JP2006072093A - 静電荷現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 球形化されたトナー粒子と、特定の物性を有する疎水性シリカを外添剤として含むトナーであって、帯電安定性がよいためチャージアップが抑制されており、流動性が高いため劣化しにくく、かつ低消費量であるトナーを、効率のよい手段で提供すること。
【解決手段】 トナー粒子、ならびに疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを少なくとも含む外添剤を含有する静電荷現像用トナーであって、
前記疎水性シリカAの比表面積BETと、疎水性シリカBの比表面積BETとの関係が、1.2×BET≦BET≦5×BET であり、
前記疎水性シリカAの疎水化度WETが65%以上90%未満であって、前記疎水性シリカBの疎水化度WETが20%以上50%未満であって、かつ25%<WET−WET<70%であることを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における、静電荷潜像を現像するためのトナー及び画像形成方法に関する。
最近のプリンター装置は、より高解像度のもの、例えば600,800,1200dpiの解像度を有する装置となってきている。これにともなって、高解像化かつ高精細化(すなわち高画質化)に対応した現像方式が要求されている。また一方では、プリンター装置の小型化やプリントスピードの高速化も年々進んでいる。
高画質化を実現するための現像装置として、弾性現像ブレード法を用いた薄層現像装置が開発されている。該薄層現像装置は、弾性体からなる現像ブレードを現像スリーブに高い圧力で当接させ、
1) 現像スリーブ上のトナーコート量W[W:現像スリーブ表面1cm2あたりのトナ
ーコート質量(mg)]を低減させ、かつ
2) 現像スリーブ上のトナーに高いQ/M[Q/M:単位質量(g)あたりのトナー電荷量(μQ)]を与えることにより、短時間でトナーを十分に帯電させ得るという特徴を有する。
しかしながら前記薄層現像装置は、弾性現像ブレードを、現像スリーブに高い線圧で押しつけるため、現像スリーブと現像ブレードの当接部における圧力や熱などによって、トナーに大きなダメージを与えることがあった。
また、前記薄層現像装置の現像スリーブの表面粗さは、現像スリーブ上のトナーコート量Wを低減するために低減される傾向にある。現像スリーブの表面粗さが低減されると、トナーを搬送する能力が低下するため、現像装置における現像容器内におけるトナー循環が悪くなりやすい。そこで、前記薄層現像装置の現像容器内のトナーを強力に撹拌するなどして、トナーの循環が悪化することを防止している。しかしながら、該強力な撹拌により、現像容器内のトナーの受けるダメージが大きくなるという問題がある。
さらに、高画質化への対応として、解像力やシャープネスを向上させ、潜像を忠実に再現させるために、より小粒径化されたトナー(例えば粒径約4〜8μm)が開発されてきている。トナーが小粒径化されると、トナー自体の流動性が悪化するため現像容器内でのトナー循環が悪くなり、また比表面積が大きくなるため熱などの影響を受けやすくなる。そのため、トナーの劣化が促進されやすくなるという問題があった。
一方、前記のようにプリンター装置などの機械は、省エネルギー、オフィスの省スペース化といった要請から、より小型化することが求められている。そのため、トナーを収納する現像容器も必然的に小型化することが求められ、現像容器に収容することができるトナーの量が低減されてきている。したがって、少量で多数枚のプリントアウトが可能なトナー、換言すれば同じ画像のプリントアウトをより少量で実施することができるトナー、すなわち低消費量のトナーが求められている。
また、現像装置のプリントスピードの高速化へ対応する手段として、使用されるトナーの形状をより球形化することが知られてきている。トナーを球形化する(例えばトナー粒子表面の凹凸を低減する)ことにより、トナーの帯電性、および転写性が高められ得るからである。またトナーの球形化によりトナーのかさ密度が低減されるので、低消費量のトナーを得ることができる。
球形化されたトナーを製造する方法としては、噴霧造粒法、溶液溶解法、重合法といった方法が知られている(例えば特許文献1〜4参照)。しかしながら、これらの方法によってトナーを製造するには大掛かりな設備が必要であり、生産効率の点において好ましくない面がある。また、これらの方法により製造されるトナーによっても、トナー消費量を十分に低減させることはできない。
さらに、現像装置を起動した直後は、トナーが現像スリーブと現像ブレードとの摩擦による帯電を十分にされていないため、形成される画像の濃度が低い場合が多い。耐久を続けていくうちに、トナーが徐々に摩擦帯電されて帯電量が増加し、得られる画像濃度も良好になるが、一方で帯電量が極端に上昇するチャージアップ現象が発生することがある。そのため特に、プリントスピードの速い高速現像装置においては、トナーのチャージアップを防ぐことが重要である。このチャージアップの抑制という点からも、上記の方法により製造されるトナーは改良の余地がある。
球形化されたトナーを製造する方法として、粉砕法で製造されたトナー粒子を熱的あるいは機械的衝撃により、粒子の形状及び表面性を改質する方法も知られている(例えば、特許文献5〜8を参照)。しかし、これらの方法でトナー粒子の形状を改質(球形化)しても、トナーの消費量を低減するには依然として十分とは言えず、また、現像性の低下などの弊害をもたらす場合があった。
また、前記した球形化されたトナーはいずれも、そのトナー粒子表面と外添剤粒子との接触面積が小さいために接触部に高い圧力が集中し、現像容器内などで強い撹拌を行うと、トナー同士またはトナーと撹拌材などとの接触により、トナー粒子表面に存在する外添剤粒子がトナー粒子内部に埋設しやすい。また、球形化されたトナーのトナー粒子表面は、凹部が少ないことから、トナー粒子表面に外添されている外添剤の逃げる場所が少ない。よって、トナー同士またはトナーと撹拌材などとの接触時に、トナー粒子表面に外添されている外添剤がより埋没しやすい。
さらに、表面に凹凸の多い(すなわち、球形化の程度が低い)トナー粒子の場合は、トナー粒子表面の凹部に存在していた外添剤が摩擦などによってトナー粒子の外表面付近に析出し、前記埋没された外添剤を補うことができるが、一方、球形化されたトナー粒子は表面に凹部が少ないため、トナーの劣化を加速的に促進してしまうという問題がある。
一方、トナーの帯電性、流動性などを調整し、さらに良好な現像性、クリーニング性、転写性などを得る目的で、外添剤(例えば、各種金属酸化物等の無機微粒子、とくにシリカやアルミナなど)がトナー粒子に外添されたトナーが一般に知られている。なかでも、トナーの劣化を抑制するためにBETの異なる2種類の無機微粉末をトナー粒子に外添させたトナーが提案されている(特許文献9を参照)。しかしながら、ここで提案されているトナーは、疎水化処理されたBETの小さい無機微粉末の添加が少量であるため、流動性が悪く、特に高温高湿環境でのファーストプリント時の画質が悪くなる傾向がある。また、アルミナ等の疎水化処理されていない無機微粒子が、疎水化処理されたシリカとほぼ同等量添加されているため、帯電安定性などには効果があるものの、高温多湿環境で長期放置された場合にはトナー帯電量の低下が生じ、形成される画像の濃度の低下が起こりやすくなる。
さらに、高流動性および高帯電性を得るために、異なる表面処理がされた無機微粉体(特にシリカ)の混合物をトナー粒子に外添させたトナーが提案されている(特許文献10〜14を参照)。
特許文献10、11および14では、疎水化処理されたシリカと疎水化処理されていないシリカとの混合物を添加したトナーが提案されている。しかしながら、ここで提案されたトナーは、疎水化処理されていないシリカが混合されているため、特に高温高湿環境下
での吸湿性が高く、帯電の減衰、流動性の悪化などを引き起こし、形成される画像の濃度が薄くなったり、フェーディング等の現象につながる場合がある。
特許文献12および13においては、疎水化度の異なる2種類のシリカが外添されたトナーが提案されている。しかしながら、ここで提案されているトナーは、外添されている2種類のシリカの疎水化度の差が小さいため、帯電性は良好である一方、チャージアップされることがあり、トナーのチャージアップにより、形成される画像の濃度が薄くなったり、低温低湿下においてはゴースト等の画像不良を起こす場合がある。また、これらにおいて提案されているトナーは、帯電性および流動性は改善されているものの、プリントスピードを高速化した場合におけるトナーの劣化対策という点からは改善される余地がある。
さらに、上記プリントスピードを高速化した場合におけるトナーの劣化を抑制するため、別々の表面処理を施した2種類の無機微粒子であって、粒径(BET)の異なる2種類の無機微粒子をトナー粒子に外添させたトナーが提案されている(特許文献15〜19)。しかしながら、この2種類の無機微粒子は、プリントスピードが高速化された高速現像装置で採用される、球形化されたトナー粒子の外添剤としては、疎水性と粒径のバランスが不十分である。そのため、ここで提案されたトナーについても、帯電性、耐久安定性、ゴースト等の現像性において、依然として改善の余地があった。
特開平3−84558号公報 特開平3−229268号公報 特開平4−1766号公報 特開平4−102862号公報 特開平2−87157号公報 特開平10−97095号公報 特開平11−149176号公報 特開平11−202557号公報 特許第2759480号公報 特開平3−192267号公報 特開平4−204658号公報 特開平11−231567号公報 特開2001−209209号公報 特開2002−207315号公報 特許第2876898号公報 特開平11−143118号公報 特開2001−305783号公報 特開2002−287409号公報 特開平5−113688号公報
本発明は、上記問題点が解消されたトナーを提供することを課題とする。すなわち、より球形化されたトナー粒子と、特定の物性を有する疎水性シリカを外添剤として含むトナーであって、帯電性および帯電安定性がよく、流動性が高く、かつ低消費量であるトナーを、効率のよい手段で提供することを課題とする。
さらに、該トナーを用いることにより、画像安定性に優れ、かつ遊離シリカが要因となるベタ画像の白ポチや、現像装置を起動させた直後のように、従来のトナーでは帯電量の立ち上がりが遅く、帯電量が不十分な状況下においても、形成される画像の濃度が低下しない画像形成方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、以下に示す静電荷現像用トナーに関する。
結着樹脂および着色剤を少なくとも含むトナー粒子、ならびに疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを少なくとも含む外添剤を含有する静電荷現像用トナーであって、
前記疎水性シリカAの比表面積BETと、前記疎水性シリカBの比表面積BETとの関係が、1.2×BET≦BET≦5×BETであり、
前記疎水性シリカAの疎水化度WETが65%以上90%未満であり、前記疎水性シリカBの疎水化度WETが20%以上50%未満であって、かつ25%<WET−WET<70%であることを特徴とする静電荷現像用トナー。
また、本発明の第二の態様は以下に示す画像形成方法に関する。
1)帯電手段に電圧を印加し、被帯電体に帯電を行う帯電工程、2)帯電された被帯電体に静電荷像を形成する工程、3)静電荷像をトナーにより現像してトナー像を被帯電体上に形成する現像工程、4)被帯電体上のトナー像を中間転写体を介して、または、介さずに転写材へ転写する転写工程、および5)転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
前記現像工程において、前記被帯電体は前記トナーを担持する現像剤担持体に対向されており、該現像剤担持体は現像スリーブ、該現像スリーブに内包された磁界発生手段、および現像スリーブ上に位置し、該現像スリーブ表面にトナー層を形成させるための弾性ブレードを有し、かつ
前記トナーは、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有するトナー粒子、ならびに異なる比表面積BETを有する疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを少なくとも含む外添剤を含有し、
