JP2008096827A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】現像剤担持体の外径が12mm以下であっても、画像濃度が維持され、カブリや濃度ムラが許容レベル以下に抑えられる現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像剤担持体41の外径が8mm以上、12mm以下であり、磁性一成分現像剤は、1000エルステッドの磁場を加えた際の飽和磁化が、20Am2/kg以上、37Am2/kg以下、磁場を700エルステッドまで下げた時の磁化が、飽和磁化の70%以上、80%以下、磁場を500エルステッドまで下げた時の磁化が、飽和磁化の50%以上、62%以下であり、平均円形度が0.960以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等により形成された像担持体上の静電潜像を可視像とするための磁性一成分現像剤による非接触現像方式を用いた現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
近年、パーソナル・ユース用のプリンター、複写機として用いられる電子写真法、静電記録法等に従って画像形成が行われる画像形成装置は、より小型、より高速なものが求められている。また、メンテナンスの点でも、簡便性が求められ、トナー/廃トナーを含む現像ユニット/クリーニングユニットが装置から容易に着脱できるものが求められている。
小型化を達成するためには、そこに用いられる像担持体、現像剤担持体等の径を小さくすることが必要となる。特に、非接触現像方式(所謂、ジャンピング現像方式)においては、特許文献1の公報段落[0005]に記載されているように、像担持体たる感光ドラムや現像剤担持体たる現像スリーブの径が小さくなるにつれて現像領域が狭くなってしまう。小型化のために現像スリーブの直径は12mm以下のものが求められてきている。
上記の現像領域とは、本願添付の図6にて領域「X」で示されるように、感光ドラム1と現像スリーブ41の間に加えられるバイアス電圧と潜像電位によって形成される交番電界によって、トナーが飛翔して現像に関与できる領域である。現像領域の詳細については、本発明との関連で後で詳しく説明する。
上記の電界は、感光ドラム1と現像スリーブ41の最近接位置で放電が起きないように設定される。この電界の強度は、図6に示すように、最近接位置を基準として図中左右方向に移動するに従い感光ドラム1と現像スリーブ41間の距離が広がるため、弱まっていく。当然ながら、感光ドラム1や現像スリーブ41の径が小さいほど(すなわち、それぞれの曲率が大きくなるほど)急速に、感光ドラム1と現像スリーブ4の距離が広がるため、電界の強度も急速に弱まる。このため、トナー43が飛翔するに十分な電界強度の範囲が、先の最近接位置近傍に限られて狭くなってしまう。
現像領域が狭くなることにより、起こる弊害の第一は、トナーの供給不足による濃度の低下である。これを補い、濃度を維持するように諸々の現像条件を変化させると、特許文献1の公報段落[0005]に記載されているように、カブリや濃度ムラが発生する場合がある。
磁性トナーを用いる場合は、上記の対策として、現像スリーブに内包されるマグネットの磁力を小さくすることで、現像スリーブ上の磁性トナーに加わる磁気拘束力を弱めて飛翔しやすくし、濃度の低下を抑えることができる。
上記の方法で、確かに現像領域が広がり濃度の低下が抑えられるが、十分に帯電されていない(トリボの低い)トナーも飛翔し、カブリやトナーの機内飛散が増大する。
マグネットの磁力により誘起される磁性トナーの磁化を小さくすることでも同様に飛翔しやすくできる。このため、特許文献1の第3表にある比較例2のように、残留磁化の小さい磁性トナーを用いた事例があるが、やはりカブリや濃度ムラが悪化して実用に耐えられなかった。
ジャンピング現像方式において、残留磁化を小さくした磁性トナーの挙動は、特許文献2の公報段落[0019]〜[0021]に記載がある。ここでは、磁性トナーの残留磁化が小さい場合には、磁界下にある磁性トナーの穂が崩れやすく、磁性トナー粒子が個別に挙動するトナー・クラウド状態に近づくことが示されている。
更に、特許文献2の公報段落[0024]〜[0025]では、トナーの円形度が高いほど磁性トナーの穂が崩れやすくなることが示唆されている。また、特許文献2には、クラウド状態でのジャンピング現像では、潜像の端部に磁性トナーが集中する、所謂、エッジ効果が軽減され、ベタ画像部とライン画像部の差が小さくなる作用効果が現れることが示されている。
また、現像スリーブの小径化(直径12mm以下)に伴い、1ページ当たりの現像スリーブの回転数は増大するため、現像スリーブ上にトナーが融着するなどの危険性は増大している。従って、小径化された現像スリーブを用いての印刷スピードの高速化や現像装置の高耐久化(長寿命化)は、上述のトナー供給量不足や現像スリーブ上へのトナー融着を悪化させる方向に向かうため、これを実現する上での制約は大きなものがある。
特開平6−110324公報 特開2005−345618公報
現像領域が狭い状態でのジャンピング現像は、様々な制約を伴う。特に、現像スリーブの径が12mm以下では、特許文献1に記載されるようなトナーの帯電量を維持しても、トナー供給量不足が発生しやすく、高印字率の画像を連続出力すると濃度を維持することが難しくなっている。
物理的にトナー供給量を増やす方法として、感光ドラムに対する現像スリーブの周速比を上げることが考えられるが、上述のとおり、現像スリーブの回転数が更に増加するため望ましくない。また、現像スリーブ上のトナー量規制条件を変えてトナー担持量を増やすことは、適正なトリボ、若しくはトリボ分布を得ることが難しく、カブリや濃度ムラ等の弊害が現れ、画像品位的に破綻する可能性が増大する。
現像バイアスを変えて、現像スリーブから感光ドラムへ向かう電界を大きくすることは有効な方策である。しかしながら、上記電界の最大値が、既に、感光ドラムと現像スリーブの最近接位置で放電を起こさない上限値近くに設定されている場合が多く、それ以上は大きくできない。
本発明の目的は、現像剤担持体の外径が12mm以下であっても、画像濃度が維持され、カブリや濃度ムラが許容レベル以下に抑えられる現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明によれば、
静電潜像が形成される像担持体より所定の間隔を持って配置され、磁性一成分現像剤を担持し搬送し、像担持体に形成された静電潜像を可視像とするための円筒状の現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に内包される磁界発生手段と、を有し、
前記像担持体と前記現像剤担持体の間に交番電界が形成される現像装置において、
前記現像剤担持体の外径が8mm以上、12mm以下であり、
前記磁性一成分現像剤は、
1000エルステッドの磁場を加えた際の飽和磁化が、20Am2/kg以上、37Am2/kg以下、
磁場を700エルステッドまで下げた時の磁化が、飽和磁化の70%以上、80%以下、
磁場を500エルステッドまで下げた時の磁化が、飽和磁化の50%以上、62%以下であり、
平均円形度が0.960以上であることを特徴とする現像装置が提供される。
第2の本発明によれば、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
少なくとも、像担持体と現像装置とを備え、前記現像装置は、上記第1の本発明に係る現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジが提供される。
第3の本発明によれば、像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視像とする現像装置と、を有する画像形成装置において、
前記現像装置は、上記第1の本発明に係る現像装置であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
第4の本発明によれば、画像形成装置本体に対してプロセスカートリッジが着脱可能とされた画像形成装置において、
前記プロセスカートリッジは、上記第2の本発明に係るプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、外径が8mm以上、12mm以下とされる小径の現像担持体を用いた場合でも、十分な現像剤供給が行え、カブリや濃度ムラ等が許容レベル以下に抑制された磁性一成分現像が達成できる。
以下、本発明に係る現像装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
(画像形成装置の全体構成)
