JP2005156987A - 磁性1成分トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 磁性1成分ジャンピング現像方式で、かつ現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが比較的小さい現像システムにおいて、スリーブ上のトナー薄層を安定して形成することが可能であり、初期はもちろんのこと長期にわたって安定した画像品質を得ることができる磁性1成分トナーを提供することである。
【解決手段】 潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式で、かつ前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm未満である現像システムにおいて使用する静電潜像現像用磁性1成分トナーであって、測定磁場79.6kA/m(1kOe)における該トナーの残留磁化が2.0Am2/kg以上10.0Am2/kg未満、かつ飽和磁化が20.0Am2/kg以上35.0Am2/kg未満、かつスリーブ上のトナー帯電量が3.0μC/g 以上8.0μC/g以下である。
【選択図】 なし
【解決手段】 潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式で、かつ前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm未満である現像システムにおいて使用する静電潜像現像用磁性1成分トナーであって、測定磁場79.6kA/m(1kOe)における該トナーの残留磁化が2.0Am2/kg以上10.0Am2/kg未満、かつ飽和磁化が20.0Am2/kg以上35.0Am2/kg未満、かつスリーブ上のトナー帯電量が3.0μC/g 以上8.0μC/g以下である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、静電印刷法などにおいて形成される静電荷像(静電潜像)を現像するための乾式磁性1成分トナーに関するものである。
一般に、電子写真法又は静電記録法等においては、光導電性感光体又は誘電体等よりなる潜像担持体上にコロナ帯電等により帯電させた感光体上にレーザ、LED等により露光して形成された静電潜像をトナーなどの現像剤を用い、可視化して又は静電潜像を反転現像により可視化して高品質な画像を得ている。一般に、これらの現像法に適用するトナーには、バインダーとしての熱可塑性樹脂に、着色剤や帯電制御剤として染料、顔料、離型剤としてワックス、磁性材料を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜15μmのトナー粒子としたものが用いられる。そして、トナーに流動性を付与したり、トナーの帯電制御を行なったり、クリーニング性を向上させる目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末、無機金属微粉末が添加される。
ところで、現在、実用化されている種々の静電複写方式における乾式現像法としては、トナーおよび鉄粉などのキャリアを用いる二成分現像方式と、キャリアを用いずトナー内部に磁性体を含有する磁性一成分現像方式が知られている。
また、多くの静電潜像の現像方法が開発され、実用化されている。例えば下記特許文献1に記載されている磁気ブラシ法、下記特許文献2に記載されているカスケード現像法及びパウダークラウド法、ファーブラシ現像法等多数の現像法が知られている。これらの中でも、特にトナーとキャリアを主体とする2成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が広く実用化されている。これらの2成分現像剤を用いる方法は、初期的には、比較的安定して良質の画像を提供することが出来るが、長期にわたり使用する場合、キャリアの劣化、すなわちスペント現象が起こり、キャリアの帯電付与能力が低下して長期間に渡り良質な画像が得られない等の問題や、トナーとキャリアの混合比率が一定に保ちにくいため長期耐久性に欠けるという共通の欠点を有する。
また、多くの静電潜像の現像方法が開発され、実用化されている。例えば下記特許文献1に記載されている磁気ブラシ法、下記特許文献2に記載されているカスケード現像法及びパウダークラウド法、ファーブラシ現像法等多数の現像法が知られている。これらの中でも、特にトナーとキャリアを主体とする2成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が広く実用化されている。これらの2成分現像剤を用いる方法は、初期的には、比較的安定して良質の画像を提供することが出来るが、長期にわたり使用する場合、キャリアの劣化、すなわちスペント現象が起こり、キャリアの帯電付与能力が低下して長期間に渡り良質な画像が得られない等の問題や、トナーとキャリアの混合比率が一定に保ちにくいため長期耐久性に欠けるという共通の欠点を有する。
係る欠点を回避するため、トナーのみからなる一成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されており、なかでも磁性トナーを採用した磁性一成分現像方式が一般によく知られ、活用されている。
