への当接荷重は0.49〜4.9Nに設定した。トナー帯電ローラー29の当接により、トナー担持体14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。弾性ブレード16とトナー帯電ローラー29の長手位置関係は、トナー帯電ローラー29がトナー担持体14上の弾性ブレード16当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
またトナー帯電ローラー29の駆動については、トナー担持体14との間は従動または同周速が必須であり、トナー帯電ローラー29、トナー担持体14間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
トナー帯電ローラー29のバイアスは、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に直流で(図1の27)印加されており、トナー担持体14上のトナー17はトナー帯電ローラー29より、放電によって電荷付与を受ける。
トナー帯電ローラー29のバイアスは、トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、トナー担持体14に対して1000〜2000Vの電位差が生じるように設定される。
トナー帯電ローラー29による帯電付与を受けた後、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、図1に示すように、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
なお、以上は現像方法および画像形成装置本体に着脱可能な現像装置からなるプロセスカートリッジに適用した場合について説明したが、画像形成装置本体内に固定され、トナーのみを補給するような構成の現像装置に適用してもよい。また、少なくとも上記現像装置を備え、必要に応じ感光ドラム、クリーニングブレード、廃トナー収容容器、帯電装置の全てを、あるいはいくつかを一体で形成し画像形成装置本体に対し着脱可能なプロセスカートリッジに適用してもよい。
更に、ブレード状のクリーニング部材を感光体に圧接配置するなどして転写されずに感光体上に残留したトナーをクリーニングする工程が存在する場合、クリーニング工程の前段階においてはクリーニングを容易にするために感光体表面を除電する除電工程を付加することが望ましい。
更に非磁性一成分系現像剤を用いる非磁性一成分非接触現像による画像形成方法および現像装置について図2に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像装置170は、非磁性トナーとしての非磁性一成分系現像剤176を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている非磁性一成分系現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体上に非磁性一成分系現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の非磁性一成分系現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
169は静電潜像を担持するための潜像担持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段または静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズで吹きつけて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂でコートしたものがよい。なかでも、スリーブ表面を樹脂でコートする方法は、樹脂中に各種粒子を分散させることで、スリーブ表面荒さや導電性を調整することや、スリーブ表面に滑性を付与することが簡便に行えるため、好適に用いられる。
スリーブ表面をコートするのに用いられる樹脂および樹脂に添加される各種粒子については特に限定されるものではないが、樹脂としてはステンレス系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂及びポリイミド樹脂等の熱或いは光硬化性樹脂が好適に用いられる。
また、添加する各種粒子としてはPMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子;ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;酸化チタン、酸化すず、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウム等の金属酸化物;アルミニウム、銅、銀及びニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維及び炭素繊維等の無機系充填剤が好適に用いられる。
非磁性一成分系現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)のはぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された非磁性一成分系現像剤は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一かつ薄層に塗布される。
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、非磁性一成分系現像剤の均一塗布が困難となり、非磁性一成分系現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、非磁性一成分系現像剤に大きな圧力がかかり、非磁性一成分系現像剤が劣化するため、非磁性一成分系現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた非磁性一成分系現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに非磁性一成分系現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
弾性ブレードとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドの如きエラストマー;ステンレス、鋼、リン青銅の如き金属弾性体が使用でき、さらにそれらの複合体であっても使用できる。好ましくは、バネ弾性を有するSUSまたはリン青銅の金属薄板上にウレタン、シリコーン等のゴム材料やポリアミドエラストマー等の各種エラストマーを射出成型して設けたものが良い。
この非磁性一成分現像方法において、ブレードにより現像スリーブ上に非磁性一成分系現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上の非磁性一成分系現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像担持体との対抗間隙αよりも小さくし、この間隙に交番電場を印加することが好ましい。すなわち図2に示すバイアス電源により、現像スリーブ172と潜像担持体169との間に交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ上から像担持体上への非磁性一成分系現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
本発明においては、潜像担持体と現像剤担持体との間隙αは、例えば50〜500μmに設定され、現像剤担持体上に担持される現像剤層の層厚は、例えば40〜400μmに設定されることが好ましい。
現像スリーブは潜像担持体に対し、100〜200%の周速で回転される。交番バイアス電圧は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0kVで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、1.0〜5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番バイアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波の如き波形が適用できる。さらに、正、逆の電圧、時間の異なる非対称交流バイアスも利用できる。直流バイアスを重畳するのも好ましい。
次に非磁性トナーとしての本発明のトナーとキャリアとから構成される二成分現像剤を用いる画像形成方法および現像装置を図3に示す概略構成図に基づいて説明する。
現像装置120は、二成分系現像剤128を収納する現像容器126、現像容器126に収納されている二成分系現像剤128を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体としての現像スリーブ121、現像スリーブ121上に形成される現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制手段としての現像ブレード127を有している。
現像スリーブ121は、非磁性のスリーブ基体122内にマグネット123を内包している。
現像容器126の内部は、隔壁130によって現像室(第1室)R1と撹拌室(第2室)R2と区画され、撹拌室R2の上方には隔壁130を隔ててトナー貯蔵室R3が形成されている。現像室R1及び撹拌室R2内には現像剤128が収容されており、トナー貯蔵室R3内には補給用トナー(非磁性トナー)129が収容されている。なお、トナー貯蔵室R3には補給口131が設けられ、補給口131を経て消費されたトナーに見合った量の補給用トナー129が撹拌室R2内に落下補給される。
現像室R1内には搬送スクリュー124が設けられており、この搬送スクリュー124の回転駆動によって現像室R1内の現像剤128は、現像スリーブ121の長手方向に向けて搬送される。同様に、貯蔵室R2内には搬送スクリュー125が設けられ、搬送スクリュー125の回転によって、補給口131からの撹拌室R2内に落下したトナーを現像スリーブ121の長手方向に沿って搬送する。
現像剤128は、非磁性トナーと磁性キャリアとを有した二成分系現像剤である。