図1は、本発明に係る現像装置が適用される画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
本実施例にて、画像形成装置100は、電子写真方式のレーザービームプリンタとされ、像担持体として、ドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有している。感光ドラム1は、表面にOPC等の光導電層を有しており、図で示す矢印Aの方向(時計方向)に図示しない駆動系で回転している。
感光ドラム1は、帯電手段としての一次帯電器2により一様に帯電され、その後、画像信号に応じた光像Lを露光装置3にて照射し、静電潜像が形成される。
次いで、感光ドラム1上の静電潜像は、現像剤43が入っている現像装置4にて現像され、トナー像とされる。本実施例にて、現像剤43は、磁性一成分現像剤、即ち、磁性一成分トナーが使用され、ジャンピング現像により現像が行われる。現像装置4の構成については後で更に詳しく説明する。
現像装置4で可視化したトナー像は、転写位置にて、転写手段としての転写ローラ5に転写バイアスを印加することによって、図示しない給紙カセットから搬送されてくる記録媒体としての転写紙のような転写材Pに転写される。
転写材Pは、感光ドラム1から分離され、定着装置7の定着ローラ7aと加圧ローラ7bで形成されたニップ部で現像剤を転写材Pに加圧及び加熱することで定着し、画像形成装置外部へ排出される。
なお、転写ローラ5を通過した後、感光ドラム1表面に残留している転写残現像剤は、クリーニング装置6によって除去され、図示しない回収容器に収集される。
(現像装置)
現像装置4について更に説明する。
現像装置4は、現像容器40を備え、現像容器40内に、現像剤担持体として現像スリーブ41が回転自在に配置されている。
現像装置4は、カートリッジ化し、感光ドラム1を備える画像形成装置本体に対して着脱可能とすることもできる。更には、図1に一点鎖線にて示すように、少なくとも感光ドラム1と共に一体化したプロセスカートリッジ8として画像形成装置本体に対して着脱可能とすることもできる。また、図1に示すように、一次帯電器2及びクリーニング装置6をもプロセスカートリッジ8内に組み込むことも可能である。
感光ドラム1と、現像装置4の現像スリーブ41とは、所定の間隔(以下、「SD間隔」と呼ぶ。)Gを設け、非接触である。また、現像スリーブ41は、感光ドラム1と対向した対向部(即ち、現像部)Xにて、感光ドラム1と同じ方向(図1にて矢印Bの反時計方向)へ回転する。
現像スリーブ41の内部には、磁界発生手段(磁界発生部材)であるマグネットローラ42が配置される。マグネットローラ42には複数の磁極が配され、この磁力により現像容器5の中の磁性トナー43が引き寄せられ、現像スリーブ41の表面上に担持される。現像スリーブ41の表面に当接する現像ブレード44によって担持された磁性トナー43が規制され、均一な担持量のトナー層となる。
上述のように、感光ドラム1の表面と現像スリーブ41の表面は、所定の間隔Gをもって対向するように配置されており、マグネットローラ42の磁極の一つ、本実施例ではS1極は、この感光ドラム1の表面と現像スリーブ41の表面の最近接位置にほぼ合致するように設置される。感光ドラム1と現像スリーブ41の間には、後に記す現像バイアスが現像バイアス印加手段としての高圧電源9(図1)によって印加される。前記静電潜像の電位と現像バイアスによる電界によって、現像スリーブ表面上の磁性トナー43が飛翔し、感光ドラム1上に形成された前記静電潜像を現像する。
本実施例の現像工程における電位設定条件を図2に示す。なお、本実施例の現像工程は反転現像方式を用いており、トナーの帯電極性は負である。
図2において、感光ドラム1上の潜像電位を、非画像部帯電電位:Vd、画像部帯電電位(画像露光された後の帯電電位):Vlで示した。また、感光ドラム1と現像スリーブ41間に加えられた現像バイアス電位を、先の潜像電位に重ねて表す。現像バイアスは、図3に示すように、DCバイアス:Vdcにデューティ50%の矩形波交番バイアス(Peak−to−Peak電圧:Vpp)を重畳したものである。図2においては、トナーを現像スリーブから感光ドラムへ飛翔させるトナー飛翔電位をVmax(=Vdc+Vpp/2)、トナーを感光ドラムから現像スリーブへ引き戻すトナー引戻電位をVmin(=Vdc−Vpp/2)で示した。ここで、Vmaxは、Vdよりもトナーの正規極性と同じ極性側の電位であり、Vminは、Vlよりもトナーの正規極性と逆の極性側の電位である。現像スリーブに印加される現像バイアスによって、感光ドラムの電位Vdの部分においても電位Vlの部分においても、現像スリーブと感光ドラムとの間に交番電界が形成される。
(電界と磁性トナー)
図4〜図6を用いて、電界による磁性トナー43の挙動を説明する。
図4は、磁性トナー43を現像スリーブ41上から感光ドラム1の方向に飛翔させる方向のバイアスを印加している瞬間を示す。現像スリーブ41にはトナー飛翔電位Vmaxが印加され、感光ドラム1と現像スリーブ41間に、感光ドラム1上のVd、Vlとのそれぞれの電位差に応じた強さの電界(飛翔電界)が発生する。現像スリーブ41上の磁性トナー43には、自身の持つ電荷と電界の強さに応じた電気力によって感光ドラム1上に飛翔する。図4では、Vdの領域よりも、Vmaxとの電位差の大きなVlの領域に向かって強い力が加わるため、感光ドラム1上に到達した磁性トナー43はVlの領域に集まる傾向にある。
図5は、磁性トナー43を感光ドラム1上から現像スリーブ41の方向に引き戻す方向のバイアスを印加している瞬間を示す。現像スリーブ41にはトナー引戻電位Vminが印加され、上記と同様に感光ドラム1と現像スリーブ41間に、感光ドラム1上のVd、Vlとのそれぞれの電位差に応じた強さの電界(引戻電界)が発生する。図5でVminとの電位差が大きくなるのは、図4とは逆にVlの領域よりもVdの領域である。よって、感光ドラム1上に飛翔した磁性トナー43は、Vdの領域にあるものがVlの領域にあるものより強い力が加わり、現像スリーブ41上へ戻り易くなる。逆にいえば、Vlの領域にある磁性トナー43は相対的に戻り難くなっている。
磁性トナー43は、図4及び図5の状態を交互に繰り返しながら、感光ドラム1と現像スリーブ41間を往復飛翔する。感光ドラム1と現像スリーブ41は、同一方向に回転しているため、観念的には図6のようなプロフィールをたどって、磁性トナー43が動く(図6にはVlの領域での単粒子トナーの挙動を示した)。
最近接位置から回転方向下流に至るトナーの挙動を更に詳しく説明する。
感光ドラム1と現像スリーブ41のSD間隔Gが狭い最近接位置の近くでは、飛翔電界、引戻電界ともに強く、磁性トナー43は感光ドラム1と現像スリーブ41間を往復運動している。上記、飛翔電界及び引戻電界は、SD間隔が広がるにつれ、ともに徐々に弱まっていく。
図4及び図5で示したようにVlの領域では、飛翔電界より引戻電界の方が相対的に小さいため、ある時点でVlの領域に飛翔した磁性トナー43の一部が現像スリーブ41上に戻れなくなる。戻れなくなった磁性トナー43はVlの領域近辺をジャンプするように揺れ動いているが、SD間隔Gが広がり電界が十分に弱まったところで、最終的に感光ドラム1上に残留する。電界の影響が無くなった時点での磁性トナー43の付着力は、主に|Vd−Vl|の電位差と、磁性トナー43の持つ電荷による感光ドラム1との鏡映力(電気映像力)である。
飛翔電界より引戻電界が大きいVdの領域では、現像スリーブ41上に引き戻された磁性トナー43は再び感光ドラム1上まで飛翔できなくなる。Vdの領域に面した現像スリーブ41上では、磁性トナー43が感光ドラム1上のVdの領域に到達しようとジャンプを繰り返すが、SD間隔Gが広がり電界が弱まると、最終的には現像スリーブ41上に留まったままになる。
上記工程を経て、感光ドラム1上のVlの領域には磁性トナー43が残り、Vdの領域では磁性トナー43がほとんど引き戻されて、潜像が現像されることになる。
(磁界と磁性トナー)
次に、磁界が磁性トナー43に及ぼす影響を説明する。
磁性現像方式では、上記の現像工程に現像スリーブ41内部のマグネットローラ42の磁力が少なからず寄与する。マグネットローラ42の現像極(S1極)は、先に述べたように、感光ドラム1の表面と現像スリーブ41の表面の最近接位置にほぼ合致するように設置され、往復運動している磁性トナー43に磁力を及ぼしている。
マグネットローラ42により磁性トナー43に働く磁気拘束力は、常に現像スリーブ41周りの磁性トナー43を現像スリーブ41側に引き戻す方向に働き、帯電電荷量の少ない磁性トナー43(逆極性に帯電した反転トナーを含む)を、電界で飛翔できないようにしている。この磁気拘束力により、反転トナーによるカブリ(以下、「反転カブリ」と呼ぶ。)や、ほとんど電荷をもたない磁性トナー43による機内飛散が、大幅に抑制される。上記の磁気拘束力は、現像バイアス電界による電気引力の数分の一から十数分の一になるように設定される。