一成分磁性トナーを使用する現像方法としては、下記特許文献3に開示されている導電性磁性トナーによる現像方法が知られている。これは内部に磁性を有する円筒状の導電性現像剤担持体上に導電性磁性トナーを保持し、これを静電潜像に接触させて現像するものである。この際、現像部において、潜像担持体表面とスリーブ表面の間にトナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経てスリーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電潜像の画像部との間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付着して現像される。この方法では、トナーが導電性であるため、潜像保持体上のトナー像を被印刷媒体(例えば普通紙)に電界を利用して静電気的に転写することが困難であるという問題や、各工程での導電性トナーに由来する不具合現象から、長期にわたり高画質を得ることが難しいという問題、また潜像担持体への電気的リーク破壊という問題などを有している。
また、絶縁性トナーを用いた方式が下記特許文献4等において、提案されている。この方式は、磁性1成分ジャンピング方式と呼ばれるものであって、静電潜像保持体に対向して現像剤担持体が設けられ、この現像剤担持体は磁石ローラを内蔵した現像スリーブを有しており、この現像スリーブの回転によりトナーを搬送し、現像スリーブと磁性ブレードとの隙間を通過させてトナー薄層を形成し、帯電したトナーにより静電潜像保持体の表面の静電潜像を現像する。この方式は、地カブリが防止されるなどの利点を有し、優れた画像が得られるものである。
このように磁性一成分現像方法を用いることにより、2成分現像剤での長期耐久性の欠如という問題点を解決することができる。また、このような現像方法に用いられる現像機の特徴として、非常に小さくかつ簡単な構成をとり得るということが挙げられる。
ところで、近年では、電子写真法、静電印刷法によるコピー機やプリンタ等の市場は、印刷の高速化とマシンの小型化が著しく進んでいる。印刷速度の高速化により、印刷速度に合わせた画像特性、つまり帯電特性の安定化したものでなくてはならない。マシンの小型化が進む中低速機は、電源を入れた後のウォーミングアップ時間が短いため、初期帯電が良好で、かつ帯電特性を長期にわたり安定して維持できることが求められている。つまり、長期間、安定してスリーブ上に綺麗なトナー薄層を形成することが求められている。
また、プリンタ、複写機など事務機器が更なる高速化・小型化の方向に進んでいる中、高解像度・高画質・高耐久性が当然の性能として求められている。高解像度、高画質、高耐久、環境変動への対応などはスリーブ上のトナー薄層形成が鍵を握っていることは言うまでもなく、特に磁性1成分ジャンピング方式を採用し、スリーブの十点平均粗さRzが比較的小さい現像剤担持体のシステムでは、トナー薄層が高画質、高耐久性を決めると言っても過言ではない。
ところが、そのようなシステムを採用した高速機、小型機などは、スリーブ上トナー薄層形成の長期安定性を確保することが、長期使用、環境変動(特に低温低湿環境下)、すばやいウォームアップタイムなどの要因で難しくなっており、スリーブ上のトナー薄層の乱れが生じたり、縦筋上のトナー薄層抜けが発生するなどの不具合により、画像の劣化と長期安定性、つまり高解像度、高画質、高耐久性を提供できないという問題が生じてしまう。そのため、下記特許文献5,6などでは、安定した画質を得ようとしている。
しかしながら、磁気拘束力不足な場合、すなわち残留磁化および飽和磁化が小さい場合、カブリが生じたり、トナー薄層形成が困難などの不具合があり、長期にわたり高解像度、高画質を実現するには至っていない。
米国特許第2,874,063号明細書
米国特許第2,618,552号明細書
米国特許第3909258号明細書
特開昭55−18656号公報
特開2002−82528号公報
特許第2774697号公報
したがって、本発明の課題は、磁性1成分ジャンピング現像方式で、かつ現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが比較的小さい現像システムにおいて、スリーブ上のトナー薄層を安定して形成することが可能であり、初期はもちろんのこと長期にわたって安定した画像品質を得ることができる磁性1成分トナーを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、上記の現像システムでは、トナーの残留磁化および残留磁化を所定の範囲内とし、かつスリーブ上のトナー帯電量を所定範囲とすることにより、スリーブ上にトナー薄層を安定して形成できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の磁性1成分トナーは、潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式で、かつ前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm未満である現像システムにおいて使用する静電潜像現像用磁性1成分トナーであって、測定磁場79.6kA/m(1kOe)における該トナーの残留磁化が2.0Am2/kg以上10.0Am2/kg未満、かつ飽和磁化が20.0Am2/kg以上35.0Am2/kg未満、かつスリーブ上のトナー帯電量が3.0μC/g 以上8.0μC/g以下であることを特徴とする。また、潜像担持体としてアモルファスシリコンドラムを用いるのが好ましい。
