JP2006071850A - 静電潜像現像用磁性1成分トナーおよびアモルファスシリコン感光体の絶縁破壊抑制方法 - Google Patents

静電潜像現像用磁性1成分トナーおよびアモルファスシリコン感光体の絶縁破壊抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 膜厚が30μm以下のアモルファスシリコン(a−Si)感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用いる磁性1成分ジャンピング現像方式において、感光体表面で絶縁破壊が生じるのを防止することができる静電潜像現像用磁性1成分トナーおよびa−Si感光体の絶縁破壊抑制方法を提供することである。
【解決手段】 膜厚が30μm以下のa−Si感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用い、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分ジャンピング現像方式において使用する静電潜像現像用磁性1成分トナーであって、該トナーは外添剤として比表面積8.0〜30m2/gの疎水化されたチタン酸ストロンチウムをトナー粒子100質量部に対して0.3〜5.0質量部の割合で外添して成ることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて形成される静電荷像(静電潜像)を現像するための乾式磁性1成分トナーおよびアモルファスシリコン感光体の絶縁破壊抑制方法に関する。
一般に電子写真法、静電記録法等においては、光導電性感光体、誘電体等からなる潜像保持体上をコロナ帯電等により帯電させ、レーザ、LED等により露光し形成した静電潜像をトナーなどの現像剤を用いて可視化し又は静電潜像を反転現像により可視化して高品質な画像を得ている。通常、これらの現像法に適用するトナーには、バインダーとしての熱可塑性樹脂(結着樹脂)に着色剤や帯電制御剤として染料、顔料、離型剤としてワックス、磁性材料等を混合して混練、粉砕、分級を行い平均粒径5〜15μmのトナー粒子としたものが用いられる。そして、トナーに流動性を付与したり、トナーの帯電制御を行なったり、クリーニング性を向上させる目的で、シリカや酸化チタン等の無機微粉末、無機金属微粉末がトナーに外添される。
現在、実用化されている種々の静電複写方式における乾式現像法としては、トナーおよび鉄粉などのキャリアを用いる2成分現像方式と、キャリアを用いずトナー内部に磁性体を含有させる磁性1成分現像方式が知られている。
また、多くの静電潜像の現像方法が開発され実用化されている。例えば特許文献1に記載されている磁気ブラシ法、特許文献2に記載されているカスケード現像法及びパウダークラウド法、ファーブラシ現像法等多数の現像方法が知られている。これらの中でも、特にトナーとキャリアを主体とする2成分現像剤を用いる磁気ブラシ法、カスケード法等が広く実用化されている。これらの2成分現像剤を用いる方法は、初期には、比較的安定して良質の画像を提供することができるが、長期にわたり使用する場合、キャリアの劣化、すなわちスペント現象が起こり、キャリアの帯電付与能力が低下し長期間にわたり良質な画像が得られない等の問題や、トナーとキャリアの混合比率が一定に保ちにくいため長期耐久性に欠けるという共通の欠点を有する。
かかる欠点を回避するため、トナーのみからなる1成分現像剤を用いる現像方法が各種提案されており、中でも磁性トナーを採用した磁性1成分現像方式が一般によく知られ、活用されている。
磁性1成分トナーを使用する現像方法としては、特許文献3に開示されている導電性磁性トナーによる現像方法が知られている。これは内部に磁性を有する円筒状の導電性現像剤担持体上に導電性磁性トナーを保持し、これを静電潜像に接触させて現像するものである。この際、現像部において、潜像保持体表面とスリーブ表面の間にトナー粒子により導電路が形成され、この導電路を経てスリーブよりトナー粒子に電荷が導かれ、静電潜像の画像部との間のクーロン力によりトナー粒子が画像部に付着して現像される。この方法では、トナーが導電性であるため、潜像保持体上のトナー像を被印刷媒体(例えば普通紙)に電界を利用して静電気的に転写することが困難であるという問題や、各工程での導電性トナーに由来する不具合現象から、長期にわたり高画質を得ることが難しいという問題、また潜像保持体への電気的リーク破壊という問題などを有している。
また、絶縁性トナーを用いた方式が特許文献4等において提案されている。この方式は、磁性1成分現像ジャンピング方式と呼ばれるものであって、潜像保持体に対向して現像剤担持体が設けられ、この現像剤担持体は磁石ローラを内蔵した現像スリーブを有しており、この現像スリーブの回転によりトナーを搬送し、現像スリーブと磁性ブレードとの隙間を通過させてトナー薄層を形成し、帯電したトナーにより潜像保持体表面の静電潜像を現像する。この方式は、地カブリが防止されるなどの利点を有し、優れた画像が得られるものである。
このように磁性1成分現像方法を用いることにより、2成分現像剤での長期耐久性の欠如という問題点を解決することができる。また、このような現像方法に用いられる現像器の特徴として、非常に小さくかつ簡単な構成をとり得るということが挙げられる。
以上、トナーを中心に現状の問題点を述べたが、以下では画像形成装置も含めた背景技術について述べる。現在、プリンタでは、感光体として有機感光体(OPC)を搭載するものが大半であるが、マシンの高耐久化に伴いアモルファスシリコン感光体(a−Si感光体)を用いたものも用いられている。OPCの寿命が50,000枚程度であるのに対して、a−Si感光体の寿命は500,000枚以上と非常に耐久性がある。これは、a−Si感光体表面の膜減り速度がOPCの膜減り速度の1/100以下であることが要因となっている。
例えば、特許文献5には、感光体のクリーニング手段としてクリーニングブレードを用い、その部材がウレタンゴムで形成され、磁性トナーを現像剤として利用した画像形成方法が提案されている。この方法では、簡単なクリーニング機構で良好なクリーニングを達成し、鮮明な画像を形成することができ、カブリ、画像ムラなどの画像不良を引き起こしたり、画像濃度が低下しないとされている。しかしながら、この方法によると耐久性において満足できていない。それは、感光体がOPCドラムであるため、外添剤の面で工夫しても、軟質なOPCドラムの表面は傷つきやすいので、傷ついた感光体表面へトナーが埋め込まれてフィルミングが発生したり、クリーニングブレードをトナーがすり抜けてしまうといった、画像上に致命的な欠陥を及ぼしてしまう不具合が発生してしまう。これは、この画像形成装置の耐久性評価が15万枚程度しか達成できていないことからもわかる。
一方、a−Si感光体を用いる問題点としては、a−Si感光体は製膜時間が長く、生産性が落ちるのでOPCと比較してコストが高いという問題がある。そこで、通常のa−Si感光体の膜厚は30〜60μmであるが、近年ではコストの問題に加え、膜厚をより薄膜化して高解像度を得るという観点から30μm以下の薄膜シリコンドラムを使用したものが市場に出始めている。
また、a−Si感光体を使用した画像形成装置に使用されるクリーニング手段としては、ブラシ方式、ブレード方式などがあるが、製品のコンパクト化、機構の簡素化などを受けてブレード方式を選択するものが多い。したがって、高耐久性、高解像度および製品のコンパクト化などの面から、薄膜のa−Si感光体ドラムとクリーニングブレードを組み合わせたシステムが多く用いられている。