前記疎水性シリカAの比表面積BETと疎水性シリカBの比表面積BETとの関係が、1.2×BET≦BET≦5×BET であり、
前記疎水性シリカAの疎水化度WETが65%以上90%未満であり、前記疎水性シリカBの疎水化度WETが20%以上50%未満であって、かつ25%<WET−WET<70%である静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
<本発明のトナーに含まれる外添剤>
本発明のトナーに含有される外添剤は、前記の通り、2種類の疎水性シリカである疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを少なくとも含み、その他の任意成分を含んでいてもよい。疎水性シリカAおよび疎水性シリカBは、いずれも乾式シリカを疎水化処理することにより製造することができるが、該製造については後に詳細に述べる。
前記疎水性シリカAおよび疎水性シリカBは、異なる比表面積BETを有する。
前記疎水性シリカAの比表面積BETは70〜350m/gであることが好ましく
、疎水性シリカBの比表面積BETは30〜90m/gであることが好ましい。疎水
性シリカBのBETが30m/g未満であると、粒子径が大きすぎるためトナー粒子
から離脱(例えば遊離)しやすくなり、得られる画像に白ポチが発生することがある。また疎水性シリカAのBETが350m/gを超えると、粒子径が小さすぎるため、そ
れを含むトナーが劣化しやすくなる。
疎水性シリカAおよび疎水性シリカBは異なる比表面積BETを有するが、疎水性シリカAの比表面積BET(以下、単に「BET」と称する)、および疎水性シリカBの比表面積BET(以下、単に「BET」と称する)は、以下の式(α)の関係を有することを特徴とする。
1.2×BET≦BET≦5×BET・・・・式(α)
比表面積BETが相対的に高い疎水性シリカAは、それを外添剤として含むトナーに流動性や帯電性を付与することができると考えられる。一方、比表面積が相対的に低い疎水
性シリカBは、それを外添剤として含むトナーの劣化を防止する空隙材として作用することができると推察される。
BETとBETを上記式(α)の関係とすることで、外添剤(疎水性シリカAおよびBを含む)がトナー粒子から遊離しにくくなるため、帯電が良好でかつチャージアップが抑制されたトナーであって、さらに劣化が防止されたトナーを得ることができる。
一方、BETとBETの関係が、1.2×BET>BETである場合は、疎水性シリカAとBの粒径差が小さいため、外添剤の劣化防止剤としての効果が低減し、トナーの劣化による画像濃度の低下が起こりやすくなる。またBETとBETの関係が、BET>5×BETである場合は、トナー粒子表面に存在するシリカの粒径差が大きすぎるため、帯電量のバランスが取れない上に、帯電量が足りずに画像濃度の低下が起こりやすく、さらにトナー粒子から遊離したシリカが凝集して凝集体となることがあるので、プリントアウトされたベタ黒画像に白ポチを発生させやすい。
さらに、BETとBETの関係は、1.3×BET<BET<4×BETであることがより好ましく、1.4×BET<BET<2.5×BETであることがさらに好ましい。プリント環境(湿度および温度を含む)やプロセススピードによらず、トナーの高帯電性と耐劣化性を容易に両立することが可能となるためである。
ここで、疎水性シリカAおよびBの比表面積BETは、BET法(好ましくはBET多点法)に従って、動的定圧法による低温ガス吸着法により求めることができる。例えば、比表面積測定装置「ジェミニ2375 Ver.5.0」(島津製作所社製)を用いて、試料(疎水性シリカAまたはB)表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて測定することにより、BET比表面積(m2/g)を算出することができる。
また、本発明のトナーに含まれる疎水性シリカAおよび疎水性シリカBは、異なる疎水化度を有することを特徴とする。ここで疎水性シリカAおよびBの疎水化度は、メタノールウェッタビリティによって測定される疎水化度を意味するが、該疎水化度の説明、および測定法については後に詳細に述べる。
本発明のトナーに含まれる疎水性シリカAの疎水化度WET(以下、単に「WET」と称する)は、65〜90%であることが好ましく、70〜85%であることがより好ましい。
WETが90%より高い場合、疎水性が高すぎるため、シリカAを含むトナーがチャージアップしやすくなり、特に低湿環境において過剰帯電しやすくなり、得られた画像の濃度が薄くなったり、カブリが悪化しやすくなる。一方、WETの値が65%未満の場合は、該シリカAを含むトナーの電荷保持能力が低くなり、形成された画像にカブリが発生し易くなる上に、トナー全体の流動性が低下することからフェーディングによる現像不良が生じやすくなる。
本発明のトナーに含まれる疎水性シリカBの疎水化度WET(以下、単に「WET」と称する)は、20%〜50%であることが好ましく、30〜50%であることがより好ましい。
WETが20%未満のシリカBは、湿度の影響を受けやすく、水分を核としてシリカ粒子の凝集体を形成しやすくなるため、トナー粒子から遊離しやすくなり、形成される画像の白ポチの原因となりやすい。また、WETの値が50%よりも大きいシリカBはトナー粒子表面に均一に分散されるものの、該シリカBを含むトナーは帯電調節がされにくく、スリーブゴースト等の現象を引き起こしやすい。
さらに、疎水性シリカAの疎水化度WET、および疎水性シリカBの疎水化度WET
は、「25%<WET−WET<70%」の関係を満たすことが好ましく、「30%≦WET−WET≦50%」の関係を満たすことがより好ましい。
相対的に疎水性の高い疎水性シリカAは、それを含むトナーに高帯電性および高流動性を付与し、一方、相対的に疎水性の低い疎水性シリカBは、それを含むトナーが過剰に帯電するのを抑えることができる。よって、外添剤として疎水性シリカAおよびBを含有するトナーは、チャージアップによる画像濃度の低下が抑制され、長期耐久においても安定した濃度の耐久画像を提供しうる。
疎水性シリカAの疎水化度(WET)と疎水性シリカBの疎水化度(WET)との差を25%〜70%とすることで、疎水性シリカAおよびBを組み合わせて外添されたトナーは帯電性が安定するため、環境によらず長期にわたって良好な画像形成を行うことが可能となり、また画像形成装置を起動した直後に形成される画像と、耐久安定時に形成される画像の濃度差が低減されうる。
WETとWETの差が25%以下である場合は、疎水性シリカAおよびBを含むトナーはチャージアップしやすくなり、画像濃度の低下などが発生しやすい。また、該差が70%以上である場合は、シリカAおよびBを含むトナーの帯電量が安定しないため、画像形性装置を立ち上げた直後に形成される画像の濃度と耐久安定時に形成される画像の濃度の濃度差が増大するという問題が生じやすい。
このような疎水化度を有する疎水性シリカAと疎水性シリカBとを組み合わせてトナー粒子に外添することにより得られるトナーは、高い流動性と帯電安定性を有し得るため、高温高湿下の条件下において、プロセススピードの速い高速現像装置に適用した場合であっても、帯電の上昇過多(チャージアップ)が生じにくく、よってスリーブゴーストも起こりにくく、かつ温湿度の影響を受けにくい。
ここでスリーブゴーストとは、スリーブ上に新たに補給されたトナー(新トナー)と、既にスリーブ上に乗っているトナー(旧トナー)との間の帯電量の差によって画像濃度差が発生するゴースト現象、すなわちネガゴーストやポジゴーストと称される現象を意味する(図4および5を参照)。
従来のトナーを用いた場合、特に低温低湿環境や高温多湿環境において、高速現像装置におけるスリーブ上での摩擦回数が増えてくると、新トナーが供給された際に新トナーと旧トナーの帯電量の差が大きくなる傾向があり、スリーブゴーストが発生しやすいという問題があった。
疎水化度WETまたはWETは、疎水性シリカAまたはBの、メタノール−水混合溶媒中における分散度(本明細書において、「メタノールウェッタビリティ」とも称する)が特定の値になるときの、該混合溶媒のメタノール濃度を意味する。ここで、疎水性シリカAまたはBのメタノールウェッタビリティは、疎水性シリカAまたはBを含むメタノール−水混合溶液の透過率として測定される。
すなわち、WETまたはWETは、特定量の疎水性シリカAまたはBを含むメタノール−水混合溶液の透過率を、波長780nmの光で測定した場合に、該透過率が80%となるときの、該混合溶液のメタノール濃度を意味する。
すなわち、疎水性シリカAまたはBの疎水化度は、メタノール滴下透過率曲線を用いて測定され得る。測定装置として、例えば(株)REHSCA(レスカ)社製の粉体濡れ性試験機WET−100Pを用いることができ、具体的な測定操作としては、以下に例示する方法が挙げられる。
まず、メタノール60体積%と水40体積%とからなる含水メタノール液70mlを容器中に入れ、超音波分散器で5分間分散させて溶液中の気泡等を除去する。この溶液中に検体である疎水性無機微粒子(疎水性シリカAまたはB)を0.06g添加して浮遊させ
、疎水性無機微粒子の疎水特性を測定するためのサンプル液を調製する。なお、サンプル液を調製して測定する容器として、円形直径5cm、高さ88mmのガラス製のフラスコを用いることができる。
次に、この調製された測定用サンプル液を6.67s−1の速度で攪拌しながら、メタノールを1.3ml/min.の滴下速度で連続的に添加し、浮遊している疎水性無機微粒子を沈降・溶媒中に分散させる。メタノールを滴下する間、測定用サンプルの、波長780nmの光の透過光強度を測定して透過率を求め、図3に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成する。ここで撹拌は、マグネティックスターラー(例えば、長さ25mm、最大径8mmの紡錘形であり、テフロン(登録商標)コーティングを施されたもの)を用いて行うことができる。そして、透過率が80%のときのメタノール濃度を、その疎水性シリカの疎水化度として算出する。
前記のメタノールウェッタビリティによる疎水化度の測定において、検体である疎水性シリカAまたはBの疎水化度が60%未満である場合は、メタノール60体積%と水40体積%とからなる含水メタノール溶液に該検体を添加すると、溶媒中にすぐ分散してしまい、透過率曲線を求めることができない。そのため、検体である疎水性シリカの疎水化度が60%未満である場合は、初期溶液のメタノール濃度を0%に設定して測定した。
疎水性シリカAおよび疎水性シリカBは、本発明のトナーに外添剤として含有されるが、疎水性シリカAと疎水性シリカBとの総含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.5質量部〜5.0質量部であることが好ましい。耐劣化性に優れ、かつ流動性および帯電性のよいトナーを得るためである。
また、疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを含むトナーにおいて、相対的に比表面積BETが小さく、かつ疎水性が低い疎水性シリカBの含有量が多すぎると、該トナーの流動性が極端に落ちるためフェーディングがおきやすくなり、また湿度等の影響を受けやすくなるため、高温高湿下でプリントアウトされた画像の濃度が薄くなる等の問題が生じやすい。従って、疎水性シリカAの質量を1としたときの、疎水性シリカBの質量は0.05〜0.7であることが好ましい。
特に、疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを前記比率で、円形度の高いトナー粒子(例えば平均円形度が0.930〜0.970であるトナー粒子)に外添することで、近年要求の高い高画質かつ高速化対応の現像器や画像形成装置に適用した場合でも、帯電の立ち上がりが早く、劣化しにくく、長期使用において画像濃度低下を引き起こさないトナーを得ることができる。
疎水性シリカAおよび疎水性シリカBは、所定の乾式シリカを疎水化処理することにより製造することができる。ここで、所定の乾式シリカとはシリカ微粉体であって、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法シリカまたはヒュームドシリカと称される乾式シリカであることが好ましい。なかでも、前記乾式シリカは、表面およびシリカ微粉体内部にあるシラノール基が少なく、またNa2OやSO3 2-等の製造残渣の少ないことが好ましい。
前記乾式シリカの製造工程において、例えば、塩化アルミニウムまたは塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能である。本明細書において、乾式シリカとは、それらの複合微粉体も包含する。