また、磁界下の磁性トナー43は、磁性トナー43自身の磁化により互いに引き付け合い、磁力線に沿って伸びる「トナー穂」として集団で挙動するようになる。図4及び図5で示した磁性トナー43の往復飛翔は、ほとんどこの「トナー穂」の往復飛翔である。
マグネットローラ42による磁性トナー43への磁気拘束力は、トナーの磁化をM、マグネットローラ42による外部磁界をHであらわすと−∇(M・H)で示される。なお記号∇はベクトル解析におけるベクトル微分作用素 としてのナブラを示している。磁化MはHの関数であり、トナーの透磁率をμで表すと、M=μHで示される(透磁率μ自体もHの関数である)。上記の磁気拘束力は、透磁率μの変化分を無視すると−∇(M・H)=−2μ(H・∇)Hで示される。(H・∇)Hは磁界の強度の空間的変化を表す指標であり、マグネットローラ42の作る磁界によって決まる。上記の式から、磁気拘束力は、トナーの透磁率μの大きさと磁界の変化(H・∇)Hで定められる。なお上記の磁気拘束力の式から分かるように、いくら強い磁界中でも一様磁界ならば、(H・∇)H=0となり、磁性トナー43に力は加わらない(磁気拘束力は、磁界の強度自体に依存しない)。
本実施例のような配置のマグネットローラ42では、現像スリーブ41と同軸の円筒面上(円周方向)での磁界Hの強度はあまり変化しない(ただし、磁界Hの向きは大きく変化する)。一方、法線方向の磁界Hの強度は、円周方向と比較すれば、現像スリーブ41表面から離れるに従って急速に弱まる。よって、(H・∇)Hは、円周方向成分より法線方向成分のほうが優位に大きくなり、結果的に「トナー穂」に加わる磁気拘束力は、最も近くの現像スリーブ41に引き寄せるように働く。
なお、(H・∇)Hの法線方向成分(磁界強度の法線方向の傾き)は、本実施例のような磁極構成のマグネットローラ42では、現像スリーブ41面上近傍であまり変化せず、30〜40(T/m)程度である。従って、(H・∇)Hへの依存性が強い上記の磁気拘束力の大きさは、感光ドラム1上でも現像スリーブ41の近辺でもあまり大きな差は出ない。この傾向は、現像スリーブ41の径の大小や現像極の磁力の大小に拠らず、マグネットローラ42の磁極構成が同様ならばほぼ同じ傾向を示す。
一方、「トナー穂」の磁性トナー43同士による結合力は、トナーの磁化Mの自乗に比例する。磁気拘束力が(H・∇)Hに依存していたのと異なり、トナーの磁化Mは磁界Hの強度自体に強く依存する。このため、「トナー穂」の大きさ、及び凝集強度は「トナー穂」の存在する位置での磁界Hの強度に大きく影響される。例えば、感光ドラム1上での「トナー穂」の結合力と、現像スリーブ41上での「トナー穂」の結合力との差は大きい。また、当然ながら、「トナー穂」の結合力はトナーの透磁率μの特性に大きく影響される。
(磁性トナーの飛翔状態)
本実施例の現像工程における磁性トナー43の飛翔状態を、詳細に分類することで、最近接位置から回転方向下流に至る画像品質に関わる領域を以下に分類・定義する。
上述のとおり、最近接位置では、印加された現像バイアスと潜像電位に基づいて磁性トナー43が往復飛翔している。回転方向下流に移動するにつれ、磁性トナー43の挙動で以下のような分類ができる。
(1)画像領域(先述のVlの領域)・非画像領域(先述のVdの領域)によらず、感光ドラム1と現像スリーブ41の双方の表面に衝突を繰り返している領域。
(2)画像領域から現像スリーブ41上へ戻れなくなる領域。
(3)現像スリーブ41上から非画像領域へ到達できなくなる領域。
(4)非画像領域から現像スリーブ41上へ戻れなくなる領域。
(5)現像スリーブ41上から画像領域へ到達できなくなる領域。
(6)画像領域で磁性トナー43が飛び上がる(動く)ことができなくなる領域。
潜像の電位設定及び現像バイアスのDCバイアス電位Vdcの設定で、上記の(2)、(3)と(4)、(5)が入れ替わることがある。
上記(1)の領域では、感光ドラム1上の潜像に満遍なく磁性トナー43を供給する領域で、濃度の維持に重要な領域である。これを「往復飛翔領域」と呼ぶ。
上記(2)、(3)、(4)及び(5)の領域は、実質的に潜像を顕像化する領域で、不要な部分(非画像領域)から磁性トナー43を取り除き、必要な部分(画像領域)に磁性トナー43を残留させる現像工程の最も重要な領域である。これを「顕像化領域」と呼ぶ。
上記(6)は磁性トナー43を感光ドラム1上で揺動させながら細かな潜像再現を行う領域で、画像領域にある「トナー穂」の結合を緩めて崩す作用や、非画像領域に残ったカブリ・トナーを再配置させ最も近くの画像領域に引き寄せるなどの作用が行われている領域である。これを「トナー再配置領域」と呼ぶ。
本実施例の現像装置4で、現像スリーブ41上に磁性トナー43を担持させた後、感光ドラム1に光を当て、感光ドラム1と現像スリーブ41を回転させずに現像バイアスを加えると、上記(1)から(5)までの領域に相当する部分で、感光ドラム1上に磁性トナー43が付着する。実験的に得やすいため、これを「現像領域」と呼ぶ。
前述の「トナー再配置領域」では、「トナー穂」は、電界によって飛翔(若しくは穂立ち)し、感光ドラム1若しくは現像スリーブ41に着地・衝突(若しくは倒伏)することでその衝撃により崩される。衝突(倒伏)位置の磁界Hによって「トナー穂」は再構築されるが、その磁界Hの強度により、「トナー穂」の大きさ、凝集の度合いが変化していく。当然ながら、「トナー穂」の崩壊は、着地・衝突(若しくは倒伏)する回数が多いほど有利である。上記のような「トナー穂」の揺動がなく、ただ単に感光ドラム1上に付着しているだけでは「トナー穂」はあまり崩れない。
現像工程の最終段階における感光ドラム1上の「トナー穂」の状態が、画像品位に大きく寄与することは、上記特許文献2などで示唆されている。端的に表現すれば、最終的に「トナー穂」が大きく成長せず、小さいほど(可能ならば、トナー粒子単体までに崩れているほど)、潜像再現性に優れる。
逆に、「トナー穂」が十分には崩されず、比較的大きな凝集状態で感光ドラム1上に現像されると、緻密な潜像再現が阻害され、解像度の悪化、ハーフトーン画像の均一性の低下など、画像品質の低下が目立つようになる。また、非画像部に付着した大きな「トナー穂」は、反射光量などの光学測定器で測定した数値以上に、視覚上印象の悪いカブリとなる。現像スリーブ41の外径が小さい場合は、「現像領域」だけでなく「トナー再配置領域」も狭くなり、「トナー穂」の崩壊が進まないため「現像領域」の狭小化に伴う濃度低下傾向と相乗して高品位の画像を得にくい。
(磁性トナーの磁気特性条件)
上記の磁性トナー43の飛翔状態の分類・考察から、本件発明者等は、現像スリーブ41を小径化した際に、良好な画像品質を維持するための磁性トナー43の磁気特性条件を見出した。
画像濃度を維持させるためには、「現像領域」内での磁気拘束力は小さい方がよいが、反転カブリやトナー飛散防止のため、磁性トナー43の磁気拘束力をある限度以上に保つ必要がある。
前述したように、磁気拘束力は、トナーの透磁率μの大きさと磁界の変化(H・∇)Hで定められる。トナーの透磁率μは磁界Hの関数であり、個々の磁性トナー43中に含まれる磁性粒子の種類、量、分散状態によって決まる。望ましい磁気拘束力を得るには、実際の「現像領域」に加えられる磁界Hの強度に近い強度で、磁性トナー43の磁化M(=μH)の大きさを規定する必要がある。
本発明の属する磁性ジャンピング現像法では、一般に「現像領域」の磁束密度が65mTから120mTの範囲内で用いられる。上記の磁束密度が小さ過ぎる(65mTより小さい)場合は、飛翔した磁性トナー43を現像スリーブ41上に引き戻すに十分な磁力が得られず、機内飛散等が悪化するため用いられない。また、上記の磁束密度を大き過ぎる(120mTより大きい)場合は、磁性トナー43を飛翔させるための電界がリーク限界(気中放電閾値)を超えてしまう。実際には、磁束密度を大きくするにはマグネットローラ42の磁性体として保持力の高い材料や貼り合せなどの特殊な構成を選ばねばならず、コストが高くつくだけメリットがあまりない。よって、ほとんどの磁性ジャンピング現像法では、機内飛散等の悪化を押さえられるレベル (上記65mTから120mTの間)の磁束密度を持つマグネットローラ42が、適宜選択される。
以上のことから、本発明では100mTの磁束密度に相当する1000エルステッド(79.6kA/m)で、磁性トナー43の飽和磁化σsを規定した。