しかしながら、薄膜のa−Si感光体を使用し、かつブレード方式のクリーニング手段を用いた画像形成装置において、従来の磁性1成分トナーでは感光体膜の絶縁破壊による異常画像が問題となっている。これはa−Si感光体がOPCよりも絶縁破壊に弱く、しかも膜厚を薄膜としたことにより顕著になる。絶縁破壊の発生場所はドラムをクリーニングするブレード稜線部(先端付近)であり、そこに溜まったトナー(滞留し続ける同じトナー、外添剤)がブレードとの摩擦で過剰に帯電し(過帯電)、ある上限を超えると一気に放電を行う。そのとき、感光体に向かって1点放電(極微小領域に放電する)することにより感光体が絶縁破壊すると考えられる。この絶縁破壊が起こると修復不能な不具合である感光体の感光層の破壊が発生し、画像上に黒い点が顕著に現れてしまうという問題がある。
一方で、近年、電子写真法、静電印刷法によるコピー機やプリンタ等の市場は、印刷の高速化、マシンの小型化およびマシン寿命の高耐久化が著しく進んでいる。印刷速度の高速化により、印刷速度に合わせた画像特性、耐久性向上を実現するためには、帯電特性の安定したトナーが必要不可欠であり、かつ各プロセスの工程に影響を与えない、特に画質を決定付ける感光体ドラムに対する影響が少なくなるようなトナーが望まれている。
しかしながら、従来のa−Si感光体またはOPCと静電荷現像剤、磁性トナーを用いたシステムでは、上記したように高解像度、高画質、高耐久性などを充分に満足することはできない。つまり、長期間にわたり帯電特性が安定しかつ各プロセスの工程に影響を与えないトナーと、長期耐久性および高解像度を実現する感光体とを兼ね備えた、市場の要望を満足するシステムは得られていないのが現状である。
例えば、特許文献6には、積層型a−Siよりなる潜像保持体と磁性1成分トナーを用いた例が紹介されている。この方法によると、クリーニング性の向上を図ることができ、クリーニング不良に起因する画像不良を伴うことなく良好な画像を多数回にわたり安定に形成することができるとされている。しかしながら、この方法では、磁性トナーに有機微粒子を付着(外添)してスペーサー的に働かせようとしているが、この有機微粒子は帯電能が非常に高く、すぐに摩擦帯電によりチャージアップを引き起こす。これにより、現像工程では、適切な帯電領域にあるトナーが少なくなり、画像濃度の低下、カブリ、画像ムラなどの画像不良を引き起こし、長期間にわたり、安定した綺麗な画像を供給することは到底できない。また、肝心の感光体クリーニング部では、クリーニングブレードの材質が明確に記載されていないが、簡単な(一般的)機構の弾性ブレードを用いた場合には、トナーが接触し、摩擦帯電していくうちにトナーに逃げ場のない電荷が蓄積され、あるとき感光体に対して異常放電(1点放電、火花放電)を発生させ、感光体ドラム表面(電荷発生層、電荷移送層)を破壊し、修復不能な欠陥(不良画像しか得られなくなる)を生じさせる可能性が極めて高くなる。
特許文献7では、感光体の絶縁破壊を防止するために、遊離磁性粉の存在するトナーが記載されている。この方法によると、遊離している磁性粉によりリークを防ぐことができるとしているが、遊離した磁性粉は現像スリーブや感光体への付着が懸念される。たとえごく微量でも付着が発生すると、それを核として付着が成長し、致命的な画像欠陥を引き起こすことは良く知られたことである。
特許文献8では、感光体の膜厚を規定することにより、感光体の絶縁破壊を抑制することができると記載されている。しかしながら、トナーに関しては特別な規定がなく、本来絶縁破壊の原因となっているはずであるトナーで対策をしないため、今後、特性の異なるトナーを使用した場合には、感光体の絶縁破壊が再び懸念される。
特許文献9では、チタン酸ストロンチウム微粒子を外添したトナーが記載されており、低温低湿、高温高湿環境においても安定した画像を提供できると示されているにもかかわらず、耐久性についてはわずか3,000枚の評価しか行われていない。このため、耐久性が低いおそれがある。それに加え、感光体に対する影響に関する記述は特に見られない。
また特許文献10,11では、研磨剤としてチタン酸ストロンチウムを用いたトナーが記載されており、このトナーを有機感光体に用いた場合には、感光体付着と膜削れの防止を両立させることができると記載されている。しかしながら、2万枚しか評価がされておらず、その効果が十分ではないおそれがある。また、近年長寿命化を目的に使用されているa−Si感光体ドラムについては記載されておらず、このトナーをa−Si感光体ドラムに用いた場合には、感光体の絶縁破壊のおそれがある。
米国特許第2874063号明細書 米国特許第2618552号明細書 米国特許第3909258号明細書 特開昭55−18656号公報 特許第2649363号公報 特許第2713716号公報 特開2003−149857号公報 特開2002−287391号公報 特公平3−10311号公報 特開平9−190008号公報 特開平10−003179号公報
本発明の課題は、潜像保持体として膜厚が30μm以下のアモルファスシリコン(a−Si)感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用いる磁性1成分ジャンピング現像方式において、感光体表面で絶縁破壊が生じるのを防止することができる静電潜像現像用磁性1成分トナーおよびa−Si感光体の絶縁破壊抑制方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、上記の現像システムにおいて、外添剤として所定範囲の比表面積を有する疎水化されたチタン酸ストロンチウムが所定量外添された静電潜像現像用磁性1成分トナーを使用することにより、a−Si感光体とクリーニングブレードとの間に溜まったトナーが、前記ブレード先端部との摩擦によって帯電した際には、その帯電量を低く抑えることができると共に、アモルファス感光体に対して絶縁破壊を起こす電位に達する前に放電することを可能にすることで、感光体表面で絶縁破壊が生じることによる異常画像の発生を防止することができるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、潜像保持体として膜厚が30μm以下のアモルファスシリコン感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用い、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分ジャンピング現像方式において使用するものであって、該トナーは、少なくとも結着樹脂および磁性粉を含有したトナー粒子に、外添剤として比表面積8.0〜30m2/gの疎水化されたチタン酸ストロンチウムを前記トナー粒子100質量部に対して0.3〜5.0質量部の割合で外添してなることを特徴とする。
本発明のアモルファスシリコン感光体の絶縁破壊抑制方法は、潜像保持体として膜厚が30μm以下のアモルファスシリコン感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用い、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分ジャンピング現像方式において、トナーとして、上記静電潜像現像用磁性1成分トナーを使用することを特徴とする。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーおよびa−Si感光体の絶縁破壊抑制方法は、トナーに所定範囲の比表面積を有する疎水化されたチタン酸ストロンチウムを所定量外添するので、トナーとクリーニングブレードとの摩擦帯電を抑制することができると共に、アモルファス感光体に対して絶縁破壊を起こす電位に達する前に放電することができるため、感光体の絶縁破壊による異常画像の無い鮮明な画像を得ることが可能となり、その結果、初期はもちろんのこと長期にわたって安定した画像品質が得られるという効果を有する。