本発明の磁性1成分トナーによれば、磁性1成分ジャンピング現像方式特有のスリーブ上のトナー薄層形成を安定して形成することが可能となり、その結果、初期はもちろんのこと長期にわたって安定した画像品質を得られるという、極めて優れた効果を期待することができる。
本発明における現像プロセスは、潜像保持体上に対向して設けられ、内部に磁石ローラを内蔵した現像スリーブ表面を有する現像剤担持体を用いて、前記現像スリーブの回転によりトナーを搬送し、磁性ブレードと現像スリーブとの間を通過させることにより、現像スリーブ表面にトナー薄層を形成し、潜像保持体上に形成された静電潜像を現像する磁性1成分現像ジャンピング方式であり、前記現像剤保持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm以下とする現像システムである。
ここで、十点平均粗さRzが2.0μm未満になると、トナー搬送力の低下により画像濃度を満足しない。また、6.0μmを超えると、画質が悪くなり、かつスリーブ表面の突起部から感光体ドラムへのリークが発生し、画像黒点となり、画像品質を損なう。
これら十点平均粗さRzは、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−30D」を用いて測定することができる。
ここで、十点平均粗さRzが2.0μm未満になると、トナー搬送力の低下により画像濃度を満足しない。また、6.0μmを超えると、画質が悪くなり、かつスリーブ表面の突起部から感光体ドラムへのリークが発生し、画像黒点となり、画像品質を損なう。
これら十点平均粗さRzは、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−30D」を用いて測定することができる。
また、該スリーブに用いる材質としては、例えば、アルミニウム、SUS等を用いることが出来る。高耐久性を考慮する場合、用いるスリーブ材質としてはSUSを使用することが好ましく、例えば、SUS303、SUS304、SUS305、SUS316等が用いることが出来る。また、磁性が弱く、かつ加工しやすいSUS305を使用することがより好ましい。
本発明の磁性1成分トナーは、結着樹脂中に、着色剤などの種々のトナー配合剤を分散させることにより得られる。本発明におけるトナーに使用する結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N-ビニル系樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂として、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、p-クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニル、α-クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリデンなどのN-ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させることができる。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。まず、2価または3価以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
また、2価または3価以上のカルボン酸成分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn-ブチルコハク酸、n-ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。また、ポリエステル系樹脂の軟化点は、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは90〜140℃である。
また、結着樹脂は、熱硬化性樹脂であっても良い。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100質量部使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
このような熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
このような熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
また、本発明においては、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は50〜65℃であることが好ましく、より好ましくは50〜60℃である。このガラス転移点が、上記範囲よりも低いと、得られたトナー同士が現像器内で融着し、保存安定性が低下してしまう。また、樹脂強度が低いため、感光体へのトナー付着が生じる傾向がある。さらに、ガラス転移点が上記範囲よりも高いと、トナーの低温定着性が低下してしまう。なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製示差走査熱量計DSC-6200を用い、吸熱曲線を測定することで求める。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定を行い、得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求める。