小径化された場合でも潜像再現性を維持・向上させるために、狭い「トナー再配置領域」でも効率的に「トナー穂」を崩壊させなければならない。本件発明者等は、着地時(倒伏時)の衝撃でいったん崩れた「トナー穂」が再構成される際の結合力が、磁界Hの強度の減衰に対してより小さくなる磁気特性を持つトナーならば、「トナー穂」は効率的に分解されていくと予測した。結合力はトナーの磁化M(=μH)の自乗に比例する。よって、実際の「トナー再配置領域」に相当する磁界Hの強度の範囲内で、磁界Hの強度の減衰に対する磁化Mの減衰がより大きな磁気特性を持つ磁性トナー43ならば、「トナー穂」の結合力がより小さくなる。
図7中に、実線で本発明の磁性トナー43の典型的なヒステリシス特性を示す(測定方法は後に詳述する)。図中、破線は従来の磁性トナーの典型的なヒステリシス特性である。図中の矢印は、1000エルステッドの磁界から強度を下げて行った場合のプロフィールであることを示す。
本発明の属する磁性ジャンピング現像法では、一般に「トナー再配置領域」の磁束密度はおおよそ50mTから70mTの範囲内にある。よって、図7のヒステリシス・カーブにおいては、50mTの磁束密度に相当する500エルステッドから、70mTの磁束密度に相当する700エルステッドまでの範囲内で、磁化Mの傾きが大きいことが望ましい。トナー中に含まれる強磁性体の磁性粉体は、一般的に磁界Hの強度が大きい領域では磁界Hの強度が小さい領域よりも磁化Mの傾きが小さくなる飽和磁化特性を持っている。図7の破線で表すように、700エルステッドから500エルステッドまでの範囲で磁化Mが減衰せず大きい方に膨らんでいるようなものは、結合力があまり変化せず「トナー穂」の崩壊が進まない。図7の実線で表された本発明の磁性トナー43は、磁化Mの傾きがあまり変わらず、磁界Hの強度に比例するようなプロフィールを持ち、特に、700エルステッドから500エルステッドまでの範囲で磁化Mが減衰する。なお、700エルステッド時の磁化の強さに対する500エルステッド時の磁化の強さは、その比率が小さいほど良い。
上記より磁性トナー43の磁気特性として、700エルステッド及び500エルステッドでの磁化Mを規定する必要があるが、先に規定した1000エルステッドでの飽和磁化σsと、上記で規定しようとする磁化Mは独立ではない。そこで、本発明においては、1000エルステッドでの飽和磁化σsを基準として、飽和磁化σsに対する700エルステッド及び500エルステッドでの磁化Mの割合で規定した。
図8に図7で示したトナーのヒステリシス・カーブを、1000エルステッドでの飽和磁化σsを1として標準化した磁化Mの相対比率で示した。
後述の実施例と比較例で示すように、図中実線で示す本発明の磁性トナー43の含まれるハッチングされた領域に含まれるようなプロフィールを示すトナーは、現像スリーブ41が小径化された現像装置でも好適に用いられる。なお、本発明の規定する磁性トナー43は、図8中の700エルステッドから500エルステッドの範囲の上記ハッチング領域にプロフィールが入っていればよく、他の範囲でハッチング領域から外れても問題はない。逆に、700エルステッドから500エルステッドの範囲で、上記ハッチング領域から外れたプロフィールを示すトナーは、「トナー穂」の崩壊が進みにくいトナーであり、小径化された現像装置には好ましくない。なお、上記ハッチング領域の下限は、1000エルステッドでの飽和磁化σsと原点を結ぶ線(磁界Hの強度に完全に比例する線)から成る。通常の強磁性体でこの線を下回る物性を持つものはない。
(磁性トナーの円形度)
なお、「トナー穂」の崩壊のしやすさは、磁性トナー43の球形度(円形度)に強く依存する。真球でない磁性トナーでは、磁化の方向が磁気モーメントの最も大きくなる長軸半径方向に揃いやすい。また、このような多数の真球でない磁性トナーが、外部磁界中で凝集すると、図9(A)に示すように、磁界Hの方向に軸をそろえて密に凝集した「トナー穂」になり、崩壊しにくい。これに対し、真球に近い磁性トナー43は、形状に関して磁気的異方性はほとんどないため、図9(B)に示すような(A)よりも凝集度の低い「トナー穂」になり、崩壊しやすい。
また、崩れて個々のトナー粒子までに崩壊した場合は、磁性トナーが真球に近いほど転動しやすく、「トナー再配置領域」で電界により揺動されると、比較適容易に感光ドラム1上を移動できると予想される。特に感光ドラム1上の画像領域と非画像領域の電位差の影響を受けられる状態ならば、カブリ・トナーとして非画像領域上に付着した磁性トナーは、真球に近いほど画像領域へ引き寄せられる可能性が高くなると推定される。
前述の磁気特性を有する磁性トナーでも、円形度が低い場合は、潜像再現性はあまり向上しない。本実施例の磁気特性を有し円形度が0.960以上である磁性トナー43は、少数のトナー粒子からなるトナー凝集体、若しくは単独のトナー粒子の比率が高い状態まで「トナー穂」が崩壊し、感光ドラム1上で容易に移動・再配置できる状態になったものと思われる。
(磁性トナーの製造方法)
本発明の磁性トナー43は、公知のいずれの方法によっても製造することが可能である。
粉砕法により製造する場合を説明する。
まず、結着樹脂、磁性粉体、離型剤、荷電制御剤等を混合器により十分混合し、熱混練機を用いて溶融混練することで互いに相溶させた樹脂母体を作る。必要に応じて着色剤等の磁性トナー43として必要な成分及びその他の添加剤を加えてもよい。上記混合器としては、ヘンシェルミキサー、ボールミル等が用いられる。熱混練機としては、熱ロールニーダー、エクストルーダー等が用いられる。
上記の樹脂母体中に磁性粉体等の他の磁性トナー材料を分散又は溶解させ、冷却固化して粉砕し、その後、分級、表面処理を行ってトナー粒子を得る。分級及び表面処理の順序はどちらが先でもよい。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
上記の粉砕工程として、機械衝撃式、ジェット式等の公知の粉砕装置を用いた方法がある。特定の円形度(0.950以上)を有するトナーを得るためには、さらに熱をかけて粉砕する処理、或いは補助的に機械的衝撃力を加える処理等を行うことが望ましい。また、微粉砕されたトナー粒子を熱水中に分散させる方法(湯浴法)、若しくは、熱気流中を通過させる方法などを用いても良い。
上記の粉砕工程で機械的衝撃力を加える手段としては、例えば川崎重工社製のクリプトロンシステムやターボ工業社製のターボミル等の機械衝撃式粉砕機がある。また、高速回転する羽根によりトナーに機械的衝撃力を加える手段として、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムや奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等がある。機械的衝撃手段を用いる場合において、処理温度をトナーのガラス転移点(Tg)付近の温度(Tg±10℃)とすることが、凝集防止、生産性の観点から好ましい。
本発明に関わるトナーを粉砕法により製造する場合の結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックスなどが単独或いは混合して使用できる。特に、スチレン系共重合体及びポリエステル樹脂が現像特性、定着性等の点で好ましい。
上述のように、円形度の高い磁性トナー43を粉砕法によって製造する場合は、円形度を向上させるために、機械的・熱的或いは何らかの特殊な処理を行うことが必要となる。
これに対し、分散重合法、会合凝集法、懸濁重合法等、湿式媒体中でトナーを製造する化学的造粒法は、直接的に円形度の高い磁性トナー43を形成することができ、生産性、形状特性ともに優位である。特に懸濁重合法は、本発明で所望される条件を満たし易い。
懸濁重合法により製造する場合を説明する。
先ず、重合性単量体及び着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物とする。この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有した連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得る。
上記重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、又は混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、或いは他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
上記、重合性単量体組成物に樹脂を添加して重合しても良い。例えば、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基等親水性官能基含有の重合性単量体成分は、水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できない。これらの重合性単量体成分をトナー中に導入したい時には、これらとスチレン或いはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、或いはグラフト共重合体等、共重合体の形にすることで使用が可能となる。また、ポリエステル、ポリアミド等の重縮合体、ポリエーテル、ポリイミン等重付加重合体の形で使用してもよい。こうした極性官能基を含む高分子重合体をトナー中に共存させると、前述のワックス成分を相分離させ、より内包化が強力となり、耐ブロッキング性、現像性の良好なトナーを得ることができる。