(画像形成装置)
以下、図面を参照しながら本発明について詳細に説明する。図1は本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーを用いる画像形成装置の感光体周辺を示す概略図である。図1に示すように、この画像形成装置は、磁性1成分ジャンピング現像方式による現像システムを備えており、潜像保持体として正帯電アモルファスシリコン(a−Si)感光体ドラム11を使用している。a−Si感光体ドラム11の周囲には、スコロトロン帯電器12、露光器13、現像器14、転写ロール15、クリーニングブレード(クリーニング手段)16および除電ランプ(イレース手段)17が配置されている。
この画像形成装置では、a−Si感光体ドラム11をスコロトロン帯電器12により帯電し、印字データに基づき変換した光信号により露光して感光体ドラム11に静電潜像を形成する。一方、現像器14では、感光体ドラム11に対向して配置され内部に固定された磁石ローラ(図示せず)を内蔵した現像スリーブ14a(現像剤担持体)の回転によりトナーを搬送し、このトナーが磁性ブレード(図示せず)と現像スリーブ14aとの間を通過することにより現像スリーブ14aの表面にトナー薄層が形成される。そして、このトナー薄層から感光体ドラム11上にトナーが供給され、感光体ドラム11上に形成された静電潜像が現像される。
現像されたトナー像は、転写ロール15により転写材(印刷紙など)に転写される。一方、転写材に転写されずに感光体ドラム11表面に残留したトナー(廃棄トナー)は、クリーニングブレード16により除去される。この廃棄トナーは、クリーニングブレード16の先端付近に一時滞留し、後続の廃棄トナーに少しずつ押し出されるようにして図示しないスクリューローラ等の搬送部材側に移動して廃棄トナー容器(図示せず)に搬送される。廃棄トナーが除去された感光体ドラム11の表面は、除電ランプ17により残像電荷が除去される。
(感光体ドラム)
図2は、a−Si感光体ドラム11の一部を拡大した拡大断面図である。図2に示すように、感光体ドラム11としては、導電性基体21上にキャリア阻止層20、感光層19および表面保護層18が積層されて構成された複数層のものを使用するのが好ましい。
また、本発明では、従来のa−Si感光体ドラムと異なり、薄膜のa−Si感光体ドラム11を使用する。感光体11の膜厚は30μm以下、好ましくは10〜30μmであるのがよい。ここで、本実施形態においてa−Si感光体ドラム11の膜厚とは、基材である導電性基体21の表面から感光体ドラム11の表面までの厚み、すなわちキャリア阻止層20、感光層19および表面保護層18の合計厚みのことをいう。
感光体ドラム11の膜厚が30μmを超えると、熱キャリアの移動速度が速くなるため暗減衰特性(暗所における感光層の時間当りの電荷保持能)が低下して、結果的に感光体表面において感光体回転方向への潜像の流れが発生しやすくなり、解像度が低下する原因となる。a−Si感光体に限らず、有機感光体(OPC)においても感光体の膜厚が薄いほど解像度が向上するのは公知である。コスト面においても、感光体の膜厚が厚いほど成膜時間が長くなり、異物等の付着確率が高くなって製造歩留りが低下するので、感光体の総膜厚は薄いほどコストが安く品質も安定する。一方、感光体ドラム11の膜厚が10μm未満である場合には、感光体としての帯電能力が低下して所定の表面電位を得ることが困難になるおそれがある。また、導電性基体21の表面でレーザ光が乱反射することによって、ハーフパターンにおいては干渉縞が発生する不具合が生じるおそれもある。したがって、感光体ドラム11の膜厚は、帯電能力、耐圧、暗減衰特性、製造コストおよび品質の面から、10〜30μmの範囲であるのが好ましい。
より好ましい感光体ドラム11の態様として、表面保護層18の厚さは20,000Å以下、好ましくは5,000〜15,000Åであるのがよい。表面保護層18の厚さが5,000Å未満になると、転写ロール15からの帯電極性とは逆極性の負電流の流れ込みに対する耐圧特性が低下し、その結果15,000枚以下の速い段階で表面保護層18が劣化するおそれがある。一方、表面保護層18の厚さが20,000Åを超えると、成膜時間が長くなり、コスト的に不利になる。従って、表面保護層18の厚さは、帯電能力、耐磨耗性、耐環境性および成膜時間とのバランスから5,000〜15,000Åの範囲内とするのがよい。
図3は、感光体ドラムの膜厚と針耐圧の関係を示すグラフである。図3に示すように、膜厚が厚くなるにつれて感光層の絶縁破壊が起き始める電圧が大きくなっていき、薄膜になるほど絶縁破壊が起き始める電圧が小さくなる。このように、感光層の絶縁破壊による画像上の黒点の発生は感光体の膜厚に依存するところが大きい。したがって、30μm以下という薄膜の感光体ドラム11を用いる現像システムにおいては、低電圧でも絶縁破壊が生じる可能性が高いので、過帯電を防止できる本発明のトナーが特に有効である。
感光層19を構成する材料(感光層材料)は、アモルファスシリコン(a−Si)であれば特に制限されない。好ましい材料としては、a−Si、a−SiC、a−SiO、a−SiON等の無機材料を例示することができる。これらの材料中、a−SiCが特に高抵抗であり、しかもより高い帯電能力、耐磨耗性および耐環境性が得られる点で、本実施形態における感光層材料として好適である。
また、a−SiCを使用する場合、SiとC(炭素)との比率が所定範囲のものを使用するのがよい。このようなa−SiCとしては、a−Si1-XX(Xの値が0.3〜1未満)、好ましくはa−Si1-XX(Xの値が0.5〜0.95以下)であるのがよい。SiとCとの比率が上記範囲のa−SiCは、1012〜1013Ωcmという特に高い抵抗を有し、感光体表面における感光体方向の潜像電荷の流れが少なく、静電潜像の維持能力および耐湿性にも優れる。
また、一般にOPCは、表面抵抗が1013Ω/□オーダーであり、a−Si感光体の表面抵抗(108Ω/□オーダー)よりも高く絶縁破壊されにくいためリーク黒点は発生しにくいが、a−Si感光体はOPCよりも耐摩耗性の点で優れている。したがって、a−Si感光体用いた現像システムにおいて、過帯電を防止できる本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーを用いることで、絶縁破壊の防止と耐摩耗性の向上を両立させることができる。
a−Si感光体ドラム11の表面電位(帯電電位)は、+200〜+500Vの範囲内、好ましくは+200〜+300Vの範囲内とするのがよい。表面電位が+200未満になると、現像電界が不十分となり画像濃度の確保が困難となる。一方、表面電位が+500を超えると、感光体ドラム11の膜厚によっては帯電能力が不足したり、感光層の絶縁破壊の結果である画像上の黒点が発生しやすくなったり、オゾンの発生量が増加するという問題がある。特に、感光体11の膜厚を薄くした場合には、それに対応して感光体ドラム11の帯電能力が低下する傾向にある。従って、現像性と感光体の帯電能力のバランスの観点からa−Si感光体ドラム11表面の表面電位は上記範囲であるのが好ましい。