現像容器126の感光ドラム119に近接する部位には開口部が設けられ、該開口部から現像スリーブ121が外部に突出し、現像スリーブ121と感光ドラム119との間には間隙が設けられている。非磁性材にて形成される現像スリーブ121には、バイアスを印加するためのバイアス印加手段132が配置されている。
スリーブ基体122に固定された磁界発生手段としてのマグネットローラー、即ち磁石123は、上述したように、現像磁極S1とその下流に位置する磁極N3と、現像剤128を搬送するための磁極N2、S2、N1とを有する。磁石123は、現像磁極S1が感光体ドラム119に対向するようにスリーブ基体122内に配置されている。現像磁極S1は、現像スリーブ121と感光ドラム119との間の現像部の近傍に磁界を形成し、該磁界によって磁気ブラシが形成される。
現像スリーブ121の上方に配置され、現像スリーブ121上の現像剤128の層厚を規制する現像剤層規制ブレード127は、アルミニウム、SUS316の如き非磁性材料で作製される。非磁性ブレード127の端部と現像スリーブ121面との距離Aは300〜1000μm、好ましくは400〜900μmである。この距離Aが300μmより小さいと、磁性キャリアがこの間につまり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布することができず濃度の薄いムラの多い現像画像しか得られないという問題点がある。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためには、400μm以上が好ましい。距離Aが1000μmより大きいと現像スリーブ121上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行えず、感光ドラム119への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、非磁性の現像剤層及び規制ブレード127による現像剤規制力が弱まりトナーのトリボが不足しカブリやすくなるという問題点がある。
この二成分系現像装置120の現像は、交番電界を印加しつつ、トナーと磁性キャリアとにより、構成される磁気ブラシを像担持体(例えば、感光体ドラム)119に接触している状態で現像を行う。この磁気ブラシと像担持体とが接触することによって、転写後、像担持体上に担持されている転写残トナーは、磁気ブラシに取り込まれ現像室R1に回収される。現像剤担持体(現像スリーブ)121と感光体ドラム119の距離(S−D間距離)Bは100〜1000μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、1000μmを超えると磁石S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、キャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
交番電界のピーク間の電圧は500〜5000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは500〜3000Hzであり、それぞれプロセスに適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形から選択して用いることができる。印加電圧が、500Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。印加電圧が5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、静電像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが150V以下、より好ましくは100V以下が良い。
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように200V〜500Vが好ましく用いられる。
周波数が500Hzより低いとプロセススピードにも関係するが、キャリアへの電荷注入が起こるためキャリア付着、あるいは潜像を乱すことで画質を低下させる場合がある。周波数が10000Hzを超えると電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために、現像スリーブ121上の磁気ブラシの感光体ドラム119との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に押さえることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材127と現像スリーブ121との距離Aを調整したり、現像スリープ121と感光ドラム119との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
上記の二成分系現像剤を用いる現像方式は、転写後に感光体ドラム上に残存する転写残トナーを、転写工程における転写部と帯電工程における帯電部との間及び帯電部と現像工程における現像部との間に、感光体ドラムの表面に当接するクリーニング部材を設けずに、現像工程において現像装置が回収する現像同時クリーニングを行うことができる。
現像同時クリーニング方式においては、潜像担持体の移動方向に対して、現像部、転写部及び帯電部の順で位置しており、転写部と帯電部との間及び帯電部と現像部との間に、潜像担持体の表面に当接して潜像担持体の表面に存在する転写残トナーを除去するためのクリーニング部材を有していない。
現像同時クリーニング方式を用いた画像形成方法について、現像工程において、トナーの帯電極性と潜像担持体の静電潜像の帯電極性が同極性で現像を行う反転現像を例に挙げて説明すると、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率の違い)と画像面積の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることが出来る。それゆえ、現像時に一様にマイナス極性に帯電したトナー粒子が感光体表面に存在していても、現像方法として反転現像を用いた場合、マイナスに帯電された転写残余のトナーは、トナーの現像されるべき明部電位部には残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には残らず、現像電界の関係上、現像剤の磁気ブラシ又は現像剤担持体の方に引き寄せられ、残留しない。
本発明において、図3に示す画像形成装置を構成する部材としては例えば次のようなものが用いられる。現像ローラーとして使用できる材料としては、弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾性層、及び好ましくは比較的高抵抗層を設けたものが用いられる。ローラー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴム、シリコーンゴムなどのゴム又はスポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢酸ビニルサーモプラスチックエラストマー等のサーモプラスチックエラストマーなどで形成することができ、導電層としては、体積抵抗率が109Ωcm以下で、望ましくは103Ωcm以上である。
導電性を制御する手段としては、カーボン・アルミニウム・ニッケル・酸化チタンなどの導電性粒子を分散する方法、4級アンモニウム塩・過塩素酸リチウムなどを含有させイオン導電性を利用する方法が挙げられる。
比較的高抵抗層としては、例えば、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素系樹脂、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、シリコーンアクリルなどのシリコーン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−12、ナイロン−46、アラミド類などのポリアミド系樹脂、PETなどのポリエステル系樹脂、PEやPPなどのポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、メラミン系樹脂、スチロール系樹脂、ポリメタクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、フェノール系樹脂などが適宜抵抗調整の上使用できる。
本発明に用いられる電子写真感光体の感光層は、単層または積層構造を有する。単層構造の場合、感光層はキャリアを生成する電荷発生材料とキャリアを輸送する電荷輸送材料とを共に含有する。積層構造の場合、キャリアを生成する電荷発生材料を含有する電荷発生層と、キャリアを輸送する電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とが積層されて感光層が構成される。表面層を形成するのは電荷発生層または電荷輸送層どちらの場合もある。
単層感光層は5〜100μmの厚さが好ましく、特には10〜60μmであることが好ましい。また、電荷発生材料や電荷輸送材料を層の全質量に対し20〜80質量%含有することが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。単層感光層は、前記電荷発生材料、電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、必要に応じて紫外線吸収剤や酸化防止剤、その他の添加剤等を含有することができる。
積層感光層においては、電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、特には0.01〜2μmであることが好ましい。電荷発生材料の含有量は層の全質量に対し10〜100質量%であることが好ましく、特には40〜100質量%であることが好ましい。電荷発生層は電荷発生材料のみで構成される場合もあるが、それ以外の場合には上記バインダー樹脂等を含有することができる。電荷輸送層の膜厚は5〜100μmであることが好ましく、特には5〜19μmであることが好ましい。電荷輸送材料の含有量は20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜70質量%であることが好ましい。電荷輸送層は電荷輸送材料以外にバインダー樹脂を含有し、上記同様のその他任意成分を含有することができる。