磁性粉体は上記の着色剤の1つとして、重合性単量体組成物の中に分散させられる。しかしながら、通常の磁性粉体は分散性が悪く、さらに、分散媒体である水と磁性粉体との相互作用が強いことにより、所望の円形度や粒度分布を有するトナーが得られ難かった。そこで、使用される磁性粉体の表面の親水特性を改質し、カップリング剤で疎水化処理したものが用いられるようになった。磁性粉体表面を疎水化する際には、水系媒体中で、磁性粉体を一次粒径となるように分散しつつ、カップリング剤を加水分解しながら表面処理する方法を用いることが好ましい。さらには、水溶液中で製造した磁性体を洗浄後、乾燥させずに疎水化処理する事が非常に好ましい。
磁性粉体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、下記一般式で示されるものである。
RmSiYn
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。ただし、m+n=4である。]
上記一般式で表されるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
特にこの中で、十分な疎水性を得る為に下記式で示されるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を用いることが好ましい。
CpH2p+1−Si−(OCqH2q+1)3
[式中、pは2〜20の整数を示し、qは1〜3の整数を示す。]
その処理量は磁性粉体100質量部に対して、シランカップリング剤の総量が0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部であり、磁性粉体の表面積、カップリング剤の反応性等に応じて処理剤の量を調整することが好ましい。
粉砕法、化学的造粒法に拠らず、磁性トナー43に用いられる磁性粉体は、四三酸化鉄、γ−酸化鉄の如き酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性粉体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2〜30m/gであることが好ましく、特に3〜28m/gであることがより好ましい。また、モース硬度が5〜7のものが好ましい。磁性粉体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、燐片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。なお、磁性粉体の形状はSEM或いはTEMなどによって確認することが出来、形状に分布がある場合は、存在する形状の内、最も多い形状をもって該磁性粉体の形状とする。
磁性粉体の体積平均粒径としては0.05〜0.40μmが好ましい。体積平均粒径が0.05μm未満の場合、磁性粉体の表面積が増えることにより磁性粉体の残留磁化が大きなものとなり、結果としてトナーの残留磁化も大きくなるので好ましくない。一方、体積平均粒径が0.40μmを超えると残留磁化は小さくなるものの、個々のトナー粒子に均一に磁性粉体を分散させることが難しく、分散性が低下しやすくなるため、好ましくない。
なお、磁性粉体の体積平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性粉体粒子径を測定する。サンプルは、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片化して作成した。そして、磁性粉体の投影面積に等しい円の相当径をもとに、体積平均粒径の算出を行った。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
本発明の磁性トナー43に用いられる磁性粉体は、結着樹脂100質量部に対して、10〜200質量部を用いることが好ましい。さらに好ましくは20〜180質量部を用いることが良い。10質量部未満ではトナーの着色力が乏しく、200質量部を超えると、個々のトナー粒子への磁性粉体の均一な分散が難しくなるだけでなく、トナー一粒当りの残留磁化も増えるので好ましくない。
なお、磁性粉体のトナー含有量の測定は、パーキンエルマー社製熱分析装置:TGA7を用いて測定することができる。測定方法は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温から900℃まで、トナーを加熱し、100℃から750℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とし、残存重量を近似的に磁性粉体量とする。
(測定方法)
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
(1)平均円形度
本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものである。本発明では東亞医用電子製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」を用いて測定を行い、3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を下式(1)によりそれぞれ求めた。さらに下式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度(C)と定義する。
Figure 2008096827
Figure 2008096827
本発明で用いている測定装置である「FPIA−1000」は、以下の算出法を用いている。つまり、各粒子の円形度を算出後、平均円形度及びモード円形度の算出に当たって、粒子を得られた円形度によって、円形度0.40〜1.00を0.01毎に61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う。この算出法で算出される平均円形度は、上述した各粒子の円形度を総和する算出方式(2)と若干異なるが、算出される平均円形度及びモード円形度の各値と式(2)の誤差は小さく、実質的には無視出来る程度のものであるためこれを用いた。統計の取り方が異なるだけで、算出式の概念はどちらの算出法も同じである。測定手順としては、以下の通りである。
界面活性剤約0.1mgを溶解している水10mlに、磁性トナー43約5mgを分散させて分散液を調製する。次いで、超音波(20kHz、50W)を分散液に5分間照射し、分散液濃度を5000〜2万個/μlとして、前記装置により測定を行い、おおよその円相当径が3μm以上の粒子群から平均円形度を求める。
本発明における平均円形度とは、磁性トナー43の投影像が完全な円形からどれだけ歪んでいるかの指標であり、磁性トナー43が完全な球形の場合1.000を示し、磁性トナー43の表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。
なお、本測定において3μm以上の円相当径の粒子群についてのみ円形度を測定する理由は、3μm未満の円相当径の粒子群にはトナー粒子とは独立して存在する外部添加剤の粒子群の影響を排除し、より正確にトナー粒子の円形度を求めるためである。
(2)磁気特性
本発明において磁性トナー43の飽和磁化σs及びヒステリシス・カーブを、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定する。25℃の室温にて、79.6kA/m(1000エルステッド)の強度の外部磁場を印加して飽和磁化σsを測定した後に、徐々に外部磁場の強度を下げて外部磁場がゼロとなるまでのヒステリシス・カーブを記録する。印加される外部磁場の強度を79.6kA/m(1000エルステッド)としたのは、通常、磁性ジャンピング現像法で用いられる現像スリーブ41上の磁界強度が1000エルステッド前後となることが多いため、基準として選んだ。
上記のヒステリシス・カーブより、外部磁場が55.7kA/m(700エルステッド)との39.8kA/m(500エルステッド)の時の磁性トナー43の磁化を読み出す。
(3)平均粒径及び粒度分布