従来のトナーでは、感光体ドラムの線速が大きくなると、トナーが摩擦帯電しやすくなるため絶縁破壊が生じやすくなるが、本発明のトナーによれば、線速が大きい場合、例えば400〜500mm/秒という大きい場合であっても、絶縁破壊が生じるのを抑制することができる。
(現像器)
現像スリーブ14aは、その表面の十点平均粗さRzが2.0μm以上6.0μm以下であるのが好ましい。十点平均粗さRzが2.0μm未満になると、トナー搬送力の低下により画像濃度を低下するおそれがある。Rzが6.0μmを超えると、画質が悪くなりかつスリーブ14a表面の突起部から感光体ドラム11へのリークが発生し、画像黒点となって画像品質を損なうおそれがある。十点平均粗さRzは、例えば(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器「サーフコーダSE−30D」を用いて測定することができる。
現像スリーブ14aに用いる材質としては、例えばアルミニウム、ステンレス鋼(SUS)等を用いることが出来る。高耐久性を考慮する場合、スリーブ材質としてSUSを使用するのが好ましく、例えばSUS303、SUS304、SUS305、SUS316等を用いることができる。特に、磁性が弱くかつ加工しやすいSUS305を使用するのがより好ましい。
(帯電器)
スコロトロン帯電器12は、シールドケース、コロナワイヤ、グリッドなどから構成されており、コロナワイヤとグリッドとの距離は5.3〜6.3mmに設定するのが好ましい。また、グリッドと感光体ドラム11との距離は0.4〜0.8mmであるのがよい。この距離が0.4mm未満になると火花放電が発生する可能性があり、0.8mmを超えると帯電能力が低下するという問題がある。
(転写ロール)
転写ロール15は、感光体ドラム11に接しており、駆動をうけて感光体ドラム11に対して3〜5%の線速差で回転するのが好ましい。この線速差が3%未満になると転写性が落ち、中抜けが発生する可能性があり、一方、線速差が5%を超えると転写ロール15と感光体ドラム11のスリップが大きくなりジッタが増えるおそれがある。
転写ロール15に使用する材質としては、発泡EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体の発泡体)が好ましい。このように発泡体を用いることで、紙詰まりなどの際に汚染されたトナーが発泡の気泡の中に入るので、運転再開後、最初の紙の裏汚れを防止することができる。また、発泡系の材質を使用することにより、転写ロール15をクリーニングする必要がなく、コストダウンを図ることができる。転写ロール15のゴム硬度は35°±5°(アスカC:日本ゴム協会標準規格「SRIS−0101C型」)であるのが好ましい。このゴム硬度が30°より小さいと転写不良が発生し、40°より大きいと感光体ドラム11とのニップが小さくなり、搬送力が低下する。
(クリーニングブレード)
本実施形態では、感光体ドラム11表面のクリーニング手段として、クリーニングブレード16を使用している。このクリーニングブレード16は、転写ロール15よりも感光体ドラム11の回転方向下流側に配置されており、その先端が感光体ドラム11に接している。これにより、転写材に転写されずに感光体ドラム11の表面に残留した廃棄トナーを取り除くことができる。
クリーニングブレード16は弾性を有した弾性ブレードであるのが好ましい。これにより、感光体ドラム11の表面が傷つくのを防ぐことができる。弾性材料としては、例えばウレタンゴム、シリコーンゴム、弾性を有する樹脂等が挙げられる。クリーニングブレード16は、前記弾性材料をブレード状に成形するか、あるいは金属等のブレードの先端に弾性材料を取り付けることにより得られる。
<磁性1成分トナー>
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、少なくとも結着樹脂および磁性粉を含有したトナー粒子に、所定の外添剤を添加したものである。
(結着樹脂)
本発明のトナーに使用する結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン-アクリル系共重合体、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N-ビニル系樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
より具体的には、ポリスチレン系樹脂として、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。共重合モノマーとしては、p-クロルスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニルなどのハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドテシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸2-クロルエチル、アクリル酸フェニル、α-クロルアクリル酸メチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドなどの他のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルインドール、N-ビニルピロリデンなどのN-ビニル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせてスチレン単量体と共重合させてもよい。
また、ポリエステル系樹脂としては、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合ないし共縮重合によって得られるものであれば使用することができる。ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。まず、2価または3価以上のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の3価以上のアルコール類が例示される。
また、2価または3価以上のカルボン酸成分としては、2価または3価カルボン酸、この酸無水物またはこの低級アルキルエステルが用いられ、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、あるいはn-ブチルコハク酸、n-ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸等の2価カルボン酸;1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等の3価以上のカルボン酸等が例示される。また、ポリエステル系樹脂の軟化点は110〜150℃、より好ましくは120〜140℃である。
また、結着樹脂は、熱硬化性樹脂であっても良い。このように一部架橋構造を導入することにより、定着性を低下させることなく、トナーの保存安定性や形態保持性、あるいは耐久性をより向上させることができる。よって、トナーの結着樹脂として、熱可塑性樹脂を100質量部使用する必要はなく、架橋剤を添加したり、あるいは、熱硬化性樹脂を一部使用することも好ましい。
したがって、熱硬化性樹脂として、エポキシ系樹脂やシアネート系樹脂等が使用することができる。より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、シアネート樹脂等の1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。