前記疎水性シリカBは、乾式シリカをアルコキシシランで処理することにより製造される。ここでアルコキシシランは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン
、ヘキシルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン系化合物;フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等があげられるが、これらに限定されず、これら以外のアルコキシシラン系化合物を含む。これらのアルコキシシランによる乾式シリカの処理法としては、通常の方法を用いることができる。
また、疎水化処理剤の量および種類、ならびに疎水化処理方法を適宜選択することで、所望の比表面積BET、および疎水化度WETを疎水性シリカBに付与することができる。
一方、疎水性シリカAは、乾式シリカを、従来公知の疎水化処理剤を用いて疎水化処理することにより製造することができる。ここで疎水化処理剤としては、1)シリコーンオイル、2)シリコーンワニス、3)シランカップリング剤が好ましく例示される。これらの疎水化処理剤の種類および量、ならびに疎水化処理方法を適宜選択することで、疎水性シリカAに所望の比表面積BET、および疎水化度WETを付与することができる。
前記1)シリコーンオイルとしては、限定はされないが、例えば下記一般式で表わされるものが例示される。
Figure 2006072093
前記シリコーンオイルとして、さらに具体的に、ジメチルシリコーンオイル,アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
前記シリコーンオイルの粘度は、温度25℃において、50〜1000mm/sであ
ることが好ましい。50mm2/s未満であると、加熱されることにより一部揮発し、そ
れを含むトナーの帯電特性が劣化しやすい。1000mm2/sを超えると、処理作業上
取扱いが困難となる。
シリコーンオイルによる処理方法としては、任意の公知の方法を用いることができる。例えば、乾式シリカとシリコーンオイルとを混合機を用いて混合する;乾式シリカにシリコーンオイルを、噴霧器を用いて噴霧する;溶剤中にシリコーンオイルを溶解させた後、その溶液中で乾式シリカを混合する方法が挙げられる。しかしながら、該処理方法がこれに限定されるわけではない。
前記疎水性シリカAの製造に用いられる2)シリコーンワニスとしては、公知の任意のシリコーンワニスが使用され得る。例えば、信越シリコーン社製、KR−251、KP−112等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シリコーンワニスによる処理方法としては、シリコーンオイル処理と同様、公知の方法を用いることができる
前記疎水性シリカAの製造に用いられる3)シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラメン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、へキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個あたりのケイ素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
さらに、高疎水特性を有する疎水性シリカAを製造するための処理形態としては、乾式シリカを、シランカップリング剤とシリコーンオイル、またはシランカップリング剤とシリコーンワニスを組み合わせて処理することが好ましい。なかでも、1)はじめにシランカップリング剤で処理し、2)次にシリコーンオイル又はシリコーンワニスで処理する形態が好ましく挙げられる。そのなかでも、ヘキサメチルジシラザンで処理した後、シリコーンオイルで処理する形態が特に好ましい。
前記疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを含む外添剤は、カラートナー、モノクロトナー、磁性トナー、非磁性トナーなどのいずれのトナーの外添剤としても用いることができる。さらに該外添剤は、2成分現像、磁性1成分現像、非磁性1成分現像などのいずれの現像方式で用いられるトナーの外添剤として用いても、所望の効果を奏する。
<本発明のトナーに含有されるトナー粒子>
本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、前記の通り、結着樹脂および着色剤を少なくとも含み、さらにその他の任意の成分、例えばワックス、荷電制御剤などを含みうる。
前記トナー粒子の粒径は、画質の点から3μm以上であることが好ましく、ドット再現性の点から8μm以下であることがより好ましい。
前記トナー粒子の平均円形度は、好ましくは0.930〜0.970、より好ましくは0.934〜0.965、さらに好ましくは0.940以上0.960未満である。ここで、トナー粒子の平均円形度とはトナー粒子の形状を定量的に表現するための値であり、トナー粒子の凹凸の度合いの指標である。トナー粒子が完全な球形である場合は、平均円形度が1であり、表面形状が複雑になるほど平均円形度が低くなる。
前記トナー粒子の平均円形度が高くなると、それを含むトナーの流動性が増し、個々のトナーが自由に動きやすくなる。このため、カートリッジ内におけるトナーの循環が良好になるため、トナーが摩擦帯電されやすくなり、帯電の立ち上がりがよくなり、かつ均一に帯電され得る。また、平均円形度の高いトナー粒子を含むトナーは、それを用いて現像された画像においてより密な状態をとりやすい。その結果、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることができるので、トナーの消費量を低減させることができる。
一方、前記トナー粒子の平均円形度が低くなると、それを含むトナーが凝集体としての挙動を示しやすくなる。トナー凝集体は凹凸部で帯電量に偏りがあるため、極端に帯電量
が高くなったり、また帯電量が上がらず現像性に不利に働く場合がある。
従って、該トナー粒子の平均円形度が0.930未満であると、トナー粒子の形状がいびつであるため、それを含むトナーの摩擦帯電が均一にされない上に絶対的な帯電量が低くなりやすい。そのため、特に低温低湿条件下でプリントアウトされた画像の濃度が薄くなり、ネガゴーストやカブリが悪化することがある。
一方、該トナー粒子の平均円形度が0.970より大きいと、現像スリーブ上にトナーが過剰に供給され、トナーがスリーブ上に不均一にコートされてしまうため過剰帯電によるポジゴーストが発生しやすく、また表面が平滑になった場合、かさ密度が高くなり、トナーが現像装置内でより詰まりやすくなることからフェーディングによる濃度低下を生じることがある。
よって、上記範囲の平均円形度を有するトナー粒子を含むトナーは、帯電が均一で長期安定して高い画像濃度があり、これを用いることで、ゴースト・カブリなどの現象が無く、良好な現像性を得る事ができる。
このような円形度を有するトナー粒子に、前記した疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを含む外添剤を外添することで、外添剤が凹凸の少ないトナー粒子表面に偏りなく付着することができるため、帯電の立ち上がりが早くかつチャージアップが防止されたトナーを得ることができる。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子の平均円形度は、画像分析法により測定される平均円形度であり、好ましくはシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて測定される値である。
前記分析装置「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出した後、円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに各粒子を振り分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度を算出する算出法(分割法)を用いている。この算出法で算出される平均円形度の値と、各粒子の円形度の総和を用いた算出法(総和法)により算出される平均円形度の誤差は非常に少なく、実質的には無視できる程度である。本発明におけるトナー粒子の平均円形度の算出においては、総和法を用いてもよいが、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータ取り扱い上の理由でから、分割法を用いてもよい。
さらに本発明のトナー粒子の平均円形度の測定に用いられ得る「FPIA−2100」は、トナーの形状を算出するために従来から用いられていた「FPIA1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μm)および処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)することにより、トナーの形状測定の精度が上がっているため、微粒子をより確実に捕捉することができる。従って、本発明のトナーのトナー粒子の平均円形度の算出においては、より正確に形状及び粒度分布に関する情報が得られる「FPIA−2100」を使用することが好ましい。
具体的な測定法としては、23℃、60%RHの環境下で、前記分析装置により分析を行い、円相当径0.60μm〜400μmの範囲内の粒子の粒子投影像を分析してその周囲長Lを測定する。測定された周囲長から、粒子の円形度を下記式(β)により求める。さらに、3μm〜400μmの範囲の円相当系を有する粒子について、該粒子の円形度の総和、および該粒子の個数を求める。そして、円形度の総和を、粒子の個数で除して得られる値を平均円形度とする。
式(β)・・・・円形度a=L0/L
〔式中、L0は粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512
の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理したときの粒子投影像の周囲長を示す。〕
詳細な測定手順を以下に述べる。あらかじめ不純物を除去した容器中の水(200〜300ml)中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)(0.1〜0.5ml)を加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液を超音波発振器で2分間分散させ、分散液濃度を0.2〜1.0万個/μlとする。超音波発振器としては例えば以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。
UH−150(株式会社エス・エム・テー社製)
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
上記で得られる分散液の粒子の円形度分布を測定する。測定の概略を以下に説明する。試料分散液を、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液がフローセルを流れている間に、ストロボ光が1/30秒間隔で照射され、試料分散液に分散している粒子の画像を得る。その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から、上記の円形度算出式(β)を用いて、各粒子の円形度を算出する。算出された円形度から、前述のようにして平均円形度を求めることができる。
また、本発明のトナーに含まれるトナー粒子の平均面粗さは、好ましくは5.0nm以上42.0nm未満、より好ましくは10.0nm以上42.0nm未満、さらに好ましくは15.0nm以上40.0nm未満である。
トナー粒子が適度な表面粗さを有していることにより、トナー間に適度な空隙が生じ、トナーの流動性を向上させることができ、より良好な現像性をもたらすことができる。特に、本発明の特徴の一つである円形度の高いトナー粒子に、前記平均面粗さを付与することにより、優れた流動性を有するトナーを得ることができる。
トナー粒子の平均面粗さが5.0nm未満であると、それを含むトナーに十分な流動性が付与することができず、フェーディングを生じさせ、画像濃度を低下させることがある。トナー粒子の平均面粗さが45.0nm以上であると、トナー粒子間の空隙が多くなりすぎるので、トナー粒子に外添剤(疎水性シリカAおよびBを含む)が均一に付着しにくく、外添剤が遊離し、形成される画像に白ポチが発生しやすい。