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いた。電解液としては、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用し、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製したものを用いた。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5mlを加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。次いで、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の個数を測定して個数分布とを算出し、それから数平均粒径(D)を求める。
(4)現像極近傍の磁界強度分布
現像スリーブ41上から感光ドラム1上に渡る磁界強度は、現像スリーブ41の回転中心を原点とし、現像スリーブ41と感光ドラム1の最近接位置を基準とした極座標系で測定する。測定器は、ガウスメーター(F.W.Bell社製)を用いた。
磁界発生手段であるマグネット42を現像スリーブ41の回転中心と重なる軸で回転できる冶具を用意し、前記ガウスメーターのプローブを所定の法線方向距離(例えば、現像スリーブ41の外径と重なる位置=原点から「外径/2」離れた位置)に固定設置する。現像スリーブ41と感光ドラム1の最近接位置に相当する位置を角度基準(0°)として定め、冶具上のマグネット3を所定の角度毎に回転して、ガウスメーターの値を記録する。
磁界の法線方向成分は、プローブの向きを原点(回転中心)向けて測定し、磁界の接線方向成分は、プローブの向きを(原点を通る)法線に対して直角に向けて測定する。上記、磁界の法線方向成分と接線方向成分から、測定点での磁界の強度、向きを求める。
(製造例及び実施例)
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明する。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
<1>磁性粉体の製造
<表面処理磁性粉体1の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で1.5質量%のヘキサメタリン酸ソーダ、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約4.5に調製し、十分攪拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄に対し1.6質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、分散液のpHを約10にし、縮合反応を行い、カップリング処理を行った。生成した疎水性磁性粉体を常法により洗浄、濾過、乾燥し、得られた粒子を十分解砕処理し、体積平均粒径が0.18μmの球形の表面処理磁性粉体1を得た。得られた表面処理磁性粉体1の物性を表1に示す。なお、表中の磁性体の残留磁化σrは、外部磁場を79.6kA/m(1000エルステッド)とした場合の測定値である。
<表面処理磁性粉体2、3の製造>
表面処理磁性粉体1の製造において、反応条件を変えて粒径が異なるマグネタイトをそれぞれ製造した。得られた表面処理磁性粉体2及び3の物性を表1に示す。
<表面処理磁性粉体4、5、6の製造>
表面処理磁性粉体1の製造において、反応時のpH及び反応条件を変えて表面処理磁性粉体4、5、6を得た。得られた表面処理磁性粉体4、5、6の物性を表1に示す。
Figure 2008096827
<2>荷電制御樹脂の製造
反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部及び2−プロパノール100部、モノマーとしてスチレン83部、2−エチルヘキシルアクリレート12部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸4部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.45部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を滴下装置で30分かけて滴下して5時間撹拌を継続し、更にt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.28部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、更に5時間撹拌して重合を終了した。重合溶媒を減圧留去した後に得られた重合体を150メッシュのスクリーンを装着したカッターミルを用いて100μm程度に粗粉砕し荷電制御樹脂1を得た。この荷電制御樹脂の数平均分子量は8000、重量平均分子量は26000、ガラス転移温度(Tg)は76℃であった。
<3>磁性トナーの製造
<磁性トナー(1)の製造>
イオン交換水720質量部に0.1モル/l−Na3PO4水溶液450質量部を投入し60℃に加温した後、1.0モル/l−CaCl2水溶液67.7質量部を添加して分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 83質量部
・n−ブチルアクリレート 17質量部
・飽和ポリエステル樹脂 3質量部
(Mn=10000、Mw/Mn=2.6、酸価=12mgKOH/g、Tg=72℃)
・荷電制御樹脂1 1質量部
・表面処理磁性粉体1 90質量部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。この単量体組成物を60℃に加温し、エステルワックス(DSC最大吸熱ピーク72℃)10質量部を添加混合溶解し、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で8時間反応させた。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてpH=2以下で分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥して磁性トナー(1)を得た。
このトナー粒子1を100質量部と、BET比表面積が120m/gの疎水性シリカ微粉体(数平均1次粒径12nmのシリカをヘキサメチルジシラザンで処理後にシリコーンオイルで処理したもの)1.0質量部と数平均粒径が0.15μmのPMMA樹脂粒子0.1質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、数平均粒径が6.5μmの磁性トナー(1)を調製した。磁性トナー(1)の物性を表2に示す。
<磁性トナー(2)の製造>
磁性トナー1の製造において、表面処理磁性粉体1に変えて表面処理磁性粉体2を用い、分散安定剤の量を調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にし、磁性トナー(2)を製造した。
<磁性トナー(3)の製造>
磁性トナー1の製造において、表面処理磁性粉体1に変えて表面処理磁性粉体3を用い、分散安定剤の量を調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にし、磁性トナー(3)を製造した。
<磁性トナー(4)の製造>
磁性トナー1の製造において、表面処理磁性粉体1に変えて表面処理磁性粉体4を用い、分散安定剤の量を調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にし、磁性トナー(4)を製造した。
<磁性トナー(5)の製造>
磁性トナー1の製造において、表面処理磁性粉体1に変えて表面処理磁性粉体5を用い、分散安定剤の量を調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にし、磁性トナー(5)を製造した。
<磁性トナー(6)の製造>
磁性トナー1の製造において、表面処理磁性粉体1に変えて表面処理磁性粉体6を用い、分散安定剤の量を調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にし、磁性トナー(6)を製造した。
磁性トナー(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の物性を表2に示す。
Figure 2008096827
画像の濃度、カブリ、解像度を許容範囲とするために、磁性トナーは以下の磁気特性をもつことが良いことがわかった。即ち、トナーに79.6kA/m(1000エルステッド)の磁場を加えた際の飽和磁化σsが、20Am2/kg以上37Am2/kg以下である。また、磁場を55.7kA/m(700エルステッド)まで下げた時のトナーの磁化が、飽和磁化σsの70%以上、80%以下、磁場を39.8kA/m(500エルステッド)まで下げた時のトナーの磁化が、飽和磁化σsの50%以上、62%以下である。