また、本発明においては、結着樹脂のガラス転移点(Tg)は50〜65℃であることが好ましく、より好ましくは50〜60℃である。このガラス転移点が、上記範囲よりも低いと、得られたトナー同士が現像器内で融着し、保存安定性が低下してしまう。また、樹脂強度が低いため、感光体へのトナー付着が生じる傾向がある。さらに、ガラス転移点が上記範囲よりも高いと、トナーの低温定着性が低下してしまう。なお、結着樹脂のガラス転移点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、比熱の変化点から求めることができる。より具体的には、測定装置としてセイコーインスツルメンツ社製の示差走査熱量計DSC-6200を用い、吸熱曲線を測定することで求めた。測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25〜200℃、昇温速度10℃/分で常温常湿下にて測定を行い、得られた吸熱曲線よりガラス転移点を求めた。
(磁性粉)
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、結着樹脂中には磁性粉を含有する。このような磁性粉としては、それ自体公知のもの、例えばフェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す金属、もしくは合金またはこれらの元素を含む化合物、あるいは、強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって強磁性を示すようになる合金、または二酸化クロム等を挙げることができる。
これらの磁性粉は、平均粒子径が0.1〜1.0μm、特に0.1〜0.5μmの範囲内の微粉末の形で、上述した結着樹脂中に均一に分散される。また、磁性粉は、チタン系カップリング剤、シラン系カップリング剤などの表面処理剤で表面処理を施して使用することもできる。
また磁性粉は、トナー中(トナー全体量を100質量部とする)に、35〜60質量部、好ましくは40〜60質量部の割合で含有されるのがよい。上記範囲よりも多量に磁性粉を用いると、画像濃度の耐久性が悪くなり、また、定着性が極度に低下する傾向があり、上記範囲よりも少量では、画像濃度耐久性におけるカブリが悪くなってしまう。
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、結着樹脂中に上記磁性粉に加えて、着色剤、電荷制御剤、ワックスなどの種々のトナー配合剤を分散させる。
(着色剤)
本発明のトナーでは、公知のものと同様、色調を調整するためにカーボンブラックのような顔料やアシッドバイオレットのような染料を着色剤として結着樹脂中に分散させることができる。かかる着色剤は、通常、上記結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部の割合で配合される。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、帯電レベルや帯電立ち上がり特性(短時間で、一定の電荷レベルに帯電するかの指標)を著しく向上させ、耐久性や安定性に優れた特性等を得るために配合されるものである。すなわち、トナーを正帯電させて現像に供する場合には、正帯電性の電荷制御剤を添加し、負帯電させて現像に供する場合には、負帯電性の電荷制御剤を添加することができる。
このような電荷制御剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、正帯電性の電荷制御剤の具体例としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-オキサジアジン、1,3,4-オキサジアジン、1,2,6-オキサジアジン、1,3,4-チアジアジン、1,3,5-チアジアジン、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、1,2,3,5-テトラジン、1,2,4,6-オキサトリアジン、1,3,4,5-オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリンなどのアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEWおよびアジンディーブラック3RLなどのアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体などのニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZなどのニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を例示することができ、これらは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を併用して使用することもできる。特に、ニグロシン化合物は、より迅速な立ち上がり性が得られる観点から、正帯電性トナーとしての使用には最適である。
また、4級アンモニウム塩、カルボン酸塩あるいはカルボキシル基を官能基として有する樹脂またはオリゴマーなども正帯電性電荷制御剤として使用することができる。より具体的には、4級アンモニウム塩を有するスチレン系樹脂、4級アンモニウム塩を有するアクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、4級アンモニウム塩を有するポリエステル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン系樹脂、カルボン酸塩を有するアクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボン酸塩を有するポリエステル系樹脂、カルボキシル基を有するポリスチレン系樹脂、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂、カルボキシル基を有するスチレン-アクリル系樹脂、カルボキシル基を有するポリエステル系樹脂等の1種または2種以上が挙げられる。
特に、4級アンモニウム塩を官能基として有するスチレン-アクリル系共重合樹脂は、帯電量を所望の範囲内の値に容易に調節することができる観点から、最適である。この場合において、上記スチレン単位と共重合させる好ましいアクリル系コモノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸iso-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸iso-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n-ブチル、メタアクリル酸iso-ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。また、4級アンモニウム塩としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートから第4級化の工程を経て誘導される単位が用いられる。誘導されるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジ(低級アルキル)アミノエチル(メタ)アクリレート;ジメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドが好適である。また、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシ基含有重合性モノマーを重合時に併用することもできる。