本発明に用いられる電子写真感光体は、上述の様に感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜厚は、0.01〜20μmであることが好ましく、特には0.1〜10μmであることが好ましい。保護層は通常バインダー樹脂に電荷発生材料または電荷輸送材料や、金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金、更にはカーボン等の導電材料等が分散された構成を有する。保護層に用いるバインダー樹脂、電荷発生材料、電荷輸送材料としては、上記感光層に用いられる材料と同様のものが挙げられる。
本発明に用いられる電子写真感光体に用いられる導電性支持体は、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、亜鉛、金および銀等の金属や合金、あるいはそれらの酸化物やカーボン、導電性樹脂等が使用可能である。形状は円筒形、ベルト状やシート状のものがある。また、前記導電性材料は、成型加工される場合もあるが、塗料として塗布したり、蒸着してもよい。なお、本例に用いられている導電性支持体は、直径約30mmの円筒形のものである。
また、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、下引層を設けてもよい。下引層は主にバインダー樹脂からなるが、前記導電性材料やアクセプター性の化合物を含有してもよい。下引層を形成するバインダー樹脂としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ボリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂およびブチラール樹脂等が挙げられる。
さらに、上述の様に導電性支持体と感光層との間に、導電層を設けてもよい。感光体が下引層と導電層を共に有する場合には、通常、導電性支持体、導電層、下引層、感光層の順に積層される。導電層は、一般的には、上記下引層に用いられるのと同様なバインダー樹脂に前記導電性材料が分散された構成を有する。
本発明に用いられる電子写真感光体を製造する方法としては、通常、導電性支持体上に下引層、感光層および保護層等を、蒸着や塗布等で積層する方法が用いられる。塗布にはバーコーター、ナイフコーター、ロールコーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電塗布および粉体塗布等が用いられる。また、上記下引層、感光層および保護層等を塗布法により形成させるには、各層毎にその構成成分を、有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、溶媒を乾燥等によって除去すればよい。あるいは、反応硬化型のバインダー樹脂を用いる場合には、各層の構成成分を樹脂原料成分および必要に応じて添加される適当な有機溶媒等に溶解、分散させた溶液、分散液等を上記の方法により塗布した後、例えば、熱や光等により樹脂原料を反応硬化させ、さらに必要に応じて溶媒を乾燥等によって除去すればよい。
感光体接触帯電部材としては、ローラーまたはブレードの場合は、導電性基体として、鉄、銅、ステンレス等の金属、カーボン分散樹脂、金属あるいは金属酸化物分散樹脂などが用いられ、その形状としては棒状、板状等が使用できる。例えば、弾性ローラーの構成としては、導電性基体上に弾性層、導電層、抵抗層を設けたものが用いられ、ローラー弾性層としては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキシゴム、ブチルゴムなどのゴム又はスポンジや、スチレン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエステル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢ビサーモプラスチックエラストマー等のサーモプラスチックエラストマーなどで形成することができ、導電層としては、体積抵抗率を107Ω・cm以下、望ましくは106Ω・cm以下である。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散樹脂、導電性樹脂等が用いられ、具体例としては、アルミニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄等の蒸着膜、導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、ニッケル、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂中に分散したものなどが挙げられる。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。抵抗層は、例えば、体積抵抗率が106〜1012Ω・cmの層であり、半導性樹脂、導電性粒子分散絶縁樹脂等を用いることができる。半導性樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロン、ポリビニルヒドリン、カゼイン等の樹脂が用いられる。導電性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウム、酸化インジウム、酸化チタンなどの導電性粒子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の絶縁性樹脂中に少量分散したものなどが挙げられる。
帯電部材としてのブラシは、一般に用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整されたものが用いられる。繊維としては、一般に知られている繊維が使用可能であり、例えばナイロン、アクリル、レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられる。また導電材としては、これも一般に知られている導電材が使用可能であり、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、金、銀等の金属あるいは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化チタン等の金属酸化物、さらにはカーボンブラック等の導電粉が挙げられる。なおこれら導電粉は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的で表面処理が施されていてもよい。使用に際しては、繊維との分散性や生産性を考慮して選択して用いる。ブラシの形状としては、繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μm程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メートル当り1.5×107〜4.5×108本程度)のものが好ましく用いられる。
本発明の画像形成方法においては感光体接触帯電部材としてはローラーであると帯電の均一性に優れているので望ましい。
カブリの測定は、画像形成装置として後述の評価機を用い、高温多湿環境下(30℃,80%RH)および低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて印字率1%にて2枚印刷する度に2分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久10000枚印字後に各環境下において5日間放置し、その後の1枚目の画像サンプルのカブリ量を東京電色社製のREFLECTMETERMODELTC−6DSを使用して測定し、下記式より算出した。数値が小さい程、カブリが少ない。カブリ量が2%以下を実用上問題無しとした。耐久試験に用いた転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
カブリ量(%)=(プリントアウト前の白色度)−(プリント後の記録材の非画像形成部(白地部)の白色度)
ボタ落ちは高温多湿環境下(30℃,80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に2分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久10000枚印字後、高温多湿環境下に5日間放置し、その後1枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:全く発生せず
B:画像上に1つ存在
C:画像上に2〜3つ存在するが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
画像濃度低下は高温多湿環境下(30℃,80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に2分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久5000枚目の画像サンプルについて東京電色社製のREFLECTMETERMODELTC−6DSを使用して濃度を測定し、その濃度差を評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:濃度低下なし
B:濃度低下が0.02以下
C:濃度低下が0.05以下
D:濃度低下が0.05超
ベタ画像均一性は低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字で耐久試験を行い、10枚目と4000枚目の画像を印字した直後および4000枚印字後7日間低温低湿環境下(15℃、10%RH)に放置した後に、それぞれ全面ベタチャートを1枚印字し、画像評価を行った。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
画像サンプルについて以下のように評価した。
A:全面が均一にトナーが転写され着色されている
B:画像先端から50mm以降において濃度の薄い個所が部分的に存在する