また、本発明のトナーに含まれるトナー粒子の最大高低差は、より良好な流動性をトナーに付与するという観点から、50nm以上450nm未満であることが好ましく、100nm以上450nm未満であることがより好ましく、150nm以上400nm未満であることがさらに好ましい。トナー粒子の最大高低差とは、トナー表面に存在する凹凸の最も凸なポイントと最も凹なポイントの高さの差を意味し、その測定法については後述する。
このような表面粗さを有するトナー粒子に、前記した疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを含む外添剤を外添すると、トナー粒子表面に、比表面積BETの小さい(粒径の大きい)疎水性シリカB、およびBETの大きい(粒径の小さい)疎水性シリカAが均一に
分散して密に付着することができる。そのため、大粒径シリカ(疎水性シリカB)が緩衝材としての効果をより発揮しやすくなるため、プロセススピードが高い高速現像装置においても劣化が最小限に抑制されるトナーを得ることができる。
特に、疎水性シリカAおよびBを、平均円形度が0.930〜0.970であって、走
査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが5.0nm以上45.0nm未満であるトナー粒子に外添することにより、濃度の立ち上がりが良好で、チャージアップによる濃度薄、低温低湿・高温高湿環境下でゴースト現象が起きず、長期にわたって耐久した場合においても劣化が最小限であり、得られる画像に白ポチを発生させないトナーを得ることができる。
本発明において、トナー粒子の平均面粗さ、およびトナー粒子の最大高低差は、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される。例えば、以下に示された測定装置や測定条件を用いて、トナー粒子の表面の3μm四方のエリアを測定対象として測定すればよい。
測定装置:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット:SPA400
測定モード:DFM(共振モード)
カンチレバー:SI−DF40
本願明細書において平均面粗さとは、JIS−B0601で定義されている「中心線平均粗さ」を、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したものをいう。すなわち、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値であり、次式で表される。
Figure 2006072093
本明細書においてトナー粒子の最大高低差とは、上記式における、指定面内のZデータ
の最大値と最小値の差から求めることができる。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子の製造方法は特に限定されないが、好ましくは、任意の方法で製造された原料トナー粒子を表面改質することにより製造される。該表面改質の条件を適宜調整することで、トナー粒子に所望の円形度や面粗さを付与することができる。
以下において、原料トナー粒子を表面改質するための表面改質装置、および該表面改質装置を利用した原料トナー粒子の表面改質方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明で使用される表面改質装置の一例を示し、図2は、高速で回転する回転体である分散ロータ36(図1参照)の上面図の一例を示す。図1に示される表面改質装置は、(1) ケーシング、(2) 上面に角型のディスクまたは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体であり、中心回転軸に取り付けられた分散ローター36、(3) 分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている、表面に多数の溝が設けられているライナー34(尚、ライナー表面上の溝はなくても構わない)、(4) 表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター3
1、(5) 冷風を導入するための冷風導入口35、(6) 被処理原料を導入するための原料供給口33、(7) 表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、(8) 処理後の粉体を排出するための製品排出口37、(9) 分級手段である分級ローター31、表面改質手段である分散ローター36、およびライナー34で囲まれる第一の空間および第二の空間、(10) 第一の空間41と第2の空間42を仕切る、円筒型のガイドリンク39とから構成されている。
前記表面改質装置は、さらに、(11)冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示されていない)を有していることが好ましい。
前記分散ローター36と前記ライナー34との間隙部分が表面改質ゾーン、分級ローター31及びローター周辺部分が分級ゾーンと称される。
すなわち、前記第一の空間は、原料トナー粒子または表面改質ゾーンで表面改質処理された粒子を分級ゾーンへ導入するための空間であり、前記第二の空間は、分級ローター31により微粉を分級除去された粒子を表面改質ゾーンへ導入するための空間である。
前記分級ローター31の設置方向は図1に示したように縦方向でも構わないし、横方向でも構わない。また、分級ローター31の設置個数は図1に示したように1つでも構わないし、2つ以上でも構わない。
表面改質装置内の前記分散ローター36と前記ライナー34との間の最小間隔は、0.5mm〜15.0mmであることが好ましく、1.0mm〜10.0mmであることがより好ましい。
前記分散ローター36の回転周速は75m/sec〜200m/secであることが好ましく、85m/sec〜180m/secであることがより好ましい。
表面改質装置内の前記分散ローター上面に設置されている角型のディスクまたは円筒形のピン40の上部と、該円筒型のガイドリング39の下部との間の最小間隔は、好ましくは2.0mm〜50.0mmであり、より好ましくは5.0mm〜45.0mmである。
本発明において、表面改質装置内の前記分散ローター36および前記ライナー34の微粉砕トナー衝突面は耐摩耗処理されていることが、トナー粒子の生産性上好ましい。ここで、該粉砕面の耐摩耗処理方法は何ら限定されるものではない。また、該表面改質装置内の分散ローター36及びライナー34の形状に関しても、何ら限定されるものではない。
前記表面改質装置を用いることで、本発明のトナーに含有されるトナー粒子を製造することができる。以下において具体的な手順の一例を示す。排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から原料である原料トナー粒子を投入する。投入された原料トナー粒子は、まずブロワー(図示しない)により吸引されて分級ローター31に導かれて分級される。分級された所定粒径以下の「微粉」は微粉回収口32から装置外へ連続的に排出除去される一方、所定粒径以上の「粗粉」は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿って分散ローター36により発生する循環流にのって、表面改質ゾーンへ導かれる。
表面改質ゾーンに導かれた原料(すなわち粗粉)は、分散ローター36とライナー34の間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質処理された表面改質粒子は、冷風導入口35から導入されて機内を通過する冷風にのせられて、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿って分級ゾーンに導かれ、分級ローター31で再度分級される。再度、所定粒径以下の微粉は装置外へ排出され、所定粒径以上の粗粉は、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質処理を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開とし、製品排出口37から表面改質トナー粒子を回収する。
前記した表面改質装置を用いるトナー粒子の表面改質法は、トナー粒子を表面改質する
と同時に微粉成分を除去することができることを特徴とする。それにより、原料トナー粒子中に存在する超微粒子がトナー粒子表面に固着するのを抑制することができる。そのため、所望の円形度、および平均面粗さを有し、かつ超微粒子の存在量が最小限であるトナー粒子を効果的に得ることができる。
一方、表面改質と同時に微粉を除去しない表面改質法を用いると、表面改質後のトナー粒子中の超微粒子の存在量が多くなってしまう上に、トナー粒子の表面改質において、機械的および熱的な影響により、適正な粒径を有するトナー粒子の表面に超微粒子成分が固着してしまう。その結果、表面改質後のトナー粒子の表面に、固着した微粉成分による突起が生成するため、所望の円形度及び平均面粗さを有するトナー粒子が得られにくい。
前記表面改質装置における表面改質時間(サイクルタイム、すなわち、原料トナー粒子を供給後、製品排出口を開にするまでの時間)は、5〜180秒であることが好ましく、15秒〜120秒であることがさらに好ましい。表面改質時間が5秒未満の場合、改質時間が短時間過ぎるため、十分に表面改質されない場合がある。また、改質時間が180秒を超えると、改質時間が長過ぎるため、表面改質時に発生する熱によりトナー粒子が装置内に融着したり、表面改質装置の処理能力が低下する場合がある。
さらに、前記トナー粒子の表面改質法においては、該表面改質装置内に導入する冷風温度T1を5℃以下とすることが好ましく、0℃以下とすることがより好ましく、−5℃以下とすることが更に好ましい。表面改質時に発生する熱による機内融着を防止するためである。
なお、該表面改質装置内に導入する冷風は、装置内の結露防止という面から、除湿されていることが好ましい。冷風の除湿は公知の除湿装置を使用して行うことができる。導入する冷風の露点温度は、−15℃以下が好ましく、−20℃以下がさらに好ましい。
本発明において用いられる表面改質装置は、前記したように冷却水または不凍液を通水できるジャケットを具備していることが好ましく、該ジャケット内に冷媒(好ましくは冷却水系溶媒、更に好ましくはエチレングリコール等の不凍液)を通しながら表面改質処理をすることが好ましい。該ジャケットに冷媒を通して機内冷却することにより、トナー粒子が、表面改質処理によって発生する熱によって機内融着されるのを防止することができる。
ここで、表面改質装置に具備されるジャケット内に通す冷媒の温度は5℃以下、より好ましくは0℃以下、更に好ましくは−5℃以下とすることが好ましい。
本発明の表面改質装置を用いたトナー粒子の製造方法においては、該表面改質装置内の分級ローターの後方の温度T2を60℃以下、好ましくは50℃以下とすることが好ましい。表面改質時に発生する熱により、トナー粒子が機内に融着するのを防止するためである。
本発明のトナー粒子の製造において、前記表面改質装置に供される原料トナー粒子は、所望の粒径付近に微粒子化されたトナー微粉砕物から、微粉及び粗粉をある程度除去(例えば、気流式分級機を用いて除去することができる)して得た粒子であることが好ましい。なお、ここで気流式分級企図しては、エルボージェット(日鉄工業社製)などが挙げられる。
トナー微粉砕物から微粉及び粗粉を除去して得た原料トナー粒子を用いることによって、表面改質装置内でのトナー粒子の分散を良好にすることができる。特に、トナー粒子中の微粉成分は比表面積が大きく、相対的に帯電量が高いために、トナー粒子から分離されにくい。そのため、前記表面改質装置の分級ローターによって、適切に超微粉成分が分級されない場合がある。従って、あらかじめトナー微粉砕物から微粉成分を除去して得た原料トナー粒子を用いることにより、前記表面改質装置内において個々のトナー粒子を分散
させやすくして、超微粉成分を適切に分級ローターによって分級除去し、所望の粒度分布を有するトナー粒子を得ることが好ましい。
前記原料トナー粒子(例えば、トナー微粉砕物から気流式分級機によって微粉及び粗粉を除去して得た原料トナー粒子)は、コールターカウンター法を用いて測定される粒度分布において、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が10%以上50%未満、好ましくは15%以上45%未満、より好ましくは15%以上40%未満である。本発明の表面改質装置によって効果的に超微粉成分を除去するためである。