負帯電性を示す電荷制御剤としては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としてはアルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸クロム等があり、特にアセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体または塩が好ましく、特にサリチル酸系金属錯体またはサリチル酸系金属塩が好ましい。
上述した正帯電性あるいは負帯電性の電荷制御剤は、一般に1.5〜15質量部、好ましくは2.0〜8.0質量部、より好ましくは3.0〜7.0質量部の割合で、トナー中に含まれているのがよい(トナーの全体量を100質量部とする)。電荷制御剤の添加量が上記範囲よりも少量であると、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となる傾向があり、このトナーを用いて静電潜像の現像を行って画像形成を行ったとき、画像濃度が低下したり、画像濃度の耐久性が低下する傾向がある。また、電荷制御剤の分散不良が起こりやすく、いわゆるカブリの原因となったり、感光体汚染が激しくなる等の傾向がある。一方、電荷制御剤が上記範囲よりも多量に使用されると、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
(ワックス)
定着性やオフセット性を向上させるために使用されるワックス類としては、特に制限されるものではないが、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、テフロン(登録商標)系ワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等を使用することが好ましい。また、これらワックスは2種以上を併用しても構わない。かかるワックスを添加することにより、オフセット性や像スミアリングをより効率的に防止することができる。
上述したワックス類は、特に制限されるものではないが、一般に、トナー中に1〜5質量部の量で配合されていることが好ましい(トナー全体量を100質量部とする)。ワックス類の添加量が1質量部未満では、オフセット性や像スミアリング等を効率的に防止することができない傾向があり、一方、5質量部を超えると、トナー同士が融着してしまい、保存安定性が低下する傾向がある。
(チタン酸ストロンチウム)
本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、外添剤のうち研磨剤微粒子として疎水化されたチタン酸ストロンチウムを外添するものである。従来より、一般的に酸化チタンが研磨剤微粒子として用いられてきたが、酸化チタンは凝集しやすい特性があるため、カブリなどの画像特性に問題を起こす原因になり、また流動性を悪化させる傾向があるため、研磨剤として使用する際には発生するであろう問題を考慮する必要があった。それに加え、高耐久のシステムにおいて懸念される感光体の絶縁破壊を効果的に防止する効果はあまり見られない。しかし、チタン酸ストロンチウムは材料的に酸化チタンのような凝集性はなく、また流動性を悪化させることもなく、むしろ流動化剤としても使用可能であることを本発明者らは見出した。さらに感光体の絶縁破壊の要因には、クリーニングブレードと感光体の接触部に滞留したトナーの異常な帯電量の上昇によって、トナーから感光体表面に放電が発生することがあるが、酸化チタンに比べ、チタン酸ストロンチウムは不正な帯電量上昇の防止にも効果があるため、帯電量上昇を押さえることで感光体の絶縁破壊を効率よく防止することが可能となることも本発明者らは見出した。
本発明において使用する、この疎水化されたチタン酸ストロンチウムの比表面積は8.0m2/g〜30m2/g、好ましくは11.0m2/g〜27.0m2/gである。比表面積が上記の範囲より大きい場合には、研磨効果が薄れてしまい研磨剤として機能せず、感光体汚染が発生するおそれがある。逆に上記範囲より小さい場合には感光体に対して研磨ではなく傷をつけてしまい、また感光体の絶縁破壊を効率よく防止する効果がなくなってしまう。また一方でトナーからの脱落も起き易くなり、その結果、カブリや濃度低下など画像特性にも悪影響を及ぼす。
本発明における比表面積は、一般に窒素吸着によるBET比表面積と呼ばれるものであり、マイクロメリティック社製の2200型BET比表面積測定装置を使用することで測定することができる。
チタン酸ストロンチウムのトナー粒子に対する添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.3〜5.0質量部、好ましくは0.5〜4.0質量部である。上記範囲より少ない場合には研磨効果が小さくなり、感光体汚染を引き起こしてしまい、本発明の効果が得られにくくなる。上記範囲より多い場合には、トナー表面に強固に付着せず浮遊してしまうものが存在し、カブリなどの画像特性に悪影響を及ぼす可能性があり、トナーに対する影響が大きすぎる結果となってしまう。
チタン酸ストロンチウムには疎水性を付与するため、疎水化剤により表面処理を施すことが好ましく、その疎水化度は35%以上であることが好ましく、特に40%〜75%であることがより好ましい。上記のような疎水化度であるチタン酸ストロンチウムを外添剤とすることで、環境安定性の高いトナーとすることができる。このような表面処理のための疎水化剤としては、各種の公知のものが使用でき、例えばシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が挙げられる。前記シランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が使用可能であり、前記シリコーンオイルとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能である。チタン酸ストロンチウム自体は水溶性ではないが、上記のような疎水化処理を行うことで環境変動、特に湿度の変化に対してトナーの種々の性能を安定して発揮させることができるようになる。疎水化処理を行わずにチタン酸ストロンチウムを外添剤として使用すると、例えば高湿環境において、画像濃度の大きな低下を引き起こしてしまうなどの不具合が発生してしまう。
本発明における疎水化度はメタノール法による疎水化度を示し、次に示す測定方法に従って求めることが出来る。すなわち、チタン酸ストロンチウム0.1gを200mlのビーカーに秤取り、純水50mlを加え、マグネティックスターラーにより攪拌しながら、液面下へメタノールを加えていく。液面上に試料が認められなくなった点を終点とし、下記式により疎水化度を算出する。
Figure 2006071850
また、本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、外添剤として、上記チタン酸ストロンチウムに加えて、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、酸化チタン等の流動性および研磨性を付与するための微粒子(通常、平均粒径が1.0μm以下)を外添することができる。これらの外添剤でトナー粒子の表面を処理することにより、流動性、保存安定性、クリーニング性等を向上させることができる。これらの外添剤は通常、トナー粒子100質量部に対して0.2〜10.0質量部の割合で使用される。