C:画像先端から50mm以降においてトナーが紙に転写されておらず紙の地肌が露出している箇所が存在する
画像ムラは高温多湿環境下(30℃,80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字で5000枚印字後2日間高温多湿環境下(30℃,80%RH)にて放置し、その後の1枚目のハーフトーン画像について評価を行った。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
評価画像としては、全面に50%濃度のハーフトーン画像を印字している画像を用いた。
画像サンプルについて以下のように評価した。
A:画像上にムラは全く無い
B:画像上に軽微にムラが存在するが、実用上問題ない
C:画像上にムラが存在し、実用上問題あり
クリーニング性は低温低湿環境下(15℃,10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率2%で連続4000枚プリントアウトし、クリーニング性と画質を目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。(クリーニングが良好なものはA、不良なもの、即ち、ブレードの弾性が低下し、トナーがすり抜けることにより画像に黒い横スジが軽微に発生したが、実用上問題の無いものはB、発生し、実用上問題のあるものはCで示した。)
初期画像濃度は低温低湿環境下(15℃,10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率2%にて連続印字で耐久試験を行い、耐久試験前および耐久試験10枚目、100枚目の画像を印字した直後において、それぞれ全面ベタチャートを1枚印字し、各画像の画像濃度を測定した。画像サンプルの濃度については東京電色社製のREFLECTMETERMODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。画像濃度が1.20以上の場合を実用上問題無しとした。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:濃度1.25以上
B:濃度1.20以上
C:濃度1.15以上
D:濃度1.10以上
E:濃度1.10未満
定着性は低温低湿環境下(15℃,10%RH)にて後述の評価機を用い、マシンおよびトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れウェイトアップ直後に200μm幅の横線パターン(横幅200μ、間隔200μm)をプリントアウトし、50枚目のプリント画像を定着性の評価に用いた。定着性の評価は画像をシルボン紙で5往復100g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)の平均で評価した。
評価には表面平滑度10〔sec〕以下のボンド紙を用いた。以下に評価基準を示す。
A:濃度低下率5%未満
B:濃度低下率5%以上10%未満
C:濃度低下率10%以上15%未満
D:濃度低下率15%以上20%未満
E:濃度低下率20%以上だがシルボン紙で擦る前の評価画像は定着不良が発生していない
F:シルボン紙で擦る前の評価画像に定着不良が発生している
耐オフセット性は高温多湿環境下(30℃,80%RH)にて後述の評価機を用い、マシンおよびトナーを充填したカートリッジが環境になじんだ状態(該環境下に24時間放置後)から電源を入れウェイトアップ直後に全面ベタ画像を100枚プリントアウトし、その画像サンプルについて評価を行った。
評価にはOHPフィルム(CG3700、住友スリーエム株式会社製)を用いた。以下に評価基準を示す。
定着性
A:オフセットは全く発生せず
B:オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数1枚)
C:オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数2枚)
D:オフセットは極軽微に発生したが実用上問題無し(かつ発生枚数4枚以内)
E:オフセットが発生し、実用上問題あり
現像ローラーおよびトナー層規制部材へのトナーの融着や固着は低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に2分休止する方式で耐久試験を行い、初期から耐久8000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:全く発生せず
B:軽微に発生したが実用上問題無し
C:発生し、実用上問題あり
フィルミングは低温低湿環境下(15℃、10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字にて耐久試験を行い、初期から耐久2000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。転写材としてはA4サイズのCLC用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いた。
A:全く発生せず
B:極軽微に発生したが実用上問題無し
C:軽微に発生したが実用上問題無し
D:発生し、実用上問題あり
以下、発明を実施例により具体的に説明するがこれは本発明をなんら限定するものではない。
なお、以下の実施例等における「部」は「質量部」である。
〔硫黄元素含有樹脂1の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコに、トルエン100部、メタノール350部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド10部を仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で96時間減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。硫黄元素含有樹脂1を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=24000、Tg=67℃、残存モノマー=350ppmであった。
尚、得られた硫黄元素含有樹脂1の酸価は、20mgKOH/gであった。
〔硫黄元素含有樹脂2の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコに、トルエン300部、メタノール150部、スチレン470部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸40部、アクリル酸−2−エチルヘキシル70部、メタクリル酸ベンジル20部、ラウリルパーオキサイド12部仕込み、撹拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。硫黄元素含有樹脂2を製造した。得られた樹脂の物性は、Mw=41000、樹脂Tg=67℃、残存モノマー=350ppmであった。
尚、得られた硫黄元素含有樹脂2の酸価は、18mgKOH/gであった。
〔窒素元素含有樹脂1の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコに、スチレン82%、アクリル酸n−ブチル16%、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド2%からなる単量体混合物100部をトルエン900部中に投入し、アゾビスジメチルバレロニトリル4部の存在下、75℃で8時間重合反応させた。重合反応終了後、トルエンを留去し、その後40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。得られた樹脂の物性は、Mw=20000、Tg=61℃、残存モノマー=350ppmであった。
〔窒素元素含有樹脂2の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコに、スチレン82%、アクリル酸n−ブチル16%、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド2%からなる単量体混合物100部をトルエン900部中に投入し、アゾビスジメチルバレロニトリル4部の存在下、75℃で8時間重合反応させた。重合反応終了後、トルエンを留去し、その後40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。得られた樹脂の物性は、Mw=25000、Tg=61℃、残存モノマー=350ppmであった。
〔窒素元素含有樹脂3の製造〕
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた2Lフラスコに、スチレン82%、アクリル酸n−ブチル16%、及びジプロピルアミノ−1−エチルメタクリレート2%からなる単量体混合物100部をトルエン900部中に投入し、アゾビスジメチルバレロニトリル3部の存在下、75℃で8時間重合反応させた。重合反応終了後、トルエンを留去し、その後40℃で減圧乾燥後、ハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥した。得られた樹脂の物性は、Mw=48000、Tg=60℃、残存モノマー=350ppmであった。
本発明で用いられる式(B)のヒドロキシカルボン酸を配位させた有機金属化合物については中心金属をB、Al、Znとしたものを、それぞれ有機金属化合物1、有機金属化合物2、有機金属化合物3とした。
〔疎水性酸化チタン1の製造〕
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)をトルエン中でトリメチルクロロシラン20部で処理した後濾過、乾燥して疎水性酸化チタン1を得た。一次粒子径は25nm、疎水化度=65であった。
〔疎水性酸化チタン2の製造〕
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)をトルエン中でγ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン20部で処理した後濾過、乾燥して疎水性酸化チタン2を得た。一次粒子径は25nm、疎水化度=60であった。