本発明の磁性1成分トナーでは、公知のものと同様、色調を調整するために、カーボンブラックの如き顔料やアシッドバイオレットの如き染料を着色剤として結着樹脂中に分散させることができる。かかる着色剤は、通常、上記結着樹脂100質量部当り1〜10質量部の量で配合される。
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。即ち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができる。
このような電荷制御剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-オキサジアジン、1,3,4-オキサジアジン、1,2,6-オキサジアジン、1,3,4-チアジアジン、1,3,5-チアジアジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,6-オキサトリアジン、1,3,4,5-オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダ-クグリ-ンBH/C、アジンディ-プブラックEWおよびアジンディーブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示することができ、これらは、1種単独でも2種以上を併用して使用することもできる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり特性が得られるという観点から、正帯電性トナーとしての使用には最適である。
また、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩或いはカルボキシル基を官能基として有する樹脂またはオリゴマ-なども正帯電性電荷制御剤として使用することができる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン-アクリル系共重合樹脂は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができるという観点から、最適である。この場合において、上記スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸iso-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸iso-ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸クロム等が挙げられ、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
上述した正帯電性或いは負帯電性の電荷制御剤は、一般に1.5〜15.0質量部、好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部の量でトナー中に含まれているのがよい(即ち、トナーの全体量を100質量部とする)。電荷制御剤の添加量が上記範囲よりも少量であると、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となる傾向があり、該トナーを用いて静電潜像の現像を行って画像形成を行ったとき、画像濃度が低くなったり、画像濃度の耐久性が低下する傾向がある。また、電荷制御剤の分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなる等の傾向がある。一方、電荷制御剤が上記範囲よりも多量に使用されると、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
定着性やオフセット性を向上させるために使用されるワックス類としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用してもよい。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
上述したワックス類は、特に制限されるものではないが、一般に、トナー中に(トナー全体量を100質量部とする)、1〜5質量部の量で配合されていることが好ましい。ワックス類の添加量が1質量部未満では、オフセット性や像スミアリング等を効率的に防止することができない傾向があり、一方、5質量部を超えると、トナー同士が融着してしまい、保存安定性が低下する傾向がある。
本発明の磁性1成分トナーは、結着樹脂中には磁性粉を配合し、一成分現像剤とする。このような磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えば、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
これらの磁性粉は、平均粒子径が0.1〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形で上述した結着樹脂中に均一に分散される。また、磁性粉は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。