前記の通り、本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、例えば、トナー微粉砕物から微粉及び粗粉を除去して得た原料トナー粒子を表面改質処理することにより製造されるが、ここで該トナー微粉砕物は、結着樹脂、着色剤、及びその他の任意の成分を混合及び/又は溶融混練し、それを粉砕することにより製造することができる。
トナー微粉砕物は任意の方法により製造することができる。例えば、結着樹脂、必要に応じて離型剤、帯電制御剤および磁性粉などを、混合機(ヘンシェルミキサー、ボールミルを含む)により充分混合する。得られた混合物を、熱混練機(加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーなどを含む)を用いて溶融混練して結着樹脂及び離型剤などを互いに相溶せしめる。この相溶物に、着色剤及び任意に磁性体を分散せしめ、冷却固化した後、粉砕機を用いて粉砕及び必要に応じて分球機により分級することにより、トナー微粉砕物を製造することが出来る。
前記混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
前記熱混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
前記粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)が挙げられる。
前記分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボフレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
前記の通り、トナー微粉砕物は結着樹脂を原料の一つとして製造されるが、ここで使用される結着樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が45〜80℃(より好ましくは50〜70℃)であることが好ましい。
前記結着樹脂として、具体的にはスチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シ
リコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が好ましく例示される。
より好ましくは、[1]スチレン系共重合樹脂、[2]ポリエステル樹脂が挙げられる。
前記[1]スチレン系共重合樹脂としては、スチレンモノマーと、1又は2以上の任意のコモノマーとの共重合体が挙げられる。スチレンモノマーと組み合わされるコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチレン誘導体;アクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;ブタジエン;塩化ビニル;酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのコモノマーを単独で、または2以上を組み合わせて用いることができる。
前記スチレン系共重合体は酸価を有していてもよい。酸価を有するとは、樹脂構造中にカルボキシレートを有することを意味する。酸価を有する結着樹脂は、スチレンモノマー、および不飽和カルボン酸モノマーまたはその無水物を含むモノマー原料を共重合させることにより製造することができる。該不飽和カルボン酸モノマーまたはその無水物は単独、または2種以上を組み合わせて用いることができる。結着樹脂のモノマー原料100質量部に対する、該不飽和カルボン酸モノマーの含有量は、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.2〜15質量部であることがより好ましい。
前記不飽和カルボン酸モノマーまたはその無水物としては、例えば以下のものが挙げられる。
(1) アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、アンゲリカ酸などのアクリル酸及びそのα−或いはβ−アルキル誘導体、
(2) フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体又は無水物などが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸モノマーとして、不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体を用いることが、酸価をコントロールする上で特に好ましい。不飽和ジカルボン酸のモノエステル誘導体としては、例えば、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸のモノエステル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸のモノエステル類などが例示される。
前記[1]スチレン系共重合樹脂は付加重合法によって製造されるが、ここで用いることができる重合法としては、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
これらのうち、前記乳化重合法は、水にほとんど不溶のモノマーを、乳化剤により小さ
い粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いる重合法である。該方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。さらに、1)重合プロセスが比較的簡単であること、および2)重合生成物が微細粒子であるため、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合しやすく、トナーの製造が容易であることなどの理由で、トナー用結着樹脂の製造方法として好ましい面がある。しかしながら、添加した乳化剤のために生成した重合体に不純物が混入し易く、重合体を分離するには塩析などの操作が必要となる。この不便を避けるためには懸濁重合法を用いることが好ましい。
懸濁重合法においては、水系溶媒100質量部、スチレン系モノマーを含むモノマー原料100質量部以下(好ましくは10〜90質量部)、及び分散剤を混合した反応系で重合させることが好ましい。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分けん化物、リン酸カルシウム等が挙げられ、通常水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始剤、および目的とする重合体の種類によって適宜選択される。
前記の通り、スチレン系共重合樹脂は、スチレン系モノマーを含むモノマー原料を重合させることにより製造されるが、該重合は重合開始剤を用いて行うことができる。重合開始剤としては、以下に例示するような多官能性重合開始剤を単独で、または単官能性重合開始剤と組み合わせて用いることができる。重合開始剤は、重合効率の点から、モノマー原料100質量部に対して0.05〜2質量部用いるのが好ましい。
多官能性重合開始剤の具体例としては、
1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン及び各種ポリマーオキサイド等の、一分子内にパーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基を2以上有する多官能性重合開始剤、および
ジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の、一分子内に、パーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤が挙げられる。
これらの多官能性重合開始剤のうち、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンおよびt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
これらの多官能性重合開始剤は、トナー用結着樹脂の製造にあたって要求される種々の性能を満足するために、単官能性重合開始剤と併用してもよい。
単官能性重合体として、具体的には、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド
、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、およびアゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾまたはジアゾ化合物等が挙げられる。
併用される単官能性重合開始剤は、モノマー原料中に、多官能性重合開始剤の添加と同時に添加されても良いが、好ましくは、まず多官能性重合開始剤単独で重合反応を行い、該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に、単官能性重合開始剤を添加する。該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つことができるからである。
前記[1]スチレン共重合体樹脂は架橋構造を形成していてもよい。架橋構造を形成させるためには、スチレン系モノマーを含むモノマー原料に、さらに架橋性モノマーを含有させて重合させればよい。モノマー原料中における架橋性モノマーの含有量は、架橋性モノマー以外のモノマー成分の合計100質量部に対して0.00001〜1質量部、好ましくは0.001〜0.05質量部である。
架橋性モノマーとしては、分子中に2個以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが好ましく用いられる。具体例としては、1) 芳香族ジビニル化合物(例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等);2) アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及びこれらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);3) エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);4)芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及びこれらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);5)ポリエステル型ジアクリレート化合物類(例えば、商品名MANDA(日本化薬))が挙げられる。
多官能の架橋性モノマーとしては、ペンタエリスリトールアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、およびこれらの化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートなどが挙げられる。
これらの架橋性モノマーのうち、特に好適に用いられるものとしては、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
スチレン系共重合樹脂は、塊状重合方法、溶液重合方法を用いて製造することもできる。塊状重合法は、高温で重合させて停止反応速度を速めることで、低分子量の重合体を得ることができるが、反応をコントロールしにくいという問題点がある。その点に関して、溶液重合法は、開始剤の量や反応温度を調整することで、所望の分子量の重合体を温和な条件で容易に得ることができるので好ましい。特に、加圧条件下での溶液重合法では、開始剤の使用量を最小限に抑えることができるので、開始剤が残留することによる影響を抑えることができるという点で好ましい。
一方、前記[2]ポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の製造法として通常知られている縮重合法によって製造することができる。すなわち、多価アルコール(好ましくは2価アルコール成分)、および多価カルボン酸成分(好ましくは2価カルボン酸成分)を含むモノマー原料を縮重合反応させることにより製造することができる。