〔疎水性シリカ1の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をクロロフェニルシリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ1を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ2の製造〕
シリカ(AEROSIL 300CF、日本アエロジル製)をクロロフェニルシリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ2を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ3の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をアミノ変性シリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ3を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ4の製造〕
シリカ(AEROSIL 300CF、日本アエロジル製)をアミノ変性シリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ4を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ5の製造〕
シリカ(AEROSIL 300CF、日本アエロジル製)をγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン15部で処理して疎水性シリカ5を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=85であった。
〔疎水性シリカ6の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン10部で処理し、その後更にクロロフェニルシリコーンオイル20部で処理て疎水性シリカ7を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ7の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン10部で処理し、その後更にアミノ変性シリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ8を得た。一次粒子径は12nm、疎水化度=97であった。
〔疎水性シリカ8の製造〕
シリカ(AEROSIL 380、日本アエロジル製)をγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン8部で処理して疎水性シリカ9を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=75であった。
〔疎水性シリカ9の製造〕
シリカ(AEROSIL 380、日本アエロジル製)をジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン15部で処理して疎水性シリカ9を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=85であった。
〔疎水性シリカ10の製造〕
シリカ(AEROSIL 380、日本アエロジル製)をヘキサメチルジシラザン3部で処理して疎水性シリカ10を得た。一次粒子径は7nm、疎水化度=70であった。
(トナー製造例1)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンE−88) 0.3部
・マクロモノマー(ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー、東亜合成化学工業社製、AA6、Tg=94℃) 0.5部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.3部
・ワックスNo.5(融点=70℃) 13部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシネオデカネート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルND」、分子量:272、10時間半減期温度:44.5℃)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.8で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、更に超音波振動篩い(#400)(KASUGA製)で2回篩ってマゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン1を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ8を3.0部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー1を得た。得られたネガトナー1の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例2)
着色剤をC.I.C.I.ピグメントブルー15:3に変えた以外はトナー製造例1と同様にして、外添剤を有するネガトナー2を得た。得られたネガトナー2の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例3)
着色剤をC.I.ピグメントイエロー17に変更した以外はトナー製造例1と同様にして、外添剤を有するネガトナー3を得た。得られたネガトナー3の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例4)
着色剤をカーボンブラックに変更した以外はトナー製造例1と同様にして、外添剤を有するネガトナー4を得た。得られたネガトナー4の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例5)
分散媒
反応容器中のイオン交換水750部に、塩化マグネシウム22部を溶解した水溶液をN2パージし、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12000rpmにて撹拌した条件下で、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム12部を溶解した水溶液を5分間かけて徐々に滴下して水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
シェル用重合性単量体の水分散液
メチルメタクリレート3部とイオン交換水120部を超音波乳化機にて微分散化処理処理してシェル用重合性単量体の水分散液を得た。
コア用重合性単量体組成物
・スチレン 80部
・n−ブチルアクリレート 20部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・有機金属化合物1 0.30部
・マクロモノマー(ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー、東亜合成化学工業社製、AA6、Tg=94℃) 0.5部
・t−ドデシルメルカプタン 1部
・ワックスNo.5(融点=70℃) 13部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、コア用重合性単量体組成物を得た。
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、1500rpmにて均一に分散した水酸化マグネシウムコロイドの分散液に、コア用重合性単量体組成物を投入し、そこに重合開始剤t−ヘキシルパーオキシネオデカネート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルND」、分子量:272、10時間半減期温度:44.5℃)10部を添加後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ75℃で3時間、さらに85℃に昇温し、6時間反応させた。
反応終了後、前記シェル用重合性単量体の水分散液に水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−080」=2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド})0.5部を溶解させたものを添加した。4時間反応させた後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、45℃で60時間乾燥し、風力分級し、マゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン1を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ5を1.3部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー5を得た。得られたネガトナー5の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例6)
荷電制御剤を有機金属化合物3に、離型剤をジペンタエリスリトールヘキサミリステート(融点=63℃)に、更には疎水性シリカ5を1.5部にした以外はトナー製造例5と同様にして外添剤を有するネガトナー6を得た。得られたネガトナー6の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例7)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー1を得た。得られたポジトナー1の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例8)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー7を得た。得られたネガトナー7の物性等については表4に記載した。表4中のパーヘキシルPVとはt−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)である。