次に本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーの製造方法について説明する。本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーは、結着樹脂、磁性粉、電荷制御剤など各種のトナー配合剤とを混合し、押出機等の混練機を用いて溶融混練した後、これを冷却し、粉砕及び分級することにより得られる。このトナーは、一般に、その平均粒径が5〜10μm程度に分級および粒度調整されているのがよい。これに対し、平均粒径がこの範囲より小さいと、流動性の低下やカブリの原因となり、またこの範囲より大きいと、画質が低下するおそれがあるので好ましくない。
また、上記チタン酸ストロンチウムやシリカ微粒子等の外添処理は、トナーと乾式で撹拌混合することにより行われる。この撹拌混合は、上記外添剤がトナー中に埋め込まれないうえでヘンシェルミキサーやナウターミキサーなどを用いて行うのがよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の静電潜像現像用磁性1成分トナーを詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
<チタン酸ストロンチウムの製造>
硫酸法で得られたメタチタン酸TiO2・H2Oを脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH9.0にし、脱硫処理を行った。ついで、塩酸によりpH5.5まで中和し、ろ過水洗を行った後、これに水を加えてTiO2として1.25モル/Lのスラリーを得た。このスラリーに塩酸を加えてpH1.2にし、解膠処理を行った。この解膠メタチタンスラリーのTiO2として0.626モルを3Lの反応容器に入れ、このスラリーにSrO/TiO2モル比で1.15の塩化ストロンチウム水溶液を添加した後、TiO2として0.626モル/Lに調整し、窒素ガスを吹き込み20分間放置した。
つぎに、この反応容器に窒素を流し、撹拌混合しながらメタチタン酸と塩化ストロンチウムの混合溶液を90℃に加熱した後、10N水酸化ナトリウム水溶液150mlを24時間かけて添加し、その後、90℃で1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応後、40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄液を除去し、2.5Lの純水を加え、デカンテーションを行うという工程を2回繰り返して洗浄した後、ろ過して得られたケーキを110℃の大気中で8時間乾燥し、チタン酸ストロンチウムを得た。このチタン酸ストロンチウムをトリメチルメトキシシランで疎水化処理して表1に示す比表面積および疎水化度を有するチタン酸ストロンチウムを得た。
なお、上記した製造方法は製造例であり、異なる方法で得たチタン酸ストロンチウムであっても、本発明の規定範囲内のものであれば使用可能である。
(比表面積[BET比表面積]の測定方法)
上記比表面積は、マイクロメリティック社製の2200型BET比表面積測定装置を使用して測定した。具体的には、測定サンプル約100mgをセル中に秤量し、温度40℃、真空度1.0×10-3mmHgで12時間脱気処理を行った後、液体窒素により冷却した状態で窒素ガスを吸着させ、その結果より多点法を用いて比表面積の値を求めた。
<結着樹脂の製造>
温度計、撹拌機、窒素導入管のついた反応器中にキシレン300質量部を入れ、窒素気流下で、スチレン845質量部、アクリル酸n-ブチル155質量部の混合モノマーとジ-tert-ブチルペルオキサイド(重合開始剤)8.5質量部とキシレン125質量部の混合溶液を用いて、170℃で3時間かけて滴下した。滴下後、170℃で1時間反応させ、重合を完了した。その後、脱溶剤して結着樹脂を得た。
<トナーの製造>
上記で得られた結着樹脂を49質量部、磁性粉を45質量部、ワックスを3質量部、正電荷制御剤を3質量部の割合でヘンシェルミキサーを用いて混合し、ついで2軸押出機で溶融混練して冷却した後、ハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕したものを機械式粉砕機でさらに微粉砕し、ついで気流式分級機で分級して体積平均粒径8.0μmのトナー粒子を得た。
このトナー粒子に、上記で得られたチタン酸ストロンチウムを前記トナー粒子100質量部に対して表1に示す所定量で、シリカを前記トナー粒子100質量部に対して1質量部の割合でそれぞれ加え、ヘンシェルミキサーにより外添し、チタン酸ストロンチウムおよびシリカをトナー粒子の表面に付着させて磁性1成分正帯電トナーを調製した。
上記トナーを構成する各原料の詳細を以下に示す。
磁性粉:796kA/m印加時に保持力5.0kA/m、飽和磁化82Am2/kg、残留磁化11Am2/kg、個数平均粒径0.25μm
ワックス:サゾール社製の商品名「サゾールワックスH1」
正電荷制御剤:4級アンモニウム塩(オリエント化学社製の商品名「ボントロンP-51」)
シリカ:日本アエロジル社製の商品名「RA-200H」
このトナーを用い、アモルファスシリコン感光体を搭載した京セラ(株)製のページプリンタLS−3800(アモルファスシリコン感光体の膜厚16μm、クリーニングブレードを搭載、24枚/分[A4サイズ]、線速147mm/秒)を用い、感光体絶縁破壊の状態、画像特性、帯電特性について評価した。各特性の評価方法を以下に示すと共に、その評価結果を表2に示す。なお、表2中の「初期」および「10万枚印刷後」は、以下のことを意味する。
初期:上記トナーを上記ページプリンタにセットし、画像を出力した直後の状態で各特性について評価
10万枚印刷後:10万枚連続通紙で印刷(印字率5%)した後の状態で各特性について評価
<感光体絶縁破壊の状態(感光体黒点数)>
上記ページプリンタを用いて、10万枚印字した時の感光体上の絶縁破壊により発生する黒点数(印字枚数に対する感光体膜の絶縁破壊回数)をドットアナライザー(王子計測機器(株)社製の商品名「DA-5000S」)を用いて測定した。なお、黒点の測定範囲はA4横方向、5mm×210mmの領域とした。
<画像特性(画像濃度・カブリ)>
常温常湿環境(20℃、65%RH)にて、初期時に上記ページプリンタにより画像評価パターンを印字して初期画像とし、その後、10万枚連続通紙を行い、再度画像評価パターンを印字して耐久後画像とし、それぞれソリッド画像をマクベス反射濃度計(RD914)を用いて測定し、同時にカブリを目視観察することにより画像特性評価を行った。画像濃度は1.30以上を〇とし、1.30未満を×とした。またカブリの評価は以下の判断基準を用いた。
○:カブリは見られない。
△:ややカブリを生じている。
×:カブリがひどい。
<帯電特性(帯電量)>
上記ページプリンタの現像材担持体に組み込まれた現像スリーブ上の上記トナーの帯電量をTRek社製の吸引式帯電量測定装置(Q/M Meter 210HS)を用いて測定し、その際の重量変化から、トナー1gあたりの帯電量μC/gを求めた。
<感光体表面>
上記ページプリンタを用いて、10万枚印字した時の感光体上の汚染を目視にて観察した。なお感光体汚染の評価は以下の判断基準を用いた。
○:表面にフィルミングや傷などはない
△:微量のフィルミングや極微小の傷の発生が見られる
×:フィルミングまたは傷が発生している