前記モノマー原料における多価アルコール成分の含有量は、モノマー原料全体に対して40〜60mol%であることが好ましく、45〜55mol%であることがより好ましい。一方、多価カルボン酸成分の含有量は60〜40mol%であることが好ましく、55〜45mol%であることがより好ましい。
また三価以上の多価のアルコール成分及びカルボン酸成分は、モノマー原料全成に対して5〜60mol%であることが好ましい。
前記2価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記一般式(A)で表わされるビスフェノール誘導体、(B)式で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2006072093
Figure 2006072093
2価のカルボン酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
また、前記前記ポリエステル樹脂の製造において、2価アルコール成分および2価のカルボン酸成分とともに、架橋成分として作用する3価以上のアルコール成分及び/又は3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
前記3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
また、前記3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;下記一般式(C)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
Figure 2006072093
前記の通り、本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、着色剤を含むが、該着色剤としては、磁性酸化鉄または金属が挙げられる。トナー粒子中の磁性酸化鉄および/または金属の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは20〜200質量部、より好ましくは25〜150質量部である。
磁性酸化鉄としてはマグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄が挙げられ、金属としては鉄,コバルト,ニッケルのような金属またはこれらの金属とアルミニウム,コバルト,銅,鉛,マグネシウム,マンガン,セレン,チタン,タングステン,バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
前記着色剤として、磁性酸化鉄であって、その表面または内部に非鉄元素を含有するものが好ましく例示される。該磁性酸化鉄における非鉄元素の含有量は、鉄元素に対して、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。
前記非鉄元素としては、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、イオウから選択される元素であることが好ましく、特にケイ素元素が好ましい。ケイ素元素を含有する磁性酸化鉄は、それを含むトナーの帯電性を良好にすることができる。
また、前記磁性酸化鉄は、以下のリチウム,ベリリウム,ボロン,ゲルマニウム,チタン,ジルコニウム,錫,鉛,亜鉛,カルシウム,バリウム,スカンジウム,バナジウム,クロム,マンガン,コバルト,銅,ニッケル,ガリウム,カドミウム,インジウム,銀,パラジウム,金,水銀,白金,タングステン,モリブデン,ニオブ,オスミウム,ストロンチウム,イットリウム,テクネチウム等の金属元素を含むこともできる。
また、前記磁性酸化鉄は必要に応じて、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、チタネート、アミノシラン等で処理されていても良い。
トナー粒子に含まれる着色剤は、任意の適当な顔料又は染料であってもよい。
顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等が挙げられる。これら顔料は、定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、そのトナー粒子における含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部である。
染料としては、アゾ系染料、アントラキノン染料、キサンテン系染料、メチン系染料等が挙げられる。染料のトナー粒子における含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.3〜10質量部である。
また、本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、ワックスを含有してもよい。該ワックスとしては、1) 低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス、2) 酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、3) それらのブロック共重合物、4) キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろうの如き植物系ワックス、5) みつろう、ラノリン、鯨ろうの如き動物系ワックス、6) オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムの如き鉱物系ワックス、7) モンタン酸エステルワックス、カスターワックスの如き脂肪族エステルを主成分とするワックス類、8) 脱酸カルナバワックスの如き脂肪族エステルを一部又は全部を脱酸化したものが挙げられる。
さらに前記ワックスとして、1) パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸、2)
ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸、3) ステアリルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコール、カウナビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有するアルキルアルコールの如き飽和アルコール、4) ソルビトールの如き多価アルコール、5)リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪族アミド、6)メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪族ビスアミド、7)エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類、8)m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド、9)ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、10)脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス、11)ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、12)植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
また、プレス発汗法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法又は融液晶析法を用いて前記ワックスを処理してその分子量分布をシャープにしたもの、ならびに該処理によって低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低分子量固形化合物およびその他の不純物を前記ワックスから除去したものも好ましく用いられる。
離型剤として使用できるワックスの具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200 (三洋化成工業社)、ハイワックス4
00P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)等があげられる。
本発明のトナーに含まれるトナー粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。ここで荷電制御剤は、負荷電制御剤または正荷電制御剤のいずれでもよい。
負荷電制御剤としては、1) モノアゾ染料の金属錯体(例えば、特公昭41−20153号,特公昭42−27596号,特公昭44−6397号,特公昭45−26478号など)、2) ニトロフミン酸及びその塩、3) C.I.14645などの染顔料(例えば、特開昭50−133838号)、4) サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,Fe,Zr等の金属錯体、5) スルホン化した銅フタロシアニン顔料、6) ニトロ基,ハロゲンを導入したスチレンオリゴマー、7) 塩素化パラフィン、8) ニグロシン系染料、9) ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、10) アルコキシル化アミン、11)第4級アンモニウム塩化合物、などを挙げることができる。
これらの負荷電制御剤については、例えば、特公昭55−42752号,特公昭58−41508号,特公昭58−7384号,特公昭59−7385号などにも記載されている。
特に、分散性に優れ、画像の濃度安定性やカブリの低減に効果のある、下記一般式(I)で表されるアゾ系金属錯体、および下記一般式(II)で表される塩基性有機酸金属錯体が好ましく例示される。
Figure 2006072093
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これらの負荷電制御剤のうち、上記式(I)で表されるアゾ系金属錯体がより好ましく例示される。とりわけ、中心金属がFeであるアゾ系鉄錯体が好ましく、該アゾ系鉄錯体としては下記一般式(III)および下記一般式(IV)で表される錯体が挙げられる
Figure 2006072093
Figure 2006072093
上記一般式(III)で示されるアゾ系鉄錯体の具体例として、アゾ形鉄錯体(1)〜(6)が、また上記一般式(IV)で示されるアゾ系鉄錯体の具体例として、アゾ形鉄錯体(13)が挙げられる。
Figure 2006072093
Figure 2006072093
Figure 2006072093
また、上記一般式(I)で表される錯体であって、中心金属がクロムであるアゾ系クロム錯体化合物の具体例を、以下の(7)および(8)に示す。
Figure 2006072093
上記一般式(II)で示される荷電制御剤の具体例を、以下の(9)〜(12)に示す。
Figure 2006072093
これらの負荷電制御剤である金属錯体化合物は、トナー粒子中に単独で、または2種以上を組み合わされて含まれることができる。トナー粒子における該金属錯体化合物の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜5.0質量部であることが好ましい。それを含むトナーに、適切な帯電性を付与するためである。
負帯電制御剤として好ましいものをより具体的に例示すると、例えばSpilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89 (オリエント化学社)が挙げられる。
一方、正荷電制御剤としては、1) ニグロシン、および脂肪酸金属塩等によるその変性物、2) トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、3) テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、4) トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、5) 高級脂肪酸の金属塩、6) ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド、7) ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類が挙げられる。
これらの正荷電制御剤のうちから選ばれる一種を単独で、あるいは2種以上を組合せて用いることができる。