また、磁性粉は、トナー中に35〜60質量部、特に40〜60質量部の量で含有されていることが好ましい。上記範囲よりも多量に磁性粉を用いると、画像濃度の耐久性が悪くなり、また、定着性が極度に低下する傾向があり、上記範囲よりも少量では、画像濃度耐久性におけるカブリが悪くなってしまう。
但し、公知の磁性粉を用いてトナー化した際、測定磁場79.6kA/m(1kOe)における残留磁化が2.0Am2/kg以上10.0Am2/kg未満、かつ飽和磁化が20.0Am2/kg以上35.0Am2/kg未満の範囲に入るような磁性粉でなければ効果は得られない。
測定磁場79.6kA/m(1kOe)における残留磁化および飽和磁化が上記範囲よりも低いと、磁気拘束力が弱いために形成された薄層が不均一となり、また画像形成の繰返しにともないカブリが増大する。また、残留磁化および飽和磁化が上記範囲よりも高いと、磁気拘束力が強くなりすぎるために画像濃度低下を引き起こす。
なお、磁性粉末の残留磁化及び飽和磁化は、振動試料型磁力計(VSM−P7−15型:東英工業製)により、常温常湿(20℃、65%RH)で保管しておいたトナーを50mg程度採取し円筒形のセルに挿入して、測定磁場79.6kA/m(1kOe)において1分間でヒステリシスカーブを描かせて測定することができる。
但し、公知の磁性粉を用いてトナー化した際、測定磁場79.6kA/m(1kOe)における残留磁化が2.0Am2/kg以上10.0Am2/kg未満、かつ飽和磁化が20.0Am2/kg以上35.0Am2/kg未満の範囲に入るような磁性粉でなければ効果は得られない。
測定磁場79.6kA/m(1kOe)における残留磁化および飽和磁化が上記範囲よりも低いと、磁気拘束力が弱いために形成された薄層が不均一となり、また画像形成の繰返しにともないカブリが増大する。また、残留磁化および飽和磁化が上記範囲よりも高いと、磁気拘束力が強くなりすぎるために画像濃度低下を引き起こす。
なお、磁性粉末の残留磁化及び飽和磁化は、振動試料型磁力計(VSM−P7−15型:東英工業製)により、常温常湿(20℃、65%RH)で保管しておいたトナーを50mg程度採取し円筒形のセルに挿入して、測定磁場79.6kA/m(1kOe)において1分間でヒステリシスカーブを描かせて測定することができる。
また、スリーブ上のトナー帯電量は3.0μC/g 以上8.0μC/g以下、好ましくは3.0μC/g 以上6.0μC/g以下であるのが好ましい。このトナー帯電量が8.0μC/gより大きいと現像スリーブ上に形成された薄層が不均一となり、また画像形成の繰返しにともないカブリが増大する。また、トナー帯電量が3.0μC/gより小さいと現像スリーブ上に形成された薄層厚が薄くなり画像濃度が低下する。なお、スリーブ上のトナー帯電量はTREC社製帯電量測定装置(Q/M Meter210HS)を用いて測定することができる。この測定装置は吸引口からトナーを吸引し、トナー粒子が金属メッシュを通過する際の電位差を測定するもので、吸引口の大きさはφ3.5mm、吸引圧は0.1kg/cm2である。測定の実施は、後述する京セラ製プリンタFS−3800の現像器に、トナー100〜120g程度を、6〜7分間インストールし、後述の画像評価用サンプルの出力が終了した後に行った。
本発明の磁性1成分トナーは、前述した結着樹脂と電荷制御剤など各種のトナー配合剤とを混合し、押出機等の混練機を用いて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕及び分級することにより得られる。
上記の磁性1成分トナーは、一般に、その平均粒径が5〜10μm程度に分級及び粒度調整されているのがよい。また、かかる磁性1成分トナーは、必要により、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、アルミナ、酸化チタン等の微粒子(通常、平均粒径が1.0μm以下)を外添し、それ単独で一成分現像剤として、感光体表面に形成された静電潜像の現像に使用される。
上記の磁性1成分トナーは、一般に、その平均粒径が5〜10μm程度に分級及び粒度調整されているのがよい。また、かかる磁性1成分トナーは、必要により、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、アルミナ、酸化チタン等の微粒子(通常、平均粒径が1.0μm以下)を外添し、それ単独で一成分現像剤として、感光体表面に形成された静電潜像の現像に使用される。
尚、上記の微粒子外添剤は、トナーの表面処理によって、流動性、保存安定性、クリーニング性等を向上させるために使用されるものであり、通常、トナー当り、0.2〜10.0質量部の量で使用される。また、これら微粒子の外添は、磁性トナーと乾式で攪拌混合することにより行われるが、この攪拌混合は、微粒子がトナー中に埋め込まれないように、ヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどを用いて行うのがよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず、本発明に用いる結着樹脂を次のようにして製造した。温度計、撹拌機、窒素導入管のついた反応器中にキシレン300質量部を入れ、窒素気流下で、スチレン845質量部、アクリル酸n-ブチル155質量部の混合モノマーとジ-tert-ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.5質量部とキシレン125質量部の混合溶液を用いて、170℃で3時間かけて滴下した。滴下後、170℃で1時間反応させ、重合を完了した。その後、脱溶剤して結着樹脂を得た。