3Lの反応容器に入れる解膠酸化チタンスラリーをTiO2として0.313モルにし、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後、TiO2として0.313モル/Lに調整し、10N水酸化ナトリウム水溶液150mlに代えて5N水酸化ナトリウム水溶液150mlを6時間かけて添加した以外は実施例1と同様にして、表1に示す比表面積および疎水化度を有するチタン酸ストロンチウムを得た。ついで、このチタン酸ストロンチウムを表1に示す所定量で前記トナーに外添した以外は実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。この得られたトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
3Lの反応容器に入れる解膠酸化チタンスラリーをTiO2として0.939モルにし、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後、TiO2として0.939モル/Lに調整し、10N水酸化ナトリウム水溶液150mlに代えて15N水酸化ナトリウム水溶液150mlを36時間かけて添加した以外は実施例1と同様にして、表1に示す比表面積および疎水化度を有するチタン酸ストロンチウムを得た。ついで、このチタン酸ストロンチウムを表1に示す所定量で前記トナーに外添した以外は実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。この得られたトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
[実施例4および5]
それぞれ表1に示す所定量で前記チタン酸ストロンチウムを前記トナーに外添した以外は、実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。ついで、このトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
[比較例1]
前記チタン酸ストロンチウムに代えて、表1に示す比表面積および疎水化度を有する酸化チタンを用いた以外は、実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。ついで、このトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
[比較例2]
前記チタン酸ストロンチウムに代えて、表1に示す比表面積および疎水化度を有するチタン酸バリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。ついで、このトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
[比較例3]
3Lの反応容器に入れる解膠酸化チタンスラリーをTiO2として0.313モルにし、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後、TiO2として0.313モル/Lに調整し、10N水酸化ナトリウム水溶液150mlに代えて5N水酸化ナトリウム水溶液150mlを4.5時間かけて添加した以外は実施例1と同様にして、表1に示す比表面積および疎水化度を有するチタン酸ストロンチウムを得た。ついで、実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。この得られたトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
[比較例4]
3Lの反応容器に入れる解膠酸化チタンスラリーをTiO2として0.939モルにし、塩化ストロンチウム水溶液を添加した後、TiO2として0.939モル/Lに調整し、10N水酸化ナトリウム水溶液150mlに代えて15N水酸化ナトリウム水溶液150mlを42時間かけて添加した以外は実施例1と同様にして、表1に示す比表面積および疎水化度を有するチタン酸ストロンチウムを得た。ついで、実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。この得られたトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
[比較例5および6]
それぞれ表1に示す所定量で前記チタン酸ストロンチウムを前記トナーに外添した以外は、実施例1と同様にして磁性1成分正帯電トナーを得た。ついで、このトナーについて、実施例1と同様にして各特性の評価を行った。その評価結果を表2に示す。
Figure 2006071850
Figure 2006071850
表2から、実施例1〜5は、10万枚印刷後の感光体上の黒点数および感光体表面について問題はなく、初期および10万枚印刷後の帯電量、画像濃度、カブリについても問題ないことがわかる。これに対し、外添剤に酸化チタンを用いた比較例1では、10万枚印刷後には画像濃度の低下が起こり、感光体絶縁破壊が発生した。また外添剤にチタン酸バリウムを用いた比較例2では、カブリが悪く、10万枚印刷後には画像濃度の低下が起こり、感光体表面の汚染および感光体絶縁破壊も発生した。比表面積が所定の範囲より小さい比較例3では、研磨剤としての効果ではなく、感光体に傷の発生が見られ、10万枚印刷後には画像濃度の低下およびカブリが発生し、感光体の絶縁破壊も発生した。比表面積が所定の範囲より大きい比較例4では、絶縁破壊はあまり見られないものの、研磨剤としての効果が見られず、感光体汚染が発生した。また画像濃度の値が低く、10万枚印刷後にはカブリが発生した。添加量が所定の範囲より少ない比較例5では、本発明の効果が得られず、帯電量上昇が発生し、画像濃度の値が低く、カブリが悪く、感光体絶縁破壊および感光体表面の汚染が発生した。添加量が所定の範囲より多い比較例6では、初期にカブリなどが見られ10万枚印刷後では更に悪化した。それに加え、画像濃度の値が低く、10万枚印刷後には、感光体表面の汚染が発生した、
画像形成装置の一例を示す概略図である。 アモルファスシリコン感光体ドラムの積層構造を示す部分拡大断面図である。 感光体膜厚と針耐圧との関係を示すグラフである。
符号の説明
11 a−Si感光体ドラム
12 スコロトロン帯電器
13 露光体
14 現像器
15 転写ロール
16 クリーニングブレード
17 除電ランプ
18 表面保護層
19 感光層
20 キャリア阻止層
21 導電性基体

Claims (2)

  1. 潜像保持体として膜厚が30μm以下のアモルファスシリコン感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用い、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分ジャンピング現像方式において使用する静電潜像現像用磁性1成分トナーであって、
    該トナーは、少なくとも結着樹脂および磁性粉を含有したトナー粒子に、外添剤として比表面積8.0〜30m2/gの疎水化されたチタン酸ストロンチウムを前記トナー粒子100質量部に対して0.3〜5.0質量部の割合で外添して成ることを特徴とする静電潜像現像用磁性1成分トナー。
  2. 潜像保持体として膜厚が30μm以下のアモルファスシリコン感光体と、この感光体表面からトナーを除去するクリーニング手段としてクリーニングブレードとを用い、前記感光体上に形成された静電潜像を現像剤担持体により現像する磁性1成分ジャンピング現像方式において、
    トナーとして、請求項1記載の静電潜像現像用磁性1成分トナーを使用することを特徴とするアモルファスシリコン感光体の絶縁破壊抑制方法。
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