正帯電制御剤として好ましいものをより具体的に例示すると、TP−302、TP−415 (保土谷化学社)、BONTRON(登録商標) N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学社)、コピーブルーPR(クラリアント社)が挙げられる。
本発明のトナーは、前記トナー粒子と、前記疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを含む外添剤、ならびに必要に応じてその他の任意成分を、ヘンシェルミキサー等で混合することにより、トナー粒子表面に外添剤を外添させることで製造することができる。
本発明のトナーは、一成分現像剤としても使用され得るし、キャリアと混合して二成分現像剤として使用されてもよい。本発明のトナーが二成分現像剤として使用される場合、キャリアとしては、樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアを好適に使用することができる。樹脂被覆キャリアは、芯材の表面に樹脂を被覆したものであって、芯材としては、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性を有する粉体をあげることができる。キャリアを被覆する樹脂としては、例えば、フッ素樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂等があげられる。
異なる疎水性とBETを有する疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを含む外添剤を含有する本発明のトナーは、現像剤担持体と該現像剤担持体に当接してトナー層厚を規制するトナー層厚規制部材を有する画像形成方法において、特に好ましく適用される。さらに、前記トナーは、プロセススピードが300mm/sec以上である画像形成方法に用い
られた場合に、特に優れた効果を発揮しうる。
現像剤担持体に当接してトナー層厚を規制すると、トナーは、トナー層厚規制部材により現像剤担持体に強く押し付けられるため、非常に大きな機械的な負荷を受ける。特に、プロセススピードが300mm/sec以上である場合には、当接部位が摩擦により局所
的にかなり昇温するので、温度が高い状態でトナーが摩擦され、トナー粒子表面に付着した無機微粒子が埋め込まれてトナーが劣化しやすいため、画像の濃度が薄くなりやすい。
一方、本発明のトナーは、外添剤である疎水性シリカAおよび疎水性シリカBがトナー粒子表面に均一に分散され、相対的に大粒径である疎水性シリカBの劣化防止効果が発揮されやすいために劣化しにくい。よって、本発明のトナーは、現像剤担持体に当接してトナー層厚を規制するトナー層厚規制部材を有する、高速化現像器に対応することができる。
本発明の画像形成方法は、本発明のトナーを現像剤として用いること以外は、通常の方法を適用することができる。例えば、1)帯電手段に電圧を印加し、被帯電体に帯電を行う帯電工程、2)帯電された被帯電体に静電荷像を形成する工程、3)静電荷像を本発明のトナーにより現像してトナー像を被帯電体上に形成する現像工程、4)被帯電体上のトナー像を中間転写体を介して、または、介さずに転写材へ転写する転写工程、および5)転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程を含む画像形成方法が挙げられる。
本発明の画像形成方法は、前記3)現像工程において、前記被帯電体が前記トナーを担持する現像剤担持体に対向されており、該現像剤担持体が、a)現像スリーブ、およびb)該現像スリーブ上に位置し、現像スリーブ表面にトナー層を形成するための弾性ブレードを有することが好ましい。さらに好ましくは、プロセススピードが300mm/s
ec以上であることが好ましい。
現像スリーブ上にトナー層を形成するための弾性ブレードがあると、トナーが機械的衝撃を受けやすく劣化しやすいので、本発明のトナーの特徴の一つである、劣化の抑制が効果的に発現する。また、プロセススピードが300mm/sec以上であると、より
トナーが劣化しやすいので、本発明のトナーの特徴の一つである劣化の抑制がさらに効果的に発現する。
さらに、本発明の画像形成方法に用いられるトナーが、磁性体を含有する(トナー粒子中に含有される着色剤が磁性体である場合を含む)磁性トナーである場合は、前記現像剤担持体が、a)現像スリーブ、b)該現像スリーブ上に位置し、現像スリーブ表面に磁性トナー層を形成するための弾性ブレード、さらに、c)現像スリーブに内包されている磁界発生手段を有することが好ましい。
以下に実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
<疎水性シリカ1の製造例>
2lの撹拌機付きオートクレーブに、未処理の乾式シリカ50g(BET比表面積 200m/g)を入れ、撹拌によって流動化させながら200℃に加熱した。撹拌による
流動化状態を維持しながら、オートクレーブ内部を窒素ガスで置換して反応器を密閉し、ヘキサメチルジシラザンを内部に噴霧して乾式シリカを疎水化処理した。この処理を60分間継続した。
シリカ原体100質量部に対して、ヘキサメチルジシラザン24質量部(すなわち、12g)が反応するように、ヘキサメチルジシラザンの噴霧量や、反応条件を調整した。反応終了後、オートクレーブを脱圧し、窒素ガス気流による洗浄を行い、疎水性シリカから過剰のヘキサメチルジシラザン、および副生成物を除去した。
さらに、シリカを撹拌しながら、ジメチルシリコーンオイル(粘度=50mm/s)
を処理後の量が10質量部となるように調整して噴霧し、30分間撹拌を続けた。その後、撹拌しながら300℃まで昇温させ、さらに2時間撹拌した。オートクレーブからシリカを取り出し、疎水性シリカ1を得た。得られた疎水性シリカ1の物性(比表面積BETおよび疎水化度)を表1に示した。
<疎水性シリカ2〜11の製造例>
表1に示したように、シリカ原体の比表面積BET、ならびに処理剤の種類および量を変更すること以外は、疎水性シリカ1の製造と同様の手順により、疎水性シリカ2〜11を製造した。
Figure 2006072093
上記表1において、
(1)「処理量」とは、シリカ原体100質量部に対して処理した、各種処理剤の質量を示し、
(2)BET(比表面積)および疎水化度は、前述した方法を用いて測定、算出された値を示す。
<結着樹脂製造例1>
反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物50部、ビスフェノールAのEO2モル付加物20部、テレフタル酸20部、フマル酸5部、無水トリメリット酸5部、およびジブチルチンオキサイド0.5部を入れ、220℃に加熱して、これらを縮合重合させ、ポリエステル樹脂である結着樹脂1を得た。この樹脂の酸価は24mgKOH/g、Tgは59℃、THF不溶分21質量%であった。
<結着樹脂製造例2>
4つ口フラスコ内に、キシレン300質量部を加えて昇温して還流させた。これに、スチレン75質量部、アクリル酸−n−ブチル25質量部およびジ−tert−ブチルパーオキサイド2質量部の混合液を、5時間かけて滴下して、低分子量重合体(L−1)溶液を得た。
一方、別の4つ口フラスコ内に脱気水180質量部とポリビニルアルコールの2質量%水溶液20質量部を投入した後、スチレン70質量部、アクリル酸−n−ブチル30質量部、ジビニルベンゼン0.005質量部、及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(半減期10時間、温度;92℃)0.1質量部の混合液を加え、攪拌し懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、85℃まで昇温して重合し、24時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド(半減期10時間、温度;72℃)0.1質量部を追加添加し、さらに12時間保持した。沈殿物を濾過することにより高分子量重合体(H−1)を単離した。
上記低分子量重合体(L−1)の均一溶液300質量部に、上記高分子量重合体(H−1)25質量部を投入し、還流下で十分に混合した後、有機溶剤を留去して、結着樹脂2を得た。得られた結着樹脂2は、メインピーク分子量=12000、サブピーク分子量=114万、酸価=0mgKOH/gであった。
<トナー粒子1の製造>
下記表2に示した各成分を、ヘンシェルミキサーを用いて前混合した。得られた混合物を、110℃に加熱した2軸エクストルーダを用いて溶融混練したのち冷却した。得られた混練物をハンマーミルで微粉砕してトナー微粉砕物を得た。
得られた微粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて、表3に記載された条件に基づいて、エアー温度を調整して機械式粉砕させて微粉砕した。得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去して原料トナー粒子を得た。得られた原料トナー粒子の、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)は6.4μmであって、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の
累積値は24.2%であった。
Figure 2006072093
得られた原料トナー粒子を、図1に示す表面改質装置で表面改質及び微粉除去を行った。本製造例において用いた表面改質装置には、分散ローター上部に角型のディスクを16個設置し、ガイドリングと分散ローター上角型ディスクの間隔を60mm、分散ローターとライナーとの間隔を4mmとした。また分散ローターの回転周速を140m/secとして、ブロワー風量を30m/minとした。また微粉砕品の投入量を300kgとし、サイクルタイムを45secとした。またジャケットに通す冷媒の温度を−15℃、冷風温度T1を−20℃とした。更に、分級ローターの回転数を制御することにより、0.6μm以上3μm未満の粒子比率を所望の値とした。
以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D4)6.4μm、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が18.1%の負帯電性トナー粒子
1を得た。トナー粒子1の、FPIA2100で測定された物性、及び780nmの波長
光の透過率に対するメタノール濃度の値、及び走査型プローブ顕微鏡測定値を表5に、メタノール滴下透過率曲線を図3示す。重量平均径(D4)6.4μmの負帯電性磁性トナー粒子1を得た。
<トナー粒子2〜11,13および14の製造>
下記の表3に記載の条件に従って、トナー粒子1の製造と同様の手順によりトナー粒子2〜11,13および14を製造した。
<トナー粒子12および15の製造>
結着樹脂1の代わりに結着樹脂2を用いて、下記の表3の記載に従い、トナー粒子1の製造と同様の手順によりトナー粒子12および15を製造した。
Figure 2006072093
<実施例1:トナー1の製造>
前記表3におけるトナー粒子1(100質量部)に対し、表4に記載の通り、前記表1
における疎水性シリカ1(1.35質量部)および疎水性シリカ8(0.30質量部)を添加し、ヘンシェルミキサーで外添を行い、トナー1を得た。
<実施例2〜10:トナー2〜10の製造>
前記表3におけるトナー粒子2〜10(100質量部)に対し、それぞれ表4に記載された通り、疎水性シリカAおよびBを添加し、ヘンシェルミキサーで外添を行い、トナー2〜10を得た(それぞれ実施例2〜10に対応する)。
<比較例1〜5>
前記表3におけるトナー粒子11〜15(100質量部)に対し、それぞれ表4に記載された通り、シリカAおよびBを添加し、ヘンシェルミキサーで外添を行い、トナー11〜15を得た(それぞれ比較例1〜5に対応する)。
Figure 2006072093
<試験例1>
実施例1で得られたトナー1を用いて、以下の条件で画像を形成した。
(1) 市販のLBPプリンタ(Laser Jet 4300、HP社製)のプロセススピードを325mm/sec(A4サイズ55枚/分)に変更したプリンターを、画出し試験機とした。
(2) 印字率2%となる横線パターンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの間に
マシンがいったん停止してから次のジョブが始まるように設定した。
(3) 低温低湿環境(15℃、10%RH)、および高温高湿環境(32.5℃、80%RH)下で、画像を形成した。(以下において、それぞれ「低温低湿環境試験」および「高温高湿環境試験」とも称する)