(トナー製造例9)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー8を得た。得られたネガトナー8の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例10)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー2を得た。得られたポジトナー2の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例11)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー9を得た。得られたネガトナー9の物性等については表4に記載した。表4中のカヤエステル NH−70とはt−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(化薬アクゾ株式会社製、商品名「カヤエステル NH−70」、分子量:202、10時間半減期温度:50℃)である。
(トナー製造例12)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー10を得た。得られたネガトナー10の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例13)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー3を得た。得られたポジトナー3の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例14)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー11を得た。得られたネガトナー11の物性等については表4に記載した。表4中のパーブチルPVとはt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーブチルPV」、分子量:174、10時間半減期温度:54.6℃)である。
(トナー製造例15)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして、外添剤を有するネガトナー12を得た。得られたネガトナー12の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例16)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー4を得た。得られたポジトナー4の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例17)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー13を得た。得られたネガトナー13の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例18)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー14を得た。得られたネガトナー14の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例19)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー5を得た。得られたポジトナー5の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例20)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー15を得た。得られたネガトナー15の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例21)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー16を得た。得られたネガトナー16の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例22)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー6を得た。得られたポジトナー6の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例23)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー17を得た。得られたネガ17トナー1の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例24)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するネガトナー18を得た。得られたネガトナー18の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例25)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例1と同様にして外添剤を有するポジトナー7を得た。得られたポジトナー7の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例26)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・有機金属化合物1 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.1部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=15000、AV=10) 8部
・ワックスNo.4(融点=73℃) 10部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.6で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン1を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ2を1.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー19を得た。得られたネガトナー19の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例27)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー20を得た。得られたネガトナー20の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例28)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するポジトナー8を得た。得られたポジトナー8の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例29)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー21を得た。得られたネガトナー21の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例30)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー23を得た。得られたネガトナー23の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例31)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するポジトナー9を得た。得られたポジトナー9の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例32)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー23を得た。得られたネガトナー23の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例33)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー24を得た。得られたネガトナー24の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例34)
表1及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するポジトナー10を得た。得られたポジトナー10の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例35)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・有機金属化合物1 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.1部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=15000、AV=10) 8部