以上のような磁気特性を求めるために、磁性トナーの磁気特性をいろいろと変化させて実験を行なった結果を以下に詳細に説明する。
<評価用現像装置の作成>
表3に示すように、レーザービームプリンターLBP−1210(キヤノン製)のカートリッジにおいて、現像装置4の現像スリーブ41の外径を10mmと8mmに改造したカートリッジ(1)及び(2)を作成した。
現像スリーブ41のトナーコート面には、下記の構成からなるコート層を形成した。
・フェノール樹脂 100質量部
・グラファイト(粒径約7μm) 90質量部
・カーボンブラック 10質量部
また、上記の構成のコート層を形成した外径12mmの現像スリーブを持つカートリッジ(3)を作成した。
また、比較のため、レーザービームプリンターLBP−1310(キヤノン製)のカートリッジにおいて、上記の構成のコート層を形成した外径16mmと12mmの現像スリーブを持つカートリッジ(4)及び(5)を作成した。
最近接SD間隔Gは、どのカートリッジにおいても300μmとなるように設定した。また、現像ブレード44として厚み1.0mm、自由長0.70mmのウレタン製ブレードを39.2N/m(40g/cm)の線圧となるように当接させた。
Figure 2008096827
<実施例1>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表2の磁性トナー(1)を充填したものを、レーザービームプリンターLBP−1210(キヤノン製)に挿入し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)において、1000枚の画出し試験を行った。耐久用の画像として、印字率4%のA文字(8ポイント)画像を用いた。記録媒体としては75g/m2のA4紙を使用した。
感光ドラム1上の潜像電位を、Vd=−600(V)、Vl=−150(V)とした。また、現像バイアス電位を、Vpp=1600(V)とし、暫定的なDCバイアス成分として、Vdc=−450(V)、 (Vmax=−1250(V)、Vmin=+350(V))に設定した。Vdcは、1000枚の画出し試験の前に、印字紙中央と四隅に印字した5mm角の黒画像のマクベス反射濃度計(マクベス社製)による計測値が、おおよそ1.4となるように調整した。
・画像濃度
画像濃度は、1000枚の画出し試験前と試験後に、印字紙全面にベタ画像部を形成し、このベタ画像をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定を行った。
・カブリ
1000枚の画出し試験前と試験後に、白画像を出力し紙上カブリの測定を行い、以下の基準で判断した。なお、カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、カブリは下式(3)より算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%) (3)
なお、カブリの判断基準は以下の通りである。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上、2.5%未満)
C:普通(2.5%以上、4.0%未満)
D:悪い(4.0%以上)
・解像度
1000枚の画出し試験前と試験後に、微細文字、細線の入った数種類のテストチャート(ex.電子写真学会テストチャートR−1など)を複数出力し、評価を行った。
評価結果を表4に示す。なお、表4の濃度は測定サンプル中で最も低いもの、カブリは測定サンプル中で最も高いものの値である。
<実施例2、3>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表2の磁性トナー(2)、(5)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。
<実施例4、5、6>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(2)を用い、表2の磁性トナー(1)、(2)、(5)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。カートリッジ(2)はスリーブ径が最も小さく、内包しているマグネットの磁界も弱いため、比較的に磁化の低い磁性トナー(1)では、若干カブリが出ているが許容範囲内である。なお、現像スリーブの直径を本実施例の8mmよりも小さくすると、画像の濃度低下、もしくはカブリが許容範囲外となってしまった。よって、現像スリーブの直径は8mm以上とするのが良い。
<実施例7、8、9>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(3)を用い、表2の磁性トナー(1)、(2)、(5)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。
上記の実施例1から9では、磁性トナー(1)を用いた例で、ややカブリが多めだが、解像度や階調性は問題ない。また、磁性トナー(5)は、濃度がやや薄く、階調性が若干劣るものの許容レベルである。
<比較例1、2、3>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表2の磁性トナー(3)、(4)、(6)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。
何れも濃度、カブリは許容範囲内だが、細線再現性やハーフトーンの階調性などが劣り、好ましくない。
<比較例4、5>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(2)を用い、表2の磁性トナー(3)、(4)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。
何れもカブリは許容範囲内だが、濃度は薄めである。特に、磁性トナー(4)は、ハーフトーンの階調性の劣化が目立ち、細線も薄くボケた印象を与え、好ましくない。
<比較例6、7>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(3)を用い、表2の磁性トナー(3)、(4)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。
何れも濃度、カブリは許容範囲内だが、細線再現性やハーフトーンの階調性などが劣る。比較例1、2と同じレベルで好ましくない。
<比較例8、9、10>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(4)を用い、表2の磁性トナー(3)、(4)、(6)を充填したものを用いた。レーザービームプリンターLBP−1310(キヤノン製)に挿入し、常温常湿環境下(23℃、60%RH)において、1000枚の画出し試験を行った。
感光ドラム1上の潜像電位は、実施例1と同様にVd=−600(V)、Vl=−150(V)とした。また、現像バイアス電位を、Vpp=1600(V)とし、暫定的なDCバイアス成分として、Vdc=−450(V)に設定した。Vdcは、実施例1と同様に5mm角の黒画像のマクベス反射濃度計(マクベス社製)による計測値が、おおよそ1.4となるように調整した。その他、耐久用の画像、記録媒体も実施例1と同様とした。結果を表4に示す。
何れもハーフトーンの階調性などが劣るが許容範囲内である。ただし現像スリーブの直径が16mmであるため、小型化として求められている直径12mm以下に対して、装置は大型化し、好ましくない。
<比較例11、12、13>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(5)を用い、表2の磁性トナー(3)、(4)、(6)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表4に示す。
比較例1、2、3とほぼ同様な傾向を示し、細線再現性やハーフトーンの階調性などが劣り、好ましくない。
比較例8、9、10と対比すると、比較例8、9、10の場合は、現像スリーブ径が大きいため、「トナー再配置領域」での細線の再現やハーフトーンの階調を補う時間的、空間的余裕があるが、比較例11、12、13ではその余裕が与えられていないことを示すものと推察される。
Figure 2008096827
<磁性トナー(7)の製造>
磁性トナー(1)の製造にて用いた表面処理磁性粉体1の含有量を90質量部から、70質量部に調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にして、磁性トナー(7)を製造した。磁性トナー(7)の物性を表5に示す。
<磁性トナー(8)の製造>