(4) 一日あたり5千枚として、トータルで20000枚(低温低湿環境試験)、または20001枚(高温高湿環境試験)のプリント試験を行った。
<画像濃度評価>
画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、5mm角のベタ黒画像の反射濃度を測定し、この値を画像濃度とした。
低温低湿環境試験では、初期、1001枚プリント時、5001枚プリント時(2日目初期)、10001枚プリント時(3日目初期)、20000枚プリント時(4日目耐久
最後)の画像濃度を測定した。
高温高湿環境試験では、初期、5001枚プリント時(2日目初期)、10001枚プリント時(3日目初期)、20000枚プリント時(4日目耐久最後)、20001枚プリント時(5日目初期)の画像濃度を測定した。
<カブリ評価>
トナーの耐久性を示す指標としてカブリを測定した。
低温低湿環境試験において、初期・1001枚・5001枚・10001枚・20000枚プリント時に転写材にベタ白画像を画像形成した。画像形成前の該転写材の反射濃度、および各画像形成後の該転写材の反射濃度を、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS(東京電色社製))を用いて測定した。
該画像形成前の転写材の反射濃度の平均値をDrとし、該各画像形成後の転写材の反射濃度のうちの最悪の値をDsとした。Ds−Drを求め、これをカブリ量とした。カブリ量の数値が小さいほど、カブリが抑制されていることを示す。表5に「カブリ最悪値」としてカブリ量を記載した。
<耐久前後凝集度>
トナー流動性を示す指標として、トナーの凝集度をパウダテスタP−100(ホソカワミクロン社製)を使用して測定した。具体的には、振動台の上に、上から目開き250μm、150μm、75μmの順でふるいをセットし、トナー5gを上段のふるいの上に静かにのせた。振動振り幅を0.6mm、振動時間を10秒として振動台を振動させた。振動停止後、それぞれ(上段、中断、下段)のふるいに残ったトナーの質量を測定し、その測定値から、下記式に従ってa,b,cの値を求めた。a、bおよびcの値の和を、凝集度(%)とした。
a=(上段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100
b=(中段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.6
c=(下段のふるいに残ったトナー量)÷5(g)×100×0.2
凝集度は、高温高湿環境試験における初期のトナー、および20000枚耐久後のトナーについて測定した。凝集度が小さいほど流動性の良いトナーであることを示し、かつ初期と耐久後の凝集度変化が小さいものほど、劣化が抑止されていることを示す。
<画像濃度差>
高温高湿環境試験において、初期・5001枚目・10001枚目・15001枚目、20001枚目の5枚のべた黒画像について、それぞれ、スリーブ1周目分の部分の画像濃度と、スリーブ2周目以降分の部分の画像濃度を測定した。各画像について、スリーブ1周目分の部分の画像濃度と、スリーブ2周目分以降の部分の画像濃度との差を算出し、算出された差のうち最大のものを画像濃度差とした。
<ゴースト評価>
低温低湿環境(15℃,10%RH)および高温高湿環境(32.5℃,80%RH)試験(通常の複写機用普通紙(75g/m2)20000枚をプリントアウト)において
、5000枚プリントアウトするごとに、別途、スリーブ1周目分はベタ黒帯画像であり、スリーブ2周目以降分はハーフトーン画像である画像をプリントアウトした。プリントアウトされた画像の画像パターンの概略図を図4および図5に示す。
図4の画像パターンでは、スリーブ2周目分の画像において、スリーブ1周目分のベタ黒帯画像に対応する部分の濃度が、それ以外の部分の濃度よりも低くなっている。この現象はネガゴースト現象と称される。
図5の画像パターンでは、反対に、スリーブ2周目分の画像において、スリーブ1周目分のベタ黒帯画像に対応する部分の濃度が、それ以外の部分の濃度よりも高くなっている。この現象はポジゴースト現象と称される。
前記スリーブ2周目分の画像における、スリーブ1周目分のベタ黒帯画像に対応する部分(黒印字部)、およびそれ以外の部分(非画像部)の反射濃度を、マクベス濃度計により測定した。測定された黒印字部後の反射濃度と、非画像部後の反射濃度を用いて、下記式に従って反射濃度差を算出した。(図4参照)
反射濃度差=(<2>非画像部後の反射濃度)−(<1>黒印字部後の反射濃度)
前記プリントアウトされた画像それぞれについて反射濃度差を算出し、それらの最悪値を求めた。求められた最悪値から、下記の基準に従って、ゴーストの程度をA〜Eで評価した。反射濃度差が小さいほどゴーストの発生はなく、レベルは良いことを示す。
A:0.00〜0.02未満
B:0.02〜0.04未満
C:0.04〜0.06未満
D:0.06〜0.08未満
E:0.08以上
<白ポチ評価>
高温高湿環境試験において、初期・5001枚目・10001枚目・150001枚目・20001枚目の5枚のべた黒画像を観察して、各画像について、発生している白ポチ(遊離シリカによるシリカ跡であり得る)の個数を測定した。測定された個数の最悪値を求め、求められた値から、以下の基準に従って、A〜Eに評価した。
A:白ポチが発生せず
B:耐久を通してベタ黒画像に1〜3個程度の白ポチが発生
C:耐久を通してベタ黒画像に4〜6個程度の白ポチが発生
D:耐久を通してベタ黒画像に7〜20個程度の白ポチが発生
E:耐久を通してベタ黒画像に21個以上の白ポチが発生
<試験例2〜10>
トナー1の代わりに、実施例2〜10において製造したトナー2〜10を用いること以外は、試験例1と同様にして試験を行い、前記各種評価を行った。
<比較試験例1〜5>
トナー1の代わりに、比較例1〜5において製造したトナー11〜15を用いること以外は、試験例1と同様にして試験を行い、前記各種評価を行った。
試験例1〜10、および比較試験例1〜5の評価結果を表5(低温低湿環境試験結果)および表6(高温高湿環境試験結果)に示す。
Figure 2006072093
Figure 2006072093
本発明の表面改質工程において使用される表面改質装置の一例を、概略的に示す断面図である。 図1に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略図である。 疎水性シリカ1および疎水性シリカ8の、メタノール滴下透過率曲線を示す図である。 ネガゴーストを評価するためのパターンの説明図である。 ポジゴーストを評価するためのパターンの説明図である。
符号の説明
31:分級ローター
32:微粉回収
33:原料供給口
34:ライナー
35:冷風導入口
36:分散ローター
37:製品排出口
38:排出弁
39:ガイドリング
40:角型ディスク
41:第一の空間
42:第二の空間

Claims (14)

  1. 結着樹脂および着色剤を少なくとも含むトナー粒子、ならびに疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを少なくとも含む外添剤を含有する静電荷現像用トナーであって、
    前記疎水性シリカAの比表面積BETと、前記疎水性シリカBの比表面積BETとの関係が、1.2×BET≦BET≦5×BETであり、
    前記疎水性シリカAのメタノールウェッタビリティによって測定される疎水化度(透過率80%のときの値を疎水化度とする)WETが65%以上90%未満であり、前記疎水性シリカBの疎水化度WETが20%以上50%未満であって、かつ25%<WET−WET<70%であることを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 前記トナー粒子の平均円形度が、0.930〜0.970であることを特徴とする、請求項1に記載の静電荷現像用トナー。
  3. 前記トナー粒子の、走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上45.0nm未満であることを特徴とする、請求項1または2に記載の静電荷現像用トナー。
  4. 前記疎水性シリカAおよび前記疎水性シリカBの総含有量が、前記トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部〜5.0質量部であって、かつ前記疎水性シリカAの含有質量を1としたときの前記疎水性シリカBの含有質量が、0.05〜0.7であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電荷現像用トナー。
  5. 前記疎水性シリカAの比表面積BETが、80〜250m/gであって、前記疎水
    性シリカBの比表面積BETが、30〜80m/gであることを特徴とする、請求項
    1〜4のいずれか一項に記載の静電荷現像用トナー。
  6. 前記疎水性シリカBは疎水化処理された乾式シリカであって、該疎水化処理はアルコキシシラン類による処理を少なくとも含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電荷現像用トナー。
  7. プロセススピードが300mm/sec以上である画像形成方法に用いられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電荷現像用トナー。
  8. 1)帯電手段に電圧を印加し、被帯電体に帯電を行う帯電工程、2)帯電された被帯電体に静電荷像を形成する工程、3)静電荷像をトナーにより現像してトナー像を被帯電体上に形成する現像工程、4)被帯電体上のトナー像を中間転写体を介して、または、介さずに転写材へ転写する転写工程、および5)転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、
    前記現像工程において、前記被帯電体は前記トナーを担持する現像剤担持体に対向されており、該現像剤担持体は現像スリーブ、該現像スリーブに内包された磁界発生手段、および現像スリーブ上に位置し、該現像スリーブ表面にトナー層を形成させるための弾性ブレードを有し、かつ
    前記トナーは、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有するトナー粒子、ならびに異なる比表面積BETを有する疎水性シリカAおよび疎水性シリカBを少なくとも含む外添剤を含有し、
    前記疎水性シリカAの比表面積BETと前記疎水性シリカBの比表面積BETとの関係が、1.2×BET≦BET≦5×BETであり、
    前記疎水性シリカAの疎水化度WETが65%以上90%未満であり、前記疎水性シリカBの疎水化度WETが20%以上50%未満であって、かつ25%<WET
    −WET<70%である静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
  9. 前記トナー粒子の平均円形度が、0.930〜0.970であることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記トナー粒子の、走査型プローブ顕微鏡で測定される平均面粗さが、5.0nm以上45.0nm未満であることを特徴とする、請求項8または9に記載の画像形成方法。
  11. 前記疎水性シリカAおよび前記疎水性シリカBの総含有量が、トナー粒子100質量部に対して、0.5質量部〜5.0質量部であって、かつ前記疎水性シリカAの含有質量を1としたときの前記疎水性シリカBの含有質量が、0.05〜0.7であることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 前記疎水性シリカAの比表面積BETが、80〜250m/gであって、前記疎水
    性シリカBの比表面積BETが、30〜80m/gであることを特徴とする、請求項
    8〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 前記疎水性シリカBは疎水化処理された乾式シリカであって、該疎水化処理はアルコキシシラン類による処理を少なくとも含むことを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. プロセススピードが300mm/sec以上であることを特徴とする、請求項8に記載
    の画像形成方法。
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