このようにして製造された結着樹脂49質量部に、各種磁性粉45質量部、ワックス(サゾールワックスH1、サゾール社製)3質量部、4級アンモニウム塩(ボントロンP-51、オリエント化学社製)3質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。機械式粉砕機にてさらに微粉砕したものを気流式分級機により分級し、体積平均粒径8.0μmの磁性トナーを得た。
このようにして製造された結着樹脂49質量部に、各種磁性粉45質量部、ワックス(サゾールワックスH1、サゾール社製)3質量部、4級アンモニウム塩(ボントロンP-51、オリエント化学社製)3質量部を、ヘンシェルミキサーにて混合した後、2軸押出機にて溶融混練したのち冷却し、ハンマーミルにて粗粉砕した。機械式粉砕機にてさらに微粉砕したものを気流式分級機により分級し、体積平均粒径8.0μmの磁性トナーを得た。
上記で得られたトナー粉体(磁性トナー)に、酸化チタン(ST-100、チタン工業社製)を2.0質量部、シリカ(RA-200H、日本アエロジル社製)を1.0質量部、ヘンシェルミキサーにより外添し、磁性トナー粉末の表面に付着させて磁性一成分正帯電現像剤を調製した。
この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラ(株)製のページプリンタ(FS-3800)を用い、初期画像特性、耐久性を評価し、併せて現像スリーブ上のトナー薄層の状態を目視にて確認した。なお、FS−3800の現像スリーブ表面の十点平均粗さ(Rz)は5.0μmである。
表1に磁性粉を含む磁性トナーの残留磁化σr、飽和磁化σs、スリーブ上のトナー帯電量を示す。
なお、トナー磁気特性については振動試料型磁力計(VSM-P7-15型:東英工業製)を用いて、トナー帯電量についてはスリーブ上のトナー帯電量をTREC社製帯電量測定装置(Q/M Meter210HS)を用いて、前述の方法または条件で測定したものである。
表1に磁性粉を含む磁性トナーの残留磁化σr、飽和磁化σs、スリーブ上のトナー帯電量を示す。
なお、トナー磁気特性については振動試料型磁力計(VSM-P7-15型:東英工業製)を用いて、トナー帯電量についてはスリーブ上のトナー帯電量をTREC社製帯電量測定装置(Q/M Meter210HS)を用いて、前述の方法または条件で測定したものである。
[実施例2〜5、比較例1〜5]
上記実施例1で使用した磁性粉に代えて、それぞれ表1に示す物性の磁性粉を使用した以外は、上記実施例1と同様に調製して磁性トナーを得た。表1に各実施例および比較例における磁性粉を含む磁性トナーの残留磁化σr、飽和磁化σs、スリーブ上のトナー帯電量をそれぞれ示す。
上記実施例1で使用した磁性粉に代えて、それぞれ表1に示す物性の磁性粉を使用した以外は、上記実施例1と同様に調製して磁性トナーを得た。表1に各実施例および比較例における磁性粉を含む磁性トナーの残留磁化σr、飽和磁化σs、スリーブ上のトナー帯電量をそれぞれ示す。
以上の実施例1〜5及び比較例1〜5で得たトナーを用いて以下の印刷・画質評価、スリーブ上のトナー薄層状態の評価を行った。その結果を表2に示す。
評価方法は、以下の通りである。
(1)画像特性
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて初期時に上記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後、10万枚連続印字を行い、再度画像評価パターンを印字して耐久後画像とし、それぞれソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定し、同時にトナー薄層状態およびカブリを目視観察することにより画像特性評価を行った。画像濃度は1.30以上をOKとした。また、トナー薄層状態およびカブリの評価はそれぞれ以下の判断基準を用いた。
・トナー薄層状態
○:薄層が均一に形成され、ムラがない
△:層厚が厚い部分がある
×:ムラが生じている
・かぶりの評価
○:カブリは見られない
△:ややカブリを生じている
×:カブリがひどい
(1)画像特性
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて初期時に上記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後、10万枚連続印字を行い、再度画像評価パターンを印字して耐久後画像とし、それぞれソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定し、同時にトナー薄層状態およびカブリを目視観察することにより画像特性評価を行った。画像濃度は1.30以上をOKとした。また、トナー薄層状態およびカブリの評価はそれぞれ以下の判断基準を用いた。
・トナー薄層状態
○:薄層が均一に形成され、ムラがない
△:層厚が厚い部分がある
×:ムラが生じている
・かぶりの評価