・ワックスNo.2(融点=66℃) 10部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(化薬アクゾ株式会社製、商品名「カヤエステル NH−70」、分子量:202、10時間半減期温度:50℃)2.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.6で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、更に超音波振動篩い(#400)(KASUGA製)で2回篩ってマゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン2を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ2を1.3部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー25を得た。得られたネガトナー25の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例36)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー26を得た。得られたネガトナー26の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例37)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するポジトナー11を得た。得られたポジトナー11の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例38)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・有機金属化合物1 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.1部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=15000、AV=10) 8部
・ワックスNo.1(融点=68℃) 10部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(化薬アクゾ株式会社製、商品名「カヤエステル NH−70」、分子量:202、10時間半減期温度:50℃)2.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.6で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン2を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ2を1.3部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー27を得た。得られたネガトナー27の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例39)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー28を得た。得られたネガトナー28の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例40)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するポジトナー12を得た。得られたポジトナー12の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例41)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー29を得た。得られたネガトナー29の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例42)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するネガトナー30を得た。得られたネガトナー30の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例43)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例26と同様にして外添剤を有するポジトナー13を得た。得られたポジトナー13の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例44)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・有機金属化合物1 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.1部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=15000、AV=10) 8部
・ワックスNo.1(融点=68℃) 10部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(化薬アクゾ株式会社製、商品名「カヤエステル NH−70」、分子量:202、10時間半減期温度:50℃)2.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.6で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン2を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ6を1.3部、ハイドロタルサイトA(表5)をリノール酸10部で表面処理したもの0.1部とを加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー31を得た。得られたネガトナー31の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例45)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例44と同様にして外添剤を有するネガトナー32を得た。得られたネガトナー32の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例46)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・荷電制御剤(窒素原子含有樹脂2) 0.15部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.1部
・縮合系樹脂(飽和ポリエステル(イソフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA)、Mw=15000、AV=10) 8部
・ワックスNo.1(融点=68℃) 10部
を加えた。
別容器中で上記材料を65℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート(化薬アクゾ株式会社製、商品名「カヤエステル NH−70」、分子量:202、10時間半減期温度:50℃)2.0部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.6で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級しマゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性酸化チタン2を0.3部ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、その後更に、疎水性シリカ7を1.3部、ハイドロタルサイトA(表5)をリノレン酸10部で表面処理したもの0.02部とを加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するポジトナー14を得た。得られたポジトナー14の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例47)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例44と同様にして外添剤を有するネガトナー33を得た。得られたネガトナー33の物性等については表4に記載した。表4中のハイワックス110Pは三井化学製、融点=109℃のものである。
(トナー製造例48)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例44と同様にして外添剤を有するネガトナー34を得た。得られたネガトナー34の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例49)
表2及び3に記載の項目以外についてはトナー製造例46と同様にして外添剤を有するポジトナー15を得た。得られたポジトナー15の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例50)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンS−34) 0.3部
・マクロモノマー(ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー、東亜合成化学工業社製、AA6、Tg=94℃) 0.5部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.3部
・離型剤 パラフィンワックス(日本精鑞社製、商品名=「HNP−9」) 13部
を加えた。
別容器中で上記材料を55℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、分子量:216、10時間半減期温度:72.1℃)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.3で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃で6時間反応させ、さらに90℃に昇温し、4時間反応させた。反応終了後、スチレン3部とブチルアクリレート5部とイオン交換水120部を超音波乳化機にて微分散化処理処理したものに水溶性開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−080」=2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド})0.5部を溶解させたものを添加した。90℃で4時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性シリカ10を2.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー35を得た。得られたネガトナー35の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例51)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に6部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンS−34) 0.3部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・離型剤 パラフィンワックス(日本精鑞社製、商品名=「HNP−9」) 13部