磁性トナー(2)の製造にて用いた表面処理磁性粉体2の含有量を90質量部から、70質量部に調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にして、磁性トナー(8)を製造した。磁性トナー(8)の物性を表5に示す。
<磁性トナー(9)の製造>
磁性トナー(1)の製造にて用いた表面処理磁性粉体1の含有量を90質量部から、120質量部に調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にして、磁性トナー(9)を製造した。磁性トナー(9)の物性を表5に示す。
<磁性トナー(10)の製造>
磁性トナー(1)の製造にて用いた表面処理磁性粉体1の含有量を90質量部から、120質量部に調整したこと以外は磁性トナー(1)の製造と同様にして、磁性トナー(10)を製造した。磁性トナー(10)の物性を表5に示す。
<磁性トナー(11)の製造>
・スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比83/17) 100質量部
・磁性トナー(1)の製造で用いた飽和ポリエステル樹脂 3質量部
・荷電制御樹脂1 1質量部
・表面処理磁性粉体1 90質量部
・磁性トナー1の製造で用いたエステルワックス 10質量部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練して混練物を得る。冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで更に微粉砕後、得られた微粉砕物を風力分級して磁性トナー粒子を得た。この磁性トナー粒子を100質量部に対して磁性トナー(1)の製造で使用したシリカ1.0質量部、数平均粒径が0.15μmのPMMA樹脂0.1質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、数平均粒径が6.5μmの磁性トナー(11)を調製した。磁性トナー(11)の物性を表5に示す。
<磁性トナー(12)の製造>
磁性トナー(11)の製造で得た磁性トナー粒子をハイブリタイザー(奈良機械社製)を用い、6000回転で3分間の処理を3回行い磁性トナー粒子(12)を得た。この磁性トナー粒子100質量部に対して磁性トナー(1)の製造で使用したシリカ1.0質量部、数平均粒径が0.15μmのPMMA樹脂0.1質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合し、磁性トナー(12)を調製した。磁性トナー(12)の物性を表5に示す。
Figure 2008096827
<実施例10、11>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表5に記載の磁性トナー(7)、(8)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。結果を表6に示す。
実施例10では、カブリと解像度の低下が若干あるが許容範囲内である。実施例11では、ベタ濃度が若干低いが許容範囲内である。
<比較例14、15>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表5に記載の磁性トナー(9)、(10)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。結果を表6に示す。
比較例14では、カブリが酷く、機内飛散も若干ながら生じた。磁性トナー(9)の磁化が低いためと思われる。比較例15では、カブリ、解像度ともに良好であったが、ベタ濃度が出ず、ハーフトーンの階調性が十分でない。磁性トナー(10)の磁化が高すぎるためと推察される。
<実施例12>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表5に記載の磁性トナー(12)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。結果を表6に示す。
<比較例16>
評価用現像装置として表3のカートリッジ(1)を用い、表5に記載の磁性トナー (11)を充填したものを用い、実施例1と同様に画出し試験を行った。その結果を表6に示す。
比較例16では、カブリ、解像度ともに劣る。磁性トナー(12)との物性的な差異は、形状度(円形度)しかないため、この差異による効果が顕著に現れていると推察される。
Figure 2008096827
上述のように、79.6kA/m(1000エルステッド)の磁場を加えた際の飽和磁化σsが、20Am2/kg未満であると、十分な磁気拘束力が得られず望ましくない。また、38Am2/kgを超えると磁気拘束力が強すぎて望ましくない。
よって、本発明の磁性トナーの磁気特性として、79.6kA/m(1000エルステッド) の磁場を加えた際の飽和磁化σsが、37Am2/kg以下、20Am2/kg以上である必要がある。より好適には、上記飽和磁化σsが、33Am2/kg以下、25Am2/kg以上であることが望ましい。
また、磁場を55.7kA/m(700エルステッド)まで下げた時の磁化が、飽和磁化σsの70%以上、80%以下、磁場を39.8kA/m(500エルステッド)まで下げた時の磁化が、飽和磁化σsの50%以上、62%以下が、現像再現性を維持するために必要である。また、700エルステッド時の磁化に対する500エルステッド時の磁化の強さが、75%以下となる条件では、より好適に解像度や潜像再現性が良化する。
また、磁性トナーの平均円形度が低い場合には、解像度が悪化傾向にあるため、磁性トナーの平均円形度0.960以上であることが望ましい。
本発明に係る現像装置を備えた画像形成装置の一実施例を示す概略構成図である。 潜像設定の一実施例を示す説明図である。 現像バイアスの一実施例を示す説明図である。 磁性トナーの挙動を示す説明図である。 磁性トナーの挙動を示す説明図である。 磁性トナーの挙動を示す説明図である。 磁性トナーの磁気特性を示す説明図である。 磁性トナーの磁気特性を示す説明図である。 磁性トナーの形状の影響を示す説明図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
2 一次帯電器(帯電手段)
3 露光装置
4 現像装置
40 現像容器
41 現像スリーブ(現像剤担持体)
42 マグネットローラ(磁界発生手段)
43 磁性トナー(現像剤)
44 規制部材
8 プロセスカートリッジ
9 高圧電源(現像バイアス印加手段)

Claims (5)

  1. 静電潜像が形成される像担持体より所定の間隔を持って配置され、磁性一成分現像剤を担持し搬送し、像担持体に形成された静電潜像を可視像とするための円筒状の現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に内包される磁界発生手段と、を有し、
    前記像担持体と前記現像剤担持体の間に交番電界が形成される現像装置において、
    前記現像剤担持体の外径が8mm以上、12mm以下であり、
    前記磁性一成分現像剤は、
    1000エルステッドの磁場を加えた際の飽和磁化が、20Am2/kg以上、37Am2/kg以下、
    磁場を700エルステッドまで下げた時の磁化が、飽和磁化の70%以上、80%以下、
    磁場を500エルステッドまで下げた時の磁化が、飽和磁化の50%以上、62%以下であり、
    平均円形度が0.960以上であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像装置は、前記像担持体を備えた画像形成装置本体に対して着脱可能とされることを特徴とする請求項1の現像装置。
  3. 画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
    少なくとも、像担持体と現像装置とを備え、前記現像装置は、請求項1に記載される現像装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. 像担持体と、前記像担持体上に形成された静電潜像を現像して可視像とする現像装置と、を有する画像形成装置において、
    前記現像装置は、請求項1又は2に記載される現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 画像形成装置本体に対してプロセスカートリッジが着脱可能とされた画像形成装置において、
    前記プロセスカートリッジは、請求項3に記載されるプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
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