○:カブリは見られない
△:ややカブリを生じている
×:カブリがひどい
(2)トナー薄層状態
低温低湿環境(10℃、20%RH)にて、インストール直後に画像評価パターンを印字して初期とし、その後10万連続通紙を行い、再度尾画像評価パターンを印字して耐久後とし、現像スリーブ上のトナー薄層状態については目視にて確認を行い、評価については以下の判断基準を用いた。
○:薄層が均一に形成され、ムラがない
△:層厚が厚い部分がある
×:ムラが生じている
低温低湿環境(10℃、20%RH)にて、インストール直後に画像評価パターンを印字して初期とし、その後10万連続通紙を行い、再度尾画像評価パターンを印字して耐久後とし、現像スリーブ上のトナー薄層状態については目視にて確認を行い、評価については以下の判断基準を用いた。
○:薄層が均一に形成され、ムラがない
△:層厚が厚い部分がある
×:ムラが生じている
実施例1〜5はすべて綺麗で鮮明な画像かつ均一なトナー薄層形成が得られ、更に10万枚後の印刷後においても、初期と同様の鮮明な画像かつトナー薄層形成が維持された。また、低温低湿(10℃/20%RH)の環境条件のもとにおいても、トナー薄層形成の異常は見られなかった。比較例1、3、5は、低温低湿環境評価で初期からトナー薄層が上手く形成されず評価は初期で終了した。比較例2は残留磁化が大きすぎるため、磁気拘束力が強すぎ、初期の画像濃度から薄く、耐久印刷が進むにつれ画像濃度が低く推移し続けた。比較例4は飽和磁化が大きすぎるため、2同様に耐久性を損なってしまう。
[実施例6〜8、比較例6,7]
次に、上記実施例3で得られた磁性トナーを使用し、現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzについて、実施例に基づいて説明する。この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラ(株)製のページプリンタ(FS-3800)を用い、各種表面粗さを有する現像スリーブを搭載して、上記と同様にして画像特性及びトナー薄層形成の評価を行った。スリーブ表面の十点平均粗さRzをそれぞれ表3に示す。
なお、Rzは株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器、サーフコーダSE−30Dを用いて測定した。
次に、上記実施例3で得られた磁性トナーを使用し、現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzについて、実施例に基づいて説明する。この現像剤を用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラ(株)製のページプリンタ(FS-3800)を用い、各種表面粗さを有する現像スリーブを搭載して、上記と同様にして画像特性及びトナー薄層形成の評価を行った。スリーブ表面の十点平均粗さRzをそれぞれ表3に示す。
なお、Rzは株式会社小坂研究所製の表面粗さ測定器、サーフコーダSE−30Dを用いて測定した。
実施例6〜8はすべて綺麗で鮮明な画像かつ均一なトナー薄層形成が得られ、更に10万枚後の印刷後においても、初期と同様の鮮明な画像かつトナー薄層形成が維持された。また、低温低湿(10℃/20%RH)の環境条件のもとにおいても、トナー薄層形成の異常は見られなかった。比較例6は、Rzが小さ過ぎて耐久印刷が進むにつれ画像濃度が低く推移しつづけた。7は、6とは反対にRzが大き過ぎて耐久印刷中に感光体ドラムへのリークが原因で、画像黒点が発生したので、耐久印刷を中断した。
Claims (2)
- 潜像保持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分現像ジャンピング方式で、かつ前記現像剤担持体のスリーブ表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm未満である現像システムにおいて使用する静電潜像現像用磁性1成分トナーであって、測定磁場79.6kA/m(1kOe)における該トナーの残留磁化が2.0Am2/kg以上10.0Am2/kg未満、かつ飽和磁化が20.0Am2/kg以上35.0Am2/kg未満、かつスリーブ上のトナー帯電量が3.0μC/g 以上8.0μC/g以下であることを特徴とする磁性1成分トナー。
- 前記潜像担持体がアモルファスシリコンドラムである請求項1に記載の磁性1成分トナー。
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JP2003395966A JP2005156987A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | 磁性1成分トナー |
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WO2008044322A1 (fr) | 2006-10-13 | 2008-04-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Dispositif de développement et cartouche de traitement |
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