を加えた。
別容器中で上記材料を55℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシネオデカネート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルND」、分子量:272、10時間半減期温度:44.5℃)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.1で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で3時間、さらに90℃に昇温し、9時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、商品名=「R972」)を0.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー36を得た。得られたネガトナー36の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例52)
分散媒
反応容器中のイオン交換水1000部に、リン酸ナトリウム14部ならびに10%塩酸を4.5部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10部に8部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
重合性単量体組成物
・スチレン 60部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
7部
・荷電制御剤(オリエント:ボントロンS−34) 0.3部
・マクロモノマー(ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー、東亜合成化学工業社製、AA6、Tg=94℃) 0.5部
上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、重合性単量体組成物を得た。
上記重合性単量体組成物に
・スチレン 20部
・n−ブチルアクリレート 20部
・ジビニルベンゼン 0.3部
・離型剤 パラフィンワックス(日本精鑞社製、商品名=「HNP−9」) 13部
を加えた。
別容器中で上記材料を55℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」、分子量:216、10時間半減期温度:72.1℃)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃,N2パージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間撹拌し、pH5.3で造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃で6時間反応させ、さらに90℃に昇温し、5時間反応させた。
重合反応終了後、反応容器を冷却し、10%塩酸を加えpH=2とした状態で2時間撹拌しながら分散安定剤を溶解させる。そのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄する。得られたケーキを再び、1000部のイオン交換水に戻し、10%塩酸を加えpH=1以下とした状態で2時間撹拌しながら、再洗浄する。上記と同様にそのエマルションを加圧濾過しさらに2000部以上のイオン交換水で洗浄し、充分通気をした後、乾燥して風力分級し、マゼンタ着色粒子を得た。
まず、得られたマゼンタ着色粒子100部と、疎水性シリカ10を2.5部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー37を得た。得られたネガトナー37の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例53)
疎水性シリカ(日本アエロジル社製、商品名=「R972」)を1.0部にした以外はトナー製造例51と同様にして外添剤を有するネガトナー38を得た。得られたネガトナー38の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例54)
荷電制御剤を4級アンモニウム塩含有樹脂(藤倉化成FCA201PS)を0.30部にし、疎水性シリカ9を2.4部にした以外はトナー製造例50と同様にして外添剤を有するポジトナー16を得た。得られたポジトナー16の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例55)
荷電制御剤を4級アンモニウム塩含有樹脂(藤倉化成FCA201PS)を0.30部にし、疎水性シリカ9を0.5部にした以外はトナー製造例51と同様にして外添剤を有するポジトナー17を得た。得られたポジトナー17の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例56)
・スチレン−アクリル樹脂(スチレン:n−ブチルアクリレート:メチルメタクリレート=60:30:10、Mw=32000) 100部
・含金属アゾ染料(オリエント:ボントロンS−34) 2部
・パラフィンワックス(日本精鑞:HNP−11) 6部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
5部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合した後に、加圧ニーダーにより溶融混練し、更に130℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕し、更にその後ジェットミルにより微粉砕した。更にハイブリダイザー(奈良機械製作所製)を用いて球形化した後に、風力分級して粒度分布の調整されたトナー組成物を得た。このトナー組成物に、シリカ(R972、日本アエロジル製)1.2部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するネガトナー39を得た。得られたネガトナー39の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例57)
・スチレン−アクリル樹脂(スチレン:n−ブチルアクリレート:メチルメタクリレート=60:30:10、Mw=32000) 100部
・4級アンモニウム塩含有樹脂(藤倉化成FCA201PS) 2部
・パラフィンワックス(日本精鑞:HNP−11) 6部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントレッド57=1/1)
5部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合した後に、加圧ニーダーにより溶融混練し、更に135℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕し、更にその後ジェットミルにより微粉砕した。更にハイブリダイザー(奈良機械製作所製)を用いて球形化した後に、風力分級して粒度分布の調整されたトナー組成物を得た。このトナー組成物に、疎水性シリカ3を0.8部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、外添剤を有するポジトナー18を得た。得られたポジトナー18の物性等については表4に記載した。
(評価機)
負帯電性トナーを評価する際はMICROLINE 5100(沖データ社製)を用い、トナーの充填量を130gとして評価を行った。正帯電性トナーを評価する際はHL−7050(ブラザー社製)を用い、トナーの充填量を150gとして評価を行った。
<参考例1>
ネガトナー1をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<参考例2>
ネガトナー2をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<参考例3>
ネガトナー3をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<参考例4>
ネガトナー4をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<参考例5>
ネガトナー5をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<参考例6>
ネガトナー6をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<実施例1>
ポジトナー1をHL−7050(ブラザー社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<参考例7〜34、実施例2〜15>
ネガトナー7〜34をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用い、ポジトナー2〜15をHL−7050(ブラザー社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<比較例1〜4、7>
ネガトナー35〜39をMICROLINE 5100(沖データ社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。
<比較例5〜6、8>
ポジトナー16〜18をHL−7050(ブラザー社製)を用いて各種画像評価を行った(表6〜7)。